JPH06136516A - 尿素合成プラント用減圧弁 - Google Patents
尿素合成プラント用減圧弁Info
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- JPH06136516A JPH06136516A JP5034962A JP3496293A JPH06136516A JP H06136516 A JPH06136516 A JP H06136516A JP 5034962 A JP5034962 A JP 5034962A JP 3496293 A JP3496293 A JP 3496293A JP H06136516 A JPH06136516 A JP H06136516A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/141—Feedstock
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- Physical Vapour Deposition (AREA)
- Control Of Fluid Pressure (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 尿素合成プロセスにおいて腐食およびキャビ
テーションエロージョンを受けやすい部位、特に、減圧
弁として耐キャビテーションエロージョン特性、耐食性
が良好な材料を使用することにより、減圧弁の損傷を防
止し、尿素プラントの安全運転を可能にするとともに、
長期にわたる連続運転を可能にする。 【構成】 尿素合成プロセスにおいて腐食およびキャビ
テーションエロージョンを受けやすい減圧弁を窒化クロ
ム材及びクロム拡散浸透処理した金属基材を窒化クロム
で被覆したもので構成する。
テーションエロージョンを受けやすい部位、特に、減圧
弁として耐キャビテーションエロージョン特性、耐食性
が良好な材料を使用することにより、減圧弁の損傷を防
止し、尿素プラントの安全運転を可能にするとともに、
長期にわたる連続運転を可能にする。 【構成】 尿素合成プロセスにおいて腐食およびキャビ
テーションエロージョンを受けやすい減圧弁を窒化クロ
ム材及びクロム拡散浸透処理した金属基材を窒化クロム
で被覆したもので構成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は尿素合成プロセスにおい
て腐食およびキャビテーションエロージョンを受けやす
い部位である減圧弁の新規な構成に関する。
て腐食およびキャビテーションエロージョンを受けやす
い部位である減圧弁の新規な構成に関する。
【0002】
【従来の技術】尿素合成プロセスは高温高圧の腐食性の
高いプロセス流体を取扱うものであり、使用される構造
材料の腐食が従来より問題にされてきた。特に、尿素合
成後の未反応のアンモニアおよび炭酸ガスを分離するた
め、温度150 〜230 ℃のプロセス流体の圧力を150 〜28
0 気圧から数10気圧に低減させる減圧弁や、反応中間体
であるカーバメイト流体を循環させるラインに用いられ
ている減圧弁では、従来より、ステンレス鋼またはジル
コニウムおよびジルコニウム合金が使用されているが、
これらの材料では、キャビテーションエロージョンが腐
食に重畳し、減圧弁材料の損傷を加速し、短期間にその
機能を失わさせている。その結果、尿素合成プラントの
長期安定運転を困難にしている。図1は、尿素合成プラ
ント用減圧弁の断面図で、図中符号1は減圧弁本体であ
る。この減圧弁は、減圧弁本体1と、プラグ3と、シー
トリング5から構成され、入口2より入った高温高圧の
プロセス流体が、プラグ3の先端部4とシートリング5
により囲まれた狭部6を通過することによって減圧され
る仕組みである。そしてこの減圧の際、先端部4及びシ
ートリング5の内面は高速のプロセス流体にさらされる
ことにより、腐食に加えて、キャビテーションエロージ
ョンを受け、通常図中斜線で示した箇所において著しい
減肉を生じる。
高いプロセス流体を取扱うものであり、使用される構造
材料の腐食が従来より問題にされてきた。特に、尿素合
成後の未反応のアンモニアおよび炭酸ガスを分離するた
め、温度150 〜230 ℃のプロセス流体の圧力を150 〜28
0 気圧から数10気圧に低減させる減圧弁や、反応中間体
であるカーバメイト流体を循環させるラインに用いられ
ている減圧弁では、従来より、ステンレス鋼またはジル
コニウムおよびジルコニウム合金が使用されているが、
