JPH0618518B2 - 香味油とその製法 - Google Patents

香味油とその製法

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JPH0618518B2
JPH0618518B2 JP59168740A JP16874084A JPH0618518B2 JP H0618518 B2 JPH0618518 B2 JP H0618518B2 JP 59168740 A JP59168740 A JP 59168740A JP 16874084 A JP16874084 A JP 16874084A JP H0618518 B2 JPH0618518 B2 JP H0618518B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は香味油及びその製法に関する。香味油は別名風
味油とも呼ばれ、風味を付与された食用液状油であっ
て、生食、製菓又は調理などの用途に供されるものであ
る。
(従来の技術) 古くから、天然の風味を有する液状又は固状の油脂が製
菓用や調理用に使用されており、ごま油、オリーブ油、
バター、ラードなどがその例である。また、香味料粉末
を油脂中に投入した香味油は周知である。さらに、シ
ソ、ショーガ、ニンニクなどの調味野菜や各種香辛料
を、加熱した油脂に投入して油溶性の香味物質を抽出
し、その後調味野菜等を除去した生食用又は調理用の香
味油も提案されている(特開昭57−174068号公
報参照)。
(発明が解決しようとする問題点) 前記のごとき、香辛料粉末を油脂中に単に投入した香辛
油にあっては、該粉末が沈澱、分離し、このため材料に
含まれている香味物質が十分に有効利用されず、加えて
商品外観が必ずしも良好でない欠点がある。また、調味
野菜等を除去した前記の香味油にあっては、油溶性の香
味物質は抽出されるものの、油溶性以外の香味物質は抽
出されず、香味材料が本来含有している香味物質が全的
に有効利用されない欠点がある。
(問題点を解決するための手段) 本発明者は、液状油脂中に香味材料粉末が安定かつ均一
に分散されて沈澱・分離を生ぜず香味物質が全的に有効
利用できる香味油を開発すべく研究を行った。その結
果、液状油脂中に、常温で固体状の高融点(約60℃以
上)油脂である特定硬化油の微細固体と、香味材料粉末
とを分散させた香味油が目的に適合すること、及び、そ
のような香味油が急冷・攪拌により得られることを見出
し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、香味材料粉末〔A〕と、ベヘン酸
含有量20重量%以上沃素価5以下のなたね油硬化油又
は/及び沃素価5以下の魚油硬化油〔B〕の微細固体と
を液状油脂〔C〕に分散含有した液状の香味油である。
また、本発明は、液状油脂〔C〕に、ベヘン酸含有量2
0重量%以上沃素価5以下のなたね油硬化油又は/及び
沃素価5以下の魚油硬化油〔B〕を加熱溶解し、そし
て、得られた油脂溶液に香味材料粉末〔A〕を添加混合
したのち急冷・攪拌するか、又は該油脂溶液を急冷・攪
拌したのち香味材料粉末〔A〕を添加混合するかして、
前記硬化油〔B〕の微細固体及び香味材料粉末〔A〕を液
状油脂中に分散させることを特徴とする液状の香味油の
製法である。
さらに、本発明は、液状油脂〔C〕に、ベヘン酸含有量
20重量%以上沃素価5以下のなたね油硬化油又は/及
び沃素価5以下の魚油硬化油〔B〕並びに香味材料粉末
〔A〕を逐次又は同時に添加混合し、得られた混合物を
加熱して前記硬化油〔B〕を液状油脂に溶解させたのち
急冷・攪拌して、前記硬化油〔B〕の微細固体及び香味
材料粉末〔A〕を液状油脂中に分散させることを特徴と
する液状の香味油の製法である。
本発明における液状油脂は、常温において液状を呈する
食用油脂であればどんなものでもよく、特に酸化安定性
に優れたものが望ましい。そのようなものとして、大豆
油、なたね油、とうもろこし油、米油、オリーブ油、ひ
