JPH06188468A - 放射線検出素子及びその製造方法 - Google Patents

放射線検出素子及びその製造方法

Info

Publication number
JPH06188468A
JPH06188468A JP5176330A JP17633093A JPH06188468A JP H06188468 A JPH06188468 A JP H06188468A JP 5176330 A JP5176330 A JP 5176330A JP 17633093 A JP17633093 A JP 17633093A JP H06188468 A JPH06188468 A JP H06188468A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
superconductor
radiation
substrate
detecting element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP5176330A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Morohashi
信一 諸橋
Satoshi Furumiya
聰 古宮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP5176330A priority Critical patent/JPH06188468A/ja
Publication of JPH06188468A publication Critical patent/JPH06188468A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Landscapes

  • Photovoltaic Devices (AREA)
  • Light Receiving Elements (AREA)
  • Measurement Of Radiation (AREA)
  • Superconductor Devices And Manufacturing Methods Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、エネルギー分解能の特性に優れ、
熱サイクル耐性にも優れた放射線検出素子及びその製造
方法を提供する。 【構成】 基板50上に、第1の超伝導体層14と、バ
リア層16と、第2の超伝導体層18が形成され、これ
ら第1の超伝導体層14とバリア層16と第2の超伝導
体層18により形成される接合部分に放射線を入射する
ことにより放射線を検出する。第1の超伝導体層14が
Ta層であり、バリア層16がTaOx層、AlOx
層、HfOx層又はZrOx層であり、基板50の底面
に放射線阻止能の大きな材料からなる放射線阻止層52
が形成され、接合部分直下の基板50及び放射線阻止層
52に、第1の超伝導体層14に達する開口部26が形
成され、基板50の底面から接合部分に放射線を入射す
る。第1の超伝導体層14の直下に、Nb、V、W、H
f、Zr又はTiからなる下地層54を設けてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はX線、γ線等の放射線を
検出するための放射線検出素子及びその製造方法に関す
る。X線、γ線等の放射線を利用した技術として最も代
表的なものに、シンクロトロン放射光を利用したものが
ある。シンクロトロン放射光は、円形加速器から放射さ
れる光速に近い速度で運動する電子が、磁場により軌道
を曲げられるときに接線方向に放出される極めて指向性
の強い電磁波のことである。シンクロトロン放射光は、
波長連続性、偏向性、パルス性等が非常に優れているた
め、結晶の解析や表面、界面の解析、物性研究、イメー
ジング技術、工学応用の他に、生体応用や医学応用等の
非常に多岐にわたる分野での利用が期待されている。
【0002】また、シンクロトロン放射光だけでなく、
通常のX線等の他の放射線も、医療の分野や物性分析の
分野において広範に用いられている。このような分野で
用いられている放射線検出素子としては、後述するよう
に、その検出部分の形状や検出特性等、種々のものが用
途に応じて用いられている。どの分野で用いられる場合
でも、エネルギー分解能が優れていることが放射線検出
素子として非常に重要な要素である。
【0003】
【従来の技術】エネルギー分解能の高い放射線検出素子
として、SiやGe等の半導体を用いた半導体放射線検
出素子が知られている。これら半導体放射線検出素子の
分解能は、放射線によって検出素子中で作り出される電
子−空孔対数の統計的ゆらぎによる限界まで近づいてい
る。
【0004】上述した応用分野のなかには、半導体放射
線検出素子の原理的に限界とされるエネルギー分解能よ
りも、よりエネルギー分解能の高い放射線検出素子の出
現が切望されている。このためには、統計的ゆらぎによ
るエネルギー分解能の限界が原理的に小さい放射線検出
素子が求められている。そのようななかで超伝導体を用
いた放射線検出素子が注目されている。
【0005】放射線検出素子に、エネルギーEの放射線
が入射すると、多数の荷電子対が生成され、検出信号と
して収集される。生成された荷電子対の数Nのゆらぎに
起因する相対分解能Pは、次式で表される。 P=2.355(ε×F×E)1/2 ここで、εは、放射線によって電子1個を励起するのに
必要なエネルギーである。また、Fは、ファノ因子と呼
ばれ、<(N−<N>)2 >/<N>で定義される、励
起電子の数のゆらぎがポアソン分布のゆらぎより小さく
なる程度を示すパラメータである。ポアソン分布に従う
ならF=1、従わない場合はF<1である(合志陽一、
佐藤公隆編「エネルギー分散型X線分析」、日本分光学
会 測定法シリーズ、学会出版センタ)。
【0006】上記式から、入射する放射線に対して、い
かに荷電子対の数Nを多く生成できる材料を見つける
か、すなわち、いかにエネルギーεが小さい材料を見つ
けるかが、放射線検出素子のエネルギー分解能を向上さ
せる上で重要な要因であることかがわかる。放射線検出
素子に用いられる材料のエネルギーギャップEgが小さ
ければ、小さなε値で荷電子対を生成することが可能に
なるといえる。ところが、半導体材料を用いた場合、エ
ネルギーεは次式 ε=2.8×Eg+(0.5〜1.0)[eV] のように表され、エネルギーギャップEgが小さいから
といって、それに比例してε値が小さくなるということ
が、必ずしも当てはまらないことが知られている(C.
A. Klein, J. Appl. Phys., vol.39, p.2090, (196
8))。
【0007】つまり、エネルギーギャップEgがいかに
小さかろうと、エネルギーεは0.5〜1.0eV以下
にはならないこと、すなわち、生成できる荷電子対数
が、これによって制限されることを示している。したが
って、半導体材料の場合、荷電子対生成時に放出された
フォノン(最大エネルギーとして数十meV)では荷電
子対を励起することはできない。
【0008】一方、超伝導体材料を用いた場合には、エ
ネルギーギャップEgが小さい(約数meV)ために、
荷電子対の破壊時に放出されたフォノン(最大エネルギ
ーとして数十meV)でも電子対を破壊して準粒子の生
成、つまりは荷電子対Nの数を多くすることができ、高
エネルギー分解能の放射線検出素子の作成が可能とな
る。
【0009】超伝導体材料を用いた放射線検出素子にお
いて、放射線による電子の直接励起と、準粒子によるフ
ォノン放出と、フォノンによる準粒子生成とからなる、
準粒子とフォノンのカスケード励起過程を計算機を用い
たモンテカルロシュミレーションを行った結果、半導体
材料に比べて3桁も多い準粒子数が生成され、エネルギ
ーε=0.969meV、パラメータF=0.2という
値が、理論検討から得られている(M. Kurakado and H.
