JPH0623625A - ネジ加工方法 - Google Patents

ネジ加工方法

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Publication number
JPH0623625A
JPH0623625A JP17869692A JP17869692A JPH0623625A JP H0623625 A JPH0623625 A JP H0623625A JP 17869692 A JP17869692 A JP 17869692A JP 17869692 A JP17869692 A JP 17869692A JP H0623625 A JPH0623625 A JP H0623625A
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JP
Japan
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grindstone
screw
axis
prepared hole
threaded
Prior art date
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Pending
Application number
JP17869692A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshihiro Takenaka
敏弘 竹中
Riyouka Tsuchimoto
涼夏 土本
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Publication of JPH0623625A publication Critical patent/JPH0623625A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 砥石軸2に、略算盤珠状の外周面5にダイヤ
モンド砥粒を電着して成る砥粒層9が形成されたネジ加
工部4…を、砥石軸線O方向に沿って複数設ける。砥石
軸線O方向に隣合うネジ加工部4,4のピッチPTは当
該ネジ加工用砥石1によって形成されるべきネジのピッ
チPSの2倍に設定され、また各ネジ加工部4の外径d
は下穴Hの内径Dに対して70〜80%に設定されてい
る。このようなネジ加工用砥石1を下穴Hに挿入して砥
石軸線O周りに回転させつつ、下穴軸線Xを中心に螺旋
を描くように周回させてネジ加工を施す。 【効果】 NC工作機械等によって、超硬合金等の硬質
材料にも容易に、かつクラック等の損傷のない面精度の
高いネジ加工を行なうことができる。また、ネジ加工部
4とこれによって形成される螺旋溝13との干渉を抑え
てネジの形成精度の向上を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に超硬合金等の硬質
材料にネジを形成するのに最適な、ネジ加工用砥石を用
いたネジ加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、鋼材等から成る被加工物にネジ
穴を形成する場合には、通常まずこの被加工物に下穴を
形成し、これにタップを回転させながら挿入して、その
切刃により上記下穴の内周面を削り取ってネジ山を形成
する方法が用いられている。ところが、ネジ穴を形成す
べき被加工物が超硬合金のような硬度のきわめて高い材
質より成る場合には、このようなタップによってネジ山
を形成することが殆ど不可能であるため、従来は放電加
工のような電気的加工法によってネジ穴の形成を行なっ
ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな放電加工を行なうためには、まず相応の電気的設備
を備えなければならず、このため多大な設備投資を要す
ることは避けられなかった。また、これに加えて上述の
ような放電加工によるネジ加工では、面精度の高いネジ
穴を形成することはきわめて困難であり、さらにクラッ
ク等がネジ穴に生じ易いという問題もあった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題を解決するためになされたもので、ネジ加工用砥石の
