JPH06136883A - プレストレストコンクリート用緊張材とその使用方法及び製造方法 - Google Patents

プレストレストコンクリート用緊張材とその使用方法及び製造方法

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JPH06136883A
JPH06136883A JP3003229A JP322991A JPH06136883A JP H06136883 A JPH06136883 A JP H06136883A JP 3003229 A JP3003229 A JP 3003229A JP 322991 A JP322991 A JP 322991A JP H06136883 A JPH06136883 A JP H06136883A
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Toshikazu Minami
敏和 南
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 心材の防食効果を確実に達成し得、しかもコ
ンクリートに対する接着力が大きくて定着部の弱点がな
いプレストレストコンクリート用緊張材とその使用方法
及び製造方法を提供する。 【構成】 潜在的常温硬化接着剤から成る未硬化の接着
用接着剤2で撚線の心材1を20μm 以上の厚さに塗膜
し、該心材を長尺の継目無波形シース4で包み込んでな
る緊張材。かかる緊張材を型枠内に配してコンクリート
内に埋め、心材を緊張できる程度にコンクリート強度が
高まった後且つ上記接着剤が硬化する前に、心材を緊張
且つ定着した後、上記接着剤を常温で硬化させる緊張材
の使用方法。前記接着剤の塗膜後、その心材の周囲に継
目無プラスチックシースを溶融状態で押出して収縮さ
せ、波形に変形させた後、急速冷却する緊張材の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプレストレストコンクリ
ートのポストテンション工法において、グラウトが不要
で完全に防食処理され、緊張後はプレストレストコンク
リートと一体化でき、使用方法も簡単なプレストレスト
コンクリート用緊張材とその使用方法及び製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、プレストレストコンクリートのポ
ストテンション工法では、コンクリートの打設前にシー
スを配筋し、コンクリートの硬化後又は硬化前にPC鋼
棒、PC鋼線、PC鋼撚線等のPC鋼材を挿入し、コンクリー
トが望ましい強度になった時にPC鋼材を緊張する。その
後、防錆処理及びPC鋼材とコンクリートとを接着、一体
化するためにセメントミルク等をシースに圧入するよう
にしている。
【0003】このPC鋼材をシース中に挿入したり、セメ
ントミルクなどを圧入したりするのは、非常に複雑な作
業で時間と労力を必要とし、プレストレストコンクリー
トのコストアップの原因になっている。又、PC緊張材は
通常、配筋状態で湾曲しており、セメントミルク等をシ
ース中に完全に注入することは困難であり、このため注
入の不完全な部分でPC鋼材の腐食が起こるおそれがあ
る。
【0004】従来の技術のポストテンション工法のこの
ような欠点を解消するために、例えば特公昭53-47609号
公報(米国特許 3646748号に相当)では鋼材をグリース
状のもので塗膜し、その周囲をプラスチックでカバーす
る事によってPC鋼材を形成する方法が提案されている。
該方法によるとPC鋼材はグリースにより完全に防食さ
れ、セメントミルク等の注入も不要となる。しかし、緊
張後もPC鋼材とコンクリートとの間には接着がない状態
のままである。このためPC緊張材に一時的な過負荷が生
じると、PC緊張材の定着部に荷重が集中し、定着部でPC
鋼材が破断する原因となる。PC鋼材とコンクリートの間
に接着がないために、1個所でもPC鋼材が破断すればそ
のPC鋼材を用いているコンクリート構造全体に影響を与
えることになる。又、アンボンドのPC緊張材を用いたプ
レストレストコンクリートの場合、終局曲げ破壊耐力が
ボンド部材を用いた同等のプレストレストコンクリート
に比べて低下することになる。
【0005】オーストリア特許 No.201280及びEP219283
ではこうした充てん材硬化方式の一般タイプの構造が提
案されているが、シースについての開示は無い。EP1299
