JPH0622560B2 - ヒアルロン酸塩シートの製造方法 - Google Patents

ヒアルロン酸塩シートの製造方法

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JPH0622560B2
JPH0622560B2 JP1089683A JP8968389A JPH0622560B2 JP H0622560 B2 JPH0622560 B2 JP H0622560B2 JP 1089683 A JP1089683 A JP 1089683A JP 8968389 A JP8968389 A JP 8968389A JP H0622560 B2 JPH0622560 B2 JP H0622560B2
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孝志 野澤
實 原
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Kikkoman Soyfoods Co
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Kibun Food Chemifa KK
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はヒアルロン酸塩シート及びその製造方法並びに
その用途に関する。
〔従来の技術〕
熱傷等の傷痕の成形のためになされた植皮部もしくはそ
のために発生した採皮部等の皮膚欠損傷の治療のため、
従来から被覆保護材が用いられてきた。それらの中で古
くから最も一般的なものは医療用ガーゼもしくは医療用
不織布であるが、これらは創傷部に付着しやすく無理に
剥離すると又傷が付いてしまうという問題点があった。
そこで、これらの問題点のないより優れた皮膚欠損傷用
被覆保護材を提供すべく、生体適合性の優れた天然物由
来の素材からなる該保護材が開発されている。例えば甲
殻類の外骨格等に含まれているアミノ多糖類の1種であ
るキチンの繊維からなる不織布や、コラーゲン不織布、
或いは凍結豚皮等がそれである。
しかし、これらはいずれも創面への密着性が充分でなく
患部に浸出液が貯留しやすい他、治癒後の皮膚の状態も
よくないという問題点があり、又、資源の面からも充分
な量産が難しいという問題点を抱えていた。
一方、ヒアルロン酸は硝子体、へその緒、皮膚、ニワト
リのトサカ等の動物組織に分布している多糖類であっ
て、近年その特性を利用して化粧品、医薬等に利用され
るようになってきており、特にヒアルロン酸の醗酵法に
よる製法が開発されてからはその用途開発も一段と盛ん
になっているものである。
しかしながら、このヒアルロン酸及びその塩そのものを
直接上記の皮膚欠損傷用被覆保護材に用いようとする試
みは今までなかった。ちなみに、これに近い技術として
特開昭61-187866 号公報に医療用ガーゼまたは医療用不
織布にヒアルロン酸又はその塩を0.01〜2.0 重量%にな
るように表面処理することを特徴とする医療用被覆材が
開示されているがこれもヒアルロン酸塩それ自体からな
る創傷被覆保護材ではない。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は上記した事情に鑑みて、生体適合性があり、皮
膚欠損傷或いは創傷等の人体表面部の患部への密着性に
優れ、保湿性なども良好で、治癒後の表皮の状態もなめ
らかになるような優れた皮膚欠損傷被覆保護材の開発を
目的になされたものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは以前より研究してきたヒアルロン酸塩が本
来有している保湿性、保水性及び生体への親和性に着目
し、これを利用すると極めて優れた皮膚欠損傷に対する
被覆保護材になり得るという知見を得るとともにヒアル
ロン酸塩のシート化技術を開発し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、ヒアルロン酸塩の繊維からなるシー
トを製造するために水溶性有機溶媒の最終濃度が50 V/
V %以上になるように該溶媒中にヒアルロン酸水溶液を
導入し、繊維状ヒアルロン酸塩を凝固析出せしめ、次い
で液中で破砕して単繊維にした後、これを抄造し、乾燥
