JPH06218430A - ストリップのトップマーク傷発生判定装置 - Google Patents

ストリップのトップマーク傷発生判定装置

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JPH06218430A
JPH06218430A JP5011158A JP1115893A JPH06218430A JP H06218430 A JPH06218430 A JP H06218430A JP 5011158 A JP5011158 A JP 5011158A JP 1115893 A JP1115893 A JP 1115893A JP H06218430 A JPH06218430 A JP H06218430A
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trumpet
roll
trumpet roll
top mark
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JP5011158A
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English (en)
Inventor
Akihiko Haraguchi
昭彦 原口
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 AJC機能を備えた巻取機によりストリップ
の巻取りを行う際に、ラッパロールの相互干渉によるト
ップマーク傷の発生を判定する。 【構成】、(i) ラッパロール1aの制御モード信号検出手
段と、(ii)ラッパロール1aの制御位置指令値および実績
値の検出手段と、(iii) ラッパロール1aの押付け圧力指
令値および実績値の検出手段と、(iv)ラッパロール1aの
駆動用サーボ電流実績値の検出手段と、(v) 演算器14と
を組み合わせて備えたトップマーク傷発生判定装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、いわゆるAJC機能を
備えた巻取機によりコイルに巻き取られるストリップに
生じるトップマーク傷の発生判定装置に関する。より具
体的には、本発明は、AJC機能を備えた巻取機により
コイルに巻取ったストリップの表面におけるトップマー
ク傷の発生原因の一つであるラッパロールの相互干渉の
程度を検出してトップマーク傷の発生を判定する装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】ストリップの巻取機は、仕上圧延を終了
してランナウトテーブルを走行してきたストリップをコ
イルに巻取る設備であって、一般的には、ストリップの
センタリングを担うサイドガイド、ストリップ先端の誘
導およびストリップ尾端が仕上圧延機を抜けた後におけ
るバックテンションの保持を担うピンチロール、ストリ
ップ先端の誘導を担うピンチロールゲートおよびスロー
トガイド、ストリップ先端をマンドレルへ巻き付かせる
ための押えおよび巻取り完了時におけるストリップ尾端
の押えを担うラッパロール、ストリップ先端のマンドレ
ル周りへの誘導を担うマンドレルガイド、さらにストリ
ップの巻取りを担うマンドレルにより構成される。
【0003】これらの巻取機の構成要素のうち、ラッパ
ロールは、マンドレルガイドとともにストリップ先端を
回転するマンドレルの周囲に誘導し、さらにマンドレル
への巻付き時のストリップをマンドレル回転軸方向 (中
心方向) へ押し付けてコイルの巻弛みを解消するために
使用されるストリップの押えロールであり、通常はマン
ドレルの周囲に3基ないし4基配設される。
【0004】図6は、一般的な巻取機により鋼板3 (以
下、本明細書においては説明の便宜上「ストリップ」の
一例として鋼板を例にとって説明を行うが、本発明にお
けるストリップが鋼板のみを意味するものではない)を
巻取る際のラッパロールの制御系統について示した説明
図である。同図においては、図面が煩雑になることを防
ぎ理解を容易にするため、ラッパロール1aのみについて
制御系統を図示し、他のラッパロール1bないし1dについ
てはそれらの鋼板押圧時の接触位置のみを示し、制御系
統については省略してある。以下のラッパロールの制御
系統および作動に関する説明は、他のラッパロール1bな
いし1dもラッパロール1aと全く同様の構成により同様に
作動するため、ラッパロール1aを例にとって行い、他の
ラッパロール1bないし1dについては説明を省略すること
とする。
【0005】同図において、圧延機 (図示しない) によ
り圧延されて所定の板厚に仕上げられた鋼板3は、図中
の矢印方向に回転する上ピンチロール4および下ピンチ
ロール5を介して、適宜ガイド (図示しない) によって
案内されながらマンドレル2上に送給される。鋼板先端
3aがマンドレル2上に到達した後は、鋼板3は順次各ラ
ッパロール1aないし1d間にそれぞれ配設されたマンドレ
ルガイド (図示せず)に沿って矢印方向へ回転するマン
ドレル2の周囲を一周し、マンドレル2に一巻き巻付け
られる。
【0006】なお、マンドレル2に鋼板先端3aが到達す
るタイミング、および鋼板3がマンドレル2に巻付いた
二巻目以降に鋼板先端3aがラッパロール1aを通過するタ
イミング、つまりラッパロール1aによる鋼板3への押付
けを行うタイミングは、下ピンチロール5に取付けられ
てその回転速度を測定するパルスジェネレータ6により
検出される鋼板3の送給速度と、レーザ投光器7および
レーザ受光器8により検出されるレーザ光の遮光タイミ
ングつまり鋼板先端3aの通過時刻とに基づいてAJC制
御盤12により演算される。
【0007】ラッパロール1aを軸支するラッパロールフ
レーム10a を駆動するシリンダのサーボ弁9aは、鋼板3