76では波形シースを図に示しているが、継目無シースで
はないため防食性に欠ける。米国特許No.4726163のジェ
イコブ(Jacob) の特許では絶縁材9が図に示されている
が、明細書での詳細な説明はない。米国特許No.3646748
のラング(Lang)の特許では、長尺の継目無シースの製造
方法が説明されているが、波形シースの製造方法は説明
されていない。従って、従来技術は、長尺でしかも継目
の無い波形シースを有する緊張材を製造する点において
難点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような従
来のPC緊張材の欠点を解消するためになされたものであ
る。よって、本発明の目的は、心材の防食効果を確実に
達成することができ、しかもコンクリートに対する接着
力も大きく、定着部の弱点もないプレストレストコンク
リート用緊張材を提供することである。本発明の他の目
的は、このような緊張材の使用方法を提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の要旨は、
プレストレストコンクリートに用いる鋼線、鋼撚線、鋼
棒等の心材を有する緊張材である。プレストレストコン
クリート用前記心材には、この心材を緊張するまでは硬
化せず、心材を緊張し、この緊張材をコンクリートに定
着した後に常温で硬化するように硬化時間を調整した未
硬化の接着剤で20μm 以上の厚さのフィルム状に塗膜す
る。
【0008】本発明の第2の要旨は、プレストレストコ
ンクリートに用いる鋼線、鋼撚線、鋼棒等の心材を有す
る緊張材であって、この心材を緊張するまでは硬化せ
ず、心材を緊張し、この緊張材をコンクリートに定着し
た後に常温で硬化するように硬化時間を調整した未硬化
の接着剤でプレストレストコンクリート用前記心材を20
μm 以上の厚さのフィルム状に塗膜し、更にこのような
未硬化の接着剤を塗膜した心材をシースで被覆して扱い
易くしたものである。
【0009】本発明の第3の要旨は、プレストレストコ
ンクリートに用いる鋼線、鋼撚線、鋼棒等の心材を有す
る緊張材であって、この心部を未硬化の接着剤で塗膜
し、この接着剤が硬化すると心部の接着力が高まるよう
にしたものである。
【0010】本発明の第4の要旨は、心材を緊張するま
では硬化せず、心材を緊張し、この緊張材をコンクリー
トに定着した後に常温で硬化するように硬化時間を調整
した未硬化の接着剤を20μm 以上の厚さのフィルム状に
塗膜したPC鋼線、PC鋼撚線、PC鋼棒等のプレストレスト
コンクリート用心材を有する緊張材を、所定の位置に配
置してコンクリートを打設し、打設したコンクリートの
強度が所定の強度にまで高まった後且つ前記の接着剤が
硬化する前に、前記心材を緊張、定着するようにしたも
のである。
【0011】本発明の第5の要旨は、心材を緊張するま
では硬化せず、心材を緊張し、この緊張材をコンクリー
トに定着した後に常温で硬化するように硬化時間を調整
した未硬化の接着剤でプレストレストコンクリート用前
記心材を20μm 以上の厚さのフィルム状に塗膜し、更に
シースで被覆したPC鋼線、PC鋼撚線、PC鋼棒等の心材を
有する緊張材を、型枠内の所定位置に配置してコンクリ
ートを打設し、コンクリートの強度が所定の強度にまで
高まった後且つ前記の接着剤が硬化する前に、前記心材
を緊張、定着するようにしたものである。
【0012】
【作用】このように、本発明では、心材を塗膜する未硬
化の接着剤の硬化時間は、緊張材を緊張するまでは硬化
せず、緊張材を緊張してコンクリートに定着した後に常
温で硬化するように調整している。これは、緊張材に緊
張力を加える前に接着剤が硬化していると、緊張材とコ
ンクリートの間で生じる接着によって、緊張材に加えた
緊張力が緊張材の全長にわたって均一に伝達されなくな
るからである。
【0013】一般に、普通セメントを用いた場合はコン
クリート打ちした後、緊張材を緊張できるようになる強
度にまでコンクリートの強度が高まるには約170 時間を
要し、又、早強セメントを用いた場合は約70時間を要す
る。従って、心材を塗膜する接着用接着剤としては好ま
しくは70時間以上、より好ましくは170 時間以上の期間
で硬化を調整できるものを用いる。これは、潜在的常温
硬化接着剤と呼ばれるもので、前述の如く潜在的硬化性
を有すると共に常温硬化できる接着剤を意味する。潜在
的接着剤は、好ましくは70時間以上、より好ましくは17