まわり油などを例示することができる。
かかる液状油脂に分散させる硬化油は、ベヘン酸含有量
20重量%以上で沃素価5以下のなたね油硬化油若しく
は沃素価5以下の魚油硬化油、又はこれらの混合物であ
る。ベヘン酸含有量20重量%以上沃素価5以下のなた
ね油硬化油は、エルカ酸含有量20重量%以上のなたね
油を水素添加して硬化し沃素価を5以下とすれば得られ
る。この硬化反応においてエルカ酸は実質上ベヘン酸に
変わる。これらの硬化油は常温で固体状の約60℃又は
それ以上の高融点を有するもので、いわゆる極度硬化油
が好ましい。なたね油硬化油はベヘン酸含有量が20重
量%以上、好ましくは30〜50重量%であり、かつ、
沃素価が5以下、好ましくは3以下のものである。魚油
硬化油は例えば、いわし油硬化油であって、沃素価が5
以下、好ましくは3以下のものである。なたね油硬化油
であってベニン酸含有量20重量%未満のもの、若しく
は沃素価5超のもの、又は魚油硬化油であって沃素価5
超のものを含有した香味油は、香味材料粉末の沈澱、分
離を起し、経時的に安定な分散状態を与えない。
前記硬化油の液状油脂に対する量比は、好ましくは0.3
〜4重量%、とりわけ0.5〜2.5重量%である。硬化油が
0.3重量%未満の場合には製品において香味材料粉末を
経時安定的に分散できず、また、4重量%を超える場合
には製品香味油の粘度が過度に増大し不都合である。
本発明において香味材料粉末は、香味、香気、風味等を
期待しうるものならば特に制限がなく、例えば、香辛
料、香辛野菜(シソ、ショーガ、ニンニクなど)、種
子、肉類、魚類、貝類、乳製品、などの粉末又はこれら
の粉末エキス等である。これらの香味材料又はエキスは
粉末を用いる。粉末の粒度は市販されている通常の香辛
料、粉末エキス等と同じでよく、野菜、肉類等も同じ粒
度のものを用いる。
本発明の香味油中には必要に応じ他の成分例えば天然又
は合成の調味料を含有させてもよい。調味料として食塩
を用いるときは焼塩が好適である。
本発明の香味油を製造する好適な態様においては、ま
ず、液状油脂中に前記特定の硬化油を加熱溶解する。こ
の場合、好ましくは硬化油を0.3〜4重量%添加し、通
常約80℃以上に加熱して溶解状態とする。この油脂溶
液に香味材料粉末を添加して均一に混合し、しかるのち
急冷・攪拌して溶液中に硬化油の微細固体を生じさせ
る。また、香味材料粉末の添加は、硬化油の溶解前に行
ってもよい。別法として、香味材料粉末を添加する事な
く急冷・攪拌して油脂溶液中に硬化油の微細固体を析出
させ、しかるのち香味材料粉末を添加しよく攪拌して混
合させる事もできる。
本発明の方法は、香味材料粉末を含有する又は含有しな
い油脂溶液を急冷・攪拌し、それにより溶液中に硬化油
の微細固体(微粉状結晶)を析出させることを主たる特
徴とするものである。
急冷・攪拌は、約60℃以上の油脂溶液を攪拌下、急速
に約10℃へ強制冷却することにより行う。急冷・攪拌
には、ショートニング製造用装置、例えばボテーターを
使用するのが望ましい。
ボテーターは筒状のユニットAとユニットBからなる。
ユニットAは液体アンモニア又はフレオンにより外部か
ら冷却されており、その筒の中心に回転軸があり、これ
に2列の刃が設けられている。香味材料粉末を含有し
た、又は、含有しない油脂溶液(例えば80℃に加温)
はユニットAの筒内を流れ急冷・攪拌される。その際、
油脂溶液中の硬化油は急冷により微細固体化し、油脂と
ともに筒の内壁に付着するが、これは刃により掻きとら
れる。ユニットBは冷却されていない筒であり、中心に
回転軸があり、これに2列のピンが突出している。ユニ
ットAを経由して、硬化油微細固体を含有した油脂は、
ユニットBにおいて捏和される。
急冷・攪拌はユニットAで行われるから、本発明方法で
はユニットAを経由させるだけで十分であり、ユニット
Bを経由させることは必ずしも必要ではない。
さらに、本発明の香味油を製造するには、液状油脂中
に、前記特定の硬化油と香味材料粉末を逐次又は同時に
