JPH06155246A - 加工機の工具破損防止装置 - Google Patents

加工機の工具破損防止装置

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JPH06155246A
JPH06155246A JP4339823A JP33982392A JPH06155246A JP H06155246 A JPH06155246 A JP H06155246A JP 4339823 A JP4339823 A JP 4339823A JP 33982392 A JP33982392 A JP 33982392A JP H06155246 A JPH06155246 A JP H06155246A
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spindle
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Kazuhiro Sawaai
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加工機において主軸モータの負荷値に基づき
工具寿命を予測判断し、加工中に工具破損が生じるのを
防止する。 【構成】 工具がワークから離れているときに主軸を回
転させ、このときの主軸モータの初期負荷値を検出し、
この初期負荷値に固定値を加算して「しきい値1」のレ
ベルS1と、「しきい値2」のレベルS2とが設定され
る。工具を間欠的に前進させていくステップ加工におい
て、最初に主軸モータの負荷値が「しきい値1」のレベ
ルS1を越えたら、工具をワークから一旦離し、再度基
の位置から加工する。次の加工動作において、主軸モー
タの負荷値が「しきい値2」のレベルS2を越えたら、
工具をワークから離し且つ再度加工を行う動作となる。
このワークから工具を離す動作回数Nが設定値を越えた
ら、工具寿命が尽きたと判断し、工具を交換する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、工具交換機構を有する
マシニングセンタなどの加工機に係り、特に工具負荷を
予め検出して工具破損前に工具交換を行うようにした工
具破損防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】マシニングセンタなどの加工機において
切削加工を行う場合に、工具の切れ味の低下などにより
主軸負荷が時間を経て増加し、そのまま加工を継続する
と工具破損を生じることになる。加工中に工具破損が生
じると、加工ラインが停止することになり、加工作業が
停滞して加工能率を著しく低下させることになる。そこ
で、従来のマシニングセンタなどでは、ワークテーブル
上に工具センサが設けられ、一定時間の加工が終了した
ときに、この工具センサにより工具の摩耗量などを検知
できるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一定時
間の加工が完了したときに工具センサにより摩耗状態を
検出する方法では、加工中に工具寿命が尽きて破損を生
じた場合に対処することができない。そのため、工具を
駆動する主軸のモータ負荷を検出し、モータ負荷が所定
のしきい値以上となったときに加工を中断して工具をワ
ークから離し、再トライして、さらに主軸負荷を監視す
ることにより、工具破損を未然に防ぐことが考えられ
る。
【0004】ところがこの方法では以下に示す問題が生
じる。 (1)前記しきい値を単一値として設定した場合には、
一度主軸のモータ負荷がしきい値よりも大きくなって工
具をワークから離し再トライしたとき、再トライ直後に
加工中の主軸のモータの負荷が再度前記しきい値よりも
高くなることが多くなり、必要以上に再トライを繰返す
ことになって、加工能率が低下することになる。
【0005】(2)前記しきい値を単一値とした場合
に、主軸のモータ負荷がしきい値よりも高くなって前記
再トライを行う回数が多くなり、この回数に基づいて工
具寿命が尽きたと判断してしまうと、工具寿命の判断時
期が早すぎることになり、必要以上の工具交換を行うこ
とになり、加工能率が低下する。
【0006】(3)前記しきい値を所定の工具に対する