0 時間以上の期間で調整可能な硬化時間を有する。心材
を塗膜する接着用接着剤は、心部緊張後速やかに硬化す
ることが望ましいため、硬化時間は1年以下が好まし
い。
【0014】心材を塗膜する未硬化の接着剤の塗膜厚さ
を20μm 未満とした場合、塗膜にピンホールが発生して
塗膜の防食効果を低下させる原因となる可能性があり、
又、塗膜によって心材とコンクリートとの間の縁切りが
十分でなくなり、緊張時に心材の動きに対するコンクリ
ート材の摩擦抵抗が高まる。心材としてPC鋼撚線を用い
た場合には接着剤を均一厚さで心材表面に塗膜し得な
い。かかる場合は、塗膜厚さは最小厚さの部分で20μm
以上になるように心材に接着剤を塗膜する。
【0015】塗布方法については、接着剤で心材を適切
な厚さに塗膜し得る方法であれば特に限定はなく、例え
ばハケ塗りや浸漬等、適した方法を用いて塗付すればよ
い。
【0016】このように、心材の緊張前に硬化しないよ
うに調整した未硬化の接着剤で緊張材の心材を塗膜し、
緊張材を望ましい位置に配置し、コンクリートを打設
し、コンクリートの強度が心材を緊張できる強度にまで
達してから心材を緊張する。結果として、心材を緊張す
る前に接着剤が硬化することはなく、従って、心材の緊
張前に心材とコンクリート部の間に接着が生じることは
ないため、心材を全長にわたって均一に緊張し得る。心
材の緊張後、接着剤は次第に硬化し、心材とコンクリー
ト部が強固に接着する。
【0017】
【実施例】 (実施例1)図1に示す如く、本発明の実施例1に係る
緊張材100 は、心材1と、心材1を0.5 〜1mm厚のフィ
ルム状に塗膜する接着剤2とからなる。心材1は直径1
2.7mmのPC鋼撚線である。接着剤2はエポキシ樹脂と硬
化促進剤を含むアミン系の硬化剤:0.3wt% とを混合した
もので、約6ヵ月の硬化時間を有する。接着剤2の種類
については特に限定はないが、鋼材からなる心材1に対
する充分な接着力及び防食性の点から、エポキシ樹脂、
ポリウレタン樹脂、又はポリエステル樹脂を主成分とす
るものが好ましい。
【0018】複数の緊張材100 を所定の位置に配置し、
この緊張材を埋め込むようにコンクリート3を打設す
る。
【0019】硬化材の配合比による接着剤2の硬化時間
の変化を示す図3から判る如く、硬化材配合比を調整す
ることによって接着剤2の硬化時間を任意に設定し得
る。
【0020】製造後1ヵ月目に緊張材100 を所定の位置
又はパターンに配置してコンクリート3を打設した。コ
ンクリート3中にこのように配筋された緊張材100 は、
製造後2ヵ月目緊張試験をし、該試験は各緊張材100 の
一方の端に緊張力を加え、その緊張力が反対側の端に伝
達される間にどの程度低下(損失)してゆくかという割
合(緊張力の損失率)を測定することにより行った。
【0021】図4は前記緊張試験の結果を示す図であ
り、領域8は本発明の緊張材100 の緊張力の損失率の変
化を経時的に表わし、領域7は対照標準(比較例)とし
て、各々がPC鋼撚線から成る従来のアンボンド工法の緊
張材に同じ緊張試験をした際の緊張力の損失率の変化を
経時的に表わす。図4から明らかな如く、本発明の緊張
材100 の一方の端に加えた緊張力は、製造後6ヵ月以内
では損失率が従来のアンボンド工法の緊張材と同程度の
低い値になっている。緊張材100 の緊張力の損失率は製
造後6ヵ月時点から増加し始めるが、これは6ヵ月経つ
と緊張材100 の心材1とコンクリート3との間に強固な
接着が生じていることを示している。このように本発明
の緊張材100 は製造後6ヵ月以内であれば充分な緊張を
行い得る。
【0022】尚、上記実施例では、接着剤2の硬化時間
を6ヵ月に調整してあるが、該接着剤2の硬化時間はコ
ンクリート3の強度が緊張材に緊張力を加えられる強度
に高まるまでの時間を考慮して成分を適切な割合で配合
することによって任意に調整し得る。
【0023】緊張材100 は更に引抜試験を行い、接着剤
2の硬化後に緊張材100 に引抜荷重を加えてコンクリー
ト3に対する緊張材100 の相対すべり量を測定した。第
5図はその結果を示す図であって、曲線10はコンクリー
ト中に直接埋められたPC鋼撚線に加えた引抜荷重とコン
クリートに対する鋼撚線の平均すべり量との関係を表わ
し、曲線11は未硬化の接着材で塗膜し、硬化させたシー
ス無しの緊張材100 に加えた引抜荷重と平均すべり量と
の関係を表わし、曲線12は外面及び内面がいづれも波形
