JPH06236523A - 磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録再生装置

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JPH06236523A
JPH06236523A JP1984793A JP1984793A JPH06236523A JP H06236523 A JPH06236523 A JP H06236523A JP 1984793 A JP1984793 A JP 1984793A JP 1984793 A JP1984793 A JP 1984793A JP H06236523 A JPH06236523 A JP H06236523A
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JP1984793A
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English (en)
Inventor
Ryoichi Nakatani
亮一 中谷
Masaaki Futamoto
正昭 二本
Hiroyuki Hoshiya
裕之 星屋
Shunichi Narumi
俊一 鳴海
Shinji Narushige
真治 成重
Chiaki Ishikawa
千明 石川
Ko Suzuki
香 鈴木
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多層磁気抵抗効果膜を磁気ヘッドに用いた磁
気記録再生装置を提供する。 【構成】 磁性層としてのNi−Fe−Co層と非磁性
層としてのCu層を積層した多層磁気抵抗効果膜31を
再生ヘッド部に用いる。膜31の端面と磁気記録媒体2
1の磁性層21bの表面との距離dを0.23μm以
下、好ましくは0.12μm以下に設定して情報を再生
する。膜31の飽和磁界を100Oe以上、好ましくは
200Oe以上に設定する。 【効果】 線形性の優れた再生特性を持つ磁気記録再生
装置が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、磁気記録再生装置に
関し、さらに詳しく言えば、高い抵抗変化率を持つ多層
磁気抵抗効果膜を磁気ヘッドに用いた磁気記録再生装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録の高密度化に伴い、再生
用磁気ヘッドに用いる磁気抵抗効果材料としていっそう
高い磁気抵抗効果を発現する材料が求められている。こ
の材料には、現在使用されているパ−マロイの抵抗変化
率(約3%)を上回る抵抗変化率が望まれる。ここで
「抵抗変化率」とは、飽和磁界を印加した時の抵抗率ρ
Sに対する抵抗率変化量Δρの比、すなわち(Δρ/
ρS)を意味する。
【0003】このような高い磁気抵抗効果を発現する材
料の一例として、フィジカル・レビュ−・レタ−ズ(Py
sical Review Letters)、第61巻(1988年)、第21号、
第2472〜2475頁には、「(001)Fe/(001)C
r磁性超格子の巨大磁気抵抗効果」(Giant Magnetores
istance of (001)Fe/(001)Cr Magnetic Super-latt
ices)と題して、磁性層としてのFe層と非磁性層とし
てのCr層とを積層してなる多層磁気抵抗効果膜で4.
2Kの温度において約50%の抵抗変化率が観測された
ことが Baibich らにより報告されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】多層磁気抵抗効果膜は
一般に飽和磁界が高く、磁気ヘッドとして必要な抵抗変
化を生じさせるには非常に高い磁界を印加することが必
要である。このため、磁気ヘッドへの応用は困難である
とされている。
【0005】そこで、この発明の目的は、磁性層と非磁
性層とを積層してなる多層磁気抵抗効果膜を磁気ヘッド
に用いた磁気記録再生装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の磁気記録再生
