JPH06234521A - 透明導電膜およびその製造方法 - Google Patents

透明導電膜およびその製造方法

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JPH06234521A
JPH06234521A JP19048093A JP19048093A JPH06234521A JP H06234521 A JPH06234521 A JP H06234521A JP 19048093 A JP19048093 A JP 19048093A JP 19048093 A JP19048093 A JP 19048093A JP H06234521 A JPH06234521 A JP H06234521A
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film
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暁 海上
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正嗣 大山
Masatoshi Shibata
雅敏 柴田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ITO膜に比べてエッチング特性に優れると
ともにITO膜と同等の導電性を有し、かつITO膜よ
りも耐湿性に優れている透明導電膜を提供する。 【構成】 本発明の透明導電膜は、インジウムと亜鉛と
の非晶質酸化物からなり、InとZnの原子比がIn/
(In+Zn)=0.55〜0.75であることを特徴
とする膜、またはインジウムと亜鉛、およびSn,A
l,Sb,GaおよびGeからなる群より選択される少
なくとも1種の第3元素との非晶質酸化物からなり、I
nとZnの原子比がIn/(In+Zn)=0.55〜
0.75で、InとZnと第3元素の合量に対する前記
第3元素の割合が20at%以下であることを特徴とする
膜である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明導電膜およびその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は軽量化、薄型化が可能で
あり、駆動電圧も低いことから、パソコンやワープロ等
のOA機器への導入が活発である。そして、前述のよう
な利点を有している液晶表示装置は必然的に大面積化、
多画素化、高精細化の方向に向かっており、表示欠陥の
ない高品質の液晶表示素子が求められている。高品質の
液晶表示素子を得るうえでの重要な要素の一つに透明電
極があり、この透明電極としては、現在、ITO膜が主
流を占めている。また、ITO膜は光透過性や導電性に
優れてはいるものの、耐湿性が比較的低く、湿気により
電気抵抗値が増大するという難点を有しているため、化
学的安定性の高い物質である酸化亜鉛を酸化インジウム
と組み合わせることによりITO膜よりも化学的安定性
の高い透明導電膜を得る試みがなされている。
【0003】例えば特開昭61−205619号公報に
は、酸化亜鉛を主成分とする酸化亜鉛透明導電膜中に亜
鉛原子に対してInを1〜20原子%内の特定量含有さ
せてなる耐熱性酸化亜鉛透明導電膜が開示されている。
また特公平5−6289号公報には、出発原料の段階で
の計算値でInとZnの原子比In/(In+Zn)が
0.8である酸化亜鉛添加酸化インジウム膜が開示され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開昭61−205619号公報に開示されている耐熱性
酸化亜鉛透明導電膜は、広い温度範囲にわたって電気抵
抗率の変化が小さいという利点を有するものの、電気抵
抗値がITO膜よりも高いという難点を有している。ま
た、前記特公平5−6289号公報に開示されている酸
化亜鉛添加酸化インジウム膜も、電気抵抗値がITO膜
よりも高いという難点を有している。
【0005】本発明は、ITO膜に比べてエッチング特
性に優れるとともにITO膜と同等の導電性を有し、か
つITO膜よりも耐湿性に優れている透明導電膜および
その製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の透明導電膜は、インジウムと亜鉛との非晶質酸化物
からなり、InとZnの原子比がIn/(In+Zn)
=0.55〜0.75であることを特徴とする(以下、
この透明導電膜を透明導電膜Iという)。
【0007】また上記目的を達成する本発明の他の透明
導電膜は、インジウムと亜鉛、およびSn,Al,S
b,GaおよびGeからなる群より選択される少なくと
も1種の第3元素との非晶質酸化物からなり、InとZ
nの原子比がIn/(In+Zn)=0.55〜0.7
5で、InとZnと第3元素の合量に対する前記第3元
素の割合が20at%以下であることを特徴とする(以
下、この透明導電膜を透明導電膜IIという)。
【0008】一方、上記目的を達成する本発明の透明導
電膜の製造方法は、インジウム化合物および亜鉛化合物
をInとZnの原子比がIn/(In+Zn)=0.5
5〜0.75になる割合で溶解させたコーティング溶液
を調製し、このコーティング溶液を基板に塗布して30
0〜650℃で焼成した後に還元処理して非晶質の透明
導電膜を得ることを特徴とする(以下、この方法を方法
Iという)。
【0009】そして、上記目的を達成する本発明の透明
導電膜の他の製造方法は、インジウム化合物と亜鉛化合
物、およびSn化合物,Al化合物,Sb化合物,Ga
化合物およびGe化合物からなる群より選択される少な
くとも1種の第3元素化合物とを、InとZnの原子比
がIn/(In+Zn)=0.55〜0.75で、In
とZnと第3元素の合量に対する前記第3元素の割合が
20at%以下になる割合で溶解させたコーティング溶液
を調製し、このコーティング溶液を基板に塗布して30
0〜650℃で焼成した後に還元処理して非晶質の透明
導電膜を得ることを特徴とする(以下、この方法を方法
IIという)。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。まず本発
明の透明導電膜Iについて説明すると、この透明導電膜
Iは、上述したようにインジウムと亜鉛との非晶質酸化
物からなり、InとZnの原子比はIn/(In+Z