の本発明のポリエチレン製シースで被覆した鋼撚線にお
ける引抜荷重と平均すべり量との関係を表わしており、
一方、曲線16はポリエチレン製シースの内外面を平面に
した場合の引抜荷重と平均すべり量との関係を表わし、
曲線17は外面が波形になっているポリエチレン製シース
で鋼撚線を被覆した場合の関係を示す。
【0024】図5から明らかな如く、本発明の緊張材10
0 における平均最大接着力、即ち引抜荷重に対して生じ
た緊張材の接着力は95.4kg/cm2となり、対照標準の平均
最大接着力である46.6kg/cm2を大きく上回る。又、本発
明により製造された製品(曲線12)が他の製品よりも優
れていることは図5から明らかである。図5の曲線12の
試験結果を得るには、図12aに示す如く、プラスチック
シースの凹部の深さを、シースを形成しているプラスチ
ックの厚さよりも大きくすること、及び、図12bに示す
如く、浅すぎる凹部を作らないようにすることが非常に
重要である。
【0025】(実施例2)図2に示す如く、本発明の実
施例2に係る緊張材200 は、実施例1と同様の心材1
と、該心材1を塗膜する接着剤2及び接着剤2で塗膜し
た鋼材から成る心材1を被覆する波形シース4とからな
る。複数の緊張材200 は所定の位置又はパターンに配置
され、この緊張材を埋め込むようにコンクリート3が加
えられる。
【0026】接着材2は実施例1と同様で硬化時間は約
6ヵ月である。芯材1はΦ12.7mmのPC鋼撚線である。該
芯材1を接着材2中に浸漬して接着材2で 0.5〜1mm厚
さに塗膜した。
【0027】本実施例では、ポリエチレン樹脂によって
シース4を形成しているが、シース4はいかなる適当な
樹脂又は鋼等の通常の金属で形成してもよい。コンクリ
ート3に対して軸方向のたわみを生じないようにシース
4は波形に形成されている。
【0028】緊張材200 の引抜試験を行った。該試験は
実施例1の緊張材100 と同様の手順で行った。その結果
を図5の曲線12に示している。緊張材200 の平均最大接
着力は96.0kg/cm2で、従来の緊張材を大きく上回ってい
る。
【0029】緊張材200 を用いたプレストレストコンク
リート粱A、直線12.7mmのPC鋼撚線を用いて通常のポス
トテンション工法とセメントグラウト工法によって製造
したプレストレストコンクリート粱B、アンボンド工法
のPC鋼撚線を用いたプレストレストコンクリート粱Cを
試験用に製作し、JIS A 1106規定の方法で曲げ試験を行
った。図6はその試験結果を示す図であり、曲線13、14
及び15はそれぞれプレストレストコンクリート粱A、B
及びCの荷重とたわみとの関係を表わす。図6から明ら
かな如く、試験用のプレストレストコンクリート粱Aと
Bは曲げ強度とたわみ特性関係が同程度であり、プレス
トレストコンクリート粱Aの曲げ特性はプレストレスト
コンクリート粱Cよりも優れている。
【0030】事務所建設工事用として、例えば長さ70m
の緊張材 202本の供給要求に応じるため、本発明の方法
によって長さ1510mのPC鋼撚線を製造して保管用のリー
ルに巻付けた。その後、該PC鋼撚線をリールから引き出
して各70m長さに切断し、各撚線の端に定着具を取付け
た。この作業を完了するのに、わずか8時間しかかから
なかった。この作業は工場で行ったが、建設現場で行う
ことも可能である。
【0031】これと比較して、従来技術の方法を用いた
場合には、この作業を完了するのに約160 時間かかるで
あろう。この理由は、従来技術ではPC鋼撚線は予め定め
られた長さに切断され、波形シースは予め定められた長
さのものが用意され、各PC鋼撚線はシース中に挿入さ
れ、PC鋼撚線とシースとの隙間には未硬化の接着剤が充
満され、各PC鋼撚線の端に定着具を取付けられるからで
ある。上記の作業では、PC鋼撚線が20〜30mを越える長
さである場合、シース内へのPC鋼撚線の挿入は非常に困
難となる。
【0032】波形シースを有する緊張材の製造方法を以
下に述べる。
【0033】本発明の緊張材の製造工程を図7に示す。
未硬化の樹脂2を満たした圧力室20に撚線より成る心材
1を通し、圧力室20の出口に設けられた円形ダイス21に
よって余分な未硬化樹脂を除去する。そして、樹脂2で
均一に被覆された心材1はチュービングダイス23のスロ
ート22を通過する。塗膜された心材1のまわりに溶融熱
可塑性ポリマー24がチューブ状に押し出される。
【0034】この工程が完了すると、可塑性ポリマー24
