JPH06196171A - 固体高分子型燃料電池 - Google Patents
固体高分子型燃料電池Info
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- JPH06196171A JPH06196171A JP4345928A JP34592892A JPH06196171A JP H06196171 A JPH06196171 A JP H06196171A JP 4345928 A JP4345928 A JP 4345928A JP 34592892 A JP34592892 A JP 34592892A JP H06196171 A JPH06196171 A JP H06196171A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高い放電特性を示し、かつ寿命特性の優れた
固体高分子型燃料電池を提供することを目的とする。 【構成】 本発明は炭素微粉末上に高分散された貴金属
からなる触媒を用いた固体高分子型燃料電池であって、
細孔容積の25%以上を直径25〜70Åの細孔が占め
る炭素微粉末を担体に用いることによって、炭素微粉末
上の反応に有効なサイトに高活性な貴金属粒子を微粒子
状態のまま担持させることができる。また比表面積が8
00m2/g以上である炭素微粉末を用いることによ
り、炭素微粉末上に吸着した貴金属粒子をより高分散な
状態で担持することができ、触媒活性を向上させ、電池
の放電特性を向上させることができる。さらにアセチレ
ンを原料とする不純物の含有量が少ない炭素微粉末を用
いることにより、寿命特性を向上させることができる。
固体高分子型燃料電池を提供することを目的とする。 【構成】 本発明は炭素微粉末上に高分散された貴金属
からなる触媒を用いた固体高分子型燃料電池であって、
細孔容積の25%以上を直径25〜70Åの細孔が占め
る炭素微粉末を担体に用いることによって、炭素微粉末
上の反応に有効なサイトに高活性な貴金属粒子を微粒子
状態のまま担持させることができる。また比表面積が8
00m2/g以上である炭素微粉末を用いることによ
り、炭素微粉末上に吸着した貴金属粒子をより高分散な
状態で担持することができ、触媒活性を向上させ、電池
の放電特性を向上させることができる。さらにアセチレ
ンを原料とする不純物の含有量が少ない炭素微粉末を用
いることにより、寿命特性を向上させることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は燃料として純水素、また
はメタノールや化石燃料からの改質水素などの還元剤を
用い、空気や酸素を酸化剤とする固体高分子型燃料電池
に関するものである。
はメタノールや化石燃料からの改質水素などの還元剤を
用い、空気や酸素を酸化剤とする固体高分子型燃料電池
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】固体高分子型燃料電池は作動温度が60
〜150℃と低いため、電極には高活性な貴金属触媒、
とくに白金触媒が用いられている。その特性向上にはそ
の電極に用いる貴金属触媒の形態及びその分散状態が関
与するところが大きく、特に炭素微粉末上に高活性な貴
金属粒子を高分散な状態で担持させることが重要な技術
とされる。従って貴金属触媒の担持方法に関しても多く
の研究がなされている。例えば、貴金属粒子を高分散の
状態で炭素微粉末上に担持させるために担体である炭素
微粉末の三次元構造を破壊し、貴金属粒子の吸着サイト
を増加させる方法が提案されていた(特開昭63−31
9050号公報)。また、固体高分子型燃料電池と同じ
く低温で作動し、貴金属触媒を用いるメタノール燃料電
池用のメタノール酸化触媒については、20〜40Åの
貴金属のコロイド粒子を調製し、そのコロイド粒子を市
販の50〜300m2/gの比表面積を持つ炭素微粉末
上に沈着させる方法(特開昭63−97232号公報)
