JPH0613407B2 - 針状磁性酸化鉄粒子粉末の製造法 - Google Patents

針状磁性酸化鉄粒子粉末の製造法

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JPH0613407B2 JP61097627A JP9762786A JPH0613407B2 JP H0613407 B2 JPH0613407 B2 JP H0613407B2 JP 61097627 A JP61097627 A JP 61097627A JP 9762786 A JP9762786 A JP 9762786A JP H0613407 B2 JPH0613407 B2 JP H0613407B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、針状磁性酸化鉄粒子粉末の製造法に関するも
のであり、詳しくは、針状含水酸化第二鉄粒子を加熱還
元して針状マグネタイト粒子とするか、または該針状マ
グネタイト粒子を酸化して針状マグネタイト粒子とする
製造法において、当該加熱還元を行うに先立って、針状
含水酸化第二鉄粒子をあらかじめ炭素数8〜24の脂肪酸
又はその塩で被覆し、酸素含有ガス雰囲気中で加熱を行
うことにより、粒子及び粒子相互間の焼結がなく、しか
も出発物がごく微細な針状含水酸化第二鉄粒子であって
もその針状性が保持された微細な針状マグネタイト粒子
又は針状マグヘマイト粒子からなる針状磁性酸化鉄粒子
粉末を製造することを可能とした新規技術を提供するも
のである。
〔従来の技術〕
近年、磁気記録再生用の機器の小型軽量化が進むにつれ
て磁気テープ、磁気ディスク等の磁気記録媒体に対する
高性能化の必要性が日増しに強まってきており、特に、
高出力化及びノイズレベルの低下が要求され、S/N比の
向上が益々要求されている。磁気記録媒体のこれらの諸
特性は磁気記録媒体に使用される磁性材料と密接な関係
を有するものであり、磁気テープ、磁気ディスク等の磁
気記録媒体の高出力化及びノイズレベルの低下を計り、
高S/N比を得るためには、使用される磁性粒子粉末の粒
子サイズ、分散性、充填性などを改善することが重要で
あり、更には磁気テープ塗膜表面の平滑性の向上、また
塗膜の単位体積当たりの平均粒子数を増やすことが重要
である。従って使用される磁性粒子粉末の粒子サイズは
できるだけ微細で、粒子及び粒子相互間の焼結がなく、
しかもビヒクル中での分散性がよく、塗膜中での高充填
性を有する磁性粒子粉末が有利であるとされている。ま
た、近年、記録の高密度化などの要求に伴って針状磁性
酸化鉄粉末の微粒子化が進み、例えば従来はBET法に
よる比表面積で20〜30m2/g程度の粒度のものが使用され
ているが、最近では40〜60m2/g程度の粒度がごく微細な
針状磁性酸化鉄粒子粉末が要求されている。
現在、磁気記録用材料として汎用されている針状磁性酸
化鉄粒子粉末は、周知の通り、針状含水酸化第二鉄粒子
を出発物とし、水素ガス雰囲気中300〜400℃で還元して
針状マグネタイト粒子粉末とした後、続いて200〜300℃
で再酸化して針状マグネタイト粒子粉末とすることによ
り得られている。
然しながら、針状含水酸化第二鉄粒子をH2等還元性ガス
中で加熱還元を行えば、粒子及び粒子相互間の焼結が生
ずるとともに粒子形状の変形が生じ、出発物である針状
含水酸化第二鉄粒子の針状性が保持されにくくなるとい
う難点がある。
この為、針状磁性酸化鉄粒子を製造するに際して、酸化
鉄粒子の加熱還元工程に於いて生ずる粒子及び粒子相互
間の焼結、粒子形状の変形を防ぐため焼結防止剤として
有機化合物を酸化鉄粒子の粒子表面に被覆させて針状磁
性酸化鉄粒子粉末を得るという技術手段が種々提案され
ている。
代表的な方法として、例えば、炭素数8〜24の脂肪酸の
如き有機化合物で針状含水酸化第二鉄粒子の粒子表面を
被覆した後、比酸化性雰囲気中で脱水し、次いで常法に
より加熱還元し、更に再酸化することにより粒子及び粒
子相互間の焼結の少ないコバルト化合物の被着に適した
針状γ-Fe2O3粒子粉末を得る方法(特開昭60-141624号
