JPH06178687A - ヒトst2をコードするdna、該dnaの発現産物、該dnaを発現させることによる発現産物の製造方法 - Google Patents

ヒトst2をコードするdna、該dnaの発現産物、該dnaを発現させることによる発現産物の製造方法

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JPH06178687A
JPH06178687A JP4353589A JP35358992A JPH06178687A JP H06178687 A JPH06178687 A JP H06178687A JP 4353589 A JP4353589 A JP 4353589A JP 35358992 A JP35358992 A JP 35358992A JP H06178687 A JPH06178687 A JP H06178687A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ヒトST2をコードするゲノムDNA、ヒト
ST2をコードするcDNA、ヒトST2を単離する。
これらは、癌細胞の検出、増殖抑制などに有用である。 【構成】 ヒトゲノムDNAライブラリーから、マウス
ST2のcDNAをプローブとして用いて、ヒトST2
をコードするゲノムDNA断片を単離した。また、この
DNA断片の一部をPCRプライマーとして用いて、種
々のヒトcDNAライブラリーからヒトST2の一部を
コードするcDNA断片を合成し、該cDNA断片をプ
ローブとして用いて、ヒトcDNAライブラリーから、
ヒトST2の全長をコードするcDNAを単離した。更
に、このcDNAを発現ベクターに挿入したベクターを
培養細胞に導入し、培養細胞内でヒトST2を大量に発
現させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒトST2をコードす
るDNA、該DNAの少なくとも一部分を有しヒトST
2と選択的にハイブリダイズすることのできるDNA、
該DNAを含有するベクター、該ベクターを保持する形
質転換体、ヒトST2、該DNAを発現させてヒトST
2を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】細胞分裂では、G1 期と呼ばれるDN
A合成準備期、S期と呼ばれるDNA合成期、G2 と
呼ばれる分裂準備期、M期と呼ばれる分裂期及びG0
期と呼ばれる静止期が出現することが知られている。こ
こで、分裂を繰り返す細胞はG1 期→S期→G2 期
→M期→G1 期の増殖サイクルを繰り返すが、M期か
らG0 期に移行した細胞は分裂の休止状態となる。し
かし、G0 期にある休止状態の細胞も増殖刺激等によ
ってG1期に移行し、再び増殖サイクルに入ることがで
きる。
【0003】動物の組織中には、周期の異なる細胞が存
在しているが、それら細胞を抽出し、G0 期で分裂を
停止させ、再び人為的な刺激を与えることでG0 期か
らG1 期への移行を開始させる技術が知られるように
なるにつれて、G0 期からG1 期にかけて特異的に
発現する遺伝子(DNA)を解明しようとする研究が盛
んになっている。G0 期にある細胞がG1 期に移行
し増殖サイクルに入る機構が明らかになれば、癌細胞等
の細胞分裂の制御などに応用することが可能であり、こ
の研究は基礎研究のみにとどまるものではない。
【0004】実際に、従来より分裂をG0 期で停止さ
せた動物細胞標品を使用し、これに人為的な刺激を与え
てG0 期からG1 期へ移行させ、このときに特異的
に発現するRNAを抽出するなどの研究が行われている
(Linzer,D.I.H.ら、Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA、第30巻、4271頁
(1983年)、Linzer,D.I.H.ら、P
roc.Natl.Acad.Sci.USA、第81
巻、4255頁(1984年)、Hirschhor
n,R.R.ら、Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA、第81巻、6004頁(1984年)、
Lau,L.F.ら、EMBO J.第4巻、3145
頁(1985年)、Lau,L.F.ら、Proc.