これらの材料では、キャビテーションエロージョンが腐
食に重畳し、減圧弁材料の損傷を加速し、短期間にその
機能を失わさせている。その結果、尿素合成プラントの
長期安定運転を困難にしている。図1は、尿素合成プラ
ント用減圧弁の断面図で、図中符号1は減圧弁本体であ
る。この減圧弁は、減圧弁本体1と、プラグ3と、シー
トリング5から構成され、入口2より入った高温高圧の
プロセス流体が、プラグ3の先端部4とシートリング5
により囲まれた狭部6を通過することによって減圧され
る仕組みである。そしてこの減圧の際、先端部4及びシ
ートリング5の内面は高速のプロセス流体にさらされる
ことにより、腐食に加えて、キャビテーションエロージ
ョンを受け、通常図中斜線で示した箇所において著しい
減肉を生じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】減圧弁用材料としてス
テンレス鋼は、耐キャビテーションエロージョン特性が
良く、耐食性がかなり良好であるため、実用に供されて
きたが、尿素プラントの長期安定運転を考えた場合、後
述の比較例2に示すように耐食性が充分であるとは言え
ず、使用中の腐食により減肉し、短期間のうちに減圧弁
の機能を果たさなくなるといった問題があった。一方、
ジルコニウムおよびジルコニウム合金も、尿素合成条件
下で高い耐食性を示すため、実用に供されてきた。しか
しながら、これらジルコニウムおよびジルコニウム合金
の、JIS 2243で知られるブリネル硬度は150maxと低く、
減圧弁材料として長期間使用する場合には、後述の比較
例6に示すようにキャビテーションエロージョンにより
減肉し、短期間のうちに、減圧弁としての機能を果たさ
なくなるといった問題があった。これらの材料面の問題
点は、尿素プラントの長期連続運転を実現する上で解決
すべき必須の事柄である。また、尿素合成プロセスは、
150 〜230 ℃、150 〜280 気圧の高温高圧下で操業され
るプロセスであることから、運転条件の変動等により、
予期せざる損傷を受ける可能性があることから、安全に
操業を続ける上にも必須の事柄である。本発明の目的
は、尿素合成プロセスにおいて腐食およびキャビテーシ
ョンエロージョンを受けやすい部位、特に、減圧弁とし
て耐キャビテーションエロージョン特性、耐食性が良好
な材料を使用することにより、減圧弁の損傷を防止し、
尿素プラントの安全運転を可能にするとともに、長期に
わたる連続運転を可能にすることである。
テンレス鋼は、耐キャビテーションエロージョン特性が
良く、耐食性がかなり良好であるため、実用に供されて
きたが、尿素プラントの長期安定運転を考えた場合、後
述の比較例2に示すように耐食性が充分であるとは言え
ず、使用中の腐食により減肉し、短期間のうちに減圧弁
の機能を果たさなくなるといった問題があった。一方、
ジルコニウムおよびジルコニウム合金も、尿素合成条件
下で高い耐食性を示すため、実用に供されてきた。しか
しながら、これらジルコニウムおよびジルコニウム合金
の、JIS 2243で知られるブリネル硬度は150maxと低く、
減圧弁材料として長期間使用する場合には、後述の比較
例6に示すようにキャビテーションエロージョンにより
減肉し、短期間のうちに、減圧弁としての機能を果たさ
なくなるといった問題があった。これらの材料面の問題
点は、尿素プラントの長期連続運転を実現する上で解決
すべき必須の事柄である。また、尿素合成プロセスは、
150 〜230 ℃、150 〜280 気圧の高温高圧下で操業され
るプロセスであることから、運転条件の変動等により、
予期せざる損傷を受ける可能性があることから、安全に
操業を続ける上にも必須の事柄である。本発明の目的
は、尿素合成プロセスにおいて腐食およびキャビテーシ
ョンエロージョンを受けやすい部位、特に、減圧弁とし
て耐キャビテーションエロージョン特性、耐食性が良好
な材料を使用することにより、減圧弁の損傷を防止し、
尿素プラントの安全運転を可能にするとともに、長期に
わたる連続運転を可能にすることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成すべく、尿素合成プロセスに使用される減圧弁の
減肉を防止するために必要な高い耐食性と耐キャビテー
ションエロージョン特性を持った材料を鋭意探索した結
果、ある組成を持った窒化クロムがこの種の材料として
好適であること、そしてこの窒化クロムを基材の表面に
被覆することにより減圧弁材料として充分な性能を発揮
することを見出した。さらに、金属クロム以外の金属材