がマンドレル2を一巻するまでの間は、鋼板3をマンド
レル2の周囲に巻き付かせるため、ラッパロール1aをマ
ンドレル2から所定距離だけ離間した定位置で一定に保
持するCPC(コンスタント・ポジション・コントロー
ル)を行っている。なお、CPCにおけるマンドレル2
とラッパロール1aとの離間距離(ギャップ)は、ラッパ
ロールフレーム10a の回転支点10a'に取付けられた回転
型マグネスケール11a により検出され、検出信号はAJ
C制御盤12へ出力される。
【0008】巻取り開始からマンドレル2の周りを鋼板
3が一巻するまでの間は、マンドレル2からラッパロー
ル1aを所定距離だけ引き離すCPCだけを行うことによ
りマンドレル2への鋼板3の巻付きを確保する。一方、
一巻完了からコイルの巻弛みが完全に解消される巻付き
完了(通常は6〜7巻終了時) までの間では、ラッパロ
ール1aと鋼板3との接触位置に鋼板先端3aが到達するタ
イミングでサーボ弁9aを介してマンドレル2からラッパ
ロール1aを所定距離だけ引き離すCPCと、これに加え
て、鋼板先端3aがラッパロール1aを通過してから次に再
度通過するまでの間、ラッパロール1aをサーボ弁9aを介
して一定圧力でマンドレルに押付けるCPR (コンスタ
ント・プレッシャー・ローリング) が交互に行われる。
【0009】このように、巻取り開始〜一巻完了:CP
C、一巻完了〜巻付き完了:CPCとCPRとの繰り返
しにより行われるラッパロールの位置制御をAJC (オ
ート・ジャンピング・コントロール) といい、巻取機に
はこのAJC機能が備えられている。図6に示す例で
は、ラッパロール1aのサーボ弁9aへのCPC指令および
CPR指令は、各種センサー類からの検出信号 (例えば
マンドレル2の回転軸に取付けられたパルスジェネレー
タによる鋼板巻取速度検出信号やラッパロールフレーム
10a の駆動用シリンダの油圧検出信号等) に基づきAJ
C制御盤12により切り換えられる。
【0010】ところで、ラッパロール1aによって単に鋼
板3とマンドレル2との間に摩擦力を発生させて巻付き
を容易に行うためだけの場合には、最初に鋼板先端3aが
通過した直後からCPRを開始して二巻目以降にラッパ
ロール1aを鋼板3から離すCPCを行えばよいため、こ
のような場合には後述するようなラッパロールのジャン
プタイミングずれの問題は発生する余地がない。
【0011】これに対し、上述のような鋼板先端3aの通
過時におけるラッパロール1aのCPCからCPRへの切
り換え、あるいはその逆の切り換え、すなわちストリッ
プ表面からラッパロールをジャンプさせて鋼板先端3a通
過時にラッパロール1aをストリップ表面から一時的に離
間させる必要がある場合には、ラッパロールのジャンプ
を迅速かつ適正なタイミングで行わなければならず、C
PC⇔CPRの切換えに呼応して位置制御されるラッパ
ロールにはジャンプ指令に対する高い応答性が求められ
る。もし、ラッパロールの応答が十分速やかに行われず
にラッパロールが適正でないタイミングで (特に遅れた
タイミングで) ジャンプしてしまうと、ラッパロール1a
を鋼板3に押付けている間のラッパロール1aのマンドレ
ル2に対する押圧力はCPRにより一定値に制御される
ため、マンドレル2が回転して鋼板先端3aがラッパロー
ル1aとの接触部分を通過する際に、ラッパロール1aは鋼
板先端3aからの反力により跳ね上げられるとともに鋼板
先端3aに接する鋼板3の内側表面には幅方向にトップマ
ーク傷とよばれる表面疵が発生してしまい、品質上大き
な問題になるからである。
【0012】したがって、前述のAJCを行って鋼板先
端3aがラッパロール1aによる鋼板押圧位置を通過する毎
にタイミングよくラッパロール1aをマンドレル2からジ
ャンプさせ、鋼板先端3aに押圧力がかかることを防止す
る必要がある (鉄鋼便覧 第3版「圧延基礎・鋼板」第
419 頁、表7・40参照) 。
【0013】しかし、現実には、ラッパロール1aのジャ
ンプタイミングを常時適正に制御することはラッパロー
ルの応答性や設備精度の観点から極めて難しく、ラッパ
ロールのジャンプタイミングずれ (以降、「トラッキン
グずれ」という)等の動作異常を解消することができな
い。動作異常、特にラッパロールのジャンプタイミング
遅れが発生した場合には、鋼板表面にトップマーク傷が
発生してしまう。そのため、従来より、鋼板の巻取りで
はラッパロールの動作異常の有無を検出して動作異常に
伴うトップマーク傷の発生を判定し、発生有りと判定さ
れた場合には巻取り後の鋼板に手入れを行う必要があっ
た。
【0014】しかし、従来は、巻取り後にラッパロール
のジャンプ高さ採取チャートを調べたり、巻取り後の鋼
板表面に発生するトップマーク傷の有無を直接調べるこ
と等により、トップマーク傷の発生を巻取り後に事後的
に検出する手段しかなかった。したがって、ラッパロー
ルの動作異常の有無を正確にかつもれなく検出すること
は不可能であり、またこれらの対策は動作異常を巻取り
時にリアルタイムで検出するものではないため、動作異
常の発生〜検出までの間におけるトップマーク傷の発生
に起因した歩留り及び生産性の低下を解消することはで
きなかった。
【0015】近年、このような鋼板表面におけるトップ
マーク傷の発生を、巻取り時にリアルタイムで検出して
歩留りおよび生産性の低下を最小限に抑制するため、ト
ップマーク傷の発生を判定する技術が種々提案されてい
る。
【0016】例えば、特開平3−297514号公報には、鋼
板先端がラッパロール押付け部を通過する直前にラッパ
ロールフレームを回動させてラッパロールを鋼板表面か
らジャンプさせる際に、ラッパロールが鋼板先端により
発生する段差部に衝突するとラッパロールフレームの駆
動用シリンダの圧力値が急激に上昇することを利用し
て、駆動用シリンダの圧力値が設定値を超えて急激に上
