JPH06145132A - 脂肪族系イソシアネートの製造方法 - Google Patents
脂肪族系イソシアネートの製造方法Info
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- JPH06145132A JPH06145132A JP29718392A JP29718392A JPH06145132A JP H06145132 A JPH06145132 A JP H06145132A JP 29718392 A JP29718392 A JP 29718392A JP 29718392 A JP29718392 A JP 29718392A JP H06145132 A JPH06145132 A JP H06145132A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】脂肪族系ウレタンの熱分解反応を生成する脂肪
族系イソシアネートより高沸点を有する不活性炭化水素
溶媒中で行ない、得られた脂肪族系イソシアネートとア
ルコールとの混合蒸気を系外で分縮させて回収する方法
において、該溶媒に対して非相溶性のアルコールにより
反応器の抜出液から未反応脂肪族系ウレタンを抽出分離
して反応器へリサイクルする。 【効果】反応器の抜出液から未反応脂肪族系ウレタンが
効率的に分離回収されるので、イソシアネート収率が向
上すると共に、運転上の障害ともなるハルツの生成量が
減少し、また反応器の空時収率を高めることができる。
族系イソシアネートより高沸点を有する不活性炭化水素
溶媒中で行ない、得られた脂肪族系イソシアネートとア
ルコールとの混合蒸気を系外で分縮させて回収する方法
において、該溶媒に対して非相溶性のアルコールにより
反応器の抜出液から未反応脂肪族系ウレタンを抽出分離
して反応器へリサイクルする。 【効果】反応器の抜出液から未反応脂肪族系ウレタンが
効率的に分離回収されるので、イソシアネート収率が向
上すると共に、運転上の障害ともなるハルツの生成量が
減少し、また反応器の空時収率を高めることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は脂肪族系ウレタンの熱分
解による脂肪族系イソシアネートの製造方法に関する。
脂肪族系イソシアネートは、耐黄変性に優れたポリウレ
タン或いはポリウレアの製造原料として有用である。
解による脂肪族系イソシアネートの製造方法に関する。
脂肪族系イソシアネートは、耐黄変性に優れたポリウレ
タン或いはポリウレアの製造原料として有用である。
【0002】
【従来の技術】ウレタンの熱分解によるイソシアネート
の製造法には気相法と液相法がある。気相法は高温下で
ウレタンを熱分解させるため副反応が多く併発しイソシ
アネート収率が低いこと、また大きな吸熱反応熱を伴う
ので反応装置の設計が難しいことなどから実用性に乏し
いと言われている。
の製造法には気相法と液相法がある。気相法は高温下で
ウレタンを熱分解させるため副反応が多く併発しイソシ
アネート収率が低いこと、また大きな吸熱反応熱を伴う
ので反応装置の設計が難しいことなどから実用性に乏し
いと言われている。
【0003】一方液相法は、気相法に比べ反応温度が低
く、通常はウレタンをその熱分解温度以上に保持された
高沸点溶媒中に供給し、生成したイソシアネートとアル
コールとの混合蒸気を系外で分縮させ各々回収すること
により行なわれる。このウレタンの熱分解反応は無触媒
下で進行するが、熱分解速度及び収率を改善するため
に、触媒、安定剤、更には一旦生成したイソシアネート
とアルコールとの再結合を防ぐキャリヤー剤等を使用す
る方法が知られている。
く、通常はウレタンをその熱分解温度以上に保持された
高沸点溶媒中に供給し、生成したイソシアネートとアル
コールとの混合蒸気を系外で分縮させ各々回収すること
により行なわれる。このウレタンの熱分解反応は無触媒
下で進行するが、熱分解速度及び収率を改善するため
に、触媒、安定剤、更には一旦生成したイソシアネート
とアルコールとの再結合を防ぐキャリヤー剤等を使用す
る方法が知られている。
【0004】この液相法においても種々の不可逆的な副
反応が併発する。反応性の高いポリイソシアネート(ジ
イソシアネートを含む)の製造においては、副生物の高
分子量化によってハルツの生成が進行し反応器閉塞等を
