JPH0619169A - 感光体およびそれを用いる画像形成方法 - Google Patents

感光体およびそれを用いる画像形成方法

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JPH0619169A
JPH0619169A JP17573892A JP17573892A JPH0619169A JP H0619169 A JPH0619169 A JP H0619169A JP 17573892 A JP17573892 A JP 17573892A JP 17573892 A JP17573892 A JP 17573892A JP H0619169 A JPH0619169 A JP H0619169A
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正明 横山
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宏昭 岩崎
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 基板上に、有機ポリシランとオキソ金属フタ
ロシアニン顔料とを含む感光層を設けた感光体である。
この感光体を用いて画像形成を行う場合は、当該感光体
に光または熱による書き込みを行い、有機ポリシランの
分解とこれに続くオキソ金属フタロシアニン顔料の熱分
解反応を起こさせて、書き込み部分を電荷注入阻止域と
する画像形成用版を作成し、この版を帯電し、現像し、
ついで現像された像を転写する。 【効果】 露光工程なしに画像形成が可能となるため、
画像形成プロセスの簡略化が図れ、低コストな多数枚印
刷が可能になる。また、書き込みに当たって、半導体レ
ーザーを使用すると、装置のコンパクト化と高解像度を
達成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感光体およびそれを用
いる画像形成方法に関し、より詳しくは印刷プロセフが
簡略化されかつ多数枚印刷が可能な感光体およびそれを
用いる画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、感光体を用いて複写画像を形
成する場合には、カールソンプロセスが広く利用されて
いる。カールソンプロセスは、コロナ放電により感光体
を均一に帯電させる帯電工程と、帯電した感光体に原稿
像を露光して原稿像に対応した静電潜像を形成する露光
工程と、トナーを含有する現像剤で静電潜像を現像して
トナー像を形成する現像工程と、トナー像を紙等に転写
する転写工程と、転写されたトナー像を定着させる定着
工程とを含んでいる。
【0003】このカールソンプロセスに使用される感光
体としては、電荷発生材料を含む層と電荷輸送材料を含
む層とからなる積層型の感光層か、あるいは電荷発生材
料と電荷輸送材料とを混合した単層型の感光層を導電性
基板上に積層したものがよく知られている。かかる感光
体は、高品質の画像を形成するために、帯電特性および
感光特性に優れており、かつ露光後の残留電位が低いこ
とが要求される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記カ
ールソンプロセスでは、帯電、露光、現像および転写と
いう4つのプロセスが必要であるため、多数枚印刷に際
して、プロセスの簡略化および低コスト化が望まれてい
る。また、上記のような感光体では、電荷発生材料の種
類や配合量、さらに導電性金属基板の選択によって、感
光体としての充分な帯電特性を示さない場合がある。こ
れは、電荷発生材料を含む層内の熱キャリアあるいは基
板からの注入キャリア(負帯電の場合ホール)によって
表面のコロナ電荷が消去されるためと考えられる。
【0005】本発明の主たる目的は、印刷プロセスの簡
略化を図り、多数枚印刷が可能な新規な感光体およびそ