は収縮して前記心材1の周囲にプラスチックの継目無シ
ースを形成する。押し出された可塑性ポリマー24が未だ
熱い間に、キャタピラ又はエンドレスコンベアに取り付
けられた成形ダイス25の間に緊張材を通して、図10に示
すように加圧してプラスチックシースをある程度変形さ
せる。図10にはキャタピラの入口部分と成形ダイス25を
示してある。この段階では、未硬化樹脂2がシース4の
内側に存在するため、プラスチックシースの内面は十分
に変形されず、加圧された樹脂2の圧力により若干突き
出た形になる。従って、真空ポンプによりシース4の外
面を吸引してシース4の内面及び外面のいづれにも波形
面を形成することが必要である。真空の程度はシースの
強度及び厚さに応じて調整し得る。
【0035】成形ダイス25は、図8及び図9に示す如
く、真空室32に連結する穴26を有している。真空ポンプ
33の働きで、真空室32は真空状態に保たれる。キャタピ
ラのこの部分を緊張材が通過する際に、真空ポンプ33を
作動させてプラスチックシースの外面を吸引し、成形ダ
イスとの接触面に沿って図11に示すように成形する。そ
の後、緊張材を冷却槽28に通し、プラスチックシースを
冷却して急速に硬化させる。結果として、波形シースが
得られる。
【0036】図13に示す如く、垂直方向に設定したイン
デントローラ40の間に緊張材を通し、その後、水平方向
に設置したインデントローラ42の間を通過させることに
より波形面を形成することも可能である。
【0037】緊張材の移動速度、熱可塑性ポリマーの押
出し速度、押出しダイスからキャタピラまでの距離は、
熱可塑性ポリマーが成形及び外形の維持に適した温度に
保たれるように調整する。
【0038】本発明をある程度特定した好適な形態にお
いて説明したが、その精神及び考え方から外れずに本発
明の様々な変形やバリエーションが可能である。従っ
て、本発明は上記特定の実施例に限定されるものではな
い。
【0039】
【発明の効果】以上のことからして、本発明は以下に示
す優れた効果を奏するものである。
【0040】(A) 製造場所即ち工場において心部が接着
剤で塗膜され、従って、従来のポストテンション工法で
行われてきたシースの配置、シース中への心材の挿入及
びシース中へのセメントミルクの注入に要する作業が不
要となるため、プレストレストコンクリートの形成に要
する労力及びプレストレストコンクリートのコストが大
幅に削減される。
【0041】(B) 心材を塗膜する接着剤は化学反応によ
って次第に硬化し、加熱等の人為的工程を全く必要とし
ないため、接着剤を硬化させるための労力や装置が不要
となると共に、プレストレストコンクリートを形成する
上で危険な作業を行う必要がなくなる。
【0042】(C) 心材の全面が接着剤で塗膜され、該接
着剤は心材緊張後に硬化するため、心材を完全に防食処
理し得る。
【0043】(D) 心材とコンクリート部とは接着剤の硬
化によって強固に接着することから、コンクリート中に
心材を接着させないアンボンド工法の心材の欠点が改善
される。
【0044】(E) 接着剤で塗膜した心材を工場において
それぞれシースで被覆することができるため、十分な品
質管理の下に緊張材を製造することができ、グラウト不
良による心材の腐食を確実に防止することができる。
【0045】以前には、波形の外面及び内面を持つ長尺
の継目無シースを用いた緊張材は存在しなかったが、こ
れはこの種のタイプの緊張材の製造が技術的に不可能だ
ったからである。従来技術では、波形シースを用いた緊
張材は必然的に短尺、即ち20〜30mであり、事前に製造
された既製の波形シース中に心材を挿入するか、又は、
心部にテープをスパイラル状に巻付けることによって製
造されている。
【0046】本発明に認められるように、比較的長尺の
緊張材を製造できるようになれば、ポストテンション・
コンクリート業界にとって有益であろう。何故なら、大
規模な建築物、橋、道路などの増加及びこれらの製品に
対する強い需要によって20〜30mを超える長さの緊張材
の供給が望ましいからである。
【図面の簡単な説明】
本発明の上記及びその他の目的、特徴、利点について
は、添付図面に関する以下の説明から明らかになるであ
ろう。
【図1】本発明の緊張材の好適な実施例を示す長さ方向
の部分断面図である。
【図2】本発明の緊張材の他の好適な実施例を示す長さ
方向の部分断面図である。
【図3】硬化剤の配合比による硬化時間の変化を示すグ
ラフである。