固定値として設定してしまうと、工具による初期負荷値
に変動がある場合に、適正な工具寿命判断ができなくな
る。例えば複数のドリルなどを駆動する多軸ヘッドを主
軸に装着する場合、多軸ヘッドはギヤ部を有しているた
めに個々において初期負荷値が相違し、また暖気運転の
時間によっても初期負荷値が変動してしまう。このよう
な多軸ヘッドを主軸に装着して加工を行うときに、主軸
のモータ負荷を固定のしきい値と単純に比較した場合に
は、前記初期負荷値の相違または変動分を配慮できず、
モータ負荷による正確な寿命判断ができなくなる。
【0007】本発明は上記従来の課題を解決するもので
あり、しきい値を有効に利用して、工具をワークから離
した後に再度加工を開始する再トライ回数および工具交
換回数を可能な限り少なくして加工能率を高めることを
目的としている。
【0008】また本発明は、多軸ヘッドを使用した場合
のように、初期負荷値が相違しまた変動する工具を使用
した場合に、最適なしきい値により工具寿命判断ができ
るようにすることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による加工機の工
具破損防止装置は、装着された工具を用いて加工を行っ
ているときの主軸負荷を検出する検出手段と、第1のし
きい値とこれよりも大きい値の第2のしきい値を設定す
るしきい値設定部と、前記検出手段により検出された主
軸負荷と前記しきい値とを比較する比較手段と、加工中
に前記比較手段にて主軸負荷が第1のしきい値よりも大
きいと判断されたときに工具をワークから離す指令を出
し、この指令回数が1回以上の所定回数となった後は、
前記比較手段にて主軸負荷が第2のしきい値よりも大き
いと判断されたときに工具をワークから離す指令を出す
制御手段が設けられていることを特徴とするものであ
る。
【0010】また、上記手段に加え、さらに制御手段に
て、工具をワークから離す指令が出された回数が設定値
以上となったときに工具寿命と判断して、工具交換指令
を発するようにしたものである。
【0011】さらに、前記しきい値設定部においては、
加工動作を行わない状態で主軸を回転させたときの初期
負荷値に固定値を加算することにより前記第1のしきい
値と第2のしきい値とを設定することが好ましい。
【0012】
【作用】上記第1の手段では、主軸のモータ負荷との比
較対象として第1のしきい値とこれよりも値の大きい第
2のしきい値とが設定される。加工中に主軸のモータ負
荷が検出されるが、当初はこの負荷が第1のしきい値よ
りも大きいか否かが監視され、負荷が第1のしきい値よ
りも大きくなったときに、工具をワークから離しその後
に加工を再トライする。この第1のしきい値は比較対象
として1回あるいはそれ以上の所定回数だけ使用し、そ
の後は負荷との比較対象として第2のしきい値を使用す
る。そして主軸のモータ負荷が第2のしきい値よりも大
きいと判断されたときに工具をワークから離すようにす
る。このようにしきい値を2段に設定することにより、
単一のしきい値を使用した場合のように再トライ回数が
必要以上に多くなったり、あるいはあまりにも早い時期
に工具寿命と判断されることがなくなる。
【0013】上記第2の手段では、モータの主軸負荷が
前記第1のしきい値よりも大きいと判断されまた前記第
2のしきい値よりも大きいと判断されて工具がワークか
ら離される回数を計数し、この回数が設定値以上となっ
たときに工具寿命と判断し、工具交換を指令しまたはワ
ークを不良品と判断する。前記第1のしきい値と第2の
しきい値との比較結果の全回数を計数して工具交換指令
を発することにより、使用している工具の寿命判断が適
切にできるようになる。
【0014】前記第3の手段では、前記第1のしきい値
と第2のしきい値を設定する方法として、切削加工開始
前に主軸を回転して初期負荷値を測定し、この初期負荷
値に予め入力した固定値を加算して第1と第2のしきい
値を設定している。このように初期負荷値を加味して第
1と第2のしきい値を設定することにより、例えば多軸
ヘッドのように初期負荷値が個々のものにて相違しまた
同じものであっても条件により初期負荷値が変動するも
のを使用した場合においても、正確な工具寿命判断がで
きるようになる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は本発明の一実施例として、工具交換機構を