昇した場合、この圧力値の急激な上昇をラッパロールの
動作異常として判定する方法が提案されている。
【0017】しかし、本発明者の知見によれば、駆動用
シリンダの精度等により駆動用シリンダの押付圧力値に
は誤差が含まれているため、駆動用シリンダの押付圧力
値のみからラッパロールの動作異常と判定することは、
判定精度の観点から危険である。特開平3−297514号公
報では、判定精度について定量的な説明が行われていな
いため、実際にこの方法によりラッパロールの動作異常
を正確に判定できるのか否か明らかでない。
【0018】また、特開平3−180208号公報には、ラッ
パロールのCPR期間内にジャンプ高さが基準高さに達
するまでの時間を、ラッパロールフレームの回転支点に
取付けられた回転型マグネスケールを用いてラッパロー
ルフレームの回転角を検出することにより計測し、この
計測時間が基準時間を超えた時をラッパロールの動作異
常として判定するラッパロールの故障監視装置が提案さ
れている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】さらに、本発明者らは
先に特願平4−152303号により、AJCにおけるラッパ
ロールの位置変化量を基準値と比較し、基準値の範囲を
超えた時をラッパロールの動作異常として判定するラッ
パロールの故障監視装置を提案した。
【0020】特開平3−180208号公報または特願平4−
152303号によりそれぞれ提案された装置によれば、とも
に、ラッパロールのトラッキングずれによる鋼板先端と
ラッパロールとの衝突を適宜手段によりリアルタイムで
可及的早期に判定できるため、動作異常の発生〜検出ま
での間におけるトップマーク傷の発生による歩留りおよ
び生産性の低下を最小限に抑制できると考えられる。
【0021】しかし、本発明者はさらに検討を重ねた結
果、これらの装置を用いたとしてもトップマーク傷の発
生を全てもれなく判定することはできないこと、換言す
れば、ラッパロールのトラッキングずれ以外の原因によ
り鋼板表面にトップマーク傷が発生する場合があること
に気付いた。したがって、これらの従来の技術によって
も、鋼板表面におけるトップマーク傷の発生をもれなく
完全に判定することはできず、トップマーク傷の発生に
よる歩留りおよび生産性の低下を完全に防止することは
できない。
【0022】ここに、本発明の目的は、AJC機能を備
えた巻取機によりストリップの巻取りを行う際に、ラッ
パロールのトラッキングずれ以外の原因によるトップマ
ーク傷の発生をリアルタイムで完全に判定することがで
きる装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため種々検討を重ねた結果、ラッパロールのト
ラッキングずれ以外のトップマーク傷の発生原因とし
て、AJCにおける各ラッパロールの相互干渉があるこ
とを知見した。
【0024】図7は、各ラッパロール1aないし1dの相互
干渉時におけるマンドレル2との関係を示す説明図であ
る。同図において、ラッパロールの相互干渉とは、ある
ラッパロール (例えばラッパロール1a) がCPCに基づ
くジャンプを終えた後にCPRに基づいてマンドレル2
に一定圧力で押付けられると、マンドレル2は同図の破
線で示すような形状に変形して他のCPR時のラッパロ
ール (例えばラッパロール1c) に接触することに起因
し、ラッパロール1cが鋼板先端を押圧することである。
このように、相互干渉が発生すると各ラッパロールのト
ラッキングずれは発生していないにもかかわらず、鋼板
表面にはトップマーク傷が発生してしまうことになる。
【0025】そこで、本発明者は、このようなラッパロ
ールの相互干渉によるトップマーク傷の発生を完全に判
定するためには、AJCにおけるラッパロールの相互干
渉の程度を定量的かつリアルタイムで評価・監視する必
要があるとの認識に立って、さらに鋭意検討を重ねた結
果、従来の技術のようにラッパロールの位置実績値ある
いは押付圧力実績値のみからラッパロールの動作異常を
判定するのではなくて、巻取機において行われている
ラッパロールの制御モード、ラッパロールの位置指令
値および実績値、ラッパロールの圧力指令値および実
績値、およびラッパロール駆動用サーボ電流の実績値
を全てリアルタイムで演算器に取り込み、この演算器に
おいて、項で規定されるラッパロールの制御モードと
項ないし項の増減傾向とから、AJCモードのラッ
パロールの相互干渉の有無を演算することができ、トラ
ッキングずれ以外の原因である相互干渉によるトップマ
ーク傷の発生をリアルタイムで確実に判定することがで
きることを知見して、本発明を完成した。
【0026】ここに、本発明の要旨とするところは、A
JC機能を備えた巻取機によりコイルに巻き取られるス
トリップのトップマーク傷発生判定装置であって、(i)
巻取機のラッパロールの制御モード信号の検出手段と、
(ii)ラッパロールの制御位置指令値および実績値の検出
手段と、(iii) ラッパロールの押付圧力指令値および実
績値の検出手段と、(iv)ラッパロールの駆動用サーボ電
流実績値の検出手段と、さらに、(v) (i) 項ないし(iv)
項の検出手段による検出結果に基づいて、ラッパロール
の相互干渉およびトップマーク傷の発生を判定する演算
器とを組み合わせて備えたことを特徴とするストリップ
のトップマーク傷発生判定装置である。
【0027】以下、本発明において使用する用語の定義
を列記する。本発明における「AJC」とは、前述のよ
うに、巻取り開始〜一巻完了:CPCモード、一巻完了
〜巻付き完了:CPCモードとCPRモードとの繰り返
しにより行われる巻取機のラッパロールの位置制御を意
味する。
【0028】本発明における「ストリップ」とは、長尺
の鋼板のみには限定されず、金属製の長尺な帯板一般を
意味する。本発明における「トップマーク傷」とは、コ
