JPH0618780B2 - 骨髄性白血病抑制剤 - Google Patents

骨髄性白血病抑制剤

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JPH0618780B2
JPH0618780B2 JP62010038A JP1003887A JPH0618780B2 JP H0618780 B2 JPH0618780 B2 JP H0618780B2 JP 62010038 A JP62010038 A JP 62010038A JP 1003887 A JP1003887 A JP 1003887A JP H0618780 B2 JPH0618780 B2 JP H0618780B2
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政彦 田村
有宏 服部
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はヒト顆粒球コロニー刺激因子(以下G−CSF
と略す)を有効成分とする骨髄性白血病治療剤に関す
る。
〔従来の技術〕
白血病は化学療法剤に代表される薬剤の開発、或いは骨
髄移植等の各種治療法の進歩にもかかわらず、ここ20
年来、その死亡率の低下が見られない完全治癒の難しい
難病である。〔医学のあゆみ,第128 巻,第13号,(19
84)(以下該文献をあゆみと略す)867 〜873 頁〕。
しかし、白血病に対する薬剤の開発は日進月歩の勢いで
進んでおり、最近の化学療法剤の多剤併用療法によると
AML(成人急性骨髄性白血病)の場合、完全寛解(末
梢血、骨髄における血液細胞の質的、量的正常化と白血
病による自覚的症状、他覚的身体所見の消失)率は80%
以上に達したとされている。(あゆみ、994 〜998
頁)。
〔発明が解決しようとする問題点〕
にも拘らず、残念なことにAMLの完全治癒については
前述の死亡率にみるように極めて不満足な状況でしかな
く、又、CML(慢性骨髄性白血病)については現在ま
でのところ適切な薬剤がない。(あゆみ、1005〜1011
頁)。
そこで、最近では化学療法剤のほかに免疫療法剤(あゆ
み、1050〜1055頁)、分化誘導剤(あゆみ、1059〜1063
頁)、インターフェロン(あゆみ、1056〜1058頁)をは
じめとするBRM(生物学的応答調節物質)を利用した
新しい白血病治療剤の研究が進められている。
しかし、今までのところ白血病に対して決め手となるよ
うな薬剤は出現していない。
〔問題点を解決するための手段〕
このような状況下にあって、最近、マウス骨髄性白血病
細胞WEHI-3B の分化を誘導する物質をマウス肺組織の培
養上清より精製したところ、これがマウスのG−CSF
と同一であったという注目すべき報告がなされた。(Ni
cola.N.A.et al;J.Biol.Chem.258,9017-9023(1983))。
このG−CSFはin Vitroの実験系において顆粒球の前
駆細胞に働き顆粒球への分化増殖を促すBRMである。
〔例えば、Metcalf 等;Exp.Hematol.1, 185,(1973)参
照〕。ところで、本発明のヒトG−CSFは本出願人が
鋭意研究を進めてきたものであって、純粋なヒトG−C
SFの大量取得に成功し先に出願したものである。(特
願昭59−153273号,特願昭60−220450号,特願昭60−26
9455号,特願昭60−269456号,特願昭60−270838号,特
願昭60−270839号参照)。
そこで、本出願人が製造したCSFの一つであるCHU
−2由来のヒトG−CSFをマウスに投与してみたとこ
ろ、末梢血中に成熟好中球の増加が認められた。(実験
例1参照) 次に、放射線で誘発したSJL/J白血病モデル(マウ
ス)をもちいてG−CSFの抗白血病効果を検討したと
ころ、有為な延命効果が認められた。(実験例2参
照)。なお、上記モデルは放射線誘発白血病モデルであ
って、通常用いられるセルライン化された白血病細胞を
腹腔内に移植したモデルに比べ、より実際の白血病に近
いものである。ちなみに、SJL/Jマウスは骨髄性白
血病好発性の系統であり、300 R前後の放射線を照射す