Mazaki, Phys. Rev. B22 (1980) 168)。
【0010】後述するSn/SnOx/Sn接合の実験
ではエネルギーε=2.4meVが得られている(M. K
urakado, Nucl. Nucl. Instrum and Methods vol.196,
p.275 (1982))。ケース1として理論値のε及びFを用
い、ケース2として実験値のεを用い、F=1と仮定し
たときの、エネルギー分解能と入射エネルギーとの関係
を図23に示す。なお、図23には、現在のところ、最
もエネルギー分解能のよい半導体材料であるSiを用い
た場合(ε=3.76eV、F=0.08(何れも実験
値))のエネルギー分解能と入射エネルギーとの関係も
比較のために示す。
【0011】図23から分かるように、超伝導材料を用
いた場合には、半導体材料を用いた場合に比べて、10
倍程度のエネルギー分解能のよい放射線検出素子が実現
できる可能性があることを示している。超伝導体1/バ
リア/超伝導体2からなるジョセフソン接合において、
放射線を照射したときのトンネリング過程を図24を用
いて説明する。図24に示すように、ジョセフソン接合
に電圧を印加しているので、片側の超伝導体1のバンド
エネルギーがが eUだけ高くなっている状態を示してい
る。
【0012】片側の超伝導体1に放射線が入射すること
によって、電子対が破壊されて準粒子が生成される。こ
の準粒子の生成は放射線の直接励起又はフォノンによる
励起による。この準粒子がバリアをトンネルして超伝導
体2に達する。エネルギー分解能の向上は、生成された
準粒子がいかに効率よく絶縁体をトンネルするかによ
る。このトンネル現象は本質的に非平衡状態であり、い
かに効率よくトンネルするかは、第1に、準粒子のトン
ネル時間とフォノンの放出を伴う準粒子の再結合時間と
の関係により決定される。準粒子のトンネル時間と再結
合時間は、超伝導材料によって大きく異なる。第2に
は、熱的に励起される準粒子の影響をできるだけ小さく
することが重要であり、放射線の測定を低温(<4.2
K)にすることが必要であると考えられる。
【0013】ジョセフソン接合における準粒子のトンネ
リング過程は、図25に示すような電流−電圧特性を示
す。すなわち、電圧Vo がバンドギャップエネルギー2
Δに相当する値2Δ/eよりも小さいときは、エネルギ
ーバンドより上に励起されている準粒子とその空孔のみ
が電流に寄与する。ジョセフソン接合に一定の電圧Vo
を印加する定電圧方式の場合には、放射線の入射前後に
より電流変化分ΔIが生じ、この電流変化分ΔIを信号
として取り出す。ジョセフソン接合に一定の電流Io を
流す定電流方式の場合には、放射線の入射前後により電
圧変化分ΔVが生じ、この電圧変化分ΔVを信号として
取り出す。これら電流変化分ΔI及び電圧変化分ΔVは
放射線の入射エネルギーに比例する。
【0014】このように超伝導材料を用いた放射線検出
素子は、半導体材料を用いた放射線検出素子を凌駕する
性能を秘めており、放射線検出素子として非常に有望で
あることがわかった。超伝導材料を用いた従来の放射線
検出素子について説明する。ジョセフソン接合に放射線
を入射させる実験は約20年前に行われた(C. H.Wood
and B. L. White, Appl. Phys. Lett., vol.15 (1969),
p.237)。接合材料はSn/SnOx/Snである。こ
の実験ではα線入射による信号が判別できる程度であっ
た。
【0015】その後、同じSn/SnOx/Sn接合を
用いて一連の実験が精力的に行われた(M. Kurakado,
S. Tachi, R.Katano and H. Mazaki, Bull. Inst. Che
m. Res. 59 (Kyoto Univ. 1981等)。その結果、放射線
入射による信号が単なる温度上昇によるのではなく、放
射線による過剰準粒子の生成が、ジョセフソン接合から
の信号の発生に本質的であることがわかった。
【0016】その後、ニュートリノの質量決定、太陽ニ
ュートリノのエネルギー分布測定、暗黒物質や磁気単極
子の検出といった宇宙物理、素粒子物理の問題とも関連
して世界各地で、超伝導放射線検出器の研究開発が行わ
れつつある。1986年に、Kraus 等(H. Kraus, et.
al., Europhys. Lett. 1 (1986) 161)、とTwerenbold
(D. Twerenbold, Europhys. Lett. 1 (1986) 209)が、
別個に、55FeからのMnKα、MnKβのX線検出に
成功した。ジョセフソン接合材料はSn/SnOx/S
nであり、熱的な影響をできるだけ除くために測定温度
は0.3Kであった。Twerenbold等の実験によれば、
5.9KeVの入射X線に対して、半値幅として90e
V、このうち配線へのエネルギー拡散の影響を除いた場
合の半値幅として65eV、ノイズによる広がりを除い
た場合の半値幅として41eVのエネルギー分解能を得
ている。
【0017】その後、配線幅を4μmまで狭くすること
によって、5.9KeVの入射X線に対して半値幅とし
て48eV、ノイズによる広がりを除いた場合の半値幅
として37eVのエネルギー分解能を得ている(W. Rot
hmund and A. Zehnder, Superconductive Particle Det
ectors, edited by A. Barone (World Scientific, Sin
gapore))。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】このように超伝導材料
を用いた放射線検出素子は、半導体材料を用いた放射線
検出素子より性能が優れていることが実証された。しか
しながら、これらのエネルギー分解能はSnのエネルギ
ーギャップから予想される理論値2.5eVよりまだ一
桁近く大きいので、素子構造の改良が必要と考えられ
る。更には、Snは室温とヘリウム温度との熱サイクル
に弱く、室温保持でさえも劣化しやすいという致命的な
欠点を有している。
【0019】そこで、熱サイクルに強い材料を用いたジ
ョセフソン接合による開発が行われつつある。Barone等
は熱サイクルに強いNbを下部電極にしたPb/NbO
x/Nb接合を用い、配線幅を狭くすれば波高スペクト
ルは鋭くなることを示した(A. Barone et al., Nucl.
Instrum. and Methods., A234 (1985) 61 等)。デジタ
ル応用で実績のあるNb/AlOx−Al/Nb接合を
放射線検出素子に用いる等の種々の試みも行われつつあ
る(M. Kurakado and A. Matsumura, J.J. Appl. Phys.
28 (1989) L459、特開平1−122179号公報等)
が、Sn/SnOx/Sn接合に用いた場合に比べて特
性は良くない。特性向上を図るために、倉門等は下部電
極のNbを単結晶化することで、5.9KeVのX線入
射にたいして半値幅として160eVのエネルギー分解
能を得ている(倉門等、電子通信学会技術報告 SCB
90−19 pp7)が、Snの接合に比べて特性がよ
くないという問題があった。
【0020】本発明の目的は、エネルギー分解能の特性
に優れ、熱サイクル耐性にも優れた放射線検出素子及び
その製造方法を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本願発明者は、非平衡超
伝導現象を利用する放射線検出素子として高性能な特性
を実現するためには、入射放射線とこれに伴うフォノン
により励起された準粒子が、途中でロスすることなく如
何に効率よくバリアをトンネルするかが非常に重要であ
ると考えた。
【0022】このためには、 (1)超伝導材料の有する準粒子の寿命とフォノンの寿
命が長いこと、 (2)フォノンの逃げの防止するような素子構造である
こと (3)放射線の照射位置を工夫すること の3点が重要であると考えた。
【0023】そのような観点から、本願発明者は新しい
デバイス構造とデバイス材料を用いた放射線検出素子を
提案する。最初に(1)の点から考察する。デバイス材
料としては、前述したように、現状で高性能な結果が得
られているのはSn/SnOx/Sn接合であり、安定
なNb系ではまだ不十分な結果しか得られていない。こ
れは、励起された準粒子が効率よく、つまりは再結合す
ることなく、バリアをトンネルする割合に差があること
が本質的な原因であると考えた。そのように考えると、
準粒子の寿命が長い材料が、放射線検出素子に向いてい
ることになる。また、フォノンの寿命が長い方が、フォ
ノンによる準粒子生成がより効率よくできると考えた。
したがって、超伝導材料の有する準粒子の寿命とフォノ
ンの寿命が共に長いことが望ましいと考えた。
【0024】そこで、代表的な超導電材料について準粒
子及びフォノンの寿命を調べた。図1に超伝導材料の準
粒子及びフォノンの寿命を示す(井口家成、日本物理学
会誌、第35巻、第4号、第314頁)。なお、図1に
示す値は熱平衡状態における値であり、実際の非平衡状
態において、その値を保持しているかは不明である。図
1に示すように、Al、Sn、Pb等のいわゆる軟らか
