JPH062261B2 - 鋼板の被覆方法 - Google Patents

鋼板の被覆方法

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JPH062261B2
JPH062261B2 JP60183276A JP18327685A JPH062261B2 JP H062261 B2 JPH062261 B2 JP H062261B2 JP 60183276 A JP60183276 A JP 60183276A JP 18327685 A JP18327685 A JP 18327685A JP H062261 B2 JPH062261 B2 JP H062261B2
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一郎 田渕
政文 久米
孝 宇田川
駒治 松井
泰弘 藤井
洋一 増渕
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、鋼板、特に自動車車体に耐チッピング性、防
食性および物理的性能などのすぐれた複合塗膜を形成す
るための被覆方法に関するものである。
自動車産業分野では塗膜の耐久性の問題、特に衝撃剥離
による塗膜の耐食性低下ならびに鋼板の腐食の進行の問
題が重視されつつある。特に欧米の寒冷地域等では冬季
自動車道路の路面凍結を防止するために比較的粗粒に粉
砕した岩塩を多量に混入した砂利を敷くことが多く、こ
の種の道路を走行する自動車はその外面部において車輪
で跳ね上げられた岩塩粒子や小石が塗膜面に衝突し、そ
の衝撃により塗膜が局部的に車体上から全部剥離する衝
撃剥離現象、いわゆる“チッピング”を起こすことが屡
々ある。この現象により、車体外面の被衝撃部の金属面
が露出し、すみやかに発錆するとともに腐蝕が進行す
る。通常、チッピングによる塗膜の剥離は車体底部およ
び足まわり部に多いが、フードおよびルーフにまで発生
し約半年〜1年で局部的腐蝕がかなり顕著になることが
知られている。
このチッピングならびにこれに基因する腐蝕の進行を防
止するため、従来から車体の外部金属基体表面の化成処
理ならびに電着塗料、中塗塗料および上塗塗料について
各種の検討が加えられた。例えば、化成処理において、
結晶形の異なる燐酸鉄系皮膜および燐酸亜鉛系皮膜の使
用が検討されたが、かかる化成処理によって被衝撃部に
おける塗膜の付着性を充分に改善することは困難であ
る。また、電着塗料および上塗塗料についても該塗料に
含有されている樹脂および/または顔料について種々検
討されてきたが、チッピングに耐え得る充分な付着性改
善効果を有するものは今まで見い出すに至っていない。
また、中塗塗料組成物中に無機箔状顔料である絹雲母ま
たはタルク粉を含有せしめ、それによって該無機箔状顔
料による中塗塗膜層内のズリによる衝撃力の緩和および
/または分散を達成し、或いは中塗塗膜層内または電着
塗料塗面と中塗塗膜との境界面でのみ局部的に剥離を起
させるようにし、かくして電着塗料塗膜の損傷を阻止
し、この無キズの電着塗料塗膜が防錆機能を確実に維持
することをねらったものであるが、車体の外面に加わる
衝撃力は一定でなく、かなり大きい場合もあって、これ
らの方法では中塗塗膜層内のズリによる緩和・分散能力
以上の衝撃力が加えられた場合には、その衝撃力を中塗
塗膜層のところで阻止しきれず被衝撃部が電着塗膜を含
むすべての塗膜に及び塗膜全体が金属基体面より剥離
し、その結果その部位はすみやかに発錆し腐食が進行す
るという欠点がある。
そこで、本発明者らは、上述の問題点を改善するため、
通常のアニオン型電着塗料、中塗塗料および上塗塗料か
