JPH0621034B2 - 銅アルコキシドの製法とこれを用いた超伝導粉末の製法 - Google Patents

銅アルコキシドの製法とこれを用いた超伝導粉末の製法

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JPH0621034B2
JPH0621034B2 JP63126682A JP12668288A JPH0621034B2 JP H0621034 B2 JPH0621034 B2 JP H0621034B2 JP 63126682 A JP63126682 A JP 63126682A JP 12668288 A JP12668288 A JP 12668288A JP H0621034 B2 JPH0621034 B2 JP H0621034B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は銅アルコキシドの製法及びこの製法でつくられ
る銅アルコキシドを用いた高温超伝導セラミック材料の
原料粉末の製法に関する。更に詳しくは酸素欠損ペロブ
スカイト型の高温超伝導セラミック材料の原料粉末をア
ルコキシド法により製造する方法に関するものである。
[従来の技術] 酸素欠損ペロブスカイト型の高温超伝導セラミック材料
として、YBa2Cu3O7-y(yは酸素欠損量)が知られてい
る。従来、このYBa2Cu3O7-yの原料粉末は、例えば酸化
イットリウム、炭酸バリウム、酸化銅を出発原料として
乳鉢により粉砕混合し、この混合物を仮焼して固相反応
させることにより得られる。
また液相反応の1つであるアルコキシド法により高温超
伝導セラミック材料の原料粉末をつくる場合、その出発
原料の1つである銅アルコキシドは次式に示すように銅
塩化物とナトリウムアルコキシドとの置換反応により製
造される。
CuCl2+2NaOR→Cu(OR)2+2NaCl……(1) (Rは炭素数1又は2のアルキル基) [発明が解決しようとする課題] 固相反応による原料粉末の製法は酸化イットリウム等の
出発原料を注意深く粉砕・混合し仮焼しても、得られた
粉末は組成の均一性に乏しくしかも微粒子になりにく
い。この原料粉末を焼成して得られた高温超伝導セラミ
ック材料を微視的に観察すると、空隙(ポア)が多いた
め、マクロな輸送電流の流れが妨害され、超伝導特性を
向上することかできない。
また従来のアルコキシド法における銅アルコキシドの合
成では、銅アルコキシド中に未反応の、或いは副生成し
たNaCl等によるナトリウムイオンが不純物として取り残
される。このナトリウム等のアルカリ金属の不純物は高
温超伝導セラミック材料の特性に悪影響を与える。この
ため、従来の超伝導粉末の製造には全ての粉末組成を有
機溶媒に溶かした液相反応によるアルコキシド法を採用
することができなかった。
本発明の目的は、第一にアルカリ金属の不純物を含まな
い高純度で、有機溶媒に可溶な銅アルコキシドを得る銅
アルコキシドの製法を提供することにあり、第二に高純
度で組成の均一な微粒子からなる高温超伝導セラミック
材料の原料粉末を製造し得る超伝導粉末の製法を提供す
ることにある。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、メチルアルコール、エチルアルコール、
ノルマルブチルアルコール、ベンゼン、キシレン、トル
ンエン等の有機溶媒に溶けない銅アルコキシドが第二ブ
チルアルコールだけに溶解することを見出し、本発明を
完成するに至った。
すなわち、本発明の銅アルコキシドの製法は、アルカリ
土類金属のアルコキシドの有機溶液と酢酸銅の有機溶液
とを反応させて銅アルコキシドを含む沈殿物を生成し、
この沈殿物を第二ブチルアルコールに溶解し、このブチ
ルアルコール溶液から副生成物を除去した後、銅アルコ
キシドを抽出する製造方法である。
また本発明の超伝導粉末の製法は、上記銅アルコキシド
の製法でつくられた銅アルコキシドの第二ブチルアルコ
ール溶液と、アルカリ土類金属のアルコキシド及びイッ
トリウムもしくはランタノイド元素のアルコキシドの有
機溶液とを混合し、この混合した有機溶液を加水分解し
て沈殿物を生成し、この沈殿物を乾燥した後、仮焼して
超伝導粉末を得る製造方法である。
本発明を更に詳しく説明する。
(a)銅アルコキシドの合成 アルカリ土類金属のアルコキシドはアルカリ土類金属(B
e,Mg,Ca,Sr,Ba,Ra)をアルコールと反応させてつくられ
る。次式はアルカリ土類金属がBaでアルコールがブチル
アルコールの例である。
Ba+2BuOH→Ba(OBu)2+H2……(2) このアルカリ土類金属のアルコキシドと酢酸銅との反応
はこれらをそれぞれアルコール、ベンゼン、キシレン、
トルエン等の有機溶媒に溶かした有機溶液にして化学量
論比に混合して行われる。