い金属が準粒子の再結合時間が大きいことがわかる。そ
れに対して、Nbの準粒子の再結合時間はSnに比べて
1桁以上小さく、寿命が短いことが分かる。また、Nb
は、フォノンの寿命というという点でもSnに比べて2
桁小さいことがわかる。このように、Sn、Pbは、準
粒子及びフォノンの寿命の面から考えれば、放射線検出
素子のための材料としては好ましい材料である。しか
し、Sn、Pbは熱サイクル耐性に欠けるため採用する
ことができない。
【0025】これに対し、超伝導転移温度4.5KのT
aは、フォノンの寿命がSnに比べてやや短いが、準粒
子の寿命がSnと同程度の長さがあり、かつ、Nbと同
様に融点が高く、熱サイクル耐性に優れているという特
性がある。そこで、本願発明者は、放射線検出素子の超
伝導材料としてTaを採用し、Nb/AlOx−Al/
Nb接合と同様の考え方に基づいて、Ta/AlOx−
Al/Ta接合構造(バリア部分はHfOx−Hf、Z
rOx−Zrでもよい)又はTa/TaOx/Ta接合
構造を採用することとした。
【0026】次に(2)の点について考察する。入射放
射線による電子対破壊によって生じたフォノンは、超伝
導では別の電子対破壊に使われ、このことがエネルギー
分解能向上につながっている。そのためにはフォノンの
逃げを最小に抑えて、有効に電子対破壊に作用するよう
にすることが必要であると考えた。
【0027】基板上に形成され、上面が液体ヘリウムと
接触している超伝導体の場合、超伝導体内で発生したフ
ォノンの逃げが超伝導体の上下の面のどちらで大きいか
を調べた。フォノンの逃げの度合いは、基板と液体ヘリ
ウムの熱伝導率に依存する。液体ヘリウムの熱伝導率は
基板の熱伝導率に比べて小さいので、液体ヘリウム側の
方からのフォノンの逃げが小さい。したがって、フォノ
ンを効率よく準粒子生成に使用するには、液体ヘリウム
側から放射線を照射するほうが効率的であり、そのよう
な素子構造が望ましいと考えた。
【0028】次に(3)の点について考察する。上述し
たとおり、超伝導体の液体ヘリウム側から放射線を照射
することが望ましいが、超伝導体接合の液体ヘリウム
側、すなわち配線側から放射線を照射した場合、配線を
介してのフォノンが逃げるという問題がある。また、前
述したように、配線幅を狭くしたときにエネルギー分解
能が向上したことからも明らかなように、液体ヘリウム
側から放射線を照射する場合、超伝導体接合のどの部分
に照射したかの照射位置依存性の問題がある。
【0029】そこで、本発明では、接合直下の基板に開
口部を形成し、この開口部に下部電極を液体ヘリウムと
接触させ、そこから放射線を照射するような素子構造に
することにした。このような素子構造にすることによ
り、フォノンの逃げを最小限に抑えられ、照射位置依存
性の問題も解決する。次に、本発明の素子構造で基板の
開口部から放射線を入射させる場合の望ましい基板材料
について検討した。放射線阻止能の小さい基板の場合、
照射した放射線は基板の開口部以外の部分を通過して接
合部分に入射してしまうという問題がある。特に、接合
構造をアレイ化した場合に問題となる。
【0030】そこで、本発明ではシリコン基板等の放射
線阻止能の小さい基板の底面に放射線阻止能の大きな材
料からなる放射線阻止層を形成することが望ましいと考
えた。放射線阻止能の大きな材料としては、例えば、T
a、W、Hf、Pt、Au等がある。例えば、5.9K
eV程度のエネルギーのX線なら、10μm程度の厚さ
の放射線阻止層で十分に阻止することができるが、1M
eV以上のエネルギーをもつα線などでは50μm以上
の膜厚があることが望ましい。
【0031】次に、本発明において超伝導体材料として
採用したTaの結晶構造について考察する。本願発明者
は、前述したように、フォノンの寿命、準粒子の寿命
と、熱サイクル耐性の面から、超伝導転移温度4.5K
のTaを超伝導体材料として採用することが望ましいと
考えた。しかしながら、バルクのTaに比べてTa薄膜
は形成される結晶構造が不安定であることがわかった。
【0032】バルクのTaは、安定的に、超伝導転移温
度が4.5Kの体心立方晶(bcc(body cubic centr
al))の結晶構造(α相)となるが、Ta薄膜は、基板
温度によって結晶構造が左右されやすい。基板温度が低
いと、安定的に体心立方晶の結晶構造であるα相のTa
を得ることができず、超伝導転移温度が0.5K以下の
正方晶(Tetragonal)の結晶構造であるβ相のTaが形
成されるが、基板温度を250℃以上にすれば、体心立
方晶の結晶構造であるα相のTaが安定的に得られる。
しかしながら、基板を加熱して基板温度を高くすると、
ジョセフソン接合構造の界面の乱れが生じて良好な特性
の放射線検出素子を得ることができず望ましくない。
【0033】そこで、本願発明者は、基板温度が低くて
も、Ta薄膜の下地層の材料を選択することにより、超
伝導転移温度が4.5Kの体心立方晶の結晶構造である
α相のTaを安定的に得ることができるのではないかと
考えた。まず、シリコン基板上に種々の金属による下地
層を介して形成したTa層の結晶性について測定した。
図2に、シリコン基板上に種々の下地層を介して形成し
たTa層に対するX線回折の実験結果を示す。
【0034】(100)面のシリコン基板上に、直接約
200nm厚のTa層を形成した場合((a):Ta/
Si)、約10nm厚のAlからなる下地層を介して約
200nm厚のTa層を形成した場合((b):Ta/
Al/Si)、約10nm厚のZrからなる下地層を介
して約200nm厚のTa層を形成した場合((c):
Ta/Zr/Si)、約10nm厚のNbからなる下地
層を介して約200nm厚のTa層を形成した場合
((d):Ta/Nb/Si)について、Ta層の結晶
構造を調べた。シリコン基板を加熱することなくTa層
を形成した。
【0035】図2に示すように、シリコン基板上にTa
層を直接形成した場合(a)には、正方晶の結晶構造で
あるβ相のTa層が形成されたが、下地層を介して形成
した場合((b)(c)(d))には、体心立方晶の結
晶構造であるα相のTa層が形成された。特に、下地層
がNbの場合(d)やZrの場合(c)には良好な体心
立方晶の結晶構造が得られていることがわかる。Ta層
の4.2Kにおける超伝導性を調べたところ、下地層が
Nbの場合(d)やZrの場合(c)には4.2Kにお
いて超伝導性を示したが、下地層がAlの場合(b)や
下地層がない場合(a)には、4.2Kにおいて超伝導
性を示さなかった。下地層がAlの場合(b)には、体
心立方晶の結晶構造が得られているものの超伝導転移温
度が4.2Kまでは上昇していないことがわかった。
【0036】次に、Ta上部電極/金属酸化物−金属/
Ta下部電極という接合構造において、バリア層に用い
た金属によるTa層の結晶性について測定した。図3
に、上部電極のTa層に対するX線回折の実験結果を示
す。約200nm厚のTa下部電極上に、AlOx−A
lなる約10nm厚のバリア層と約200nm厚のTa
上部電極とを形成した場合((a):Ta/AlOx−
Al/Ta)、約200nm厚のTa下部電極上に、Z
rOx−Zrなる約10nm厚のバリア層と約200n
m厚のTa上部電極とを形成した場合((b):Ta/
ZrOx−Zr/Ta)について、Ta上部電極の結晶
構造を調べた。シリコン基板を加熱することなくTa層
を形成した。
【0037】図3に示すように、共に、体心立方晶の結
晶構造であるα相のTa層が形成されたが、バリア層の
金属としてZrを用いた場合((b):Ta/ZrOx
−Zr/Ta)の方が良好な体心立方晶の結晶構造が得
られていることがわかった。このように上部電極として
のTa層の結晶性に対して、バリア層に用いる材料が非
常に重要であることがわかる。例えば、図3に示すよう
に、バリア層に用いる超伝導金属材料としてZrがより
適していることがわかる。また、Zr以外にもHfを用
い、HfOx−Hfなるバリア層とした場合にも上部電
極のTa層の結晶性が非常に良好であることを確認し
た。
【0038】次に、配線層としてTa層を用いた場合、
下地層がTa層の結晶性に及ぼす影響について測定し
た。図4に、下地層の膜厚を変化させて形成したTa層
に対するX線回折の実験結果を示す。シリコン基板上に
層間絶縁膜として約300nm厚のシリコン酸化膜を形
成し、このシリコン酸化膜上に下地層として種々の厚さ
のNb層を形成し、この下地層上に配線層として約40
0nm厚のTa層を形成した。シリコン基板を加熱する
ことなくTa層を形成した。下地層であるNb層の膜厚
が0nm((a))、10nm((b))、20nm
((c))、40nm((c))、60nm
((d))、80nm((e))について、Ta層の結
晶構造を調べた。
【0039】図4に示すように、下地層としてNb層を
形成しない場合((a))のTa層はアモルファス的で
あり全く結晶性を示さなかったが、下地層としてNb層
を形成した場合には、体心立方晶の結晶構造であるα相
のTa層が形成された。下地層であるNb層の膜厚が厚
くなるほど結晶性がすぐれていることがわかる。Ta層
の4.2Kにおける超伝導性を調べたところ、下地層で
あるNb層の膜厚が10nmの場合((b))では4.