らなる鋼板の塗装系によって得られる仕上り外観と少な
くとも同等で、しかも耐チッピング性、物理的性質及び
防食性に優れた複合塗膜を形成する被覆方法を提供する
ことを目的として鋭意検討を重ねた結果本発明を完成す
るに至った。
すなわち、本発明によれば、鋼板にアニオン型電着塗料
を塗装し、次いで該塗面に形成塗膜の静止的ガラス転移
温度が−30〜−60℃である変性ポリオレフィン系樹
脂を主成分とする有機溶剤系バリアーコートを塗装した
後に、中塗り塗料および上塗り塗料を順次塗装すること
を特徴とする鋼板の被覆方法が提供される。
「バリアーコート」なる用語は慣用されていないが、本
発明では、上記物理的特性値と組成を持ち、かつ本発明
の目的を達成せしめる複合塗膜を形成することが可能な
有機溶剤系塗料「バリアーコート」と称する。
本発明の特徴は、鋼板にアニオン型電着塗料、中塗塗料
および上塗塗料を順次塗装する複合塗装工程において、
電着塗料を塗装後、中塗塗料を塗装するに先立って、特
定の組成ならびに性状を有する有機溶剤系バリアーコー
トを電着塗面にあらかじめ塗装するところにある。その
結果、耐チッピング性、防食性、物理的性能などの著し
くすぐれた複合塗膜を形成することができたのである。
すなわち、静的ガラス転移温度を−30〜−60℃に調
製したバリアーコート塗膜は、前記耐チッピング性向上
を目的とした中塗り塗膜などに比べて柔軟で、しかも変
性ポリオレフイン系樹脂に基因する特有の粘弾性を有し
ている。したがって、かかる物理的性質を有せしめたバ
リアーコート塗膜層を介して形成した中塗り塗膜〜上塗
り塗膜系表面に岩塩や小石などによる強い衝撃力が加え
られても、その衝撃エネルギーの殆どまたは全ては該バ
リアーコート塗膜内に吸収されその下層の電着塗膜にま
で波及せず、しかも上塗りならびに中塗りの両塗膜も物
理的損傷を受けることが殆ど解消されたのである。つま
り、上記バリアーコート塗膜層が外部からの衝撃力の緩
衝作用を呈して耐チッピング性が著しく改良され、チッ
ピングによる鋼板の発錆、腐食の発生を防止でき、しか
も岩塩、小石などの衝突による上塗り塗膜の劣化も解消
できたのである。
以下に、本発明の塗装方法について具体的に説明する。
鋼板:本発明の方法によって塗装せしめる被塗物であっ
て、アニオン電着塗装することが可能な金属表面を有す
る素材であれば何ら制限を受けない。例えば、鉄、銅、
アルミニウム、スズ、亜鉛ならびにこれらの金属を含む
合金、およびこれらの金属、合金のメッキ、もしくは蒸
着製品などがあげられ、具体的にはこれらを用いてなる
乗用車、トラック、サファリーカー、オートバイなどの
車体がある。また、該鋼板を、アニオン型電着塗料を塗
装するに先立って、あらかじめリン酸塩もしくはクロム
酸塩などで化成処理しておくことが好ましい。
アニオン型電着塗料:上記鋼板に塗装するための電着塗
料であって、それ自体公知のものが使用できる。アニオ
ン型電着塗料は、主としてカルボキシル基を持つ樹脂を
ベースとし、塩基性化合物で中和、水溶化(水分散化)
してなる陽極析出型の電着塗料であって、上記鋼剤(被
塗物)を陽極として塗装される。
カルボキシル基を持つ樹脂は、乾性油(あまに油、脱
水ひまし油、桐油など)に無水マレイン酸を付加したマ
レイン化油樹脂;ポリブタジエン(1,2型、1,4
型など)に無水マレイン酸を付加したマレイン化ポリブ
タジエン;エポキシ樹脂の不飽和脂肪酸エステルに無
水マレイン酸を付加した樹脂;高分子量多価アルコー
ル(分子量約1000以上で、エポキシ樹脂の部分エス
テルおよびスチレン/アリルアルコール共重合体なども
含まれる)に多塩基酸(無水トリメリット酸、マレイン
化脂肪酸、マレイン化油など)を付加して得られる樹