装置は、磁性層と非磁性層とを積層してなる多層磁気抵
抗効果膜を用いた磁気ヘッドと、磁気記録媒体とを備
え、情報再生時における前記多層磁気抵抗効果膜の端面
と前記磁気記録媒体の磁性層の表面との距離が0.23
μm以下に設定されていることを特徴とする。
【0007】情報再生時における前記多層磁気抵抗効果
膜の表面と前記磁気記録媒体の磁性層の表面との距離
は、0.12μm以下であるのが好ましい。この場合、
大きな抵抗変化が0.23μm以下に設定した場合より
も確実に得られる。
【0008】前記距離を0.23μm以下、好ましくは
0.12μm以下に設定するため、前記磁気抵抗効果膜
を前記磁気記録媒体に接触させながら情報を再生するよ
うに構成してもよい。前記磁気記録媒体の磁性層の表面
には一般に保護膜が形成されるので、この場合、前記距
離はその保護膜の厚さにほぼ等しくなる。保護膜がない
場合は、前記距離をゼロに設定することができる。
【0009】前記磁気ヘッドと前記磁気記録媒体とが接
触しながら相対移動する際に、前記磁気記録媒体の表面
の凹凸によって前記磁気ヘッドがバウンドして前記磁気
記録媒体から一時的に離れる可能性があるが、その場合
でも、前記距離が0.23μm以下、好ましくは0.1
2μm以下になるように設定する。
【0010】前記多層磁気抵抗効果膜の飽和磁界は、1
00エルステッド(Oe)以上であるのが好ましく、2
00Oe以上であるのがより好ましい。前記磁気記録媒
体より印加される磁界により、前記多層磁気抵抗効果膜
が磁気飽和し難くなるからである。
【0011】前記磁気記録媒体より前記多層磁気抵抗効
果膜に印加される磁界Haと、前記多層磁気抵抗効果膜
の飽和磁界Hsとの間には、Ha≦Hsの関係があるの
が好ましく、0.1Hs≦Ha≦0.9Hsの関係があ
るのがより好ましい。
【0012】Ha≦Hsとすれば、前記多層磁気抵抗効
果膜が情報再生中に磁気飽和して再生信号の線形性に大
きな悪影響を与えることがないからである。また、印加
磁界Haが飽和磁界Hsに近い範囲および印加磁界Ha
がゼロに近い範囲では、抵抗変化の線形性が劣るため、
0.1Hs≦Ha≦0.9Hsの範囲に設定することに
より、再生信号の線形性をいっそう良好に保つことが可
能となる。
【0013】Ha≦0.5Hsとすれば、前記多層磁気
抵抗効果膜にバイアス磁界を印加する場合に、そのバイ
アス磁界を、前記磁気記録媒体より印加される磁界がゼ
ロの時に前記多層磁気抵抗効果膜の抵抗変化量の1/2
に設定することが可能となる。これにより、線形性を良
好に保ちながら再生信号の振幅を最大限に設定すること
ができる。
【0014】前記多層磁気抵抗効果膜としては、前記磁
性層としてNi−Fe−Co層を含み、前記非磁性層と
してCu層を含む多層膜、すなわちNi−Fe−Co/
Cu多層膜が好ましい。しかし、これらに限定されるも
のではない。
【0015】Ni−Fe−Co層では、Co量を10〜
25at%の範囲に設定するのが好ましい。10at%
未満では十分な抵抗変化率が得られず、25at%を越
えると軟磁気特性が低下するからである。NiとFeの
組成比は、Ni:Fe=75:25〜85:15の範囲
に設定するのが好ましい。この範囲であれば、結晶磁気
異方性定数がゼロに近くなり、且つ保磁力を小さくする
ことができるからである。
【0016】Ni−Fe−Co/Cu多層膜以外の好ま
しい前記多層磁気抵抗効果膜としては、Ni−Fe/C
u/Co/Cu多層膜、Ni−Fe−Co/Cu/Co
/Cu多層膜、Ni−Fe/Au多層膜、Ni−Fe−
Co/Au多層膜、Ni−Fe/Ag多層膜、Ni−F
e−Co/Ag多層膜、Ni−Fe/Cu多層膜、Ni
−Fe−Co/Cu多層膜などがある。
【0017】
【作用】パ−マロイ膜を磁気抵抗効果膜として用いる
と、その磁気抵抗効果膜と磁気記録媒体との間の距離を
いくら小さくしても、最大3%の抵抗変化率しか得られ
ない。しかし、多層磁気抵抗効果膜は一般にパーマロイ
膜よりも高い抵抗変化率を持つので、多層磁気抵抗効果
膜の端面と磁気記録媒体の磁性層の表面との距離を0.
