JPH0618876B2 - ポリアリ−レンスルフィドの製造方法 - Google Patents

ポリアリ−レンスルフィドの製造方法

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JPH0618876B2
JPH0618876B2 JP62165054A JP16505487A JPH0618876B2 JP H0618876 B2 JPH0618876 B2 JP H0618876B2 JP 62165054 A JP62165054 A JP 62165054A JP 16505487 A JP16505487 A JP 16505487A JP H0618876 B2 JPH0618876 B2 JP H0618876B2
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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明はポリアリーレンスルフィドの製造方法に関
し、さらに詳しく言うと、白色かつ高分子量であって、
各種成形品やフィルム、繊維、あるいは機械部品、電
気、電子部品などの材料として好適に利用することので
きるポリアリーレンスルフィドを簡易なプロセスで、し
かも変質の少ない極性溶媒を回収しつつ製造することの
できるポリアリーレンスルフィドの製造方法に関する。
[従来の技術およびその問題点] ポリフェニレンスルフィド等のポリアリーレンスルフィ
ドは、一部熱硬化性を有する熱可塑性樹脂であり、優れ
た耐薬品性、広い温度範囲における良好な機械的性質、
耐熱剛性などの、エンジニアリングプラスチックとして
の優れた性質を有している。
そして、このポリフェニレンスルフィド等のポリアリー
レンスルフィドは、通常、極性溶媒中にジハロゲン芳香
族化合物とアルカリ金属硫化物とを重縮合反応させるこ
とによって得られることが知られており、たとえば、ポ
リフェニレンスルフィドの製造は、通常、p−ジクロロ
ベンゼンと硫化ナトリウムとを極性溶媒中で重縮合反応
することにより行なわれている(特公昭52-12240号公報
等参照)。
ここで、従来水和物の形で入手されるアルカリ金属硫化
物を用いた場合、ポリアリーレンスルフィドの製造にお
いては含水アルカリ金属硫化物の脱水工程と重縮合工程
との2工程が必要であった。
この脱水工程は、通常、極性溶媒の存在下に水を共沸蒸
留する方法で行なわれてきたが、このとき、たとえばス
テンレス製の反応器が腐食し、反応器の内壁から溶出し
た不純物が極性溶媒中に混入することにより、得られる
ポリアリーレンスルフィドの純度や白色度が低下した
り、あるいは回収する極性溶媒が変質してしまうという
問題があった。
一方、実質的に無水の金属硫化物、金属炭酸塩、ジハロ
ゲン芳香族化合物および微量水分の存在下に反応を行な
う方法(特開昭59-22926号公報参照)も知られている。
しかし、この方法においては、オリゴマー等が多量に副
生し、高分子量化が不十分なうえに収率が悪く、また、
高分子量化を図るためには長時間反応させる必要がある
ので、工業的に不利であるという問題があった。
[発明の目的] この発明の目的は、前記問題を解消し、反応装置の腐食
を極力押え、変質の少ない溶媒を回収しつつ、白色、高
分子量のポリアリーレンスルフィドを効率よく安定に製
造する方法を提供することである。
[前記目的を達成するための手段] 前記目的を達成するために、この発明者が鋭意検討を重
ねた結果、実質的に無水の金属硫化物を原料とし、この
金属硫化物を硫化水素と微量水分との存在下に極性溶媒
中で前処理した後、ジハロゲン芳香族化合物を加えて重
縮合を行なうことにより白色かつ高分子量のポリアリー
レンスルフィドを効率よく安定に製造することができる
ことを見出してこの発明に到達した。
すなわち、この発明の概要は、極性溶媒中でジハロゲン
芳香族化合物と金属硫化物とを接触させてポリアリーレ
ンスルフィドを製造する方法において、アルカリ金属硫
化物およびアルカリ土類金属硫化物から選ばれた1種以
上であって、水/硫化物のモル比が1.2以下である金属
硫化物を硫化水素と微量の水とで45〜230℃の温度下に
前処理した後、前処理した金属硫化物とジハロゲン芳香