有するマシニングセンタの工具破損防止装置を含む制御
装置を示すブロック図、図2は主軸に装着された多軸ヘ
ッドを示す側面図、図3は主軸のモータ負荷としきい値
との関係を示す線図、図4ないし図6は工具破損防止の
ための制御フローチャートである。図1において符号1
は主軸であり、この主軸1は主軸モータ2により回転駆
動される。主軸モータ2はモータ駆動部3により駆動制
御される。また符号4は工具交換機構(ATC)であ
る。この工具交換機構4は、例えば12箇所の予備工具
保持部を有する回転式の工具マガジンと、この工具マガ
ジンに保持された予備工具と主軸1に保持された工具と
を交換する交換アームとを有している。
【0016】このマシニングセンタには、駆動制御の中
枢をなす制御ブロック5が設けられている。この制御ブ
ロック5はそれぞれの役割を分担する3つの領域5A,
5B,5Cに別れている。5Aは、主に加工プログラム
とマクロ言語などによるサブプログラムを実行するプロ
グラム実行領域である。この領域5Aには、記憶部10
と中央制御部11とが設けられている。記憶部10には
主に加工プログラムとサブプログラムとが格納される。
これらのプログラムは、複数機の各種加工機を集中制御
する集中制御部からダウンロードされて前記記憶部10
に格納されるものである。中央制御部11は主に前記プ
ログラムに基づいた制御動作を実行するものであり、プ
ログラム命令を解読して実行する中央処理装置(CP
U)および記憶装置などから構成されている。
【0017】領域5Bは、NC制御(数値制御)を行う
部分であり、ここに設けられた加工制御部12では、前
記中央制御部11からの命令実行指令に基づいて、主軸
1が設けられた加工ヘッドやワークテーブルなどの移動
制御が行われる。さらに前記工具交換機構(ATC)4
はこの加工制御部12により駆動制御される。この領域
5Bには、前記主軸モータ2の負荷電流を検出する負荷
検出部13と、検出された負荷をディジタル値に変換す
るA/D変換部14が設けられている。領域5CはNC
動作以外の制御動作を行う部分であり、この領域5Cに
は、しきい値設定部15、およびしきい値設定部15に
設定された「しきい値1」または「しきい値2」とA/
D変換された主軸モータの負荷値とを比較する比較判定
部16が設けられている。またこの領域5Cには、工具
交換機構4の工具マガジンに保持されている予備工具に
関する情報が記憶される工具情報記憶部17が設けられ
ている。
【0018】図1に示す実施例では、主軸1に多軸ヘッ
ド20が装着されている。この多軸ヘッド20の外観は
図2に示される。この多軸ヘッド20は、ギヤボックス
21内に駆動軸23が軸受22,22により回転自在に
支持され、この駆動軸23に駆動歯車24が固定されて
いる。ギヤボックス21内にはスピンドル25と26が
ぞれぞれ軸受27,27および28,28により回転自
在に支持されており、このスピンドル25と26に固定
された従動歯車29と30が前記駆動歯車24と噛合っ
ている。図2に示すようにそれぞれのスピンドル25,
26の先端はギヤボックス21の前方に突出しており、
このスピンドル25と26の先端に、工具(ドリル)3
2を保持したホルダ31が装着される。
【0019】図2に示すように、駆動軸23の後端には
工具ホルダ33が固定されており、この工具ホルダ33
のテーパシャンク部33aが主軸1のテーパ穴1a内に
挿入されてクランプされる。またギヤボックス21の後
端には位置決めピン34が固定されており、この位置決
めピン34が加工ヘッド7に設けられた位置決め部6に
挿入されて、多軸ヘッド20が位置決めされる。この多
軸ヘッド20では、主軸1により駆動軸23が回転駆動
され、この回転力が駆動歯車24から従動歯車29と3
0に伝達され、スピンドル25と26と共に工具32,
32が駆動される。
【0020】工具交換機構(ATC)4の工具マガジン
には、この種の多軸ヘッドがこれ以外の通常の工具と共
に保持されており、工具交換アームにより工具マガジン
に保持されていた多軸ヘッド20または他の工具が主軸
1に装着されるようになっている。図1と図2に示す多
軸ヘッド20は、同じ規格寸法の一対の工具(ドリル)
32,32が装着されているものであり、この多軸ヘッ