招く原因となる。このハルツの蓄積を防ぐために、ウレ
タンと高沸点溶媒とを反応器へ供給すると共に反応器内
の液を一部抜出すことが行なわれている。
反応が併発する。反応性の高いポリイソシアネート(ジ
イソシアネートを含む)の製造においては、副生物の高
分子量化によってハルツの生成が進行し反応器閉塞等を
招く原因となる。このハルツの蓄積を防ぐために、ウレ
タンと高沸点溶媒とを反応器へ供給すると共に反応器内
の液を一部抜出すことが行なわれている。
【0005】反応器抜出液からハルツを分離する方法と
しては、特開昭 59-108754号に、芳香族ウレタンの熱分
解法において反応器からの熱分解反応に用いた高沸点溶
媒を冷却し析出したハルツを濾過した後、濾液中のイソ
シアネート基を安定化するためアルコール類又はフェノ
ール類を添加し加熱処理してそのまま反応器へリサイク
ルする方法が記載されている。この方法は未反応ウレタ
ンを分離しない簡便なプロセスであるが、高沸点溶媒に
溶解するハルツが常に反応器へリサイクルされるのでハ
ルツとイソシアネートとの付加反応によりイソシアネー
ト収率が低下する欠点がある。この傾向は高沸点溶媒へ
ハルツが溶け易く反応性が高いイソシアネートを製造す
る場合に顕著である。また例えば1,3-及び1,4-ビス(メ
トキシカルボニルアミノメチル)ベンゼンの如く、ウレ
タンの融点が高く、溶解度も低い場合にはウレタンがハ
ルツと一緒に析出するので濾過操作でウレタンが損失す
る欠点もある。
しては、特開昭 59-108754号に、芳香族ウレタンの熱分
解法において反応器からの熱分解反応に用いた高沸点溶
媒を冷却し析出したハルツを濾過した後、濾液中のイソ
シアネート基を安定化するためアルコール類又はフェノ
ール類を添加し加熱処理してそのまま反応器へリサイク
ルする方法が記載されている。この方法は未反応ウレタ
ンを分離しない簡便なプロセスであるが、高沸点溶媒に
溶解するハルツが常に反応器へリサイクルされるのでハ
ルツとイソシアネートとの付加反応によりイソシアネー
ト収率が低下する欠点がある。この傾向は高沸点溶媒へ
ハルツが溶け易く反応性が高いイソシアネートを製造す
る場合に顕著である。また例えば1,3-及び1,4-ビス(メ
トキシカルボニルアミノメチル)ベンゼンの如く、ウレ
タンの融点が高く、溶解度も低い場合にはウレタンがハ
ルツと一緒に析出するので濾過操作でウレタンが損失す
る欠点もある。
【0006】また特開平 2-134355 号では、ハルツとイ
ソシアネートとの付加反応に起因する収率低下を防止す
るために、反応器からの抜出される高沸点溶媒をフラッ
シュ蒸発させ、ハルツを完全に取除いた後、反応器にリ
サイクルしている。更に特開平 4-235155 号では、反応
器からの抜出液中のイソシアネート基を安定化するた
め、アルコール類を添加した後フラッシュ蒸発させてい
る。
ソシアネートとの付加反応に起因する収率低下を防止す
るために、反応器からの抜出される高沸点溶媒をフラッ
シュ蒸発させ、ハルツを完全に取除いた後、反応器にリ
サイクルしている。更に特開平 4-235155 号では、反応
器からの抜出液中のイソシアネート基を安定化するた
め、アルコール類を添加した後フラッシュ蒸発させてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】反応性の高いイソシア
ネートの場合にはハルツの生成速度が大きいため、反応
器において溶媒の滞留時間を短くすることが必要とな
る。一方、反応器からの抜出し液中には未反応ウレタン
が存在するが、その量は溶媒の滞留時間が短くなるにつ
れて増加する。特に熱分解速度が小さい脂肪族系ウレタ
ンの場合には、未反応ウレタンが多くなるので、抜出液
から未反応ウレタンを分離回収し反応系へリサイクルし
て経済性を高めることが必要となる。
ネートの場合にはハルツの生成速度が大きいため、反応
器において溶媒の滞留時間を短くすることが必要とな
る。一方、反応器からの抜出し液中には未反応ウレタン
が存在するが、その量は溶媒の滞留時間が短くなるにつ
れて増加する。特に熱分解速度が小さい脂肪族系ウレタ
ンの場合には、未反応ウレタンが多くなるので、抜出液
から未反応ウレタンを分離回収し反応系へリサイクルし
て経済性を高めることが必要となる。
【0008】未反応ウレタンの分離回収方法として蒸留
または蒸発操作による方法が一般に考えられる。特開平
