JPH06234807A - 重合開始剤および重合方法 - Google Patents

重合開始剤および重合方法

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JPH06234807A
JPH06234807A JP17299593A JP17299593A JPH06234807A JP H06234807 A JPH06234807 A JP H06234807A JP 17299593 A JP17299593 A JP 17299593A JP 17299593 A JP17299593 A JP 17299593A JP H06234807 A JPH06234807 A JP H06234807A
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Akane Okada
茜 岡田
Norio Kurauchi
紀雄 倉内
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特定な設備を必要とせず短時間で重合できる
重合開始剤およびその重合開始剤を使用した重合方法の
確立。 【構成・作用】 ビニルモノマーをビニル重合させる重
合開始剤であって、Feを含有する粘土鉱物あるいは鉄
イオンと、ルイス塩基とからなる重合開始剤。ビニルモ
ノマーを水又は水/親水性有機溶媒混合液中で、該重合
開始剤の存在下で重合させる重合方法。室温で短時間で
重合が終了する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な重合開始剤およ
びこの重合開始剤を用いたビニルモノマーの重合方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】通常のラジカル重合開始剤では、熱や光
などにより重合開始剤が分解してラジカルが発生し、こ
のラジカルがビニルモノマーの二重結合と反応してラジ
カル重合が開始する。そしてラジカルと反応したモノマ
ーが活性点となり他のモノマーを攻撃して成長しラジカ
ルが失活するまで重合が続き重合体が形成される。この
ため、通常重合終了までに数〜数十時間かかる。また、
ラジカルが重合途中で酸素やその他活性物と結合してラ
ジカルが消失しないようにする必要があり、そのための
別段の重合装置が必要である。
【0003】一方、短時間で重合を行わせる方法として
高速リビング重合開始剤が報告されている。たとえば、
POLYMER PREPRINTS, JAPAN Vol41 No.6 2032 (1992) に
はアルミニウムポルフィリン錯体を開始剤とするMMA
の重合反応系に、ある種のルイス酸を加えると、重合反
応が飛躍的に加速されて、条件によっては数秒単位で反
応が完結する、高速リビング重合が報告されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】通常のラジカル重合開
始剤は、ラジカルを発生させるために、熱や光などのエ
ネルギーが必要であり、それを供給する加熱手段、光源
などの設備が用いられている。さらに発生したラジカル
が失活せずモノマーに伝播してポリマーに成長させるた
めに不活性な雰囲気を保持する設備や、所定の重合度と
するために重合終了までに数〜数十時間かかるなどの問
題があり短時間で重合できれば生産性が向上する。前記
の高速リビング重合は、モノマーであるMMAがルイス
酸に配位することにより活性化され、これが成長ポリマ
ーの活性末端を高速で攻撃する、という形で進行する。
一般に、アニオン重合系にルイス酸を加えると、成長ポ
リマーの活性末端(アニオン)とルイス酸とが直接反応
し、互いに失活してしまう。しかし、ルイス酸に嵩高い
置換基を導入し、成長種とルイス酸を立体的に分離する
か、あるいは、本質的に求核種との反応を起こしにくい
ルイス酸を用いると、ルイス酸は、モノマーが尽きるま
で強烈に配位して活性化し続けることができる。
【0005】この高速リビング重合開始剤は、重合反応
が比較的短時間で終わるが、イオン重合系であり開始剤
が不安定で空気中で容易に取り扱うことができないとい
う問題がある。本発明は、上記の事情に鑑みてなされた
もので、特定な設備を必要とせず短時間でビニル重合で