ド20が主軸1に装着された状態で、前記工具32,3
2を使用して2個のワークに対する同時穴開け加工が行
われる。
【0021】上記多軸ヘッド20が主軸1に装着された
状態で行われるワークへの穴開け加工、および工具破損
防止動作について図3を参照して説明する。多軸ヘッド
20に装着されている一対の工具32が例えばφ2.5
mmのドリルであって、ワークに対して例えば深さ50
mm程度の深い穴を穿孔加工する場合には、加工プログ
ラムに基づく中央制御部11からの制御指令、さらに加
工制御部12での制御動作により、ワークに対して主軸
が一定寸法ごとに間欠的に送り込まれるいわゆるステッ
プ加工が行われる。
【0022】この加工動作のときに主軸モータ2の負荷
電流が負荷検出部13により検出され、これがA/D変
換部14にてA/D変換され、種々の制御動作用のデー
タとして使用される。本発明では、A/D変換された主
軸モータの負荷値が、比較判定部16においてしきい値
と比較される。この実施例では、しきい値設定部15に
「しきい値1」と「しきい値2」とが設定されている。
【0023】図3は、横軸に時間をとり、縦軸にA/D
変換された主軸モータ2の負荷値をとった線図であり、
この線図には「しきい値1」のレベルがS1で示され、
「しきい値2」のレベルがS2で示されている。S2で示
す「しきい値2」のレベルは、S1で示す「しきい値
2」のレベルよりもわずかに高く設定されている。また
この「しきい値1」と「しきい値2」のレベルは固定的
に設定されるものではなく、非切削加工時の主軸モータ
2の初期負荷値に基づいて設定される。
【0024】すなわち工具交換機構(ATC)4の工具
マガジンから新たな工具(例えば多軸ヘッド)が主軸1
に装着されたとき、または同じ工具を継続して使用する
場合であって次の加工動作を行う直前において、工具が
ワークから離れている状態で主軸1を回転させ、そのと
きの負荷を負荷検出部13により検出する。この検出値
は、A/D変換部14によりA/D変換されて初期負荷
値としてしきい値設定部15に与えられる。しきい値設
定部15では、キー入力などにより予め2種のレベルの
固定値が与えられている。そして前記切削加工前の主軸
モータ2の初期負荷値が検出されると、この初期負荷値
に2種のレベルの固定値がそれぞれ加算されて、図3に
示す「しきい値1」のレベルS1と、「しきい値2」の
レベルS2が設定される。
【0025】したがって、しきい値設定部15にて設定
される「しきい値1」のレベルS1と「しきい値2」の
レベルS2は、切削加工前の種々の条件により変わって
くる。例えば図1と図2に示した多軸ヘッド20が使用
される場合、ギヤボックス21の機構による負荷はヘッ
ドごとに相違し、また同じ多軸ヘッドを使用した場合で
あっても暖気運転時間や、環境温度などにより非切削時
の初期負荷値が変動する。したがって予めキー入力され
るなどした固定値を初期負荷値に加算して前記しきい値
のレベルS1とS2を設定することにより、初期負荷値を
加味したしきい値のレベルS1とS2が設定されることに
なる。このレベルの異なる「しきい値1」と「しきい値
2」とを使用した比較判定部16における比較判定動作
と、これに伴う制御動作は以下の通りである。
【0026】図1に示す実施例では、ステップ加工など
の各種加工動作が、加工プログラムに基づき中央制御部
11にて実行処理される。このプログラム実行により、
図3に示すように、まず多軸ヘッド20などが装着され
た主軸1がワークから離れた状態で回転駆動され、加工
開始直前における主軸モータ2の初期負荷値が負荷検出
部13にて検出される。この検出負荷値はA/D変換部
14にてA/D変換され、しきい値設定部15に与えら
れる。しきい値設定部15では、検出された初期負荷値
に、予めキー入力されるなどした固定値が加算されて
「しきい値1」と「しきい値2」のレベルS1,S2が設
定される。
【0027】ステップ加工は、加工プログラムに基づき
中央制御部11にて制御され、加工制御部12からの指
令により加工ヘッドがワークに対して間欠的に移動させ
られて行われる。そしてステップ加工中に、負荷検出部
13にて検出されA/D変換された主軸モータ2の負荷
値が比較判定部16にて前記いずれかのしきい値と比較