ると15〜20%を割り合いで骨髄性白血病が発症する。
又、実験例2では、末梢好中球系細胞の成熟度による分
類を行ってみたところG−CSF投与により成熟した好
中球の割り合いが増えることも同時に確認された。(実
験例2参照) 成熟好中球の由来は白血病細胞が分化したもの、白
血病を発症したマウスに残っていた正常細胞が分化増殖
したものが考えられるが、いずれにしてもG−CSFの
末梢成熟好中球を増加させる作用効果により延命効果が
認められたものと推認される。そしてこの結果は、より
実際に近いモデルを用いているという点で、G−CSF
が抗白血病剤として有用であるということを示している
といえる。
本発明者らは以上の知見にもとづき本発明を完成した。
本発明は、ヒトG−CSFを有効成分とする骨髄性白血
病治療剤を提供するものである。
本発明の有効成分であるヒトG−CSFは純度が高く単
離されたヒトG−CSFであればその由来は問わない
が、本出願人が先に出願した方法によって取得される下
記(1) 及び(2) のヒトG−CSFが特に好ましく用いら
れる。
(1) 次の理化学的性質を有するヒトG−CSF。
分子量:ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動法による測定で19000 ±1000。
等電点:pI=5.5 ±0.1 ,pI=5.8 ±0.1 ,pI
=6.1 ±0.1 の三つの等電点のうち少なくとも1つを有
する。
紫外部吸収:280nmに極大吸収を有し、250nmに極
少値を持つ。
N末端から21番目迄のアミノ酸配列が次の如くであ
る。
H2N-Thr-Pro-Leu-Gly-Pro-Ala-Ser-Ser-Leu-Pro-Gln-Se
r-Phe-Leu-Leu-Lys-Cys-Leu-Glu-Gln-Val- (2) 次のアミノ酸配列またはその一部で表わされるポリ
ペプチドを有するヒトG−CSF。
(Met)n Thr Pro Leu Gly Pro Ala Ser Ser Leu Pro Gln
Ser Phe Leu Leu Lys Cys Leu Glu Gln Val Arg Lys I
le Gln Gly Asp Gly Ala Ala Leu Gln Glu Lys X Cys
Ala Thr Tyr Lys Leu Cys His Pro Glu Glu Leu Val Le
u Leu Gly His Ser Leu Gly Ile Pro Trp Ala Pro Leu
Ser Ser Cys Pro Ser Gln Ala Leu Gln Leu Ala Gly Cy
s Leu Ser Gln Leu His Ser Gly Leu Phe Leu Tyr Gln
Gly Leu Leu Gln Ala Leu Glu Gly Ile Ser Pro Glu Le
u Gly Pro Thr Leu Asp Thr Leu Gln Leu Asp Val Ala
Asp Phe Ala Thr Thr Ile Trp Gln Gln Met Glu Glu Le
u Gly Met Ala Pro Ala Leu Gln Pro Thr Gln Gly Ala
Met Pro Ala Phe Ala Ser Ala Phe Gln Arg Arg Ala Gl
y Gly Val Leu Val Ala Ser His Leu Gln Ser Phe Leu
Glu Val Ser Tyr Arg Val Leu Arg His Leu Ala Gln Pr
o (式中XはLeu 又はLeu-Val-Ser-Glu を示し、nは0
又は1を示す) なお、上記のヒトG−CSFで糖鎖部分を持つ糖蛋白質
の形をとるものが最も好ましいものである。
上記(1) のG−CSFは特願昭59−153273号明細書又は
特願昭60−220450号明細書に記載された製造法によって
得ることができる。
前者には、本出願人によって仏国パスツール研に寄託さ
れているヒト口腔底癌由来の細胞株CHU−1の培養上
清から単離取得する方法が詳述されており、また後者に
は同じくヒト口腔底癌由来の細胞株CHU−2〔(C.N.