や、担体となる炭素微粉末の細孔分布や比表面積に関す
る報告がされていた(特開平3−101057号公
報)。
〜150℃と低いため、電極には高活性な貴金属触媒、
とくに白金触媒が用いられている。その特性向上にはそ
の電極に用いる貴金属触媒の形態及びその分散状態が関
与するところが大きく、特に炭素微粉末上に高活性な貴
金属粒子を高分散な状態で担持させることが重要な技術
とされる。従って貴金属触媒の担持方法に関しても多く
の研究がなされている。例えば、貴金属粒子を高分散の
状態で炭素微粉末上に担持させるために担体である炭素
微粉末の三次元構造を破壊し、貴金属粒子の吸着サイト
を増加させる方法が提案されていた(特開昭63−31
9050号公報)。また、固体高分子型燃料電池と同じ
く低温で作動し、貴金属触媒を用いるメタノール燃料電
池用のメタノール酸化触媒については、20〜40Åの
貴金属のコロイド粒子を調製し、そのコロイド粒子を市
販の50〜300m2/gの比表面積を持つ炭素微粉末
上に沈着させる方法(特開昭63−97232号公報)
や、担体となる炭素微粉末の細孔分布や比表面積に関す
る報告がされていた(特開平3−101057号公
報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の貴金
属触媒では、固体高分子型燃料電池用触媒としての担体
となる炭素微粉末に関する検討が十分にされておらず、
炭素微粉末の種類によって貴金属粒子の分散状態が異な
り、十分な放電特性が得られていないという欠点を有し
ていた。また、担体となる炭素微粉末に触媒被毒物質で
ある塩素や硫黄などの不純物が含まれるために十分な寿
命特性が得られていないという欠点を有していた。
属触媒では、固体高分子型燃料電池用触媒としての担体
となる炭素微粉末に関する検討が十分にされておらず、
炭素微粉末の種類によって貴金属粒子の分散状態が異な
り、十分な放電特性が得られていないという欠点を有し
ていた。また、担体となる炭素微粉末に触媒被毒物質で
ある塩素や硫黄などの不純物が含まれるために十分な寿
命特性が得られていないという欠点を有していた。
【0004】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、貴金属触媒の担体となる炭素微粉末の細孔分布、比
表面積などの最適条件をみつけだし、かつ不純物の含有
量が少ない炭素微粉末を用いることによって、高い放電
特性を示し、しかも寿命特性の優れた固体高分子型燃料
電池を提供することを目的とする。
で、貴金属触媒の担体となる炭素微粉末の細孔分布、比
表面積などの最適条件をみつけだし、かつ不純物の含有
量が少ない炭素微粉末を用いることによって、高い放電
特性を示し、しかも寿命特性の優れた固体高分子型燃料
電池を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、本発明は炭素微粉末の全細孔容積を直径25〜70
Åの細孔容積が25%以上を占める炭素微粉末上に高分
散された貴金属からなる触媒を用いたものである。本発
明はまた炭素微粉末の比表面積が800m2/g以上で
あり、上記炭素微粉末はアセチレンを原料とする炭素微
粉末上に高分散された貴金属触媒を正極または負極の少
なくともいずれか一方に用いる固体高分子型燃料電池の
構成を有している。
に、本発明は炭素微粉末の全細孔容積を直径25〜70
Åの細孔容積が25%以上を占める炭素微粉末上に高分
散された貴金属からなる触媒を用いたものである。本発
明はまた炭素微粉末の比表面積が800m2/g以上で
あり、上記炭素微粉末はアセチレンを原料とする炭素微
粉末上に高分散された貴金属触媒を正極または負極の少
なくともいずれか一方に用いる固体高分子型燃料電池の
構成を有している。
【0006】
【作用】この構成によって、炭素微粉末の直径25〜7
5Åの細孔が直径10〜30Åの触媒貴金属粒子の吸着
核となり、炭素微粉末上の反応に有効なサイトに高活性
