JPH06198802A - 加工性にすぐれた複合型制振材料 - Google Patents

加工性にすぐれた複合型制振材料

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JPH06198802A
JPH06198802A JP4348841A JP34884192A JPH06198802A JP H06198802 A JPH06198802 A JP H06198802A JP 4348841 A JP4348841 A JP 4348841A JP 34884192 A JP34884192 A JP 34884192A JP H06198802 A JPH06198802 A JP H06198802A
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resin layer
vibration damping
damping material
polyester
acid
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JP4348841A
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Yasunobu Uchida
田 康 信 内
Kunihiko Eguchi
口 邦 彦 江
Seiji Sakamoto
本 誠 司 坂
Hidetaka Sugibe
辺 英 孝 杉
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】常温付近、具体的には20〜40℃の範囲で優
れた制振性能を有し、かつ良好な成形加工性を有する複
合型制振材料を提供することを目的としている。 【構成】複合型制振材料用樹脂組成物を二枚の金属板間
に中間樹脂層として挟持した複合型制振材料であって、
前記中間樹脂層がポリエステルおよび多価イソシアナー
ト化合物との反応物を主成分とする反応硬化樹脂層と、
ポリエステルを主成分とする未反応樹脂層の2層構造を
形成していることを特徴とする

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二枚の鋼板の間に樹脂
層を形成してなる複合型制振鋼板のような制振材料に関
するもので、特に常温とその近傍の広い温度域において
優れた制振作用と良好な加工性を有する複合型制振材料
に関する。
【0002】
【従来の技術】複合型制振鋼板は、二枚の鋼板の間に粘
弾性樹脂(以下、中間樹脂という)層を介在させ、その
中間樹脂層により鋼板に加えられる振動を熱エネルギー
に変換する騒音防止材料である。この複合型制振鋼板
は、最近の騒音規制に対するニーズに対応し、自動車の
オイルパン、階段、ドア、床材などの建材、モーター、
コンプレッサーカバーなどに使用もしくは検討されてい
る。
【0003】一般に、このような複合型制振材料の制振
性能は中間樹脂層の性能に依存している。この制振性能
を損失係数(η)で表すと、この制振性能はある一定温
度でピークを示す特性を示し、このピーク特性温度の近
傍で使用するのが最も効果的であることが知られてい
る。
【0004】この制振鋼板の中間樹脂として従来より、
ポリウレタン(特開昭47−19277号)、ポリエス
テル(特開昭50−143880号)、ポリアミド(特
開昭51−79146号)、ポリイソブチレン(特開昭
54−43251号)、エチレン/α−オレフィン(特
開昭55−84655号)、EVA(特開昭57−34
949号)、架橋ポリオレフィン(特開昭59−152
847号)、ポリビニルアセタール(特開昭60−88
149号)などが検討されており、アスファルト、合成
ゴム、アクリル系粘着剤、エポキシ樹脂なども制振性能
を有することが知られている。これらのうち、アクリル
系粘着剤、合成ゴム(イソブチレンゴム)、EVA等の
常温で柔軟な樹脂は常温付近の温度で比較的制振性を有
するが、常温における樹脂の凝集力が弱いため、接着強
度が小さく、当該樹脂を用いた制振鋼板は成形加工に耐
えられず、かつ耐熱性もないため、これらの制振鋼板は
平板に近い状態で使用される建材用途に利用されるのみ
であった。
【0005】また、共重合、ブレンド等により変成され
たポリオレフィン系樹脂、例えば、エチレン/α−オレ
フィン樹脂などは、前者に比べ50〜100℃の高温側
で比較的制振性に優れ、常温における樹脂の凝集力が強