砥石軸に、その砥石軸線に対して径方向外側に膨らむネ
ジ加工部を該砥石軸線方向に沿って複数等間隔に設ける
とともに、このネジ加工部の外周面にはダイヤモンド砥
粒を電着して成る砥粒層を形成し、このようなネジ加工
用砥石を、被加工材に形成された下穴にその下穴軸線に
対して上記砥石軸線が平行となるように挿入し、このネ
ジ加工用砥石を砥石軸線回りに回転させつつ下穴の内周
面にネジ加工部を密着させて切込みを与えながら、下穴
軸線回りに螺旋状に周回させて連続するネジ山を形成す
るネジ加工方法であって、上記ネジ加工部の外周面を、
各ネジ加工部における上記砥石軸線方向中央に該砥石軸
線を中心とした円をなす交差稜線部を有して、この交差
稜線部から離間して該砥石軸線方向を両端側に向かうに
従い漸次縮径する一対の円錐面より構成するとともに、
当該ネジ加工部の外周面の上記交差稜線部の外径を、下
穴の内径の70〜80%の範囲内に設定したことを特徴
とする。
【0005】
【作用】このようなネジ加工方法においては、上記ネジ
加工用砥石は、その砥石軸が例えばNC工作機械やマシ
ニングセンタ等の主軸端に装着されて、砥石軸線回りに
回転可能、かつ砥石軸線方向を平行とした状態で移動自
在に支持される。そして上述のように、被加工物に形成
された下穴に挿入され、砥石軸線回りに回転してネジ加
工部により下穴に切込みを与えつつ、下穴軸線回りには
ネジの捩れ(リード)に従って螺旋状に周回させること
により、ネジ加工部の外周面に形成された砥粒層によっ
て下穴の内周面は削り取られてゆき、ここに断面V字型
の複数の螺旋溝が下穴軸線方向に並列に形成されること
となる。そこで、互いに隣合うネジ加工部の砥石軸線方
向の間隔を、当該ネジ加工方法によって形成されるべき
ネジのピッチに準じて設定することにより、上記複数の
螺旋溝は一つに連続し、これに伴い下穴軸線方向に隣合
う螺旋溝同士の間には逆に当該下穴の径方向内側に向か
って逆V字型に突出する一条のネジ山が形成されるの
で、このようなネジ山を適宜に延長することによって所
望の長さのネジ穴が下穴に形成される。
【0006】このように、上記のネジ加工方法によれ
ば、NC工作機械やマシニングセンタによってネジ加工
を行なうことが可能である。しかも、ネジ加工部の外周
面に形成される砥粒層はダイヤモンド砥粒を電着して成
るものであるので、超硬合金のような硬質材料から成る
被加工材にもネジ加工を行なうことができ、かつこのよ
うな被加工材にネジ加工を施す場合でも面精度の高いネ
ジ穴を形成することが可能であるとともに、クラック等
の発生を防ぐことができる。
【0007】ところで本発明のネジ加工方法は、上述の
ように下穴に挿入されたネジ加工用砥石を下穴軸線回り
に螺旋状に周回させて、砥石軸線回りに回転するネジ加
工部により下穴内周面に切込みを与えながら螺旋溝を形
成するものであり、従ってネジ加工部は下穴軸線に垂直
な方向には該下穴軸線を中心とした円運動を行なうと同
時に、下穴軸線方向には当該ネジの捩れ(リード)に準
じて移動してゆくこととなる。ところが一方、ネジ加工
部は砥石軸線方向に厚みを有するとともに該砥石軸線に
対する径方向には広がりを有しており、このためネジ加
工部が上記リードに準じて下穴軸線方向に移動するのに
伴い、螺旋溝の互いに対向する面とネジ加工部の上記一
対の円錐面上に形成された砥粒層との間に干渉が生じる
ことがある。そしてこのような干渉が生じることによ
り、ネジ加工部の断面形状と実際に形成される螺旋溝の
断面形状との間に誤差が生じてしまい、形成されるネジ
の形状精度の劣化を招くおそれがある。
【0008】ここで、この誤差を生ぜしめる上記の干渉
は、一つには下穴の内径に対するネジ加工部の外径の比
率が大きくなるほど(100%に近づくほど)、大きく
なる傾向がある。また、この比率が大きいと、ネジ加工
部がその周方向に多くの部分に亙って下穴の内周面に密
着して該内周面を切り込んでゆくこととなるため、各ネ
ジ加工部に過大な研削抵抗が作用するおそれがあるとと
もに、下穴軸線方向視にネジ加工部によって下穴が塞が
れる部分が大きくなるので、ネジ加工時に生成される切
粉や砥粒の脱落等による破砕屑の排出を阻害するおそれ