2-134355 号及び特開平 4-235155 号では反応器からの
抜出液をフラッシュ蒸発させて高沸点溶媒を回収してい
るが、ウレタンが溶媒より高い沸点を有するので未反応
ウレタンを溶媒と一緒に収率よく分離回収することが困
難である。またウレタンを分離せずに蒸留または蒸発で
溶媒を回収した場合には、ウレタンが高温に曝されるの
でウレタンの分解重合によるハルツ化が起り、ウレタン
の損失と共に、溶媒を完全に回収することも困難にな
る。本発明の目的は、脂肪族系ウレタンの連続熱分解反
応によるイソシアネートの製造法において、反応器の抜
出液からハルツを含まない未反応ウレタンを効率的に分
離回収し反応系へリサイクルする方法を提供することに
ある。
または蒸発操作による方法が一般に考えられる。特開平
2-134355 号及び特開平 4-235155 号では反応器からの
抜出液をフラッシュ蒸発させて高沸点溶媒を回収してい
るが、ウレタンが溶媒より高い沸点を有するので未反応
ウレタンを溶媒と一緒に収率よく分離回収することが困
難である。またウレタンを分離せずに蒸留または蒸発で
溶媒を回収した場合には、ウレタンが高温に曝されるの
でウレタンの分解重合によるハルツ化が起り、ウレタン
の損失と共に、溶媒を完全に回収することも困難にな
る。本発明の目的は、脂肪族系ウレタンの連続熱分解反
応によるイソシアネートの製造法において、反応器の抜
出液からハルツを含まない未反応ウレタンを効率的に分
離回収し反応系へリサイクルする方法を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の如き課
題を有する脂肪族系イソシアネートの製造法について鋭
意研究した結果、熱分解反応に用いる高沸点炭化水素溶
媒に対して非相溶性のアルコールを反応器の抜出液に添
加することにより、未反応脂肪族系ウレタンが選択的に
アルコール層へ抽出分離され、効率的に反応系へリサイ
クルできることを見出し、本発明を完成するに至った。
題を有する脂肪族系イソシアネートの製造法について鋭
意研究した結果、熱分解反応に用いる高沸点炭化水素溶
媒に対して非相溶性のアルコールを反応器の抜出液に添
加することにより、未反応脂肪族系ウレタンが選択的に
アルコール層へ抽出分離され、効率的に反応系へリサイ
クルできることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】即ち本発明は、脂肪族系ウレタンを該脂肪
族系ウレタンから生成する脂肪族系イソシアネートより
高沸点を有する不活性炭化水素溶媒中で熱分解反応を行
ない、発生した脂肪族系イソシアネートとアルコールと
の混合蒸気を系外で分縮させる脂肪族系イソシアネート
の製造方法において、反応器からの抜出液中の未反応脂
肪族系ウレタンを該溶媒に対して非相溶性のアルコール
により抽出分離することを特徴とする脂肪族系イソシア
ネートの製造方法である。
族系ウレタンから生成する脂肪族系イソシアネートより
高沸点を有する不活性炭化水素溶媒中で熱分解反応を行
ない、発生した脂肪族系イソシアネートとアルコールと
の混合蒸気を系外で分縮させる脂肪族系イソシアネート
の製造方法において、反応器からの抜出液中の未反応脂
肪族系ウレタンを該溶媒に対して非相溶性のアルコール
により抽出分離することを特徴とする脂肪族系イソシア
ネートの製造方法である。
【0011】以下、本発明について具体的に説明する。
原料に用いられる脂肪族系ウレタンは、一般式 R1 (
NHCOOR2 ) 2 で示される脂肪族系カルバミン酸エ
ステル類である。R1 は、脂肪族基、脂環族、及び芳香
環を有する脂肪族基から選ばれる有機基である。R2 は
アルキル基であり、特にメチル基が好ましい。脂肪族系
ウレタンの具体例としては、1,3-及び 1,4- ビス(メト
キシカルボニルアミノメチル)ベンゼン、1,6-ビス(メ
トキシカルボニルアミノ)ヘキサン、1,3-及び 1,4- ビ
ス(メトキシカルボニルアミノメチル)シクロヘキサ
ン、1,3-及び 1,4- ビス(メトキシカルボニルアミノ)
シクロヘキサン、3-メトキシカルボニルアミノメチル -
3,5,5-トリメチル-1- メトキシカルボニルアミノシクロ
ヘキサン等が挙げられる。これらの脂肪族系ウレタン
は、例えばアルカリ触媒存在下、脂肪族系ジアミン又は
脂肪族系ビスホルムアミドと炭酸ジメチルとを反応させ