することを特徴とする該シートの製造方法を提供するも
のである。
以下本発明を詳細に説明する。
ヒアルロン酸は硝子体、へその緒、皮膚、ニワトリのト
サカ等に含まれているグリコサミノグリカンの1種であ
る。
本発明においてはこのヒアルロン酸塩を原料として用い
る。ヒアルロン酸塩としては好ましくはナトリウム、カ
リウム、カルシウムの塩であり、特に好ましくはナトリ
ウム塩である。
ヒアルロン酸塩を製造するには動物組織、例えばニワト
リのトサカ、へその緒などを細砕した後、プロテアーゼ
や溶媒処理によりタンパク質等の不純物を除き、硫酸ア
ンモニウムで分別沈澱を行い製造するか、近年発展した
ヒアルロン酸生産菌を利用した醗酵法により製造するこ
とができる。いずれの方法によるとしても用いるヒアル
ロン酸塩は充分精製し、純度の高いものを用いる必要が
ある。
このヒアルロン酸塩を次に示す方法にて繊維状にする。
すなわち、まずヒアルロン酸塩、例えばヒアルロン酸ナ
トリウム等を水に溶解し、 0.1〜2.0 W/V %の水溶液
とする。該ヒアルロン酸塩水溶液の濃度は 0.1W/V %
未満では粉末化して濾取脱水が困難になるので好ましく
なく、又2.0W/V %を越えると析出沈澱はするものの内
部流動性のゼリー状となってしまうので好ましくない。
この水溶液の粘度は0.1W/V %の時は 200CPであるが、
1.0W/V %の場合は25,000CPであり、2.0W/V %のでは
250,000CPというかなり粘調な液となる。
次にこのヒアルロン酸塩水溶液を水溶性有機溶媒の中に
入れると凝固して繊維状となる。該繊維状物の構造はよ
り細いヒアルロン酸塩の繊維が互いに絡み合った構造に
なっている。
水溶性有機溶媒としてはメタノール、エタノール、アセ
トン、n−プロパノール、イソプロパノール、又はアセ
トニトリルが好ましい。
又、水溶性有機溶媒の最終濃度は50 V/V %以上、好ま
しくは60〜80 V/V %、特に好ましくは70〜75 V/V %
である。すなわち、ヒアルロン酸塩水溶液から加わる水
分によって該溶媒の濃度は低下するのであるが、50 V/
V %以上を保っていないとヒアルロン酸塩が繊維状に析
出してこなくなくなるので好ましくない。
ヒアルロン酸塩(ドープ)を凝固液である水溶性有機溶
媒中に導入する方法としては容器などから粘調なヒアル
ロン酸塩水溶液を直接水あめ状に自然垂下することによ
り撹拌されている水溶性有機溶媒中に導入する方法もと
ることができるが、工業的にはギヤポンプ等を用いて径
が0.01〜0.5 mm程度のノズルから上記のドープを凝固液
中に吐出せしめて行うのがよい。
以上によって得られた繊維状物はそのままではシート化
に適した状態になっていないので、細繊維が絡み合って
太い糸状をなしているものをほぐし、且つ長さもシート
化に適した2〜5mm程度の短繊維にする必要がある。繊
維の長さが上記範囲をはずれて短くなりすぎると綿状に
なりシート化が困難となり、一方長すぎると繊維同志が
分散媒中で塊状化し均一な分散が困難になるので好まし
くない。これに反して上記の2〜5mm程度の長さではシ
ート内の繊維の絡みも適当となり、且つヒアルロン酸塩
繊維の特徴である自己接着性が有効に働いて繊維間の接
着結合も良好となるという効果が得られる。
短繊維化の方法としては公知の短繊維化技術が使用でき
るが、水溶性有機溶媒中で翼付きミキサー例えばカッタ
ーミキサーやジューサーミキサー等を用いて当該繊維状
物を細かく粉砕する方法が簡便である。この場合、該ミ
キサーの回転数としては2000〜5000rpm 程度が好まし
く、時間は10〜30秒程度がよい。又、短繊維化の際、使
用する溶媒は紡糸に使用した前記の水溶性有機溶媒が好
適であり、その濃度は90〜99 V/V %のものが好まし
い。
以上によって得られたヒアルロン酸塩の短繊維からシー
トを製造するには和紙の抄造と似た方法によって行うこ
とができる。
すなわち、まず水溶性有機溶媒等の分散液中で当該短繊
維を均一な分散になるように撹拌した後、これを分散液
は通すが該短繊維は通さない固液分離装置、例えば各種
濾材の上に必要量流し込む。この際、厚みが平均的にな
るように流し込むことが好ましく、又吸引濾過の方式を
用いると製造時間を短縮することができる。
濾材は公知の濾紙、金網、濾布、セラミックもしくはプ
ラスチックフィルター等の中から適宜選択して使用すれ