族化合物とを反応させることを特徴とするポリアリーレ
ンスルフィドの製造方法である。
この発明の方法において使用に供する極性溶媒として
は、たとえばアミド化合物、ラクタム化合物、尿素化合
物、環式有機リン化合物などがある。具体的には、N,
N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトア
ミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジプロ
ピルアセトアミド、N,N−ジメチル安息香酸アミド、
カプロラクタム、N−メチルカプロラクタム、N−エチ
ルカプロラクタム、N−イソプロピルカプロラクタム、
N−イソブチルカプロラクタム、N−ノルマルプロピル
カプロラクタム、N−ノルマルブチルカプロラクタム、
N−シクロヘキシルカプロラクタム、N−メチル−2−
ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−イソプ
ロピル−2−ピロリドン、N−イソブチル−2−ピロリ
ドン、N−ノルマルプロピル−2−ピロリドン、N−ノ
ルマルブチル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−
2−ピロリドン、N−メチル−3−メチル−2−ピロリ
ドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、N−エチ
ル−3−メチル−2−ピロリドン、N−メチル−3,4,5
−トリメチル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピペ
リドン、N−イソプロピル−2−ピペリドン、N−メチ
ル−2−ピペリドン、N−エチル−2−ピペリドン、N
−イソプロピル−2−ピペリドン、N−メチル−6−メ
チル−2−ピペリドン、N−メチル−3−エチル−2−
ピペリドン、テトラメチル尿素、N,N′−ジメチルエ
チレン尿素、N,N′−ジメチルプロピレン尿素、1−
メチル−1−オキソスルホラン、1−エチル−1−オキ
ソスルホラン、1−フェニル−1−オキソスルホラン、
1−メチル−1−オキソホスホラン、1−ノルマルプロ
ピル−1−オキソンホスホラン、1−フェニル−1−オ
キソホスホランなどが挙げられる。
これらの溶媒は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種
以上を混合して用いてもよい。
前記各種の溶媒の中でも、好ましいのはN−アルキルラ
クタムおよびN−アルキルピロリドンであり、特に好ま
しいのはN−メチルピロリドンである。
前記ジハロゲン芳香族化合物[以下(A)成分と言うこ
とがある。]としては、たとえばm−ジハロベンゼン、
p−ジハロベンゼン等のジハロゲンベンゼン類;2,3−
ジハロトルエン、2,5−ジハロトルエン、2,6−ジハロト
ルエン、3,4−ジハロトルエン、2,5−ジハロキシレン、
1−エチル−2,5−ジハロベンゼン、1,2,4,5−テトラメ
チル−3,6−ジハロベンゼン、1−ノルマルヘキシル−
2,5−ジハロベンゼン、1−シクロヘキシル−2,5−ジハ
ロベンゼンなどのジハロゲンアルキルまたはシクロアル
キル置換ベンゼン類;1−フェニル−2,5−ジハロベン
ゼン、1−ベンジル−2,5−ジハロベンゼン、1−p−
トルイル−2,5−ジハロベンゼン等のジハロゲンアリー
ル置換ベンゼン類;4,4′−ジハロビフェニル等のジハ
ロゲンビフェニル類;1,4−ジハロナフタレン、1,6−ジ
ハロナフタレン、2,6−ジハロナフタレン等のジハロゲ
ンナフタレン類などが挙げられる。
これらのジハロゲン芳香族化合物における2個のハロゲ
ン元素は、それぞれフッ素、塩素、臭素またはヨウ素で
あり、それらは同一であってもよいし、互いに異なって
いてもよい。
前記(A)成分の中でも、好ましいのはジハロベンゼン
類であり、特に好ましいのはp−ジクロロベンゼンであ
る。
前記金属硫化物[以下、(B)成分と言うことがあ
る。]は、アルカリ金属硫化物およびアルカリ土類金属
硫化物から選ばれた1種以上のものであり、かつ水/硫
化物のモル比が1.2以下(0を含む。)のものである。
この発明の方法において前記(B)成分として用いるア
ルカリ金属硫化物としては、たとえば硫化リチウム、硫