料を基材として使用する場合には窒化クロムを被覆する
前処理としてクロム拡散浸透処理をすることにより、基
材の耐食性を向上させ、このことがクロム拡散浸透処理
面に被覆した窒化クロム被膜の剥離防止に有効であるこ
とを見出し、本発明を完成するに到った。即ち本発明
は、尿素合成プロセスにおいて腐食およびキャビテーシ
ョンエロージョンを受けやすい減圧弁を窒化クロム材で
構成した尿素合成プラント用減圧弁、および金属クロム
以外の金属材料を基材として使用する場合に、クロム拡
散浸透処理した金属材を窒化クロムで被覆したものによ
り構成した尿素合成プラント用減圧弁に関する。
を達成すべく、尿素合成プロセスに使用される減圧弁の
減肉を防止するために必要な高い耐食性と耐キャビテー
ションエロージョン特性を持った材料を鋭意探索した結
果、ある組成を持った窒化クロムがこの種の材料として
好適であること、そしてこの窒化クロムを基材の表面に
被覆することにより減圧弁材料として充分な性能を発揮
することを見出した。さらに、金属クロム以外の金属材
料を基材として使用する場合には窒化クロムを被覆する
前処理としてクロム拡散浸透処理をすることにより、基
材の耐食性を向上させ、このことがクロム拡散浸透処理
面に被覆した窒化クロム被膜の剥離防止に有効であるこ
とを見出し、本発明を完成するに到った。即ち本発明
は、尿素合成プロセスにおいて腐食およびキャビテーシ
ョンエロージョンを受けやすい減圧弁を窒化クロム材で
構成した尿素合成プラント用減圧弁、および金属クロム
以外の金属材料を基材として使用する場合に、クロム拡
散浸透処理した金属材を窒化クロムで被覆したものによ
り構成した尿素合成プラント用減圧弁に関する。
【0005】本発明において、窒化クロムとは、CrN-Cr
2N-Cr 系から構成される化合物で、CrN の含有率が60%
以上100 %以下の組成を持つものを意味する。これらの
組成含有率は、薄膜X線回折分析により得られた強度ピ
ーク比率を示したものである。また、本発明において、
減圧弁を窒化クロム材で構成するとは、構造的に減圧弁
全体を窒化クロム材で製作することを意味するが、特に
腐食およびキャビテーションエロージョンを受けやすい
減圧弁の要部、即ち前述した図1中斜線で示す、高温高
圧の腐食性の高いプロセス流体と接触する箇所のみに窒
化クロム材を適用し、プロセス流体と接触しない箇所に
は適用しない減圧弁も本発明の範疇に含まれる。また、
本発明において減圧弁を窒化クロム材により構成する場
合は、減圧弁を窒化クロム単体で形成する場合、および
窒化クロムを窒化法および物理蒸着法などの表面処理方
法によって金属およびセラミックス等の基材表面を窒化
クロム被覆された被覆材で形成する場合、および金属基
材表面をクロム拡散浸透処理により改質した後、物理蒸
着法により窒化クロム被覆された被覆材で形成する場合
をいう。本発明において、上記クロム拡散浸透処理と
は、JIS 鉄鋼熱処理用語によれば、クロマイジングと別
称され、「鉄鋼の耐食性を増加させるため、高温で鉄鋼
の表面にクロムを拡散させる操作」と定義されている手
段をいう。また、本発明に用いる窒化クロムは、物理蒸
着法では従来技術である反応性イオンプレーティング法
により、また窒化法ではイオン窒化法またはガス窒化法
にて金属クロムを窒化することにより得られる。尚、基
材が金属クロムの場合、窒化法であるイオン窒化法等に
より、減圧下、窒化温度好ましくは700 〜1000℃の条件
の下、金属クロム表面に窒化クロム層を形成させること
ができる。この場合の層の厚さは、通常50μm 以下とす
る。一方、基材がステンレス鋼、セラミックスなど、金
属クロム以外の場合には、窒化法による基材表面への窒
化クロム被覆は困難であり、この場合、物理蒸着法であ
る反応性イオンプレーティング法を用いる必要がある。
まず窒化クロム被覆の前処理として拡散浸透処理をしな
い場合について説明すると、この場合の成膜条件は、減
圧下、成膜温度350 〜550 ℃であり、皮膜の厚みは通常
10〜50μm がよい。これは、後述する実施例1および3
からも明らかなように、皮膜の厚みが10μm 以上であれ
ば、ピンホールの発生率が低下するため、皮膜の剥離を
生じないのに対し、比較例3に示す如く皮膜が10μm 未
満になると、ピンホールの発生率が高くなってアンモニ
ウムカーバメートを含む腐食性の強い尿素溶液の場合、
図2に示した概念図のように貫通したピンホール11か
ら尿素液が侵入して、基材13に腐食による空孔14が