イルに巻き取ったストリップ先端と重なったストリップ
の内側表面に、ラッパロールを介してストリップ先端に
より押圧されて生じる表面傷を意味する。
【0029】本発明における「ラッパロール」は、巻取
機のマンドレルの周囲に配設されてAJCを行われる通
常のラッパロールであればよく、特定のものには限定さ
れない。その設置数は、通常は、3基または4基であ
る。
【0030】本発明における「制御モード信号」とは、
AJCによりラッパロールに対して行われている制御が
CPRモードであるのか否かを示す信号である。したが
って、まず巻取機における制御がAJCか否か(AJC
期間外であって単に押付け力一定でコイルを巻取ってい
るだけの状態)を判定し、AJC期間内であると判定さ
れた場合には、さらにCPRモードであることを判定す
る信号である。具体例については後述する。
【0031】本発明における「制御モード信号の検出手
段」とは、AJC制御盤からの上記制御モード信号に関
する出力を演算器に入力する際に用いる公知の検出手段
を意味する。本発明における「ラッパロールの制御位置
指令値、またはラッパロールの押付圧力指令値」とは、
AJC制御盤から各ラッパロール制御盤に出力される制
御位置または押付圧力の指令値を意味する。
【0032】本発明における「ラッパロールの制御位置
実績値の検出手段」は、公知の適宜手段であればよく、
特定の検出手段には限定されない。例えば、ラッパロー
ルを支持するラッパロールフレームの回転支点に設けら
れた回転型マグネスケールを用いた検出手段を例示する
ことができる。
【0033】本発明における「ラッパロールの押付圧力
実績値の検出手段」は、公知の適宜手段であればよく、
特定の検出手段には限定されない。例えば、ラッパロー
ルを支持するラッパロールフレームを回動自在に保持す
るシリンダに設けた圧力検出器を用いた検出手段を例示
することができる。
【0034】本発明における「ラッパロールの駆動用サ
ーボ電流実績値の検出手段」とは、ラッパロールを駆動
するサーボアンプに流れる駆動用サーボ電流の実績値を
検出することができる公知の検出手段であればよく、特
定の手段には限定されない。
【0035】本発明における「ラッパロールの相互干
渉」とは、図7を用いて説明したように、あるラッパロ
ールがCPCモードに基づくジャンプを終えた後にCP
Rモードに基づいてマンドレルに一定圧力で強制押付け
を行われたことに起因するマンドレルの変形により、マ
ンドレルとCPRモードの他のラッパロールとが接触し
てこのラッパロールが鋼板先端を押圧することをいう。
ラッパロールのトラッキングずれ以外のストリップのト
ップマーク傷の発生原因の一つである。
【0036】さらに、本発明において、演算器により行
われる「(i) 項ないし(iv)項の検出手段による検出結果
から、ラッパロールの相互干渉およびトップマーク傷の
発生を判定する」とは、(i) 巻取機のラッパロールの制
御モード信号の検出手段による検出情報がCPRモード
であることを示していること、(ii)ラッパロールの制御
位置指令値および実績値の検出手段による検出情報が、
ジャンプ後のラッパロールの位置がジャンプ前のラッパ
ロールの位置と板厚との和であることを示しているこ
と、(iii) ラッパロールの押付け圧力指令値および実績
値の検出手段による検出情報が圧力指令値に対して圧力
実績値が異常に高いことを示していること、および(iv)
ラッパロールの駆動用サーボ電流実績値の検出手段によ
る検出情報が、ラッパロールに対して押付圧力を低下す
る方向に作用することを示していることの(i) 項ないし
(iv)項の条件が全て満足された場合を、相互干渉および
トップマーク傷の発生と判定することをいう。
【0037】
【作用】以下、本発明を作用効果とともに詳述する。本
発明は、(i) 巻取機のラッパロールの制御モードがCP
Rモードであり、(ii)ラッパロールの制御位置につい
て、ジャンプ後のラッパロールの位置がジャンプ前のラ
ッパロールの位置と板厚との和であり、(iii) ラッパロ
ールの押付け圧力について、圧力指令値に対して圧力実
績値が異常に高く、かつ(iv)ラッパロールの駆動用サー
ボ電流実績値が、ラッパロールに対して押付圧力を低下
する方向に作用する場合にラッパロールの相互干渉が発
生することを利用し、これらの条件(i) ないし(iv)が満
足されているか否かを適宜検出手段および演算器により
検出・演算するストリップのトップマーク傷発生判定装
置である。
【0038】したがって、本発明によれば、例えば特開
平3−180208号公報により提案された装置または本発明
者らが先に特願平4−152303号により提案した装置では
判定することができなかったラッパロールの相互干渉に
よるトップマーク傷の発生をリアルタイムで確実に判定
することが可能となる。
【0039】また、本発明にかかるトップマーク傷発生
判定装置は、基本的に、既設のAJC制御盤に例えばパ
ソコン等の簡易な演算器を追加することにより構成でき
るため、設備コストを殆ど要することなく実施すること
ができ、実用性が極めて高い装置である。
【0040】さらに、本発明を添付図面を参照しながら
より詳細に説明する。図1は、本発明にかかるトップマ
ーク傷発生判定装置の一例を公知の巻取機に適用した場
合の制御系統を模式的に示す説明図であり、同図に示す
巻取機では4基のラッパロール1aないし1dが設置されて
いる。また、各ラッパロール1aないし1dには各ラッパロ
ールフレーム10a ないし10d を介してそれぞれ制御盤13
a ないし13d が設置されて制御系統を構成するが、同図
においてはラッパロール制御盤13a およびこれに伴う制
御系統のみを示し、ラッパロール制御盤13a およびこれ
に伴う制御系統を用いて本発明にかかるトップマーク傷
発生判定装置の制御および動作の説明を行う。他のラッ