きる開始剤およびその重合方法を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の重合開始剤は、
ビニルモノマーを重合させる重合開始剤であって、Fe
を含有する粘土鉱物あるいは鉄イオンと、ルイス塩基と
からなることを特徴とする。本発明の重合方法は、ビニ
ルモノマーを水または水/親水性有機溶媒混合液中で、
Feを含有する粘土鉱物あるいは鉄イオンと、ルイス塩
基の存在下で重合させることを特徴とする。
【0007】本発明で用いる粘土鉱物は、好ましくは膨
潤性粘土鉱物でFeを含有するものが利用できる。Fe
の量は粘土鉱物中に20重量%以下で少なくとも2重量
%程度は含有することが好ましい。Feの含有量が20
重量%を超えると粘土鉱物が均一に分散しなくなるの
で、モノマーの重合開始点が減少し、その結果重合の進
行が不十分となり好ましくない。好適範囲は2〜5重量
%である。なお、粘土鉱物に含まれるFeは2つの安定
な酸化状態をとり得るものであり、Fe以外でも、同様
な状態をとり得る金属イオンを含むものが使用できるも
のと考えられる。
【0008】この粘土鉱物としては、天然または合成の
スメクタイト系のもので、たとえば、モンモリロナイ
ト、サポナイト、バイデライト、ノントロナイト、ヘク
トライト、スティブンサイトなどが使用できる。一方鉄
イオンは、各種の可溶性鉄塩を溶媒中に投入することで
得ることができる。
【0009】粘土鉱物あるいは鉄イオンと共に用いられ
るルイス塩基は、電子供与性の電子対をもつ化合物であ
って、重合反応においてモノマーに電子対を供与して重
合を促進できる化合物で、たとえば、エーテル結合をも
つ化合物が挙げられる。このルイス塩基は、弱塩基であ
ってモノマーと化学反応せず、重合時に使用する溶媒と
親和性のあるものが好ましい。たとえば、ジオキサン、
テトラヒドロフラン、エチルセロソルブ、ブチルセロソ
ルブなどのエーテル結合をもち親水性のものが使用でき
る。なお、上記のものは溶媒として使用してもよい。
【0010】重合時に使用する親水性溶媒としては、メ
タノール、エタノール、エチレングリコール、メチルセ
ロソルブなどが挙げられる。これらは単独あるいは水と
混合するか、さらに複数種を混合して用いることもでき
る。本発明の開始剤で重合できるモノマ−としてはビニ
ルモノマーが挙げられる。特に親水性のビニルエーテ
ル、アクリル系のモノマーが好ましい。たとえば、ヒド
ロキシアルキルアクリレートを含む(メタ)アクリル系
モノマーおよびその混合物および酢酸ビニルなどが挙げ
られる。具体的には、アクリル系モノマーとしては2−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル
酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メ
タ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オ
クチル(メタ)アクリレート、ブタンジオール(メタ)
アクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢
酸ビニルなどが挙げられる。
【0011】本発明の重合方法では、水単独あるいは水
/有機混合溶媒に上記の重合開始剤およびビニルモノマ
ーを加えて室温で攪拌して反応させる。重合開始剤と溶
媒との配合割合は溶媒に対して、Feを含有する粘土鉱
物が10重量%以下あるいは鉄イオンが2重量%以下、
ルイス塩基を300重量%以下の範囲で使用するのが好
ましい。
【0012】粘土鉱物の濃度が10重量%を超えると媒
体中に粘土鉱物が均一に分散せず、重合反応が不均一と
なるので好ましくない。この重合はモノマーが粘土鉱物
の表面にFeが存在する部位に配位すると共に、ルイス
塩基の電子対による溶媒和作用により重合反応が開始促
進されて急速に進行するものと推測される。一方鉄イオ
ンの濃度が2重量%を超えると重合開始点が過多となり
高重合度のアクリル樹脂が得られない。重合反応の進行
に伴って反応溶液の粘度が上昇するのが認められ1時間
以内に反応は終了する。そして粘度が急上昇して重合が
終了した反応溶液中には、未反応の残留モノマーは認め
られない。
【0013】
【作用】本発明の重合開始剤は、鉄分を含有する粘土鉱