される。ここで、加工開始後に最初の比較対象となる
「しきい値」は次のようにして決められる。ステップ加
工を開始するときに主軸に装着されている工具がその直
前に何度も使用されており、充分な暖気運転を経た多軸
ヘッドなどである場合には、比較判定部16における最
初の比較対象を「しきい値1」とする。また主軸に装着
されている工具が充分な暖気運転を経ていないものであ
る場合には、比較判定部16において高めの値の「しき
い値2」を比較対象として使用する。
【0028】図3は、主軸に装着されている工具が充分
な暖気運転を経たものであり、最初の比較対象が「しき
い値1」である場合について図示している。図3に示す
ように、最初のステップ加工C1と2回目のステップ加
工C2のときの主軸モータ2の負荷検出値が「しきい値
1」のレベルS1以下の場合には、そのままステップ加
工を継続する。例えば3回目のステップ加工C3におい
て、主軸モータ2の負荷検出値が「しきい値1」のレベ
ルS1を越えたとすると、比較判定部16から中央制御
部11に割込み指令が出され、中央制御部11において
マクロ言語などによるサブプログラムが割込み起動す
る。このサブプログラムからの指令により加工制御部1
2が制御動作を行い、加工ヘッドが移動させられるなど
して工具32,32がワークから一旦離される。そして
再トライとなって、工具32,32が加工中断位置へ戻
り加工が再開される。
【0029】ここで4回目のステップ加工C4にて主軸
モータ2の負荷電流が「しきい値1」のレベルS1以下
であり、5回目のステップ加工C5において主軸モータ
の負荷値が「しきい値1」よりも高くなったとする。こ
の実施例では、1回サブプログラムの割込み指令が出さ
れると、その後は比較判定部16での比較対象が「しき
い値2」のレベルS2に変えられる。よって5回目のス
テップ加工C5にて負荷値がS1を越えても、S2を越え
ていない限りにおいて正常と判断され、サブプログラム
の割込み指令は出されない。
【0030】よって、そのままステップ加工が継続さ
れ、例えば6回目のステップ加工C6において主軸モー
タ2の負荷電流に基づく負荷値がS2を越えた場合に、
比較判定部16から中央制御部11に割込み指令が出さ
れ、前記サブプログラムが割り込み起動して、工具3
2,32がワークから離される。そして再トライにて工
具32,32が加工中断位置まで戻され、再度加工が行
われる。そして、例えばn回目のステップ加工Cnまで
の間に、サブプログラムの割込み指令がN回出されたと
する。サブプログラムでは割込み回数の設定値が変数と
して与えられており、Nがこの設定値を越えた段階で、
工具寿命が尽きたと判断される。そして、工具交換機構
(ATC)4に指令が出されて工具が予備工具に交換さ
れる。またワークも加工不良品としてNG表示される。
【0031】このようにしきい値をS1とS2の2段設定
にしておくことにより、サブプログラムを割込み起動さ
せて工具をワークから離す動作を最少の回数にできる。
なお、加工開始時に主軸に装着されている工具が充分な
暖気運転を経ていないものであると判断されたときに
は、比較判定部16での判定対象が最初から「しきい値
2」となる。そして主軸モータ2の負荷が「しきい値
2」を越える度に、サブプログラムが割込み起動し、工
具がワークから離される。そしてこのサブプログラムの
割込み起動回数が設定値以上となったときに、工具寿命
が尽きたものと判断される。
【0032】次に上記一連の制御動作を各プログラムご
とに詳しく説明する。図4は、加工プログラムに基づい
て中央制御部11にて解読および実行される処理動作を
示し、図5はサブプログラムが割込み起動したときに、
中央制御部11にて解読および実行される処理動作を示
し、図6は比較判定部16における比較判定動作を示し
ている。以下の説明では処理動作における「ステップ」
を「ST」と表示する。
【0033】(加工プログラムによる処理動作:図
4)) ST1:新たな加工を行うときに、変数となっているサ
ブプログラムの割込み起動回数を初期化し、割込み起動
回数を「0」に戻す。 ST2:加工制御部12に指令を与え、工具交換機構
(ATC)4を動作させ、工具マガジンに保持されてい
る新たな多軸ヘッドなどの工具を主軸1に装着する。 ST3:加工制御部12に指令が出され、モータ駆動部