C.M.)寄託番号I−483 〕の培養上清から製造する方法
が記載されている。
詳しくは夫々の明細書を参照されたい。
又(2) のG−CSFは特願昭60−269455号,特願昭60−
269456号,特願昭60−270838号及び特願昭60−270839号
の各明細書に記載された製造方法によって得ることがで
きる。これ等の各明細書に記載されている方法はいわゆ
る遺伝子組換え技術による方法である。
最初の2件には、E.coli等の原核生物を宿主細胞
とする方法が、又後の2件には、動物細胞を宿主とする
方法が詳しく開示されている。
なお、前述した糖鎖部分を有する糖蛋白質の形をとるG
−CSFは動物細胞を宿主とする方法によって製造する
ことができる。
得られたヒトG−CSFは凍結保存とするか又は凍結乾
燥、真空乾燥等の手段により水分を除去して保存するこ
とができる。
又、所望によりヒトG−CSFを適当な緩衝液に溶解し
た後にミリポアフィルター等で無菌濾過して注射剤とす
ることもできる。
更に本発明の骨髄性白血病治療剤は医薬製剤としての形
態をとるために必要な製剤担体や賦形剤を、更には安定
化剤、吸着防止剤を含むことができる。
本発明の骨髄性白血病治療剤に含まれるヒトG−CSF
の投与量、投与回数は対象の疾患患者の病状を配慮して
決めることができるが、通常成人一人あたり0.1 〜500
μg、好ましくは5〜100 μgのヒトG−CSFを含有
する製剤を1週間に1〜7回投与することができる。し
かし本発明はヒトG−CSFの含有量によって限定され
るものではない。
〔実施例〕
以下本発明を参考例(G−CSFの製造例)、実験例
(薬理効果)、実施例(製剤例)をあげて説明するが、
本発明はこれ等に限定されるものではない。
参考例〔動物細胞(マウスC127細胞)を用いたヒト
G−CSFの製造例〕 特願昭60−269456号明細書の実施例1〜12に記載された
方法でPTN−V2プラスミドを得、これをBamHI
で処理しておく。即ち、pTN−V2プラスミド20μg
を10 mM Tris−HCl(pH 8.0),7mMMgCl
,100mM NaCl,2 mM 2−メルカプトエタノー
ル,0.01%BSA100 μlに溶解せしめBamHI(宝
酒造社製)20単位で処理し、フェノール処理、エーテル
処理、エタノール沈澱を行っておく。
一方、マウスC127細胞は10%牛胎児血清(GIBC
O)を含むDulbecco′s minimal essential培地中で増
殖させる。径5cmのプレートに増殖したC127細胞
に、プレート当たり上記調製DNAを10μgの割り合い
でリン酸−カルシウム法(Haynes,J&Weissmann,C(198
3)Nucleic Acid Res,11,687−706 参照)にて形質転換
を行い、グリセロール処理の後、12時間 37 ℃でインキ
ュベートした。
次に、この細胞を3枚の新しい径5cmのプレートに移
し、1週間2回の割り合いで培地交換をした。16日目に
Foci(集塊)を形成した部分をそれぞれ新しいプレ
ートに移し、上述の培地で継代培養し、G−CSF生産
能の高いクローンを選別した。その結果〜1mg/のレ
ベルのG−CSF生産があった。
なお、回収、精製、検定方法については上記の特願昭60
−269456号明細書の該当実施例に開示してある通りのも
のを用いた。
実験例1(G−CSFの末梢成熟好中球増加結果) C57BLマウス(♂8w)を2群に分ける。一方をコ
ントロール群としてコントロールサンプル(n−プロパ
ノール1%同系マウス血清10%を含む生理食塩液)0.1
mlを他方はCSF処置群としてCSFサンプル0.1 ml
(CHU−2由来G−CSF2.5 μg、プロパノール1
%、同系マウス血清10%を含む生理食塩液)を1日1回
皮下投与した。所定の日に各群より4匹ずつのマウスを
無作為に抽出して眼過静脈より採血し、ミクロセルカウ
ンター(東亜CC180 型)により白血球数を測定した。
同時に血液塗抹標本を作製し、ギムザ染色後顕微鏡下に
白血球200 個を分類した。末梢好中球数は次の式により
算出した。
〔末梢好中球数〕=〔末梢白血球数〕×〔白血球中の好
中球の割合〕 1度採血に用いたマウスは2度用いることをさけ、又、
無処理マウスは同様に処理し、第0日の値を得た。
結果を表−1に示す。
実験例2(SJL/JマウスによるG−CSFの抗白血
病効果) SJL/Jマウス(♂7w)に300 Rの放射線を照射し
た。
その後120 日目までは、約30日に1回、それ以後は約10
日に1回実験例1と同様に採血し、末梢赤、白血球数を
測定した。このとき塗抹標本も同時に作成した。末梢白
血球数が3000 個/mm3 以上、末梢赤血球数が5×10
個/mm3 以下、及び末梢血への幼若白血球の出現、の
3つのうち最低2つ以上を満たしたものを白血病と断定
