JPH0617227B2 - ガリウムの選択的分離回収法 - Google Patents

ガリウムの選択的分離回収法

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JPH0617227B2
JPH0617227B2 JP17377086A JP17377086A JPH0617227B2 JP H0617227 B2 JPH0617227 B2 JP H0617227B2 JP 17377086 A JP17377086 A JP 17377086A JP 17377086 A JP17377086 A JP 17377086A JP H0617227 B2 JPH0617227 B2 JP H0617227B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はガリウムの選択的な分離回収法に関するもので
ある。
さらに詳しくはキレート形成能を有する特定の水溶性オ
リゴマーあるいはポリマーを用い、膜を隔てて存在する
溶液中のガリウムを選択的に分離回収する方法に関する
ものである。
[従来の技術] ガリウムは、近年、半導体分野等の発展によりその需要
は著しく増大しつつある。ガリウムは鉄や銅などと異な
り単独の鉱石を持たない。ガリウムはアルミニウム原鉱
石のボーキサイト、石炭の煙灰、硫化亜鉛鉱、ゲルマン
鉱石などにわずかずつ広く含まれているため、分離,回
収には様々な工夫がなされ、多くの手間と費用がかけら
れている。すなわち、単純なプロセスで、弊害が少な
く、経済的に、効率よくガリウムを分離,回収できる技
術の開発は期待され、商業的価値も大きい。さて、現
在、工業的規模で実施されているガリウムの製造には、
ボーキサイトからバイヤー法によってアルミナを製造す
る際のバイヤー液と称する多量のアルミニウムを含むガ
リウム−アルミニウム混合液を原料としている場合がほ
とんどである。バイヤー法によるボーキサイトの処理
は、まず原鉱石を水酸化ナトリウム水溶液で加熱分解
し、アルミン酸ナトリウム溶液を調製する。このとき、
ガリウムは大部分がアルミン酸ナトリウム溶液中に移
る。次いで、アルミン酸ナトリウムを冷却し、種子とし
て水酸化アルミニウムを加え加水分解反応を促進させ
る。アルミニウムの大部分は水酸化アルミニウムとして
析出するためこれを別する。この際ガリウムの大部分
は液中に残る。液は蒸発濃縮されボーキサイト処理
に再利用される。この液はバイヤー液と称され、実質
的にガリウム製造の原料となっている。
バイヤー液を用いたガリウムの分離,回収には、種々の
方法が実施あるいは提案されている。現行の水銀アマル
ガムによる方法、炭酸ガスを吹き込む方法に加えて、最
近では、疎水性を高めたオキシン誘導体からなるキレー
ト抽出剤を用いた溶媒抽出による方法(特開昭51−3
2411号公報,同53−52289号公報,同54−
40212号公報,同54−99726号公報,同59
−50024号公報,同59−92914号公報,同5
9−92915号公報等)、機能基にオキシンを有する
キレート樹脂を用いた吸着分離による方法(特開昭58
−7412号公報,同59−96831号公報,同60
−42234号公報等)などが提案されている。
しかしながら、これらの諸方法はそれぞれ種々の欠点を
有する。従来法においては、水銀の溶解損失、水銀によ
る汚染、炭酸ガスによるアルミン酸ナトリウム水溶液中
の苛性アルカリ分の損失、低いガリウム回収効率などが
欠点として挙げられる。最近提案されている方法でも、
実使用には多くの問題を含んでいる。疎水性オキシン誘
導体を用いた溶媒抽出による方法は該試剤が効果であ
り、さらに、強塩基性におけるガリウムに対する選択性
が低く、回収効率が悪いことや、該試剤の水溶液への溶
出による機能低下、バイヤー液の汚染などが問題点とし
て指摘されている。また、オキシンを機能基に有するキ
レート樹脂を用いる方法においても、該キレート機能基
が耐アルカリ性,耐酸化特性に乏しいことを考慮すると
該方法も実用上充分満足できる方法とは言い難い。
この様な諸事情により、半導体部門等の電子産業分野の
発展に伴い金属ガリウムの需要が著しく拡大しているに
もかかわらず、未だ工業的規模で経済的にも充分満足で
きるガリウムの分離,回収方法は確立されていない。そ
こで、本発明者らは上記不都合を克服した新規なガリウ
ムの分離,回収方法を確立すべく鋭意検討を重ねた結
果、キレート形成能を有する特定の水溶性オリゴマーあ
るいはポリマーが膜を隔ててガリウムを含む溶液と接触
することによって、強塩基性水溶液中のガリウムを選択
的に吸着することを見出し、本発明に到達した。
[問題点を解決するための手段] すなわち、本発明はアミドキシム基を有する水溶性のオ
リゴマーあるいはポリマーを用い、膜を隔ててガリウム
を含む溶液、とくにバイヤー液のような強塩基性の水溶
液と接触させることを特徴とするガリウムを溶液からの
ガリウムの選択的分離回収法を提供することにある。