3に駆動指令が与えられて主軸モータ2が起動し、工具
がワークから離れた状態で主軸1が回転駆動される。
【0034】ST4:しきい値設定部15に指令が出さ
れ、負荷検出部13で検出されA/D変換部14でディ
ジタル値に変換された切削加工前の主軸モータ2の初期
負荷値が、しきい値設定部15に与えられる。しきい値
設定部15では、このときの初期負荷値に固定値が加算
され、「しきい値1」と「しきい値2」のレベルS1と
S2が設定される。 ST5:現在主軸1に装着されている工具が、工具交換
機構(ATC)4の工具マガジンから新たに主軸に装着
されたものであるか、または主軸に装着されて既に加工
を行っている工具であるかを判断する。
【0035】ST6:主軸に装着された工具が、工具マ
ガジンから新たに送られて主軸に装着されたものである
場合には、工具使用回数を初期化する。なおこの工具使
用回数とは、主軸に装着された状態で、一連のステップ
加工が繰返して行われた場合における、この一連のステ
ップ加工のサイクル数をいう。 ST7:現在主軸に装着されている工具によって、主軸
に装着された後に行われた一連のステップ加工のサイク
ル数すなわち工具使用回数が、変数として与えられてい
る設定値よりも多いか否か判断する。
【0036】ST8:工具使用回数が設定値を越えてい
る場合には、現在主軸に装着されている多軸ヘッドなど
が、何度も使用されて充分な暖気運転を経たものであり
駆動負荷が充分に下降しているものと判断され、このと
きには、比較判定部16において使用される「しきい値
2」は無効であり、主軸モータの負荷値との比較対象と
して「しきい値1」を使用すべきと判断される。 ST9:ST7における工具使用回数が設定値以下の場
合には、現在主軸に装着されている多軸ヘッドなどの工
具が充分に暖気運転されていないと判断される。すなわ
ち多軸ヘッドなどの駆動負荷はかなり高くなっているた
め、比較判定部16での比較対象として「しきい値2」
を使用べきと判断される。
【0037】ST10:上記の有効となる「しきい値」
の判断の後に、サブプログラムの割込み起動ができるモ
ードに設定される。 ST11:比較判定部16に「しきい値2」の使用が有
効であるか、あるいは「しきい値2」が無効であり「し
きい値1」を使用すべきであるか、いずれかが通知され
る。
【0038】ST12:ステップ加工が行われる。この
加工プログラムには、加工時の工具送り寸法、主軸モー
タの回転数、ワークと工具との割出し位置などが決めら
れており、これらの情報に基づいて加工制御部12が動
作し、ステップ送り加工が行われる。なおこのときで
示しているように、比較判定部16からサブプログラム
の割込み指令が与えられたときには、ステップ加工動作
が中断しサブプログラムが起動する。またサブプログラ
ムの処理動作が完了したときは、の経路にてステップ
加工動作に戻り、ステップ加工中断位置から加工が再ト
ライされる。 ST13:1サイクルのステップ加工が完了したか否か
判断する。
【0039】ST14:1サイクルのステップ加工が完
了したら、サブプログラムの割込み起動ができるモード
が解除される。 ST15:1サイクル分のステップ加工が完了したとき
に、工具使用回数に「1」が加算される。 ST16:1サイクルの加工を完了する。
【0040】(比較判定部16における比較判定動作:
図6) ST21:図4におけるST11の指令により、「しき
い値2」が有効と通知されているか、無効と通知されて
いるかで、処理経路が異なる。また図5のST38によ
る「しきい値2」の有効通知によっても処理経路が選ば
れる。 ST22:前記ST11(図4)により「しきい値2」
が無効と通知されたときすなわち工具の暖気運転が充分
である場合には、比較判定部16における判定対象が
「しきい値1」となる。そして比較判定部16では、ス
テップ加工(ST12)中に、負荷検出部13により検
出される負荷値が「しきい値1」のレベルS1を越える
か否か判断される。
【0041】ST23:前記ST11により「しきい値
2」が有効と通知されたとき、すなわち多軸ヘッドなど
の暖気運転が充分でないときは、比較判定部16でステ
ップ加工中に負荷検出部13から検出される主軸モータ
の負荷値が「しきい値2」と比較され、「しきい値2」
のレベルS2を越えるか否か判断される。また図5のS