もある。このため、これらの問題を解消するだけのため
には、この下穴の内径に対するネジ加工部の外径、すな
わち上記一対の円錐面の交差稜線部がなす円の径の比率
は、できるだけ小さい方が好ましい。
【0009】しかしながら、これとは逆に上記ネジ加工
部の外径を小さくし過ぎると、これは取りも直さずネジ
加工に関与する砥粒層の面積が小さくなることを意味
し、このためネジ加工部の単位面積当りの砥粒層に過大
な研削負荷を強いる結果となって砥石寿命の低下を招
く。また、これととともに、所望の研削速度を得るため
には当該ネジ加工用砥石の砥石軸線回りの回転数を高回
転に設定しなければならなくなるという問題も生じる。
このように、上記下穴の内径に対するネジ加工部の外径
の比率は、大きすぎても小さすぎても不都合を生じ、こ
れらの相反する問題の解決の両立を図るためには、当該
ネジ加工部の上記交差稜線部の外径は上記下穴の内径の
70〜80%の範囲内に設定されるべきである。
【0010】
【実施例】以下、図1ないし図7を用いて本発明の一実
施例について説明する。まず図1および図2は、本発明
に係わるネジ加工用砥石1を示すものである。ただし本
実施例では、ネジ山の角度が60°であるメートルネジ
を下穴に形成するものとし、当該ネジ加工用砥石1もそ
の仕様となっている。さて、これらの図に示すネジ加工
用砥石1では、超硬合金より形成される略円柱軸状の砥
石軸2の基端側に、当該ネジ加工用砥石1をNC工作機
械等の主軸端に装着するためのシャンク部3が形成され
ている。一方、この砥石軸2の先端側には、砥石軸2の
外周面から該砥石軸線Oに対して径方向外側に膨らむ互
いに同形同大の8つのネジ加工部4が、上記砥石軸線O
方向に沿って等間隔に形成されている。
【0011】ここで、これらのネジ加工部4…は、それ
ぞれその外周面5が、砥石軸線O上に中心軸を有し、か
つ該ネジ加工部4の砥石軸線O方向中央に位置して該砥
石軸線Oに直交する面について面対称であって、さらに
この面から離間して砥石軸線O方向先端側または基端側
に向かうに従い漸次縮径する一対の円錐面6,7から構
成されている。従って、各ネジ加工部4の外観は図1に
示すように略算盤珠状を呈することとなり、またこれら
一対の円錐面6,7の交差稜線部8は、上記砥石軸線O
に直交する面上に、砥石軸線Oを中心とする円を描くよ
うに形成されることとなる。そして本実施例では、この
交差稜線部8が描く円の直径dは、後述する下穴Hの内
径Dの80%となるように設定されている。さらに、こ
のネジ加工部4の外周面5には、ダイヤモンド砥粒が電
着によって均一厚さに付着されていて、砥粒層9が形成
されている。
【0012】なお、このネジ加工部4の外周面5は、砥
石軸線Oを含む断面視において図2に示すように、上記
径方向外側に向けて突出する逆V字状の山型を呈するこ
ととなるが、この山の頂点、すなわち上記交差稜線部8
は、本実施例では該交差稜線部8を挟む上記一対の円錐
面6,7の双方に滑らかに連なる凸円弧状に形成されて
おり、この円弧の半径Rは0.05mmに設定されてい
る。また、これら一対の円錐面6,7の交差角θTは、
本実施例では50°に設定されている。さらに本実施例
では、上記砥粒層9を構成するダイヤモンド砥粒の粒度
は#325とされている。
【0013】本実施例ではこのような構成のネジ加工部
4が、上述のように砥石軸線O方向に沿って8つ形成さ
れているのであるが、ここで本実施例ではこの砥石軸線
O方向に互いに隣合うネジ加工部4,4同士は、その砥
石軸線O方向の間隔PT(例えば、図2に示すように両
ネジ加工部4,4の稜線部8,8同士の砥石軸線O方向
の距離)が、当該ネジ加工用砥石1によって形成される
べきネジ穴のネジピッチPSの2倍となるように設定さ
れている。なお、これによって各ネジ加工部4…の間に
は、砥石軸線O方向に上記ネジピッチPS分の間隙部1
0…が形成されることとなるが、これらの間隙部10は
本実施例では上記砥石軸2と同径の円柱状に形成されて
いる。
【0014】次に、このような構成のネジ加工用砥石1
によって、超硬合金より成る被加工物Wに形成された内
径Dの下穴Hにネジを形成する場合について、図3ない
し図7を用いて説明する。ただし、ここでは下穴Hは被