本発明で用いられる前記アミドキシム基を有する水溶性
のオリゴマーあるいはポリマーとしては、例えばポリエ
チレングリコール,ポリビニルアルコール,ポリヒドロ
キシエチルメタアクリレート,コポリN−ビニルピロリ
ドン−ヒドロキシエチルメタアクリレート,コポリN−
ビニルピロリドン−ビニルアルコール,カルボキシエチ
ルセルロース,ヒドロキシプロピルセルロース,アミロ
ース,アミロペクチンのような水酸基を有する水溶性の
オリゴマーあるいはポリマーにアクリロニトリル,メタ
アクリロニトリル,α−クロルアクリロニトリル等のニ
トリル基を有する化合物を反応させ、次いでヒドロキシ
ルアミンあるいはヒドロキシルアミン誘導体によるアミ
ドキシム化を経て得られる水溶性のオリゴマーあるいは
ポリマー;ポリエチレンイミンあるいは末端にアミノ基
を有するエチレンオキシド重合体のような水溶性のオリ
ゴマーあるいはポリマーにヒドロキシ酢酸,ヒドロキシ
酪酸,ヒドロキシ安息香酸,ヒドロキシフェニル酢酸あ
るいはこれらの酸クロリド等を反応させ、次いでアクリ
ロニトリル,メタアクリロニトリル,α−クロルアクリ
ロニトリル等によってニトリル基を導入し、さらにヒド
ロキシルアミンあるいはヒドロキシルアミン誘導体によ
るアミドキシム化を経て得られる水溶性のオリゴマーあ
るいはポリマー;末端に酸クロリド基を有するエチレン
オキシド重合体のような水溶性のオリゴマーあるいはポ
リマーにアンモニアを作用させ、次いで五酸化リン等で
脱水し、さらにヒドロキシルアミンあるいはヒドロキシ
ルアミン誘導体によるアミドキシム化を経て得られる水
溶性のオリゴマーあるいはポリマー;種々の方法で得た
前記アミドキシム基を有する水溶性のオリゴマーあるい
はポリマーからなる混合物;種々の方法で得た前記アミ
ドキシム基を有する水溶性のオリゴマーあるいはポリマ
ーとポリビニルピロリドン,ポリアクリル酸ナトリウ
ム,ポリスチレンスルホン酸ナトリウム,4級化ポリビ
ニルピリジン等の水溶性のオリゴマーあるいはポリマー
との混合物が挙げられる。得られたアミドキシム基を有
するオリゴマーあるいはポリマーを水溶液とした場合、
この水溶液の粘性はあまり高くないことが望まれるた
め、元の重合体は比較的重合度の小さいものが望まし
く、数平均分子量500−20,000、好ましくは1,000−10,0
00のものが用いられる。
本発明において用いられる隔離膜としては、金属イオン
等の低分子量の物質は透過するが水溶性のオリゴマーあ
るいはポリマーは透過しない膜であれば特に制限されな
いが、例えば、限外過用,拡散透析用として市販され
ているセルロース系,ポリアクリロニトリル,ポリメチ
ルメタアクリレート,ポリエチレンビニルアルコール,
ポリスルホン,ポリアミド等の薄膜を挙げることができ
る。膜厚は物理的に破壊しない程度であればよく、30
−50μm程度で充分であり、膜にサポート材を併用す
ればさらに薄い膜を使用することもできる。また、膜の
形状は平膜あるいは中空糸膜のいずれであってもよい。
本発明におけるガリウムを含む溶液とはガリウム含有溶
液であればことさら限定されるわけではない。例えば、
工業的なアルミニウムの製造過程で得られるガリウム−
アルミニウム混合液,アルミニウム合金製造廢液あるい
は硫化亜鉛鉱,ゲルマン石等の浸出液が挙げられるが、
工業的規模および商業的価値を考え併せると、バイヤー
法によるアルミナ製造過程で生成するバイヤー液と称さ
れる、大部分のアルミニウム分を取り除きガリウムの濃
度比が高くなったガリウム−アルミニウム混合液が好ま
しく用いられる。
本発明によるガリウムを含む溶液からガリウムを選択的
に分離,回収するには、単にガリウムを含む溶液を前記
膜を介して、キレート形成能を有する特定の上記水溶性
オリゴマーあるいはポリマーと接触するだけでよく、接
触の方法については特に制限されない。例えば、円筒型
カラムに上記オリゴマーあるいはポリマーを充填し、カ
ラムの両端を膜で封じ、ガリウムを含む溶液を通液する
方法、あるいは、上記オリゴマーあるいはポリマーの水
溶液とガリウムを含む溶液とを中空糸膜を介して循環し
ながら接触する方法等が採用される。上記オリゴマーあ
るいはポリマーの使用量は溶液中のガリウム濃度によっ
て適宜選択される。実施温度は5−100℃で、好まし
くは10〜80℃である。また接触時間は適宜選択され
るが、数分以内で目的が達成される。
このように、本発明によってガリウムを吸着した上記水
溶性オリゴマーあるいはポリマーは1〜2規定限度の塩
酸,硫酸,硝酸,リン酸等の水溶液と接触することによ
って溶離することができる。溶離液はそのまま、あるい
はアルカリ処理によって例えばガルミン酸ナトリウム水
溶液となし、公知方法である電解することによって金属
ガリウムを得ることができる。また、ガリウムを溶離し
た水溶性のオリゴマーあるいはポリマーは上記操作に従
ってくり返しガリウムを吸着することが可能である。
[発明の効果] したがって、以上詳述した本発明によれば、従来法の疎
