JPH0613541B2 - 新規な有機リン化合物及びその製造方法 - Google Patents

新規な有機リン化合物及びその製造方法

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JPH0613541B2
JPH0613541B2 JP1653686A JP1653686A JPH0613541B2 JP H0613541 B2 JPH0613541 B2 JP H0613541B2 JP 1653686 A JP1653686 A JP 1653686A JP 1653686 A JP1653686 A JP 1653686A JP H0613541 B2 JPH0613541 B2 JP H0613541B2
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敦子 植田
哲夫 松本
光治 篠木
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Nippon Ester Co Ltd
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Nippon Ester Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,新規な有機リン化合物及びその製造方法に関
するものであり,さらに詳しくは,耐熱性,難燃性に優
れたポリエステルの原料として使用したり,あるいは安
定化剤や難燃剤などのような添加剤として使用しうる新
規な有機リン化合物及びその製造方法に関するものであ
る。
(従来の技術) 従来,難燃性に優れた耐熱性ポリエステルの原料とし
て,また安定化剤,難燃剤等の添加剤として下記構造式
(III)で示される9,10−ジヒドロ−9−オキサ−1
0−ホスファフェナントレン−10−オキシド(HC
A)のエステル形成性官能基を有した誘導体が知られて
いる(特公昭55−41610号公報等)。
(発明が解決しようとする問題点) ところが,前記構造式(III)で示される化合物をポリエ
ステルに十分な難燃性を付与するに足る量添加するとポ
リエステルの物性を損ねたり,あるいは経済的に高価に
なるという問題があった。
したがって,本発明の主たる目的は,ポリエステルの良
好な物性を損ねることなく,高度な難燃性を付与しうる
新規で安価な有機リン化合物を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは,上記の目的を達成すべく,前記問題点の
ない有機リン化合物について鋭意研究の結果,特定の構
造を有する有機リン化合物であれば,極めて好適なポリ
エステルの原料もしくは安定剤,難燃剤等として用いる
ことができることを見い出し,本発明に到達したもので
ある。
すなわち,本発明は,(1)下記一般式(I)で示される
有機リン化合物及び(2)下記一般式(II)で示される有
機リン化合物と,環状共役ジケトン,不飽和ジカルボン
酸,不飽和ジカルボン酸ジアルキル及び不飽和ジオール
から選ばれた不飽和化合物とを反応させることを特徴と
する下記一般式(I)で示される有機リン化合物の製造
方法を要旨とするものである。
(ただし,Rはエチレン基又は1,2−フェニレン
基,Aは3価のベンゼン環基,3価のナフタリン環基又
は炭素原子数2〜4の3価の脂肪族基,Rは−OH又
は−COOR(Rは水素原子又はメチル基,エチル
基,ブチル基,オクチル基などの炭素原子数1〜10の低
級アルキル基),nは1又は2の整数を表す。) −A−(Rの具体例としては,次のようなものが
あげられる。
本発明の一般式(I)で示される有機リン化合物は,一
般式(II)で示される有機リン化合物(ホスフィン酸と
いう)と,環状共役ジケトン(キノンという),不飽和
ジカルボン酸,不飽和ジカルボン酸ジアルキル及び不飽
和ジオールから選ばれた不飽和化合物とをエチルセロソ
ルブなどの溶媒中で反応させることにより製造すること
ができる。
キノンとしては,ベンゾキノン,2,6−ナフトキノ
ン,1,4−ナフトキノンなどがあげられる。また,不
飽和ジカルボン酸及び不飽和ジカルボン酸ジアルキルと
しては,マレイン酸,フマル酸,イタコン酸,フマル酸
ジメチル,イタコン酸ジメチルなどがあげられる。さら
に,不飽和ジオールとしては,2−ブテン−1,4−ジ
オールなどがあげられる。これらのうち,特に好ましい
ものは,ベンゾキノン,1,4−ナフトキノン,マレイ
ン酸,イタコン酸及び2−ブテン−1,4−ジオールで
ある。
本発明の有機リン化合物を製造するに際し、ホスフィン
酸と不飽和化合物の仕込み時のモル比は通常0.8〜1.2,
好ましくは0.9〜1.1,最適には等モルとするのがよい。
