JPH06200409A - 蓄熱性アクリル系合成繊維及びその製造方法 - Google Patents

蓄熱性アクリル系合成繊維及びその製造方法

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JPH06200409A
JPH06200409A JP1692093A JP1692093A JPH06200409A JP H06200409 A JPH06200409 A JP H06200409A JP 1692093 A JP1692093 A JP 1692093A JP 1692093 A JP1692093 A JP 1692093A JP H06200409 A JPH06200409 A JP H06200409A
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JP
Japan
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polymer
copolymer
heat
acrylic synthetic
constituent unit
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JP1692093A
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Toshihiro Yamamoto
俊博 山本
Yasuaki Nakayama
安明 中山
Toshiharu Yashiro
敏晴 八代
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Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
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  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐洗濯性を有しかつ繊維加工条件の範囲が広
い蓄熱性に優れたアクリル系合成繊維及びかかるアクリ
ル系合成繊維を工業的容易に且つ安価に製造する方法を
提供する。 【構成】 アクリロニトリルを主要な構成単位とする共
重合体(A)と、該重合体(A)と混和性がありかつ非
相溶性の重合体(B)から成るアクリル系合成繊維にお
いて、上記重合体(B)が相分離状態で存在しており、
かつ固体−液体相転移を有する蓄熱剤(C)を重合体
(B)中に主として含有している事を特徴とし、またそ
の製造方法はアクリル系合成繊維を湿式紡糸して製造す
るに際し、アクリロニトリルを主要な構成単位とする共
重合体(A)と混和性がありかつ非相溶性の重合体
(B)にあらかじめ固体−液体相転移を有する蓄熱剤
(C)を均一分散または混合させ、次いで該分散または
混合液を上記アクリロニトリルを主要な構成単位とする
共重合体(A)の有機溶剤溶液に添加し、これを紡糸す
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた蓄熱性を有する
蓄熱性アクリル系合成繊維及びその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】布帛、すなわち織物,編物,不織布及び
それら類似物の1つの用途は蓄熱性(保温性,保冷性)
である。その蓄熱性を高める新しい試みとして布帛に金
属を蒸着することが行われている。すなわち、金属蒸着
層を内側に用いることにより、人体からの熱を布帛表面
で反射させ、布帛の外に逃げる熱を減少させることによ
り保温性を得ることや、一方金属蒸着層を外側に用いる
ことにより、太陽からの熱を布帛表面で反射させ、布帛
の内に入る熱を減少させることにより保冷性を得ること
が行われている。また、遠赤外線を効果的に放射する粒
子として酸化物セラミックスが知られており、保温性を
高めるためセラミックスを含む樹脂を編織物にコーティ
ングする事や、セラミックスを紡糸原液にそのまま、ま
たはあらかじめ溶剤にて分散してから混合紡糸する方法
が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かかる金属蒸着層は熱
に対し優れた反射効果を有し、保温材,保冷材として優
れた特性を有してはいるが、蒸着加工に伴う加工コスト
の増大や、金属蒸着層は耐摩耗性及び基材への接着力が
弱く、着用時に剥離脱落しやすいという欠点がある。ま
