JPH0615427B2 - 無機多孔体とその製造方法 - Google Patents

無機多孔体とその製造方法

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JPH0615427B2
JPH0615427B2 JP59239366A JP23936684A JPH0615427B2 JP H0615427 B2 JPH0615427 B2 JP H0615427B2 JP 59239366 A JP59239366 A JP 59239366A JP 23936684 A JP23936684 A JP 23936684A JP H0615427 B2 JPH0615427 B2 JP H0615427B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、空孔と構成骨格との均一絡み合い構造を有す
る(球状あるいは均一粒径球状の)無機多孔体とその製
造方法に関するものである。
〔従来の技術〕
無機多孔体は、従来触媒担体、吸着剤、ロ過材等の用途
に供せられている。このような分野で無機多孔体が利用
される理由は、無機物質の剛性、耐熱性、耐薬品性に優
れていることであると考えられる。一方、用途に応じて
無機多孔体の孔の特性に対する要求は多様かつ精密とな
つてきている。特にクロマト担体、触媒担体、分子ふる
い、機能性基固定母体、多孔成形用材料等では、より均
一なマクロ孔(なお、本発明においてマクロ孔とは10
00Å以上の孔径を有する孔を意味する。)が有利とさ
れ、さらにより空孔率の大きい材料が強く望まれてい
る。
従来、無機多孔体として、シリカゲルや多孔性ガラス等
がある。シリカゲルは通常珪酸ソーダと硫酸または塩酸
との反応により、シリカゲルを経てシリカヒドロゲルと
し、水洗、乾燥、さらに必要ならば焼成して製造され
る。このようにして得られるシリカゲルは孔径分布が広
かつたり、あるいは孔径が小さい(数百Å)といつた特
性を有する。シリカゲルの製造法は、例えば特開昭58
−104017号,特開昭47−5817号等がある。
また、多孔性ガラスは特定組成のホウケイ酸ガラスを溶
融、成形後、一定の温度範囲内で熱処理して相分離を生
ぜしめ、その後酸処理、水洗をして溶出相を除去し、さ
らに乾燥して製造される。このような多孔性ガラスは、
代表的には96%の無水珪酸の他に、無水ホウ酸及び酸
化ナトリウムを構成成分としてふくんでいるため、酸等
の耐薬品性に限界があるだけでなく、一般に細孔容積が
小さい。多孔質ガラス製造法は、例えば米国特許2,1
06,744(1934)に記載されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明はこのような無機多孔体の孔の特性に対する要求
に、一つの解答を提供するものである。加えて、剛性及
び耐薬品性が特にすぐれた無機多孔体を提供するもので
ある。
〔問題点を解決するための手段及び作用〕
発明者等は、このような従来技術の限界を克服するため
に鋭意検討を重ねた結果、実質的に無水珪酸を構成単位
とする、スピノーダル分解による構造と類似構造を有す
る、従来には見られない無機多孔体と、その製造方法を
考案し、本発明に至つた。本発明によると、特に、その
剛性を保持したままでの高空孔率が可能であり、クロマ
ト担体、触媒担体、分子ふるい等の使用分野で大きな効
果が期待される。
本発明の特徴は、第一に空孔と構成骨格とが均一に絡み
合つており、孔径(D)が1/2≦D≦2の範囲に
ある細孔容積の総和が全細孔容積の80%以上であり、
さらには構成骨格径(D′)が の範囲にある構成骨格容積の総和が全構成骨格容積の8
0%以上であることである。ここで“平均孔径()と
は、その孔径より大なる孔の占める容積と、その孔径よ