2Kにおいて超伝導性を示さなかったが、下地層である
Nb層の膜厚が20nm以上の場合((c)、(d)、
(e))は、全て4.2Kにおいて超伝導性を示した。
【0040】上述した実験結果から、低い基板温度にお
いて良好な結晶性のTa層を形成するためには、下地層
を用いることが有効であることがわかった。特に、下地
層としてNb、V、W、Hf、Zr又はTiのように、
Taと格子定数が近い所定膜厚以上の金属層を用いるこ
とが有効であることがわかった。
【0041】
【作用】本発明によれば、超伝導体層をTa層により形
成し、接合部分直下の基板に放射線を入射するための開
口部を形成したので、準粒子の寿命とフォノンの寿命が
長く、十分な熱サイクル耐性を確保すると共に、フォノ
ンの逃げを最小限に抑えられ、照射位置依存性を小さく
することができる。
【0042】さらに、Nb、V、W、Hf、Zr又はT
iからなる下地層上にTa層を形成したので、基板温度
が低くても、超伝導転移温度が4.5Kの体心立方晶の
結晶構造であるα相のTaを安定的に得ることができ
る。
【0043】
【実施例】本発明の第1の実施例による放射線検出素子
を図5を用いて説明する。約100μm厚のTa基板1
0上に約100〜300nm厚のSiO2 層12が形成
されている。SiO2 層12上には下部電極として約2
00nm厚のTa超伝導体層14が形成されている。T
a超伝導体層14上の一部にはバリア層16を介して上
部電極として約200nm厚のTa超伝導体層18が形
成され、ジョセフソン接合を形成している。
【0044】バリア層16は、約70nm厚のAl層の
上面が酸化されて約10nm厚のAlOx層が形成され
たAlOx−Alの二層構造になっている。Ta超伝導
体層14、18はSiO2 層20により覆われている。
SiO2 層20上には約600nm厚のTa配線層2
2、24が形成され、Ta配線層22はコンタクトホー
ルを介してTa超伝導体層14に接続され、Ta配線層
24はコンタクトホールを介してTa超伝導体層18に
接続されている。
【0045】Ta超伝導体層14とバリア層16とTa
超伝導体層18により形成されるジョセフソン接合の直
下のTa基板10及びSiO2 層12には、底面からT
a超伝導体層18に達する開口部26が形成されてい
る。放射線検出時には、全体を液体ヘリウムに浸漬させ
る。放射線はTa基板10の底面から入射し、入射した
放射線はTa基板10の開口部26を介して液体ヘリウ
ムに接触するTa超伝導体層18側からジョセフソン接
合部分に入射される。
【0046】このように本実施例によれば、ジョセフソ
ン接合をTa超伝導体層により形成したので、準粒子の
寿命とフォノンの寿命が長く、十分な熱サイクル耐性を
確保することができる。また、接合部分直下のTa基板
及びSiO2 層に、放射線を入射するための開口部を形
成したので、フォノンの逃げを最小限に抑えられ、照射
位置依存性を小さくすることができる。
【0047】次に、本発明の第1の実施例による放射線
検出素子の製造方法を図6乃至図8を用いて説明する。
まず、約100μm厚のTa基板10上に、スパッタ法
又はCVD法により約100〜300nm厚のSiO2
層12を堆積する。続いて、SiO2 層12上に約20
0nm厚のTa超伝導体層14をスパッタ法により堆積
する。続いて、Ta超伝導体層14上に約70nm厚の
Al層をスパッタ法により堆積した後、その表面を酸化
してAlOx−Alの二層構造のバリア層16を形成す
る。続いて、バリア層16上に約200nm厚のTa超
伝導体層18をスパッタ法により堆積する(図6
(a))。
【0048】次に、ジョセフソン接合の形成予定領域に
対応する領域が開口するようにパターニングされたレジ
スト層30をTa基板10底面に形成し、このレジスト
層30をマスクとして、硝酸と塩酸の混合液によるケミ
カルエッチングによりTa基板10を底面からケミカル
エッチングして開口部26を形成する。ケミカルエッチ
ングはSiO2 層12で停止するので、続いて、CHF
3 +30%O2 ガスをエッチングガスとして用い、圧力
8Pa、印加電力50Wの条件で反応性イオンエッチン
グ(RIE)によりSiO2 層12をエッチングする。
Ta超伝導体層14が露出するまでエッチングを行う
(図6(b))。
【0049】次に、Ta超伝導体層18上に、ジョセフ
ソン接合の形成予定領域が残存するようにパターニング
されたレジスト層32を形成し、このレジスト層32を
マスクとして、CF4 +5%O2 ガスをエッチングガス
として用い、圧力7Pa、印加電力50Wの条件で反応
性イオンエッチングによりTa超伝導体層18をエッチ
ングする。このエッチングはバリア層16で停止する
(図6(c))。
【0050】次に、同じレジスト層32をマスクとし
て、Arガスを用い、圧力1Pa、印加電力100Wの
条件で反応性イオンエッチングによりAlOx−Alバ
リア層16をエッチングする。このエッチングはTa超
伝導体層14で停止する(図7(a))。次に、Ta超
伝導体層14、18上に下部電極の形成予定領域が残存
するようにパターニングされたレジスト層34を形成
し、このレジスト層34をマスクとして、CF4 +5%
2 ガスをエッチングガスとして用い、圧力7Pa、印
加電力50Wの条件で反応性イオンエッチングによりT
a超伝導体層18をエッチングする。このエッチングは
SiO2 層12で停止する(図7(b))。
【0051】次に、電力900W、圧力1.3Paの条
件でArを用いるスパッタ法により全面にSiO2 層2
0を堆積する(図7(c))。次に、SiO2 層20上
にコンタクトホール形成予定領域が開口するようにパタ
ーニングされたレジスト層36を形成し、このレジスト
層36をマスクとして、CHF3 +30%O2 ガスをエ
ッチングガスとして用い、圧力7Pa、印加電力100
Wの条件で反応性イオンエッチングによりSiO2 層2
0をTa超伝導体層14、18が露出するまでエッチン
グする(図8(a))。
【0052】次に、SiO2 層20上に約600nm厚
のTa配線層22、24を形成する。Ta配線層22は
コンタクトホールを介してTa超伝導体層14に接続さ
れ、Ta配線層24はコンタクトホールを介してTa超
伝導体層18に接続される(図8(b))。これにより
本実施例による放射線検出素子が完成する。本発明の第
2の実施例による放射線検出素子を図9を用いて説明す
る。図9(a)はA−A線断面図、図9(b)は平面図
である。
【0053】本実施例の放射線検出素子は、図5に示す
ジョセフソン接合構造をアレイ状に配置したものであ
る。例えば、数mm角のTaチップに約100μm角の
ジョセフソン接合部分を約1000個アレイ状に実装す
る。Ta基板10上に形成されたSiO2 層12上に、
下部電極として複数のTa超伝導体層14が形成され、
各Ta超伝導体層14上に、それぞれAlOx−Al二
層構造のバリア層16を介して上部電極としてTa超伝
導体層18が形成され、複数のジョセフソン接合がアレ
イ状に配置されている。
【0054】Ta基板10及びSiO2 層12には、配
置された複数のジョセフソン接合に対応する位置に底面
からそれぞれ開口部26が形成されている。各Ta超伝
導体層14、18はSiO2 層20により覆われ、Si
2 層20上にはTa配線層41、42、…が形成さ
れ、各Ta配線層41、42、…は隣接するジョセフソ
ン接合の下部電極であるTa超伝導体層14と上部電極
であるTa超伝導体層18とを接続している。
【0055】放射線検出時には、全体を液体ヘリウムに
浸漬させる。放射線はTa基板10の底面から入射し、