な貴金属粒子を微粒子状態のまま担持させることができ
る。さらに、上記の範囲の細孔径を持ち、比表面積が8
00m2/g以上である炭素微粉末を用いることによ
り、炭素微粉末上に吸着した貴金属粒子を凝集させるこ
となく、より高分散な状態で担持することができ、触媒
活性を向上させて高い放電特性を有する固体高分子型燃
料電池を得ることができる。さらにアセチレンを原料と
する不純物の含有量が少ない炭素微粉末を用いることに
より、不純物による特性劣化を防ぎ、燃料電池の寿命特
性を向上させることができる。
5Åの細孔が直径10〜30Åの触媒貴金属粒子の吸着
核となり、炭素微粉末上の反応に有効なサイトに高活性
な貴金属粒子を微粒子状態のまま担持させることができ
る。さらに、上記の範囲の細孔径を持ち、比表面積が8
00m2/g以上である炭素微粉末を用いることによ
り、炭素微粉末上に吸着した貴金属粒子を凝集させるこ
となく、より高分散な状態で担持することができ、触媒
活性を向上させて高い放電特性を有する固体高分子型燃
料電池を得ることができる。さらにアセチレンを原料と
する不純物の含有量が少ない炭素微粉末を用いることに
より、不純物による特性劣化を防ぎ、燃料電池の寿命特
性を向上させることができる。
【0007】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明する。
明する。
【0008】表面積の異なる炭素微粉末担体として、導
電性カーボンブラック、アセチレンブラックの中から表
1に示すA、B、C、D、Eの5種類の炭素微粉末を選
定した。炭素微粉末担体の比表面積および細孔容積分布
の測定にはN2吸着装置(カルロエルバ社製ソフトマチ
ック1800)を用いB.E.T法およびB.J.T法
により算出した。
電性カーボンブラック、アセチレンブラックの中から表
1に示すA、B、C、D、Eの5種類の炭素微粉末を選
定した。炭素微粉末担体の比表面積および細孔容積分布
の測定にはN2吸着装置(カルロエルバ社製ソフトマチ
ック1800)を用いB.E.T法およびB.J.T法
により算出した。
【0009】
【表1】
【0010】(実施例1)触媒の調製方法として、まず
塩化白金酸(H2PtCl6)1gの水溶液300mlに
還元剤として亜硫酸水素ナトリウム(NaHSO3)1
0g、コロイド凝集防止剤として過酸化水素(H2O2)
150mlを添加して白金酸化物のコロイドの水溶液1
00mlを加えて生成させた白金コロイドと、比表面積
835m2/gのアセチレンブラックAの分散液とを混
合して白金触媒を担持させた炭素微粉末触媒A’を作製
した。つぎにこのA’とフッ素樹脂により撥水化処理し
た炭素微粉末とを混合し、導電性カーボンペーパーに加
圧成型して電極を作製した。白金触媒量は両極とも電極
面積当たりの白金重量で0.01〜0.5mg/cm2とし
た。つぎに、この電極表面に電極面積当たり0.1〜
3.0mg/cm2のイオン交換樹脂を塗布した。この電極
とイオン交換膜とを120〜150℃、20〜60kg/
cm2でホットプレスして負極とイオン交換膜と正極との
接合を行った。この接合体を用いて、図1に示した固体
高分子型燃料電池の単電池Acを作製した。図1中、1
0はイオン交換膜を示し、本実施例では米国デュポン社
製のNafion117を用いた。11および12はそ
れぞれ負極および正極を示す。
塩化白金酸(H2PtCl6)1gの水溶液300mlに
還元剤として亜硫酸水素ナトリウム(NaHSO3)1
0g、コロイド凝集防止剤として過酸化水素(H2O2)
150mlを添加して白金酸化物のコロイドの水溶液1
00mlを加えて生成させた白金コロイドと、比表面積
835m2/gのアセチレンブラックAの分散液とを混
合して白金触媒を担持させた炭素微粉末触媒A’を作製
した。つぎにこのA’とフッ素樹脂により撥水化処理し
た炭素微粉末とを混合し、導電性カーボンペーパーに加
圧成型して電極を作製した。白金触媒量は両極とも電極
面積当たりの白金重量で0.01〜0.5mg/cm2とし