た、セラミックス粉末コーティングは、通気性がなく汎
用性に乏しいものであり、セラミックスを紡糸原液に添
加する方法は、可紡性が不良の上に、通常品からの切替
時に切替ロスが大きいという欠点があった。
【0004】本発明者らは、上記欠点を改善すべく鋭意
研究の結果、本発明を完成したのである。
【0005】本発明の目的は、耐洗濯性を有しかつ繊維
加工条件の範囲が広い蓄熱性に優れたアクリル系合成繊
維を提供するにある。更に他の目的は斯かる蓄熱性に優
れたアクリル系合成繊維を工業的容易に且つ安価に製造
する方法を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の蓄熱性アクリル
系合成繊維は、アクリロニトリルを主要な構成単位とす
る共重合体(A)と、該重合体(A)と混和性がありか
つ非相溶性の重合体(B)から成るアクリル系合成繊維
において、上記重合体(B)が相分離状態で存在してお
り、かつ固体−液体相転移を有する蓄熱剤(C)を重合
体(B)中に主として含有している事を特徴とする。
【0007】また本発明の方法は、アクリル系合成繊維
を湿式紡糸して製造するに際し、アクリロニトリルを主
要な構成単位とする共重合体(A)と混和性がありかつ
非相溶性の重合体(B)にあらかじめ固体−液体相転移
を有する蓄熱剤(C)を均一分散または混合させ、次い
で該分散または混合液を上記アクリロニトリルを主要な
構成単位とする共重合体(A)の有機溶剤溶液に添加
し、これを紡糸する事を特徴とする。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】本発明に使用する重合体(A)は、少なく
とも40重量%のアクリロニトリルを構成単位として含
有するものであり、繊維形成能を有するものが好まし
い。すなわちアクリロニトリルを40重量%以上と他の
ビニル系モノマー、例えばアクリル酸,メタクリル酸,
或いはこれらのアルキルエステル類、酢酸ビニル,塩化
ビニル,塩化ビニリデン,アリルスルホン酸ソーダ,メ
タリルスルホン酸ソーダ,ビニルスルホン酸ソーダ,ス
チレンスルホン酸ソーダ,2−アクリルアミド−2−メ
チルプロパンスルホン酸ソーダなどを適宜組合せたもの
を60重量%以下の割合で共重合せしめたものが挙げら
れる。特にアクリロニトリル80重量%以上と20重量
%以下のビニル系モノマー及びスルホン酸基含有モノマ
ーの共重合体、又はアクリロニトリルを40重量%以上
と塩化ビニリデン及びスルホン酸基含有モノマーを20
〜60重量%含有する共重合体が好ましい。
【0010】本発明で用いる重合体(B)は、重合体
(A)と混和性がありかつ非相溶性である事が必須の条
件である。混和性があるとは、重合体同士または、重合
体溶液同士が凝集又はゲル化する事なくよく混合出来る
性質をいい、また非相溶性とは重合体(A)の溶液と重
合体(B)の溶液とを混合した時、両者が互いに溶解せ
ず相分離しているか、または脱溶剤、成形中に重合体
(A)と重合体(B)が相分離する事、もしくは重合体
(A)と重合体(B)を混合溶融混練したのちも互いに
均一ブレンドされず相分離している事を意味する。相分
離状態としては一般に重合体(B)が球状又は回転楕円
球状であることが好ましく、更に好ましくはより均一な
大きさを有する球状を呈することである。重合体(B)
は二種以上の重合体を使用する事も可能であるが、この
場合も重合体(A)と混和性がありかつ非相溶性である
事が必要である。
【0011】重合体(B)としては重合体(A)と混和
性がありかつ非相溶性であれば特に限定されないが、ア
セチルセルローズ,アセチルプロピオニルセルローズ,
アセチルブチルセルローズ等のセルローズ誘導体、ポリ
ビニルホルマール,ポリビニルブチラール等のポリビニ
ルアセタール、シアノエチル化ポリビニルアルコール等
のポリビニルアルコール系誘導体、ポリ酢酸ビニル,酢
酸ビニル−エチレン共重合体等の酢酸ビニル系共重合
体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体,塩化ビニル−ア
クリロニトリル共重合体等の塩化ビニル系重合体、ポリ
スチレン,アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共
重合体等のスチレン系重合体、ポリメタクリル酸メチ
ル,メタクリル酸メチルを主成分とする共重合体等であ
り、特にアセチルセルローズ又はポリビニルアルコール
系誘導体が好ましい。
【0012】本発明において重合体(B)は重合体
(A)に対して1.0〜20.0重量%好ましくは2.