パロール1bないし1dについてはストリップ3との接触位
置のみを示し、ラッパロール制御盤13b ないしラッパロ
ール制御盤13d およびそれらの制御系統については、ラ
ッパロール制御盤13a およびこれに伴う制御系統と全く
同一であるため、図面の理解を容易にするため省略す
る。なお、同図で用いる図中符号のうち図6で用いた図
中符号と同じものは、前述した図6と同じ意味で用いて
いる。
【0041】同図において、圧延機 (図示しない) によ
り圧延されて所定の板厚に仕上げられたストリップ3
(以下、鋼板を例にとって説明する) は、図中の矢印方
向に回転する上ピンチロール4および下ピンチロール5
を介して、適宜ガイド (図示しない) によって案内され
ながらマンドレル2上に送給される。巻取機にはAJC
機能が備えられており、鋼板3の巻付け開始から巻付き
完了(通常は6〜7巻終了時) までの間、ラッパロール
はAJCによりその位置を適宜制御される。
【0042】パルスジェネレータ6、レーザ投光器7お
よびレーザ受光器8、ラッパロールフレーム10a 、回転
支点10a'さらには回転型マグネスケール11a の機能は、
前述の図6と全く同様であり、AJC制御盤12も後述す
るラッパロール制御盤13a とのI/Oが追加された以外
は前述の図6と全く同様であるため、これらに関する説
明を省略する。
【0043】図1に示す巻取機では、サーボ弁9aの開度
が、各種センサー類からの検出信号(例えばマンドレル
2の回転軸に取付けられたパルスジェネレータによる鋼
板巻取速度検出信号等) に基づきAJC制御盤12により
切り換えられ、ラッパロール1aのAJC(CPRモード
およびCPCモードの切替え)が行われている。
【0044】このようにして、ラッパロールのAJC制
御 (巻取り開始〜一巻完了:CPCモード、一巻完了〜
巻付き完了:CPCモードおよびCPRモードの繰り返
し)が行われているが、本発明にかかる装置では、各ラ
ッパロール1a〜1dとAJC制御盤12との間にそれぞれラ
ッパロール制御盤13a 〜13d が接続される。
【0045】図1におけるラッパロール制御盤13a は演
算器14とともに、本発明にかかるストリップのトップマ
ーク傷発生判定装置を構成している。ラッパロール制御
盤13a は、AJC制御盤12からの制御モード信号、AJ
C制御盤12からの位置指令値および圧力指令値、回転型
マグネスケール11a からの制御位置実績値、ラッパロー
ルフレームを駆動するシリンダからの圧力実績値、サー
ボ弁9aに取り付けられた差動変圧器(LVDT)からのサーボ
電流実績値を取り込み、これらのデータを、例えばデー
タロガーを介して自動的に演算器14に出力する機能を備
えた制御盤である。
【0046】なお、他のラッパロール制御盤13b ないし
13d についても全く同様に構成されており、演算器14へ
ラッパロール制御盤13b ないし13d からのデータも入力
されており、演算器14ではこれらのラッパロール制御盤
13a ないし13d からのデータ全てに基づいて各ラッパロ
ール1aないし1dの相互干渉を総合的に判定する。なお、
演算器14としては、通常のパーソナルコンピュータを例
示することができる。
【0047】本発明にかかるトップマーク傷発生判定装
置の判定ロジックを示すフローチャートを図2に示す。
演算器14では、図2に示すように、(i) 巻取機のラッパ
ロールの制御モード信号の検出結果と、(ii)ラッパロー
ルの制御位置指令値および実績値の検出結果と、(iii)
ラッパロールの押付け圧力指令値および実績値の検出結
果と、(iv)ラッパロールの駆動用サーボ電流実績値の検
出結果と、さらに(v)これらの検出結果から、まず相互
干渉の有無を判定し、相互干渉有りと判定された場合に
は、さらにCPRモードのラッパロールの押付け圧力実
績値の押付け圧力指令値に対する偏差レベルから相互干
渉の程度を定量化して判定する。このようにして、本発
明にかかるトップマーク傷発生判定装置では、前記ラッ
パロールの相互干渉および前記トップマーク傷の発生を
判定する。
【0048】次に、このような相互干渉およびトップマ
ーク傷の判定手順を図1および図2とともに図3を参照
しながら、前記(i) 項ないし(v) 項の順に詳細に説明す
る。なお、ラッパロールの相互干渉は、図1においては
例えばラッパロール1cの動作により、ラッパロール1cと
対向する位置に配置されたラッパロール1aにおいて発生
するため、以降の説明は、ラッパロール1aおよび1cを用
いて行う。
【0049】図3は、図1におけるラッパロール1aに発
生した相互干渉を、本発明にかかるトップマーク傷発生
判定装置により検出する場合の検出因子の各種信号波形
例を示すグラフであって、図3(a) はCPRモードおよ
びCPCモードの切替タイミングを、図3(b) はラッパ
ロール1aのジャンプ前後の位置を、図3(c) はラッパロ
ール1aの押付圧力値を、さらに図3(d) はサーボ弁9aに
取り付けられた差動変圧器(LVDT)からのサーボ電流値を
それぞれ示す。
【0050】(i) 巻取機のラッパロールの制御モード信号の検出 巻取機における巻取制御がAJC(すなわちCPCモー
ド+CPRモード)であるのか、押付力一定制御である
のかを判断し、さらにAJCである場合にCPRモード
であることを検出する。
【0051】この検出は、図1に示す本発明にかかるト
ップマーク傷発生判定装置においては、AJC制御盤12
の出力信号により行うことができ、巻取制御が押付力一
定制御である場合は、ラッパロールの相互干渉はあり得
ず、図2のフローチャートに示すように本発明の装置の
適用範囲外である。
【0052】巻取制御がAJCである場合、これまでの
説明では制御モードはCPCモードおよびCPRモード
の2段階であったが、厳密には、図3(a) に示すように
制御モードは3段階に切替えられる。すなわち、それぞ