23μm以下に設定して、磁気記録媒体から多層磁気抵
抗効果膜に印加される磁界が強くなるように構成する
と、パーマロイ膜よりも大きな抵抗変化が得られる。こ
れにより、非常に高感度の磁気抵抗効果型磁気ヘッドが
得られ、また記録密度の高度化も図れる。
【0018】多層磁気抵抗効果膜は、その飽和磁界を低
下させなければ磁気ヘッドには使用できないと考えられ
ているが、この発明の磁気記録再生装置では、飽和磁界
を低下させなくても情報の記録・再生が可能である。
【0019】磁気記録媒体の表面には保護膜が形成され
る場合が多く、この場合は、多層磁気抵抗効果膜が磁気
記録媒体の磁性層に接触することはない。しかし、この
保護膜は通常、数十nm程度の厚さであるため、前記多
層磁気抵抗効果膜を磁気記録媒体の保護膜に接触するよ
うに構成すれば、つまりいわゆる「コンタクト再生」を
するように構成すれば、前記距離が0.23μm以下と
いう条件を満たすことは容易である。
【0020】
【実施例】以下、添付図面を参照しながらこの発明の実
施例を説明する。
【0021】図7は、この発明の磁気記録再生装置を磁
気ディスク装置に適用した実施例の全体構成を示す。こ
の磁気ディスク装置では、図7に示すように、複数の磁
気記録媒体21がスピンドルに並列して固着されてお
り、それら磁気記録媒体は磁気記録媒体駆動部22によ
り回転駆動される。磁気記録媒体21の各面には磁気ヘ
ッド23が対向して設けられている。これら磁気ヘッド
23は磁気ヘッド駆動部24により駆動・制御される。
記録再生信号処理系25は、磁気記録媒体21と外部の
信号処理装置(図示せず)との間で記録信号および再生
信号を所定処理を行ないながら転送する。
【0022】図1に、図7の磁気ディスク装置の磁気ヘ
ッド23と磁気記録媒体21の対向部分の概略構成を拡
大して示す。
【0023】磁気記録媒体21は、基板21aと、基板
21a上に形成された磁性層21bと、磁性層21b上
に形成された保護膜21cとを備えている。磁性層21
bとしては、例えば、残留磁束密度0.75TのCo−
Ni−Pt−Ta系合金層を用いることができる。なお
保護膜21cはなくてもよい。
【0024】磁気ヘッド23は、情報再生時に磁気記録
媒体21の表面に接触するように構成されている。つま
り、いわゆる「コンタクト再生」を行なうようになって
いる。さらに、再生中に磁気ヘッド23がバウンドして
磁気記録媒体21の表面から一時的に離れることがあっ
ても、磁気ヘッド23の多層磁気抵抗効果膜31の端面
と磁気記録媒体21の磁性層21bの表面との距離d
が、常に0.23μm以下になるように設定されてい
る。
【0025】磁気ヘッド23は、この実施例では、情報
記録時にも磁気記録媒体21の表面に接触するように構
成され、いわゆる「コンタクト記録」を行なうようにな
っている。
【0026】磁気ヘッド23の詳細構成を図3に、その
多層磁気抵抗効果膜31の詳細構成を図2に示す。図3
から分かるように、この磁気ヘッド23はいわゆる記録
再生分離型である。
【0027】再生ヘッド部はシールド層32、多層磁気
抵抗効果膜31、導体層38、一対の電極39およびシ
ールド層33から構成されている。スライダ37はAl
23・TiCを主成分とする焼結体より形成されてお
り、その端面上にシールド層32が形成されている。多
層磁気抵抗効果膜31はシールド層32上に形成されて
おり、導体層38は多層磁気抵抗効果膜31上に形成さ
れいる。Al膜よりなる一対の電極39はシールド層3
2上に形成されており、各電極39の端部は導体層38
に接合されている。シ−ルド層33は、導体層38およ
び電極39上に形成されたギャップ層(図示せず)上に
形成されている。シ−ルド層32、33はいずれも、厚
さ1.0μmのNi−Fe合金膜により形成されてい
る。
【0028】多層磁気抵抗効果膜31は、シールド層3
2と導体層38によって挟まれており、一対の電極39
を介して電流を供給することにより多層磁気抵抗効果膜
31に磁界検出方向のバイアス磁界が印加される。
【0029】記録ヘッド部は、シールド層33上に形成
された下部磁極35および上部磁極36と、それら磁極
35、36の間に形成されたコイル34とから構成され
ている。コイル34はCr膜、Cu膜およびCr膜をこ
の順に積層してなる多層膜により構成され、磁極35、
36は厚さ3.0μmのNi−Fe合金膜より形成され
ている。コイル34に所定電流を供給することにより、
下部磁極35および上部磁極36間のギャップに記録磁
界が発生する。
【0030】シ−ルド層33と多層磁気抵抗効果膜31
の間のギャップ層(図示せず)の厚さは0.2μm、磁
極35、36の間のギャップ層(図示せず)の厚さは
0.4μm、再生ヘッド部と記録ヘッド部の間のギャッ
プ層(図示せず)の厚さは約4μmである。これらギャ
ップ層としては、スパッタリングで形成したAl23
が用いられている。
【0031】多層磁気抵抗効果膜31は、図2に示すよ
うに、Ni−16at%Fe−18at%Co膜(膜厚
1.5nm)よりなる磁性層11と、Cu膜(膜厚1.