形成され、皮膜12が基材13の腐食によって剥離し、
基材を大きく腐食させる。また、皮膜の厚さが50μm を
越えると比較例4に示す如く、膜の内部応力で皮膜が自
己崩壊することがある。以上説明したように、窒化クロ
ム被覆の前処理としてクロム拡散浸透処理をしない場合
であっても充分課題を解決することができるが、基材が
金属クロム以外の材料では被覆した窒化クロム皮膜中で
の貫通ピンホールを無くすため、窒化クロム皮膜の厚み
を10μm 以上とするとともに、被覆部の皮膜に貫通ピン
ホールおよび割れがないことを綿密に時間をかけて検査
する必要がある。
2N-Cr 系から構成される化合物で、CrN の含有率が60%
以上100 %以下の組成を持つものを意味する。これらの
組成含有率は、薄膜X線回折分析により得られた強度ピ
ーク比率を示したものである。また、本発明において、
減圧弁を窒化クロム材で構成するとは、構造的に減圧弁
全体を窒化クロム材で製作することを意味するが、特に
腐食およびキャビテーションエロージョンを受けやすい
減圧弁の要部、即ち前述した図1中斜線で示す、高温高
圧の腐食性の高いプロセス流体と接触する箇所のみに窒
化クロム材を適用し、プロセス流体と接触しない箇所に
は適用しない減圧弁も本発明の範疇に含まれる。また、
本発明において減圧弁を窒化クロム材により構成する場
合は、減圧弁を窒化クロム単体で形成する場合、および
窒化クロムを窒化法および物理蒸着法などの表面処理方
法によって金属およびセラミックス等の基材表面を窒化
クロム被覆された被覆材で形成する場合、および金属基
材表面をクロム拡散浸透処理により改質した後、物理蒸
着法により窒化クロム被覆された被覆材で形成する場合
をいう。本発明において、上記クロム拡散浸透処理と
は、JIS 鉄鋼熱処理用語によれば、クロマイジングと別
称され、「鉄鋼の耐食性を増加させるため、高温で鉄鋼
の表面にクロムを拡散させる操作」と定義されている手
段をいう。また、本発明に用いる窒化クロムは、物理蒸
着法では従来技術である反応性イオンプレーティング法
により、また窒化法ではイオン窒化法またはガス窒化法
にて金属クロムを窒化することにより得られる。尚、基
材が金属クロムの場合、窒化法であるイオン窒化法等に
より、減圧下、窒化温度好ましくは700 〜1000℃の条件
の下、金属クロム表面に窒化クロム層を形成させること
ができる。この場合の層の厚さは、通常50μm 以下とす
る。一方、基材がステンレス鋼、セラミックスなど、金
属クロム以外の場合には、窒化法による基材表面への窒
化クロム被覆は困難であり、この場合、物理蒸着法であ
る反応性イオンプレーティング法を用いる必要がある。
まず窒化クロム被覆の前処理として拡散浸透処理をしな
い場合について説明すると、この場合の成膜条件は、減
圧下、成膜温度350 〜550 ℃であり、皮膜の厚みは通常
10〜50μm がよい。これは、後述する実施例1および3
からも明らかなように、皮膜の厚みが10μm 以上であれ
ば、ピンホールの発生率が低下するため、皮膜の剥離を
生じないのに対し、比較例3に示す如く皮膜が10μm 未
満になると、ピンホールの発生率が高くなってアンモニ
ウムカーバメートを含む腐食性の強い尿素溶液の場合、
図2に示した概念図のように貫通したピンホール11か
ら尿素液が侵入して、基材13に腐食による空孔14が
形成され、皮膜12が基材13の腐食によって剥離し、
基材を大きく腐食させる。また、皮膜の厚さが50μm を
越えると比較例4に示す如く、膜の内部応力で皮膜が自
己崩壊することがある。以上説明したように、窒化クロ
ム被覆の前処理としてクロム拡散浸透処理をしない場合
であっても充分課題を解決することができるが、基材が
金属クロム以外の材料では被覆した窒化クロム皮膜中で
の貫通ピンホールを無くすため、窒化クロム皮膜の厚み
を10μm 以上とするとともに、被覆部の皮膜に貫通ピン
ホールおよび割れがないことを綿密に時間をかけて検査
する必要がある。
【0006】次に、被覆部の皮膜に貫通ピンホールおよ
び割れがないことを綿密に時間をかけて検査する必要の
ない窒化クロム被覆の前処理としてクロム拡散浸透処理
をした場合について説明する。前述のように、基材とし
て金属クロム以外の金属を使用し、クロム拡散浸透処理
をしない場合には、基材の腐食によって被覆された窒化
クロム皮膜が剥離することがあることは、前述の通りで
ある。このような皮膜剥離は、基材の耐食性が充分でな
いために、皮膜の微小な貫通欠陥を通して基材が腐食さ
れることが直接の原因となっており、従って、基材の耐