T38により「しきい値2」が有効と通知されたとき
も、負荷値が「しきい値2」のレベルと比較される。 ST24:主軸モータ2の負荷値が「しきい値1」のレ
ベルS1を越え、または「しきい値2」のレベルS2を越
えたと判断されたときに、サブプログラムの割込み指令
が中央制御部11に与えられる。
【0042】(サブプログラムに基づく制御動作:図
5) ST31:図4のST10にて、加工プログラムがサブ
プログラムの割込み設定可能モードになっているか否か
により、サブプログラムが起動するか起動しないかが決
定される。 ST32:加工プログラムが割込み設定可能なモードと
なっていないときには、サブプログラムが起動しない。 ST33:加工プログラムが割込み設定可能なモードに
なっているときには、図6のST24にて比較判定部1
6から割込み指令が出されるのを待機する。
【0043】ST34:図6のST24にて、比較判定
部16からサブプログラムの割込み指令が出されると、
中央制御部11において加工プログラムによるステップ
加工(ST12)が中断され、サブプログラムが起動す
る。 ST35:このサブプログラムの命令が解読されて加工
制御部12に、工具をワークから離す指令が出される。
加工制御部12から、図示しない駆動部に指令が出さ
れ、主軸1が設けられている加工ヘッド1が後退移動さ
せられて、工具がワークの加工穴から抜き出される。
【0044】ST36:サブプログラムの割込み制限回
数が設定値として変数設定されており、サブプログラム
の割込み起動回数がこの設定値を越えたか否か判断され
る。 ST37:サブプログラムの割込み起動回数が前記設定
値を越えていない場合には、現在しきい値設定部15で
の比較対象として「しきい値2」が有効であると判断さ
れる。
【0045】ST38:「しきい値2」が有効であるこ
とを、比較判定部15に通知する。すなわち、図6のS
T22またはST23の比較判断の結果、サブプログラ
ムが割込み起動したときには、そのステップ加工のサイ
クル中にて、これ以降、比較判定部16にて、主軸モー
タの負荷が「しきい値2」と比較されることになる。 ST39:サブプログラムの処理を完了し、加工プログ
ラムの前記ST12に戻る。加工プログラムに戻ると、
加工制御部12に指令が出され、加工ヘッドが前進駆動
されて、サブプログラムの割込みがかかって加工が中断
した基の位置に工具が戻され、加工の再トライとなる。
【0046】ST40:ST36において、サブプログ
ラムの割込み起動回数が設定値以上であるときには、工
具寿命が尽きていると判断される。 ST41:サブプログラムにて、ST36により工具寿
命が尽きたと判断したら、これを工具情報記憶部17に
記憶させる。
【0047】ST42:必要に応じて、現在加工してい
るワークが不良工具により加工されたものとし、このワ
ークが不良品であると判断する。 ST43:ST42によりワークNG判断がなされたと
きには、加工中止・ワークを交換すべきとの表示を、図
示しないCRTなどの表示部へ指令する。 ST44:ST42とST43のフローはなくてもよ
く、これがあるときにはST43の後に、またこれらの
フローを設けない場合にはST41の後に、サブプログ
ラムによる処理動作を完了し、で示すように加工プロ
グラムのST1に戻る。
【0048】上記の処理動作では、まず図4のST8ま
たはST9において、工具の暖気運転の状態に応じて、
最初の比較対象が「しきい値1」か「しきい値2」かに
別れ、ST11にてこれが比較判定部16に通知され
る。図6において「しきい値2」が有効のときにはST
23で主軸モータ負荷値が「しきい値2」と比較され、
「しきい値2」が無効のときすなわち暖気運転が充分な
ときには、ST22にて主軸モータ負荷値が「しきい値
1」と比較される。そして、ST24によりサブプログ
ラムの割込み指令が出され、図5のST34にてサブプ
ログラムが割込み起動すると、そのステップ加工のサイ
クルが継続されている間、図5のST37において「し
きい値2」が有効と判断され、図6では、これ以降ST
23において主軸モータの負荷値が「しきい値2」と比
較される。
【0049】すなわち、この実施例では、図6のST2
2において主軸モータの負荷値が「しきい値1」と比較
される場合においても、この比較結果によりサブプログ