0nm)よりなる非磁性層12とから構成されている。
すなわち、Al23・TiCを主成分とする焼結体より
なる基板14上に、Fe膜(膜厚5nm)よりなるバッ
ファ層13を介して磁性層11が形成され、その磁性層
11の上に非磁性層12が形成され、その非磁性層12
の上にさらに磁性層11が形成され、………というよう
に、磁性層11と非磁性層12が交互に積層して構成さ
れている。ここでは、磁性層11と非磁性層12の積層
数は14周期としてある。多層磁気抵抗効果膜31の全
膜厚は約38nmである。
【0032】以上の構成を持つ多層磁気抵抗効果膜31
は、イオンビ−ム・スパッタリング法を用いて製作され
る。到達真空度は例えば10-4Pa、スパッタリング時
のArガス圧力は例えば0.02Pa、膜形成速度は例
えば0.01〜0.02nm/sである。この場合、こ
の多層磁気抵抗効果膜31の抵抗変化率は例えば31
%、飽和磁界は例えば820Oeである。
【0033】磁気ヘッド23以外の要素、すなわち磁気
記録媒体21、磁気記録媒体駆動部22、磁気ヘッド駆
動部24、記録再生信号処理系25には公知のものを任
意に用いることができる。
【0034】以上の構成を持つこの発明の磁気ディスク
装置では、多層磁気抵抗効果膜31の端面と磁気記録媒
体21の磁性層21bの表面との距離が常に0.23μ
m以下になるように設定されているので、磁性層21b
が発生する漏洩磁界が多層磁気抵抗効果膜31に効果的
に印加される。このため、多層磁気抵抗効果膜31に印
加される磁界が強くなり、パーマロイ膜を用いた従来の
磁気ディスク装置の場合よりも大きな抵抗率変化が得ら
れる。よって、感度すなわち再生出力を増加することが
でき、その結果、記録密度をいっそう高度化(例えば数
Gb/in2以上に)することができる。
【0035】この発明の磁気ディスク装置の効果を確認
するため、次のような試験を行なった。
【0036】[試験1]上述した構成の多層磁気抵抗効
果膜31を磁気ヘッド23に用いた磁気ディスク装置
と、パ−マロイ合金膜を磁気ヘッドに用いた従来の磁気
ディスク装置とを製作した。多層磁気抵抗効果膜31と
パ−マロイ合金膜の抵抗変化率を測定すると、前記多層
磁気抵抗効果膜31は31%、パ−マロイ合金膜は3%
であった。これら両装置を用いて、同一情報を記録した
磁気記録媒体から情報を再生し、両者の再生出力を測定
・比較したところ、この発明の磁気ディスク装置は従来
の磁気ディスク装置の約8倍の高い再生出力を示した。
これは、磁気ディスク装置の感度が約8倍になったこと
を意味する。
【0037】[試験2]上述した構成の多層磁気抵抗効
果膜31を飽和磁界を異ならせて複数個製作し、それら
を用いて磁気記録媒体21から発生する磁界と、磁気記
録媒体・磁気ヘッド間距離(厳密に言えば、多層磁気抵
抗効果膜31の端面と磁気記録媒体の磁性層の表面との
距離)dとの関係を測定した。磁気記録媒体21には、
磁性層21bとして残留磁束密度0.75TのCo−N
i−Pt−Ta系合金膜を持つものを用いた。多層磁気
抵抗効果膜31の両側には、パ−マロイ膜からなるシ−
ルド層を設けた。それらシ−ルド層の間隔は0.4μm
とした。
【0038】まず、磁気記録媒体21から磁気ヘッド2
3に印加される磁界、すなわち多層磁気抵抗効果膜31
に印加される外部磁界の強さを求めるため、多層磁気抵
抗効果膜31に一様磁界を印加してその磁界に対する多
層磁気抵抗効果膜31の抵抗率を測定した。
【0039】次に、磁気ヘッド・磁気記録媒体間の距離
dを変えながら、多層磁気抵抗効果膜31の抵抗率を測
定した。こうして得られた抵抗率データと前記の測定デ
ータから、試験中に磁気ヘッド23に印加される外部磁
界の強さを求めた。結果を図4に示す。
【0040】図4より、磁気ヘッド23と磁気記録媒体
21の間の距離dが0.23μm以下になると、磁気ヘ
ッド23に100Oe以上の磁界が印加されることが分
かる。また、距離dが0.12μm以下になると、磁気
ヘッド23に200Oe以上の磁界が印加されることも