入射した放射線はTa基板10の各開口部26を介して
液体ヘリウムに接触するTa超伝導体層18側から各ジ
ョセフソン接合部分に入射される。このように本実施例
によれば、二次元の位置検出機能をあわせもつ放射線検
出素子の作成が可能である。
【0056】本発明の第3の実施例による放射線検出素
子を図10を用いて説明する。約50μm厚のSi基板
50底面に約0.5〜100μm厚のTa層52が形成
されている。Si基板50上には下部電極として約20
0nm厚のTa超伝導体層14が形成されている。Ta
超伝導体層14上の一部にはバリア層16を介して上部
電極として約200nm厚のTa超伝導体層18が形成
され、ジョセフソン接合を形成している。
【0057】バリア層16は、約7nm厚のAl層の上
面が酸化されて約1nm厚のAlOx層が形成されたA
lOx−Alの二層構造になっている。Ta超伝導体層
14、18はSiO2 層20により覆われている。Si
2 層20上には約600nm厚のTa配線層22、2
4が形成され、Ta配線層22はコンタクトホールを介
してTa超伝導体層14に接続され、Ta配線層24は
コンタクトホールを介してTa超伝導体層18に接続さ
れている。
【0058】Ta超伝導体層14とバリア層16とTa
超伝導体層18により形成されるジョセフソン接合の直
下のSi基板50及びTa層52には、底面からTa超
伝導体層18に達する開口部26が形成されている。放
射線検出時には、全体を液体ヘリウムに浸漬させる。放
射線はSi基板50の底面から入射し、入射した放射線
はSi基板50の開口部26を介して液体ヘリウムに接
触するTa超伝導体層18側からジョセフソン接合部分
に入射される。
【0059】なお、本実施例のTa配線層22、24の
代わりにNbにより形成したNb配線層を用いてよい。
このように本実施例によれば、ジョセフソン接合をTa
超伝導体層により形成したので、準粒子の寿命とフォノ
ンの寿命が長く、十分な熱サイクル耐性を確保すること
ができる。また、接合部分直下のSi基板及びTa層
に、放射線を入射するための開口部を形成したので、フ
ォノンの逃げを最小限に抑えられ、照射位置依存性を小
さくすることができる。
【0060】次に、本発明の第3の実施例による放射線
検出素子の製造方法を図11乃至図13を用いて説明す
る。まず、約300μm厚のSi基板50を研磨により
約50μm厚まで薄くする。約50μm厚のSi基板5
0の底面にスパッタ法、CVD法等により約0.5〜1
00μm厚のTa層52を形成する。Ar1.3Paの
雰囲気中で、印加電流2.0A、印加電圧300Vの条
件でDCマグネトロンスパッタ法によりTa層52を形
成する。堆積速度は約200nm/minである。続い
て、Si基板50上に約200nm厚のTa超伝導体層
14をスパッタ法により堆積する。続いて、Ta超伝導
体層14上に約7nm厚のAl層をスパッタ法により堆
積した後、その表面を酸化してAlOx−Alの二層構
造のバリア層16を形成する。続いて、バリア層16上
に約200nm厚のTa超伝導体層18をスパッタ法に
より堆積する(図11(a))。
【0061】次に、ジョセフソン接合の形成予定領域に
対応する領域が開口するようにパターニングされたレジ
スト層30をTa層52底面に形成し、このレジスト層
30をマスクとして、反応性イオンエッチングによりT
a層52をエッチング除去する。エッチング条件は、C
4 +5%O2 ガス、8Pa、印加電力50Wである。
続いて、同じレジスト層30をマスクとして、硝酸と塩
酸の混合液によるケミカルエッチングによりSi基板5
0をケミカルエッチングする。このようにして開口部2
6が形成され、Ta超伝導体層14が露出する(図11
(b))。
【0062】次に、Ta超伝導体層18上に、ジョセフ
ソン接合の形成予定領域が残存するようにパターニング
されたレジスト層32を形成し、このレジスト層32を
マスクとして、CF4 +5%O2 ガスをエッチングガス
として用い、圧力7Pa、印加電力50Wの条件で反応
性イオンエッチングによりTa超伝導体層18をエッチ
ングする。このエッチングはバリア層16で停止する
(図11(c))。
【0063】次に、同じレジスト層32をマスクとし
て、Arガスを用い、圧力1Pa、印加電力100Wの
条件で反応性イオンエッチングによりAlOx−Alバ
リア層16をエッチングする。このエッチングはTa超
伝導体層14で停止する(図12(a))。次に、Ta
超伝導体層14、18上に下部電極の形成予定領域が残
存するようにパターニングされたレジスト層34を形成
し、このレジスト層34をマスクとして、CF4 +5%
2 ガスをエッチングガスとして用い、圧力7Pa、印
加電力50Wの条件で反応性イオンエッチングによりT
a超伝導体層18をエッチングする。このエッチングは
Si基板50で停止する(図12(b))。
【0064】次に、スパッタ法により全面にSiO2
20を堆積する(図12(c))。次に、SiO2 層2
0上にコンタクトホール形成予定領域が開口するように
パターニングされたレジスト層36を形成し、このレジ
スト層36をマスクとして、CHF3 +30%O2 ガス
をエッチングガスとして用い、圧力7Pa、印加電力1
00Wの条件で反応性イオンエッチングによりSiO2
層20をTa超伝導体層14、18が露出するまでエッ
チングする(図13(a))。
【0065】次に、SiO2 層20上に約600nm厚
のTa配線層22、24を形成する。Ta配線層22は
コンタクトホールを介してTa超伝導体層14に接続さ
れ、Ta配線層24はコンタクトホールを介してTa超
伝導体層18に接続される(図13(b))。これによ
り本実施例による放射線検出素子が完成する。なお、本
実施例のTa配線層22、24の代わりにNbにより形
成したNb配線層を用いてよい。
【0066】本発明の第4の実施例による放射線検出素
子を図14を用いて説明する。図14a)はA−A線断
面図、図14(b)は平面図である。本実施例の放射線
検出素子は、図10に示すジョセフソン接合構造をアレ
イ状に配置したものである。例えば、数mm角のSiチ
ップに約100μm角のジョセフソン接合部分を約10
00個アレイ状に実装する。
【0067】Si基板50の底面にTa層52が形成さ
れ、Si基板50上に、下部電極として複数のTa超伝
導体層14が形成され、各Ta超伝導体層14上に、そ
れぞれAlOx−Al二層構造のバリア層16を介して
上部電極としてTa超伝導体層18が形成され、複数の
ジョセフソン接合がアレイ状に配置されている。Si基
板50及びTa層52には、配置された複数のジョセフ
ソン接合に対応する位置に底面からそれぞれ開口部26
が形成されている。
【0068】各Ta超伝導体層14、18はSiO2
20により覆われ、SiO2 層20上にはTa配線層4
1、42、…が形成され、各Ta配線層41、42、…
は隣接するジョセフソン接合の下部電極であるTa超伝
導体層14と上部電極であるTa超伝導体層18とを接
続している。放射線検出時には、全体を液体ヘリウムに
浸漬させる。放射線はSi基板50のTa層52側から
入射し、入射した放射線はSi基板50の各開口部26
を介して液体ヘリウムに接触するTa超伝導体層18側
から各ジョセフソン接合部分に入射される。
【0069】なお、本実施例のTa配線層41、42の
代わりにNbにより形成したNb配線層を用いてよい。
このように本実施例によれば、二次元の位置検出機能を
あわせもつ放射線検出素子の作成が可能である。本発明
の第5の実施例による放射線検出素子を図15を用いて
説明する。
【0070】約50μm厚のSi基板50底面に約0.