る方法等によって製造することができる。
原料に用いられる脂肪族系ウレタンは、一般式 R1 (
NHCOOR2 ) 2 で示される脂肪族系カルバミン酸エ
ステル類である。R1 は、脂肪族基、脂環族、及び芳香
環を有する脂肪族基から選ばれる有機基である。R2 は
アルキル基であり、特にメチル基が好ましい。脂肪族系
ウレタンの具体例としては、1,3-及び 1,4- ビス(メト
キシカルボニルアミノメチル)ベンゼン、1,6-ビス(メ
トキシカルボニルアミノ)ヘキサン、1,3-及び 1,4- ビ
ス(メトキシカルボニルアミノメチル)シクロヘキサ
ン、1,3-及び 1,4- ビス(メトキシカルボニルアミノ)
シクロヘキサン、3-メトキシカルボニルアミノメチル -
3,5,5-トリメチル-1- メトキシカルボニルアミノシクロ
ヘキサン等が挙げられる。これらの脂肪族系ウレタン
は、例えばアルカリ触媒存在下、脂肪族系ジアミン又は
脂肪族系ビスホルムアミドと炭酸ジメチルとを反応させ
る方法等によって製造することができる。
【0012】熱分解に用いられる溶媒は、脂肪族系ウレ
タン、生成する脂肪族系イソシアネート及びアルコール
に対して不活性な炭化水素化合物であり、またその沸点
が生成する脂肪族系イソシアネートの沸点より高く、特
に40℃以上高いものが好ましい。例えば、o-、m-及びp-
ターフェニル、ジベンジルベンゼン、ジベンジルトルエ
ン、ベンジルナフタレン、混合ジフェニルベンゼン、部
分水添トリフェニル等の熱媒体として常用される芳香族
炭化水素が好適に使用できる。これらの溶媒使用量は、
原料の脂肪族系ウレタンに対して 0.1〜100 重量倍、好
ましくは 0.5〜50重量倍の範囲である。
タン、生成する脂肪族系イソシアネート及びアルコール
に対して不活性な炭化水素化合物であり、またその沸点
が生成する脂肪族系イソシアネートの沸点より高く、特
に40℃以上高いものが好ましい。例えば、o-、m-及びp-
ターフェニル、ジベンジルベンゼン、ジベンジルトルエ
ン、ベンジルナフタレン、混合ジフェニルベンゼン、部
分水添トリフェニル等の熱媒体として常用される芳香族
炭化水素が好適に使用できる。これらの溶媒使用量は、
原料の脂肪族系ウレタンに対して 0.1〜100 重量倍、好
ましくは 0.5〜50重量倍の範囲である。
【0013】本発明において脂肪族系ウレタンを上記の
高沸点溶媒中で熱分解させるが、この操作温度は 150〜
400 ℃、好ましくは 200〜300 ℃の範囲である。また熱
分解圧力は 1〜500 mmHg、好ましくは 5〜50mmHgの範囲
である。この反応により脂肪族系ウレタンは対応する脂
肪族系イソシアネート及びアルコールに熱分解され、そ
の生成した混合蒸気を系外で分縮させることにより脂肪
族系イソシアネートとアルコールとに分離回収される。
この熱分解反応は触媒を用いなくとも進行するが、公知
の触媒、例えばアンチモン、スズ等の触媒を使用するこ
とにより好適に実施できる。
高沸点溶媒中で熱分解させるが、この操作温度は 150〜
400 ℃、好ましくは 200〜300 ℃の範囲である。また熱
分解圧力は 1〜500 mmHg、好ましくは 5〜50mmHgの範囲
である。この反応により脂肪族系ウレタンは対応する脂
肪族系イソシアネート及びアルコールに熱分解され、そ
の生成した混合蒸気を系外で分縮させることにより脂肪
族系イソシアネートとアルコールとに分離回収される。
この熱分解反応は触媒を用いなくとも進行するが、公知
の触媒、例えばアンチモン、スズ等の触媒を使用するこ
とにより好適に実施できる。
【0014】この熱分解反応は、溶融状態の脂肪族系ウ
レタン又は高沸点溶媒と混合したウレタン溶液を同じ溶
媒存在下の槽型反応器、例えば蒸留塔に供給し、生成し
た脂肪族系イソシアネートとアルコールとの混合蒸気は
塔頂から系外へ抜出し分縮される。一方、反応器から滞
留液の一部を抜き出し、溶媒に対して非相溶性のアルコ
ールを添加することにより、未反応脂肪族系ウレタンが
アルコール層に抽出される。この抽出層は例えば蒸留に
よりアルコールを留出させた後、未反応脂肪族系ウレタ
ンを分離し、反応器へリサイクルされる。
レタン又は高沸点溶媒と混合したウレタン溶液を同じ溶
媒存在下の槽型反応器、例えば蒸留塔に供給し、生成し
た脂肪族系イソシアネートとアルコールとの混合蒸気は
塔頂から系外へ抜出し分縮される。一方、反応器から滞