Natl.Acad.Sci.USA、第84巻、11
82頁(1987年)、Chavrier,P.ら、
EMBO J.第7巻、29頁(1988年))。
【0005】これらの研究によって、細胞がG0 期か
らG1 期へ移行する際には、例えばc−myc、c−
fos等の癌遺伝子が特異的に発現することが明らかに
なっている。
【0006】しかし、これらの研究はG0 期からG1
期への移行の際の遺伝子の発現に注目しようとするあ
まり、非特異的DNAを排除する目的で、G0 期にあ
る細胞を人為的に刺激した後2〜3時間後という極めて
短時間に特異的に発現されるDNAのみを対象としてお
り、S期直前等で発現されるものについての知見はなか
った。
【0007】本発明者は先に、G0 期にあるマウス由
来の培養細胞を人為的に刺激した後、約10時間後とい
う比較的長時間の後に特異的に発現される遺伝子に着目
して研究を行った結果、マウス線維芽細胞のG0 期か
らG1 期の移行期に特異的に発現するmRNAを鋳型
としてcDNAを合成することによって従来知られてい
なかったDNAを単離し、更には該DNAがコードする
蛋白質を発現することに成功し(Tominaga,
S. et al., FEBS Lett.,25
,301−304(1989),Tominaga.
S,et al.,Biochem Biophys.
Acta,1090,1−8(1991))、この蛋
白質をマウスST2と命名した。
【0008】このマウスST2をコードするDNAを特
徴付ける性質は次の通りである。
【0009】少なくともマウスのCD−1種の脳組
織、心臓組織、肺組織、肝臓組織、脾臓組織、膵臓組
織、腎臓組織、筋肉組織又は睾丸組織から調製される細
胞では発現されないが、少なくともBALB/c−3T
3(マウス線維芽細胞)細胞のG0 期から開始される
細胞増殖の際に発現される。すなわち、G0 期(静止
期)にある前記細胞では該DNAは発現されないが、こ
れら細胞がG0 期からG1 期に移行するにしたがっ
て発現される。
【0010】少なくともマウスBALB/c−3T3
細胞であってG0 期を経由せずにM期からG1 期を
経由してS期に移行した細胞においても発現されるが、
その発現量は該細胞のG0 期から開始される細胞分裂
における発現量以下である。すなわち、例えば分裂組織
に由来する細胞では、G0 期を経由せずにM期からす
ぐ次の細胞周期に移行することがある。このような細胞
においても該DNAは発現されているが、その発現量
は、G0 期からG1 期に移行する際の発現量と比較
するとわずかである。
【0011】G0 期からの細胞増殖開始後約5〜1
2時間でその発現は極大を迎える。すなわち、従来知ら
れていたDNAではG0 期からの分裂の開始後2〜3
時間程度で特異的に発現するが、該DNAはこれらとは
異なる性質を有する。
【0012】その発現により分子量が18〜28Sの
細胞質RNAが合成される。
【0013】このように、本発明者が先に単離したマウ
スST2をコードするDNAは従来知られたDNAとは
異なった性質を有していた。本発明者らは更に、マウス
ST2をコードするcDNAの塩基配列を決定した。そ
して、決定された塩基配列をもとに、マウスST2の3
37残基からなるアミノ酸配列を推定した(Tomin
aga,S. et al., FEBS Let
t.,258,301−304(1989))。このア
ミノ酸配列から、マウスST2の性質が次のように推定
された。
【0014】イムノグロブリン・スーパーファミリー
に属し、3個のイムノグロブリン様ドメインを形成し得
る一次構造を有する蛋白質である。ここで、イムノグロ
ブリン・スーパーファミリーとは、イムノグロブリン様
ドメインを持ち、細胞間連絡に関与する蛋白質であり、
イムノグロブリン様ドメインとはイムノグロブリンに存
在する、システイン同志のS−S結合により形成される
ループと類似した構造を意味する。3個のイムノグロブ
リン様ドメインを形成し得るとは、少なくとも6個以上
のシステイン残基を有することを意味する。
【0015】9個の糖鎖が結合し得る部位を有する蛋
白質である。該蛋白質は9個のアスパラギンを有してい
るからである。
【0016】アミノ酸配列が公知であるマウスIL−
1レセプター中の膜外部位、マウス神経細胞付着蛋白
質、マウス基底膜プロテオグリカン、HLA−6−2、
分泌型チキンIgMを構成する重鎖中の定常部位とのア
ミノ酸配列類似性(アミノ酸配列の同一性)が、それぞ
れ25.1%、22.7%、19.0%、20.8%、
16.5%である。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】このように、細胞がG
0 期からG1 期に移行する際、移行開始後比較的長
い時間の後発現するマウスST2についてはその詳細が
明らかにされたが、マウスST2に類似する蛋白質、特
にヒト由来の蛋白質については全く知見がなかった。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者は、マウスST