れを用いる画像形成方法を提供することである。本発明
の他の目的は、高解像度で鮮明な印刷画像を低コスト化
で作成することができる感光体およびそれを用いる画像
形成方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用】本発明の感光
体は、基板上に、有機ポリシランとオキソ金属フタロシ
アニン顔料とを含む感光層を設けたことを特徴とするも
のである。また、本発明の画像形成方法は、上記感光体
に設けた感光層への光または熱による書き込みにより、
この感光層に含まれる有機ポリシランの分解とこれに続
くオキソ金属フタロシアニン顔料の熱分解反応とを起こ
させて、書き込み部分を電荷注入阻止域に変換させる画
像形成用版作成工程と、得られた版を帯電し、現像し、
ついで現像された像を転写する工程とからなる。
【0007】すなわち、本発明者らは、有機ポリシラン
をその熱分解点以上に加熱することにより有機ポリシラ
ンが分解し、分解生成物がオキソ金属フタロシアニン顔
料と反応してオキソ金属フタロシアニン顔料を消色させ
る熱分解反応を誘起し、これによりオキソ金属フタロシ
アニン顔料がいわゆる有機半導体から絶縁物に変化する
という事実に着目し、感光体において、オキソ金属フタ
ロシアニン顔料を含む層を絶縁層に変換できれば、熱キ
ャリアまたは基板からの注入キャリアの注入を阻止で
き、その部分はコロナ帯電が可能になるという知見を得
た。
【0008】また、有機ポリシランの分解は約330〜
340nmの光照射によっても行われるので、予め光照
射して有機ポリシランをフォトン分解し、ついで感光層
を有機ポリシランのガラス転移点以上に加熱することに
より、フォトン分解で生成した分解生成物とオキソ金属
フタロシアニン顔料との接触が生じ、前記と同様にオキ
ソ金属フタロシアニン顔料の熱分解反応が誘起され、オ
キソ金属フタロシアニン顔料の絶縁物への変化が生じ
る。
【0009】従って、有機ポリシランとオキソ金属フタ
ロシアニン顔料とを含む感光層に光または熱による書き
込みを行い、その書き込み部分において、上記した有機
ポリシランの分解とこれに続くオキソ金属フタロシアニ
ン顔料の絶縁物への変化を行わせることにより、この絶
縁物がいわば電荷注入阻止材として作用し、電荷注入阻
止域が形成される。かかる電荷注入阻止域では、導電性
基板からのキャリア注入の阻止または熱キャリアが減少
し、その部分の帯電性が上昇する。その結果、書き込み
部位で大幅に電位が上昇し、非書き込み部位との間で画
像形成に充分な電位コントラストを付与することができ
るようになる。
【0010】従って、従来のカールソンプロセスにおけ
る露光工程が必要でなくなり、画像形成プロセスの簡略
化が図れ、低コストな多数枚印刷が可能になると共に、
鮮明で高品質な画像を得ることができる。また、書き込
みに当たって、オキソ金属フタロシアニン顔料の吸収波
長に相当する波長を有するレーザーを使用すると、装置
のコンパクト化と高解像度も達成できるという利点があ
る。
【0011】次に図面を用いて、本発明の感光体および
それを用いる画像形成方法をより詳細に説明する。図1
は本発明の感光体の一例を示すものであり、基板1の上
部に、オキソ金属フタロシアニン顔料の層2と、有機ポ
リシランの層3とがこの順に積層されてなる感光層4が
形成されている。これらの層2および3はそれぞれ通常
の感光体における電荷発生層および電荷輸送層に相当す
る。
【0012】本発明において使用される基板1として
は、導電性を有するものであればよいが、好ましくはア
ルミニウム、金、白金、ITO(インジウム−錫酸化
物)等があげられる。前記オキソ金属フタロシアニン顔
料は、下記一般式(I)で示されるものであり、とくに
中心金属原子Mがチタンであるチタニルフタロシアニン
が好適に使用される。
【0013】
【化1】
【0014】(式中、Mは金属原子、R1 、R2 、R3
およびR4 は同一または異なって水素原子、ハロゲン原