した。該白血病マウスに実験例1で示したコントロール
サンプル若しくはG−CSFサンプルのいずれか一方を
0.1 ml1日1回死ぬまで皮下投与し、投与開始後の生存
日数を比較した。又、別の白血病マウスを上記と同様に
処置し、所定の日に眼窩静脈より採血し、末梢白血球数
と好中球系細胞の成熟度を調べた。以上の実験に使用し
た白血病マウスは死後、脾の腫大及び白血球細胞の浸潤
を確認することにより白血病であることが追認された。
結果は及び(表−2)の通りであった。
生存日数 コントロール群; 9±1.47 CSF処置群 ;28.75 ±1.93 (測定回数 n=4) P(危険率)<0.001 以上の実験結果から明らかな通り、G−CSF投与によ
り有意な延命効果が認められ、又、成熟好中球の増加効
果が確認された。
なお、この実験が実際に近いモデルで実施された点は重
要である。
実施例1(製剤例) 参考例によって得られたヒトG−CSFを無菌処理した
後−20℃で凍結された凍結物を用いて注射剤とした。
実施例2(製剤例) 参考例によって得られたヒトG−CSFを無菌操作で10
mlバイアル瓶に5ml充填し、−20℃で凍結乾燥後ゴム栓
にて施栓した凍結乾燥物を用いて注射剤とした。
〔発明の効果〕
本発明の骨髄性白血病治療剤は、骨髄性白血病患者の末
梢成熟好中球を増加させる効果と延命効果の両方を有し
ている。
従って本発明により、従来から完全治癒への道が開かれ
ていなかった骨髄性白血病に対する治癒への希望が増加
したといえる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の理化学的性質を有するヒト顆粒球コ
    ロニー刺激因子を有効成分とする骨髄性白血病抑制剤。 〔理化学的性質〕 分子量:ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミ
    ドゲル電気泳動法による測定で19000 ±1000。 等電点:pI=5.5 ±0.1 ,pI=5.8 ±0.1 ,pI
    =6.1 ±0.1 の三つの等電点のうち少なくとも1つを有
    する。 紫外部吸収:280nmに極大吸収を有し、250nmに極少値
    を持つ。
  2. 【請求項2】ヒト顆粒球コロニー刺激因子が、以下のア
    ミノ酸配列又はその一部で表わされるポリペプチドを有
    するものであることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載の骨髄性白血病抑制剤。 (Met)n Thr Pro Leu Gly Pro Ala Ser Ser Leu Pro Gln
    Ser Phe Leu Leu Lys Cys Leu Glu Gln Val Arg Lys I
    le Gln Gly Asp Gly Ala Ala Leu Gln Glu Lys Leu (Va
    l Ser Glu)m Cys Ala Thr Tyr Lys Leu Cys His Pro Gl
    u Glu Leu Val Leu Leu Gly His Ser Leu Gly Ile Pro
    Trp Ala Pro Leu Ser Ser Cys Pro Ser Gln Ala Leu Gl
    n Leu Ala Gly Cys Leu Ser Gln Leu His Ser Gly Leu
    Phe Leu Tyr Gln Gly Leu Leu Gln Ala Leu Glu Gly Il
    e Ser Pro Glu Leu Gly Pro Thr Leu Asp Thr Leu Gln
    Leu Asp Val Ala Asp Phe Ala Thr Thr Ile Trp Gln Gl
    n Met Glu Glu Leu Gly Met Ala Pro Ala Leu Gln Pro
    Thr Gln Gly Ala Met Pro Ala Phe Ala Ser Ala Phe Gl
    n Arg Arg Ala Gly Gly Val Leu Val Ala Ser His Leu
    Gln Ser Phe Leu Glu Val Ser Tyr Arg Val Leu Arg Hi
    s Leu Ala Gln Pro (式中n,mは0又は1を示す。)
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JPS6030655B2 (ja) * 1981-10-03 1985-07-17 科学技術庁 放射線医学総合研究所長 Csf産生腫瘍移植法を用いたcsfの製造法

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