た。つぎに、この電極表面に電極面積当たり0.1〜
3.0mg/cm2のイオン交換樹脂を塗布した。この電極
とイオン交換膜とを120〜150℃、20〜60kg/
cm2でホットプレスして負極とイオン交換膜と正極との
接合を行った。この接合体を用いて、図1に示した固体
高分子型燃料電池の単電池Acを作製した。図1中、1
0はイオン交換膜を示し、本実施例では米国デュポン社
製のNafion117を用いた。11および12はそ
れぞれ負極および正極を示す。
【0011】(実施例2)実施例1において、触媒担体
である炭素微粉末に比表面積1500m2/gのカーボ
ンブラックBを用いた以外は実施例1と全く同じとし
た。本実施例の触媒担持炭素微粉末B’とし、この触媒
B’を用いて電極を作製し、この電極を用いて作製した
固体高分子型燃料電池の単電池をBcとする。
である炭素微粉末に比表面積1500m2/gのカーボ
ンブラックBを用いた以外は実施例1と全く同じとし
た。本実施例の触媒担持炭素微粉末B’とし、この触媒
B’を用いて電極を作製し、この電極を用いて作製した
固体高分子型燃料電池の単電池をBcとする。
【0012】(比較例1)実施例1において、触媒担体
である炭素微粉末に比表面積1475m2/gのカーボ
ンブラックCを用いた以外は実施例1と全く同じとし
た。本実施例の触媒担持炭素微粉末をC’とし、この触
媒C’を用いて電極を作製し、この電極を用いて作製し
た固体高分子型燃料電池の単電池をCcとする。
である炭素微粉末に比表面積1475m2/gのカーボ
ンブラックCを用いた以外は実施例1と全く同じとし
た。本実施例の触媒担持炭素微粉末をC’とし、この触
媒C’を用いて電極を作製し、この電極を用いて作製し
た固体高分子型燃料電池の単電池をCcとする。
【0013】(比較例2)実施例1において、触媒担体
である炭素微粉末に比表面積58m2/gのアセチレン
ブラックを用いた以外は実施例1と全く同じとした、本
実施例の触媒担持炭素微粉末をD’とし、この触媒D’
を用いて電極を作製し、この電極を用いて作製した固体
高分子型燃料電池の単電池をDcとする。
である炭素微粉末に比表面積58m2/gのアセチレン
ブラックを用いた以外は実施例1と全く同じとした、本
実施例の触媒担持炭素微粉末をD’とし、この触媒D’
を用いて電極を作製し、この電極を用いて作製した固体
高分子型燃料電池の単電池をDcとする。
【0014】(比較例3)実施例1において、触媒担体
である炭素微粉末に比表面積254m2/gのカーボン
ブラックEを用いた以外は実施例1と全く同じとした。
本実施例の触媒担持炭素微粉末をE’とし、この触媒
E’を用いて電極を作製し、この電極を用いて作製した
固体高分子型燃料電池の単電池をEcとする。
である炭素微粉末に比表面積254m2/gのカーボン
ブラックEを用いた以外は実施例1と全く同じとした。
本実施例の触媒担持炭素微粉末をE’とし、この触媒
E’を用いて電極を作製し、この電極を用いて作製した
固体高分子型燃料電池の単電池をEcとする。
【0015】以上本発明の実施例および比較例の単電池
の負極側に90℃の温度で加湿した水素ガスを、正極側
に80℃の温度で加湿した酸素ガスをそれぞれ供給して
放電試験を行った。
の負極側に90℃の温度で加湿した水素ガスを、正極側
に80℃の温度で加湿した酸素ガスをそれぞれ供給して
放電試験を行った。
【0016】図2に本発明の実施例および比較例の単電
池の放電特性を示した。比較例の単電池Cc、Dc、E
cは電流密度200mA/cm2においてそれぞれ0.
58V,0.54V,0.56Vであるのに対し、本実
施例の単電池Ac,Bcは電流密度200mA/cm2
においてそれぞれ0.69V,0.66Vであった。す
なわち、電流密度200mA/cm2においてAc,B
cの電圧はCc,Dc,Ecと比較して約0.1V程高
性能であることがわかる。
池の放電特性を示した。比較例の単電池Cc、Dc、E
cは電流密度200mA/cm2においてそれぞれ0.