n)=0.55〜0.75である。ここで、前記非晶質
酸化物は、一般に組成式Inx Zn1-x y (式中、x
は0.55〜0.75の範囲内の数値を示し、yは化学
量論量を示す。)で表され、インジウム亜鉛酸化物中の
酸素は部分的に欠損している場合がある。また、この酸
化物には混合物、組成物、固溶体等の全ての形態の酸化
物が含まれる。
【0011】この非晶質酸化物におけるInとZnの原
子比をIn/(In+Zn)=0.55〜0.75に限
定する理由は、前記原子比がこの範囲から外れると電気
抵抗値が大きくなるからである。In/(In+Zn)
の好ましい範囲は0.60〜0.75であり、特に好ま
しい範囲は0.65〜0.75である。また、結晶化し
たものはIn2 3 のIn(3価)の位置にZn(2
価)が入り込んでいるため、組成が同じであっても非晶
質のものより導電性に劣るので、透明導電膜Iは非晶質
のものに限定される。
【0012】このような非晶質酸化物からなる透明導電
膜Iは、ITO膜に比べてエッチング特性に優れるとと
もにITO膜と同等の導電性を有しており、また、優れ
た可視光透過性を有している。そして、湿気による電気
抵抗値の増大はITO膜よりも少ない。この透明導電膜
Iはスパッタ法、CVD法等、種々の方法により製造す
ることが可能であるが、組成を正確にかつ容易に制御し
得る点から、また低コストでの製造が可能である点か
ら、後述する本発明の方法Iにより製造することが好ま
しい。
【0013】次に本発明の透明導電膜IIについて説明す
ると、この透明導電膜IIは、上述したようにインジウム
と亜鉛、およびSn,Al,Sb,GaおよびGeから
なる群より選択される少なくとも1種の第3元素との非
晶質酸化物からなり、InとZnの原子比はIn/(I
n+Zn)=0.55〜0.75、InとZnと第3元
素の合量に対する前記第3元素の割合は20at%以下で
ある。ここで、InとZnの原子比をIn/(In+Z
n)=0.55〜0.75に限定する理由は、前述した
透明導電膜Iにおける理由と同じである。透明導電膜I
の場合と同様に、In/(In+Zn)の好ましい範囲
は0.60〜0.75であり、特に好ましい範囲は0.
65〜0.75である。
【0014】また、第3元素の割合を20at%以下に限
定する理由は、第3元素が20at%を超えるとイオンの
散乱が起こり、膜の導電性が低下し過ぎるからである。
第3元素の好ましい割合は1〜10at%であり、特に好
ましい割合は2〜10at%である。また、結晶化したも
のは、組成が同じであっても非晶質のものより導電性に
劣るので、透明導電膜IIも非晶質のものに限定される。
【0015】このような非晶質酸化物からなる透明導電
膜IIは、前述の透明導電膜Iよりも高い導電性を有して
いる。また、ITO膜に比べてエッチング特性に優れる
とともに優れた可視光透過性を有している。そして、湿
気による電気抵抗値の増大はITO膜よりも少ない。こ
の透明導電膜IIもスパッタ法、CVD法等、種々の方法
により製造することが可能であるが、前述した透明導電
膜Iと同様の理由から、後述する本発明の方法IIにより
製造することが好ましい。
【0016】次に、本発明の方法Iおよび方法IIについ
て説明する。まず本発明の方法Iについて説明すると、
この方法Iは、前述したようにインジウム化合物および
亜鉛化合物をInとZnの原子比がIn/(In+Z
n)=0.55〜0.75になる割合で溶解させたコー
ティング溶液を調製し、このコーティング溶液を基板に
塗布して300〜65℃で焼成した後に還元処理して非
晶質の透明導電膜を得ることを特徴とするものである。
方法Iで用いるコーティング溶液は、上述したインジウ
ム化合物および亜鉛化合物の他に、溶剤および溶液の安
定化剤を含む。
【0017】ここで、インジウム化合物の具体例として
は酢酸インジウム等のカルボン酸塩、塩化インジウム等
の無機インジウム化合物、インジウムエトキシド、イン
ジウムプロポキシド等のインジウムアルコキシドが挙げ
られる。また、亜鉛化合物の具体例としては酢酸亜鉛等
のカルボン酸塩、塩化亜鉛、フッ化亜鉛、ヨウ化亜鉛等
の無機亜鉛化合物、亜鉛メトキシド、亜鉛エトキシド、
亜鉛プロポキシド等の亜鉛アルコキシドが挙げられる。
【0018】溶剤としてはメタノール、エタノール、イ
ソプロピルアルコール、2−メトキシエタノール、2−
エトキシエタノール等のアルコール類や、トルエン、ベ
ンゼン等の炭化水素等を用いることができる。また、溶
液の安定化剤としてはモノエタノールアミン、ジエタノ
ールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールア
ミン等を用いることができる。
【0019】このようなコーティング溶液の調製は、所
定量のインジウム化合物、亜鉛化合物、溶剤および安定
化剤を混合することにより行うことができる。このとき
の混合順序は特に限定されるものではない。混合はスタ
ーラー等の常法による攪拌混合でよく、このとき加熱し
てもよい。攪拌時間は0.01〜100時間が好まし
い。0.01時間未満では均一な透明溶液を得ることが
困難である。一方、100時間を超えると経済性に乏し
くなる。特に好ましい攪拌時間は0.1〜100時間で
ある。また攪拌時に加熱する場合、加熱温度は100℃
以下にすることが好ましい。100℃を超えると溶媒が
蒸発し、溶液濃度が変化する。
【0020】コーティング溶液におけるInとZnの原
子比は、前述のようにIn/(In+Zn)=0.55
〜0.75に限定される。前記原子比がこの範囲から外
れると、後述する実施例および比較例から明らかなよう
に、得られる透明導電膜の電気抵抗値が大きくなる。コ
ーティング溶液におけるIn/(In+Zn)は0.6
0〜0.75が好ましく、0.65〜0.75が特に好
ましい。
【0021】また、コーティング溶液におけるInとZ
nの合量の濃度は、0.01〜10mol%とすることが
好ましい。0.01 mol%未満ではコーティング1回あ
たりの膜厚が薄く、所望の膜厚を得るためには多数回の
コーティングが必要になるため、経済性に乏しくなる。
一方、10 mol%を超えるとコーティング時に膜厚にむ
らが生じる。InとZnの合量の特に好ましい濃度は
0.1〜10 mol%である。
【0022】コーティング溶液における安定化剤の濃度
は、0.01〜10 mol%とすることが好ましい。0.