子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリール
オキシ基、ニトロ基、水酸基、ベンジルオキシ基、アミ
ノ基等を示し、k,l.m.nはそれぞれ0〜4の整数
である。)オキソ金属フタロシアニン顔料の層2は、オ
キソ金属フタロシアニン顔料を結着樹脂中に分散混合し
て形成された層であってもよく、あるいは蒸着膜であっ
てもよい。上記結着樹脂としては、例えばスチレン系重
合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アク
リロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合
体、アクリル系重合体、スチレン−アクリル系共重合
体、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、塩素
化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、アルキ
ッド樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネー
ト、ポリアリレート、ポリスルホン、ジアリルフタレー
ト樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリ
エーテル樹脂等の熱可塑性樹脂や、シリコーン樹脂、エ
ポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹
脂、その他架橋性の熱硬化性樹脂、さらにエポキシアク
リレート、ウレタン−アクリレート等の光硬化性樹脂等
の種々の重合体があげられる。これらの結着樹脂は1種
または2種以上を混合して用いられる。
【0015】また、塗布手法等により層を形成する場合
には溶剤が使用される。この溶剤としては、種々の有機
溶剤を使用することが可能であり、例えばテトラヒドロ
フラン(THF)、トルエン、シクロヘキサン、ジメチ
ルホルムアミド、ベンゼン等があげられる。オキソ金属
フタロシアニン顔料と結着樹脂との混合割合は、層の膜
厚にも依存するが、通常、オキソ金属フタロシアニン顔
料:結着樹脂が重量比で約1:2〜10:1であればよ
い。
【0016】オキソ金属フタロシアニン顔料の層2の厚
さは、0.25〜4μm、好ましくは0.5〜2μmで
あるのが適当である。また、上記有機ポリシランとして
は、従来公知のものが使用でき、例えば下記一般式(I
I) で表される繰り返し単位からなるものがあげられ
る。
【0017】
【化2】
【0018】(式中、R5 およびR6 は同一または異な
って水素原子、低級アルキル基、アリール基、アルコキ
シ基、アラルキル基、アシル基等を示す。)有機ポリシ
ランの具体例としては、例えばポリ(メチルフエニルシ
ラン)、ポリ(メチルプロピルシラン)、ポリ(メチル
−t−ブチルシラン)、ポリ(ジフエニルシラン)、ポ
リ(メチルトリルシラン)等があげられる。
【0019】また、使用する有機ポリシランは、所謂フ
ィルムを形成するに足る分子量を有するものを使用する
必要があり、一般に5000〜200000、とくに5
000〜20000の重量分子量を有するものが好まし
い。有機ポリシランの末端は、シラノール基、アルコキ
シ基等であってよい。有機ポリシランのガラス転移点を
低くして可撓性を付与するために、可塑剤を使用するこ
とができる。可塑剤は、有機ポリシランに相溶性のある
ものであればいずれでもよく、例えばフタル酸エステル
系、アジピン酸エステル系、混合脂肪酸エステル系、ポ
リエステル系、エポキシ系等があげられる。可塑剤は有
機ポリシラン100重量部あたり5〜30重量部、とく
に10〜20重量部の割合で用いればよい。
【0020】有機ポリシランは、前記したテトラヒドロ
フラン等の溶剤に可溶であるので、これらの溶媒の溶液