食性をさらに向上させることが皮膜剥離の防止に有効で
ある。尿素合成環境中において、材料の耐食性を向上さ
せる因子の一つとして材料中に含まれるクロム濃度があ
り、クロム濃度の増加とともに材料の耐食性が向上する
ことが知られているが、クロム濃度の上昇とともに、材
料の加工性、靭性が悪くなることも事実であり、ある一
定量を超えたクロム含有設計はできなくなるのが現状で
ある。そこで本発明者らは、図3に示したように基材1
3の表面にクロム拡散浸透処理を施して高クロム合金層
16を形成することにより基材13表面の耐食性を高
め、さらにその上に窒化クロムを被覆することにより窒
化クロム皮膜12中に微小な貫通欠陥11があっても容
易に皮膜剥離を生じない高耐食性、高耐キャビテーショ
ン性の減圧弁を製作することができた。その結果、被覆
材を使用する前のピンホール検査は簡素化でき、製品の
歩留まりは飛躍的に向上することも可能となった。この
場合、クロム拡散浸透処理による高クロム合金層および
反応性イオンプレーティング法による窒化クロムの最小
厚さは、後述する実施例4より明らかなように、それぞ
れ5および3μm 以上が好ましく、最大厚さは高クロム
合金層の割れ、および窒化クロム皮膜の自己崩壊を考慮
して、いずれの場合も50μm 以下が好ましい(実施例5
参照)。
び割れがないことを綿密に時間をかけて検査する必要の
ない窒化クロム被覆の前処理としてクロム拡散浸透処理
をした場合について説明する。前述のように、基材とし
て金属クロム以外の金属を使用し、クロム拡散浸透処理
をしない場合には、基材の腐食によって被覆された窒化
クロム皮膜が剥離することがあることは、前述の通りで
ある。このような皮膜剥離は、基材の耐食性が充分でな
いために、皮膜の微小な貫通欠陥を通して基材が腐食さ
れることが直接の原因となっており、従って、基材の耐
食性をさらに向上させることが皮膜剥離の防止に有効で
ある。尿素合成環境中において、材料の耐食性を向上さ
せる因子の一つとして材料中に含まれるクロム濃度があ
り、クロム濃度の増加とともに材料の耐食性が向上する
ことが知られているが、クロム濃度の上昇とともに、材
料の加工性、靭性が悪くなることも事実であり、ある一
定量を超えたクロム含有設計はできなくなるのが現状で
ある。そこで本発明者らは、図3に示したように基材1
3の表面にクロム拡散浸透処理を施して高クロム合金層
16を形成することにより基材13表面の耐食性を高
め、さらにその上に窒化クロムを被覆することにより窒
化クロム皮膜12中に微小な貫通欠陥11があっても容
易に皮膜剥離を生じない高耐食性、高耐キャビテーショ
ン性の減圧弁を製作することができた。その結果、被覆
材を使用する前のピンホール検査は簡素化でき、製品の
歩留まりは飛躍的に向上することも可能となった。この
場合、クロム拡散浸透処理による高クロム合金層および
反応性イオンプレーティング法による窒化クロムの最小
厚さは、後述する実施例4より明らかなように、それぞ
れ5および3μm 以上が好ましく、最大厚さは高クロム
合金層の割れ、および窒化クロム皮膜の自己崩壊を考慮
して、いずれの場合も50μm 以下が好ましい(実施例5
参照)。
【0007】
【発明の効果】本発明の尿素合成プラント用減圧弁は、
窒化クロム材で構成されているので、耐食性および耐キ
ャビテーションエロージョン性が極めて高いものとな
る。その結果、減圧弁の寿命が延び、尿素プラントの安
全な長期連続運転が可能となり、運転効率も著しく向上
した。また、本発明の尿素合成プラント用減圧弁のう
ち、クロム拡散浸透処理後の金属基材に窒化クロム材を
被覆したものは、初期貫通欠陥に起因する皮膜剥離を防
止することが可能となり、その結果、被覆材を使用する
前のピンホール検査が簡素化され、製品の歩留まりを飛
躍的に向上することも可能となった。即ち、上記本発明
の効果は、アンモニアと炭酸ガスを原料とする尿素合成
プラントの、高温高圧の高腐食性プロセス流体と接触す
る減圧弁表面に、窒化クロムを適用することにより得ら
れるものである。
窒化クロム材で構成されているので、耐食性および耐キ
ャビテーションエロージョン性が極めて高いものとな
る。その結果、減圧弁の寿命が延び、尿素プラントの安
全な長期連続運転が可能となり、運転効率も著しく向上
した。また、本発明の尿素合成プラント用減圧弁のう
ち、クロム拡散浸透処理後の金属基材に窒化クロム材を
被覆したものは、初期貫通欠陥に起因する皮膜剥離を防
止することが可能となり、その結果、被覆材を使用する
前のピンホール検査が簡素化され、製品の歩留まりを飛