添加混合する。そして得られた混合物を加熱して硬化油
を液状油脂中に溶解させたのち急冷・攪拌するものであ
る。加熱や急冷・攪拌の条件は前述と同様である。
(発明の効果及び作用) 本発明の香味油にあっては、香味材料粉末が安定かつ均
一に分散し経時的に沈澱、分離を起すことがなく、油層
分離も起らず、香味物質が有効に利用され所期の香味効
果を発揮することができる。かかる効果を生ずる機構は
十分解明されていないが、本発明で規定する特定の硬化
油が液状油脂中に一旦溶解し、その後の急冷・攪拌によ
り微細固体(微細結晶)を生じ、この微細固体が香味材
料粉末とともに安定かつ均一に分散して、目的に適合す
る香味油が得られると考えられる。
前記特定の硬化油以外の油脂、例えば大豆極度硬化油、
パーム極度硬化油を使用すると、本発明の目的は達成さ
れない。これは、急冷・攪拌により一旦生じた微細固体
が経時的に粗大化し、これが香味材料粉末の安定かつ均
一な分散を阻害することが原因と思われる。
急冷・攪拌して製造された本発明の香味油は、さらに3
0℃前後で攪拌しつつ熟成することが望ましい。本発明
の香味油にあっては乳化剤は必要でない。
(実施例及び比較例) 例中に部とあるは重量単位である。
実施例1. 精製とうもろこし油95部に極度硬化なたね油(ベヘン
酸含有量39重量%、沃素価1.0)2部を加え85℃に
て完全に溶解し、食塩(宮崎食塩工業所製、焼塩)1
部、ニンニク(ガーリック)粉末2部を十分に分散せし
め、ボテーターにて急冷・攪拌し油温10℃の香味油を
うる。本品をタンクにとり加温しつつ攪拌し、油温を3
0℃として1時間攪拌をつづけ容器に充填した。製造さ
れた香味油は常温1ヶ月保存後も油層分離を生ぜず、食
塩、ニンニク粉末の沈澱、分離は起らなかった。
実施例2. 精製とうもろこし油95部に極度硬化いわし油(沃素価
1.0)1部を加え80℃にて完全に溶解した。これに、
食塩(同上)2部、ビーフエキス粉末1部を分散せし
め、実施例1と同様に急冷・攪拌を行い香味油を製造し
た。本品も常温1ヶ月後、変化を生じなかった。
比較例1. 実施例1の極度硬化なたね油の代りに、極度硬化大豆油
を用いる外は同様にして香味油を製造した。本品は常温
保存2日後に油層分離を生じ、かつ香味材料が沈澱分離
した。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】香味料粉末〔A〕と、ベヘン酸含有量20
    重量%以上沃素価5以下のなたね油硬化油又は/及び沃
    素価5以下の魚油硬化油〔B〕の微細固体とを液状油脂
    〔C〕に分散含有した液状の香味油。
  2. 【請求項2】硬化油〔B〕の微細固体の液状油脂〔C〕
    に対する量比が0.3〜4重量%である特許請求の範囲(1)
    の香味油。
  3. 【請求項3】香味料粉末〔A〕と、ベヘン酸含有量20
    重量%以上沃素価5以下のなたね油硬化油又は/及び沃
    素価5以下の魚油硬化油〔B〕の微細固体とを液状油脂
    〔C〕に分散含有した液状の香味油を製造する方法にお
    いて、香味料粉末〔A〕を含有する又は含有しない硬化
    油〔B〕の液状油脂〔C〕中の加熱溶液を急冷・攪拌す
    る工程を含むことを特徴とする方法。
  4. 【請求項4】硬化油〔B〕の液状油脂〔C〕中の加熱溶
    液が硬化油〔B〕と同時又は逐次に添加混合された香味
    料粉末〔A〕を含有する特許請求の範囲(3)の方法。
  5. 【請求項5】硬化油〔B〕の液状油脂〔C〕中の加熱溶
    液を急冷・攪拌したのち、それに香味料粉末〔A〕を添
    加混合する特許請求の範囲(3)の方法。
  6. 【請求項6】硬化油〔B〕の微細固体の液状油脂〔C〕
    に対する量比が0.3〜4重量%である特許請求の範囲(3)
    〜(5)の何れかの方法。
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