く、成形加工に対する対応もあるため、当該樹脂を用い
た制振鋼板は自動車のオイルパン等の高温で使用される
用途の制振鋼板に適しているといわれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、両者と
もその用途を限定したとしても、制振性能や接着性能に
おいて十分に満足すべき水準に達しているものとはいえ
ず、さらに、自動車ボディー廻りや家電製品に要求され
る常温付近における高い制振性能と、深絞りや曲げ等の
成形加工性を同時に満足できる樹脂はいまだ見出されて
いない。
【0007】本発明は上記問題点を解決し、常温付近、
具体的には20〜40℃の範囲で優れた制振性能を有
し、かつ良好な成形加工性を有する複合型制振材料を提
供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、複合型制振材料用樹脂組成物を二
枚の金属板間に中間樹脂層として挟持した複合型制振材
料であって、前記中間樹脂層がポリエステルおよび多価
イソシアナート化合物との反応物を主成分とする反応硬
化樹脂層と、ポリエステルを主成分とする未反応樹脂層
の2層構造を形成していることを特徴とする加工性にす
ぐれた複合型制振材料が提供される。ここで、前記中間
樹脂層は、さらに導電性物質を含有するのが好ましい。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
【0009】本発明の複合型制振材料(以下、制振材料
という)は、基本的に、鋼板等の金属板の間に、中間樹
脂層が配されて構成される。本発明の制振材料に適用さ
れる金属板は、特に限定されず、冷間圧延鋼板、クロメ
ート処理鋼板、亜鉛系めっき鋼板、リン酸塩処理鋼板な
どの表面処理鋼板、銅板、アルミ板、ステンレス板、チ
タン板などのいずれであってもよく、また、コイル状原
板、切り板のいずれであってもよい。その板厚は、特に
限定されないが、成形加工性と保形性を考慮すれば、
0.2〜2mmのものが好ましい。
【0010】このような金属板の間に配される中間樹脂
層は、飽和共重合ポリエステル(以下、ポリエステルと
いう)が多価イソシアナート化合物(以下、イソシアナ
ート化合物という)によって架橋されてなる反応硬化樹
脂層と、未反応樹脂層の2層構造を形成している。
【0011】従来、飽和共重合ポリエステルは、そのシ
ャープな溶融挙動から、樹脂そのものの粘弾性を示す温
度が狭いため、良好な制振性能を発現する温度も特定の
狭い温度域に限定されており、かつ粘弾性を示す温度域
においては凝集力が不足するため実用上制振性を示す温
度においてさえ、接着強度が弱く、従ってそれ以上の温
度においては十分な強度が得られなかったが、本発明者
等は、特定のポリエステルと多価イソシアナート化合物
とからなる中間樹脂層を、硬化剤との反応硬化樹脂層と
未反応樹脂層との2層構造とすることで、常温における
良好な制振性能すなわち損失係数の値が大きく、かつ極
めて良好な成形加工性を有する制振材料を得ることがで
きた。
【0012】また、本発明に用いる樹脂は、二枚の金属
板と積層加工される場合においても、低分子量の通常液
状のポリエステルやポリエーテルとイソシアナート化合
物よりなる二液ポリウレタンや硬化型のエポキシ樹脂な
どの反応型の樹脂のように長い加熱時間を必要とせず、
積層加工時の樹脂の流れ出しなどの問題がなく、またポ
リウレタン樹脂や変成ポリオレフィン樹脂などの樹脂そ
のものの熱可塑性を利用して接着する場合のように、使
用時さらされる温度以上の融点を必須とするための不可
欠な高い積層温度と積層圧力を必要とせず、実用温度以
下の積層温度においてさえも、なお高い接着強度が得ら
れ、極めて良好な加工性を有するなどの優れた作用効果
を奏するものである。
【0013】このような中間樹脂層のうちの反応硬化樹
脂層を形成する第一の必須構成成分および未反応樹脂層
を形成する必須構成成分は、主剤である(飽和共重合)
ポリエステルである。
【0014】本発明に用いるポリエステルは、粘弾性ス
ペクトロメーターにより測定したガラス転移温度が40
℃以下のものが好ましい。ガラス転移温度が40℃を超
えるものは、常温付近での制振性能が低いばかりでな
く、接着性能(以下、接着性という)も不十分な場合が
多い。さらに好ましくは20℃以下のものである。
【0015】また、制振材料の製造時の加工性を考慮す
ると、本発明に用いるポリエステルとしては、トルエ