5〜100μm厚のTa層52が形成されている。Si
基板50上には、Nbからなる約100nm厚のNb下
地層54が形成され、このNb下地層54上に下部電極
として約100nm厚のTa超伝導体層14が形成され
ている。Ta超伝導体層14上の一部にはバリア層16
を介して上部電極として約200nm厚のTa超伝導体
層18が形成され、ジョセフソン接合を形成している。
【0071】バリア層16は、約4nm厚のZr層の上
面が酸化されて約1nm厚のZrOx層が形成されたZ
rOx−Zrの二層構造になっている。Ta超伝導体層
14、18は約400nm厚のSiO2 層20により覆
われている。SiO2 層20上には、Nbからなる約1
00nm厚のNb下地層56が形成され、Nb下地層5
6上に約600nm厚のTa配線層22、24が形成さ
れている。Ta配線層22はコンタクトホールを介して
下部電極であるTa超伝導体層14に接続され、Ta配
線層24はコンタクトホールを介して上部電極であるT
a超伝導体層18に接続されている。
【0072】Ta超伝導体層14とバリア層16とTa
超伝導体層18により形成されるジョセフソン接合の直
下のSi基板50及びTa層52には、底面からTa超
伝導体層18に達する開口部26が形成されている。放
射線検出時には、全体を液体ヘリウムに浸漬させる。放
射線はSi基板50の底面から入射し、入射した放射線
はSi基板50の開口部26を介して液体ヘリウムに接
触するTa超伝導体層18側からジョセフソン接合部分
に入射される。
【0073】なお、本実施例の下部電極直下のNb下地
層の代わりに、V、W、Hf、Zr又はTiからなる下
地層を用いてもよい。また、上部電極直下のZrOx−
Zr構造のバリア層の代わりに、HfOx−Hf構造の
バリア層や、AlOxーAl構造のバリア層を用いても
よい。さらに、Ta配線層直下のNb下地層の代わり
に、V、W、Hf、Zr又はTiからなる下地層を用い
てもよい。
【0074】なおまた、本実施例の上部電極であるTa
超伝導体層の代わりに、Nbからなる超伝導体層を用い
てもよい。また、Nb下地層56及びTa配線層22、
24の代わりに、Nbにより形成したNb配線層を用い
てよい。このように本実施例によれば、ジョセフソン接
合をTa超伝導体層により形成したので、準粒子の寿命
とフォノンの寿命が長く、十分な熱サイクル耐性を確保
することができる。また、接合部分直下のSi基板及び
Ta層に、放射線を入射するための開口部を形成したの
で、フォノンの逃げを最小限に抑えられ、照射位置依存
性を小さくすることができる。さらに、下部電極のTa
超伝導体層直下にNb下地層を用い、上部電極のTa超
伝導体層直下にZrOx−Zrの二層構造のバリア層を
用い、Ta配線層直下にNb下地層を用いたので、下部
電極、上部電極及び配線層も共に、超伝導転移温度が
4.5Kの体心立方晶の結晶構造であるα相のTaによ
り形成することができる。
【0075】次に、本発明の第5の実施例による放射線
検出素子の製造方法を図16乃至図18を用いて説明す
る。まず、約300μm厚のSi基板50を研磨により
約50μm厚まで薄くする。約50μm厚のSi基板5
0の底面にスパッタ法、CVD法等により約0.5〜1
00μm厚のTa層52を形成する(図16(a))。
【0076】続いて、Si基板50上にNb下地層54
をスパッタ法により堆積する。続いて、Nb下地層54
上にTa超伝導体層14をスパッタ法により堆積する。
続いて、Ta超伝導体層14上に約4nm厚のZr層を
スパッタ法により堆積した後、その表面を酸化してZr
Ox−Zrの二層構造のバリア層16を形成する。続い
て、バリア層16上にTa超伝導体層18をスパッタ法
により堆積する(図16(a))。この間、Si基板1
0を加熱することなく低い基板温度で金属の堆積を行
う。
【0077】次に、ジョセフソン接合の形成予定領域に
対応する領域が開口するようにパターニングされたレジ
スト層30をTa層52底面に形成し、このレジスト層
30をマスクとして、反応性イオンエッチングによりT
a層52をエッチング除去する。続いて、同じレジスト
層30をマスクとして、硝酸と塩酸の混合液によるケミ
カルエッチングによりSi基板50をケミカルエッチン
グする。このようにして開口部26が形成され、Nb下
地層54が露出する(図16(b))。
【0078】次に、Ta超伝導体層18上に、ジョセフ
ソン接合の形成予定領域が残存するようにパターニング
されたレジスト層32を形成し、このレジスト層32を
マスクとして、CF4 +5%O2 ガスをエッチングガス
として用い、圧力7Pa、印加電力50Wの条件で反応
性イオンエッチングによりTa超伝導体層18をエッチ
ングする。このエッチングはバリア層16で停止する
(図16(c))。
【0079】次に、同じレジスト層32をマスクとし
て、Arガスを用い、圧力0.5Pa、印加電圧500
Vの条件でイオンミリングによりZrOx−Zrバリア
層16をエッチングする。このエッチングはTa超伝導
体層14で停止する(図17(a))。次に、Ta超伝
導体層14、18上に下部電極の形成予定領域が残存す
るようにパターニングされたレジスト層34を形成し、
このレジスト層34をマスクとして、CF4 +5%O2
ガスをエッチングガスとして用い、圧力7Pa、印加電
力50Wの条件で反応性イオンエッチングによりTa超
伝導体層14をエッチングする。続いて、同じレジスト
層34をマスクとして、同一条件で反応性イオンエッチ
ングによりNb下地層54をエッチングする。このエッ
チングはSi基板50で停止する(図17(b))。
【0080】次に、スパッタ法により全面にSiO2
20を堆積する(図17(c))。次に、SiO2 層2
0全面にNb下地層56をスパッタ法により堆積する
(図18(a))。次に、Nb下地層56上にコンタク
トホール形成予定領域が開口するようにパターニングさ
れたレジスト層36を形成し、このレジスト層36をマ
スクとして、CF4 +5%O2 ガスをエッチングガスと
して用い、圧力7Pa、印加電力50Wの条件で反応性
イオンエッチングによりNb下地層56をエッチングす
る。続いて、同じレジスト層36をマスクとして、反応
性イオンエッチングによりSiO2 層20をTa超伝導
体層14、18が露出するまでエッチングする(図18
(b))。
【0081】次に、Nb下地層56上に約600nm厚
のTa配線層22、24を形成する。Ta配線層22は
コンタクトホールを介してTa超伝導体層14に接続さ
れ、Ta配線層24はコンタクトホールを介してTa超
伝導体層18に接続される(図18(c))。これによ
り本実施例による放射線検出素子が完成する。本発明の
第6の実施例による放射線検出素子を図19を用いて説
明する。
【0082】約50μm厚のSi基板50底面に約0.
5〜100μm厚のTa層52が形成されている。Si
基板50上には、Nbからなる約100nm厚のNb下
地層54が形成され、このNb下地層54上に下部電極
として約100nm厚のTa超伝導体層14が形成され
ている。Ta超伝導体層14上の一部にはバリア層16
が形成されている。バリア層16は、約4nm厚のZr
層の上面が酸化されて約1nm厚のZrOx層が形成さ
れ、ZrOx層に更に約4nm厚のZr層が形成された
Zr−ZrOx−Zrの三層構造になっている。
【0083】バリア層16上には、Wからなる約100
nm厚のW下地層58が形成され、このW下地層58上
に上部電極として約100nm厚のTa超伝導体層18
が形成され、ジョセフソン接合を形成している。Ta超
伝導体層14、18は約400nm厚のSiO2 層20
により覆われている。SiO2 層20上には、Nbから
なる約100nm厚のNb下地層56が形成され、Nb
下地層56上に約600nm厚のTa配線層22、24
が形成されている。Ta配線層22はコンタクトホール
を介して下部電極であるTa超伝導体層14に接続さ
れ、Ta配線層24はコンタクトホールを介して上部電
極であるTa超伝導体層18に接続されている。
【0084】Ta超伝導体層14とバリア層16とTa
超伝導体層18により形成されるジョセフソン接合の直
下のSi基板50及びTa層52には、底面からTa超
伝導体層18に達する開口部26が形成されている。放
射線検出時には、全体を液体ヘリウムに浸漬させる。放
射線はSi基板50の底面から入射し、入射した放射線
はSi基板50の開口部26を介して液体ヘリウムに接
触するTa超伝導体層18側からジョセフソン接合部分
に入射される。
【0085】なお、本実施例の下部電極直下のNb下地
層の代わりに、V、W、Hf、Zr又はTiからなる下
地層を用いてもよい。また、上部電極直下のW下地層の
代わりに、V又はTiからなる下地層を用いてもよい。
さらに、Zr−ZrOx−Zr構造のバリア層の代わり
に、Hf−HfOx−Hf構造のバリア層や、Al−A
lOxーAl構造のバリア層を用いてもよいし、ZrO
x−Zr構造や、HfOx−Hf構造、AlOxーAl
構造等の二層構造のバリア層を用いてもよい。上部電極
直下には下地層が設けられているので、バリア層として
Alを用いることが可能である。
【0086】また、Ta配線層直下のNb下地層の代わ
りに、V、W、Hf、Zr又はTiからなる下地層を用
いてもよい。なおまた、本実施例の上部電極であるTa
超伝導体層の代わりに、Nbからなる超伝導体層を用い
てもよい。また、Nb下地層56及びTa配線層22、
24の代わりに、Nbにより形成したNb配線層を用い
てよい。
【0087】このように本実施例によれば、ジョセフソ
ン接合をTa超伝導体層により形成したので、準粒子の
寿命とフォノンの寿命が長く、十分な熱サイクル耐性を
確保することができる。また、接合部分直下のSi基板
及びTa層に、放射線を入射するための開口部を形成し
たので、フォノンの逃げを最小限に抑えられ、照射位置
依存性を小さくすることができる。さらに、下部電極の
Ta超伝導体層直下にNb下地層を用い、上部電極のT
a超伝導体層直下にW下地層を用い、Ta配線層直下に
Nb下地層を用いたので、下部電極、上部電極及び配線
層も共に、超伝導転移温度が4.5Kの体心立方晶の結
晶構造であるα相のTaにより形成することができる。
【0088】次に、本発明の第6の実施例による放射線
検出素子の製造方法を図20乃至図22を用いて説明す
る。まず、約300μm厚のSi基板50を研磨により
約50μm厚まで薄くする。約50μm厚のSi基板5
0の底面にスパッタ法、CVD法等により約0.5〜1
00μm厚のTa層52を形成する(図20(a))。
【0089】続いて、Si基板50上にNb下地層54
をスパッタ法により堆積する。続いて、Nb下地層54
上にTa超伝導体層14をスパッタ法により堆積する。
続いて、Ta超伝導体層14上に約4nm厚のZr層を
スパッタ法により堆積した後、その表面を酸化してZr
Ox層を形成し、続いて、ZrOx層上にに約4nm厚
のZr層をスパッタ法により堆積して、Zr−ZrOx