Ba(OBu)2+Cu(OAc)2 →Ba(OAc)2+Cu(OBu)2……(3) 次にこの有機溶液の溶媒の蒸発除去等で取り除いた後、
この反応で生成した沈殿物を第二ブチルアルコールに溶
解する。ここで第二ブチルアルコールを溶媒として使用
するのは、このアルコールだけが銅アルコキシドを溶
解する性質を持っていること、及び副生成物である酢
酸バリウムがこのアルコールに不溶であって、副生成物
の除去を容易に行うことができることによる。
副生成物である酢酸バリウムを濾過、遠心分離等の適当
な方法により銅アルコキシドの第二ブチルアルコール溶
液から除去すれば、不純物のない銅アルコキシドの第二
ブチルアルコール溶液が得られる。銅アルコキシドを粉
末の形態で得る場合には溶媒である第二ブチルアルコー
ルを蒸発除去した後、乾燥して仮焼する。
(b)超伝導粉末の合成 本発明の超伝導粉末は銅アルコキシドとアルカリ土類金
属のアルコキシドとイットリウムもしくはランタノイド
元素(La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,L
u)のアルコキシドを出発原料とする。イットリウムア
ルコキシドの代りにランタノイド元素アルコキシドを用
いても、本発明の超伝導粉末を得ることができる。
銅アルコキシドは前記(a)の第二ブチルアルコール溶液
から副生成物を除去した銅アルコキシドの第二ブチルア
ルコール溶液の形態で使用する必要がある。他のアルカ
リ土類金属のアルコキシド及びイットリウムもしくはラ
ンタノイド元素のアルコキシドは銅アルコキシドと異な
りメチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルブチ
ルアルコール、ベンゼン、キシレン、トルエン等の多く
の有機溶媒に可溶であるため、これらの溶媒には上記有
機溶媒を用いることもできるが、銅アルコキシドの溶媒
である第二ブチルアルコールを用いることが作業が容易
となり好ましい。上記アルコキシドの有機溶媒を各アル
コキシドの金属原子が次式の比率となるように混合す
る。
Y(又はLn):M:Cu=1:2:3…(4) (Lnはランタノイド元素、Mはアルカリ土類金属) この混合した有機溶液の加水分解は脱炭酸した蒸留水又
は希アンモニア水その他のアルカリ水溶液を添加して行
われる。
この添加により粉末状の沈殿物が生成する。この沈殿物
を濾過、遠心分離、母液の蒸発等の適当な方法により母
液から取り出す。取り出された沈殿物は減圧下又は大気
圧下の室温〜100℃前後の温度で沈殿物の表面に付着し
た溶液がほぼ蒸発するまで乾燥される。乾燥した沈殿物
は大気圧下、500℃〜1000℃の温度範囲で仮焼されセラ
ミック粉末となる。
このセラミック粉末はアルコキシドの加水分解で他の陽
イオンや陰イオンの添加が不要であるため、高純度でし
かも組成が均一であって、粒径が数10Åから数100Åの
微粒子である。また所定の原子比で合成されるため斜方
晶のYBa2Cu3O7-y又はLnBa2Cu3O7-yに代表される酸素欠
損ペロブスカイト型の結晶構造を有する。
[発明の効果] 以上述べたように、従来、銅アルコキシドが多くの有機
溶媒に不溶であるため、アルコキシド法で不純物を含む
ことなく製造することができなかったものが、本発明に
よれば第二ブチルアルコールが銅アルコキシドに可溶で
あることを見出したことにより、アルカリ金属の不純物
を含まない高純度の銅アルコキシドを得ることができ
る。
この銅アルコキシドの第二ブチルアルコール溶液と他の
アルコキシドの有機溶媒とを混合することにより、原料
粉末の全ての組成についてアルコキシド法によりYBa2Cu
3O7-y又はLnBa2Cu3O7-yのような酸素欠損ペロブスカイ
ト型の高温超伝導セラミック材料の原料粉末を製造する
ことができる。
このアルコキシド法を用いた本発明の製法によれば、高
純度で目標とする原子比に極めて近い、組成均一性に優
れた高温超伝導特性を有するセラミック粉末が得られ
る。
[実施例] 次に本発明の実施例を説明する。
<実施例1> 高純度の金属バリウムとノルマルブチルアルコールとを
還流下で直接反応させ、バリウムノルマルブトキシドを
合成した。このバリウムノルマルブトキシドのブタノー
ル溶液に酢酸銅のエタノール溶液を化学量論比に混合
し、80℃で1時間還流反応させたところ銅アルコキシド
と酢酸バリウムからなる沈殿物を生じた。
母液を蒸発除去して、残留した沈殿物を第二ブチルアル
コールを加えて撹拌すると、銅アルコキシドの沈殿物は
溶け、酢酸バリウムは溶けずに沈殿を続けた。この副生
成した酢酸バリウムを遠心分離機により取り除き、銅ア
ルコキシドの第二ブチルアルコール溶液を得た。
更にこの母液を蒸発除去し、得られた粉状の銅アルコキ
シドを乾燥すると、銅アルコキシドの粉末が得られた。
この粉末の電子顕微鏡によりその粒径を測定すると、0.