躍的に向上することも可能となった。即ち、上記本発明
の効果は、アンモニアと炭酸ガスを原料とする尿素合成
プラントの、高温高圧の高腐食性プロセス流体と接触す
る減圧弁表面に、窒化クロムを適用することにより得ら
れるものである。
【0008】
実施例1 50mm×50mm×厚み4mmの形状を持つステンレス鋼材を用
い、その表面にクロム拡散浸透処理を施さず、直接、反
応性イオンプレーティング法により窒化クロム(CrN :
100 %)を10μm の膜厚で被覆して試験片とした。次に
この試験片を、温度150 〜230 ℃、圧力150 〜280 気圧
の条件下で、尿素、アンモニア、炭酸ガスおよびアンモ
ニアカーバメートなどからなるプロセス流体が存在する
運転中の尿素合成塔内に1年間挿入し、窒化クロムの耐
食性を調べた。結果を表1に示す。 実施例2 窒化クロムの種類を、CrN :60%、(Cr2N+Cr):40%
のものに変えた他は実施例1と同様の試験片仕様であ
り、実施例1と同様にして耐食性を調べた。結果を表1
に示す。 実施例3 窒化クロムの被覆膜厚を50μm とした他は実施例1と同
様の試験片仕様であり、実施例1と同様にして耐食性を
調べた。結果を表1に示す。 比較例1 窒化クロムの種類を、CrN :30%、(Cr2N+Cr):70%
のものに変えた他は実施例1と同様の試験片仕様であ
り、実施例1と同様にして耐食性を調べた。結果を表1
に示す。 比較例2 実施例1で用いたのと同様のステンレス鋼材を窒化クロ
ム皮膜を被覆することなくそのまま用いて試験片とし、
実施例1と同様にして耐食性を調べた。結果を表1に示
す。 比較例3 窒化クロムの被覆膜厚を3μm とした他は実施例1と同
様の試験片仕様であり、実施例1と同様にして耐食性を
調べた。結果を表1に示す。 比較例4 窒化クロムの被覆膜厚を60μm とした他は実施例1と同
様の試験片仕様であり、実施例1と同様にして耐食性を
調べようとしたが、皮膜に割れが認められ、その後の評
価は行わなかった。 実施例4 実施例1で用いたのと同様のステンレス鋼材に、前処理
として厚さ5μm となるクロム拡散浸透処理を施した
後、反応性イオンプレーティング法により窒化クロム
(CrN :100 %)を3μm の膜厚で被覆して試験片と
し、実施例1と同様にして耐食性を調べた。結果を表1
に示す。 実施例5 実施例1で用いたのと同様のステンレス鋼材に、前処理
として厚さ50μm となるクロム拡散浸透処理を施した
後、反応性イオンプレーティング法により窒化クロム
(CrN :100 %)を50μm の膜厚で被覆して試験片と
し、実施例1と同様にして耐食性を調べた。結果を表1
に示す。
い、その表面にクロム拡散浸透処理を施さず、直接、反
応性イオンプレーティング法により窒化クロム(CrN :
100 %)を10μm の膜厚で被覆して試験片とした。次に
この試験片を、温度150 〜230 ℃、圧力150 〜280 気圧
の条件下で、尿素、アンモニア、炭酸ガスおよびアンモ
ニアカーバメートなどからなるプロセス流体が存在する
運転中の尿素合成塔内に1年間挿入し、窒化クロムの耐
食性を調べた。結果を表1に示す。 実施例2 窒化クロムの種類を、CrN :60%、(Cr2N+Cr):40%
のものに変えた他は実施例1と同様の試験片仕様であ
り、実施例1と同様にして耐食性を調べた。結果を表1
に示す。 実施例3 窒化クロムの被覆膜厚を50μm とした他は実施例1と同
様の試験片仕様であり、実施例1と同様にして耐食性を
調べた。結果を表1に示す。 比較例1 窒化クロムの種類を、CrN :30%、(Cr2N+Cr):70%
のものに変えた他は実施例1と同様の試験片仕様であ
り、実施例1と同様にして耐食性を調べた。結果を表1
に示す。 比較例2 実施例1で用いたのと同様のステンレス鋼材を窒化クロ
ム皮膜を被覆することなくそのまま用いて試験片とし、
実施例1と同様にして耐食性を調べた。結果を表1に示
す。 比較例3 窒化クロムの被覆膜厚を3μm とした他は実施例1と同
様の試験片仕様であり、実施例1と同様にして耐食性を
調べた。結果を表1に示す。 比較例4 窒化クロムの被覆膜厚を60μm とした他は実施例1と同
様の試験片仕様であり、実施例1と同様にして耐食性を
調べようとしたが、皮膜に割れが認められ、その後の評
価は行わなかった。 実施例4 実施例1で用いたのと同様のステンレス鋼材に、前処理
として厚さ5μm となるクロム拡散浸透処理を施した
後、反応性イオンプレーティング法により窒化クロム