ラムが1回割込み起動すると、ST37の判断に基づい
て、その加工サイクル中はそれ以降主軸モータの負荷値
が「しきい値2」と比較されることになる。この場合の
制御例が前記図3に示された線図である。
【0050】しかしながら、本発明は上記実施例に限ら
れるものではなく、例えば図6のステップ22におい
て、主軸モータの負荷値が「しきい値1」と比較される
場合に、1回サブプログラムが割込み起動した後も所定
回数まで、比較対象を「しきい値1」とし、「しきい値
1」との比較により設定回数だけサブプログラムが割込
み起動した後に、比較対象が「しきい値2」となるよう
にしてもよい。
【0051】
【発明の効果】請求項1記載の発明では、主軸の負荷値
との比較対象として2種のしきい値を使用し、最初に低
いレベルの第1のしきい値と負荷値とを比較し、負荷値
がこのしきい値を越えて工具がワークから離される処理
が1回以上所定回数行われたときに、前記しきい値より
も高い第2のしきい値を負荷値との比較対象としている
ため、単一のしきい値を使用した場合のように、工具を
ワークから離す処理動作の頻度を低下でき、能率の良い
加工が行われる。
【0052】請求項2記載の発明では、前記第1と第2
のしきい値と負荷値との比較により、工具がワークから
離される処理動作回数が設定値を越えたときに工具交換
指令が出されるが、前記2種のしきい値を使用し、しか
も前記処理動作回数の適正な設定を行うことにより、適
正な工具寿命判断ができるようになる。
【0053】請求項3記載の発明では、加工を行ってい
ないときの主軸モータの初期負荷値に固定値を加算した
値をしきい値としているため、例えば多軸ヘッドのよう
に主軸に作用する初期負荷値が相違しまたは変動する工
具を使用した場合であっても、前記初期負荷値を加味し
た適正な工具寿命判断ができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】多軸ヘッドが主軸に装着された状態での加工機
の制御装置の構造を示すブロック図、
【図2】多軸ヘッドの外観側面図、
【図3】ステップ加工動作における主軸負荷値の変動と
しきい値との関係を示す線図、
【図4】加工プログラムに基づく処理動作を説明するフ
ローチャート、
【図5】サブプログラムに基づく処理動作を説明するフ
ローチャート、
【図6】比較判定部での判定処理動作を示すフローチャ
ート、
【符号の説明】
1 主軸 2 主軸モータ 3 モータ駆動部 4 工具交換機構 10 記憶部 11 中央制御部 12 加工制御部 13 負荷検出部 14 A/D変換部 15 しきい値設定部 16 比較判定部 17 工具情報記憶部 S1 第1のしきい値の設定レベル S2 第2のしきい値の設定レベル

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 装着された工具を用いて加工を行ってい
    るときの主軸負荷を検出する検出手段と、第1のしきい
    値とこれよりも大きい値の第2のしきい値を設定するし
    きい値設定部と、前記検出手段により検出された主軸負
    荷と前記しきい値とを比較する比較手段と、加工中に前
    記比較手段にて主軸負荷が第1のしきい値よりも大きい
    と判断されたときに工具をワークから離す指令を出し、
    この指令回数が1回以上の所定回数となった後は、前記
    比較手段にて主軸負荷が第2のしきい値よりも大きいと
    判断されたときに工具をワークから離す指令を出す制御
    手段が設けられていることを特徴とする加工機の工具破
    損防止装置。
  2. 【請求項2】 制御手段では、工具をワークから離す指
    令が出された回数が設定値以上となったときに工具寿命
    と判断して、工具交換指令が発せられる請求項1記載の
    加工機の工具破損防止装置。
  3. 【請求項3】 しきい値設定部では、加工動作を行わな
    い状態で主軸を回転させたときの初期負荷値に固定値を
    加算することにより前記第1のしきい値と第2のしきい
    値とが設定される請求項1記載の加工機の工具破損防止
    装置。
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