加工物Wに上向きに開口するように形成されているもの
とし、このような下穴Hの開口部側から底部に向けてネ
ジを形成するものとする。
【0015】まず、このネジ加工を行なうに際して、N
C工作機械やマシニングセンタ等の数値制御が可能な工
作機械の主軸端にシャンク部3を取り付けることによ
り、砥石軸線Oが下穴軸線Xに平行になるようにネジ加
工用砥石1を支持する。そして、上記工作機械によって
砥石軸2を、各図中に白抜き矢線TOで示すように砥石
軸線O回りに回転させつつ、当該ネジ加工砥石1を下穴
軸線Xに沿って下穴H内に挿入し、次いでこのネジ加工
用砥石1を下穴Hの内周面11の一側に向けて平行移動
させて、砥石軸2とともに回転するネジ加工部4…を図
3に示すようにこの下穴Hの内周面11に密着させ、各
ネジ加工部4…の外周面5に形成された砥粒層9によっ
て該内周面11に切込みを与える。ここで、この切込み
の切込み量Cは、当該ネジ加工砥石1によって形成され
るべきネジのネジ山の高さに相当する大きさに設定され
る。また、この切込みを与えた状態では、下穴Hに挿入
されるネジ加工砥石1の8つのネジ加工部4…のうち、
最も基端側に位置するネジ加工部4は未だ下穴H内には
挿入されずに、その稜線部8が、下穴Hの開口する被加
工物Wの上面12よりも上記ネジのピッチPSの1/2
分だけ上方に位置するように配置される。
【0016】このように、当該ネジ加工砥石1が位置決
めされて下穴Hの内周面11に所定の切込み量Cの切込
みが与えられたなら、次いで砥石軸線Oと下穴軸線Xと
の平行状態を維持したまま、当該ネジ加工用砥石1によ
って形成されるべきネジの捩れに合わせて各図中に白抜
き矢線TXで示すよう螺旋を描くように、砥石軸2を下
穴軸線Xを中心として下穴Hの内周面11に沿って周回
させながら該下穴軸線X方向の下方(砥石軸線O方向の
先端側)に向けて降下させる。これにより、下穴Hの内
周面11は、各ネジ加工部4の一対の円錐面6,7を有
する外周面5に形成された砥粒層9によって削り取ら
れ、該内周面11にその開口部から底部に向けて、断面
V字型の螺旋溝13が形成されてゆく。
【0017】ここで、図4ないし図7は、図3に示した
位置から砥石軸2を下穴軸線Xを中心に180°ずつ順
次周回させた状態をそれぞれ示す図であるが、このうち
図4および図5に示すように、砥石軸2を1周(360
°)周回させることによって下穴Hの内周面11には、
各ネジ加工部4…によって削り取られる8条の螺旋溝1
3…と、これらネジ加工部4…の間の谷部10…によっ
て削り残される7条の断面等脚台形状の螺旋突条部14
…とが、下穴軸線X方向に交互に形成されることとな
る。そして、これら螺旋溝13の開口部の下穴軸線X方
向の幅、および螺旋突条部14の下穴軸線Xに対する径
方向内側を向く面の下穴軸線X方向の幅は、上記ネジピ
ッチPSに等しくなる。
【0018】さらに、砥石軸2を1周周回させた時点で
各ネジ加工部4…は、図5に示すように各螺旋突条部1
4…の始端に位置し、かつそれぞれの外周面5の稜線部
8が該螺旋突条部14の上記幅方向中央に位置するよう
に配置されることとなる。そこで、ここから図6および
図7に示すように砥石軸2をさらに1周(図3に示す状
態から720°)周回させてゆくと、各螺旋突条部14
…がネジ加工部4…によって削り取られてゆき、先の1
周の間に形成された8条の螺旋溝13…がそれぞれ延長
されてゆくこととなる。
【0019】そして、図3に示す状態から砥石軸2を2
周周回させた時点で当該ネジ加工用砥石1は、上記ネジ
ピッチPSの2ピッチ分、すなわち当該ネジ加工用砥石
1の互いに隣合うネジ加工部4,4間のピッチPT分だ
け、下穴軸線X方向下方に移動することとなる。従っ
て、この時点で互いに隣合うネジ加工部4,4によって
削り取られる螺旋溝13,13は互いに連続することに
なり、すなわち各螺旋溝13…がそれぞれ隣合う螺旋溝
13…と順次連続して1条の螺旋溝13となり、これと
は相対的に下穴Hの内周面11にはこの螺旋溝13の間
に、下穴軸線Xに対する径方向内側に向かって逆V字型
に突出する1条のネジ山15が形成されることとなる。
【0020】こうして、ネジ加工砥石1を2周周回させ
ることによって形成されるネジ山15の下穴軸線X方向