分かる。
【0041】従って、距離dが0.23μm以下になる
ように設定しているこの発明の磁気ディスク装置では、
多層磁気抵抗効果膜31に常に100Oe以上の磁界が
印加され、そのため、多層磁気抵抗効果膜31が持つ高
い抵抗変化率を有効に利用することができる。また、距
離dが常に0.12μm以下になるように設定すれば、
多層磁気抵抗効果膜31が持つ高い抵抗変化率をいっそ
う有効に利用することができる。
【0042】図4より分かるように、この発明の磁気デ
ィスク装置では、多層磁気抵抗効果膜31の磁気飽和に
より再生出力の線形性が損われるのを避けるため、10
0Oe以上の飽和磁界を持つ多層磁気抵抗効果膜を用い
るのが好ましい。他方、飽和磁界が高すぎると、磁界印
加により抵抗変化が生じ難いため、飽和磁界は2000
Oe以下となるように設定するのが好ましい。
【0043】また、この試験により得られた多層磁気抵
抗効果膜31の抵抗率と外部磁界との関係を図5に示
す。多層磁気抵抗効果膜31は、飽和磁界が異なってい
てもすべて図5のような特性を示した。すなわち、抵抗
率は外部磁界がゼロの時に最大であり、磁界の向きにか
かわらず、ゼロより増加すると徐々に減少し、飽和磁界
を越えると抵抗率は一定となる。
【0044】図5より分かるように、外部磁界が飽和磁
界より小さい範囲でも、外部磁界が飽和磁界に近い領域
とゼロに近い領域では、多層磁気抵抗効果膜31の抵抗
変化の線形性が劣っている。このため、再生出力の線形
性を良好に保つには、外部磁界が飽和磁界の10%から
90%の範囲になるように設定するのが好ましい。
【0045】また、一般に磁気抵抗効果型磁気ヘッドで
は、磁気抵抗効果膜にバイアス磁界を印加して使用する
場合が多い。この場合、バイアス磁界の強度は、図6に
示すように、抵抗率曲線が多層磁気抵抗効果膜31の抵
抗率変化量Δρの(1/2)で縦軸(抵抗率軸)に交差
するように設定するのが好ましい。
【0046】図6のようにバイアス磁界を設定した場
合、多層磁気抵抗効果膜31に印加される外部磁界の強
さは、バイアス磁界を印加しない場合の飽和磁界の(1
/2)以下に設定するのが好ましい。再生出力の線形性
を良好に保つことができるからである。
【0047】図4の関係は、シ−ルド層の間隔に応じて
若干変化する。しかし、シ−ルド層の間隔を0.4μm
より狭くした場合でも、磁気記録媒体から印加される磁
界と多層磁気抵抗効果膜の飽和磁界との関係は、上記実
施例と同様にするのが好ましい。
【0048】上記実施例では、磁気記録媒体として残留
磁束密度0.75TのCo−Ni−Pt−Ta系合金膜
を磁性膜として用いた場合を示したが、残留磁束密度は
それとは異なっていてもよいし、他の材料からなる膜を
用いてもよい。例えば、磁性層の残留磁束密度が0.7
5Tより10%大きい磁気記録媒体を用いると、磁気ヘ
ッドに印加される磁界もほぼ10%高くなるが、その場
合でも、磁気記録媒体から印加される磁界と多層磁気抵
抗効果膜の飽和磁界との関係は、上記実施例と同様にす
るのが好ましい。
【0049】また、上記実施例では磁気ディスク装置に
ついて説明したが、この発明はそれには限定されず、V
TRなどの種々の磁気記録再生装置においても適用可能
である。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、磁性層と非磁性層とを積層してなる多層磁気抵抗効
果膜を磁気ヘッドに用いた磁気記録再生装置が得られ
る。また、この装置によれば、従来よりも非常に高感度
且つ高記録密度で情報の記録・再生が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図7の磁気ディスク装置の磁気ヘッドと磁気記
録媒体の対向部分の拡大説明図である。
【図2】図7の磁気ディスク装置の磁気ヘッドに使用し
た多層磁気抵抗効果膜の構成を示す断面図である。
【図3】図7の磁気ディスク装置の磁気ヘッドの概略斜
視図である。
【図4】磁気ヘッド・磁気記録媒体間距離と磁気ヘッド