また,本発明の有機リン化合物を短時間に得るために
は,溶媒を用いるのが効果的であり,溶媒としては,た
とえばメタノール,エタノール,プロパノール,クロロ
ホルム,ジメチルホルムアミド,ジメチルスルホキシ
ド,ジオキサン及びメチルセロソルブ,エチルセロソル
ブ,プロピルセロソルブ,ブチルセロソルブ,ペンチル
セロソルブ,ヘキシルセロソルブ,ヘプチルセロソルブ
などのエチレングリコールエーテル類などがあげられる
が,通常エチルセロソルブをホスフィン酸1モルに対
し,通常1〜20モル,最適には3〜6モル使用すればよ
い。また,反応の温度及び時間は,用いる溶媒の沸点以
下で5〜180分間,好ましくは80〜120分間反応させれば
よい。また,製品の純度を上げるための再結晶溶媒とし
ては,沸点100〜250℃,融点20℃以下の芳香族炭化水素
が好ましい。芳香族炭化水素としては,たとえばトルエ
ン,オルソキシレン,メタキシレン,パラキシレン,各
種組成の混合キシレン,エチルベンゼン,キュメン,プ
ソイドキュメン,シメン,メチルナフタレン等の如きア
ルキル芳香族炭化水素等を挙げることができる。また,
その他アセトフェノン,アニソール等の如きケトン及び
エーテル化合物及びメタノール,エタノール等の如きア
ルコール類も使用しうる。これらの中で得られる製品の
純度,品質の面から好ましいのはトルエン,各種キシレ
ン,混合キシレンである。
本発明の有機リン化合物のうち,芳香族ジオール誘導体
のかたちの有機リン化合物をジオール成分とし,芳香族
ジカルボン酸,たとえばテレフタル酸,イソフタル酸な
どをジカルボン酸成分として新規な耐熱性,難燃性の良
好なポリエステルを製造することができる。さらには,
本発明の有機リン化合物は,そのままあるいはエステル
形成性誘導体,さらにはポリエステルオリゴマー,ポリ
マーにした形態で他の汎用ポリエステル,たとえばポリ
エチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート
に対する安定化剤,難燃剤等の添加剤として使用するこ
とも可能である。
(実施例) 次に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明する。
なお,実施例にいう有機リン化合物の収率は収量を理論
収量で割ることにより求めたものである。また,融点は
顕微鏡融点測定器を用いて測定した。
一方,本発明のリン化合物は赤外吸収スペクトル,融点
測定及び元素分析により同定した。
実施例1 温度計,ガス吹き込み口,攪拌機及び径3cm,長さ30cm
のアリーン冷却管のついた内容積2000cm3の四ツ口フラ
スコに,下記構造式(IV)で示されるホスフィン酸誘導体
212.2g,1,4−ナフトキノン316.3g及びエチルセロ
ソルブ901.2gを仕込んだ。
ガス吹き込み口から窒素ガスをゆっくり吹き込み,攪拌
しながら内容物が90℃になるまで加熱した。この過程で
内容物は白色スラリー状から無色透明な溶液状となっ
た。90℃で30分間攪拌した後,放冷し室温にもどし,生
じた結晶を別し減圧乾燥して白色結晶を得た。更に,
この結晶をオルソキシレンから再結晶した。収率は92%
であった。
また,この白色結晶を赤外吸収スペクトル,元素分析及
び液体クロマトグラフィーにより分析したところ,次に
示すような結果が得られ,下記構造式(V)を有する有機
リン化合物であることを確認した。
すなわち,赤外吸収スペクトルにおいて1270κにホスフ
ィン酸のP=Oに基づく吸収が,3400〜3600κに水酸基
に基づくブロードな吸収が見られた。また,原料のP−
Hに基づく2400κ付近の吸収,1,4−ナフトキノンの
C=Oに基づく,1663κ付近の吸収は見られなかった。
元素分析の結果ではC=58.8%(理論値59.1%),H=
5.1%(理論値4.9値%)の結果が得られた。一方,液体
クロマトグラフィーの結果より,前記構造式(V)を有す
る有機リン化合物が純度99.9%以上で存在するという結
果が得られた。
実施例2〜4 構造式(IV)で示される化合物の代わりに,第1表に示す
他のホスフィン酸誘導体を用いた以外は実施例1と同様
に実施し,それぞれ各種の本発明の有機リン化合物を得
た。
かかる有機リン化合物は赤外吸収スペクトル,元素分析
及び液体クロマトグラフィーにより分析,同定した。
実施例1〜4の結果を第2表に記載した。
実施例5〜8 1,4−ナフトキノンの代わりに第3表に示す他の不飽
和化合物を用いた以外は,実施例1と同様に実施し、そ
れぞれ各種の本発明の有機リン化合物を得た。
かかる有機リン化合物は赤外吸収スペクトル,元素分析
及び液体クロマトグラフィーにより分析,同定した。
参考例1 実施例5で得られた有機リン化合物に,炭酸カリウムを
触媒としてエチルセロソルブ溶媒中,大過剰のエチレン