01 mol%未満ではインジウム化合物および亜鉛化合物
の溶剤への溶解が困難になる。一方、10 mol%を超え
ると、焼成時に安定化剤が分解することにより生じる炭
素が焼成後も膜中に残存するようになり、膜の導電性を
低下させる。安定化剤の特に好ましい濃度は、0.1〜
10 mol%である。
【0023】方法Iでは、上述のようにして調製したコ
ーティング溶液を基板に塗布した後に300〜650℃
で焼成する。基板としては用途に応じて種々のものを用
いることができるが、例えば透明基板としてはアルカリ
ガラス、無アルカリガラス、石英ガラス、透明ポリマー
等が挙げられる。なお、基板はアンダーコート層を有し
ていてもよい。アンダーコート層の具体例としてはZn
O、SiO2 、TiO2 等の薄膜が挙げられる。また、
塗布方法は特に限定されるものではなく、溶液から薄膜
を製造する際に従来より適用されている種々の方法を用
いることができる。具体例としてはスプレー法、ディッ
ピング法、スピンコート法等が挙げられる。
【0024】焼成方法は特に限定されるものではなく、
常圧焼成、真空焼成、加圧焼成等の方法を適用すること
ができるが、焼成温度は300〜650℃に限定され
る。焼成温度の下限を300℃に限定する理由は、30
0℃未満では溶剤あるいは安定化剤の分解により生じた
炭素が焼成後の膜中に残存し、膜の導電性を低下させる
からである。一方、焼成温度の上限を650℃に限定す
る理由は、650℃を超えると得られる膜が結晶質とな
り、膜の導電性が低下するからである。好ましい焼成温
度は300〜600℃である。
【0025】焼成時間は、焼成温度にもよるが、0.0
1〜10時間が好ましい。0.01時間未満では、溶剤
あるいは安定化剤の分解により生じた炭素が焼成後も膜
中に残存し、膜の導電性を低下させる。一方、10時間
を超えると経済性に乏しくなる。特に好ましい焼成時間
は0.1〜10時間である。
【0026】なお、塗布した後に焼成するという操作を
1回行っただけでは所望の膜厚が得られない場合には、
塗布した後に仮焼するという操作を必要回数行った後に
本焼成することが好ましい。仮焼する場合の温度は、3
00〜650℃が好ましい。300℃未満では溶剤ある
いは安定化剤の分解により生じた炭素が仮焼後も膜中に
残存し、膜の導電性を低下させる。一方、650℃を超
えると得られる膜が結晶質となり、膜の導電性が低下す
る。特に好ましい温度は300〜600℃である。
【0027】仮焼時間は、仮焼温度によっても異なるが
0.01〜1時間が好ましい。0.01時間未満では、
溶剤あるいは安定化剤が飛びきらず残ってしまうため、
何回塗布、仮焼を繰り返しても、前にコーティングした
膜が、次のコーティング時に溶けてしまい膜が厚くなら
ない。一方、1時間を超えると経済性に乏しくなる。
【0028】方法Iでは、上述のようにして焼成した後
に還元処理を行う。還元方法としては還元性ガスによる
還元、不活性ガスによる還元、真空焼成による還元等を
適用することができる。還元性ガスとしては水素ガス、
水蒸気等を用いることができる。また、不活性ガスとし
ては窒素ガスやアルゴンガス、あるいはこれらのガスと
酸素との混合ガス等を用いることができる。
【0029】還元温度は100〜650℃が好ましい。
100℃未満では十分な還元を行うことが困難である。
一方、650℃を超えると膜が結晶質となり、膜の導電
性が低下する。特に好ましい還元温度は200〜500
℃である。還元時間は、還元温度にもよるが、0.01
〜10時間が好ましい。0.01時間未満では十分な還
元を行うことが困難である。一方、10時間を超えると
経済性に乏しくなる。特に好ましい還元時間は0.1〜
10時間である。
【0030】上述の方法Iにより製造することができる
本発明の透明導電膜Iは、ITO膜と同等の導電性を有
しており、また、ITO膜に比べてエッチング特性に優
れるとともに優れた可視光透過性を有している。そし
て、湿気による電気抵抗値の増大はITO膜よりも少な
い。この透明導電膜Iは、液晶表示素子用電極や太陽電
池用電極等、種々の用途の電極として使用することがで
きる。
【0031】次に、本発明の方法IIについて説明する。
方法IIは、前述したようにインジウム化合物と亜鉛化合
物、およびSn化合物,Al化合物,Sb化合物,Ga
化合物およびGe化合物からなる群より選択される少な
くとも1種の第3元素化合物とを、InとZnの原子比
がIn/(In+Zn)=0.55〜0.75で、In
とZnと第3元素の合量に対する前記第3元素(Sn,
Al,Sb,Ga,Ge)の割合が20at%以下になる
割合で溶解させたコーティング溶液を調製し、このコー
ティング溶液を基板に塗布して300〜650℃で焼成
した後に還元処理して非晶質の透明導電膜を得ることを
特徴とするものである。
【0032】ここで、コーティング溶液におけるInと
Znの原子比をIn/(In+Zn)=0.55〜0.