水性キレート剤あるいはキレート樹脂を用いる方法に比
較して、バイヤー液のような強塩基性の水溶液中でさえ
もガリウムに対する選択性が高く、実用上の価値は大き
い。操作面においても、カラム通液法、膜を介しての液
/液接触法など幅広い操作方法が採用できる点、また、
液/液接触法では溶媒が水であるため、従来のケロシン
等を溶媒とした液/液抽出法に見られたような有機溶媒
に対する特別な配慮を払う必要がない点など効率的なガ
リウムの分離回収利点がある。
[発明の実施例] 以下、本発明を実施例によってさらに詳しく説明する。
なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。
実施例1 数平均分子量が3,000ポリエチレングリコールにアクリ
ロニトリルを反応させ末端をニトリル基としたのち、こ
れをメタノールに溶解し、ヒドロキシルアミン塩酸塩,
炭酸ナトリウムを加え還流下で3時間保った。生成した
塩化ナトリウムをロ別し、メタノールを留去することに
よって末端にアミドキシム基を有する水溶性のオリゴマ
ーを得た。このオリゴマー30gを直径20mmφのガラ
ス製円筒カラムに仕込み、カラムの両端を厚さ50μm
のセロハンフィルムで封じ、ガリウム200ppm,アルミニ
ウム40,000ppmを含む3規定の水酸化ナトリウム水溶液1
00mlを室温で2時間にわたりくり返し通液した。次い
で、50mlの水を10分間通液したのち2規定の塩酸
水溶液100mlを室温で30分間通液し、ガリウムの溶
離回収液を得た。回収液中の金属イオン濃度を測定し
た。
実施例2 キレート形成能を有する水溶性オリゴマーを得る素材に
平均分子量が6,000のポリエチレングリコールを用いた
以外は実施例1と同様に操作した。
実施例3 キレート形成能を有する水溶性オリゴマーを得る素材に
平均分子量が10,000のコポリN−ビニルピロリドン−ヒ
ドロキシエチルメタアクリレート(5−5,モル比)を
使用し、これとガリウムを含む溶液を隔てる膜に厚さ5
0μmの酢酸セルロース膜を用いた以外は実施例1と同
様に操作した。
実施例4 キレート形成能を有する水溶性のオリゴマーを得る素材
に平均分子量が4,000ないし5,000のポリエチレンイミン
にヒドロキシ酢酸クロリドを反応させ末端を水酸基にし
たものを用いた以外は実施例1と同様に操作した。
実施例5 キレート形成能を有する水溶性のオリゴマーを得る素材
として平均分子量が4,000の末端に酸クロリド基を有す
るエチレンオキシド重合体にアンモニアを作用させ、五
酸化リンによって脱水し、末端をシアノ基にしたものを
用いた以外は実施例1と同様に操作した。
比較例1 アミドキシム基を有する水溶性のオリゴマーの代わりに
Kelex100(シェーリング社製,7−アルキル−8−ヒド
ロキシキノリン系化合物)8gを用い、これとデカノー
ル10g,ケロシン80mlからなるガリウム抽出剤を
調製した。これに実施例1で使用したのと同じ強塩基性
のガリウム−アルミニウム混合水溶液100mlを加え、
室温で2時間激しく振盪したのち、水槽と油層を分離し
た。次いで、油層に2規定の塩酸水溶液100mlを加え
室温で30分間激しく混合し、塩酸水溶液中の金属イオ
ン濃度を測定した。
比較例2,3 実施例1ならびに4で用いたアミドキシム基をる水溶性
のオリゴマーを用いる代わりに、それらを調製するため
に使用した平均分子量が2,000のポリエチレングリコー
ルを比較例1に、また、比較例3には平均分子量が4,00
0ないし5,000のポリエチレンイミンを用いた以外は実施
例1と同様に操作した。
以上の結果を第1表に示す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アミドキシム基を有する水溶性のオリゴマ
    ーあるいはポリマーを用い、膜を隔ててガリウムを含む
    溶液と接触させることを特徴とするガリウムの選択的分
    離回収法。
  2. 【請求項2】水溶性のオリゴマーあるいはポリマーとガ
    リウムを含む溶液とを隔てる膜が、金属イオン,水酸イ
    オン,水素イオン等のイオンは透過するが水溶性のオリ
    ゴマーあるいはポリマーは透過しない膜であることを特
    徴とする特許請求の範囲第1項記載のガリウムの選択的
    分離回収法。
  3. 【請求項3】ガリウムを含む溶液が強塩基性の水溶液で
    あることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のガリ
    ウムの選択的分離回収法。
  4. 【請求項4】ガリウムを含む溶液がバイヤー法によるア
    ルミナ製造過程におけるアルミン酸ナトリウム水溶液で
    あることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のガリ
    ウムの選択的分離回収法。
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