JPH0615756B2 - 紙用不透明度向上剤 - Google Patents

紙用不透明度向上剤

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JPH0615756B2
JPH0615756B2 JP62067849A JP6784987A JPH0615756B2 JP H0615756 B2 JPH0615756 B2 JP H0615756B2 JP 62067849 A JP62067849 A JP 62067849A JP 6784987 A JP6784987 A JP 6784987A JP H0615756 B2 JPH0615756 B2 JP H0615756B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、紙力強度を減少させることなく不透明度を向
上させることが可能な紙用不透明度向上剤に関し、さら
に詳しくは特定のカチオン性重合体エマルジョンを主成
分とする紙用不透明度向上剤に関するものである。
従来の技術 近年、木材資源の不足、輸送経費の節減のために印刷用
紙の軽量化が進められている。特に、新聞用紙では坪量
46g/m2の軽量のものが主流になり、さらに軽量化
を進めた用紙の開発が検討され、すでに一部で供給され
始めている。ところが、用紙の軽量化に伴い、紙料の減
少や紙厚の減少が避けられないため、紙力の低下や印刷
時の裏抜け(印刷面の一方が他の面に透けて見える現
象)が問題となっている。
このような状況下で、製紙各社においては軽量紙が抱え
ている技術的問題点の一つである印刷時の裏抜け問題を
解決するため種々の対策が採用されている。
現在、この対策の一つとして、炭酸カルシウム、クレ
ー、タルク、コロイド状含水シリカ(通称ホワイトカー
ボン)、酸化チタン等の無機填料や尿素樹脂系の有機填
料が内添使用されている。これら填料の使用により白色
度、不透明度、平滑度、印刷適正などが向上し、印刷後
の不透明度の向上効果も認められる。
しかしながら、これらの填料を紙の抄造時にフィラーと
して使用すると、セルロース繊維同志の結合を阻害して
紙の強度が低下する傾向が見られる。今後、さらに軽量
化を指向するためには、フィラーの配合割合を高める必
要があるが、紙の高度は、坪量の減少とフィラーの増量
配合の二重の影響を受けて大きく低下するので、軽量化
を進める上に大きな支障となっている。
発明が解決しようとする問題点 本発明者らは、前記のような問題のある状況下で、紙の
軽量化とともに不透明度の向上を図り、しかも紙力強度
も低下させない填料や改質剤を得るために鋭意検討した
結果、カチオン性ポリビニルアルコール(以下、「C−
PVA」と略記する。)の存在下で酢酸ビニルを乳化重
合して得られるカチオン性重合体エマルジョン、および
上記乳化重合の際に白色無機質微粒子を共存させること
により得られる無機有機複合エマルジョンが、紙の紙力
強度を低下せしめることなく不透明度を向上させること
を見いだし、その知見に基づいて本発明を完成するため
に至った。
問題点を解決するための手段 すなわち、本発明の要旨は、 (1)電荷が6×10−4eq/g以上C−PVAの存在下
で、酢酸ビニルを乳化重合するして得られるカチオン性
重合体エマルジョンを主成分とする紙用不透明度向上
剤、 (2)電荷が6×10−4eq/g以上C−PVAの存在下
で、酢酸ビニルを乳化重合に当って白色無機質微粒子を
共存させて重合して得られるカチオン性重合体エマルジ
ョンを主成分とする紙用不透明度向上剤、 にある。
以下、本発明の構成要素について詳述する。
(カチオン性ポリビニルアルコール) 本発明では使用するC−PVAは、電荷が6×10−4
eq/g以上のものであって、カチオン基で変性されたPV
Aであり、重合体を後変性する方法やカチオン性基を有
するモノマーとの共重合による方法など種々の方法で製
造可能である。例えば、特開昭59−135202号公