脂;カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(脂肪酸変
性したものも含む);カルボキシル基含有アクリル樹
脂;グリシジル基もしくは水酸基を含有する重合性不
飽和モノマーと不飽和脂肪酸との反応生成物を用いて形
成された重合体もしくは共重合体に無水マレイン酸など
を付加せしめた樹脂;などがあげられ、カルボキシル基
の含有量が酸価に基づいて一般に約30〜200の範囲
のものが適している。そして、これらカルボキシル基含
有樹脂におけるカルボキシル基を中和し、上記樹脂を水
溶(分散)化するための中和剤としては、例えば、モノ
エタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミ
ノエタノール、などのアルカノールアミン;ジエチルア
ミン、トリエチルアミンなどのアルキルアミン;水酸化
カリウム、水酸化ナトリウムなどの無機アルカリなどが
使用できる。これら中和剤の使用量は、上記樹脂の酸価
に対する理論中和当量の約0.1〜1.0倍当量(好ましくは
0.4〜0.8倍当量)の範囲が適当である。
また、上記樹脂の架橋剤としては、ヘキサキスメトキシ
メチルメラミン、ブトキシ化メチルメラミン、エトキシ
化メチルメラミンなどの低分子量メラミン樹脂を必要に
応じて使用することができる。
さらに、アニオン型電着塗料には、顔料(着色顔料、体
質顔料、防錆顔料など。顔料の配合量は樹脂固形分10
0重量部あたり40重量部未満とすることができる)、
親水性溶剤、水、添加剤などを必要に応じて配合し、固
形分濃度を約5〜40重量%に脱イオン水などで調整
し、pH7〜9の範囲に保ってアニオン電着塗装に供する
ことができる。アニオン電着塗装は常法に従って行なう
ことができ、例えば、浴温15〜35℃、負荷電圧10
0〜350Vの条件で、被塗物を陽極として実施するこ
とができる。塗装膜厚は特に制限されないが、通常、硬
化塗膜に基づいて10〜40μの範囲とするのが好まし
い。
アニオン電着塗膜は原則として100〜200℃、好ま
しくは140〜200℃の範囲に加熱して硬化せしめら
れるが、空気乾燥性の不飽和脂肪酸で変性した樹脂を用
いた場合には室温で乾燥させることもできる。
バリアーコート:アニオン電着塗面に塗装する組成物で
あって、形成塗膜の静的ガラス転移温度が−30〜−6
0℃、好ましくは−40〜−55℃である変性ポリオレ
フィン系樹脂および有機溶剤を主成分とする塗料であ
る。すなわち、変性ポリオレフィン系樹脂としては例え
ば、プロピレン−エチレン共重合体(モル比で、約40
〜80:60〜20%が好適)に、塩素化ポリオレフィ
ン(塩素化率約1〜60%)を1〜50重量部、好まし
くは10〜20重量部(いずれも該共重合体100重量
部あたり)を配合してなる混合物、または上記プロピレ
ン−エチレン共重合体100重量部あたりにマレイン酸
もしくは無水マレイン酸を0.1〜50重量部、好ましく
は0.3〜20重量部グラフト重合せしめた樹脂などがあ
げられる。有機溶剤としては、上記変性ポリオレフィン
系樹脂を溶解もしくは分散しうるものであればよく、例
えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水
素、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカンなどの脂肪
族系炭化水素、トリクロルエチレン、バークロルエチレ
ン、ジクロルエチレン、ジクロルエタン、ジクロルベン
ゼンなどの塩素化炭化水素、メチルエチルケトン、ジア
セトンアルコールなどのケトン系、エタノール、プロパ
ノール、ブタノールなどのアルコール系、ブチルセロソ