ばよい。
又短繊維を分散させておく分散液は、該短繊維を溶解も
しくは変質せしめない溶媒ならいずれも使用できるが、
紡糸及び短繊維化時に使用したのと同じ水溶性有機溶媒
を用いた方が回収再使用の際、経済的であり好ましい。
このようにして得られたヒアルロン酸塩繊維シートはい
わゆる湿紙の状態となっている。該シート中に含まれる
水分量は短繊維化時に使用した溶媒が90〜99 V/V %と
した場合通常 1.0〜11.0V/V %が好ましく、良好なシ
ートを得るため特に好ましい水分量は5〜6 V/V %で
ある。
この湿紙状シートを通常の乾燥機等を用いて乾燥すると
目的とするシートが得られる。この場合乾燥条件は乾燥
温度が通常50〜90℃、好ましくは60〜80℃、乾燥時間が
30分〜60分である。
〔発明の効果〕
本発明のヒアルロン酸塩繊維シートはヒアルロン酸塩繊
維が自己接着性を有するため、一般の不織布で必須の接
着剤を使用しないにもかかわらず、各繊維が互いに接着
結合し、優れた強度を有している。又、このシートはヒ
アルロン酸が天然物由来のものであり上記のように接着
剤の使用もないため、人体に対しては安全であり、優れ
た吸、保水性並びに保湿性とともに生体への適合性も優
れているという効果が得られる。
したがって、これらの効果、特性を利用して本発明シー
トを皮膚欠損傷用被覆保護材として用いた場合、患部か
ら滲み出す液体を素早く吸収、保持して表皮形成を促進
し、治癒後の表皮の状態もなめらかで良好という効果が
得られる。
〔実施例〕
以下実施例で本発明を説明する。
実施例1 ゆっくり撹拌されている95%メタノール1000ml中に粘調
なヒアルロン酸ナトリウムの1 W/V %水溶液 300mlを
徐々に垂下しつつ導入すると、直ちに凝固して繊維状物
を形成する。この場合のメタノールの最終濃度は約73 V
/V %であった。
この繊維状物を液体から取り出し、濾別によって充分液
をしぼった後、再び95%メタノール500 ml中に入れ、市
販のジュースミキサーを用い4130rpm で約20秒激しく撹
拌したところ、繊維状物は破砕され、長さ2〜5mmの短
繊維となった。
続いてこれを適度に撹拌して、該短繊維が均一に分散さ
れた分散液(ドープ)を調製し、吸引濾過装置に設けら
れた直径 150mmの円形濾紙上に流し込むと湿紙様のシー
トが得られた。
このシートを電熱式乾燥機に入れ60℃で30分間乾燥する
と直径 150mmの円形のヒアルロン酸ナトリウム繊維シー
トが得られた。このシートは白色で濾紙のような外観を
持ち、厚さが約 0.5mmの均一なシートであった。
このシートから 1.5cm2の試験片を切り取り、相対湿度8
1%中に24時間放置した後の重量増加を測定しその吸湿
性を測定したところ18.7%であった。
又、巾2mmの帯状試料を切り取り、両端を固定し一端に
おもりを加えて引っ張り、切れたときの荷重量によって
強度を測定したところ41.59 g重の強度があることがわ
かった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−14019(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水溶性有機溶媒の最終濃度が50 v/v %以
    上になるように該溶媒中にヒアルロン酸塩水溶液を導入
    し、繊維状になったヒアルロン酸塩を凝固析出せしめ、
    次いでそれを液中で破砕して短繊維にした後、該繊維を
    抄造し、乾燥することを特徴とするヒアルロン酸塩の繊
    維からなるシートの製造方法。
  2. 【請求項2】水溶性有機溶媒がメタノール、エタノー
    ル、アセトン、n−プロパノール、イソ−プロパノー
    ル、及びアセトニトリルから選ばれた1以上の溶媒であ
    ることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】ヒアルロン酸塩がヒアルロン酸ナトリウ
    ム、ヒアルロン酸カリウム、及びヒアルロン酸カルシウ
    ムから選ばれた1種以上である請求項1記載の製造方
    法。
  4. 【請求項4】ヒアルロン酸塩繊維シートからなる皮膚欠
    損傷用被覆保護材。
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