留液の一部を抜き出し、溶媒に対して非相溶性のアルコ
ールを添加することにより、未反応脂肪族系ウレタンが
アルコール層に抽出される。この抽出層は例えば蒸留に
よりアルコールを留出させた後、未反応脂肪族系ウレタ
ンを分離し、反応器へリサイクルされる。
【0015】未反応脂肪族系ウレタンを抽出するために
使用されるアルコールは、熱分解反応で用いる前記の不
活性炭化水素溶媒に対して非相溶性であることが必須の
条件である。このアルコールには一価の低級脂肪族アル
コールが用いられ、例えばメタノール、エタノール、プ
ロパノール等である。実際上、熱分解反応を行なう原料
の脂肪族系ウレタンに対応するアルコールが好ましく、
例えば脂肪族カルバミン酸メチルに対してはメタノール
が用いられる。このアルコールの添加量は、抜出液中の
未反応脂肪族系ウレタンを溶解させるに必要なアルコー
ル量以上であり、通常は未反応脂肪族系ウレタン1モル
に対して 20 〜200 倍モルの範囲が好ましい。200 倍モ
ル以上を用いることは、アルコール層から未反応脂肪族
系ウレタンの回収に負荷が掛かることになり経済的でな
い。アルコールによる未反応脂肪族系ウレタンの抽出操
作は、40℃以下の温度が好ましく、通常は室温下で撹拌
処理した後、静置しアルコール層を分離することにより
容易に行なわれる。
使用されるアルコールは、熱分解反応で用いる前記の不
活性炭化水素溶媒に対して非相溶性であることが必須の
条件である。このアルコールには一価の低級脂肪族アル
コールが用いられ、例えばメタノール、エタノール、プ
ロパノール等である。実際上、熱分解反応を行なう原料
の脂肪族系ウレタンに対応するアルコールが好ましく、
例えば脂肪族カルバミン酸メチルに対してはメタノール
が用いられる。このアルコールの添加量は、抜出液中の
未反応脂肪族系ウレタンを溶解させるに必要なアルコー
ル量以上であり、通常は未反応脂肪族系ウレタン1モル
に対して 20 〜200 倍モルの範囲が好ましい。200 倍モ
ル以上を用いることは、アルコール層から未反応脂肪族
系ウレタンの回収に負荷が掛かることになり経済的でな
い。アルコールによる未反応脂肪族系ウレタンの抽出操
作は、40℃以下の温度が好ましく、通常は室温下で撹拌
処理した後、静置しアルコール層を分離することにより
容易に行なわれる。
【0016】前述の如く脂肪族系ウレタンでは一般に分
解速度が小さいので、反応器からの抜出液中には未反応
脂肪族系ウレタンが多く残存する。またウレタンの熱分
解によってイソシアネートとアルコールとが得られる反
応は可逆的であり、その平衡は高温でイソシアネートと
アルコールとになるが低温ではウレタンとなるので、反
応器からの抜出液にアルコールを多量に添加することに
より未反応脂肪族系ウレタンがアルコールに溶解し、こ
の間に残存するイソシアネートもウレタン化されて未反
応脂肪族系ウレタンと共にアルコール層ヘ 90%以上が抽
出される。従って本発明の方法によって反応器からの抜
出液をアルコールで抽出することにより、未反応脂肪族
系ウレタンと残存するイソシアネートが効率良く回収さ
れ、結果的にイソシアネートの収率が向上する。また回
収されたウレタン中にはハルツが混入しないので反応器
にリサイクルしてもハルツとイソシアネートとの付加反
応に起因する収率低下が無くなり、この点からもイソシ
アネートの収率が向上する。更に抽出操作により分離さ
れた溶媒中にはウレタンが少ないので、この溶媒の回収
が容易になり、溶媒回収工程におけるハルツの生成を回
避することもできる。
解速度が小さいので、反応器からの抜出液中には未反応
脂肪族系ウレタンが多く残存する。またウレタンの熱分
解によってイソシアネートとアルコールとが得られる反
応は可逆的であり、その平衡は高温でイソシアネートと
アルコールとになるが低温ではウレタンとなるので、反
応器からの抜出液にアルコールを多量に添加することに
より未反応脂肪族系ウレタンがアルコールに溶解し、こ
の間に残存するイソシアネートもウレタン化されて未反
応脂肪族系ウレタンと共にアルコール層ヘ 90%以上が抽
出される。従って本発明の方法によって反応器からの抜
出液をアルコールで抽出することにより、未反応脂肪族
系ウレタンと残存するイソシアネートが効率良く回収さ
れ、結果的にイソシアネートの収率が向上する。また回
収されたウレタン中にはハルツが混入しないので反応器