れCPRモード、CPCモードおよび強制押付CPRモ
ードである。ここで、CPRモードとはラッパロール1a
がマンドレル軸心方向に一定圧力でコイル表面を押付け
る制御モードであり、CPCモードとは鋼板先端3aがラ
ッパロール1aに近づいた際に鋼板先端3aとの衝突を回避
するため、ラッパロール1aにジャンプ指令を出力してコ
イルからラッパロール1aを離反させる制御モードであ
り、さらに強制押付CPRモードとはCPCモードによ
るラッパロール1cのジャンプ直後にラッパロールが早急
に鋼板を拘束するようサーボ弁開度を一定に保つが押付
力の制御は行われていないためにコイルに過大な押付力
が作用する制御モードをいう。
【0053】図3(a) に示すように、ラッパロール1aは
マンドレルの回転に伴って、CPRモード、CPCモー
ドおよび強制押付CPRモードを順次繰り返しており、
ラッパロール1aのラッパロール1cによる相互干渉はラッ
パロール1aがCPRモードである場合に発生するため、
巻取機のラッパロールの制御モード信号の検出ではCP
Rモードか否かを検出する。
【0054】上記(i) 項によりラッパロール1aの制御モ
ード信号がAJCであると判断され、かつCPRモード
である場合について、さらに下記(ii)項ないし(iv)項の
検出を行う。以下、これらの検出手段、検出内容を図1
ないし図3を参照しながら分説する。
【0055】(ii)ラッパロールの制御位置指令値および実績値 図1に示す本発明にかかるトップマーク傷発生判定装置
においては、ラッパロール1aの制御位置指令値は、AJ
C制御盤12からラッパロール制御盤13a への出力値によ
り求めることができ、ラッパロールの制御位置実績値
は、ラッパロール1aのラッパロールフレーム10a の回転
支点10a'に設けられた回転型マグネスケール11a により
検出することができる。
【0056】図3(b) の実線は、回転型マグネスケール
11a により検出した、相互干渉発生時のラッパロール1a
のジャンプ位置例を示すグラフであり、一方、一点鎖線
は次の巻きの鋼板が到着していない時にラッパロールが
ジャンプおよび着地したとき、すなわちラッパロールの
トラッキングずれが発生した時のジャンプ軌跡を示して
いる。すなわち、相互干渉により発生するトップマーク
傷は、トラッキングずれを生じることなくラッパロール
が鋼板先端の通過タイミングに適正にジャンプしても発
生するため、同図に示すように、ジャンプ後位置がジャ
ンプ前位置と板厚との和になっているか否か、すなわち
ラッパロール1aにトラッキングずれが発生していないこ
とを判定因子の一つとして用い、ラッパロールの相互干
渉の発生を検出する。
【0057】(iii) ラッパロールの押付け圧力指令値および実績値 図1に示す本発明にかかるトップマーク傷発生判定装置
においては、ラッパロール1aの押付け圧力指令値は、A
JC制御盤12からのラッパロール制御盤13a への出力値
により求めることができ、ラッパロール1aの押付け圧力
実績値は、ラッパロールフレーム10a を駆動するシリン
ダに取り付けられた圧力計により検出することができ
る。
【0058】図3(c) の実線は正常時の圧力 (≒押付け
圧力指令値) を示し、破線は相互干渉発生時の圧力をそ
れぞれ示しており、正常時を示す実線における水平線X
−Yより圧力が上昇する場合は加圧方向を示し、下降す
る場合は圧抜き方向をそれぞれ示す。
【0059】相互干渉が発生するとシリンダの圧力が異
常に高まるため、ラッパロールの押付け圧力指令値およ
び実績値の検出手段による検出情報から、圧力指令値に
対して圧力実績値が異常に高いことを検出する。すなわ
ち、図3(c) に破線で示すように圧力実績値が異常に高
い状態が存在することを検出する。圧力実績値が異常に
高いとは、強制押付CPR直後に23kg/cm2/100msec以上
の傾きまで、かつ、その増加量が10kg/cm2程度以上に圧
力実績値が上昇する場合を意味する。
【0060】なお、本発明にかかるトップマーク傷発生
判定装置により相互干渉有りと判断された場合、さらに
この図3(c) に示すグラフの破線部の高さにより、相互
干渉およびトップマーク傷の程度をも判定することがで
きる。したがって、本発明にかかるトップマーク傷発生
判定装置によりトップマーク傷の程度を判定した場合に
は、この図3(c) に示すグラフの圧力上昇分からどの程
度にラッパロール1aの押付圧力を低下させればよいかを
判断することができる。
【0061】(iv)ラッパロールの駆動用サーボ電流実績値 図1において、ラッパロール1aの駆動用サーボ電流は、
ラッパロール1aを軸支するラッパロールフレーム10a を
駆動するシリンダのサーボ弁9aに取り付けた差動変圧器
LVDTにより測定する。ラッパロール1aはAJCにより制
御されており、相互干渉の発生時にはCPRモード (押
付力一定制御) であるため、このCPRモードを成立さ
せるためシリンダ圧力(ラッパロール1aの押付圧力)が
上昇した場合にはこれに対応してシリンダ圧力を可及的
一定に制御するためシリンダ圧力を低下せしめるように
自動的にラッパロールの駆動用サーボ電流がコントロー
ルされるが、この駆動用サーボ電流値がシリンダ圧力を
低減させる方向に流れているのか、換言すれば相互干渉
の発生状態を示す方向へ制御されているかを検出するの
である。
【0062】すなわち、図3(c) および図3(d) におい
ては、実線はラッパロール1aに相互干渉が発生しない場
合を示している。これに対し、破線は相互干渉が発生す
る場合を示しており、図1において、ラッパロール1cが
強制押付CPRモードにより鋼板表面へ着地すると、マ
ンドレル2はラッパロール1cからの過大な押圧力により
変形してラッパロール1aを押すため、マンドレル2はラ
ッパロール1aと接触してこれを押圧し、ラッパロール1a