75に限定する理由は前述した方法Iにおける理由と同
じである。コーティング溶液におけるIn/(In+Z
n)は0.60〜0.75が好ましく、0.65〜0.
75が特に好ましい。
【0033】InとZnと第3元素の合量に対する前記
第3元素の割合を20at%以下に限定する理由は、20
at%を超えると得られる膜の導電性がイオンの散乱によ
り低下し過ぎるからである。第3元素の割合が20at%
以下となるように第3元素化合物を溶解させることによ
り、透明導電膜Iよりも導電性の高い透明導電膜を得る
ことができる。第3元素の割合は1〜10at%が好まし
く、2〜10at%が特に好ましい。
【0034】この方法IIは、インジウム化合物および亜
鉛化合物の他に、Sn化合物,Al化合物,Sb化合
物,Ga化合物およびGe化合物からなる群より選択さ
れる少なくとも1種の第3元素化合物を所定量溶解させ
てコーティング溶液を調製する点で前述した方法Iと異
なる。他の点、すなわち、インジウム化合物および亜鉛
化合物の種類やコーティング溶液の調製方法、基板の種
類、焼成方法、および還元方法については方法Iと同じ
である。なお、コーティング溶液におけるInとZnと
第3元素の合量の濃度は、方法Iと同様の理由から、
0.01〜10 mol%が好ましく、特に0.1〜10 m
ol%が好ましい。
【0035】方法IIで第3元素化合物として用いられる
Sn化合物の具体例としては酢酸錫(2価)、ジメトキ
シ錫、ジエトキシ錫、ジプロポキシ錫、ジブトキシ錫、
テトラメトキシ錫、テトラエトキシ錫、テトラプロポキ
シ錫、テトラブトキシ錫、塩化錫(2価)、塩化錫(4
価)等が挙げられる。また、Al化合物の具体例として
は塩化アルミニウム、トリメトキシアルミニウム、トリ
エトキシアルミニウム、トリプロポキシアルミニウム、
トリブトキシアルミニウム等が挙げられる。
【0036】Sb化合物の具体例としては塩化アンチモ
ン(3価)、塩化アンチモン(5価)、トリメトキシア
ンチモン、トリエトキシアンチモン、トリプロポキシア
ンチモン、トリブトキシアンチモン等が挙げられる。G
a化合物の具体例としては塩化ガリウム(3価)、トリ
メトキシガリウム、トリエトキシガリウム、トリプロポ
キシガリウム、トリブトキシガリウム等が挙げられる。
そして、Ge化合物の具体例としては塩化ゲルマニウム
(4価)、テトラメトキシゲルマニウム、テトラエトキ
シゲルマニウム、テトラプロポキシゲルマニウム、テト
ラブトキシゲルマニウム等が挙げられる。
【0037】上述の方法IIによって製造することができ
る本発明の透明導電膜IIは、前述の透明導電膜Iよりも
高い導電性を有しており、また、ITO膜に比べてエッ
チング特性に優れるとともに優れた可視光透過性を有し
ている。そして、湿気による電気抵抗値の増大はITO
膜よりも少ない。この透明導電膜IIも、液晶表示素子用
電極や太陽電池用電極等、種々の用途の電極として使用
することができる。
【0038】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。実施例1 (方法Iによる透明導電膜Iの製造例:In/
(In+Zn)=0.67,本焼成温度300〜600
℃) インジウム化合物として酢酸インジウムを、亜鉛化合物
として無水酢酸亜鉛を、溶剤として2−メトキシメタノ
ールを、安定化剤としてモノエタノールアミンを、基板
として石英ガラス板をそれぞれ用いて、方法Iに基づい
て以下のようにして透明導電膜Iを製造した。まず、2
−メトキシメタノール21.5gにモノエタノールアミ
ン4.6gと酢酸インジウム3.0gを添加し、10分
間攪拌混合して、透明溶液を得た。この透明溶液を攪拌
しながら、当該透明溶液に無水酢酸亜鉛0.9gを添加
し、10分間攪拌混合して、透明で均一なコーティング
溶液を調製した。このコーティング溶液におけるInと
Znの原子比はIn/(In+Zn)=0.67であ
り、InとZnの合量の濃度は0.5 mol/リットル
(4 mol%)であった。
【0039】次に、得られたコーティング溶液に石英ガ
ラス板(70×20×1.5mm)を浸漬してディップ
コーティング(コーティング速度:1.2cm/分)し
た後、電気炉を用いて500℃で10分間仮焼した。デ
ィップコーティングした後に仮焼するという前述の操作
を計10回繰り返した後、更に、500℃で1時間かけ
て本焼成した。この後、400℃で2時間真空(1×1
-2torr)還元して、目的とする透明導電膜Iを得た。