にリサイクルしてもハルツとイソシアネートとの付加反
応に起因する収率低下が無くなり、この点からもイソシ
アネートの収率が向上する。更に抽出操作により分離さ
れた溶媒中にはウレタンが少ないので、この溶媒の回収
が容易になり、溶媒回収工程におけるハルツの生成を回
避することもできる。
【0017】次に実施例により本発明を更に具体的に説
明する。但し本発明はこれらの実施例により制限される
ものではない。
明する。但し本発明はこれらの実施例により制限される
ものではない。
【0018】実施例1 キャピラリー、温度計および分留頭付充填塔(22ФX20
0、デイクソンパッキン100ml充填)を備えた 500mlの四
口フラスコに、マルロサームS溶媒(主成分:ジベンジ
ルトルエン) 250g 及びトリフェニルアンチモン触媒 S
b(C6H5)3 0.30gを仕込み、その反応器をオイルバスに設
置して内部の温度を 250℃に保持した。分留頭には受器
及び還流冷却器を取り付け、還流冷却器に60℃の温水を
循環させた。一方、還流冷却器上部及び受器は、メタノ
ール・ドライアイスで冷却したコールドトラップを通し
て真空ラインに連結した。次に系内を 30mmHg の減圧下
に維持しつつ、溶融状態の 1,3- ビス(メトキシカルボ
ニルアミノメチル)ベンゼン(以後、MXDUと略称す
る)とマルロサームSとトリフェニルアンチモンとを 2
0:40:0.05(重量比)に混合した原料液を、ポンプと逆止
弁を通して 60g/hの速度で反応器へ供給した。生成した
メタキシレンジイソシアネート(MXDI)及び中間体
のモノイソシアネート(MXMI)は還流冷却器で凝縮
させ受器で回収し、メタノールはコールドトラップで捕
集した。一方、反応器内の液面を一定に保持しながら滞
留液を連続的に抜出した。原料MXDUの供給開始後、
受器及び抜出液の組成変化について追跡したところ 4時
間で定常状態となった。この結果、MXDU反応率 95.
3%においてMXDIへの選択率は 95.1%(MXMI 2.1
% を含む)となった。ハルツの生成率は 3.30wt%であっ
た。この状態を 6時間維持した後、原料MXDUの供給
を停止し、抜出液からの未反応MXDUの回収実験を行
なった。抜出液中には、MXDU 2.21%、MXDI0.19
%、MXMI 0.83%、ハルツ 1.57%が含まれていた。次
に、抜出液 150g に対してメタノールを 20gを添加し、
温度30℃で 1時間攪拌した後に静置し、2層に分離した
液を各々に分けた。この時のメタノール添加量は、MX
DU、MXDI、MXMIの合計量に対して 71.7 倍モ
ルとなる。上層のメタノール層を分析したところ、仕込
みMXDI、MXMI及びMXDUの合計量に対して 9
0.2%に相当する量のMXDUが抽出されていることが分
かった。一方、下層の溶媒層は単蒸留装置を用いて 250
℃、3mmHg の条件で蒸発乾固を行なった。その結果、留
分のマルロサームS中のMXDUは痕跡程度であり、釜
残のハルツは 2.70gであった。
0、デイクソンパッキン100ml充填)を備えた 500mlの四
口フラスコに、マルロサームS溶媒(主成分:ジベンジ
ルトルエン) 250g 及びトリフェニルアンチモン触媒 S
b(C6H5)3 0.30gを仕込み、その反応器をオイルバスに設
置して内部の温度を 250℃に保持した。分留頭には受器
及び還流冷却器を取り付け、還流冷却器に60℃の温水を
循環させた。一方、還流冷却器上部及び受器は、メタノ
ール・ドライアイスで冷却したコールドトラップを通し
て真空ラインに連結した。次に系内を 30mmHg の減圧下
に維持しつつ、溶融状態の 1,3- ビス(メトキシカルボ
ニルアミノメチル)ベンゼン(以後、MXDUと略称す
る)とマルロサームSとトリフェニルアンチモンとを 2
0:40:0.05(重量比)に混合した原料液を、ポンプと逆止
弁を通して 60g/hの速度で反応器へ供給した。生成した
メタキシレンジイソシアネート(MXDI)及び中間体
のモノイソシアネート(MXMI)は還流冷却器で凝縮
させ受器で回収し、メタノールはコールドトラップで捕
集した。一方、反応器内の液面を一定に保持しながら滞
留液を連続的に抜出した。原料MXDUの供給開始後、
受器及び抜出液の組成変化について追跡したところ 4時
間で定常状態となった。この結果、MXDU反応率 95.