公報)が知られている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記公知方法では、有機化合物によって被覆された針状
含水酸化第二鉄粒子を磁性酸化鉄粒子とするための還元
及び再酸化に先立って非酸化性雰囲気中250〜300℃にて
脱水が施されている。このように脱水を非酸化性雰囲気
中で施す場合には、有機化合物による加熱還元工程にお
ける焼結防止効果が上掲公開公報に示されている各実施
例に於けるγ-Fe2O3粒子粉末のBET法による比表面積
値の結果からみても顕著でなく、従って粒子及び粒子相
互間の焼結や粒子形状の変形を完全に防ぐことが不可能
であるという問題点が存在する。
本発明者は出発物として微細な針状含水酸化第二鉄粒子
を用い針状マグネタイト粒子又は針状マグヘマイト粒子
を得る際には、加熱還元工程で粒子及び粒子相互間の焼
結や粒子形状の変形が生起してしまうという問題点を解
決して、分散性に優れた微細な針状磁性酸化鉄粒子粉末
を得ることを目的とするものである。
〔問題点を解決する為の手段〕
本発明者は、上述したところに鑑み、粒子及び粒子相互
間の焼結、粒子形状の変形等がなく、出発物である微細
な針状含水酸化第二鉄粒子の針状性が保持されている微
細な針状磁性酸化鉄粒子粉末を得る方法について種々検
討した結果、本発明に到達したのである。
即ち、本発明は炭素数8〜24の脂肪酸又はその塩によっ
て被覆した針状含水酸化第二鉄粒子を酸素含有ガス雰囲
気中160〜370℃で加熱し、続いて非酸化性雰囲気中240
〜600℃で加熱することにより針状マグネタイト粒子を
得るか、更に必要により、該針状マグネタイト粒子を常
法により酸化して針状マグネタイト粒子を得ることを特
徴とする針状磁性酸化鉄粒子粉末の製造法である。
〔作 用〕
先ず、本発明において最も重要な点は、加熱還元を行う
に先立って、炭素数8〜24の脂肪酸又はその塩によって
被覆した微細な針状含水酸化第二鉄粒子を酸素含有ガス
雰囲気中、例えば空気中160〜370℃で加熱している点に
ある。酸素含有ガス雰囲気中160〜370℃なる条件下で加
熱した場合には、部分的に酸化された脂肪酸が微細な針
状含水酸化第二鉄の粒子表面及び粒界により強固に被着
されることによって、後の還元、再酸化工程での加熱に
よる粒子成長並びに化学反応が緩慢となり結果的に粒子
及び粒子相互間の焼結や粒子形状の変形等が可及的に防
止されて、出発物の針状性が保持されている微細な針状
磁性酸化鉄粒子粉末を得ることができる。
この現象についての理論的解明はいまだ行っていない
が、上記加熱条件によれば、後出実施例に示す通り、B
ET法による比表面積が70m2/g程度というごく微細な針
状含水炭化第二鉄粒子を出発物として使用した場合であ
っても、出発物の針状性を保持した微細な粒子が得られ
ることを保証できる。
次に、本発明実施にあたっての諸条件について述べる。
本発明において使用される針状含水酸化第二鉄粒子と
は、針状α-FeOOH、β-FeOOH、γ-FeOOH粒子を言い、特
に粒度がBET比表面積で50m2/g以上のごく微細な針状
含水酸化第二鉄粒子粉末に対し顕著な効果が得られる。
本発明において使用される炭素数8〜24の脂肪酸又はそ
の塩としては、オレイン酸、ラウリン酸、カプリル酸、
カプリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、ベヘン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン
酸、ステアロール酸等の脂肪酸又はその塩が挙げられ
る。これらの脂肪酸又はその塩は、被処理粒子である針
状含水酸化第二鉄粒子に対して1〜20重量%の割合で使
用する。1重量%以下の場合には、被覆による効果、即
ち、焼結防止効果が顕著に現れない。また20重量%以上
の場合には、酸化鉄粒子の焼結防止効果が顕著に現れる
が、反面、不純物が多く含まれる針状磁性酸化鉄粒子が
得られ、磁気特性、特に飽和磁化値の低いものしか得ら
れない。また経済的にも有利でない。