また、表1に示すように、仮焼温度を300℃,400
℃,500℃にするとともに本焼成温度を300℃,4
00℃,600℃にした以外は全く同様にして、別途、
計3種の透明導電膜Iを得た。
【0040】このようにして得られた計4種の透明導電
膜Iは、XRD(X線回折)測定の結果より、いずれも
InとZnとの非晶質酸化物であった。なお、500℃
で本焼成して得た透明導電膜IのXRD測定結果を図1
に示す。また、各透明導電膜Iの組成をX線光電子分光
分析(XPS)で測定したところ、いずれの透明導電膜
IにおいてもInとZnの原子比はIn/(In+Z
n)=0.67であった。さらに、各透明導電膜Iの断
面の電子顕微鏡写真からその膜厚を測定したところ、い
ずれの透明導電膜Iの膜厚も200nmであった。
【0041】各透明導電膜Iの表面抵抗を四端子法によ
り測定した結果を表1に示す。また、石英ガラス板上の
各透明導電膜Iの可視光(波長550nm)透過率の測
定結果も表1に示す。さらに、各透明導電膜Iについて
40℃、90%RHの条件で耐湿性試験を行い、試験時
間1000時間後の表面抵抗をそれぞれ測定した結果も
表1に示す。
【0042】比較例1(In/(In+Zn)=0.6
7,本焼成温度700℃) 本焼成温度を本発明の限定範囲外の温度である700℃
にした以外は、実施例1と同様にして(仮焼温度500
℃)、透明導電膜(膜厚200nm)を得た。このよう
にして得られた透明導電膜は、XRD測定の結果より結
晶質であった。また、その組成をXPSで測定したとこ
ろ、InとZnの原子比はIn/(In+Zn)=0.
67であった。この透明導電膜の表面抵抗および可視光
透過率を実施例1と同様にして測定するとともに、実施
例1と同様の耐湿性試験を行って試験時間1000時間
後の表面抵抗を実施例1と同様にして測定した。これら
の結果を表1に示す。
【0043】実施例2(方法Iによる透明導電膜Iの製
造例:In/(In+Zn)=0.75,本焼成温度3
00〜600℃) 2−メトキシメタノール21.91gにモノエタノール
アミン4.45gと酢酸インジウム2.97gを添加
し、10分間攪拌混合して透明溶液を得た。この透明溶
液を攪拌しながら、当該透明溶液に無水酢酸亜鉛0.6
7gを添加し、10分間攪拌混合して、透明で均一なコ
ーティング溶液を調製した。このコーティング溶液にお
けるInとZnの原子比はIn/(In+Zn)=0.
75であり、InとZnの合量の濃度は0.5 mol/リ
ットル(4 mol%)であった。この後は実施例1と同様
にして、本焼成温度が表1に示すように300℃,40
0℃,500℃,600℃と異なる計4種の透明導電膜
I(膜厚200nm)を得た。
【0044】このようにして得られた計4種の透明導電
膜Iは、XRD測定の結果より、いずれもInとZnと
の非晶質酸化物であった。また、各透明導電膜Iの組成
をXPSで測定したところ、いずれの透明導電膜Iにお
いてもInとZnの原子比はIn/(In+Zn)=
0.75であった。各透明導電膜Iの表面抵抗および可
視光透過率を実施例1と同様にして測定するとともに、
実施例1と同様の耐湿性試験を行って試験時間1000
時間後の表面抵抗を実施例1と同様にして測定した。こ
れらの結果を表1に示す。
【0045】比較例2(In/(In+Zn)=0.7
5,本焼成温度700℃) 本焼成温度を本発明の限定範囲外の温度である700℃
にした以外は、実施例2と同様にして(仮焼温度500
℃)、透明導電膜(膜厚200nm)を得た。このよう
にして得られた透明導電膜は、XRD測定の結果より結
晶質であった。また、その組成をXPSで測定したとこ
ろ、InとZnの原子比はIn/(In+Zn)=0.
75であった。この透明導電膜の表面抵抗および可視光
透過率を実施例1と同様にして測定するとともに、実施
例1と同様の耐湿性試験を行って試験時間1000時間
後の表面抵抗を実施例1と同様にして測定した。これら
の結果を表1に示す。
【0046】実施例3(方法Iによる透明導電膜Iの製
造例:In/(In+Zn)=0.55,本焼成温度3
00〜600℃)) 2−メトキシメタノール21.32gにモノエタノール
アミン4.93gと酢酸インジウム2.41gを添加
し、10分間攪拌混合して透明溶液を得た。この透明溶
液を攪拌しながら、当該透明溶液に無水酢酸亜鉛1.3
4gを添加し、10分間攪拌混合して、透明で均一なコ
ーティング溶液を調製した。このコーティング溶液にお
けるInとZnの原子比はIn/(In+Zn)=0.