化ナトリウム、硫化カリウム、硫化ルビジウム、硫化セ
シウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いて
もよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これ
らの中でも、好ましいのは硫化リチウムおよび硫化ナト
リウムであり、特に好ましいのは硫化ナトリウムであ
る。
この発明の方法において前記(B)成分として用いるア
ルカリ土類金属硫化物としては、たとえば硫化カルシウ
ム、硫化ストロンチウム、硫化バリウム、硫化ベリリウ
ム、硫化マグネシウムなどが挙げられる。これらは、1
種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用い
てもよい。これらの中でも、好ましいのは硫化カルシウ
ムおよび硫化マグネシウムである。
また、この発明の方法においては前記アルカリ金属硫化
物およびアルカリ土類金属硫化物のうち、いずれか1種
を選択して用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用
いてもよい。
前記硫化水素[以下、(C)成分と言うことがある。]
は、いずれの方法で得られたものであっても良いが、た
とえば硫化鉄(II)と希酸とを反応させて得られる純粋
なものを用いるのが好ましい。
前記水[以下、(D)成分と言うことがある。]として
は、十分に精製したものが好ましく、たとえば蒸留水、
イオン交換水などを好適に用いることができる。
この発明の方法においては、前記(A)成分のジハロゲ
ン芳香族化合物と(B)成分の金属硫化物との重縮合反
応の際に所望に応じてポリアリーレンスルフィドの製造
に用いられる公知の触媒を使用することができるが、特
に好ましいのは酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、塩化リ
チウムである。
次に、この発明の方法における各成分の使用割合につい
て説明する。
前記(A)成分のジハロゲン芳香族化合物は、前記
(B)成分の金属硫化物1モルに対して、通常、0.75〜
2.0モル、好ましくは0.90〜1.2モルの範囲で用いる。こ
のジハロゲン芳香族化合物(A)と金属硫化物(B)と
の反応は等モル反応であるから、通常、前記範囲とする
のである。
前記(C)成分の硫化水素は、前記(B)成分の金属硫
化物1モルに対して、通常、0.001〜0.30モル、好まし
くは0.01〜0.10モルの範囲で用いる。この割合が0.001
モル未満であると、硫化水素の添加効果がなく、モルバ
ランスがくずれ、高分子量化が困難となることがある。
一方、0.30モルを超えると、装置腐食の原因となり、溶
媒が変質する場合もあり、また、生成物の取り扱い時に
ガス対策が必要となる。
前記(D)成分の水は、前記(B)成分の金属硫化物1
モルに対して、1.3〜4.5モル、好ましくは1.4〜3.2モル
の範囲で用いる。この割合が1.3モル未満であると、重
合速度が遅く、高分子量化が進まないことがある。一
方、4.5モルを超えると、副反応が併発し、生成物の高
分子量化が進まず、また、重縮合時に圧力が上昇するこ
とがある。
さらに、触媒を用いる場合、その触媒の使用割合は、触
媒の種類にもよるが、前記(B)成分の金属硫化物1モ
ルに対して、通常、0.03〜2.0モル、好ましくは0.1〜1.
6モルである。この割合が0.03未満であると、反応速度
が著しく遅くなり、生成する重合体の高分子量化が達成
されないことがある。一方、2.0モルを超えて用いて
も、それに相当する効果は奏されず、むしろ生成した重
合体中に触媒が残存することがある。
この発明の方法における極性溶媒の使用量は、反応が均
一に進行するのに十分な量であれば特に制限はないが、
通常、前記(A)、(B)、(C)、(D)の各成分と
触媒との合計重量に対して、0.1〜10倍重量の範囲であ
る。この使用量が0.1倍重量未満であると、反応が十分
に進行しないことがある。一方、10倍重量を超えると容
積効率が悪化して生産性が低下する。
この発明の方法においては、前記(B)成分の金属硫化
物を、前記(C)成分の硫化水素と(D)成分である水