3%においてMXDIへの選択率は 95.1%(MXMI 2.1
% を含む)となった。ハルツの生成率は 3.30wt%であっ
た。この状態を 6時間維持した後、原料MXDUの供給
を停止し、抜出液からの未反応MXDUの回収実験を行
なった。抜出液中には、MXDU 2.21%、MXDI0.19
%、MXMI 0.83%、ハルツ 1.57%が含まれていた。次
に、抜出液 150g に対してメタノールを 20gを添加し、
温度30℃で 1時間攪拌した後に静置し、2層に分離した
液を各々に分けた。この時のメタノール添加量は、MX
DU、MXDI、MXMIの合計量に対して 71.7 倍モ
ルとなる。上層のメタノール層を分析したところ、仕込
みMXDI、MXMI及びMXDUの合計量に対して 9
0.2%に相当する量のMXDUが抽出されていることが分
かった。一方、下層の溶媒層は単蒸留装置を用いて 250
℃、3mmHg の条件で蒸発乾固を行なった。その結果、留
分のマルロサームS中のMXDUは痕跡程度であり、釜
残のハルツは 2.70gであった。
【0019】比較例1 実施例1と同様な熱分解実験で得た抜出液 150g に対し
てメタノール 20gを添加し、温度50℃で 1時間の加熱処
理を行なった。このメタノール処理液をそのまま単蒸留
装置を用いて、始めにメタノールを留去させた後、最終
的には 250℃、3mmHg の条件で蒸発乾固させた。その結
果、留分であるマルロサームS中に含まれていたMXD
Uの回収率は 10.2%(MXMI 2.1% を含む)であっ
た。一方、釜残のハルツは 5.98gであった。これより予
め未反応MXDUを分離することなく蒸発乾固した場合
には、MXDUの分解重合等によるハルツ化が起り、実
施例1と比べてハルツの量が2倍以上に増加することが
分かる。
てメタノール 20gを添加し、温度50℃で 1時間の加熱処
理を行なった。このメタノール処理液をそのまま単蒸留
装置を用いて、始めにメタノールを留去させた後、最終
的には 250℃、3mmHg の条件で蒸発乾固させた。その結
果、留分であるマルロサームS中に含まれていたMXD
Uの回収率は 10.2%(MXMI 2.1% を含む)であっ
た。一方、釜残のハルツは 5.98gであった。これより予
め未反応MXDUを分離することなく蒸発乾固した場合
には、MXDUの分解重合等によるハルツ化が起り、実
施例1と比べてハルツの量が2倍以上に増加することが
分かる。
【0020】比較例2 実施例1と同様な熱分解実験で得た抜出液 300g に対し
てメタノール 40gを添加し、温度50℃で 1時間の加熱処
理を行なった。このメタノール処理液を単蒸留装置を用
いてメタノールを留去させた後、MXDUを添加し実施
例1と同様な組成の原料液を調製した。次にこの原料液
を用いて第1回目と同様な条件でMXDUの熱分解実験
を行なった。その結果、MXDU転化率 94.8%において
MXDIへの選択率は 88.2%(MXMI 1.5% を含む)
となり、ハルツ生成率は 6.22wt%となった。この熱分解
実験において反応器内にはハルツが析出し、器壁に付着
した。これより熱分解反応に用いた溶媒を、溶解してい
るハルツを残したまま反応に再使用した場合には、MX
DI選択率が低下し、またハルツの生成量が増加するこ
とが分かる。
てメタノール 40gを添加し、温度50℃で 1時間の加熱処
理を行なった。このメタノール処理液を単蒸留装置を用
いてメタノールを留去させた後、MXDUを添加し実施
例1と同様な組成の原料液を調製した。次にこの原料液
を用いて第1回目と同様な条件でMXDUの熱分解実験
を行なった。その結果、MXDU転化率 94.8%において
MXDIへの選択率は 88.2%(MXMI 1.5% を含む)
となり、ハルツ生成率は 6.22wt%となった。この熱分解
実験において反応器内にはハルツが析出し、器壁に付着
した。これより熱分解反応に用いた溶媒を、溶解してい
るハルツを残したまま反応に再使用した場合には、MX
DI選択率が低下し、またハルツの生成量が増加するこ
とが分かる。
【0021】
【発明の効果】脂肪族系ウレタンの熱分解においては一
般に反応速度が小さいので、一槽連続反応では反応器か
らの抜出液中に溶媒、ハルツと共に、未反応脂肪族系ウ
レタンが多く残存する。一方、この抜出液から蒸留また
は蒸発により高沸点の脂肪族系ウレタンを溶媒とハルツ
とから分離回収するのは困難であり、脂肪族系ウレタン
が高温に曝されることにより変質してハルツ量が増大す
る。またハルツを反応系へリサイクルするとイソシアネ
ートとの付加反応によりハルツの生成量が更に増大する
と共にイソシアネート収率が低下する。本発明によれば
未反応脂肪族系ウレタンを反応器の抜出液から効率的に
分離することができ、これにより溶媒からハルツを分離
することも容易となる。この結果、脂肪族系ウレタンの
連続熱分解反応において未反応脂肪族系ウレタンを経済