58V,0.54V,0.56Vであるのに対し、本実
施例の単電池Ac,Bcは電流密度200mA/cm2
においてそれぞれ0.69V,0.66Vであった。す
なわち、電流密度200mA/cm2においてAc,B
cの電圧はCc,Dc,Ecと比較して約0.1V程高
性能であることがわかる。
【0017】図3に本発明の触媒の炭素微粉末担体の比
表面積と白金粒子径との関係を示した。炭素微粉末担体
の比表面積が増加するほど白金粒子径が小さくなる一般
的な傾向を示した。ここで白金粒子径の測定にはCo吸
着装置(大倉理研(株)製モデルR6015)を用い
た。白金粒子径が小さいほど、即ち触媒表面積が大きい
ほど電極反応の活性が向上し、単電池の放電特性が向上
することが推察されたが、図2に示したように、各単電
池の電流密度200mA/cm2における放電特性は比
表面積の大きい炭素微粉末を用いた単電池が必ずしも高
い特性を示さなかった。
表面積と白金粒子径との関係を示した。炭素微粉末担体
の比表面積が増加するほど白金粒子径が小さくなる一般
的な傾向を示した。ここで白金粒子径の測定にはCo吸
着装置(大倉理研(株)製モデルR6015)を用い
た。白金粒子径が小さいほど、即ち触媒表面積が大きい
ほど電極反応の活性が向上し、単電池の放電特性が向上
することが推察されたが、図2に示したように、各単電
池の電流密度200mA/cm2における放電特性は比
表面積の大きい炭素微粉末を用いた単電池が必ずしも高
い特性を示さなかった。
【0018】
【表2】
【0019】表2に炭素微粉末A、BおよびCの直径2
5〜70Åの細孔容積の全細孔容積に対する割合を示し
た。また、図4に炭素微粉末A〜Eの細孔容積の分布を
示した。高い特性を示した順に、その電池に使用した炭
素微粉末の直径25〜70Åの占める細孔容積の割合が
大きくなっている。また、炭素微粉末Aと比較してB及
びCは約2倍の比表面積を有するが、25〜70Åの細
孔容積の全細孔容積に対する割合はAよりも小さく、そ
の比表面積の多くが25Å以下の細孔で占められてい
る。特に炭素微粉末Cは1475m2/gの比表面積を
有するが、直径25〜70Åの細孔の占める容積の全細
孔容積に対する割合が11.6%とかなり低いため、触
媒反応への担体の効果が小さくなっている。よって、触
媒反応には直径25〜70Åの細孔に担持された触媒が
寄与しており、本発明の直径25〜70Åの細孔によっ
て表面積の大部分を占める炭素微粉末を用いた触媒が有
効であると考えられる。本実施例では特に、直径25〜
70Åの細孔部の容積が全細孔容積の30%以上を占め
る炭素微粉末を用いた触媒が効果的であったが、25%
以上であれば同様の効果が得られた。
5〜70Åの細孔容積の全細孔容積に対する割合を示し
た。また、図4に炭素微粉末A〜Eの細孔容積の分布を
示した。高い特性を示した順に、その電池に使用した炭
素微粉末の直径25〜70Åの占める細孔容積の割合が
大きくなっている。また、炭素微粉末Aと比較してB及
びCは約2倍の比表面積を有するが、25〜70Åの細
孔容積の全細孔容積に対する割合はAよりも小さく、そ
の比表面積の多くが25Å以下の細孔で占められてい
る。特に炭素微粉末Cは1475m2/gの比表面積を
有するが、直径25〜70Åの細孔の占める容積の全細
孔容積に対する割合が11.6%とかなり低いため、触
媒反応への担体の効果が小さくなっている。よって、触
媒反応には直径25〜70Åの細孔に担持された触媒が
寄与しており、本発明の直径25〜70Åの細孔によっ
て表面積の大部分を占める炭素微粉末を用いた触媒が有
効であると考えられる。本実施例では特に、直径25〜
70Åの細孔部の容積が全細孔容積の30%以上を占め
る炭素微粉末を用いた触媒が効果的であったが、25%
以上であれば同様の効果が得られた。
【0020】図5に本発明の実施例および比較例の単電
池の定電流放電(200mA/cm 2)における電池電
圧を示した。本発明の実施例Acおよび比較例Dcは1
000時間経過後も電圧は低下しなかったが、実施例B
cおよび比較例Cc、Ecは徐々に電圧が低下した。
池の定電流放電(200mA/cm 2)における電池電
圧を示した。本発明の実施例Acおよび比較例Dcは1
000時間経過後も電圧は低下しなかったが、実施例B
cおよび比較例Cc、Ecは徐々に電圧が低下した。
【0021】
【表3】
【0022】表3に本実施例および比較例の炭素微粉末
A、E、および触媒A’、E’の蛍光X線分析の結果を
示す。本発明の実施例のアセチレンブラック系の炭素微
粉末Aにはごく微量の硫黄が含まれているが塩素は全く
含まれていなかった。触媒A’は硫黄、塩素は全く含ま
れなかった。一方比較例のカーボンブラック系の炭素微
粉末Eには硫黄、塩素がともに大量に含まれており、触
媒E’には硫黄が残留している。また、本発明及び比較
例の触媒担持炭素微粉末を80℃の硫酸(1.5M)中
に浸漬し、耐久性を検討したところ、カーボンブラック
系の炭素微粉末はアセチレンブラック系の炭素微粉末に
比べて腐食劣化する傾向が見られた。
A、E、および触媒A’、E’の蛍光X線分析の結果を
示す。本発明の実施例のアセチレンブラック系の炭素微
粉末Aにはごく微量の硫黄が含まれているが塩素は全く
含まれていなかった。触媒A’は硫黄、塩素は全く含ま