ン、MEK、酢酸エチルなどの汎用溶剤に可溶であるも
のが好ましい。ポリエステルとして汎用溶剤に可溶のも
のを用いると、制振材料の製造工程において、このポリ
エステルを溶剤に溶解して液状とすることにより、金属
板への塗工が容易になり、得られる中間樹脂層へのガス
巻き込みが無くなる。さらには、複合型制振材料加工時
のスポット溶接性付与のために中間樹脂層中に添加する
導電性粉末やフィラー、各種添加剤の添加、混合が容易
になる。
【0016】ここで、本発明においてポリエステルとは
下記のような化合物をいう。すなわち、ジメチルテレフ
タル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸などの
芳香族二塩基酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、
β−メチルアジピン酸、ピメリン酸、1,6−ヘキサン
ジカルボン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ノナンジカ
ルボン酸、デカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボ
ン酸などの脂肪族二塩基酸等のうちの1種以上と;エチ
レングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−
プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−
ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−
ペンタンジオール、3−メチルペンタンジオール、1,
3−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
1,4−シクロヘキサンジオール、水添ビスフェノール
A、ジエチレングコール、トリエチレングリコール、ポ
リエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、ポリテトラメチレングコールな
どのグリコール類もしくはその残基形成誘導体等のうち
の1種以上とから合成される飽和共重合ポリエステル、
あるいはカプロラクトンより合成される飽和共重合ポリ
エステルである。
【0017】本発明で用いるポリエステルとして好まし
いものは、酸成分のうち、テレフタル酸残基が30〜9
0モル%のものである。酸成分のうち、テレフタル酸残
基が30モル%未満のものからなる飽和共重合ポリエス
テルは、凝集力が不足し、接着強度が弱くなったり、積
層接着直後の強度が得にくく、加工時のトラブルになる
場合がある。また、90モル%を超えるものは、同様に
接着性が低下する恐れがあり好ましくない。酸成分とし
てテレフタル酸残基を上記の範囲で用いた際に併用され
る二塩基酸としては、前述の芳香族二塩基酸または脂肪
族二塩基酸があげられるが、好ましいものは、一種以上
の脂肪族二塩基酸、特にアジピン酸、セバチン酸であ
る。
【0018】また、本発明で用いるポリエステルとして
好ましいものは、グリコール成分のうち、エチレングリ
コール残基が30〜80モル%のものである。グリコー
ル成分のうち、エチレングコール残基が30モル%未満
のものからなる飽和共重合ポリエステルは、接着性が低
く、80モル%を超えるものは、同様に接着性が低いば
かりか、良好な制振性能が得られない恐れがある。グリ
コール成分として、エチレングコール残基を上記の範囲
で用いた際に併用されるグリコール成分としては、前述
のグリコール類が挙げられるが、より好ましいものは、
炭素数6のヘキサンジオール系グリコールまたはポリエ
チレングコール、ポリテトラメチレングリコールなどの
ポリオキシアルキレングリコールである。
【0019】なお、ポリエステルとして、たとえば、マ
レイン酸、フマル酸、ダイマー酸などの不飽和脂肪酸、
トリメリット酸などの二官能性を超える脂肪酸、トリメ
チロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの二官能
性を超える水酸基を有する化合物を共重合したものも使
用可能であるが、これらのモノマーは接着性が低かった
り、接着耐久性が悪かったり、制振性能そのものが低い
場合であるため、このようなポリエステルは、本発明の
特徴を損なわない範囲での使用が好ましい。
【0020】本発明に適用されるポリエステルは通常の
方法で合成されたものでよく、一例を挙げれば、その合