ルブなどのセロソルブ系などがあげられる。
本発明では、上記の変性ポリオレフィン系樹脂自体が上
記範囲内の静的ガラス転移温度を有していればそれ自体
でバリアーコートとして使用できるが、上記範囲から逸
脱していたりあるいは範囲内であっても静的ガラス転移
温度を微調整するなどの場合、必要に応じて粘性付与剤
を配合することができる。該粘性付与剤としては、変性
ポリオレフィン系樹脂との相溶性が良好な例えば、ロジ
ン、石油樹脂(クマロン)、エステルガム、ポリブタジ
エン、エポキシ変性ポリブタジエン、低分子量脂肪族エ
ポキシ樹脂、低分子量脂肪族ビスフェノールタイプエポ
キシ樹脂、ポリオキシテトラメチレングリコール、酢酸
ビニル変性ポリエチレンなどがあげられ、これらの配合
量は上記変性ポリオレフィン系樹脂100重量部あたり
1〜50重量部が好ましい。
本発明において、該バリアーコートの形成塗膜に関し、
静的ガラス転移温度が前記範囲内に含まれていることは
必須であるが、さらに、該塗膜の引張り破断強度伸び率
が−20℃雰囲気で200〜1000%、特に300〜
700%であることが好ましい。形成塗膜の静的ガラス
転移温度が−30℃よりも高くなると本発明の前記目的
が達成できず、−60℃よりも低くなると塗膜性能、特
に耐水性、付着性などが低下するので好ましくない。さ
らに、該バリアーコートには体質顔料、着色顔料(防食
顔料は除く)などを配合してもさしつかえない。これら
の顔料の配合量は変性ポリオレフィン系樹脂100重量
部あたり1〜150重量部が好ましい。
本発明において、これらのバリアーコートはアニオン型
電着塗膜面に塗装するのであるが、塗装方法は限定され
ず、例えばスプレー塗装、ハケ塗り、浸漬塗装、溶融塗
装、静電塗装などがあり、塗装膜厚は形成塗膜にもとず
いて1〜20μ、特に5〜10μが好ましい。
なお、本発明で用いるバリアーコートの形成塗膜の静的
ガラス転移温度は示差走査型熱量計(第二精工舎製DS
C−10型)で測定した値であり、引張破断強度伸び率
は、恒温槽付万能引張試験機(島津製作所オートグラフ
S−D型)を用いて測定した値であり、試料の長さは2
0mm、引張速度は20mm/分で行なった。これらの測定
に使用した試料は、該バリアーコートを形成塗膜にもと
ずいて25μになるようにブリキ板に塗装し、120℃
で30分焼付けたのち、水銀アマルガム法により単離し
たものを使用した。
バリアーコート塗膜面に中塗り塗料を塗装するにあた
り、該バリアーコートはあらかじめ焼付けておくことが
好ましいが、焼付けることなくウエットオンウエットで
中塗り塗料を塗装してもさしつかえない。バリアーコー
ト塗膜の焼付温度は80〜160℃、特に80〜130
℃が適している。
中塗り塗料:上記バリアーコート塗面に塗装する塗料で
あって、付着性、平滑性、鮮映性、耐オーバーベイク
性、耐候性などのすぐれたそれ自体公知の中塗り塗料が
使用できる。具体的には、油長30%以下の短油、超短
油アルキド樹脂もしくはオイルフリーポリエステル樹脂
とアミノ樹脂とをビヒクル主成分とする熱硬化性中塗り
塗料があげられる。これらのアルキド樹脂およびポリエ
ステル樹脂は、水酸基価60〜140、酸価5〜20
0、しかも変性油して不飽和油(もしくは不飽和脂肪
酸)を用いたものが好ましく、アミノ樹脂は、アルキル
(炭素数1〜5)エーテル化したメラミン樹脂、尿素樹
脂ベンゾグアナミン樹脂などが適している。これらの配
合化は固形分重量に基づいてアルキド樹脂および(また
は)オイルフリーポリエステル樹脂65〜85%、特に
70〜80%、アミノ樹脂35〜15%、特に30〜2
0%であることが好ましい。さらに、上記アミノ樹脂の