01〜0.1μmの微粒子であった。また化学分析を行った
結果、不純物が0.1%以下の高純度の物質であった。
<実施例2> 実施例1で得られた銅アルコキシドの第二ブチルアルコ
ール溶液にイットリウムアルコキシドとバリウムアルコ
キシドの第二ブチルアルコール溶液を加えて撹拌し、80
℃で還流することにより混合した。このとき各アルコキ
シドは原子比が Y:Ba:Cu=1:2:3 となるように混合した。
還流下の混合液に脱炭酸した蒸留水を少量ずつ滴下して
加水分解させると沈殿物が得られた。母液を蒸発除去す
ることにより沈殿物を取り出し、70℃で12時間乾燥し粉
末を得た。
得られた粉末を920℃で1時間仮焼して、X線回折によ
りその結晶構造を調べたところ斜方晶のYBa2Cu3O7-y
あった。この仮焼した粉末を更にエネルギ分散型X線分
析装置により各粉末ごとに組成分析を行い、その標準偏
差を算出した。結果を表に示す。
更に仮焼した粉末をペレット状に加圧成形し、酸素雰囲
気中で920℃で3〜5時間、降温温度100/℃hrで焼結さ
せた。この焼結体の超伝導特性であるマイスナー効果を
測定した。図に示すように92Kで抵抗値が0となった。
図において横軸は温度、縦軸は比抵抗である。
<比較例> 酸化イットリウム、炭酸バリウム、酸化銅を所定の原子
比となるように乳鉢により注意深く粉砕混合し、この混
合物を仮焼して固相反応させ、粉末を得た。エネルギ分
散型X線分析装置により各粉末ごとに組成分析を行い、
その標準偏差を算出した。結果を表に示す。
表から本実施例の粉末は比較例の粉末より銅、バリウム
に関して標準偏差が一桁程度小さく、このことからアル
コキシド法により合成した粉末の方が固相法で合成した
粉末より均一であることが判った。
【図面の簡単な説明】 図は本発明実施例のセラミック焼結体の電気抵抗の温度
依存性を示す図。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルカリ土類金属のアルコキシドの有機溶
    液と酢酸銅の有機溶液とを反応させて銅アルコキシドを
    含む沈殿物を生成する工程と、 この沈殿物を第二ブチルアルコールに溶解する工程と、 この第二ブチルアルコール溶液から副生成物を除去した
    後、銅アルコキシドを抽出する工程と を含む銅アルコキシドの製法。
  2. 【請求項2】アルカリ土類金属のアルコキシドの有機溶
    液と酢酸銅の有機溶液とを反応させて銅アルコキシドを
    含む沈殿物を生成する工程と、 この沈殿物を第二ブチルアルコールに溶解する工程と、 この第二ブチルアルコール溶液から副生成物を除去した
    銅アルコキシドの第二ブチルアルコール溶液とアルカリ
    土類金属のアルコキシド及びイットリウムアルコキシド
    の有機溶液とを混合する工程と、 この混合した有機溶液を加水分解して沈殿物を生成する
    工程と、 この沈殿物を乾燥した後、仮焼して超伝導粉末を得る工
    程と を含む超伝導粉末の製法。
  3. 【請求項3】アルカリ土類金属のアルコキシドの有機溶
    液と酢酸銅の有機溶液とを反応させて銅アルコキシドを
    含む沈殿物を生成する工程と、 この沈殿物を第二ブチルアルコールに溶解する工程と、 この第二ブチルアルコール溶液から副生成物を除去した
    銅アルコキシドの第二ブチルアルコール溶液とアルカリ
    土類金属のアルコキシド及びランタノイド元素アルコキ
    シドの有機溶液とを混合する工程と、 この混合した有機溶液を加水分解して沈殿物を生成する
    工程と、 この沈殿物を乾燥した後、仮焼して超伝導粉末を得る工
    程と を含む超伝導粉末の製法。
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