成方法は以下の通りである。前述の二塩基酸や多塩基酸
と、グリコール等とのエステル化反応、およびそれに引
き続く高温減圧下で過剰のグリコールを留去しながらの
エステル交換反応により合成するか、または、あらかじ
め合成されたポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート等を所望の二塩基酸等および過剰のグ
リコール等の存在下に解重合し、同様にエステル交換反
応により合成すればよい。
【0021】より具体的には、例えば、二塩基酸とグリ
コールを主原料とし、150〜220℃に加熱しなが
ら、常圧下で、主として金属塩よりなる触媒の存在下
で、エステル交換反応によりオリゴエステル化を行い、
引き続き、常圧または減圧下で、200〜270℃に加
熱して過剰のグリコールを留去することにより、高分子
量化したポリエステルを合成できる。ポリエステルの合
成に際し、グリコールは所望するポリエステル組成中に
おける量の1.5〜2.0倍を添加して合成することが
好ましい。なお、この時生成するポリエステルの組成
は、 1H−NMRにより、モノマー残基のモル比を測定
することによって調整され得る。また、重合触媒は、テ
トラ−n−ブトキシチタン、酢酸亜鉛、三酸化アンチモ
ン、シュウ酸チタン酸カリなどの金属塩よりなる通常の
触媒から適宜選択される。
【0022】中間樹脂層のうちの反応硬化樹脂層を形成
する第二の必須成分は、イソシアナート化合物である。
本発明に用いるイソシアナート化合物は、分子内に少な
くとも2個以上のイソシアナート基を有する公知のイソ
シアナート化合物が各種例示され、特に限定はない。
【0023】具体的には、2,4−トリレンジイソシア
ナート、2,6−トリレンジイソシアナート(通称TD
I)、メチレン−ビス−4−フェニルイソシアナート
(通称MDI)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシ
アナートまたはポリオール変成MDIなどのMDI誘導
体、ヘキサメチレンジイソシアナート(通称HDI)お
よびその誘導体、イソホロンジイソシアナート(通称I
PDI)およびその誘導体、TDIをトリメチロールプ
ロパンなどに付加したTDI系アダクトポリイソシアナ
ート、例えば市販品として、コロネートL、コロネート
HL(以上日本ポリウレタン工業製)、ディスモフェン
L、ディスモジュールN(住友バイエルウレタン製)、
あらかじめ反応させた重合ポリイソシアナート、例えば
市販品として、スプラセック3240、3250、コロ
ネート2030、2031(日本ポリウレタン工業
製)、ディスモジュールIL、HL(住友バイエルウレ
タン製)、イソシアナートをカプロラクタム等でマスキ
ングしたブロックドイソシアナート、あらかじめ低分子
量ポリエーテルと前述の多価イソシアナートとを反応さ
せた末端イソシアナートプレポリマーなどを挙げること
ができ、それらのいずれもが使用可能であるが、接着性
を向上させることが顕著なことから、本発明にとり好ま
しいのはアダクトポリイソシアナートおよび重合ポリイ
ソシアナートである。
【0024】飽和共重合ポリエステルに対する多価イソ
シアナート化合物の添加量は、中間樹脂層の内、反応硬
化樹脂層とする側においては、樹脂の重量平均分子量よ
り計算した飽和共重合ポリエステル中の水酸基1当量に
対し、0.1〜10.0当量が好ましい。多価イソシア
ナート化合物の添加量が0.1当量未満の場合は樹脂層
全体の接着強度が極めて小さいため、成形加工時の剥が
れ、ずれ、および焼き付け塗装時の樹脂の流れ出し等の
問題を生じる。また、多価イソシアナート化合物の添加
量が10.0当量を超えた場合は常温近傍の制振性能が
大幅に低下する。
【0025】なお、中間樹脂の内、未反応樹脂層とする
側においては、多価イソシアナート化合物は添加しな
い。
【0026】前記反応硬化樹脂層は、上記のポリエステ
ルがイソシアナート化合物によって架橋されてなる粘弾
性樹脂を中間樹脂層に有するものであるが、この粘弾性
樹脂は、ポリエステルとイソシアナート化合物とを含有
する樹脂組成物が加熱処理を受け、ポリエステルの水酸
基とイソシアナート化合物のイソシアナート基が反応す
ることで生成される。
【0027】反応硬化樹脂層の架橋密度には特に限定は
なく、適用用途における必要特性に応じて自由に設定す
ればよい。一般的に架橋密度が低い方が制振性に優れ、
逆に高いものは接着性および耐熱性に優れる。