報では下記(I)式の構造を持つC−PVAが開示され
ている。そのようなC−PVAはいずれも本発明におい
て使用可能である。
本発明で使用するC−PVAは、そのカチオン電荷が6
×10−4eq/g以上のものである。カチオン電荷がこの
範囲に属するC−PVAは、紙を抄造する際に不透明度
向上剤として使用することが知られていなかっただけで
なく、添加剤として使用することさえも知られていな
い。
C−PVAの重合度については特に制限はないが、20
0〜3500の範囲が適当である。
けん化度についても特に制限はないが、紙中の水素結合
を増すという意味から、けん化度の高い方が好ましい。
乳化重合時のC−PVA使用量は、全固形分中の5〜5
0重量%、好ましくは10〜40重量%の範囲が適当で
ある。5重量%未満では生成したエマルジョン粒子のパ
ルプへの定着効果に乏しく、50重量%を越えると相対
的にエマルジョン粒子の生成量が低下してパルプ中に樹
脂粒子として残留しにくい。
(乳化重合) 乳化重合の開始は、過酸化水素、過硫酸カリウム等の酸
化触媒、2,2′−アゾビス−(2−アミジノプロパ
ン)二塩酸塩等のカチオン性触媒の単独もしくは併用、
さらには各種還元剤との併用によるレドックス反応系に
よる常法で行われる。
(白色無機質微粒子) 白色無機質微粒子としては、コロイド状シリカ、タル
ク、クレー、酸化チタン、硫酸バリウムなどが上げら
れ、コロイド状シリカすなわちホワイトカーボンが特に
好ましい。白色無機質微粒子の配合割合は、エマルジョ
ン固形分中の1〜50重量%であることが好ましい。1
重量%未満では白色無機質微粒子を配合した効果に乏し
く、50重量%を越えると製造したエマルジョンの安定
性に難点があり、また紙力の低下を招くので好ましくな
い。
(カチオン性重合体エマルジョン) 乳化重合により生成されたエマルジョン粒子の平均粒径
は0.1−1μm、好ましくは光の散乱効果が高く紙力
強度向上に有効な0.2〜0.6μmの範囲が良い。
カチオン性重合体エマルジョンの紙への添加料はパルプ
の種類、カチオン基含有量の等のエマルジョンの性状に
よって異なるが、絶乾とした原料パルプ固形分に対して
エマルジョン固形分で0.1〜10重量%、好ましくは
0.1〜5重量%の範囲が良い。0.1重量%未満では
前述の効果に乏しく、10重量%を越えた場合には紙中
に添加したエマルジョン同志が溶融フィルム化しやす
く、かえって不透明性が損なわれることがある。白色無
機質微粒子を配合して有機無機複合エマルジョンとする
場合には、添加量は原料パルプ固形分に対しエマルジョ
ン固形分で0.1〜50重量%、好ましくは0.1〜3
0重量%の範囲が良い。0.1重量%未満では前述の効
果に乏しく、50重量%を越えると抄紙性が悪くなる。
(パルプ) 本発明において用いるパルプについては、KP、GP、
DIP等の木材パルプ、植物繊維を主体としたものであ
り、単独または配合して用いる事ができる。
作用 本発明のエマルジョンが発揮する効果のうち、紙力強度
に関しては、樹脂エマルジョン特に酢酸ビニル樹脂を主
成分とするエマルジョンから得られるフィルムが、一般
に柔軟性に富み、パルプ中の繊維に融着すると繊維同志
の結びつきを強くするので、強度が向上することは予想
できる。
しかしながら、従来、酢酸ビニル樹脂系エマルジョンや
アクリル酸エステル系エマルジョンを乾燥した場合、エ
マルジョン粒子が互いに融着して透明なフィルムになる
ことは周知の事実であり、この点からみて酢酸ビニル酢
酸系のエマルジョンである前記カチンオン性重合体エマ
ルジョンは紙の不透明度を向上させる機能に乏しく、む
しろ透明度を増大させる考えられていた。ところが、研
究の結果、上記エマルジョンは当初の予想をはるかに越
える透明度(特に白紙不透明度)の向上効果を有するこ
とが認められた。
本発明のカチオン性重合体エマルジョンが紙の不透明度
向上の効果を発揮する理論的な根拠は十分明らかではな