にして、塗布等の手段にて層3を形成する。有機ポリシ
ランの層3の厚さは、約4〜30μm、好ましくは5〜
20μmである。つぎに、図1に示す感光体を用いる画
像形成方法を図2に基づいて説明する。
【0021】図2(a) に示すように、レーザービーム5
等にて感光層2を局所的に照射する書き込みを行うこと
により、オキソ金属フタロシアニン顔料がレーザー光を
吸収し発熱する。その熱によって有機ポリシランの層3
を熱分解させる。熱分解させられた部分の有機ポリシラ
ンは、分解すると同時に流動する。これにより、有機ポ
リシランの分解生成物と下層のオキソ金属フタロシアニ
ン顔料との接触が生じ、オキソ金属フタロシアニン顔料
の消色を伴う熱分解反応が起こる。その結果、オキソ金
属フタロシアニン顔料の層2におけるレーザー照射部分
が絶縁層6に変換される。
【0022】形成された絶縁層6はいわば電荷注入阻止
層となって、熱キャリアまたは基板1からのキャリアの
注入を阻止する。そのため、感光層4に電荷注入阻止域
11が形成されることになる。ついで、図2(b)に示
すように、感光層の表面をコロナ放電によって帯電する
と、レーザービームの非照射部では、表面電荷(−)に
より基板1の表面に誘導される反対電荷(+)が感光層
4内に注入され、その表面電荷(−)を打ち消してしま
う。これに対して、レーザービームの照射部位では、前
記電荷注入阻止域11の形成のため、表面電荷(−)が
残留する(図2(c))。この残留した表面電荷(−)
をプラス帯電トナーにより現像し、トナー像を転写する
ことにより、多数枚印刷が可能となる。
【0023】従って、従来のような、露光工程を必要と
しない、多数枚印刷が可能な静電印刷用の版を簡単に作
成することができる。なお、レーザーを用いる書き込み
方式には、主にレーザービーム光をオキソ金属フタロシ
アニン顔料が吸収し、その結果生じる熱を利用して有機
ポリシランを熱分解させることで、オキソ金属フタロシ
アニン顔料の消色反応を起こさせるヒートモードと、主
に330〜340μmの光(フォトン)による有機ポリ
シランの分解を利用するフォトンモードとに分類され、
本発明の方法はいずれも場合も採用可能である。フォト
ンモードを使用する場合は、紫外線照射を例にとると、
有機ポリシランのSi−Si結合がフォトンによって切
断され紫外線照射部で分解生成物が生成される。この分
解生成物はポリマー運動の自由度を向上させることか
ら、紫外線照射後に有機ポリシランを熱分解温度以下で
あるガラス転移温度以上で加熱処理することで、有機ポ
リシランの分解生成物が流動可能となる。従って、上記
加熱処理によってはじめて、上記分解生成物とオキソ金
属フタロシアニン顔料とが接触できるため、紫外線照射
部のみでオキソ金属フタロシアニン顔料の消色反応が起
こる。
【0024】また、前述のごとく、本発明においては、
高解像度が可能な上に、加熱処理が不要なレーザーを用
いたヒートモードを使用するのが好ましい。ヒートモー
ドでは熱源として感熱ヘッドを使用することも可能であ
る。本発明の感光体の他の例を図3および図4に示す。
図3は、前記と同じ導電性の基板1上に、オキソ金属フ
タロシアニン顔料と有機ポリシランとの混合物を含む層
7(混合層)と、通常の電荷輸送層8とをこの順に設け
た積層型の感光層9を有する感光体を示している。
【0025】この感光層9は、前述の結着樹脂に代え
て、有機ポリシラン中にオキソ金属フタロシアニン顔料
を分散させた混合層7を有するため、オキソ金属フタロ
シアニン顔料の熱分解効率がよいという利点がある。。
オキソ金属フタロシアニン顔料は、有機ポリシラン10
0重量部に対して約10〜100重量部、好ましくは2
0〜50重量部の割合で分散される。混合層7はこれら
の成分を適当な溶剤中に溶解または分散させて、適当な
塗布手段にて基板1上に塗布して形成することができ
る。
【0026】混合層7の厚さは、通常、0.25〜4μ
m、とくに0.5〜2μm程度であればよい。また、電