【0028】なお、反応硬化樹脂層の特徴を良好に発揮
させるという観点からは、重量平均分子量に換算した際
の飽和共重合ポリエステルの水酸基1当量に対し、イソ
シアナート化合物中のイソシアナート基が1〜5当量程
度とするのが好ましい。飽和共重合ポリエステルの水酸
基に対するイソシアナート化合物のイソシアナート基の
量を1当量以上とすることにより、反応硬化樹脂層に良
好な凝集力を付与し、優れた接着力を得ることができ、
制振材料を成形加工する際に層間のずれや剥離が生じる
ことがない。一方、同様にイソシアナート基の量を5当
量以下とすることにより、良好な制振性能を発揮し、か
つ、過剰なイソシアナート基と空気中の水分との反応に
よる経時的な特性劣化、特に制振性能やスポット溶接性
の劣化等のない、耐久性に優れる制振材料を得ることが
できる。
【0029】また、反応硬化樹脂層の分子量にも特に限
定はなく、必要特性に応じて適宜設定すればよいが、通
常、重量平均分子量で10,000〜50,000程度
である。なお、分子量が小さすぎると制振性と接着性が
低下し、分子量が大きすぎるとハンドリングや合成が困
難となる。
【0030】本発明において、反応硬化樹脂層は金属板
との強固な密着性と耐熱性の付与を目的とし、未反応樹
脂層は常温付近の極めて良好な制振性能と成形加工時の
樹脂層の剪断変形に耐え得るだけの剪断変形量(剪断伸
び)を付与することを目的としている。
【0031】両層の比率は特に限定されないが、加工性
重視の場合(絞り比が大きい場合)は未反応樹脂層の比
率を大きくし、耐熱性重視の場合は反応硬化樹脂層の比
率を大きくするのが望ましい。
【0032】このような中間樹脂層の層厚には特に限定
はなく、制振材料の用途に応じて適宜設定すればよい
が、通常、20〜150μm程度、好ましくは20〜5
0μm程度である。
【0033】本発明の制振材料の中間樹脂層の必須構成
成分は、以上の通りであるが、このような中間樹脂層に
は必要に応じて種々の添加剤を併用することもできる。
【0034】併用できる添加剤を例示すると、飽和共重
合ポリエステル以外のポリエステル、末端水酸基を有す
るアクリル樹脂、ビスフェノール系エポキシ樹脂、クレ
ゾールノボラック系エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂、
スチレン系、α−メチルスチレン系などのスチレン系樹
脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン系
樹脂、炭化水素系樹脂、芳香族系樹脂、フェノール樹脂
等の粘着性付与樹脂、ポリアルキレングリコールポリエ
ステル系可塑剤、メラミン樹脂、オルガノファンクショ
ナルシラン(通称シランカップリング剤)、過酸化物な
どの架橋剤、金属塩、例えばn−ブチルスズジラウレー
ト、アミン系、グリコール系などのイソシアナート硬化
触媒、鎖延長剤などがある。
【0035】また、フィラーとしては、炭酸カルシウ
ム、タルク、ハードシールなどの無機フィラーが使用可
能である。
【0036】さらに、溶剤としては、トルエン、ME
K、アセトン、キシレン、クロロホルム、MIBK、酢
酸エチル等が使用可能である。
【0037】本発明の制振材料の中間樹脂層(粘弾性樹
脂層)には、充填剤として導電性個体物質を配合するこ
とによって導電性を付与し、複合型制振材料をスポット
溶接可能な材料とすることもできる。
【0038】このような目的で使用される導電性物質と
しては、ステンレス、亜鉛、銅、スズ、ニッケル、黄銅
などの金属を粉末状、フレーク状、ファイバー状、ワイ
ヤー状などに加工した金属物質や、銅あるいはニッケル
などのめっき処理した鉄系金属や、カーボンブラック、
グラファイト、カーボンファイバーなどの導電性炭素物
質などを挙げることができる。これらの導電性物質は、
単独または2種類以上組み合わせて使用することができ
る。なお、導電性物質は、良好な導電性を発現させるた
めには金属物質を選択することが好ましい。
【0039】ところで、導電性物質は、その形状が粉末
状である場合にはその最大粒径を、またフレーク状であ
る場合にはその最大厚みを、さらにファイバー状やワイ
ヤー状である場合はその最大直径を、それぞれの代表長
さを(L)とすると、より良好な導電性を発現させるた
め、代表長さ(L)と導電性物質を有する樹脂層の厚さ
(T)との比(L/T)が0.5以上、好ましくは0.
8以上となるものを用いるのがよい。L/Tの比が0.