55であり、InとZnの合量の濃度は0.5 mol/リ
ットル(4 mol%)であった。この後は実施例1と同様
にして、本焼成温度が表1に示すように300℃,40
0℃,500℃,600℃と異なる計4種の透明導電膜
I(膜厚200nm)を得た。
【0047】このようにして得られた計4種の透明導電
膜Iは、XRD測定の結果より、いずれもInとZnと
の非晶質酸化物であった。また、各透明導電膜Iの組成
をXPSで測定したところ、いずれの透明導電膜Iにお
いてもInとZnの原子比はIn/(In+Zn)=
0.55であった。各透明導電膜Iの表面抵抗および可
視光透過率を実施例1と同様にして測定するとともに、
実施例1と同様の耐湿性試験を行って試験時間1000
時間後の表面抵抗を実施例1と同様にして測定した。こ
れらの結果を表1に示す。
【0048】比較例3(In/(In+Zn)=0.5
5,本焼成温度700℃) 本焼成温度を本発明の限定範囲外の温度である700℃
にした以外は、実施例3と同様にして(仮焼温度500
℃)、透明導電膜(膜厚200nm)を得た。このよう
にして得られた透明導電膜は、XRD測定の結果より結
晶質であった。また、その組成をXPSで測定したとこ
ろ、InとZnの原子比はIn/(In+Zn)=0.
55であった。この透明導電膜の表面抵抗および可視光
透過率を実施例1と同様にして測定するとともに、実施
例1と同様の耐湿性試験を行って試験時間1000時間
後の表面抵抗を実施例1と同様にして測定した。これら
の結果を表1に示す。
【0049】比較例4(In/(In+Zn)=0.5
0,本焼成温度500〜700℃) コーティング溶液におけるInとZnの原子比In/
(In+Zn)を本発明の限定範囲外である0.50と
した以外は実施例1と同様にして、透明で均一なコーテ
ィング溶液を調製した。この後、本焼成温度を表1に示
す500℃,600℃,700℃の温度とした以外は実
施例1と同様にして(仮焼温度500℃)、計3種の透
明導電膜(膜厚200nm)を得た。
【0050】このようにして得られた各透明導電膜の組
成をXPSで測定したところ、いずれの透明導電膜にお
いてもInとZnの原子比はIn/(In+Zn)=
0.50であった。また、各透明導電膜の表面抵抗およ
び可視光透過率を実施例1と同様にして測定するととも
に、実施例1と同様の耐湿性試験を行って試験時間10
00時間後の表面抵抗を実施例1と同様にして測定し
た。これらの結果を表1に示す。
【0051】比較例5(In/(In+Zn)=0.3
3,本焼成温度500℃) コーティング溶液におけるInとZnの原子比In/
(In+Zn)を本発明の限定範囲外である0.33と
した以外は実施例1と同様にして、透明で均一なコーテ
ィング溶液を調製した。この後は実施例1と同様にして
コーティング、焼成(仮焼温度500℃、本焼成温度5
00℃)および還元処理を行って、透明導電膜(膜厚2
00nm)を得た。
【0052】このようにして得られた透明導電膜の組成
をXPSで測定したところ、InとZnの原子比はIn
/(In+Zn)=0.33であった。また、この透明
導電膜の表面抵抗および可視光透過率を実施例1と同様
にして測定するとともに、実施例1と同様の耐湿性試験
を行って試験時間1000時間後の表面抵抗を実施例1
と同様にして測定した。これらの結果を表1に示す。
【0053】比較例6(In/(In+Zn)=0.8
0,本焼成温度500〜700℃) コーティング溶液におけるInとZnの原子比In/
(In+Zn)を本発明の限定範囲外である0.80と
した以外は実施例1と同様にして、透明で均一なコーテ
ィング溶液を調製した。この後は比較例4と同様にし
て、計3種の透明導電膜(膜厚200nm)を得た。
【0054】このようにして得られた各透明導電膜の組
成をXPSで測定したところ、いずれの透明導電膜にお
いてもInとZnの原子比はIn/(In+Zn)=
0.80であった。また、各透明導電膜の表面抵抗およ
び可視光透過率を実施例1と同様にして測定するととも
に、実施例1と同様の耐湿性試験を行って試験時間10
00時間後の表面抵抗を実施例1と同様にして測定し
た。これらの結果を表1に示す。
【0055】比較例7(In/(In+Zn)=0.9
0,本焼成温度500℃) コーティング溶液におけるInとZnの原子比In/
(In+Zn)を本発明の限定範囲外である0.90と
した以外は実施例1と同様にして、透明で均一なコーテ
ィング溶液を調製した。この後は比較例5と同様にし
て、透明導電膜(膜厚200nm)を得た。
【0056】このようにして得られた透明導電膜の組成
をXPSで測定したところ、InとZnの原子比はIn
/(In+Zn)=0.90であった。また、この透明
導電膜の表面抵抗および可視光透過率を実施例1と同様
にして測定するとともに、実施例1と同様の耐湿性試験
を行って試験時間1000時間後の表面抵抗を実施例1
と同様にして測定した。これらの結果を表1に示す。
【0057】比較例8(In/(In+Zn)=1.