荷輸送層8は、従来より使用されている電荷輸送材料を
適当な結着樹脂に分散させたものである。電荷輸送材料
は、表面電荷に応じて公知の電子吸引性化合物および電
子供与性化合物を使用する。
【0027】電子吸引性化合物としては、例えば種々の
ジフェノキノン系誘導体、マロノニトリル、チオピラン
系化合物、テトラシアノエチレン、2,4,8−トリニ
トロチオキサントン、3,4,5,7−テトラニトロ−
9−フルオレノン、ジニトロベンゼン、、ジニトロアン
トラセン、ジニトロアクリジン、ニトロアントラキノ
ン、ジニトロアントラキノン、無水コハク酸、無水マレ
イン酸、ジロモ無水マレイン酸等があげられる。
【0028】また、電子供与性化合物としては、2,5
−ジ(4−メチルアミノフェニル)、1,3,4−オキ
サジアゾール等のオキサジアゾール化合物、9−(4−
ジエチルアミノスチリル)アントラセン等のスチリル化
合物、ポリビニルカルバゾール等のカルバゾール化合
物、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニ
ル)ピラゾリン等のピラゾリン化合物、ヒドラゾン化合
物、トリフェニルアミン系化合物、インドール系化合
物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合
物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イ
ミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、トリアゾー
ル系化合物等の含窒素環式化合物、縮合多環式化合物等
があげられる。
【0029】かかる電荷輸送層8の厚さは約4〜30μ
m、好ましくは5〜20μmであればよい。かかる電荷
輸送8を設けることにより、耐刷性(多数枚印刷におけ
る耐久性)が向上するという利点がある。図4に示す感
光体は、基板1上に、オキソ金属フタロシアニン顔料と
有機ポリシランとの混合物を含む単層型の感光層10を
形成したものであって、図3に示す感光体と同様にオキ
ソ金属フタロシアニン顔料の熱分解効率がよいという利
点がある。感光層10の厚さは約3〜40μm、好まし
くは5〜30μmであればよい。
【0030】
【実施例】以下、実施例および比較例をあげて本発明を
詳細に説明する。参考例 (ポリメチルフェニルシランの合成) メチルフェニルジクロロシラン100gを、金属ナトリ
ウム26gを乾燥トルエン400mlに加え、130℃に
加熱し、11時間攪拌した後冷却した。得られた反応液
(濃紫色の沈澱を含む溶液)にエタノールを加え、未反
応のナトリウムをエトキシドにした後、沈澱をろ別し、
乾燥後、トルエンに溶解してエタノール中に滴下し、再
沈澱させて白色のフェニルメチルポリシランを得た(収
量22.0g、収率34%、イオン化ポテンシャル5.
62eV)。実施例1 (図1の感光体の作製) 導電性の基板として、アルミニウム(Al)シートを用
い、この基板上に、チタニルフタロシアニン顔料(Ti
OPc、山陽色素社製)とポリビニルブチラール樹脂と
を重量比で4:1でテトラヒドロフランに加え、ボール
ミルで均一に分散させた。これを基板上に所定の厚さで
塗布し、チタニルフタロシアニン顔料の層を形成した。
【0031】ついで、この層上に、上記ポリメチルフェ
ニルシランをベンゼンに溶解させたものをオーバーコー
トし、厚さ10μmのポリメチルフェニルシランの層を
得た。成膜はいずれもバーコート法にて行った。実施例2 (図1の感光体の作製) 基板として、上記Alシートに代えて、Alシート上に
イオンスパッターE−102(日立伊那精器社製)にて
Auを約0.1μmの厚さで成膜したものを用いたほか
は実施例1と同様にして感光体を得た。実施例3 (図1の感光体の作製) 基板として、上記Alシートに代えて、Alシート上に
イオンスパッターE−102(同上)にてPtを約0.