の存在下に、通常、温度45〜230℃、好ましくは80〜200
℃の条件下に前処理を行なう。この前処理により、前記
(A)成分であるジハロゲン芳香族化合物と(B)成分
である金属硫化物との仕込み割合が維持される。前処理
の温度が45℃未満であると、生成する重合体の分子量が
十分でない。一方、230℃を超えると、(B)成分であ
る金属硫化物が分解して反応が十分に進行しないことが
ある。また、この前処理に要する時間は、通常、5分間
〜4時間、好ましくは10分間〜3時間である。この処理
時間が5分間未満であると、反応が十分に進行しない。
一方、4時間を超えて前処理を行なっても、装置の腐食
が激しくなる上に処理時間に相当する効果は奏されな
い。
また、この発明の方法においては、前記(A)成分であ
るジハロゲン芳香族化合物と(B)成分である金属硫化
物との重縮合反応に際し、所望に応じて、活性水素含有
ハロゲン芳香族化合物、ポリハロゲン芳香族化合物、ハ
ロゲン芳香族ニトロ化合物などの分岐剤もしくはモノハ
ロゲン芳香族化合物や活性水素含有化合物などの分子量
調整剤、アルカリ水酸化物などの液性調整剤、金属塩な
どの重合添加剤、不活性有機溶媒などを適当に選択して
反応系に添加して用いることもできる。これらの添加成
分は、実質的に無水状態で反応に供することが好まし
い。
前記活性水素含有ハロゲン芳香族化合物としては、たと
えばアミノ基、チオール基、ヒドロキシル基などの活性
水素をもつ官能基を有するハロゲン芳香族化合物のこと
であり、このようなものとしては、たとえば2,6−ジク
ロロアニリン、2,5−ジクロロアニリン、2,4−ジクロロ
アニリン、2,3−ジクロロアニリン等のジハロアニリン
類;2,3,4−トリクロロアニリン、2,3,5,−トリクロロ
アニリン、2,4,6−トリクロロアニリン、3,4,5−トリク
ロロアニリン等のトリハロアニリン類;2,2′−ジアミ
ノ−4,4′−ジクロロジフェニルエーテル、2,4′−ジア
ミノ−2′,4−ジクロロジフェニルエーテル等のジハロ
アミノジフェニルエーテル類およびこれらの混合物にお
いて、アミノ基がチオール基やヒドロキシル基に置き換
えられた化合物などが挙げられる。また、これらの活性
水素含有ハロゲン芳香族化合物中の芳香族環を形成する
炭素原子に結合した水素原子が他の不活性基たとえばア
ルキル基などの炭化水素基に置換している活性水素含有
ハロゲン芳香族化合物も使用することができる。これら
の各種活性水素含有ハロゲン芳香族化合物の中でも、好
ましいのは活性水素含有ジハロゲン芳香族化合物であ
り、特に好ましいのはジクロロアニリンである。
前記ポリハロゲン芳香族化合物としては、たとえば1,2,
4−トリクロロベンゼン、1,3,5−トリクロロベンゼン、
1,4,6−トリクロロナフタレン等が挙げられる。
前記ハロゲン芳香族ニトロ化合物としては、たとえば2,
4−ジニトロクロロベンゼン、2,5−ジクロロニトロベン
ゼン等のモノまたはジハロニトロベンゼン類;2−ニト
ロ−4,4′−ジクロロジフェニルエーテル等のジハロニ
トロジフェニルエーテル類;3,3′−ジニトロ−4,4′−
ジクロロジフェニルスルホン等のジハロニトロジフェニ
ルスルホン類;2,5−ジクロロ−3−ニトロピリジン、
2−クロロ−3,5−ジニトロピリジン等のモノまたはジ
ハロニトロピリジン類、あるいは各種ジハロニトロナフ
タレン類などが挙げられる。
これらの活性水素含有ハロゲン芳香族化合物、ポリハロ
ゲン芳香族化合物、ハロゲン芳香族ニトロ化合物などを
使用することによって生成する重合体の分岐度を増加さ
せたり、分子量をさらに増加させたり、あるいは残存含
塩量を低下させるなど、この発明の方法により生成する
重合体の諸特性をさらに改善することができる。
前記モノハロゲン芳香族化合物としては、クロルベンゼ
ン、ブロムベンゼン、α−ブロムトルエン、α−クロル
トルエン、o−クロルトルエン、m−クロルトルエン、
p−クロルトルエン、α−ブロムトルエン、o−ブロム
トルエン、m−ブロムトルエン、p−ブロムトルエンな
どが挙げられる。
前記活性水素含有化合物としては、チオフェノール、フ
ェノール、アニリンなどが挙げられる。
また、分岐剤もしくは分子量調整剤としては、前記の化
合物のほかに、たとえば塩化シアヌルなどの3個以上の