【図4】コンクリート内への緊張材の埋め込み後の経過
時間による心材の接着力の変化を示すグラフである。
【図5】緊張剤と筒状コンクリートとの相対すべり量と
引抜荷重との関係を示すグラフである。
【図6】コンクリート粱の両端支持における荷重とたわ
みの関係を示すグラフである。
【図7】波形シースを用いた緊張材の製造方法を示す図
である。
【図8】成形ダイスを示す図であり、図8cは図8bの
A−A部の断面図である。
【図9】成形ダイス及び図7の方法を用いた真空室の詳
細を示す図である。
【図10】図7の方法におけるシース上の成形ダイスの
効果を示す図である。
【図11】図7の方法におけるシース上の成形ダイスの
効果を示す図である。
【図12】図7の方法において用いられる様々なタイプ
のシースを示す図である。
【図13】図7の方法において用いられるコンベヤの他
の実施例を示す図である。
【符号の説明】
1----心材 2----接着剤 3----コンクリート
4----シース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 南 敏和 兵庫県尼崎市中浜町10番地1 神鋼鋼線工 業株式会社内 (72)発明者 大西 睦彦 兵庫県尼崎市中浜町10番地1 神鋼鋼線工 業株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プレストレストコンクリート用でコンク
    リート内に埋め込まれる緊張材において、潜在的常温硬
    化接着剤から成る未硬化の接着用接着剤で少なくとも20
    μm の厚さに塗膜された撚線の心材と、前記接着剤で塗
    膜された前記心材を包み込む長尺の継目無波形シースと
    から成ることを特徴とするプレストレストコンクリート
    用緊張材。
  2. 【請求項2】 前記心材が鋼線から成る請求項1に記載
    のプレストレストコンクリート用緊張材。
  3. 【請求項3】 前記心材が鋼撚線から成る請求項1に記
    載のプレストレストコンクリート用緊張材。
  4. 【請求項4】 前記心材が鋼棒から成る請求項1に記載
    のプレストレストコンクリート用緊張材。
  5. 【請求項5】 前記未硬化の接着用接着剤が未硬化の接
    着性樹脂から成る請求項1に記載のプレストレストコン
    クリート用緊張材。
  6. 【請求項6】 前記未硬化の接着性樹脂が、エポキン樹
    脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂からなる一群
    から選択されたものである請求項5に記載のプレストレ
    ストコンクリート用緊張材。
  7. 【請求項7】 前記シースが樹脂から形成されてなる請
    求項1に記載のプレストレストコンクリート用緊張材。
  8. 【請求項8】 潜在的常温硬化接着剤から成る未硬化の
    接着用接着剤で撚線の心材を少なくとも20μm の厚さで
    塗膜し、該塗膜された心材を継目無波形シースで包み込
    み、該シースで包み込まれてなる各緊張材を型枠内の所
    定位置に配置し、コンクリート内に埋め、前記心材を緊
    張できる程度に前記コンクリートの強度が高まった後且
    つ前記未硬化の接着用接着剤が硬化する前に、前記心材
    を緊張且つ定着した後、前記未硬化の接着用接着剤を常
    温で硬化させることを特徴とするプレストレストコンク
    リート用緊張材の使用方法。
  9. 【請求項9】 請求項1に規定の緊張材において、前記
    心材の緊張前に前記未硬化の接着用接着剤が硬化せず、
    前記心材の緊張前に前記心材とコンクリートとが接着し
    ないプレストレストコンクリート用緊張材。
  10. 【請求項10】 潜在的常温硬化接着剤から成る未硬化の
    接着用接着剤で撚線の心材を少なくとも20μm の厚さに
    塗膜し、該塗膜済みの心材のまわりに継目無プラスチッ
    クシースを溶融状態で押出して収縮させ、波形部の凹部
    の深さがシースを形成するプラスチックの厚みよりも深
    くなるようにプラスチックシースを波形に変形させた
    後、該シースで包み込まれてなる緊張材を急速冷却する
    ことを特徴とするプレストレストコンクリート用緊張材
    の製造方法。
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