(CrN :100 %)を3μm の膜厚で被覆して試験片と
し、実施例1と同様にして耐食性を調べた。結果を表1
に示す。 実施例5 実施例1で用いたのと同様のステンレス鋼材に、前処理
として厚さ50μm となるクロム拡散浸透処理を施した
後、反応性イオンプレーティング法により窒化クロム
(CrN :100 %)を50μm の膜厚で被覆して試験片と
し、実施例1と同様にして耐食性を調べた。結果を表1
に示す。
【0009】
【表1】
【0010】〔耐キャビテーションエロージョン性の評
価〕 実施例6 上述した実施例1〜5の窒化クロム被覆ステンレス鋼に
ついて、耐キャビテーションエロージョン性を調べるた
め、ASTM規格(G32-77)に準じた対向型のキャビテーシ
ョンエロージョン加速試験を行ったところ、いずれの試
験片も同様の結果を示し、図4のグラフに示すように、
重量減はほとんど見られなかった。 比較例5 比較例2で用いたステンレス鋼について実施例4と同様
の試験を行った結果、図4のグラフに示すように、実施
例4の場合に比し重量減が見られた。 比較例6 ステンレス鋼に変えてジルコニウムを用いた以外は比較
例5と同様の試験を行った結果、図4のグラフに示すよ
うに、顕著に重量減が見られた。
価〕 実施例6 上述した実施例1〜5の窒化クロム被覆ステンレス鋼に
ついて、耐キャビテーションエロージョン性を調べるた
め、ASTM規格(G32-77)に準じた対向型のキャビテーシ
ョンエロージョン加速試験を行ったところ、いずれの試
験片も同様の結果を示し、図4のグラフに示すように、
重量減はほとんど見られなかった。 比較例5 比較例2で用いたステンレス鋼について実施例4と同様
の試験を行った結果、図4のグラフに示すように、実施
例4の場合に比し重量減が見られた。 比較例6 ステンレス鋼に変えてジルコニウムを用いた以外は比較
例5と同様の試験を行った結果、図4のグラフに示すよ
うに、顕著に重量減が見られた。
【図1】 尿素合成プラント用減圧弁の断面図である。
【図2】 (a) 〜(c) は、貫通欠陥(ピンホール)から
の腐食過程を説明するための概念図である。
の腐食過程を説明するための概念図である。
【図3】 基材に前処理としてクロム拡散浸透処理を施
した後、窒化クロム被覆を施した場合の本発明に係る減
圧弁の状態を示す概念図である。
した後、窒化クロム被覆を施した場合の本発明に係る減
圧弁の状態を示す概念図である。
【図4】 窒化クロムの耐キャビテーションエロージョ
ン性を示すグラフである。
ン性を示すグラフである。
1:減圧弁本体 2:流体入口 3:プラグ 4:プラグ先端部 5:シートリング 6:プラグ先端部とシートリングに囲まれた狭部 7:流体出口 11:ピンホール 12:皮膜 13:基材 14:腐食による空孔 15:剥離した皮膜 16:高クロム合金層
Claims (2)
- 【請求項1】 尿素合成プロセスにおいて腐食およびキ
ャビテーションエロージョンを受けやすい減圧弁を窒化
クロム材で構成したことを特徴とする尿素合成プラント
用減圧弁。 - 【請求項2】 減圧弁が、クロム拡散浸透処理した金属
基材を窒化クロムで被覆したものにより構成されている
ことを特徴とする請求項1記載の尿素合成プラント用減
圧弁。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5034962A JP2608234B2 (ja) | 1992-02-26 | 1993-02-24 | 尿素合成プラント用減圧弁 |
Applications Claiming Priority (5)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3930092 | 1992-02-26 | ||
| JP4-243159 | 1992-09-11 | ||
| JP4-39300 | 1992-09-11 | ||
| JP24315992 | 1992-09-11 | ||
| JP5034962A JP2608234B2 (ja) | 1992-02-26 | 1993-02-24 | 尿素合成プラント用減圧弁 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06136516A true JPH06136516A (ja) | 1994-05-17 |
| JP2608234B2 JP2608234B2 (ja) | 1997-05-07 |
Family
ID=27288591