の長さLは、図7に示すように当該ネジ加工砥石1の砥
石軸線O方向最先端に位置するネジ加工部4と最基端に
位置するネジ加工部4との間の距離に、該ネジ加工用砥
石1の下穴軸線X方向の移動量を加えた長さ、すなわち
上記互いに隣合うネジ加工部4,4同士のピッチPT
8倍(上記ネジピッチPSの16倍)となる。ただし、
図1ないし図7に示したのは下穴Hの開口部からネジを
形成する場合であるので該開口部にネジの掛かりを形成
する必要があり、このため図7において実際に形成され
るネジ山の長さは、上記長さLよりも上記ネジピッチP
Sの1/2ピッチ分だけ短くなる。
【0021】このように本実施例によれば、放電加工に
よらずとも、NC工作機械やマシニングセンタ等の工作
機械によってネジ加工を行なうことが可能である。この
ため、かかる放電加工を行なうための電気的設備を新た
に設ける必要もなく、過大な設備への投資を避けること
ができる。しかも、ネジ加工部4の外周面5に形成され
る砥粒層9が、ダイヤモンド砥粒を電着して成るもので
あり、このため上述のように超硬合金等の硬質材料から
なる被加工材Wに形成された下穴Hにも容易に、かつ面
精度の高いネジ穴を形成することが可能であって、放電
加工の場合のようにネジ穴にクラック等が生じることは
ない。
【0022】さらに本実施例では、各ネジ加工部4の外
径d、すなわちこのネジ加工部4の外周面5を構成する
一対の円錐面6,7の交差稜線部8がなす円の直径が、
下穴Hの内径Dに対して80%に設定されている。そし
て、これによって当該ネジ加工用砥石1が螺旋状に周回
することによる螺旋溝13とネジ加工部4との干渉を抑
えることが可能となり、該ネジ加工部4の断面形状と、
このネジ加工部4によって形成される螺旋溝13の断面
形状との間の誤差を抑制して形状精度の高いネジ穴を加
工することが可能となる。なお、本実施例ではこのよう
に下穴Hの内径Dに対するネジ加工部4の外径dの比率
を80%に設定したが、上述したようにこの比率の如何
によって生じる相反する問題の解決の両立を図るために
は、当該比率は70〜80%の範囲内において設定され
るべきである。すなわち、この比率が80%を上回る
と、ネジ加工部4とこれによって形成される螺旋溝13
との干渉が大きくなってネジ穴の形状精度の劣化を招く
とともに、各ネジ加工部に過大な研削抵抗が作用した
り、ネジ加工時に生成される切粉や破砕屑の排出が阻害
されたりするおそれが生じる。また逆に、上記比率が7
0%を下回ると、砥石寿命の低下を招いたり、ネジ加工
用砥石1の回転を高回転に設定しなければならなくな
る。
【0023】一方、本実施例では、ネジ加工用砥石1の
各ネジ加工部4…がネジピッチPSの2倍のピッチPT
配設されており、互いに隣合うネジ加工部4,4の間に
は上述のような谷部10が形成されることとなる。この
ため、例えば各ネジ加工部がネジピッチPSに等しいピ
ッチで配設されている場合などに比べ、砥石軸線O方向
に互いに隣合うネジ加工部4,4同士が干渉し合うこと
をも未然に防ぐことができ、上記ネジ加工部4と螺旋溝
13との干渉抑制効果と相俟ってネジ穴の成形精度の一
層の向上を図ることができる。また、これに加えて本実
施例では砥石軸2が超硬合金から構成されているので高
い剛性を得ることができ、上記成形精度をさらに向上さ
せることができる。また、このように各ネジ加工部4…
の間に谷部10…が形成されることにより、螺旋溝13
…の形成時に砥粒層9によって生成される切粉等を容易
に排出することが可能となり、砥石軸2に作用する抵抗
の低減およびネジの面精度の向上を図ることができると
いう利点も得られる。
【0024】また、本実施例では、各ネジ加工部4…の
外周面5の一対の円錐面6,7の交差稜線部8を両円錐
面6,7に滑らかに連なる凸曲面とし、かつその曲率半
径Rを0.05mmに設定することにより、当該ネジ加工
部4によって形成される螺旋溝13をその底部近傍まで
先鋭なV字型断面としてネジ山15の精度向上を図って
いるが、このような構成を採った場合には上記曲率半径
Rは、0.03〜0.07mmの範囲内において設定される
ことが望ましい。これは、上記曲率半径Rが0.03mm
を下回って小さくなると、交差稜線部8に欠け等が生じ