れなかった。一方比較例のカーボンブラック系の炭素微
粉末Eには硫黄、塩素がともに大量に含まれており、触
媒E’には硫黄が残留している。また、本発明及び比較
例の触媒担持炭素微粉末を80℃の硫酸(1.5M)中
に浸漬し、耐久性を検討したところ、カーボンブラック
系の炭素微粉末はアセチレンブラック系の炭素微粉末に
比べて腐食劣化する傾向が見られた。
【0023】以上のことよりカーボンブラック系の炭素
微粉末を担体とした触媒担持炭素微粉末は触媒被毒物質
である硫黄を含有するため貴金属触媒の被毒が起こり、
電池電圧の低下が起こると考えられる。一方、アセチレ
ンブラック系の炭素微粉末を担体とした触媒担持炭素微
粉末は触媒被毒物質である塩素や硫黄を含有しないため
に貴金属触媒の被毒が起こらず、電池電圧の低下は起こ
らない。従って電池の寿命特性を考慮すると、固体高分
子型燃料電池にはより不純物の少ない炭素微粉末、例え
ばアセチレンブラック系の炭素微粉末を触媒担体として
用いた貴金属触媒が有効であると考えられる。
微粉末を担体とした触媒担持炭素微粉末は触媒被毒物質
である硫黄を含有するため貴金属触媒の被毒が起こり、
電池電圧の低下が起こると考えられる。一方、アセチレ
ンブラック系の炭素微粉末を担体とした触媒担持炭素微
粉末は触媒被毒物質である塩素や硫黄を含有しないため
に貴金属触媒の被毒が起こらず、電池電圧の低下は起こ
らない。従って電池の寿命特性を考慮すると、固体高分
子型燃料電池にはより不純物の少ない炭素微粉末、例え
ばアセチレンブラック系の炭素微粉末を触媒担体として
用いた貴金属触媒が有効であると考えられる。
【0024】また、本発明では、貴金属触媒として塩化
白金酸を用いたが、他の貴金属塩を用いても、酸化還元
されやすい材料については同様の効果が期待できる。さ
らに本実施例では、固体高分子型燃料電池の一例として
水素−酸素燃料電池を取り上げたが、メタノール、天然
ガスやナフサなどを燃料とする改質水素を用いた燃料電
池、また、酸化剤として空気を用いた燃料電池に適用す
ることも可能である。
白金酸を用いたが、他の貴金属塩を用いても、酸化還元
されやすい材料については同様の効果が期待できる。さ
らに本実施例では、固体高分子型燃料電池の一例として
水素−酸素燃料電池を取り上げたが、メタノール、天然
ガスやナフサなどを燃料とする改質水素を用いた燃料電
池、また、酸化剤として空気を用いた燃料電池に適用す
ることも可能である。
【0025】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、炭素微
粉末上の反応に有効なサイトに、高活性な貴金属粒子を
微粒子状態のまま担持させることができ、さらに、25
〜70Åの細孔が占める容積が全細孔容積の25%以上
を占め、かつ比表面積が800m2/g以上である炭素
微粉末を用いることにより、炭素微粉末上に吸着した貴
金属粒子を凝集させることなくより高分散な状態で担持
することができる。さらにより不純物の少ないアセチレ
ン系の炭素微粉末を触媒担体に用いることにより、不純
物による特性劣化を防ぐことができる。よって、優れた
放電特性を持ち、寿命特性の優れた固体高分子型燃料電
池を提供できる。
粉末上の反応に有効なサイトに、高活性な貴金属粒子を
微粒子状態のまま担持させることができ、さらに、25
〜70Åの細孔が占める容積が全細孔容積の25%以上
を占め、かつ比表面積が800m2/g以上である炭素
微粉末を用いることにより、炭素微粉末上に吸着した貴
金属粒子を凝集させることなくより高分散な状態で担持
することができる。さらにより不純物の少ないアセチレ
ン系の炭素微粉末を触媒担体に用いることにより、不純
物による特性劣化を防ぐことができる。よって、優れた
放電特性を持ち、寿命特性の優れた固体高分子型燃料電
池を提供できる。
【図1】固体高分子型燃料電池の単電池の断面図
【図2】本発明の実施例および比較例の固体高分子型燃
料電池の電流−電圧特性を示した図
料電池の電流−電圧特性を示した図
【図3】本発明の実施例および比較例の炭素微粉末の比
表面積と白金粒子径の関係を示した図
表面積と白金粒子径の関係を示した図
【図4】本発明の実施例および比較例の炭素微粉末の細
孔容積の分布を示した図
孔容積の分布を示した図
【図5】本発明の実施例および比較例の単電池の定電流
放電特性を示した図
放電特性を示した図
10 イオン交換膜 11 負極 12 正極
Claims (4)
- 【請求項1】直径25〜70Åの細孔の占める容積が全
細孔容積の25%以上である炭素微粉末上に高分散され
た貴金属からなる触媒を用いた固体高分子型燃料電池。 - 【請求項2】比表面積が800m2/g以上の炭素微粉
末を用いる請求項1記載の固体高分子型燃料電池。 - 【請求項3】硫黄を含有しない炭素微粉末を用いる請求
項1記載の固体高分子型燃料電池。 - 【請求項4】アセチレンを原料とする炭素微粉末を用い
る請求項1記載の固体高分子型燃料電池。
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP34592892A JP3407320B2 (ja) | 1992-12-25 | 1992-12-25 | 固体高分子型燃料電池 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP34592892A JP3407320B2 (ja) | 1992-12-25 | 1992-12-25 | 固体高分子型燃料電池 |