5未満では、このような樹脂層を有する複合型制振材料
のスポット溶接性能が低下する。
【0040】さらに、導電性物質の充填量は、中間樹脂
層の0.5〜10体積%を占めるようになる量が好まし
い。0.5体積%未満では、このような中間樹脂層を含
む複合型制振材料のスポット溶接性能が低く、また10
体積%を超えると、スポット溶接性は十分満足される
が、金属板と中間樹脂層との間の接着性や中間樹脂層の
制振性能が低下し好ましくない。さらに好ましい範囲
は、1〜5体積%程度である。
【0041】次に、本発明の制振材料の好適な製造方法
について述べる。本発明で用いる中間樹脂層を製造する
ために用いる樹脂組成物は、ポリエステルとイソシアナ
ート化合物とが別々に保管され、制振材料製造の際に両
者が混合されて使用される、いわゆる主剤と硬化剤とか
らなる二液型接着剤のように使用されるのが一般的であ
る。
【0042】全ての構成成分が混合された樹脂組成物は
溶剤を用いていない場合には、例えば加熱溶融混合によ
る押出しフィルムに成形して、また溶剤を用いている場
合は、離型シート状にコーティングした後、溶剤を留去
し、いわゆるキャスティングフィルムとする。
【0043】そして、それを二枚の金属板の間に積層
し、加熱ロール、熱プレス接着もしくは引き続き冷却ロ
ールまたは冷却プレスにより積層接着することも可能で
あるが、好ましくは、以下の方法が用いられる。すなわ
ち、溶剤中で所定のポリエステル、イソシアナートおよ
び必要に応じ前記その他の添加剤を混合後、直接金属板
の一方に塗布し、また、もう一方の金属板にポリエステ
ルと溶剤との混合溶液またはポリエステルと前記その他
の添加剤と溶剤との混合溶液を塗布し、室温ないし好ま
しくは100〜200℃の温度で加熱して溶剤を留去し
た後、引き続きもしくは放置後、加熱積層接着して製造
する。
【0044】この時、樹脂層の厚みは中間樹脂層の合計
厚みで20〜150μmとすることが好ましい。中間樹
脂層の合計厚みが20μm未満であると制振性能の低下
と接着強度の低下をもたらし、150μmを超えると成
形加工時の表裏金属板のずれや割れの原因となる場合が
ある。
【0045】なお、溶剤としては、前記のように、トル
エン、MEK、アセトン、キシレン、クロロホルム、M
IBK、酢酸エチル等が使用可能である。
【0046】樹脂組成物の金属板への塗工方法は、特に
限定されないが、ロールコーター、スプレー、カーテン
フローコーター、ドクターナイフコーター等が好まし
い。積層接着温度は、通常、樹脂組成物に120〜26
0℃の加熱が与えられるようにすればよく、加熱プレス
の場合2秒間〜2分間程度、加熱ロールの場合には0.
5〜10秒間程度の接触時間であればよい。また、金属
板を予め同温度に加熱し、冷却プレスまたは冷却ロール
により積層接着してもよい。
【0047】このように本発明における中間樹脂は熱可
塑性樹脂と同等の加工条件により、接着温度以上の耐熱
性が得られ、積層接着後直ちに所定の接着性能が得られ
るという特徴を有し、さらに金属板への塗工品のポット
ライフが実用上問題のない長さであるという特徴も有す
る。また、積層加工時、樹脂を溶液状で塗工することが
できる場合には、金属板と樹脂の密着性を高めることが
でき、ガス層の巻き込みを防止できるばかりか、成形金
属板のスポット溶接性を付与する目的で添加される導電
性金属粉、カーボン等の添加を容易にするため、本発明
にとり最も好ましく、本発明における飽和共重合ポリエ
ステルによれば容易に達成しうる。
【0048】以上、本発明の複合型制振材料について詳
細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の変
更および改良を行なってもよいのはもちろんのことであ
る。
【0049】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明
をより詳細に説明する。
【0050】(実施例1〜6)中間樹脂層を得るための
ポリエステルおよびイソシアナート化合物として、下記
のものを用意した。 ポリエステル:テレフタル酸、イソフタル酸、セバチン
酸、エチレングリコール、ネオペンチルグリコールを原
料として用い常法で合成したもの。(重量平均分子量:
20,000、ガラス転移温度:−15℃) ポリエステル:テレフタル酸、セバチン酸、エチレング
リコール、プロピレングリコールを原料として用い常法
で合成したもの。(重量平均分子量:20,000、ガ
ラス転移温度:+5℃) イソシアナート化合物 (日本ポリウレタン工業社製、コロネートLおよびコロ
ネート2030)
【0051】なお、上記ポリエステルのガラス転移温度
(Tg)は下記により表示した。ポリエステルを1mm
厚のシートとし、粘弾性スペクトロメーター(10H
