JPH0621184B2 - セルロ−ス系のド−プ - Google Patents

セルロ−ス系のド−プ

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JPH0621184B2
JPH0621184B2 JP9232385A JP9232385A JPH0621184B2 JP H0621184 B2 JPH0621184 B2 JP H0621184B2 JP 9232385 A JP9232385 A JP 9232385A JP 9232385 A JP9232385 A JP 9232385A JP H0621184 B2 JPH0621184 B2 JP H0621184B2
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cellulose
dope
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carbon disulfide
mol
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邦彦 岡島
圭介 上阪
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、成形に適するセルロース系ドープに関するも
のである。
従来の技術 一般に、再生セルロースの成形物は、セルロースを、あ
る種の方法で溶媒に溶解し、そのドープを押出し機を用
いて、非溶媒や再生溶媒中に投入することによつて製造
される。上記の目的に工業的に利用されるセルロースの
溶解方法は現在でも、1890年代終りには既に発見されて
いた銅アンモニア法とビスコース法だけである。
このうち、銅アンモニア法は、銅イオンとアンモニアを
完全に回収する必要があり、経済的な面で必ずしも最上
の方法ではない。
これらの他、工業的に用いられていないが、セルロース
を溶解する方法として、金属錯体、例えば、カドキセン
(カドミウム/エチレンジアミン/アルカリ)、コオキ
セン(コバルト/エチレンジアミン/アルカリ)、ジン
コセン(亜鉛/エチレンジアミン/アルカリ)、ニオキ
セン(ニツケル/エチレンジアミン/アルカリ)、EW
NN(鉄/酒石酸/アルカリ)が知られている。しか
し、いずれも、重金属、アミン等の毒性成分を大量に使
用する点や経済性の点で、銅アンモニア法やビスコース
法を浚駕するものではない。
ビスコース法は、現在の再生セルロース工業では、圧倒
的に多数の企業が採用しているが、工業的に用いられる
方法は、例外なく、固体のアルカリセルロースとセルロ
ースを構成するグルコース残基あたり、0.6〜1モル
の二硫化炭素の反応によつてセルロースザンテートを生
成し、しかる後、これをアルカリ水溶液に溶解してビス
コースを得て、成形に供するものである。この方法は有
毒ガスである二流化炭素を大量に使用し、しかもその反
応効率は50〜60%と低い。また、再生して成形する工程
において、使用した二硫化炭素の大部分が、硫化水素の
形で放出される。これらの気体は工業的には、多大な経
費をかけ回収しているのが実情である。一方、セルロー
ス、二硫化炭素、アルカリ水溶液を同時に、液相で反応
させるエマルジヨン硫化法(あるいは湿式硫化法)は、
古くから(例えばLilienteld D.R.P523271)研究が進め
られてきたが、工業化には至らなかつた。この原因は、
主として、この方式では、二硫化炭素の反応効率が低
く、多量の副生成物が生成するため、より多くの二硫化
炭素(グルコース残基あたり、1〜1.5モル)を必要
とするにもかかわらず、成形に適した良好なドープが得
られなかつたことによる。もとより、エマルジヨン法
は、工程の単純化、時間短縮による合理化を目的として
研究されたもので、初めから二硫化炭素の浪費は問題に
されていない。その点で、現在の社会環境、技術思想に
全く逆行するものであり、今後も工業化されることは考
えられない。
前記の二硫化炭素の回収の問題は極めて重大であり、欧
米ではビスコース法の工業的存続すら危惧する声が起き
ている。その顕著な表われは、1960年代〜1970年代にか
けての多くの企業のビスコース事業(レーヨン事業)か
らの撤去である。これら工業的に既存の溶解方法への反
省として、セルロースを直接有機溶媒に溶解し、繊維や
膜製造プロセスをクローズド化して、新規な再生セルロ
ース成形品を得ようとする研究が1970年代より、カナ
ダ、米国を中心になされてきた。その結果、実に多くの
溶解方法が見い出されたが、いずれも複雑な多成分系溶
媒であり、溶媒自体のコスト高、毒性、爆発性、回収困
難性等のため実用化された例をみないのが現状である。
この様なセルロースの溶解技術の歴史をみても判るよう
に、セルロースを単純で安価な溶媒に溶解するには至難
の技術である。
他方、セルロースは重合度(以下、DPと略記)が極端
に小さくなると(例えばDP10)アルカリは勿論、熱
ジメチルスルホキシドにも溶解する事は知られている。
そのDPは20以下であつて、とてもセルロース成形品
として、充分な機械特性を持ちえず、利用できるもので
はない。極低DPのセルロースがアルカリ等に溶けるの
は、セルロースに特徴的な高分子性、例えば水素結合等
で規定される分子形態が失なわれるからである。又、1
0重量%付近の濃度のカセイソーダ水溶液は重合度の高
いセルロースに対して強い膨潤作用をもつことも周知の
事実である。ジヤーナル・オブ・プラクト、ケム.,エ
ヌ.エフ.,158巻第233頁(1941年)〔Jounal of Prak