2cDNA由来のDNAプローブを用いて、ヒト顆粒球
由来のゲノムDNAライブリーをスクリーニングし、該
DNAプローブと特異的にハイブリダイズするクローン
を得た。そして、このクローンに含まれるゲノムDNA
断片の塩基配列を明らかにし、マウスST2をコードす
るゲノムDNAの塩基配列との対比からエクソン部を推
定した。このエクソン部の塩基配列を基に合成したPC
Rプライマーを用いて様々な細胞由来のヒトcDNAラ
イブラリー中のDNAを増幅し、2つのPCRプライマ
ーで挟まれる領域が増幅されるライブラリーを選択し
た。そして先に単離したマウスST2cDNA断片とハ
イブリダイズするヒトゲノムDNA断片をプローブにし
て、ヒトST2をコードするcDNAをクローニングす
ることに成功した。
【0019】更にクローニングしたcDNAを動物細胞
中で発現させ、ヒトST2を取得することに成功した。
【0020】本発明のDNAは、例えば配列番号4のア
ミノ酸配列を有する蛋白質を発現し得るものである。
【0021】このようなDNAの一例としては、配列番
号2または配列番号3の塩基配列を有するものがあげら
れる。
【0022】また、本発明の蛋白質は、本発明のDNA
によりコードされるものであり、その他には何ら制限は
ない。本発明の蛋白質の一例として、配列番号4で表さ
れるアミノ酸配列を有するものがあげられる。
【0023】また、本発明の蛋白質には、「シグナルペ
プチドを含有するもの」と「シグナルペプチド含有しな
いもの(成熟蛋白質)」の両者とも含まれる。
【0024】本発明のDNAは後に示されるような手法
を用いてヒト細胞より取得することが可能である。ま
た、本発明の蛋白質は本発明のDNAを適当なベクター
に連結し、これを使用して遺伝子工学的に調製すること
が可能である。
【0025】DNAはヒト細胞のゲノムから単離して
も、ヒト細胞由来のmRNAを鋳型とするcDNAから
単離してもよい。また、化学合成によって製造すること
も可能である。ゲノムDNA、mRNAの採取源となる
細胞はヒト細胞であれば特に限定されないが、mRNA
の場合はST2が発現している細胞から取得することが
望ましい。例えば本発明のDNAの両末端に、オリゴヌ
クレオチドを結合させた後に適当な制限酵素を用いて制
限部位を形成したDNA断片を取得し、一方選択した宿
主を形質転換可能でかつ該宿主中で自己増殖可能なベク
ターのプロモーター等の構造遺伝子の発現に必要な配列
の下流を先の制限酵素により切断したDNA断片を取得
し、これらを結合させることで発現ベクターを得、該発
現ベクターで形質転換された宿主細胞に本発明の蛋白質
を発現させることが可能である。
【0026】本発明のDNAは、従来の宿主・ベクター
系にて発現可能であるが、中でもCHOやCOS等の動
物細胞を使用する発現系を使用するとよい。
【0027】本発明のDNAについては、また、その塩
基配列の一部であって従来知られたDNAの塩基配列と
区別可能な配列を利用してDNAプローブ等を調製する
ことが可能である。このようなプローブを用いれば、例
えば組織中の細胞分裂の盛んな細胞塊等を探知すること
が可能である。
【0028】現在では、既知のDNAについてその一部
を欠失させ、置換し又は他の塩基を挿入することで該D
NAの発現により発現される蛋白質をより低分子化(時
には可溶化することもある)し、該蛋白質が有する性質
を増強し又は消失させ、更には例えば一定の宿主中で発
現しやすいようにすることが一般的に行われている。本
発明においても、本発明のDNAにこのような操作を行
うことには何等制限はない。一方、既知の蛋白質につい
ても、その一部を欠失させ、置換し又は他のアミノ酸残
基を挿入することで該蛋白質をより低分子化(時には可
溶化することもある)し、該蛋白質が有する性質を増強
しあるいは消失させ又は新たな機能を追加する操作が一
般的に行われている。前記したDNAについての操作と
同様に、本発明の蛋白質についてこのような操作を行う
ことについては何等制限はない。
【0029】
【実施例】以下に本発明を更に詳細に説明するために実
施例を記載するが、これら実施例は本発明を限定するも
のではない。
【0030】実施例1 ヒトST2をコードするゲノム
DNAのクローニング 顆粒球由来のヒトゲノムDNAライブラリーを、マウス