り小なる孔の占める容積が等しくなるように選ばれた孔
径である。
とは、その骨格径より大なる骨格の占める容積と、その
骨格径より小なる骨格の占める容積が等しくなるように
選ばれた骨格径である。この特徴は実施例に付された図
において明瞭に示されている。また、第2の特徴は平均
細孔径が、1000Å〜50000Åであることであ
る。この範囲外では上記均一絡み合い構造を取りにく
い。更に、第3の特徴は無機多孔体が実質的に無水珪酸
を構成単位としていることである。ここでは、無機多孔
体の骨格をなす実質部が、重量百分率で98%以上の無
水珪酸を構成単位として含有する三次元重合体であるこ
とを意味している。無水珪酸が98%未満になると混在
する不純物(無機塩や無機酸化物)のため耐薬品性、特
に耐酸性が低下する。
この場合の重量百分率は、水等の揮発性物質を含まない
乾燥状態で算出する。
本発明にて得られる無機多孔体の細孔の特性は、水銀圧
入法にて測定される。即ち加圧された水銀が細孔に圧入
される時の圧力と圧入量によつて、孔径とその孔径構成
での細孔の容積が各々求められる。また、その平均骨格
径は、弗酸溶解法とその後の水銀圧入法にて測定され
る。即ち、無機多孔体の細孔中にジビニルベンゼン等の
二官能性化合物とスチレン等のラジカル重合する化合物
を液体で入れて重合し三次元架橋ポリマーとした後、4
0%弗酸水溶液で処理することにより無機多孔体構成物
を溶解せしめて、その後上記水銀圧入法により無機多孔
体構成物の構成骨格径が空孔として測定される。
本発明の無機多孔体を製造するには、その実質部を形成
する無水珪酸と、細孔を形成するための鋳型となる特定
の無機塩または無機塩の混合物が使用される。無水珪酸
は、シリカゾルの形態で供給される。通常濃度は、水に
対する重量百分率で10〜50%、好ましくは20〜4
0%である。その他の形態、例えば粉末状の無水珪酸を
水に分散させたもの、あるいはゲル状シリカの水中分散
混合物も使用し得るが、一般に良い成績を与えない。本
発明に使用される無機塩としては(1)無水珪酸と親和性
が大きく、なじみやすい化合物であり加えて(2)珪酸と
混合乾燥後の焼結時に400℃から800℃の間に融点
を示す化合物が好ましい。無水珪酸のシンタリングが進
む温度以上で焼結操作を行なうわけであるが、前述(1)
と(2)の条件は焼結温度と密接に関係している。なぜな
らば、焼結温度において添加無機塩が溶融して液状とな
つていること、さらに、無機塩の液相と無水珪酸の固体
との界面において相互作用が働くことにより、本発明の
特許請求の範囲に記述したような構造が形成されると考
えられるからである。
前記(1)(2)の条件を満たす無機塩であれば全て使用可能
であるが、特に好ましい具体的な例をあげると、モリブ
デン酸塩、酸化モリブデン、及び酸化モリブデンあるい
はモリブデン酸塩とリン酸塩混合物系、塩化ナトリウ
ム、塩化カリウム等のアルカリ金属塩化物や硫酸カリウ
ム等のアルカリ金属硫酸塩系、及びそれら、さらには塩
化カルシウム等のアルカリ土類金属塩との混合系が有効
である。酸化モリブデン系に関しては、酸化モリブデン
の水に対する溶解性が小さい為にそのままでは使用が困
難であり、焼結時に酸化されて酸化モリブデンに変化
し、なおかつ水に対する溶解性が大きいモリブデン酸ア
ンモニウム塩の形で使用するのが好ましい。
このような無機塩は、水溶液または酸性溶液としてシリ
カゾルと混合される。使用溶液のpHは0から10、特に
好ましくは1から5である。pHがこの範囲以下では酸性
が強いので合成用装置の材質の耐酸性を必要とし、また
この範囲以上では、生成シリカゲルが溶解してしまう。
無機塩の量は、特に制限はないが通常、無水珪酸の体積
に対し0.5〜10倍(細孔容量0.2〜4.5ml/