少なくとも一部をポリイソシアネート化合物やブロック
化ポリイソシアネート化合物に代えることができる。
また、該中塗り塗料の形態は、有機溶液型が最も好まし
いが、上記ビヒクル成分を用いた非水分散液、ハイソリ
ッド型、水溶液型、水分散液型などであってもさしつか
えない。本発明では、中塗り塗膜の硬度(鉛筆硬度)は
3B以上(20℃)の範囲にあることが好ましい。さら
に、該中塗り塗料には、体質顔料、着色顔料、その他塗
料用添加剤などを必要に応じて配合することができる。
本発明において、上記バリアーコート塗膜面への中塗り
塗料の塗装は前記バリアーコートと同様な方法で行な
え、塗装膜厚は硬化塗膜にもとずいて10〜50μの範
囲が好ましく、塗膜の硬化温度はビヒクル成分によって
異なり、加熱硬化せしめる場合は80〜170℃、特に
120〜150℃の温度で加熱することが好ましい。
上塗り塗料:前記中塗り塗面に塗装する塗料であって、
被塗物に美粧性を付与するものである。具体的には、仕
上り外観(鮮映性、平滑性、光沢など)、耐候性(光沢
保持性、保色性、耐白亜化性など)、耐薬品性、耐水
性、耐湿性、硬化性などのすぐれた塗膜を形成するそれ
自体すでに公知の塗料が使用でき、例えば、アミノ・ア
クリル樹脂系、アミノ・アルキド樹脂系、アミノ・ポリ
エステル樹脂系などをビヒクル主成分とする塗料があげ
られる。これらの塗料の形態は特に制限されず、有機溶
液型、非水分散液型、水溶(分散)液型、粉体型、ハイ
ソリッド型などで使用できる。塗膜の乾燥、硬化は、常
温乾燥、加熱乾燥、活性エネルギー線照射などによって
行なわれる。本発明においてこれらの上塗り塗料の形成
塗膜は、鉛筆硬度が2B〜3H(20℃)の範囲内にあ
ることがのぞましい。
本発明において用いる上塗り塗料は、上記のビヒクル主
成分を用いた塗料にメタリック顔料および(または)着
色顔料を配合したエナメル塗料とこれらの顔料を全くも
しくは殆ど含まないクリヤー塗料に分類される。そし
て、これらの塗料を用いて上塗り塗膜を形成する方法と
して、例えば、次の方法があげられる: メタリック顔料および必要に応じて着色顔料を配合し
てなるメタリック塗料、または着色顔料を配合してなる
ソリッドカラー塗料を塗装し、加熱硬化する方法(1コ
ート1ベーク方式によるメタリックまたはソリッドカラ
ー仕上げ)。
メタリック塗料またはソリッドカラー塗料を塗装し、
加熱硬化した後、さらにクリヤー塗料を塗装し、再度加
熱硬化する方法(2コート2ベーク方式によるメタリッ
クまたはソリッドカラー仕上げ)。
メタリック塗料またはソリッドカラー塗料を塗装し、
続いてクリヤー塗料を塗装した後、加熱して該両塗膜を
同時に硬化する方法(2コート1ベーク方式によるメタ
リックまたはソリッドカラー仕上げ)。
これらの上塗り塗料は、スプレー塗装、静電塗装などで
塗装することが好ましい。また、塗装膜厚は、乾燥塗膜
に基づいて、上記では25〜40μ、上記および
では、メタリック塗料ならびにソリッドカラー塗料は1
0〜30μ、クリヤー塗料は25〜50μがそれぞれ好
ましい。加熱条件はビヒクル成分によって任意に採択で
きるが、80〜170℃、特に120〜150℃で加熱
することが好ましい。
上記中塗りおよび上塗り塗膜の「鉛筆硬度」はガラス板
に塗装し硬化せしめた(硬化塗膜厚30μ)試験板を2
0℃に保持し、シンの先端を平に研ぎ角を鋭くした鉛筆
(三菱製図用鉛筆“ユニ”)を45度の角度で持ち、シ
ンが折れない程度に強く該塗面に押しつけながら約1cm
(3秒/cm)動かし、鉛筆による傷の軌跡が残らない最
も硬い鉛筆の硬さで評価したときの値である。
上記のようにして、鋼板にアニオン電着塗装−バリアー
コート塗装−中塗り塗装−上塗り塗装によって形成した