反応性ハロゲン原子を有する化合物なども使用すること
ができる。
この発明の方法において、これらの分岐剤もしくは分子
量調整剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組
み合わせて用いてもよい。
前記重合添加剤としては、たとえば水素化ホウ素ナトリ
ウム、水素化カルシウムなどの金属水素化物、ギ酸アル
カリ、ヒドラジン、硫黄などが挙げられる。
前記不活性溶媒としては、たとえばベンゼン、トルエ
ン、キシレン、ビフェニル、ターフェニルナフタレン、
アントラセンなどの炭化水素類、ジフェニルエーテル、
p−ジフェノキシベンゼン、ポリエチレングリコール、
ジオキサン等のエーテル類などを挙げることができる
が、これらの中でも、高沸点不活性有機溶媒が好まし
い。
この発明の方法によりポリアリーレンスルフィドを製造
するには、たとえば次のようにして行なう。
すなわち、まず極性溶媒中にそれぞれ所要量の前記金属
硫化物[(B)成分]、硫化水素[(C)成分]および
水[(D)成分]を添加し、温度45〜230℃の条件下に
5分間〜4時間、前処理を行なった後、これにジハロゲ
ン芳香族化合物[(A)成分]、さらに所望に応じて用
いられる所要量の重合触媒および必要に応じて用いられ
る各種の添加成分を加え、通常、180℃〜330℃、好まし
くは220〜300℃の範囲の温度に加熱して重縮合反応を行
なう。この反応温度が180℃未満であると、反応速度が
遅くなるので実用的ではない。一方、330℃を超える
と、副反応や生成ポリマーの劣化が生じて着色やゲル化
の原因となる。反応時間は、使用する各成分の種類や量
の割合、触媒の種類や量、反応時間などにより異なるの
で一概に定めることはできないが、通常、20時間以内、
好ましくは0.1〜8時間程度である。この発明の方法に
おいては、この重縮合反応を窒素、アルゴン、二酸化炭
素などの不活性ガス雰囲気で行なうことができる。
反応圧力については特に制限はないが、通常、溶媒など
の重縮合反応系の自圧〜50kg/cm2(絶対圧)である。ま
た、重縮合反応は定常温度で行なう一段反応でもよい
し、段階的に温度を上げる多段反応でもよく、あるいは
徐々に温度を連続的に上げていく反応様式を用いてもよ
い。
次いで、単離した重合体を、通常、水、メタノール、ア
セトンなどを用いて洗浄することにより、この重合体に
付着しているアルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ金属
硫化物、重合触媒などを除去する。また、反応終了液か
ら生成した重合体を単離することなく、溶媒を留去して
回収し、残渣を前述のように洗浄することによって重合
体を得ることもできる。なお、回収した溶媒は再使用に
供することができる。
このようにして得られたポリアリーレンスルフィドは、
各種の成形材料に加工し、利用することができるが、必
要に応じて種々の脱塩処理を行なって、重合体中の塩化
ナトリウムなどの塩含有量をさらに低減することによ
り、電気・電子分野に好適に利用することができる。
この発明の方法により得られたポリアリーレンスルフィ
ドを各種の製品に成形する場合には、たとえば他の重合
体、顔料、グラファイト、金属粉、ガラス粉、石英粉、
ガラス繊維などの充填剤、安定剤、離型剤などを配合し
て成形することもできる。
[発明の効果] この発明によると、 (1)特定の金属硫化物を特定の条件下に前処理して用い
るので、装置の腐食を招くことがなく、 (2)白色度が高く、高分子量のポリアリーレンスルフィ
ドを高い収率で安定して製造することができ、 (3)しかも、脱水工程が不要で、変質の少ない極性溶媒
を回収して再使用に供することができる、等の種々の利
点を有する工業的に有利なポリアリーレンスルフィドの
製造方法を提供することができる。
[実施例] 次に、この発明の実施例および比較例を示し、この発明
についてさらに具体的に説明する。
(実施例1) SUS 316L製1−オートクレーブ中に、硫化ナト
リウム0.5水塩相当品(純度Na2S換算88.2%)48.03g
(0.543モル)、水12ml(0.667モル)、およびN−メチ
ルピロリドン206mlを入れ、硫化水素240ml(約0.01モ
ル)を加えて、窒素雰囲気下、温度130℃の条件下に25