ST2cDNA(Tominaga,S. et a
l., FEBS Lett.,258,301−30
4(1989))(配列番号1に対応)をプローブにし
てスクリーニングした(Maniatis,T. et
al.,Molecular Cloning,Co
ld Spring Harbor Laborato
ry(1982)記載の方法による)。約2X106
のプラークから3個のポジティブクローンを選択し、組
換えファージを精製した。組換えファージの制限酵素切
断によるマッピング、サザンハイブリダイゼーション分
析、塩基配列の決定によって、3つのクローンは同一の
ゲノムDNA断片を含有することを確認した。
【0031】クローニングされたヒトST2をコードす
るゲノムDNA断片の塩基配列の一部分を、マウスST
2のcDNAの塩基配列(Tominaga,S. e
tal., FEBS Lett.,258,301−
304(1989))と比較した。図1に示すように、
該ヒトST2をコードするゲノムDNAの塩基配列の一
部分は、第7エクソンの全部と第8エクソンの一部を含
んでいた。図1において、□で囲った配列はエクソン部
分、アステリスクは終始コドンを表す。
【0032】実施例2 ヒトST2cDNAを含むヒト
cDNAライブラリーの選択 図1(配列番号2に対応)で示したヒトST2ゲノムD
NAの塩基配列に基づいて、ヒトST2cDNAを含む
ヒトcDNAライブラリーの選択に用いるPCRプライ
マーを設計した。該PCRプライマーは図1中の矢印で
示される2種類の1本鎖DNAである。
【0033】図1から明らかなように、ライブラリー中
にヒトST2cDNAが存在すれば、PCR法による増
幅によって、305塩基のDNA断片が製造される。ま
た、ライブラリー中にヒトST2ゲノムDNAが存在す
れば、PCR法による増幅によって397bpのDNA
断片が製造される。
【0034】該PCRプライマーによって、種々のヒト
細胞由来のcDNAライブラリーをPCR法で増幅し、
その後ポリアクリルアミドゲル電気泳動法によって、増
幅されたDNA断片の長さを分析した。反応はTaqポ
リメラーゼの存在下、94°C1分、50°C2分、7
2°C3分を30サイクル繰り返した。エチジウムブロ
マイドで染色されたゲルの写真を図2に示す。レーンの
上にcDNAライブラリーを製造する際に用いたヒト細
胞のクローン名を、レーンの右横にDNA断片の大きさ
を示す。17のcDNAライブラリーのうち、5つのラ
イブラリーにおいて、305塩基のDNA断片が増幅さ
れ、これらのライブラリー中にヒトST2cDNAが存
在していることが判明した。なお、対照であるヒトゲノ
ムDNAライブラリー(図2の最も右のレーン)におい
ては、397塩基のDNA断片が増幅され、PCR反応
が正常に行われていることが確認された。
【0035】上記5つのcDNAライブラリーのうち、
2F1と5C10はコンカナバリンA(Con A)ま
たはホルボールミリステートアセテート(PMA)で活
性化されるヘルパーT細胞のクローンである(Yoko
ta,T.et al.,Proc.Natl.Aca
d.Sci.,U.S.A.,84,7388−739
2(1987)、Lee,F. et al.,Pro
c.Natl.Acad.Sci.,U.S.A.,
,4360−4364(1985)、Yokota,
T. et al.,Proc.Natl.Acad.
Sci.,U.S.A.,83,5894−5898
(1986))。
【0036】実施例3 ヒトST2をコードするcDN
Aのクローニング 実施例2の5C10クローン由来のcDNAライブラリ
ーを、実施例2でPCR法による増幅で得られた305
塩基のDNA断片をプローブとしてスクリーニングした
(Maniatis T. et al.,Molec
ular Cloning,Cold Spring
Harbor Laboratory(1982)記載
の方法による)。約7X105 個のコロニーから2つ
のポジティブクローンを得た。長いcDNA断片を有す
るクローンからcDNAを単離し、pUC19にサブク
ローニングし、全塩基配列を決定したところ、該cDN
A断片は、ヒトST2の全オープンリーディングフレー