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| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06196171A true JPH06196171A (ja) | 1994-07-15 |
| JP3407320B2 JP3407320B2 (ja) | 2003-05-19 |
Family
ID=18379950
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP34592892A Expired - Fee Related JP3407320B2 (ja) | 1992-12-25 | 1992-12-25 | 固体高分子型燃料電池 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3407320B2 (ja) |
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| JP2007021423A (ja) * | 2005-07-20 | 2007-02-01 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | シャープな細孔径分布を有する多孔質炭素と金属ナノ微粒子の複合体 |
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| CN100344021C (zh) * | 2005-08-23 | 2007-10-17 | 天津大学 | 制备铂/碳催化剂的无机胶体方法 |
| EP1022795A4 (en) * | 1998-06-16 | 2008-01-23 | Univ Yamanashi Nat Univ Corp | CATALYST FOR SOLID ELECTROLYTE POLYMER TYPE FUEL CELL AND PROCESS FOR PRODUCING CATALYST FOR SUCH A BATTERY |
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| WO2014175107A1 (ja) | 2013-04-25 | 2014-10-30 | 日産自動車株式会社 | 触媒ならびに当該触媒を用いる電極触媒層、膜電極接合体および燃料電池 |
| WO2018155220A1 (ja) * | 2017-02-23 | 2018-08-30 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 膜電極接合体および燃料電池 |
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| US10535881B2 (en) | 2013-04-25 | 2020-01-14 | Nissan Motor Co., Ltd. | Catalyst and electrode catalyst layer, membrane electrode assembly, and fuel cell using the catalyst |
| US10573901B2 (en) | 2013-04-25 | 2020-02-25 | Tanaka Kikinzoku Kogyo K.K. | Catalyst and manufacturing method thereof, and electrode catalyst layer using the catalyst |
-
1992
- 1992-12-25 JP JP34592892A patent/JP3407320B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| US11031604B2 (en) | 2013-04-25 | 2021-06-08 | Nissan Motor Co., Ltd. | Catalyst and electrode catalyst layer, membrane electrode assembly, and fuel cell using the catalyst |
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| JPWO2018155220A1 (ja) * | 2017-02-23 | 2019-12-12 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 膜電極接合体および燃料電池 |
| US11569519B2 (en) | 2017-02-23 | 2023-01-31 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Membrane electrode assembly and fuel cell |
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