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5034962A Expired - Lifetime JP2608234B2 (ja) | 1992-02-26 | 1993-02-24 | 尿素合成プラント用減圧弁 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2608234B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008223907A (ja) * | 2007-03-13 | 2008-09-25 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 背圧弁 |
Citations (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5219123A (en) * | 1975-08-06 | 1977-02-14 | Nakano Hagane Kk | Chromizing by previously heated agents |
| JPS56147756A (en) * | 1980-04-15 | 1981-11-16 | Toyo Eng Corp | Synthetic method of urea using silicon carbide material in apparatus |
| JPS59205469A (ja) * | 1983-05-02 | 1984-11-21 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | クロム拡散浸透処理法 |
| JPS61257466A (ja) * | 1985-05-09 | 1986-11-14 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 蒸気タービンブレード |
| JPH02129360A (ja) * | 1988-11-07 | 1990-05-17 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 耐食耐摩耗性被覆鋼材及びその製造方法 |
-
1993
- 1993-02-24 JP JP5034962A patent/JP2608234B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5219123A (en) * | 1975-08-06 | 1977-02-14 | Nakano Hagane Kk | Chromizing by previously heated agents |
| JPS56147756A (en) * | 1980-04-15 | 1981-11-16 | Toyo Eng Corp | Synthetic method of urea using silicon carbide material in apparatus |
| JPS59205469A (ja) * | 1983-05-02 | 1984-11-21 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | クロム拡散浸透処理法 |
| JPS61257466A (ja) * | 1985-05-09 | 1986-11-14 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 蒸気タービンブレード |
| JPH02129360A (ja) * | 1988-11-07 | 1990-05-17 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 耐食耐摩耗性被覆鋼材及びその製造方法 |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008223907A (ja) * | 2007-03-13 | 2008-09-25 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 背圧弁 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2608234B2 (ja) | 1997-05-07 |
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