z)により動的弾性率(E’)を測定し、弾性率が低下
しはじめる温度を表示した。
【0052】あらかじめ上記ポリエステルをトルエン、
MEK混合溶剤中に溶解し、固形分30%の溶液とし、
上記イソシアナート化合物を混合し、ロールコーターを
用い、鋼板の片面に所定の膜厚となるように塗布した
(A層)。また、多価イソシアナート化合物を混合しな
いポリエステル溶液をもう一枚の鋼板片面に塗布した
(B層)。二枚の鋼板に塗布後、オーブン(150℃×
1分)で溶剤を留去した。この後樹脂を塗布した鋼板の
塗布面同士を重ね合わせ熱プレス(200℃×1分、圧
力20Kgf/cm2 )で加熱接着し、得られた積層鋼板につ
いて下記の各種試験を行った。
【0053】〔TPS(T−剥離強度)〕得られた複合
型制振材料の試料を25mm幅に裁断し、引張速度20
0mm/分、室温23℃にて、JIS K−6854に
準じて測定した。
【0054】〔加工性〕同様に上記で積層接着したもの
を25mm幅×100mm長に裁断し、4mmφに折り
曲げ加工し、曲げ部に浮きのあるものを×、変化のない
ものを○で表示した(常態)。同様に折り曲げ加工した
ものを150℃のオーブン中に24時間放置したものと
沸水中に24時間浸漬したものを取り出し、浮きが生じ
たものを×、変化のないものを○で表示した。
【0055】〔η〕制振性能の評価として、各複合型制
振材料試料を20mm×300mmのサイズに加工し、
その損失係数(η)を機械インピーダンス法によって測
定し、20℃、1000Hzにおける損失係数を調査し
た。
【0056】結果を表1に示す。なお、前記鋼板は、
0.5mm厚の冷間圧延鋼板(SPCC−SD)を脱脂
して使用した。また、各々の樹脂槽(A,B層)の厚
み、硬化剤の添加量、当量および使用したポリエステル
のTg(ガラス転移温度)を表1に示した。
【0057】前記硬化剤の添加量および当量は下記によ
り表示した。ポリエステル100重量部に対するイソシ
アナート添加量およびポリエステルの重量平均分子量よ
り測定した末端水酸基に基づいてイソシアナート基の当
量部数を算出した。
【0058】
【表1】
【表2】
【0059】上記表1に示される結果より、本発明の複
合型制振材料によれば、用途に応じて中間樹脂層を設定
することにより、必要性能を良好に発揮することがで
き、幅広い用途に好適に適用可能であることがわかる。
【0060】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、本発明の制振材料は、制振作用を発揮させる
ための中間樹脂層として特定の飽和共重合ポリエステル
と多価イソシアナート化合物を併用し、中間樹脂層を硬
化剤との反応硬化物層と未反応樹脂層の2層構造とする
ことにより、常温付近、具体的には20℃から40℃の
温度において優れた制振性を有し、かつ良好な成形加工
性を有する。このため、騒音防止材として、階段、ド
ア、床材などの建材用途はもちろん、自動車のオイルパ
ン、ボディー廻りのダッシュパネル、フロアパネル、ル
ーフパネル等、従来使用が困難であった用途、あるいは
モーター、コンプレッサーカバーなどおよび家電製品ま
で常温近傍で使用される部位用として、自動車業界、土
木建築業界、電機業界等において、幅広く使用できる制
振材料を提供できるものであり、それらの業界に与える
効果は非常に大きなものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16F 15/02 Q 9138−3J // B23K 11/16 320 9265−4E (72)発明者 坂 本 誠 司 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 杉 辺 英 孝 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複合型制振材料用樹脂組成物を二枚の金属
    板間に中間樹脂層として挟持した複合型制振材料であっ
    て、前記中間樹脂層がポリエステルおよび多価イソシア
    ナート化合物との反応物を主成分とする反応硬化樹脂層
    と、ポリエステルを主成分とする未反応樹脂層の2層構
    造を形成していることを特徴とする加工性にすぐれた複
    合型制振材料。
  2. 【請求項2】前記中間樹脂層は、さらに導電性物質を含
    有する請求項1に記載の加工性にすぐれた複合型制振材
    料。
JP4348841A 1992-12-28 1992-12-28 加工性にすぐれた複合型制振材料 Withdrawn JPH06198802A (ja)

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