0〜15.0重量%含有せしめる。重合体(B)の量が
1.0重量%未満では固体−液体相転移を有する蓄熱剤
(C)を含有した良好なる相分離状態が得られず、また
20重量%を越えると繊維性能が低下するとともに、工
業的容易にかつ安価に製造する事が困難となる。
【0013】本発明に使用する固体−液体相転移を有す
る蓄熱剤(C)としては、n−パラフィン,テトラデカ
ン,ペンタデカン,ポリエチレングリコール等の有機系
蓄熱剤、塩化カルシウム六水和物,チオ硫酸ナトリウ
ム,アンモニウム明ばん等の無機系蓄熱剤等であり、特
にポリエチレングリコールが好ましい。
【0014】かかる蓄熱剤(C)は上記重合体(A)と
重合体(B)の合計に対して0.1〜10.0重量%、
好ましくは0.3〜5.0重量%含有せしめる。蓄熱剤
(C)の含有量が0.1重量%未満では繊維に充分な蓄
熱性効果を付与出来ず、また10.0重量%を超えると
繊維の強伸度等繊維性能が低下すると共に紡糸における
可紡性及び紡績性が低下する。
【0015】本発明の繊維は相分離した重合体(B)の
中に蓄熱剤(C)を局在化させることが必須である。蓄
熱剤が局在化していると蓄熱性が向上する。その理由は
定かでないが蓄熱剤が局在化することにより集中的に作
用するものと考えられる。
【0016】本発明の方法において使用する溶剤はジメ
チルホルムアミド,ジメチルアセトアミド,ジメチルス
ルホキシド,アセトン等の有機溶剤が挙げられる。
【0017】本発明において重合体(B)の有機溶剤溶
液の濃度は5〜40重量%、好ましくは10〜30重量
%である。この濃度が5重量%未満では紡糸原液の濃度
が下がり可紡性が低下するとともに、繊維物性が低下す
る。また40重量%を越えると、粘度の上昇により蓄熱
剤(C)の均一分散が困難になるばかりでなく、可紡性
が低下し工業的容易に製造する事が困難となる。
【0018】紡糸は通常のアクリル系合成繊維と同様な
条件で行えば良く、数段の浴槽を通し、順次延伸,水
洗,乾燥,後処理を行う。
【0019】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
する。実施例中「%」とあるのは「重量%」を意味す
る。
【0020】実施例1〜3及び比較例1〜3 アクリロニトリル(AN)/メチルアクリレート(M
A)/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸ソーダ(SAM)=91.2/8.0/0.8から
なるアクリル系重合体のジメチルホルムアミド(DM
F)溶液を準備した。
【0021】ポリエチレングリコールをアセチルセルロ
ーズのDMF溶液中にホモミキサーで均一混合後、表1
記載の添加量で上記アクリル系共重合体溶液に添加しホ
モミキサーで充分攪拌し紡糸原液とした。上記原液を2
0℃,60%DMF水溶液中に紡出し、脱溶媒をさせな
がら延伸水洗した後、油剤を付与して乾燥緻密化を行っ
た。この繊維にクリンプを付与後、湿熱120℃にて湿
熱処理を行った。
【0022】尚、比較例としては、前記記載の添加量と
異なるもの(比較例1,2)、及びポリエチレングリコ
ールをセルローズ誘導体の有機溶剤溶液に均一混合させ
る事なくアクリロニトリル系共重合体に添加したもの
(比較例3)である。
【0023】実施例1〜3及び比較例1〜3の組成,紡
糸操業性及び蓄熱性を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】尚、アセチルセルローズ中の蓄熱剤の含有
量は、ゲル膨潤状態の繊維を5時間アセトン抽出し、処
理前後の灰分測定により行った。紡糸操業性の判定は実
施例記載の条件で製造した際の濾過圧,単糸切れ,ロー
ラー捲き付きなどを総合評価して「◎」,「○」,
「×」の三段階で行った。保温率は得られた蓄熱性繊維
を用い、2/26番手の紡績糸とし、1/8Gの丸編機