易くなってしまうためであり、また逆に上記曲率半径R
が0.07mmを上回ると、これに準じて断面V字型の上
記螺旋溝13の底部の曲率も大きくなってしまい、ネジ
山15の形状精度が劣化してしまうためである。
【0025】また本実施例では、このネジ加工部4の外
周面5に形成される砥粒層9を、#325と比較的小さ
な粒度のダイヤモンド砥粒から形成して、当該ネジ加工
用砥石1によって形成されるネジ穴の面精度の向上を図
っている。従って、このような効果を得るだけのために
は、砥粒層9を形成するダイヤモンド砥粒の粒度はでき
るだけ小さい方が望ましいが、この粒度が余りにも小さ
くなり過ぎると今度は逆に当該砥粒層9に目詰まりや砥
粒の脱落が生じ易くなってしまうという弊害を招く。こ
のため、砥粒層9を形成するダイヤモンド砥粒の粒度
は、#300〜#350の範囲内において適宜に設定さ
れるのが望ましい。
【0026】ところで、上記構成のネジ加工用砥石1で
は、各ネジ加工部4の外周面5を構成する一対の円錐面
6,7の交差角θTが50°に設定されている。このた
め一見すると、該ネジ加工部4によって形成される螺旋
溝13のV字型断面の狭角も50°となってしまい、従
って下穴軸線X方向に隣合う螺旋溝13,13の間に形
成されるネジ山15の頂角θSも50°となるようにも
思われる。しかしながら、上述したようにネジ加工部4
は砥石軸線O方向に厚みを有するとともに該砥石軸線O
に対する径方向には広がりを有しており、このためネジ
加工部4と、これによって形成される螺旋溝13との間
に干渉が生じることがある。そして、この干渉はネジ径
に対する砥石径(稜線部8が描く円の径)が大きいほど
顕著となり、これによって実際に形成される螺旋溝13
の狭角は上記一対の円錐面6,7の交差角θTよりも大
きくなってしまい、この結果上記ネジ山15の頂角θS
も上記交差角θTよりも大きくなるしまうことがある。
【0027】このため、本実施例では上記交差角θT
50°として、当該ネジ加工用砥石1によって形成され
るべきネジのネジ山の頂角60°よりも小さく設定する
ことにより、実際に形成されるネジ山15の頂角θS
略60°となるようにしているのである。ここで、本実
施例のように、上記ネジ山15の頂角θSが60°であ
るメートルネジを形成するのに用いられるネジ加工用砥
石1においては、上記交差角θTは45°〜60°の範
囲内に設定されるのが望ましい。また、例えば管用ネジ
のようにネジ山の頂角θSが55°となるネジを形成す
る場合には、ネジ加工部4の一対の円錐面6,7の交差
角θTは40°〜55°の範囲内で設定されるのが望ま
しい。すなわち、形成されるべきネジのネジ山の頂角θ
Sに対して上記交差角θTを(θS−15)°〜θSの範囲
内において設定するのが望ましく、この範囲を越えた場
合には所望の頂角のネジ山を形成することができなくな
るおそれが生じる。
【0028】なお、本実施例では砥石軸2にその砥石軸
線O方向に沿って8つのネジ加工部4…を形成したが、
このネジ加工部4の数は加工条件や形成されるべきネジ
の長さ(ネジ穴の深さ)等によって適宜に設定される。
また、本実施例ではこのネジ加工部4の外周面5のみに
ダイヤモンド砥粒を電着して砥粒層9を形成したが、こ
れを互いに隣合うネジ加工部4,4同士の間の谷部10
にも形成するようにしてもよい。この場合には、砥石軸
2の砥石軸線O方向最先端のネジ加工部4から最基端の
ネジ加工部4までの範囲に、マスキング等を施すことな
く、まとめてダイヤモンド砥粒を電着することができる
ので、当該ネジ加工用砥石1の製造工程の簡略化を図る
ことができる。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
砥石軸線を下穴軸線に対して平行となるように砥石軸を
支持し、この砥石軸線周りに砥石軸を回転させつつ、下
穴軸線周りに螺旋を描くように当該ネジ加工用砥石を周
回させることによって、砥石軸に砥石軸線方向に沿って
設けられた複数のネジ加工部が下穴の内周面に螺旋溝を
形成し、ネジ加工が施される。そして、このネジ加工部
が、その外周面にダイヤモンド砥粒を電着して成る砥粒
層を有しているため、相当の電気的設備を要する放電加
工によらずともNC工作機械やマシニングセンタ等によ