g)の範囲で、好ましくは1〜6倍(細孔容量0.4〜
2.8ml/g)の範囲である。無機塩の量がこの範囲以
下であると細孔容量が小さくなり無機多孔体としての特
性が十分に利用できない。一方、この範囲を越えると無
機多孔体の破壊強度が著しく低下してくるので好ましく
ない。
無機多孔体を製造するための第一段階は、シリカゾル
と、所定量の無機塩の水溶液を混合することである。こ
のときシリカゲルの発生を防止し、水性混合物の均一性
を保持するために、混合する前または後に、鉱酸を用い
て混合物を酸性にすることが好ましい。
第二段階は、この混合物を50〜300℃、好ましくは
60〜250℃に加熱し、水分の蒸発除去により乾燥す
ることである。この乾燥工程では所望の形状の加熱容
器、加熱板、噴霧乾燥機等を使用することにより、所望
の形状に成型することができる。特に噴霧乾燥機を使用
することにより、ある粒度分布を有する球状無機多孔体
を合成でき、さらには超音波を利用した均一造粒装置
(特開昭59−95925)を使用することにより20
0μ以上の粒径を有する均一粒径の球状無機多孔体を合
成できる。このような球状無機多孔体は、カラム充填剤
等の利用において非常に有用である。なんとなれば、一
般の破砕型充填剤に比べて、球状であるがために充填状
態がより均一となり、高性能カラムとなる。均一粒径の
球状無機多孔体の場合はさらに充填の均一性は向上し、
より高性能化が達成できる。本発明の無機多孔体は、出
来るだけ異形又は異質物質の混入がない方が好ましい
が、本発明の無機多孔体の性質を実質的に変化させない
範囲内で、不純物の混入を許容し得る。脱水乾燥に要す
る時間は、乾燥の温度、方法及び成型体の大きさによつ
て異なるが、通常1秒から30分である。第三段階は焼
成である。焼成温度は通常、400〜1000℃の間で
ある。しかしながら、所定の平均孔径と狭い孔径分布を
実現するためには、使用された無機塩を融解せしめるこ
と、かつ無機塩の融点より200℃高い温度を越えては
ならない。無機塩の融点より低いと、平均孔径が著しく
小さくなり、融点より200℃以上高い温度では平均孔
径が大きくなりすぎる。尚、焼成に要する時間は通常1
時間以上、好ましく2〜10時間である。第四段階は脱
塩である。これは焼成によつて融解した無機塩を、冷却
固化させた後中性または酸性の水溶液で除去することで
ある。この操作により、無機塩が除かれた箇所が孔とし
て残る。使用する水溶液は使用された無機塩の種類及び
量に依存して中性水または酸性水が選ばれる。アルカリ
性水は、無機多孔体構成骨格である酸化ケイ素を溶解す
る為に不適当である。水性液の量は、通常処理される焼
成物に対し、体積比で5倍以上である。
得られた無機多孔体は、必要ならば水洗、乾燥をした後
利用に供せられる。
〔実施例〕
以下に本発明の具体的態様を実施例にて示す。
実施例1 リン酸−ナトリウム185.6gを蒸留水218gに溶
解させた。また、一方、モリブデン酸アンモニウム6
4.7gを水161gに溶解させた。上記二液を、スノ
ーテツクス−30(日産化学工業株式会社製シリカゾ
ル)200gに加え均一液とした。これを噴霧乾燥する
ことにより球状粒子とした。得られた粒子230gを電
気炉にて700℃2時間焼成した。その後水2と混合
し80℃1時間処理した。これをろ別乾燥することによ
り、平均細孔径3660Åで1220Åから10000
Åの狭い範囲に分布している細孔を有し、細孔量1.0
3ml/gの球状シリカゲルが得られた。
第1図には、水銀圧入法により得られた細孔分布図を
又、第2図には弗酸法−水銀圧入法により得られた構成
骨格径分布図を示した。また、得られた多孔性シリカゲ
ルの元素分析結果はSiO2: 98%、MoO3:1.1%、Na2O:0.3%、P2O5:0.