により天竺組織の編地を作成しJIS L 1096
A法に準じ、36℃の黒色発熱体上の保温率を測定する
事により評価した。
【0026】表1から明らかなように、実施例品は比較
例品に比べて優れた蓄熱性を有することがわかる。アセ
チルセルローズ溶液にポリエチレングリコールを15%
添加した比較例1の場合は、口金濾過圧上昇及び紡糸時
の単糸切れが多く、満足な糸が得られなかった。
【0027】実施例4 AN/塩化ビニリデン(Vcl2 )/2−アクリルアミ
ド−2−メチルプロパンスルホン酸ソーダ(SAM)=
57/40/3からなるアクリル系共重合体のDMF溶
液を準備した。そのアクリル系共重合体に対してポリエ
チレングリコール1.5%をポリビニルブチラール溶液
に均一分散した後、アクリル系共重合体溶液に添加し充
分攪拌し紡糸原液とした。ポリビニルブチラールの添加
量はアクリル系共重合体に対して10%であった(従っ
てポリエチレングリコールのセルローズ誘導体+アクリ
ル系共重合体に対する添加量は1.36%である)。
【0028】上記紡糸原液を25℃,55%DMF水溶
液中に紡出し、脱溶媒をさせながら延伸水洗した後、油
剤を付与して乾燥緻密化を行った。この繊維にクリンプ
を付与後、湿熱115℃にて温熱処理を行った。
【0029】得られた繊維を実施例1と同様に編地にし
て、家庭洗濯0,5,10,20回後の保温率テストを
行った結果、表2に示すごとく20回の洗濯後でも良好
な保温性を示した。
【0030】
【表2】
【0031】尚、洗濯は下記の通りの条件とした。 市販小型電機洗濯機使用 中性洗剤 1g/ l 浴 比 1:100 温度×時間 40℃×5分間 水 洗 10分間 乾 燥 80℃×1時間
【発明の効果】
【0032】本発明の蓄熱性アクリル系合成繊維は、優
れた蓄熱性を有しかつ通常のアクリル系合成繊維の繊維
性能をそのまま有すると共に、洗濯後の蓄熱効果の低下
もほとんど無いものである。また本発明の蓄熱性アクリ
ル系合成繊維の製造方法は斯かる繊維を通常のアクリル
系合成繊維の製造条件及び装置で工業的容易にかつ安価
に製造できるものである。
【0033】本発明によって得られた繊維は、通常のア
クリル系合成繊維,ポリエステル,ナイロン,木綿,レ
ーヨン,羊毛等他の繊維と混合して使用することも可能
であり、蓄熱性能を有する衣料,毛布,カーペット,マ
ット,靴下,シーツ,ふとん綿等幅広い用途に使用する
ことが出来るため、産業上極めて有意義なものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリロニトリルを主要な構成単位とす
    る共重合体(A)と、該重合体(A)と混和性がありか
    つ非相溶性の重合体(B)から成るアクリル系合成繊維
    において、上記重合体(B)が相分離状態で存在してお
    り、かつ固体−液体相転移を有する蓄熱剤(C)を重合
    体(B)中に主として含有している事を特徴とする蓄熱
    性アクリル系合成繊維。
  2. 【請求項2】 アクリル系合成繊維を湿式紡糸して製造
    するに際し、アクリロニトリルを主要な構成単位とする
    共重合体(A)と混和性がありかつ非相溶性の重合体
    (B)にあらかじめ固体−液体相転移を有する蓄熱剤
    (C)を均一分散または混合させ、次いで該分散または
    混合液を上記アクリロニトリルを主要な構成単位とする
    共重合体(A)の有機溶剤溶液に添加し、これを紡糸す
    る事を特徴とする蓄熱性アクリル系合成繊維の製造方
    法。
JP1692093A 1993-01-06 1993-01-06 蓄熱性アクリル系合成繊維及びその製造方法 Pending JPH06200409A (ja)

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