複合塗膜の性能は、バリアーコート塗装を省略して形成
した複合塗膜に比べて、仕上り外観(例えば、平滑性、
光沢、鮮映性など)、耐水性、耐候性などは少なくとも
同等であるが、特に耐チッピング性、防食性、物理的性
質などが著しく改良されたのである。
次に、本発明に関する実施例および比較例について説明
する。
I試料 (1) 鋼板:ボンデライト#3030(日本パーカーラ
イジング(株)製、リン酸亜鉛系)で化成処理した鋼板
(大きさ300×90×0.8mm) (2) アニオン型電着塗料: (A)エポン#1001(シェル化学社製、エポキシ樹
脂)325重量部、あまに油脂脂肪酸525重量部およ
び脱水ひまし油脂肪酸175重量部を反応させてなるエ
ポキシエステル270重量部に1.2ポリブタジエンカル
ボン酸140重量部、1.4ポリブタジエン40重量部お
よび無水マレイン酸75重量部を加えて200℃で反応
させ、次いで無水基を開環して得た樹脂は全酸価85で
あった。
該樹脂をカセイカリで中和後、ヘキサキスメトキシメチ
ルメラミン(架橋剤)を、該両成分の固形分合計重量に
基づいて25重量%加え、次いで水を加えて固形分含有
率13重量%のアニオン型電着塗料を得た。
(B)アマニ油脂肪酸変性エポキシ樹脂に無水マレイン酸
を反応せしめ、開環した後の酸価が90で、次いでトリ
エチルアミンで中和し、これに部分ブトキシメチルメラ
ミン(架橋剤)を、両成分の合計重量に基づいて25重
量%加え、次いで水を加えて固形分含有率13重量%の
アニオン型電着塗料を得た。
(3) バリアーコート (A):プロピレン−エチレン共重合体にマレイン酸をグ
ラフト重合せしめた樹脂の有機液体(静的ガラス転移温
度−43℃、−20℃における引張り破断強度伸び率4
10%)。
(B):上記(A)の樹脂100重量部あたりロジンを10重
量部混合した樹脂の有機液体(静的ガラス転移温度−5
2℃、−20℃における引張り破断強度伸び率700
%)。
(C):プロピレン−エチレン共重合体にマレイン酸をグ
ラフト重合せしめた樹脂の有機液体(静的ガラス転移温
度+5℃)。
(4) 中塗り塗:アミラックN−2シーラー(関西ペイ
ント(株)製、アミノポリエステル樹脂系中塗り塗料) (5) 上塗り塗料 (A):アミラックホワイト(関西ペイント(株)製、ア
ミノアルキド樹脂系上塗り塗料、1コート1ベーク用白
色塗料、鉛筆硬度H(20℃)) (B):マジクロンシルバー(関西ペイント(株)製、ア
ミノアクリル樹脂系上塗り塗料、2コート1ベーク用シ
リバーメタリック塗料、鉛筆硬度H(20℃)) (C):マジクロンクリヤー(関西ペイント(株)製、ア
ミノアクリル樹脂系上塗り塗料、2コート1ベーク用ク
リヤー塗料、鉛筆硬度H(20℃)) III実施例 比較例 上記試料を用いて鋼板にアニオン電着塗料、バリアーコ
ート、中塗り塗料および上塗り塗料を第1表に示した工
程で塗装した。
アニオン電着塗装条件は、浴固形分濃度12%、浴温度
30℃、pH7.8、負荷電圧約200V、180秒間通
電。電着塗装後水洗する。塗装膜厚は硬化塗膜にもとず
い20μである。
バリアーコートはエアスプレー機で塗装し、膜厚は乾燥
塗膜にもとずいて8μである。
中塗りおよび上塗り塗料はいずれも静電塗装機で吹付塗
装したものであり、中塗り塗装の膜厚は硬化塗膜にもと
ずいて25μである。
上塗り塗装システムにおいて、「1C1B」は上塗り塗
料Aを塗装後、140℃で30分焼付けた塗装システム
であり、「2C1B」は上塗り塗料Bならびにウエット
オンウエットで塗り重ねた後、140℃で30分焼付け
て該両塗膜を同時に硬化せしめるシステムである。
II性能試験結果 上記の実施例および比較例において塗装した塗板を用い