いが、図1〜4に示す電子顕微鏡写真を比較すると、ホ
ワイトカーボン単独使用(図1)や尿素樹脂系填料使用
(図2)の場合に比べて本発明のカチオン性エマルジョ
ンを使用した場合(図3および図4)には、その添加量
がある範囲内では、10μm程度にエマルジョン粒子が
集合した個々の塊として繊維中に定着しており、光の散
乱に寄与しているのではないかと推定される。
また、これらの図から、本発明に使用するエマルジョン
は他の無機・有機填料と違い、集合した粒子表面の一部
が融けセルロース繊維と融着していることが認められ、
これが紙力強度を向上させる一因をなしていると考えら
れる。
実施例 以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発
明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。な
お、%および部は重量基準である。
実施例1〜6および比較例1〜3 (イ)エマルジョンの調製 カチオン性基を有するポリビニルアルコール(けん化度
98.5%、カチオン電荷8×10−4eq/g)として、
次式の構造 を持つC−PVA(電気化学工業株式会社製。以下、
「C−PVA」と略記する。)70部に、イオン交換水
530部を加えて80℃にて加熱溶解した後室温まで冷
却し、4%酒石酸水溶液でpHを4.0に調整した。こ
の溶液70℃まで昇温してイオン交換水10部に2,
2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩0.
2部を溶解した水溶液およびイオン交換水80部に35
%H6部を溶解した水溶液のそれぞれの重合開始
剤を同時に添加した後、ただちに酢酸ビニルモノマー
(VAc)400部の滴下添加を開始する。
3時間でモノマー滴下を終了するように添加量を調整
し、液温を80℃まで昇温して3時間乳化重合を行っ
た。その後90℃まで昇温して30分間熟成反応を行っ
た後室温まで冷却してカチオン性酢酸ビニル樹脂エマル
ジョンを得た。
固形分は46.7%、20℃での粘度は7900cps
であった。このエマルジョンをエマルジョンAと表記す
る。
以下、C−PVAとVAcとの配合比を変える以外同様
の方法でエマルジョンBおよびCを調製した。
イオン交換水530部にホワイトカーボン粉末100部
を加え室温にてかく拌分散した後、C−PVA100部
を加え80℃にて加熱溶解する。この水溶液を室温まで
冷却し、4%酒石酸水溶液でpHを4.0に調製したの
ち70℃まで昇温してイオン交換水10部に2,2′−
アゾビス−(2−アミジノプロパン)二塩酸塩0.2部
を溶解した水溶液およびイオン交換水80部に35%H
6部を溶解した水溶液のそれぞれの重合開始剤を
同時に添加した後、ただちにVAc370部の滴下添加
を開始する。3時間でモノマーの滴下を終了するように
添加量を調整し、液温を80℃まで昇温して3時間乳化
重合を行った。その後90℃まで昇温して30分熱成反
応を行った後、室温まで冷却してホワイトカーボン含有
カチオン性酢酸ビニル樹脂エマルジョンを得た。固形分
は42.8%、20℃での粘度は8200cpsであっ
た。このエマルジョンをエマルジョンDと表記する。
以下、ホワイトカーボンに代えタルクを用いた以外は同
様の方法でエマルジョンEを調製した。
以上の生成エマルジョンの詳細は表1に記す。
(ロ)抄紙テスト パルプ(配合パルプ:130mlCSF)の0.8%ス
ラリー分散液を良くかく拌しながら、前記A〜Eのエマ
ルジョンをパルプに対して固形分比2%添加した後、2
分間かく拌し、硫酸バンドにてスラリー分散液pHを
5.5に調整する。その後、2分かく拌し、水にてスラ
リー分散液固形分を0.4%に希釈かく拌してから、角
型抄紙マシン(熊谷理機製)を用いて坪量46±2g/
2となるように抄紙した。
次に湿紙を3.5Kg/cm2で5分間圧縮脱水し、さ
らに吸取紙を交換して同圧で2分間圧縮脱水した後回転