0,酸化インジウム薄膜) 2−メトキシメタノール22.2gにモノエタノールア
ミン4.0gと酢酸インジウム3.8gを添加し、10
分間攪拌混合して、透明で均一なコーティング溶液を調
製した。このコーティング溶液におけるIn濃度は4 m
ol%であった。この後は比較例5と同様にして、酸化イ
ンジウム薄膜(膜厚200nm)を得た。このようにし
て得られた酸化インジウム薄膜の表面抵抗および可視光
透過率を実施例1と同様にして測定するとともに、実施
例1と同様の耐湿性試験を行って試験時間1000時間
後の表面抵抗を実施例1と同様にして測定した。これら
の結果を表1に示す。
【0058】比較例9(ITO薄膜) 比較例8のコーティング溶液にSn(OC4 9 2
0.16g添加した以外は比較例8と同様に実施して、
ITO薄膜(Sn4at%,膜厚200nm)を得た。こ
のようにして得られたITO薄膜の表面抵抗および可視
光透過率を実施例1と同様にして測定するとともに、実
施例1と同様の耐湿性試験を行って試験時間1000時
間後の表面抵抗を実施例1と同様にして測定した。これ
らの結果を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】表1から明らかなように、In/(In+
Zn)が0.55〜0.75の非晶質酸化物からなる実
施例1〜実施例3の各透明導電膜Iは、比較例9のIT
O膜と同等以上の導電性を有している。また、これら実
施例1〜実施例3の各透明導電膜Iはいずれも優れた可
視光透過率を有している。さらに、実施例1〜実施例3
の各透明導電膜Iの表面抵抗は、耐湿性試験の前後でほ
とんど変化がない。このことから、実施例1〜実施例3
の各透明導電膜Iは耐湿性に優れていることがわかる。
また、実施例1〜実施例3の各透明導電膜Iは、ITO
膜よりもエッチング特性に優れていることが確認され
た。
【0061】一方、表1から明らかなように、In/
(In+Zn)が0.55〜0.75であっても結晶質
酸化物からなる比較例1〜比較例3の各透明導電膜の導
電性は極めて低い。また、In/(In+Zn)が本発
明の限定範囲外である比較例4〜比較例7の透明導電膜
は、表1から明らかなように、出発原料の種類、焼成条
件および還元条件が同一である実施例の透明導電膜Iよ
りも導電性に劣る。そして、比較例8の酸化インジウム
薄膜は導電性および耐湿性の点で実施例1〜実施例3の
各透明導電膜Iよりも劣り、比較例9のITO膜は優れ
た導電性および可視光透過率を有しているものの、耐湿
性については実施例1〜実施例3の各透明導電膜Iより
も劣ることが明らかである。
【0062】実施例4(方法IIによる透明導電膜IIの製
造例) インジウム化合物として酢酸インジウムを、亜鉛化合物
として無水酢酸亜鉛を、第3元素化合物としてジブトキ
シ錫を、溶剤として2−メトキシメタノールを、安定化
剤としてモノエタノールアミンを、基板として石英ガラ
ス板をそれぞれ用いて、方法IIに基づいて以下のように
して透明導電膜IIを製造した。まず、2−メトキシメタ
ノールと、モノエタノールアミンと、酢酸インジウム
と、無水酢酸亜鉛とを用いて、実施例1と全く同様にし
て透明で均一な溶液30g(実施例1のコーティング溶
液に相当)を調製した。次に、この溶液にジブトキシ錫
0.16gを添加し、10分間攪拌混合して、透明で均
一なコーティング溶液を調製した。このコーティング溶
液におけるInとZnの原子比はIn/(In+Zn)
=0.67、InとZnとSnの合量に対するSnの割
合{[Sn/(In+Zn+Sn)]×100}は4at
%、InとZnとSnの合量の濃度は0.5 mol/リッ
トル(4 mol%)であった。
【0063】次いで、得られたコーティング溶液にガラ
ス板(コーニング社製7059:70×20×1.5m
m)を浸漬し、実施例1と同条件でディップコーティン
グした後、電気炉を用いて500℃で10分間仮焼し
た。ディップコーティングした後に仮焼するという前述
の操作を計10回繰り返した後、更に、500℃で1時
間かけて本焼成した。この後、400℃で2時間真空
(1×10-2torr)還元して、目的とする透明導電膜II
(膜厚200nm)を得た。
【0064】このようにして得られた透明導電膜IIは、
XRD測定の結果より、InとZnとSnとの非晶質酸
化物であった。また、得られた透明導電膜IIの表面抵抗
および可視光透過率を実施例1と同様にして測定すると
ともに、実施例1と同様の耐湿性試験を行って試験時間
1000時間後の表面抵抗を実施例1と同様にして測定
した。これらの結果を表2に示す。
【0065】実施例5(方法IIによる透明導電膜IIの製
造例) ジブトキシ錫に代えてトリブトキシアルミニウム0.1
5gを用いた以外は実施例4と全く同様にしてコーティ
ング溶液{In/(In+Zn)=0.67、[Al/
(In+Zn+Al)]×100=4at%、InとZn
とAlの合量の濃度=0.5 mol/リットル(4 mol
%)}を調製し、このコーティング溶液を用いて実施例
4と全く同様にして透明導電膜II(膜厚200nm)を
得た。
【0066】このようにして得られた透明導電膜IIは、
XRD測定の結果より、InとZnとAlとの非晶質酸
化物であった。また、得られた透明導電膜IIの表面抵抗
および可視光透過率を実施例1と同様にして測定すると
ともに、実施例1と同様の耐湿性試験を行って試験時間
1000時間後の表面抵抗を実施例1と同様にして測定
した。これらの結果を表2に示す。
【0067】実施例6(方法IIによる透明導電膜IIの製
造例) ジブトキシ錫に代えてトリブトキシアンチモン0.21
gを用いた以外は実施例4と全く同様にしてコーティン
グ溶液{In/(In+Zn)=0.67、[Sb/
(In+Zn+Sb)]×100=4at%、InとZn
とSbの合量の濃度=0.5 mol/リットル(4 mol