−Zrの三層構造のバリア層16を形成する。続いて、
バリア層16上にW下地層58をスパッタ法により堆積
する。続いて、W下地層58上にTa超伝導体層18を
スパッタ法により堆積する(図20(a))。この間、
Si基板10を加熱することなく低い基板温度で金属の
堆積を行う。
【0090】次に、ジョセフソン接合の形成予定領域に
対応する領域が開口するようにパターニングされたレジ
スト層30をTa層52底面に形成し、このレジスト層
30をマスクとして、反応性イオンエッチングによりT
a層52をエッチング除去する。続いて、同じレジスト
層30をマスクとして、硝酸と塩酸の混合液によるケミ
カルエッチングによりSi基板50をケミカルエッチン
グする。このようにして開口部26が形成され、Nb下
地層54が露出する(図20(b))。
【0091】次に、Ta超伝導体層18上に、ジョセフ
ソン接合の形成予定領域が残存するようにパターニング
されたレジスト層32を形成し、このレジスト層32を
マスクとして、反応性イオンエッチングによりTa超伝
導体層18をエッチングする。続いて、CF4 +5%O
2 ガスをエッチングガスとして用い、圧力7Pa、印加
電力50Wの条件で反応性イオンエッチングによりW下
地層58をエッチングする。このエッチングはバリア層
16で停止する(図20(c))。
【0092】次に、同じレジスト層32をマスクとし
て、Arガスを用い、圧力0.5Pa、印加電圧500
Vの条件でイオンミリングによりZr−ZrOx−Zr
バリア層16をエッチングする。このエッチングはTa
超伝導体層14で停止する(図21(a))。次に、T
a超伝導体層14、18上に下部電極の形成予定領域が
残存するようにパターニングされたレジスト層34を形
成し、このレジスト層34をマスクとして、反応性イオ
ンエッチングによりTa超伝導体層14をエッチングす
る。続いて、同じレジスト層34をマスクとして、反応
性イオンエッチングによりNb下地層54をエッチング
する。このエッチングはSi基板50で停止する(図2
1(b))。
【0093】次に、スパッタ法により全面にSiO2
20を堆積する(図21(c))。次に、SiO2 層2
0全面にNb下地層56をスパッタ法により堆積する
(図22(a))。次に、Nb下地層56上にコンタク
トホール形成予定領域が開口するようにパターニングさ
れたレジスト層36を形成し、このレジスト層36をマ
スクとして、反応性イオンエッチングによりNb下地層
56をエッチングする。続いて、同じレジスト層36を
マスクとして、反応性イオンエッチングによりSiO2
層20をTa超伝導体層14、18が露出するまでエッ
チングする(図22(b))。
【0094】次に、Nb下地層56上に約600nm厚
のTa配線層22、24を形成する。Ta配線層22は
コンタクトホールを介してTa超伝導体層14に接続さ
れ、Ta配線層24はコンタクトホールを介してTa超
伝導体層18に接続される(図22(c))。これによ
り本実施例による放射線検出素子が完成する。本発明は
上記実施例に限らず種々の変形が可能である。
【0095】例えば、上記実施例ではバリア層としてZ
rOx−Zr等の二層構造やZr−ZrOx−Zrの三
層構造を用いたが、バリア層としてTaOx(酸化タン
タル)を用いてもよい。バリア層としてTaOxを用い
る場合には下部電極としてのTa超伝導体層を酸化する
ことによりTaOxバリア層を形成すればよい。また、
上記実施例ではTa基板を用いたが、Ta以外の放射線
阻止能の大きな材料、例えば、W、Hf、Pt又はAu
を基板として用いてもよい。
【0096】更に、上記実施例ではTa基板上に絶縁層
としてSiO2 層を形成したが、酸化物(TaOx)を
用いてもよい。また、Ta基板以外のW基板、Hf基板
の場合、その酸化物(WOx、HfOx)を用いてもよ
い。
【0097】
【発明の効果】本発明によれば、超伝導体層をTa層に
より形成し、接合部分直下の基板に放射線を入射するた
めの開口部を形成したので、準粒子の寿命とフォノンの
寿命が長く、十分な熱サイクル耐性を確保すると共に、
フォノンの逃げを最小限に抑えられ、照射位置依存性を
小さくすることができる。さらに、Nb、V、W、H
f、Zr又はTiからなる下地層上にTa層を形成した
ので、基板温度が低くても、超伝導転移温度が4.5K
の体心立方晶の結晶構造であるα相のTaを安定的に得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】代表的な超伝導材料の準粒子及びフォノンの寿
命を示す図である。
【図2】シリコン基板上に下地層を介して形成したTa
層に対するX線回折の実験結果を示すグラフである。
【図3】Ta上部電極/金属酸化物−金属/Ta下部電
極という接合構造において、上部電極のTa層に対する
X線回折の実験結果を示すグラフである。
【図4】シリコン酸化膜上に下地層を介して形成した配
線層としてのTa層に対するX線回折の実験結果を示す
グラフである。
【図5】本発明の第1の実施例による放射線検出素子を
示す断面図である。
【図6】本発明の第1の実施例による放射線検出素子の
製造方法の工程断面図(その1)である。
【図7】本発明の第1の実施例による放射線検出素子の
製造方法の工程断面図(その2)である。
【図8】本発明の第1の実施例による放射線検出素子の
製造方法の工程断面図(その3)である。
【図9】本発明の第2の実施例による放射線検出素子を
示す図である。
【図10】本発明の第3の実施例による放射線検出素子
を示す断面図である。
【図11】本発明の第3の実施例による放射線検出素子
の製造方法の工程断面図(その1)である。
【図12】本発明の第3の実施例による放射線検出素子
の製造方法の工程断面図(その2)である。
【図13】本発明の第3の実施例による放射線検出素子
の製造方法の工程断面図(その3)である。
【図14】本発明の第4の実施例による放射線検出素子
を示す図である。
【図15】本発明の第5の実施例による放射線検出素子
を示す断面図である。
【図16】本発明の第5の実施例による放射線検出素子
の製造方法の工程断面図(その1)である。
【図17】本発明の第5の実施例による放射線検出素子
の製造方法の工程断面図(その2)である。
【図18】本発明の第5の実施例による放射線検出素子
の製造方法の工程断面図(その3)である。
【図19】本発明の第6の実施例による放射線検出素子
を示す図である。
【図20】本発明の第6の実施例による放射線検出素子
の製造方法の工程断面図(その1)である。
【図21】本発明の第6の実施例による放射線検出素子
の製造方法の工程断面図(その2)である。
【図22】本発明の第6の実施例による放射線検出素子
の製造方法の工程断面図(その3)である。
【図23】超伝導材料と半導体材料におけるエネルギー
分解能と入射エネルギーとの関係を示すグラフである。
【図24】放射線を照射したときのジョセフソン接合に
おけるトンネリング過程の説明図である。
【図25】ジョセフソン接合における準粒子のトンネリ
ング過程の電流−電圧特性を示すグラフである。
【符号の説明】
10:Ta基板 12:SiO2 層 14:Ta超伝導体層 16:バリア層 18:Ta超伝導体層 20:SiO2 層 22、24:Ta配線層 26:開口部 30、32、34、36:レジスト層 41、42、…:Ta配線層 50:Si基板 52:Ta層 54、56:Nb下地層 58:W下地層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 31/04

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、前記基板上に形成された第1の
    超伝導体層と、前記第1の超伝導体層上に形成されたバ
    リア層と、前記バリア層上に形成された第2の超伝導体
    層とを有し、前記第1の超伝導体層と前記バリア層と前
    記第2の超伝導体層により形成される接合部分に放射線
    を入射することにより放射線を検出する放射線検出素子
    において、 前記第1の超伝導体層は、Ta層であり、 前記バリア層は、TaOx層、AlOx層、HfOx層
    又はZrOx層を有し、 前記基板の底面に放射線阻止能の大きな材料からなる放
    射線阻止層が形成されており、 前記接合部分直下の前記基板及び前記放射線阻止層に、
    前記第1の超伝導体層に達する開口部が形成され、前記
    基板の底面から前記接合部分に放射線を入射することを
    特徴とする放射線検出素子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の放射線検出素子におい
    て、 前記基板は、シリコン基板であることを特徴とする放射
    線検出素子。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の放射線検出素子に
    おいて、 前記放射線阻止層は、Ta層、W層、Hf層、Pt層又
    はAu層であることを特徴とする放射線検出素子。
  4. 【請求項4】 基板と、前記基板上に形成された第1の
    超伝導体層と、前記第1の超伝導体層上に形成されたバ
    リア層と、前記バリア層上に形成された第2の超伝導体
    層とを有し、前記第1の超伝導体層と前記バリア層と前
    記第2の超伝導体層により形成される接合部分に放射線
    を入射することにより放射線を検出する放射線検出素子
    において、 前記第1の超伝導体層は、Ta層であり、 前記バリア層は、TaOx層、AlOx層、HfOx層
    又はZrOx層を有し、 前記基板は、放射線阻止能の大きな材料により形成さ
    れ、 前記接合部分直下の前記基板に、前記第1の超伝導体層
    に達する開口部が形成され、前記基板の底面から前記接
    合部分に放射線を入射することを特徴とする放射線検出
    素子。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の放射線検出素子におい
    て、 前記基板を形成する放射線阻止能の大きな材料は、T
    a、W、Hf、Pt又はAuであることを特徴とする放
    射線検出素子。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5記載の放射線検出素子に
    おいて、 前記基板と前記第1の超伝導体層の間に絶縁層が設けら
    れていることを特徴とする放射線検出素子。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の放射線検出素子におい
    て、 前記絶縁層は、前記基板を形成する放射線阻止能の大き
    な材料の酸化物層であることを特徴とする放射線検出素
    子。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれかに記載の放射