て塗膜性能試験を行なった。その結果を第2表に示し
た。
〔試験方法〕
(※1)耐チッピング性: 試験機器:Q−G−Rグラロメーター(Qパネル会社
製品) 吹付けられる石:直径約15〜20m/mの砕石 吹付けられる石の容量:約500ml 試験時の温度:約20℃ 試験片を試験片保持台にとりつけ、約4kg/cm2の吹付
けエアー圧力で約500mlの砕石を試験片に発射せしめ
た後、その塗面状態および耐塩水噴霧性を評価した。塗
面状態は目視観察し下記の基準で評価し、耐塩水噴霧性
は試験片をJIS Z2371によって240時間、塩
水噴霧試験を行ない、次いで塗面に粘着セロハンテープ
を貼着し、急激に剥離した後の被衝撃部からの発錆の有
無、腐食状態、塗膜ハガレなどを調べた。
塗面状態 ◎(良):上塗り塗膜の一部に衝撃によるキズが極く僅
か認められる程度で、電着塗膜の剥離を全く認めず。
△(やや不良):上塗りおよび中塗り塗膜に衝撃による
キズが多く認められ、しかも電着塗膜の剥れも散見。
×(不良):上塗りおよび中塗り塗膜の大部分が剥離
し、被衝撃部およびその周辺を含めた被衝撃部の電着塗
膜が剥離。
耐塩水噴霧性 ◎:発錆、腐食、塗膜ハガレなどは認められない。
○:錆、腐食および塗膜ハガレがわずか認められる。
△:錆、腐食および塗膜ハガレがやや多く認められる。
×:錆、腐食および塗膜ハガレが著しく発生。
(※2)耐衝撃性: JIS K5400−1979 6.13.3B法に準じて、
0℃の雰囲気下において行なう。重さ500gのおもり
を50cmの高さから落下して塗膜の損傷を調べる。
◎:異常なし △:ワレ、ハガレ少し発生 ×:ワレ、ハガレ著しく発生 (※3)付着性: JIS K5400−1979 6.15に準じて塗膜に大
きさ1mm×1mmゴバン目を100個作り、その表面に粘
着セロハンテープを貼着し、急激に剥した後のゴバン目
塗膜の残存数を調べる。
(※4)耐水性: 40℃の水に10日間浸漬した後の塗面を評価する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 15/08 G C25D 13/00 308 (72)発明者 田渕 一郎 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内 (72)発明者 久米 政文 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内 (72)発明者 宇田川 孝 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内 (72)発明者 松井 駒治 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内 (72)発明者 藤井 泰弘 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内 (72)発明者 増渕 洋一 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内 審査官 山田 泰之

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼板にアニオン型電着塗料を塗装し、次い
    で該塗面に形成塗膜の静的ガラス転移温度が−30〜−
    60℃である変性ポリオレフィン系樹脂を主成分とする
    有機溶剤系バリアーコートを塗装した後に、中塗り塗料
    および上塗り塗料を塗装することを特徴とする鋼板の被
    覆方法。
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