本発明の目的からすれば2〜10重量%で充分な効果を得
ることができる。
次に、本発明における被覆形成手段について述べる。
本発明において、粒子及び粒子相互間の焼結、粒子形状
の変形等を効率よく防止するためには、針状含水酸化第
二鉄粒子の粒子表面を炭素数8〜24の脂肪酸又はその塩
で均一且つ緻密に被覆しておくことが望ましい。その為
の方法としては、例えば被処理粒子である針状含水酸化
第二鉄粒子を分散させた水性懸濁液中に炭素数8〜24の
脂肪酸又はその塩を必要によって加温し溶解させた水溶
液を添加し、続いて酸等で中和して行う被覆方法があ
る。
次に、炭素数8〜24の脂肪酸又はその塩によって被覆し
た針状含水酸化第二鉄粒子を針状磁性酸化鉄粒子とする
ための各加熱工程について説明する。
先ず、炭素数8〜24の脂肪酸又はその塩によって被覆し
た針状含水酸化第二鉄粒子を酸素含有ガス雰囲気中で行
う加熱について説明する。
加熱温度は160〜370℃の範囲で行わなければならない。
160℃以下の場合には、加熱時間が長くかかり実用的で
ない。
370℃以上の場合には被覆物質の蒸発や燃焼が生起し始
め被覆物質の多量の損失を伴うため焼結防止効果が低下
するので望ましくない。また、酸素含有ガスとしては空
気が好適である。
次に、本発明におけるマグネタイト生成の為の非酸化性
雰囲気中での加熱は窒素ガス、アルゴンガス、または水
素ガス等を用いた雰囲気中で行うことができる。窒素ガ
スを用いてなる非酸化性雰囲気中で加熱する場合には36
0〜600℃の温度範囲が、水素ガス等を用いて加熱を行う
場合には、240〜500℃の温度範囲が望ましい。
上記各温度範囲に於いて下限以下の場合にはマグネタイ
トの生成に長時間を要し、また、上限以上の場合には、
粒子及び粒子相互間の焼結や粒子形状の変形が生じ好ま
しくない。
次いで、針状マグヘマイト粒子とするには針状マグネタ
イト粒子を常法により酸化すればよい。
〔実施例〕
次に、実施例並びに比較例により、本発明を説明する。
尚、実施例及び比較例における比表面積はいずれもB.E.
T.法により測定し、磁気特性はV.S.M.で外部磁場5 KeO
の下で測定した値である。
針状含水酸化鉄粒子の分散度合及び磁性塗膜表面の平滑
性度合の定量的な測定法の一つである塗膜の表面光沢
は、日本電色工業(株)社製の入射角60゜グロスメータ
ーで測定した値であり、標準板光沢を89.0%とした時の
値を%表示で示したものである。
実施例1 比表面積69.0m2/gの針状含水酸化第二鉄粒子(α-FeOOH)
1Kgを水中に分散し20のスラリーした。
該スラリーの液温を70℃に昇温し、次いで前記と昇温し
たスラリー中へ10wt%オレイン酸ナトリウム水溶液700g
(α-FeOOH粒子に対して7.0重量%に相当)を添加した
後、希硫酸でPH値を6.5に調整し、30分間撹拌混合し
た。続いて常法により過、洗浄、乾燥して、オレイン
酸で被覆した針状含水酸化第二鉄粒子を得た。
得られたオレイン酸で被覆した針状含水酸化第二鉄粒子
1Kgを6の一端開放型レトルト容器中に投入し、駆動
回転させながら空気を毎分5の割合で通気し、280℃
の温度で30分間加熱し、次いで通気ガスを空気からN2
スに切換えN2ガスを毎分1の割合で通気し、非酸化性
雰囲気の状態とした後、加熱温度を470℃に昇温し、120
分間加熱して針状マグネタイト粒子を得た。該マグネタ
イト粒子を空気中270℃の温度で加熱酸化を行い得られ
た粒子粉末はX線回折の結果針状マグヘマイト粒子粉末
であった。
得られた針状マグネマイト粒子は、電子顕微鏡観察の結
果、出発原料である針状含水酸化第二鉄粒子の粒子形状
を保持しており、比表面積は58.5m2/gであり、磁気測定
の結果、飽和磁化δsは69.9emu/gであった。
続いて、上記の針状マグヘマイト粒子粉末を用いて、下
記に示した通りの組成に配合し、ボールミルにより8時
間混合分散され磁性塗料を得た。
針状マグヘマイト粒子粉末 100.0重量部 塩化ビニル酢酸ビニル共重合体:25.5重量部 ブタジエンアクリロニトリルゴム(5:1) トルエン 83.3重量部 メチルエチルケトン 138.0重量部 メチルイソブチルケトン 46.0重量部 レシチン 4.0重量部 リン酸エステル 4.0重量部 得られた磁性塗料を20μmのポリエチレンテレフタレー