的に反応系へリサイクルできることになるので、短い滞
留時間で空時収率を高めることができるようになり、反
応器を小さくできる利点がある。従って本発明の方法に
よれば、脂肪族系ウレタンの熱分解においてイソシアネ
ート収率が向上すると共に、運転上の障害ともなるハル
ツの生成量が減少し、また反応装置上の利点も大きいこ
とから、本発明の工業的意義が大きい。
般に反応速度が小さいので、一槽連続反応では反応器か
らの抜出液中に溶媒、ハルツと共に、未反応脂肪族系ウ
レタンが多く残存する。一方、この抜出液から蒸留また
は蒸発により高沸点の脂肪族系ウレタンを溶媒とハルツ
とから分離回収するのは困難であり、脂肪族系ウレタン
が高温に曝されることにより変質してハルツ量が増大す
る。またハルツを反応系へリサイクルするとイソシアネ
ートとの付加反応によりハルツの生成量が更に増大する
と共にイソシアネート収率が低下する。本発明によれば
未反応脂肪族系ウレタンを反応器の抜出液から効率的に
分離することができ、これにより溶媒からハルツを分離
することも容易となる。この結果、脂肪族系ウレタンの
連続熱分解反応において未反応脂肪族系ウレタンを経済
的に反応系へリサイクルできることになるので、短い滞
留時間で空時収率を高めることができるようになり、反
応器を小さくできる利点がある。従って本発明の方法に
よれば、脂肪族系ウレタンの熱分解においてイソシアネ
ート収率が向上すると共に、運転上の障害ともなるハル
ツの生成量が減少し、また反応装置上の利点も大きいこ
とから、本発明の工業的意義が大きい。
Claims (4)
- 【請求項1】脂肪族系ウレタンを該脂肪族系ウレタンか
ら生成する脂肪族系イソシアネートより高沸点を有する
不活性炭化水素溶媒中で熱分解反応を行ない、発生した
脂肪族系イソシアネートとアルコールとの混合蒸気を系
外で分縮させる脂肪族系イソシアネートの製造方法にお
いて、反応器からの抜出液中の未反応脂肪族系ウレタン
を該溶媒に対して非相溶性のアルコールにより抽出分離
することを特徴とする脂肪族系イソシアネートの製造方
法 - 【請求項2】脂肪族系ウレタンが 1,3- 及び 1,4- ビス
(メトキシカルボニルアミノメチル)ベンゼンであり、
アルコールとしてメタノールを使用する請求項1の脂肪
族系イソシアネートの製造方法 - 【請求項3】非相溶性のアルコールを反応器からの抜出
液に含まれる未反応脂肪族系ウレタンを溶解させるに必
要な量以上に使用する請求項1の脂肪族系イソシアネー
トの製造方法 - 【請求項4】アルコールによる未反応脂肪族系ウレタン
の抽出を40℃以下の温度で行なう請求項1の脂肪族系イ
ソシアネートの製造方法
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29718392A JPH06145132A (ja) | 1992-11-06 | 1992-11-06 | 脂肪族系イソシアネートの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29718392A JPH06145132A (ja) | 1992-11-06 | 1992-11-06 | 脂肪族系イソシアネートの製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06145132A true JPH06145132A (ja) | 1994-05-24 |
Family
ID=17843251
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP29718392A Pending JPH06145132A (ja) | 1992-11-06 | 1992-11-06 | 脂肪族系イソシアネートの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06145132A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN110467546A (zh) * | 2018-05-10 | 2019-11-19 | 中国科学院过程工程研究所 | 一种制备间苯二亚甲基二异氰酸酯的方法 |
-
1992
- 1992-11-06 JP JP29718392A patent/JPH06145132A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN110467546A (zh) * | 2018-05-10 | 2019-11-19 | 中国科学院过程工程研究所 | 一种制备间苯二亚甲基二异氰酸酯的方法 |
| CN110467546B (zh) * | 2018-05-10 | 2021-03-19 | 中国科学院过程工程研究所 | 一种制备间苯二亚甲基二异氰酸酯的方法 |
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