分間加熱した。
次いで、温度を85℃に下げ、開蓋してp−ジクロロベン
ゼン79.8g(0.543モル)、N−メチルピロリドン100ml
を加えた後、密閉し、温度260℃の条件下に3時間反応
を行なった。
その後、反応混合物を水1に注ぎ、濾別し、さらに、
水洗2回、アセトン洗の順に洗浄を行なった。
得られたポリマーは白色で、その収率は82%(48.1g)
であった。また、温度206℃の条件下に濃度0.4g/dlの
1−クロロナフタレン溶媒を用いて測定した溶液粘度η
inhは0.08であった。また、回収したN−メチルピロリ
ドンは淡褐色であり、使用したォートクレーブに錆の発
生がなかった。
(実施例2) 前記実施例1において、重縮合反応時に酢酸リチウム3
5.8g(0.543モル)を用いた以外は、前記実施例1と同
様にして実施した。
得られたポリマーは白色であり、その収率は91%(53.6
g)、溶液粘度ηinhは0.18であった。また、回収した
N−メチルピロリドンは淡褐色であり、使用したオート
クレーブに錆の発生がなかった。
(実施例3) 前記実施例1において、重縮合反応時に塩化リチウム2
3.0g(0.543モル)を用いた以外は、前記実施例1と同
様にして実施した。
得られたポリマーは白色であり、その収率は92%(54.0
g)、溶液粘度ηinhは0.24であった。また、回収した
N−メチルピロリドンは淡褐色であり、使用したオート
クレーブに錆の発生がなかった。
(比較例1) 前記実施例1において、水を用いなかったほかは前記実
施例1と同様にしてポリマーを得た。
得られたポリマーの収率は10.2%(5.97g)、溶液粘度
ηinhは0.009であった。また、反応終了後、反応液の一
部を採り、ガスクロマトグラフ法(カラム:PEG20Mクロ
モソルブ、2m、温度210℃)により残存p−ジクロロ
ベンゼンの定量を行なったところp−ジクロロベンゼン
の残存率は81%であった。
以上より明らかなように、この比較例で得られたポリマ
ーの収率は前記実施例1〜3のいずれに比較しても低
く、また、分子量が小さいとともに純度も劣っていた。
(比較例2) 前記実施例1において、水および硫化水素を用いなかっ
たほかは前記実施例1と同様にしてポリマーを得た。
得られたポリマーの収率は9.8%(5.75g)、溶液粘度
ηinhは0.0045であった。また、反応終了後、反応液の
一部を採り、ガスクロマトグラフ法(カラム:PEG20Mク
ロモソルブ、2m、温度210℃)により残存p−ジクロ
ロベンゼンの定量を行なったところp−ジクロロベンゼ
ンの残存率は84%であった。
以上より明らかなように、この比較例で得られたポリマ
ーの収率は前記実施例1〜3のいずれに比較しても低
く、また、分子量が小さいとともに純度も劣っていた。
(比較例3) 前記実施例1において、初期混合物を室温下に15分間攪
拌した後、p−ジクロロベンゼンを加えて反応を行なっ
たほかは前記実施例1と同様にしてポリマーを得た。
得られたポリマーの収率は54%(31.7g)、溶液粘度η
inhは0.04であった。また、反応終了後、反応液の一部
を採り、ガスクロマトグラフ法(カラム:PEG20Mクロモ
ソルブ、2m、温度210℃)により残存p−ジクロロベ
ンゼンの定量を行なったところp−ジクロロベンゼンの
残存率は42%であった。
以上より明らかなように、この比較例で得られたポリマ
ーの収率は前記実施例1〜3のいずれに比較しても低
く、また、分子量が小さいとともに純度も劣っていた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】極性溶媒中でジハロゲン芳香族化合物と金
    属硫化物とを接触させてポリアリーレンスルフィドを製
    造する方法において、アルカリ金属硫化物およびアルカ
    リ土類金属硫化物から選ばれた1種以上であって、水/
    硫化物のモル比が1.2以下である金属硫化物を硫化水素
    と微量の水とで45〜230℃の温度下に前処理した後、前
    処理した金属硫化物とジハロゲン芳香族化合物とを反応
    させることを特徴とするポリアリーレンスルフィドの製
    造方法。
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