%)}を調製し、このコーティング溶液を用いて実施例
4と全く同様にして透明導電膜II(膜厚200nm)を
得た。
【0068】このようにして得られた透明導電膜IIは、
XRD測定の結果より、InとZnとSbとの非晶質酸
化物であった。また、得られた透明導電膜IIの表面抵抗
および可視光透過率を実施例1と同様にして測定すると
ともに、実施例1と同様の耐湿性試験を行って試験時間
1000時間後の表面抵抗を実施例1と同様にして測定
した。これらの結果を表2に示す。
【0069】実施例7(方法IIによる透明導電膜IIの製
造例) ジブトキシ錫に代えて塩化ガリウム(3価)0.11g
を用いた以外は実施例4と全く同様にしてコーティング
溶液{In/(In+Zn)=0.67、[Ga/(I
n+Zn+Ga)]×100=4at%、InとZnとG
aの合量の濃度=0.5 mol/リットル(4 mol%)}
を調製し、このコーティング溶液を用いて実施例4と全
く同様にして透明導電膜II(膜厚200nm)を得た。
【0070】このようにして得られた透明導電膜IIは、
XRD測定の結果より、InとZnとGaとの非晶質酸
化物であった。また、得られた透明導電膜IIの表面抵抗
および可視光透過率を実施例1と同様にして測定すると
ともに、実施例1と同様の耐湿性試験を行って試験時間
1000時間後の表面抵抗を実施例1と同様にして測定
した。これらの結果を表2に示す。
【0071】実施例8(方法IIによる透明導電膜IIの製
造例) ジブトキシ錫に代えてテトラプロポキシゲルマニウム
0.15gを用いた以外は実施例4と全く同様にしてコ
ーティング溶液{In/(In+Zn)=0.67、
[Ge/(In+Zn+Ge)]×100=4at%、I
nとZnとGeの合量の濃度=0.5 mol/リットル
(4 mol%)}を調製し、このコーティング溶液を用い
て実施例4と全く同様にして透明導電膜II(膜厚200
nm)を得た。
【0072】このようにして得られた透明導電膜IIは、
XRD測定の結果より、InとZnとGeとの非晶質酸
化物であった。また、得られた透明導電膜IIの表面抵抗
および可視光透過率を実施例1と同様にして測定すると
ともに、実施例1と同様の耐湿性試験を行って試験時間
1000時間後の表面抵抗を実施例1と同様にして測定
した。これらの結果を表2に示す。
【0073】
【表2】
【0074】表2から明らかなように、InとZnと第
3元素(Sn、Al、Sb、GaまたはGe)との非晶
質酸化物からなる実施例4〜実施例8の各透明導電膜II
は、第3元素を含有していない実施例1〜実施例3の各
透明導電膜Iよりも更に高い導電性を有している。ま
た、これら実施例4〜実施例8の各透明導電膜IIはいず
れも優れた可視光透過率を有している。さらに、実施例
4〜実施例8の各透明導電膜IIの表面抵抗は、耐湿性試
験の前後でほとんど変化がない。このことから、実施例
4〜実施例8の各透明導電膜IIは耐湿性に優れているこ
とがわかる。また、実施例4〜実施例8の各透明導電膜
IIは、ITO膜よりもエッチング特性に優れていること
が確認された。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の透明導電
膜はITO膜に比べてエッチング特性に優れるとともに
ITO膜と同等の導電性を有し、かつITO膜よりも耐
湿性に優れている。したがって、本発明によれば耐久性
の向上した透明導電膜を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られた透明導電膜I(仮焼温度
500℃,本焼成温度500℃)についてのXRD測定
の結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01B 13/00 503 B 7244−5G

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インジウムと亜鉛との非晶質酸化物から
    なり、InとZnの原子比がIn/(In+Zn)=
    0.55〜0.75であることを特徴とする透明導電
    膜。
  2. 【請求項2】 インジウムと亜鉛、およびSn,Al,
    Sb,GaおよびGeからなる群より選択される少なく
    とも1種の第3元素との非晶質酸化物からなり、Inと
    Znの原子比がIn/(In+Zn)=0.55〜0.
    75で、InとZnと第3元素の合量に対する前記第3
    元素の割合が20at%以下であることを特徴とする透明
    導電膜。
  3. 【請求項3】 インジウム化合物および亜鉛化合物をI
    nとZnの原子比がIn/(In+Zn)=0.55〜
    0.75になる割合で溶解させたコーティング溶液を調
    製し、このコーティング溶液を基板に塗布して300〜
    650℃で焼成した後に還元処理して非晶質の透明導電
    膜を得ることを特徴とする透明導電膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 インジウム化合物と亜鉛化合物、および
    Sn化合物,Al化合物,Sb化合物,Ga化合物およ
    びGe化合物からなる群より選択される少なくとも1種
    の第3元素化合物とを、InとZnの原子比がIn/
    (In+Zn)=0.55〜0.75で、InとZnと
    第3元素の合量に対する前記第3元素の割合が20at%
    以下になる割合で溶解させたコーティング溶液を調製
    し、このコーティング溶液を基板に塗布して300〜6
    50℃で焼成した後に還元処理して非晶質の透明導電膜
    を得ることを特徴とする透明導電膜の製造方法。
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