5%であつた。
実施例2 スノーテツクス−30,120gに、塩化カリウム4
8.07g(0.645mol)と塩化カルシウム二水和
物32.05g(0.218mol)と濃塩酸2mlを溶解
した液を加えた。調製したスラリー液はpH1.20で安
定であつた。使用した複合塩の融点は670℃である。
これを噴霧乾燥することにより球状粒子105gを得
た。これを750℃2時間焼成した。この物を1規定塩
酸水溶液10倍量で80℃1時間処理し、ろ別乾燥する
ことにより、多孔性シリカゲル粒子が得られた。平均細
孔径1200Å、細孔容量0.82ml/gであつた。細
孔分布図を第3図に示した。得られた多孔性シリカゲル
の元素分析結果はSiO2:98.7%、 KCl:0.6%、CaCl2:0.7%であつた。また、構成
骨格径分布測定結果を表1に示した。
実施例3 硝酸ナトリウム50gとリン酸第二アンモニウム94g
を水200gに溶解した。その溶液にスノーテツク−3
0を286g加え均一溶液とした。使用した塩の酸化物
系(焼成時)の融点は552℃である。この溶液をヒー
ター付ホツトプレート上で混合しながら、200℃にて
蒸発乾固した。得られた粉体220gを650℃で2時
間焼成した。その後、水2に加え80℃で1時間撹拌
処理し乾燥した。得られた固体は、平均細孔系2700Å、
細孔容量1.12ml/gを有する多孔性シリカゲルであ
つた。細孔分布図を第4図に、また、構成骨格径分布測
定結果を表1に示した。得られた多孔性シリカゲルの元
素分析結果はSiO2:99.5%、Na2O:0.4%、P
2O5:0.1%であつた。
〔発明の効果〕 本発明の無機多孔体は、上記のように空孔と構成骨格と
の均一絡み合い構造を有しているため、細孔径の大きさ
及び細孔の空間的分布が均一であり、強度が大きく、ま
た、実質的に無水珪酸を構成単位としているので耐熱
性、耐薬品性に優れ、殊にクロマト担体、触媒担体、機
能性基固定母体、多孔成形用材料等に好適に使用でき
る。また、本発明の製造方法によれば、上記の優れた無
機多孔体を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例1で得られた無機多孔体の細
孔分布図、第2図はその構成骨格分布図である。第3図
は実施例2の無機多孔体の細孔分布図である。第4図は
実施例3の無機多孔体の細孔分布図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】孔径(D)が1/2≦D≦2(ここで
    は平均細孔径を表わす)の範囲にある細孔容積の総和
    が全細孔容積の80%以上であり、さらには構成骨格径
    (D′)が1/2′≦D′≦2′(ここで′は平
    均骨格径を表わす)の範囲にある骨格容積の総和が全骨
    格容積の80%以上であり、かつ平均細孔径が1000
    〜50000Åである実質的に無水珪酸を構成単位とす
    る無機多孔体。
  2. 【請求項2】シリカゾルと、融点が400℃乃至800
    ℃の範囲にある無機塩または無機塩の混合物の水溶液と
    から成る均一な水性混合物を脱水乾燥後、無機塩、焼成
    により生成する無機酸化物、またはそれらの混合物の融
    点乃至融点より200℃高い温度の範囲で焼成し、さら
    に脱塩することにより、空孔と構成骨格との均一絡み合
    い構造を有する実質的に無水珪酸を構成単位とする無機
    多孔体の製造法。
  3. 【請求項3】無機塩としてモリブデン酸塩系、酸化モリ
    ブデン系、モリブデン酸塩あるいは酸化モリブデンとリ
    ン酸塩混合物系、リン酸塩系、塩化カリウム−塩化カル
    シウム系を用いた特許請求の範囲第2項記載の無機多孔
    体の製造方法。
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