ム(ORF)を含んでいた。決定された塩基配列を図3
に示す。図3中、配列の上段は決定された塩基配列(配
列番号3に対応)を、下段は塩基配列から推定されたア
ミノ酸配列(配列番号4に対応)を示す。また、シグナ
ルペプチドの推定切断部位を矢印で、N−結合型糖鎖の
推定結合部位を
【化1】 で、イムノグロブリン様ドメインの形成に関与すると推
定されるシステインの位置を□で示す。なお、ヒトST
2のアミノ酸配列から、公知の方法(Von Heij
ne,G.,Nucleic Acids Res.,
14,4683−4690(1986))によってシグ
ナルペプチド領域を検索したところ、N末端から17番
目のアミノ酸がシグナルペプチドを構成していることが
推定された。シグナルペプチドの切断部位は図3中上向
きの白抜き矢印で示す。
【0037】本発明のDNAは後に示されるヒトST2
のアミノ酸配列と他のタンパク質のアミノ酸配列とをG
enBankDNAデータベース及びNBRF蛋白デー
タベースを用いて検索した結果、ヒトST2は、ヒトI
L1−R1(重複する299アミノ酸中23.7%)、
ヒトIL1−R2(重複する319アミノ酸中22.9
%)、ワクシニアウイルスB16R蛋白質(重複する2
92アミノ酸中24.3%)、ショウジョウバエCek
2蛋白質(重複する187アミノ酸中23.5%)、ニ
ワトリklg蛋白質(重複する148アミノ酸中25.
0%)とホモロジーを有していた。これらの蛋白質のア
ミノ酸配列を対比して図4に示す。図4中「Hu」はヒ
トを、「Mu」はマウスを、「Vaccinia」は
ワクシニアウイルスB16R蛋白質を示す。また「:」
は同一のアミノ酸を、「*」は対比していないアミノ酸
を、「□」は6種類のアミノ酸で保存されているアミノ
酸を、「▽」または「☆」は6種類のアミノ酸で保存さ
れているイムノグロブリン様ドメインの形成に関与する
と推定されるシステインを、それぞれ示す。
【0038】実施例4 組換え培養細胞におけるヒトST2の発現 実施例3で得られた、図3に示す塩基配列を有するヒト
ST2cDNAを、発現ベクターpEF−BOS(Mi
zushima,S. et al.,Nucleic
Acids Res.,18,5322(199
0))のBstXI部位(EF−1αプロモーターの下
流に存在)に挿入した。cDNAの挿入が正しい方向で
行われたかどうか制限酵素マッピングにより確認し、正
しく挿入されたプラスミドをDEAE−デキストラン法
(クロロキン処理も行う)によってCOS7細胞に導入
した(Sambrook,J et al.,Mole
cular Cloning,Cold Spring
Harbor Laboratory,16.30
(1989)記載の方法による)。プラスミドを導入し
てから30時間後細胞を洗浄し、35S−メチオニンを含
有する培地で発現する蛋白質を放射標識し、放射標識開
始12時間後に細胞上清を回収した。上清中の蛋白質を
SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法によって分
離し、フルオログラフィーによって、ゲル中の蛋白質の
位置を確認した。図5にその結果を示す。図5中、1の
レーンはヒトST2cDNAが挿入されていないpEF
−BOSで形質転換された細胞の培養上清(対照)を、
2のレーンはヒトST2cDNAが挿入されているpE
F−BOSで形質転換された細胞の培養上清を示す。矢
印で示される蛋白質のバンドは図3に示すヒトST2の
推定アミノ酸配列から計算される分子量を有し、レーン
2のみで現れていることから、ヒトST2に対応するバ
ンドであると判定できる。このことから、ヒトST2c
DNAが挿入された発現ベクターpEF−BOSで形質
転換されたCOS7細胞は、大量のヒトST2を発現す
ることが確認された。
【0039】
【発明の効果】本発明のDNAは、細胞がG0 期から
G1 期に移行する際に特異的に発現されるものであ
る。従って、該DNAが発現して出現するRNAに対す
るアンチセンスRNA等を使用し、該DNAの発現を特
異的に抑制することで細胞増殖に関する重要な知見を得
ることが可能となる。このような効果は、本発明の蛋白
質についても同様であり、例えば該蛋白質を認識する抗
体を調製し、これを使用することで細胞増殖に関する重