カーボネートを反応させジエチレンオキシド付加体を得
た。このリン化合物10重量部と,テレフタル酸とエチレ
ングリコールから得たビス(β−ヒドロキシエチル)テ
レフタレート及びその低重合体90重量部とを,触媒とし
て全酸成分1モルに対し2×10−4モルのジメチルス
ズマレートを加え,280℃,0.2mmHgで重縮合した。得ら
れたポリエステルは融点247℃,固有粘度0.67でポリマ
ー中のリン原子の含有量は8780ppmであった。
得られたポリエステルを常法に従って紡糸,延伸し,筒
編地として接炎回数を測定したところ5.0回であり,十
分な耐炎性を有していた。
参考例2 実施例5で得られた有機リン化合物に,やや過剰の無水
酢酸を反応させジアセテート体を得た。このリン化合物
10重量部と,ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレ
ート及びその低重合体90重量部とを用い,参考例1と同
様にして固有粘度0.69,リン原子含有量10,094ppmのポ
リエステルを得た。
このポリエステルを参考例1と同様にして筒編地とし,
その接炎回数を測定したところ5.0回であり,十分な耐
炎性を有していた。
参考例3 実施例5で用いた有機リン化合物(IV)の代わりにHC
Aを用いた以外は実施例5と同様にして下記構造式(I
X)を有するリン化合物を得た。
次いで,このリン化合物を参考例1と同様にしてジエチ
レンオキシド誘導体とした後,これを用いて参考例1と
同様に重縮合して固有粘度0.64,リン原子含有量6,800p
pmのポリエステルを得た。
このポリエステルを参考例1と同様にして筒編地とし
て,その接炎回数を測定したところ3.6回であり,若干
耐炎性が不十分であった。
なお,参考例においてポリエステルの極限粘度〔η〕は
フェノールと四塩化エタンとの等量混合物を溶媒とし
て,温度20.0℃で測定した値である。
ポリエステル中のリン原子の含有量はケイ光X線法によ
り定量した。また,「リン含量」はポリエステルの構成
単位に対するリン原子としての重量%を示す。
また,耐炎性は常法に従って紡糸,延伸して得た糸を筒
編地にし,その1gの長さ10.0cmに丸めて10.0mm径の針
金コイル中に挿入し,45度の角度に保持して,下端から
ミクロバーナー(口径0.64mm)で点火し,火源を遠ざけ
て消化した場合は再び点火を繰り返し,全試料が燃焼し
つくすまでに要する点火回数を求め,5個の試料につい
ての点火回数(接炎回数)で表した。
(発明の効果) 本発明のリン化合物は耐熱性,難燃性に優れたポリエス
テルの原料として使用できるほか,ポリマーの安定化
剤,難燃剤としても使用しうる新規化合物である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 21/14 8318−4H

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I)で示される有機リン化合
    物。 (ただし、Rはエチレン基又は1,2−フェニレン
    基,Aは3価のベンゼン環基,3価のナフタリン環基又
    は炭素原子数2〜4の3価の脂肪族基,Rは−OH又
    は−COOR(Rは水素原子又は炭素原子数1〜10
    の低級アルキル基),nは1又は2の整数を表す。)
  2. 【請求項2】下記一般式(II)で示される有機リン化合
    物と環状共役ジケトン,不飽和ジカルボン酸,不飽和ジ
    カルボン酸ジアルキル及び不飽和ジオールから選ばれた
    不飽和化合物とを反応させることを特徴とする下記一般
    式(I)で示される有機リン化合物の製造方法。 (ただし、Rはエチレン基又は1,2−フェニレン
    基,Aは3価のベンゼン環基,3価のナフタリン環基又
    は炭素原子数2〜4の3価の脂肪族基,Rは−OH又
    は−COOR(Rは水素原子又は炭素原子数1〜10
    の低級アルキル基),nは1又は2の整数を表す。)
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DE102008064012A1 (de) * 2008-12-19 2010-06-24 Clariant International Limited Halogenfreie Addukte von Alkylphosphonigsäurederivaten und diesterbildenden Olefinen, halogenfreie Verfahren zu deren Herstellung und ihre Verwendung

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