に印加される磁界との関係を示すグラフである。
【図5】図2の多層磁気抵抗効果膜の抵抗率と外部磁界
との関係を示すグラフである。
【図6】バイアス磁界を印加した場合の図2の多層磁気
抵抗効果膜の抵抗率と外部磁界との関係を示すグラフで
ある。
【図7】(a)はこの発明の磁気記録再生装置の1実施
例の磁気ディスク装置の全体構成を示す平面図、(b)
はそのA−A線に沿った断面図である。
【符号の説明】
11 多層磁気抵抗効果膜の磁性層 12 多層磁気抵抗効果膜の非磁性層 13 多層磁気抵抗効果膜のバッファ層 14 多層磁気抵抗効果膜の基板 21 磁気記録媒体 21a 磁気記録媒体の基板 21b 磁気記録媒体の磁性層 21a 磁気記録媒体の保護膜 22 磁気記録媒体駆動部 23 磁気ヘッド 24 磁気ヘッド駆動部 25 記録再生信号処理系 31 多層磁気抵抗効果膜 32、33 シ−ルド層 34 コイル 35 下部磁極 36 上部磁極 37 スライダ 38 導体層 39 電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鳴海 俊一 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 成重 真治 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレーシ゛システム事業部 内 (72)発明者 石川 千明 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 鈴木 香 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性層と非磁性層とを積層してなる多層
    磁気抵抗効果膜を用いた磁気ヘッドと、磁気記録媒体と
    を備え、情報再生時における前記多層磁気抵抗効果膜の
    端面と前記磁気記録媒体の磁性層の表面との距離が0.
    23μm以下に設定されていることを特徴とする磁気記
    録再生装置。
  2. 【請求項2】 情報再生時における前記多層磁気抵抗効
    果膜の端面と前記磁気記録媒体の磁性層の表面との距離
    が0.12μm以下である請求項1に記載の磁気記録再
    生装置。
  3. 【請求項3】 前記磁気抵抗効果膜を前記磁気記録媒体
    に接触させながら情報を再生するように構成されている
    請求項1または2に記載の磁気記録再生装置。
  4. 【請求項4】 前記多層磁気抵抗効果膜の飽和磁界が1
    00Oe以上である請求項1〜3のいずれかに記載の磁
    気記録再生装置。
  5. 【請求項5】 前記多層磁気抵抗効果膜の飽和磁界が2
    00Oe以上である請求項1〜3のいずれかに記載の磁
    気記録再生装置。
  6. 【請求項6】 前記磁気記録媒体より前記多層磁気抵抗
    効果膜に印加される磁界Haと、前記多層磁気抵抗効果
    膜の飽和磁界Hsとの間に、 Hs≧Ha の関係がある請求項1〜5のいずれかに記載の磁気記録
    再生装置。
  7. 【請求項7】 前記磁気記録媒体より前記多層磁気抵抗
    効果膜に印加される磁界Haと、前記多層磁気抵抗効果
    膜の飽和磁界Hsとの間に、 0.1Hs≦Ha≦0.9Hs の関係がある請求項1〜5のいずれかに記載の磁気記録
    再生装置。
  8. 【請求項8】 前記磁気記録媒体より前記多層磁気抵抗
    効果膜に印加される磁界Haと、前記多層磁気抵抗効果
    膜の飽和磁界Hsとの間に、 Ha≦0.5Hs の関係がある請求項1〜5のいずれかに記載の磁気記録
    再生装置。
  9. 【請求項9】 前記多層磁気抵抗効果膜が、前記磁性層
    としてNi−Fe−Co層を含み、前記非磁性層として
    Cu層を含んでいる請求項1〜8のいずれかに記載の磁
    気記録再生装置。
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