トのフィルム上に厚さ4μmに塗布して磁場配向処理
後、乾燥して磁性塗膜シートを作製した。得られた磁性
塗膜シートの塗膜表面光沢度は109%であった。
実施例2〜7、比較例1〜3 脂肪酸又はその塩の種類及び量、被処理粒子である針状
含水酸化第二鉄粒子の比表面積、各加熱温度及び雰囲気
を種々変化させた以外は実施例1と全く同様にして針状
磁性酸化鉄粒子粉末を得た。この粒子粉末の主要作製条
件並びに比表面積を表1に示す。尚、実施例4及び6で
得られた針状磁性酸化鉄粒子粉末の飽和磁化δsはそれ
ぞれ80.3emu/g、69.5emu/gであった。
更に、磁性塗料を実施例1の磁性塗料作製条件と全く同
様にして得、続いて磁性塗膜シートを製造した。この磁
性塗膜シートの塗膜表面光沢度を表1に示す。
〔効 果〕 本発明方法によれば、前出実施例に示した通り、前出し
た加熱時における粒子及び粒子相互間の焼結や粒子形状
の変形が効率よく防止され、その結果出発物が微細な針
状含水酸化第二鉄粒子であってもその針状性が保持され
ている針状磁性酸化鉄粒子粉末が得られる。また、得ら
れた針状磁性酸化鉄粒子を磁性塗料作製の際の磁性材料
として用いた場合、ビヒクルとの混練時に優れた分散性
を示し、更には、磁気テープ等の磁気記録材料に使用し
た場合には特に充填性に富み、また、塗布表面の光沢度
が著しく向上し、塗膜表面の平滑性に極めて優れた磁気
テープが得られる。
【図面の簡単な説明】
図1及び図2は、いずれも針状磁性酸化鉄粒子粉末の粒
子構造を示す電子顕微鏡写真であり、図1は実施例1に
よって得られた針状マグヘマイト粒子粉末の電子顕微鏡
写真(×30,000)、図2は比較例3により得られた針状
マグヘマイト粒子粉末の電子顕微鏡写真(×30,000)で
ある。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素数8〜24の脂肪酸又はその塩によって
    被覆した針状含水酸化第二鉄粒子を酸素含有ガス雰囲気
    中160〜370℃で加熱し、続いて非酸化性雰囲気中240〜6
    00℃で加熱することにより針状マグネタイト粒子を得る
    ことを特徴とする針状磁性酸化鉄粒子粉末の製造法。
  2. 【請求項2】酸素含有ガスが空気である特許請求の範囲
    第1項記載の針状磁性酸化鉄粒子粉末の製造法。
  3. 【請求項3】窒素ガスを用いてなる非酸化性雰囲気中36
    0〜600℃で加熱することを特徴とする特許請求の範囲第
    1項又は第2項記載の針状磁性酸化鉄粒子粉末の製造
    法。
  4. 【請求項4】水素ガスを用いてなる非酸化性雰囲気中24
    0〜500℃で加熱することを特徴とする特許請求範囲第1
    項又は第2項記載の針状磁性酸化鉄粒子粉末の製造法。
  5. 【請求項5】炭素数8〜24の脂肪酸又はその塩によって
    被覆した針状含水酸化第二鉄粒子を酸含有ガス雰囲気中
    160〜370℃で加熱し、続いて非酸化性雰囲気中240〜600
    ℃で加熱することにより針状マグネタイト粒子とした
    後、該針状マグネタイト粒子を常法により酸化して針状
    マグヘマイト粒子を得ることを特徴とする針状磁性酸化
    鉄粒子粉末の製造法。
  6. 【請求項6】酸素含有ガスが空気である特許請求範囲第
    5項記載の針状磁性酸化鉄粒子粉末の製造法。
  7. 【請求項7】窒素ガスを用いてなる非酸化性雰囲気中36
    0〜600℃で加熱することを特徴とする特許請求の範囲第
    5項又は6項記載の針状磁性酸化鉄粒子粉末の製造法。
  8. 【請求項8】水素ガスを用いてなる非酸化性雰囲気中24
    0〜500℃で加熱することを特徴とする特許請求範囲第5
    項又は6項記載の針状磁性酸化鉄粒子粉末の製造法。
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