    線検出素子において、 複数の前記接合部分を前記基板上にアレイ状に配置した
    ことを特徴とする放射線検出素子。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8のいずれかに記載の放射
    線検出素子において、 前記第1の超伝導体層の直下に、Nb、V、W、Hf、
    Zr又はTiからなる下地層を設けたことを特徴とする
    放射線検出素子。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9のいずれかに記載の放
    射線検出素子において、 前記第2の超伝導体層は、Ta層であることを特徴とす
    る放射線検出素子。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の放射線検出素子にお
    いて、 前記第2の超伝導体層の直下に、Taと格子定数の近い
    V、W又はTiからなる下地層を形成したことを特徴と
    する放射線検出素子。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至11のいずれかに記載の
    放射線検出素子において、 前記第1の超伝導体層又は前記第2の超伝導体層に接続
    され、Taからなる配線層と、 前記配線層の直下に形成され、Taと格子定数の近いN
    b、V、W、Hf、Zr又はTiからなる下地層とを有
    することを特徴とする放射線検出素子。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至12のいずれかに記載の
    放射線検出素子において、 前記バリア層は、前記第1の超伝導体層上に形成された
    超伝導体薄層と、前記超伝導薄層上に形成され、前記超
    伝導体薄層が酸化された酸化物薄層とを有する2層構造
    であり、 前記超伝導体薄層は、Zr層、Hf層又はAl層であ
    り、 前記酸化物薄層は、ZrOx層、HfOx層又はAlO
    x層であることを特徴とする放射線検出素子。
  14. 【請求項14】 請求項1乃至12のいずれかに記載の
    放射線検出素子において、 前記バリア層は、前記第1の超伝導体層上に形成された
    第1の超伝導体薄層と、前記第1の超伝導薄層上に形成
    され、前記第1の超伝導薄層が酸化された酸化物薄層
    と、前記酸化物薄層上に形成された第2の超伝導体薄層
    とを有する3層構造であり、 前記第1の超伝導体薄層及び前記第2の超伝導体薄層
    は、Zr層、Hf層又はAl層であり、 前記酸化物薄層は、ZrOx層、HfOx層又はAlO
    x層であることを特徴とする放射線検出素子。
  15. 【請求項15】 基板と、前記基板上に形成された第1
    の超伝導体層と、前記第1の超伝導体層上に形成された
    バリア層と、前記バリア層上に形成された第2の超伝導
    体層とを有し、前記第1の超伝導体層と前記バリア層と
    前記第2の超伝導体層により形成される接合部分に放射
    線を入射することにより放射線を検出する放射線検出素
    子を製造する放射線検出素子の製造方法において、 前記基板上に、Nb、V、W、Hf、Zr又はTiから
    なる下地層を形成する工程と、 前記基板を加熱することなく、前記下地層上にTaから
    なる第1の超伝導体層を形成する工程とを有することを
    特徴とする放射線検出素子の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項15記載の放射線検出素子の製
    造方法において、 前記バリア層上に、V、W又はTiからなる下地層を形
    成する工程と、 前記基板を加熱することなく、前記下地層上にTaから
    なる第2の超伝導体層を形成する工程とを有することを
    特徴とする放射線検出素子の製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項15又は16記載の放射線検出
    素子の製造方法において、 前記第1の超伝導体層及び前記第2の超伝導体層上に、
    層間絶縁膜を形成する工程と、 前記層間絶縁膜上に、Nb、V、W、Hf、Zr又はT
    iからなる下地層を形成する工程と、 前記下地層上に、前記第1の超伝導体層又は前記第2の
    超伝導体層に接続されるTaからなる配線層を形成する
    工程とを有することを特徴とする放射線検出素子の製造
    方法。
JP5176330A 1992-07-17 1993-07-16 放射線検出素子及びその製造方法 Withdrawn JPH06188468A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5176330A JPH06188468A (ja) 1992-07-17 1993-07-16 放射線検出素子及びその製造方法

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19112692 1992-07-17
JP28000292 1992-10-19
JP4-280002 1992-10-19
JP4-191126 1992-10-19
JP5176330A JPH06188468A (ja) 1992-07-17 1993-07-16 放射線検出素子及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06188468A true JPH06188468A (ja) 1994-07-08

Family

ID=27324241

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5176330A Withdrawn JPH06188468A (ja) 1992-07-17 1993-07-16 放射線検出素子及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06188468A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1123723A (ja) * 1997-06-27 1999-01-29 Rikagaku Kenkyusho 粒子線検出装置
JP2004061212A (ja) * 2002-07-26 2004-02-26 Masahiko Kurakado 超伝導体放射線センサーシステム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1123723A (ja) * 1997-06-27 1999-01-29 Rikagaku Kenkyusho 粒子線検出装置
JP2004061212A (ja) * 2002-07-26 2004-02-26 Masahiko Kurakado 超伝導体放射線センサーシステム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2907832B2 (ja) 超電導デバイス及びその製造方法
JP2552371B2 (ja) 放射線検出素子およびジョセフソン素子
US5338934A (en) Radiation detecting device and method for fabricating the same
KR940006779B1 (ko) 박막 초전도체 및 초전도 디바이스의 제조방법
JPH08236823A (ja) 超伝導放射線検出装置及びその製造方法
JPH06188468A (ja) 放射線検出素子及びその製造方法
EP0291050A2 (en) Superconducting device
Cristiano et al. Nb‐based Josephson junction devices for nuclear radiation detection: Design and preliminary experimental results
JPH0637345A (ja) 放射線検出素子
JPH0629585A (ja) 超伝導放射線検出器
JP3740107B2 (ja) 超伝導トンネル接合素子
Netel et al. Development of a prototype superconducting X-ray spectrometer using a Ta crystal as an absorber
Netel et al. Initial development of a superconducting crystal x-ray and gamma-ray spectrometer
Jain et al. Photo‐induced currents in Ag‐Al2O3‐Al structures: Detection characteristics at 325 nm
Morohashi et al. Fabrication of Josephson junctions using an Al/Ta/Nb structure for x‐ray detection
Bruijn et al. High quality superconducting tunnel junctions on Nb and Ta single crystals for radiation detection
JPS6232667A (ja) 超伝導トンネル接合光検出器
Cukauskas et al. High quality niobium nitride-niobium Josephson tunnel junctions
JPH07240533A (ja) 放射線検出装置
Hiller et al. Temperature dependence of a superconducting tunnel junction X-ray detector
Cristiano et al. Influence of a NbN overlayer on Nb/Al–AlO x/Nb high quality Josephson tunnel junctions for x‐ray detection
Van den Berg et al. A Nb single crystal X-ray detector read out by superconductive tunnel junctions
Gomez et al. Diffusion of quasiparticles in SIS tunnel junctions for X-ray spectroscopy
JP2776004B2 (ja) ジョセフソン素子の製造方法
JP2969068B2 (ja) 超伝導素子の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20001003