1μmの厚さで成膜したものを用いたほかは実施例1と
同様にして感光体を得た。感光体の帯電特性 (1) 各感光体の熱処理前の帯電電位を静電複写試験機
(川口電気社製、EPA8100)にて測定した。その
結果を図5に示す(白抜きプロット)。
【0032】図5は、チタニルフタロシアニン顔料の膜
厚を0.25〜1.5μmの範囲で変化させたときの帯
電電位との関係を示したものである。同図から、仕事関
数が大きく、かつチタニルフタロシアニンとオーミック
結合が可能と思われるPt,Auを基板として使用した
場合(実施例2,3)は、熱処理前の初期帯電電位にお
いて、チタニルフタロシアニンの膜厚に殆ど依存せず、
低電位を示していることから、帯電(負帯電)時に基板
からホールが効率よく注入されていることがわかる。一
方、Al基板を用いた感光体(実施例1)では、熱処理
前の初期帯電電位において、チタニルフタロシアニンの
膜厚への依存性が認められるが、チタニルフタロシアニ
ンの膜厚が0.5〜1.5μmの範囲内であれば、実使
用上問題ないと考えられる。
【0033】(2) 各実施例において、チタニルフタロシ
アニン含有量を変化させた場合の帯電電位を図6に示
す。ここで、チタニルフタロシアニンの層およびポリメ
チルフェニルシランの層の厚さはそれぞれ1μmおよび
10μmである。図6から、基板がPtやAuの場合
(実施例2,3)、チタニルフタロシアニン含有量の変
化にかかわらず低電位を示している。一方、Al基板の
場合(実施例1)、チタニルフタロシアニンの含有量が
50%前後では高い帯電電位を与えるが、含有量の増加
に伴い著しく帯電性が低下する。この低下は、チタニル
フタロシアニン層からの熱キャリアによるところが大き
いと考えられる。従って、Al基板の場合でも、チタニ
ルフタロシアニンの含有量を65重量%以上にすると、
停電性が低下し、実使用が可能と考えられる。
【0034】(3) これらの結果から、基板電極にPtや
Auを用いることで低帯電状態を達成できることがわか
る。また、Al基板の場合でも、チタニルフタロシアニ
ンの含有量や膜厚を最適条件に設定すれば、同等の効果
を得ることができる。感光体の熱処理による帯電特性の変化 各感光体を250℃で15分間熱処理したときの帯電特
性を図5に示す(黒プロット)。帯電電位は前記と同様
にして測定した。熱処理により、チタニルフタロシアニ
ンの青色が消失し、図5に示すように、いずれにも著し
い帯電電位の上昇が見られた。このことから、熱処理に
よって画像形成に充分な電位コントラストを与えている
いることがわかる。これは、半導体的挙動を示すチタニ
ルフタロシアニンが分解された絶縁物になったため、基
板からのホール注入の阻止または熱キャリアが減少した
結果、帯電性が上昇したためと考えられる。レーザーによる書き込みと画像形成 実施例で得た感光体上に半導体レーザーにて書き込みを
行った。書き込みは、光ディスク用ヘッド(オリンパス
光学社製、TAOHS−LC3,830nm,25mW
(max))を用い、パルスモーター駆動X−Yステー
ジ上で光ビームを約1μmに絞って書き込みを行い、微
小領域の帯電特性変化は、ハンドプリント法にて、帯
電、現像を行い、感光体上のトナー像から細線再現性を
評価した。
【0035】(1) 感光体(Pt基板を使用)上に半導体
レーザー(出力15mW,ビーム径1〜2μm)で走査
し、これを顕微鏡写真で観察した。書き込みは、順に4
本ずつ10,20,30μm間隔でライン状に書き込ん
だ、得られた消色ラインの幅は約5μmであった。 (2) また、平均粒径が12μmのトナーと、平均粒径が
7μmのトナーをそれぞれ用いて現像した結果、前者の
トナーでは約30μm間隔で、後者のトナーでは約20
μm間隔で細線が再現されているのを顕微鏡写真にて確
認した。
【0036】このように、感光体上の細線再現性も良好
であったことから、使用したチタニルフタロシアニン
は、ポリメチルフェニルシランとの熱分解反応によって
絶縁物に変化し、基板からのキャリア注入の阻止層とし
て機能していることが明らかである。従って、実施例の
感光体は、半導体レーザー等により書き込みが可能な静
電印刷用版として利用可能であることがわかる。とく
に、平均粒径が7μmのトナーを用いて20μm間隔の
細線が再現可能であることから、簡単な印刷方法であり
ながら、高解像度な多数枚印刷が実現できる。実施例4 (図3の感光体の作製) ポリメチルフェニルシラン100重量部中にチタニルフ
タロシアニン30重量部を均一に分散混合してなる厚さ
1μmの混合層をバーコート法にてPt基板上に形成し