t,Chem.,N.F.,158,233(1941)〕には、天然セルロー
ス、マーセル化セルロース、再沈澱(多分、再生)した
セルロースの10重量%カセイソーダ水溶液に対する溶
解性が示されている。溶解条件、ポリマー濃度等全く記
述がないが、それによると、天然、マーセル化セルロー
スは重合度(DP)=400まで、再沈澱されたセルロー
スはDP=1200まで可溶とされている。しかしながら、
これらの記述はかなりの任意性が含まれるし、又、可溶
といつても強度に膨潤したゲルも含めていたと予想され
る。本発明者らが追試した結果、−5゜〜5℃で、10
重量%のカセイソーダに対するセルロースの溶解性はポ
リマー濃度と重合度に影響をうけ、例えばDP=360
(酸加水分解綿リンター)の場合、遠心分離(20,000回
転、46分)し、ゲルを取り除く操作をすると、ポリマ
ー濃度0.5%でも全部が溶解することはなかつた。従
つて、ジヤーナル・オブ・プラクト・ケム.,エヌ.エ
フ.,158巻第233頁(1941年)〔Jounal of Prakt,Che
m.,N.F.,158,233(1941)〕の記述の“可溶”という意
味は、低濃度で、しかもゲルを含んだものと判断され、
工業的に利用できるものではない。これらの点は、アル
カリがセルロースのラテラルオーダー毎の分別溶解に用
いられた事実(例えば、“高分子物質の精製と化学反
応”、P128〜132.高分子学会編、昭和33年、共立出
版)からも知られる。これはセルロースの分子量と分子
鎖の集合状態により、アルカリに溶ける部分と不溶な部
分に分ける操作であつて、前者の溶ける部分はゲルも含
めたものである。これらの事実は、溶解したい重合度の
高いセルロースを高濃度に、単一組成のアルカリに、ほ
とんど100%溶解することが、技術的に極めて困難で
あることを示している。事実、セルロース工業の歴史
上、かかるセルロース/アルカリ溶液が成形溶ドープと
して利用された事はない。
これらの従来技術を鋭意考慮し、本発明者らは特願昭58
-149148号にあらかじめ構造を制御する前処理を受けた
比較的高重合度のセルロースを高濃度に溶解したアルカ
リドープを示した。しかし、該ドープを極めて長時間の
保存や熱の作用によりゲル化する欠点を持つている。
発明が解決しようとする問題点 本発明者らは、ビスコース(アルセル硫化法及びエマル
ジヨン硫化法)及びセルロースアルカリドープの二つの
独立な従来技術の欠点を統括的に解消する方法について
鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達したものである。
本発明は成形に適した極めて安定なセルロース系ドープ
を提供することを目的とする。
問題点を解決するための手段 本発明はセルロースを含有するアルカリ水溶液に−12
℃以上、40℃以下で、二硫化炭素を、セルロースを構
成するグルコース残基であたり、0.01モル以上添加
してなることを特徴とする、成形に適するセルロース系
のドープである。
本発明に用いるセルロースは、木材パルプ、綿、それら
の酸加水分解物、塩素や過酸化水素で処理したもの、高
温、高圧下にエクストリユーダー(Extruder)処理した
もの、爆砕処理を行つたもの、溶媒に溶解し、種々の方
法で再生したもの、ボールミル破砕したもの、超音波処
理したものなどが用いられる。一般にそのDPは700
以下であるが、それ以上のDPのものでも、アルカリに
可溶な部分だけを遠心分離等によつて分離した溶液であ
つても、構わない。特にある程度の重合度をもつて(例
えば、500位)、高濃度(5重量%以上)にセルロー
スを溶解したい場合は、上記した処理によつて、分子内
水素結合の弱くなつたセルロースを用いることができ
る。(特願昭58-149148号公報)。溶解するアルカリ
は、カセイソーダ、水酸化リチウム、カセイカリであつ
て、最終的に2〜2.5mol/の濃度に調整される。
セルロースのアルカリ溶液は、以下の様に調整される。
即ち、2〜2.5mol/のアルカリ水溶液を予じめ、-
12℃〜25℃に調温し、セルロースを浸漬し、5分〜18
時間放置後、又は浸漬と同時に10℃以下で混合、撹拌、
溶解する方法、又は3.5〜5mol/のアルカリ水溶
液とセルロースを−12℃〜25℃で混合し、撹拌後希アル
カリで10℃以下で希釈、混合溶解後、最終的にアルカ
リ強度を2〜2.5mol/に調整することによつて行
われる。セルロース濃度は限定的ではないが、成形を考
慮すれば、3重量%以上溶解されている方が好ましい。
かかる溶液は一般的には、40℃以上で容易にゲル化す
るものである。従つて、二硫化炭素は上記溶液中に40
℃以下、好ましくは−12℃〜10℃の条件下に混合し、約
20分以上混合撹拌する。二硫化炭素の添加量は、溶解
しているセルロースを構成するグルコース残基あたり、
0.01以上あれば、もとのセルロースドープに比し
て、溶解状態の向上と、安定に保存できる期間が長くな
る効果が得られ、0.03モル以上では、室温で10日
以上安定なドープとなる。二硫化炭素の添加の上限はな
いが、0.6モル以上の添加は経済性、環境問題の面
で、現在工業的に行われているビスコース法並みとな
り、工業的なメリツトは小さくなる。
本発明のセルロースドープは、二硫化炭素添加後5時間
以上経つたものの場合、添加した二硫化炭素の大部分
が、セルロースと反応して、セルロースザンテートを形
成している。従来、技術によるビスコース中のセルロー
スザンテートの置換度は、セルロースを構成するグルコ
ース残基あたり、0.3〜0.6モル(以下DS=0.