要な知見を得ることが可能である。これらのことは、癌
などの、従来有効な治療薬が知られていない疾病につい
て、その増殖を抑制し、強いてはそのような増殖性細胞
を選択的に攻撃するような薬剤を開発するために必要な
基礎的技術を提供することを意味するものである。
【0040】また、これらDNAや蛋白質に対する拡散
プローブや標識抗体を使用することで組織中に存在する
癌細胞等の増殖性細胞を探知することも可能となる。
【0040】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 ヒトST2をコードするゲノムDNAの塩基
配列の一部と、ヒトST2cDNAを含むcDNAライ
ブラリーを選択するために用いたPCRプライマーを示
す図である。
【図2】 種々のcDNAライブラリーに対し、ヒトS
T2をコードするゲノムDNAのエクソン内に含まれる
プライマーを用いてPCR法による増幅を行って得たD
NA断片を、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法で分析
した結果を示す図である。
【図3】 ヒトST2cDNAの塩基配列及び該DNA
がコードする推定アミノ酸配列を示す図である。
【図4】 ヒトST2のアミノ酸配列とヒトST2に類
似する蛋白質のアミノ酸配列とを対比した図である。
【図5】 ヒトST2のCOS7細胞での発現を示す図
である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】 種々のcDNAライブラリーに対し、ヒトS
T2をコードするゲノムDNAのエクソン内に含まれる
プライマーを用いてPCR法による増幅を行って得たD
NA断片を、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法で分析
した結果を示す図である(電気泳動写真)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】 ヒトST2のCOS7細胞での発現を示す図
である(電気泳動写真)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C12N 5/10 C12R 1:91) (C12P 21/02 C12R 1:91)

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号1の塩基配列を有するマウスS
    T2のcDNAとハイブリダイズするヒトST2をコー
    ドするDNA
  2. 【請求項2】 ヒトmRNAを鋳型として合成されたc
    DNAである請求項1記載のDNA。
  3. 【請求項3】 ヒトゲノム由来のDNAである請求項1
    記載のDNA。
  4. 【請求項4】 配列番号4のアミノ酸配列を有する蛋白
    質をコードする請求項1記載のDNA。
  5. 【請求項5】 配列番号2の塩基配列を有する請求項1
    記載のDNA。
  6. 【請求項6】 配列番号3の塩基配列を有する請求項1
    記載のDNA。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかの項に記載のD
    NAの少なくとも一部分を有し、ヒトST2をコードす
    るDNAと選択的にハイブリダイズするDNA断片。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれかの項に記載のD
    NAを含有するベクター。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載のベクターを保持する形
    質転換体。
  10. 【請求項10】 動物細胞である請求項9記載の形質転
    換体。
  11. 【請求項11】 請求項1〜6のいずれかの項に記載の
    DNAによりコードされるヒトST2。
  12. 【請求項12】 請求項7記載の形質転換体を培養し
    て、発現されるヒトST2を回収することを特徴とす
    る、ヒトST2の製造方法。
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