式ドライヤー(表面温度約110℃)に3分間接触乾燥
させた。得られた紙は、20℃・65%RHの条件下で
24時間以上調湿し、種々の紙力物性試験に供した。
結果を表2の実施例1〜5に記す。
また、参考として、エマルジョン無添加のものおよびカ
チオン性PVA単独、ホワイトカーボン、尿素樹脂系有
機填料を用いて同様に試験した結果を表2の比較例1〜
2および参考例1〜2に記す。
本発明のエマルジョンを用いた紙は、裂断長(つり下げ
た紙が自重で切断する長さ)が大であり、紙力強度が優
れているとともに不透明度についても無添加のものやカ
チオン性PVA、尿素樹脂系填料を使用したものより高
く、ホワイトカーボン単独使用のものに匹敵するかある
いはそれより高い値を示しているものもあり、そもそも
前記したように酢酸ビニル樹脂系エマルジョンが紙の不
透明性を増大させることが予期し得なかったことを考え
ると本発明のカチオン性重合体エマルジョンが優れた紙
用不透明剤であることが分る。また、当業界において不
透明度をわずか1〜2%程度上昇させるために大変な苦
労を詰み重ねていることを考えると、例えば、無添加の
ものに比べて3〜4%も不透明度を増し、しかも紙の強
度を低下させないことは大きな効果であるというべきで
ある。
発明の効果 本発明のカチオン性重合体エマルジョンは、紙用不透明
度向上剤として使用することが可能であり、紙力強度を
向上させ、なおかつ不透明度を向上させる効果を有す
る。
特に、酢酸ビニル樹脂系エマルジョンに属する本発明の
エマルジョンを単独で添加した場合においても、白紙不
透明度が向上することは当初の予想以上の効果であっ
た。今後、この性能を利用して軽量紙を製造する可能性
が開けた。
【図面の簡単な説明】
図1は、参考例1により製造された紙(ホワイトカーボ
ンを単独で紙に添加した物)の内部の様子、つまりセル
ロース繊維に付着したホワイトカーボンの粒子構造を示
した電子顕微鏡写真である。 図2は、参考例2により製造された紙(尿素樹脂系有機
填料を紙に添加した物)の内部の様子、つまりセルロー
ス繊維に付着した尿素樹脂の粒子構造を示した電子顕微
鏡写真である。 図3は、実施例1により製造された紙(カチオン性酢酸
ビニル樹脂エマルジョンを紙に添加した物)の内部の様
子、つまりセルロース繊維に定着ないし融着したエマル
ジョン粒子の構造を示した電子顕微鏡写真である。 図4は、図3の一部をさらに拡大した写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−99214(JP,A) 特開 昭56−88401(JP,A) 特開 昭56−79102(JP,A) 特開 昭56−47402(JP,A) 特開 昭59−217702(JP,A) 特開 昭59−71316(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電荷が6×10-4eq/g以上のカチオン性ポ
    リビニルアルコールの存在下で、酢酸ビニルを乳化重合
    して得られるカチオン性重合体エマルジョンを主成分と
    する紙用不透明度向上剤。
  2. 【請求項2】電荷が6×10-4eq/g以上のカチオン性ポ
    リビニルアルコールの存在下で、酢酸ビニルを乳化重合
    するにあたって白色無機質微粒子を共存させて重合して
    得られるカチオン性重合体エマルジョンを主成分とする
    紙用不透明度向上剤。
  3. 【請求項3】白色無機質微粒子がコロイド状含水シリ
    カ、クレー、タルク、酸化チタンから選ばれた少なくと
    も1種である特許請求の範囲第2項記載の紙用不透明度
    向上剤。
JP62067849A 1987-03-24 1987-03-24 紙用不透明度向上剤 Expired - Lifetime JPH0615756B2 (ja)

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