た。溶剤はテトラヒドロフランを使用した。ついで、結
着樹脂(ポリカーボネート)100重量部に電荷輸送材
料(m−フェニレンジアミン)100重量部を混合分散
してなる厚さ10μmの電荷輸送層を同様にしてオーバ
ーコートして、積層型の感光体を得た。実施例5 (図4の感光体の作製) ポリメチルフェニルシラン100重量部中にチタニルフ
タロシアニン30重量部を均一に分散混合してなる厚さ
8μmの感光層をバーコート法にてPt基板上に形成し
て、単層型の感光層を得た。なお、溶剤はテトラヒドロ
フランを使用した。
【0037】これらの実施例4および5で得られた各感
光体について、前記と同様に帯電特性や熱分解による帯
電特性の変化を調べ、さらに半導体レーザーによる書き
込みと、それに続く帯電、現像を行った。その結果、い
ずれの感光体も、実施例1〜3とほぼ同等の特性を示
し、半導体レーザーによる書き込みにより、高画質の細
線の再現が可能であった。
【0038】
【発明の効果】以上のように、本発明の感光体は、基板
上に、有機ポリシランとオキソ金属フタロシアニン顔料
とを含む感光層を設けたものであるため、この感光体を
使用する画像形成方法においては、当該感光体に光また
は熱による書き込みを行い、その書き込み部分におい
て、上記した有機ポリシランの分解とこれに続くオキソ
金属フタロシアニン顔料の熱分解反応を起こさせ、電荷
注入阻止域を形成することにより、従来のような露光工
程なしに画像形成が可能となり、画像形成プロセスの簡
略化が図れ、低コストで、しかも鮮明な画像を有する多
数枚印刷が可能になる。また、書き込みに当たって、半
導体レーザーを使用すると、装置のコンパクト化と高解
像度も達成できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感光層の一例を示す説明図である。
【図2】本発明の画像形成方法を示す説明図である。
【図3】本発明の感光層の他の例を示す説明図である。
【図4】本発明の感光層のさらに他の例を示す説明図で
ある。
【図5】本発明の実施例で使用したチタニルフタロシア
ニン含有層の膜厚と表面電位との関係(熱処理前後)を
示すグラフである。
【図6】本発明の実施例で使用したチタニルフタロシア
ニン含有層と表面電位との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 基板 2 オキソ金属フタロシアニン顔料の層 3 有機ポリシランの層 4 感光層 5 レーザービーム 9 感光層 10 感光層 10 電荷注入阻止域

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に、有機ポリシランとオキソ金属フ
    タロシアニン顔料とを含む感光層を設けたことを特徴と
    する感光体。
  2. 【請求項2】前記感光層が、基板上に、オキソ金属フタ
    ロシアニン顔料の層と、有機ポリシランの層とをこの順
    に積層した積層型である請求項1記載の感光体。
  3. 【請求項3】前記感光層が、基板上に、オキソ金属フタ
    ロシアニン顔料と有機ポリシランとの混合物を含む単層
    型である請求項1記載の感光体。
  4. 【請求項4】前記感光層が、基板上に、オキソ金属フタ
    ロシアニン顔料と有機ポリシランとの混合物を含む層
    と、電荷輸送層とをこの順に設けた積層型である請求項
    1記載の感光体。
  5. 【請求項5】請求項1記載の感光層への光または熱によ
    る書き込みにより、この感光層に含まれる有機ポリシラ
    ンの分解とこれに続くオキソ金属フタロシアニン顔料の
    熱分解反応とを起こさせて、書き込み部分を電荷注入阻
    止域に変換させる画像形成用版作成工程と、 得られた版を帯電し、現像し、ついで現像された像を転
    写する工程とからなる多数枚印刷が可能な画像形成方
    法。
  6. 【請求項6】前記書き込みがレーザー照射により行われ
    る請求項5記載の画像形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09311483A (ja) * 1996-05-20 1997-12-02 Ricoh Co Ltd 画像形成法
JP2005266809A (ja) * 2004-03-15 2005-09-29 Xerox Corp 画像形成部材

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