って、超硬合金等の硬質材料にも容易にネジ加工を行な
うことが可能であるとともに、クラック等の損傷のない
面精度の高いネジ加工を行なうことができる。
【0030】さらに、このネジ加工部の外径が下穴の内
径に対して70〜80%の範囲内に設定されているの
で、該ネジ加工部とこれによって形成されるネジの螺旋
溝との干渉を抑えることができ、ネジ穴の成形精度の向
上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すネジ加工用砥石1の斜
視図である。
【図2】図1に示すネジ加工用砥石1の互いに隣合うネ
ジ加工部4,4の、砥石軸線Oを含む断面図である。
【図3】図1に示すネジ加工用砥石1によって被加工物
Wに形成された下穴Hにネジ加工を施す場合の下穴軸線
Xを含む断面図である。
【図4】図1に示すネジ加工用砥石1によって被加工物
Wに形成された下穴Hにネジ加工を施す場合の下穴軸線
Xを含む断面図である。
【図5】図1に示すネジ加工用砥石1によって被加工物
Wに形成された下穴Hにネジ加工を施す場合の下穴軸線
Xを含む断面図である。
【図6】図1に示すネジ加工用砥石1によって被加工物
Wに形成された下穴Hにネジ加工を施す場合の下穴軸線
Xを含む断面図である。
【図7】図1に示すネジ加工用砥石1によって被加工物
Wに形成された下穴Hにネジ加工を施す場合の下穴軸線
Xを含む断面図である。
【符号の説明】
1 ネジ加工用砥石 2 砥石軸 4 ネジ加工部 5 ネジ加工部4の外周面 6,7 外周面5を構成する一対の円錐面 8 一対の円錐面6,7の交差稜線部 9 砥粒層 10 谷部 11 下穴Hの内周面 13 螺旋溝 15 ネジ山 O 砥石軸線 X 下穴軸線 PT ネジ加工部4…のピッチ PS ネジ加工用砥石1によって形成されるべきネジの
ピッチ θT 一対の円錐面6,7の交差角 θS ネジ山15の頂角 R 交差稜線部8がなす凸曲面の曲率半径 W 被加工材 H 下穴 D 下穴Hの内径 d ネジ加工部4の外径(交差稜線部8がなす円の直
径)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ネジ加工用砥石の砥石軸に、その砥石軸
    線に対して径方向外側に膨らむネジ加工部を該砥石軸線
    方向に沿って複数等間隔に設けるとともに、このネジ加
    工部の外周面にはダイヤモンド砥粒を電着して成る砥粒
    層を形成し、 このネジ加工用砥石を、被加工材に形成された下穴にそ
    の下穴軸線に対して上記砥石軸線が平行となるように挿
    入し、該ネジ加工用砥石を上記砥石軸線回りに回転させ
    つつ上記下穴の内周面に上記ネジ加工部を密着させて切
    込みを与えながら、上記下穴軸線回りに螺旋状に周回さ
    せて連続するネジ山を形成するネジ加工方法であって、 上記ネジ加工部の外周面を、該ネジ加工部における上記
    砥石軸線方向中央に該砥石軸線を中心とした円をなす交
    差稜線部を有して、この交差稜線部から離間して該砥石
    軸線方向を両端側に向かうに従い漸次縮径する一対の円
    錐面より構成するとともに、当該ネジ加工部の上記交差
    稜線部の外径を、上記下穴の内径の70〜80%の範囲
    内に設定したことを特徴とするネジ加工方法。
JP17869692A 1992-07-06 1992-07-06 ネジ加工方法 Pending JPH0623625A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010036277A (ja) * 2008-08-01 2010-02-18 Nakayama Mokkosho:Kk 木材へのネジ形成方法と、ネジ付き木材と、木材の接合構造

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JP2010036277A (ja) * 2008-08-01 2010-02-18 Nakayama Mokkosho:Kk 木材へのネジ形成方法と、ネジ付き木材と、木材の接合構造

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