物あるいは鉄イオンがルイス塩基を含む媒体中に分散し
て添加されたビニルモノマーを重合させる。これは、ア
クリル系モノマーが粘土鉱物上に存在している2つの安
定な酸化状態をもつ鉄に配位し、あるいは媒体中の鉄イ
オンに配位し、その周囲に存在するルイス塩基により活
性化されて重合が進行すると考えられる。すなわち、ビ
ニルモノマーの二重結合がFe2+、Fe3+に配位しさら
にルイス塩基の酸素の電子対がモノマーの電子不足部に
配位することによりモノマーが活性化されて重合が開始
進行していると推測される。
【0014】このため重合反応は開始とともに急速に進
行して短時間に終了する。このため、この反応には特定
な雰囲気やエネルギーの付与は必要ない。なお、鉄を含
有する粘土鉱物を用いた場合は粘土鉱物の表面に多数の
モノマーが凝集して配列するために、また鉄イオンを用
いた場合は多数の重合起点(鉄イオン)が均一に分散す
るために、それぞれ重合反応が迅速に進行する。
【0015】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 (実施例1)300mlのビーカーに3重量%のナトリ
ウムモンモリロナイト(クニミネ工業株式会社製 クニ
ピアF Fe含有量2%)分散水180gと、ブチルセ
ロソルブ60gとを加えて1分間攪拌した。次いで2−
ヒドロキシエチルアクリレート60gを加えて室温で混
合攪拌した。図1に上記の3成分を混合してからの混合
液の粘度の時間変化を示す(粘度は、重合の進行により
生成するポリマーの生成量の増加に伴って増加する)。
なお、混合液の粘度は、東京計器(株)製のB型粘度計
(DVL−B)を用い、ロータNo.4、6r.p.
m.で測定した(以下の各実施例、比較例についても同
じである)。図1に示すように混合液の粘度の変化によ
り重合の進行状況を把握し、約5分後に混合液は粘度が
急上昇して、溶液がゲル状となり重合が終了したことを
確認した。また、反応生成物(ゲル状物)のガスクロマ
トグラムにより、反応系内にはモノマーが残存していな
いことを確認した。 (実施例2)300mlのビーカーに3重量%の前記ナ
トリウムモンモリロナイト分散水180gと、テトラヒ
ドロフラン60gとを入れ1分間攪拌し、さらに2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート60gを加えて室温で混
合攪拌した。図2に示すように混合液は、約20分で粘
度が急上昇して重合が終了したことを確認した。また、
反応生成物のガスクロマトグラムにより、反応系内にモ
ノマーが残存していないことを確認した。 (実施例3)実施例2と同様な手順で2−ヒドロキシエ
チルアクリレート30gとアクリル酸30gを加えて室
温で混合攪拌した。図3に示すように混合液の粘度は約
30分で急上昇して重合が終了したことを確認した。ま
た、反応生成物のガスクロマトグラムにより、反応系内
にモノマーが残存していないことを確認した。 (実施例4〜7)表1に示す濃度が異なる前記ナトリウ
ムモンモリロナイト分散水、ブチルセロソルブおよび2
−ヒドロキシエチルアクリレートを実施例1の手順に基
づき室温で混合して重合をおこなった。そして混合液の
粘度の時間変化を調べて粘度急上昇する時間を調べて重
合終了時間とした。その結果を表1に示す。表1に示す
ように各実施例(4〜7)は15分以内に重合は終了し
た。
【0016】
【表1】 注:*重量%/g、モノマー:2−ヒドロキシエチルア
クリレート、ルイス塩基:ブチルセロソルブ、重合終了
時間:モノマ−が完全に消費されるまでの時間 (比較例)ビニル重合の重合開始剤として従来使用され
ている過酸化物のベンゾイルパーオキサイド(日本油脂
製 ナイパーB)3gを300gの2−ヒドロキシエチ
ルアクリレートに溶解して60℃でバルク重合(塊状重
合)を行い、2−ヒドロキシエチルアクリレートの粘度
の時間変化を測定して重合反応の終了時間を調べた。結
果を表1に示す。
【0017】表1に示すようにモノマーの粘度が上昇し
て重合反応が終了するまでに、120分要した。したが
って、本発明の重合開始剤を使用することによりアクリ
ル系モノマーは重合反応時間を著しく短縮することがで
きる。さらにこの重合反応は、酸素の除去や空気中で不
安定な重合開始剤などを使用しないので、特殊な装置を