3〜0.6と表現)が、本発明のドープ中のザンテート
は、二硫化炭素を0.1モル添加した場合、DS=0.08
2であり、著しく低いにもかかわらず、溶解状態はビス
コース並みである。この原因は、あらかじめセルロース
をアルカリに溶解する砕、分子内及び分子間水素結合が
切断されていることと、均一相中で二硫化炭素とセルロ
ースが反応するため、ザンテート基の導入が極めて均一
になされているためと考えられる。
この様にして得られたドープは、水、塩溶液、希酸、有
機溶媒等に投入することにより、容易に凝固して、フイ
ルム、繊維等の成形物を得る事ができる。特に水、希酸
で凝固させるか、あるいは成形した後に洗浄すれば、ド
ープ中のセルロースザンテートは容易にセルロースに再
生され、純粋なセルロースの成形物が得られる。
実施例 本実施例として、セルロースアルカリ溶液に二硫化炭素
を添加する事により、良好に溶解し、かつゲル化し難い
セルロース系ドープを得る方法について以下、説明す
る。
各種のセルロース150gを2850gの9.1重量%カセ
イソーダ水溶液に混合し、混合液を4℃に保ちながら、
1時間放置し、しかる後4℃に保つたまま、ヘンシエル
型溶解機で1時間撹拌した後、所定量の二硫化炭素を加
え、4℃に保ちながら30分間撹拌し、4℃に4時間保
つた後、室温下に放置する。ドープが室温になつた時を
開始時点とし、0日、3日、10日、20日後のドープ
の肉眼で判定した溶解性を第1表に示す。ただし、原料
にはパルプ(アラスカパルプ)及び綿リンターを用い、
酸加水分解物とは、60℃の5N硫酸に3時間浸漬し、
水洗、乾燥したものであり、再生物とは、セルロースを
銅アンモニア液に溶解したものから、希硫酸により再生
し繊維化したものである。
溶解性の判定結果は、以下の記号で示す。
G:ゲル、X:ほとんど溶解していない(スラリー状で
不透明)、△:半透明、繊維状未溶解物がある、○:透
明な粘液状、また、3日後のドープをガラス板上に流延
し、14g/dl硫酸、28g/dl硫酸ナトリウムの水溶液に
浸漬して凝固させた後、水洗、乾燥したフイルムの状態
を第1表に以下の記号で示す。X:フイルムを形成しな
い、△:白濁してもろい、○:ほど透明でやや強い、
◎:透明で、著しく強度及び伸度が高い。
なお、比較例として、上記アルカリドープに二硫化炭素
を加えないもの、及び種々の二硫化炭素量で、通常のビ
スコース法(“高分子物質の精製と化学反応”P137、
高分子学会編、共立出版)に準じてドープを調整し、そ
れぞれ比較例とした。
発明の効果 本発明のセルロース系ドープは、長期間の保存や、熱に
よつてゲル化し難く、また該ドープから得られる成形物
は優れた力学的性質を示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セルロースを含有するアルカリ水溶液に−
    12℃以上40℃以下で二硫化炭素を、セルロースを構成
    するグルコース残基あたり、0.01モル以上添加して
    なることを特徴とする、成形に適するセルロース系のド
    ープ
  2. 【請求項2】アルカリが水酸化リチウム、水酸化ナトリ
    ウムであることを特徴とする特許請求の範囲第(1)項に
    記載のセルロースのドープ
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