を軸支するラッパロールフレーム10a を駆動するシリン
ダの圧力が上昇する。シリンダ圧力が上昇すると、前述
のようにCPRモード(押付圧力一定制御)であるた
め、これを減圧する方向にラッパロール1aの駆動用サー
ボ電流が流れる。ところで、このような圧力およびサー
ボ電流の異常はラッパロール1aのトラッキングずれによ
っても発生するが、トラッキングずれにより発生する場
合は図3(b) に示すグラフがジャンプ後位置=ジャンプ
前位置となる場合であるため、図3(b) ないし図3(d)
に示すように、ジャンプ後位置=ジャンプ前位置+板
厚、シリンダ圧力:加圧方向、およびサーボ電流:圧抜
き方向の場合には、相互干渉の発生と判定することが可
能となる。
【0063】上記のように、ジャンプ後位置がジャンプ
前位置と板厚との和であって、かつラッパロール1aの押
付け圧力指令値および実績値の検出手段による検出情報
が圧力指令値に対して圧力実績値が異常に高く、さら
に、ラッパロール1aの駆動用サーボ電流実績値の検出手
段による検出情報が、ラッパロール1aに対して圧力を低
下する方向に作用している場合、ラッパロール1aに相互
干渉が発生し、ラッパロール1aによるトップマーク傷の
発生と判断できる。
【0064】本発明にかかるトップマーク傷発生判定装
置では、相互干渉によるトップマーク傷の発生を(i) な
いし(iv)の条件を全て満足したことにより判定する。な
お、全ての条件が満足され、相互干渉の発生が判定され
た場合には、前述のように、図3(c) に示すグラフの破
線部の高さ (押付け圧力の正常時に対する偏差) によ
り、相互干渉およびトップマーク傷の程度をも判定する
ことができ、どの程度にラッパロール1aの押付圧力を低
下させればトップマーク傷を解消できるかを迅速に判断
することができる。
【0065】このように、本発明にかかるトップマーク
傷発生判定装置により、ラッパロールの相互干渉の有
無、およびその程度が判定された場合、AJC制御盤12
によりCPCモードとCPRモードとの割合の調整、具
体的には、例えばラッパロール1aで相互干渉によりトッ
プマーク傷が発生している場合にはこれと対応するラッ
パロール1cのジャンプ後の強制押付力を適宜調整するこ
とにより、ラッパロールの相互干渉は発生していても鋼
板表面にトップマーク傷を発生させないことが可能とな
る。このようなラッパロールの鋼板への押付圧力の調整
を、本発明にかかるトップマーク傷発生判定装置によれ
ば、例えば簡易なプラグラムを構成することにより、発
生とほぼ同時にリアルタイムでかつ自動的に行うことが
でき、実用上、極めて優れた効果を得られる。さらに、
本発明を実施例を参照しながら説明するが、これは本発
明の例示であり、これにより本発明が限定されるもので
はない。
【0066】
【実施例】図1に示す構成のAJC機能を備えた巻取機
を用いて鋼板3(板厚:3.2 mm)の巻取りを行う場合
に、ラッパロール制御盤13a 〜13d と演算器14とにより
構成される、本発明にかかるトップマーク傷発生判定装
置を図1に示すように接続して、鋼板3の表面における
トップマーク傷の発生を判定した。本発明にかかるトッ
プマーク傷発生判定装置の判定ロジックは図2に示す通
りであった。
【0067】ラッパロール制御盤13a に入力された、ラ
ッパロール1aに関する制御モード信号、制御位置指令値
および実績値、押付け圧力指令値および実績値、および
駆動用サーボ電流実績値を、図4および図5に示す場合
に分けて、それぞれ経時的にグラフで示す。
【0068】相互干渉発生の判定基準は、前述のよう
に、(i) 制御モード信号:CPRモード、(ii)制御位
置:ジャンプ後位置=ジャンプ前位置+板厚、(iii) 圧
力実績値≫圧力指令値、および(iv)ラッパロールの押付
圧力を低下する方向への駆動用サーボ電流の存在の、
(i) 項ないし(iv)項の条件が全て満足されることであ
る。
【0069】図4において、制御モード信号がCPRモ
ードである時期について、(ii)制御位置実績値、(iii)
圧力実績値、(iv)駆動用サーボ電流実績値について調査
した。
【0070】(ii)ラッパロールの制御位置実績値は、ジ
ャンプ時を境に急激に増加しており、かつジャンプ後位
置=ジャンプ前位置+板厚分となって、ステップ状に上
昇した。(iii) 圧力実績値は、CPRモード(図中の
A、B、CおよびDの時期)にほぼ定圧制御になってお
り、圧力異常は認められなかった。(iv)駆動用サーボ電
流実績値はラッパロールの押付圧力を低下する方向へは
流れていなかった。
【0071】したがって、本発明にかかるトップマーク
傷発生判定装置は図4に示す結果において(iii) 圧力実
績値≫圧力指令値が満足されていないため、ラッパロー
ルの相互干渉およびトップマーク傷はともに発生しない
と判定した。巻取り終了後にコイルを巻き戻してストリ
ップ表面のトップマーク傷の発生を目視で調査したが、
全く発生しておらず、本発明にかかるトップマーク傷発
生判定装置による判定結果に符合した。
【0072】一方、図5において、制御モード信号がC
PRモードである時期について、(ii)制御位置実績値、
(iii) 圧力実績値、(iv)駆動用サーボ電流実績値につい
て調査した。(ii)ラッパロールの制御位置実績値は、ジ
ャンプ時を境に急激に増加しており、かつジャンプ後位
置=ジャンプ前位置+板厚分となって、ステップ状に上
昇した。
【0073】(iii) 圧力実績値は、CPRモード(図中
のE、F、GおよびHの時期) に急激に増加しており、
圧力異常が認められた。(iv)駆動用サーボ電流は、CP
Rモード(図中のI、J、KおよびLの時期)に、ラッ
パロールの押付圧力を低下する方向へ流れた。
【0074】したがって、本発明にかかるトップマーク
傷発生判定装置は図5に示す結果から、鋼板にはトップ