用いなくても容易に重合反応をおこなうことができる。 (実施例8)0.1重量%のFeCl3 水溶液、テトラ
ヒドロフランおよび2−ヒドロキシエチルアクリレート
を実施例1の手順に基づき室温で混合して重合をおこな
った。そして混合液の粘度の時間変化を調べて粘度急上
昇する時間を調べて重合終了時間とした。その結果を表
2に示す。表2に示すように3分で重合は終了した。こ
のように鉄イオンを粘土鉱物の代わりに重合開始剤とし
て用いても、粘土鉱物の場合と同様に短時間で重合を終
了させることができる。
【0018】
【表2】 注:*重量%/g、モノマー:2−ヒドロキシエチルア
クリレート、ルイス塩基:テトラヒドロフラン、重合終
了時間:モノマ−が完全に消費されるまでの時間 (試験例)実施例4〜7および実施例8の仕込み組成で
重合して各重合体を得た。この各重合体を引張強度試験
試料作製用の金型で成形して図4に示す試験片を得た。
この各試験片の破断強度をインストロン社製4302型
万能材料試験機を用いて測定した。その結果を図5の棒
グラフに示す。鉄イオン(Fe3+)で重合させた実施例
8(粘土鉱物含有量0%)の仕込み組成の場合、破断強
度が0.06kgであるのに対して、粘土鉱物で重合さ
せた実施例4〜7の仕込み組成(粘土鉱物含有量1.1
〜2.0%)の場合の破断強度は0.24〜0.30k
gであった。また、実施例4〜7の仕込み組成の各試験
片は不透明であったが、実施例8の仕込み組成の試験片
は透明であった。
【0019】
【発明の効果】本発明の重合開始剤は、鉄を含む粘土鉱
物あるいは鉄イオンとルイス塩基とからなり、水を含む
溶媒中でビニルモノマーを室温で短時間に重合を完了さ
せることができる。このため特別な重合用の装置を必要
とせずにアクリル系の重合体を得ることができる。さら
に、重合体溶液をそのまま使用することもできる。
【0020】なお、鉄を含む粘土鉱物を用いた場合は、
この粘土鉱物による重合体に物性改良効果が認められ
る。一方鉄イオンを用いた場合は相対的に透明性が良
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この図は、実施例1の反応液の時間経過と粘
度変化の関係を示すグラフである。
【図2】 この図は、実施例2の反応液の時間経過と粘
度変化の関係を示すグラフである。
【図3】 この図は、実施例3の反応液の時間経過と粘
度変化の関係を示すグラフである。
【図4】 この図は、試験例で作製した試験片の形状を
示す模式図である。
【図5】 この図は、引張強度試験結果を示す棒グラフ
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 茜 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 倉内 紀雄 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニルモノマーを重合させる重合開始剤
    であって、Feを含有する粘土鉱物あるいは鉄イオン
    と、ルイス塩基とからなることを特徴とする重合開始
    剤。
  2. 【請求項2】 ビニルモノマーを水または水/親水性有
    機溶媒混合液中で、Feを含有する粘土鉱物あるいは鉄
    イオンと、ルイス塩基の存在下で重合させることを特徴
    とする重合方法。
JP17299593A 1992-12-16 1993-07-13 重合開始剤および重合方法 Expired - Fee Related JP3446898B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002053629A (ja) * 2000-05-29 2002-02-19 Kawamura Inst Of Chem Res 有機・無機複合ヒドロゲル及びその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002053629A (ja) * 2000-05-29 2002-02-19 Kawamura Inst Of Chem Res 有機・無機複合ヒドロゲル及びその製造方法

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