マーク傷は発生したと判定した。巻取り終了後にコイル
を巻き戻してストリップ表面のトップマーク傷の発生を
目視で調査したが、2巻き目ないし5巻き目のコイルの
内側表面にトップマーク傷が発生しており、本発明にか
かるトップマーク傷発生判定装置による判定結果に符合
した。表1には、図4ないし図5の結果を評価した際に
用いた4つの判定条件に関する結果を、トップマーク傷
の目視による調査結果とともにまとめて示す。
【0075】
【表1】
【0076】表1にまとめた結果から、本発明にかかる
ストリップのトップマーク傷発生判定装置により、AJ
C機能を備えた巻取機によりストリップの巻取りを行う
際に、ラッパロールのトラッキングずれ以外の原因であ
る相互干渉により発生するトップマーク傷の発生をリア
ルタイムで完全に判定することができたことがわかる。
【0077】なお、図5に示す例では、判定直後に、相
互干渉によりトップマーク傷を発生しているラッパロー
ル1aの押付圧力をおよそ30%低下させることにより、ラ
ッパロールの相互干渉にもかかわらず、判定直後からト
ップマーク傷を完全に解消できた。
【0078】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、AJC
機能を備えた巻取機によりストリップの巻取りを行う
際、ラッパロールのトラッキングずれ以外の原因により
発生するトップマーク傷の発生をリアルタイムで完全に
判定することが可能となった。
【0079】したがって、ラッパロールのトラッキング
ずれ以外の原因である相互干渉によるトップマーク傷の
発生に対して迅速に対応することが可能となり、ストリ
ップ巻取り時の歩留りおよび生産性の低下を抑制するこ
とができた。また、本発明にかかるトップマーク傷発生
判定装置は、簡単な設備改造により構成することがで
き、実現も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるトップマーク傷発生判定装置を
公知の巻取機に適用した場合の制御系統を模式的に示す
説明図である。
【図2】本発明にかかるストリップのトップマーク傷発
生判定装置の判定ロジックを示すフローチャートであ
る。
【図3】図1におけるラッパロール1aに発生した相互干
渉を、本発明にかかるストリップのトップマーク傷発生
判定装置により検出した場合の検出因子の各種信号波形
例を示すグラフであって、図3(a) はCPRモードおよ
びCPCモードの切替タイミングを、図3(b) はラッパ
ロール1aのジャンプ前後の位置を、図3(c) はラッパロ
ール1aの押付圧力を、さらに図3(d) はサーボ弁9aに取
り付けられた差動変圧器(LVDT)からのラッパロールの駆
動用サーボ電流値をそれぞれ示す。
【図4】実施例の結果を、制御モード信号、制御位置実
績値、圧力実績値および駆動用サーボ電流実績値につい
て示すグラフであり、相互干渉が発生しなかった場合を
示す。
【図5】実施例の結果を、制御モード信号、制御位置実
績値、圧力実績値および駆動用サーボ電流実績値につい
て示すグラフであり、相互干渉が発生した場合を示す。
【図6】ストリップの一般的な巻取機により鋼板3を巻
取る際のラッパロールの制御系統について示した説明図
である。
【図7】各ラッパロール1aないし1dの相互干渉時におけ
るマンドレル2との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1a〜1d:ラッパロール 2:マンド
レル 3:ストリップ (鋼板) 3a:鋼板先端 4:上ピンチロール 5:下ピンチロ
ール 6:パルスジェネレータ 7:レーザ投光
器 8:レーザ受光器 9a〜9d:サーボ弁 10a 〜10d :ラッパロールフレーム 10a'〜10d':回
転支点 11a 〜11d :回転型マグネスケール 12:A
JC制御盤 13a 〜13d :ラッパロール制御盤 14:演
算器

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 AJC機能を備えた巻取機によりコイル
    に巻き取られるストリップのトップマーク傷の発生判定
    装置であって、(i) 前記巻取機のラッパロールの制御モ
    ード信号の検出手段と、(ii)前記ラッパロールの制御位
    置指令値および実績値の検出手段と、(iii) 前記ラッパ
    ロールの押付け圧力指令値および実績値の検出手段と、
    (iv)前記ラッパロールの駆動用サーボ電流実績値の検出
    手段と、さらに、(v) 前記(i) 項ないし(iv)項の検出手
    段による検出結果に基づいて前記ラッパロールの相互干
    渉および前記トップマーク傷の発生を判定する演算器と
    を組み合わせて備えたことを特徴とするストリップのト
    ップマーク傷発生判定装置。
JP5011158A 1993-01-26 1993-01-26 ストリップのトップマーク傷発生判定装置 Withdrawn JPH06218430A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103223420A (zh) * 2012-01-29 2013-07-31 宝山钢铁股份有限公司 一种控制热轧钢卷内圈压痕的方法和系统
CN104936715A (zh) * 2012-11-28 2015-09-23 东芝三菱电机产业系统株式会社 带状物的卷绕装置
JP2017148822A (ja) * 2016-02-23 2017-08-31 Jfeスチール株式会社 熱延鋼板の巻取方法および巻取装置
KR101867687B1 (ko) * 2016-08-29 2018-06-15 주식회사 포스코 권취장치 및 권취방법

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