JPH06245687A - パン生地及びパン類の製法 - Google Patents

パン生地及びパン類の製法

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JPH06245687A
JPH06245687A JP5054754A JP5475493A JPH06245687A JP H06245687 A JPH06245687 A JP H06245687A JP 5054754 A JP5054754 A JP 5054754A JP 5475493 A JP5475493 A JP 5475493A JP H06245687 A JPH06245687 A JP H06245687A
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JP
Japan
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bread
dough
strain
yeast
baker
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JP5054754A
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English (en)
Inventor
Hironobu Kato
博信 加藤
Atsuko Kojima
厚子 小島
Masaki Watanabe
勝紀 渡辺
Kenichiro Takayama
健一郎 高山
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SHIKISHIMA SEIPAN KK
Original Assignee
SHIKISHIMA SEIPAN KK
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  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の生地の配合及び製造工程を変更しなく
ても、冷蔵・冷凍によるパン生地へ悪影響を及ぼすこと
がなく低コストで品質を維持できるパン生地を提供する
こと。 【構成】 パン用の原料と水とパン酵母が配合され、混
捏された製パン用のパン生地であって、前記パン酵母は
冷凍耐性パン酵母に由来し、低温において生育と発酵力
とが欠如しているかまたは著しく抑制されている変異株
が用いられていること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、新規なパン酵母を用
いて調製した冷蔵・冷凍パン生地及びこのパン生地によ
るパン類の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、製パン分野においては、製パ
ン工程の合理化、労務管理の合理化の要請から、冷凍生
地や冷蔵生地の使用が着目されている一方、新鮮なパン
をより美味しい状態で提供するという要請を達成するべ
く、風味が損なわれることのない冷凍生地・冷蔵生地の
開発が望まれている。しかし、冷凍・冷蔵生地中に含ま
れる生物体である酵母の発酵力に起因する各種の問題が
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に冷蔵生地とは、
こね上げた生地を直ちに、あるいは一部発酵させた後に
冷蔵保存されるパン生地である。通常酵母の発酵力が活
発なのは25〜30℃であり、4〜5℃の冷蔵温度では
本来の発酵が活発に行われるわけではないが、低度の発
酵は認められている。したがって、冷蔵期間が長期にわ
たれば、低温でも発酵が進行するため、生地は過発酵状
態となり、内相の荒れなどの品質劣化や本来と異なる風
味が生じたりすることになり、望ましくない。この一方
で、さらに冷蔵温度を下げて発酵を抑えようとすると、
冷蔵コストが上昇するという不具合がある。
【0004】また、冷凍生地にあっては、冷凍時におけ
る酵母の死滅が問題となるが、冷凍耐性酵母として市販
されているものを使用することにより、ある程度解決が
可能である。しかし、冷凍保存中や配送中の温度管理が
不十分な場合に生じる部分的な解凍や生地解凍時の温度
上昇による酵母の活性化は、生地中の酵母の死滅、それ
に起因する発酵力の低下や酵母細胞内物質の漏洩、さら
には生地内相や外観の劣化、風味の変化などを引き起こ
す原因となる。
【0005】かかる冷蔵生地や冷凍生地中の酵母の発酵
力及び活性化に起因する問題点を、生地中への添加物や
製造工程の変更によって解決するのは、コスト、手段及
び効果の点で限界がある。そこで、本発明の目的は、従
来の生地の配合及び製造工程を変更しなくても、冷蔵・
冷凍によるパン生地へ悪影響を及ぼすことがなく低コス
トで品質を維持できるパン生地を提供することである。
また、本発明の他の目的は厳格なパン生地保存の温度管
理を行うことなく低コストで美味しいパン類を提供する
ことができるパン類の製法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
問題を解決すべく鋭意研究した結果、パン酵母の低温感
受性変異株を用いることにより、冷蔵・冷凍保存に適し
たパン生地が得られることを見いだした。すなわち、パ
ン用の原料と水とパン酵母が配合され、混捏された製パ
ン用のパン生地であって、前記パン酵母は冷凍耐性パン
酵母に由来し、低温において生育と発酵力とが欠如して
いるかまたは著しく抑制されている変異株が用いられて
いることを特徴とするパン生地及び冷凍したパン生地を
常温に戻した後、加熱処理して所定のパンとする方法に
おいて、前記パン生地として請求項1又は請求項2に記
載のパン生地を用いることを特徴とするパン類の製法を
創作した。
【0007】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明に用いる変異株の親株としては、冷凍耐性酵母であ
ってパン酵母として使用しうるものであればよいが、特
にサッカロマイセス セレビシエに属するものが好まし
い。ここに、冷凍耐性酵母とは、冷凍・解凍処理による
生存率及び発酵力の低下が普通のパン酵母に較べて著し
く少ない酵母をいう。好ましくは、解凍後の発酵力も優
れているものである。また、トルラスポラ デルブルエ
キ、クルイフェロマイセス サーモトレランス キャン
ディダ ミレリ等のパン酵母についても本発明の適用が
可能である。
【0008】本発明には、上記した親株を変異誘導処理
して得られた変異株から、生育と発酵力が25〜30℃
の常温域では親株と同等であり、15℃以下の低温域で
は欠如あるいは著しく抑制されている低温感受性を有す
るものを選択し、これを用いる。変異誘導処理の方法と
しては、紫外線照射、放射線照射、エチルメタンスルホ
ネート(以下、EMSという)、N−メチル−N’ニト
ロ−N−ニトロソグアニジン等の薬剤を使用することが
できる。変異誘導された変異株から低温域で感受性を有
するものを選択するには、親株と常温域で親株と同等に
生育して、低温域では生育が抑制されている株を分離す
ればよい。以下に本発明の具体例であるサッカロマイセ
ス セレビシエの変異株サッカロマイセス セレビシエ
K−56株の取得例を示す。なお、本菌株は、平成5
年1月25日付けで、工業技術院生命工学工業技術研究
所に受託番号 FERM第P−13386号として寄託
されている。
【0009】親株として、サッカロマイセス セレビシ
エの冷凍耐性パン酵母として市販されているカネカグリ
ーンイースト(鐘淵化学工業株式会社製)(以下、単に
KGY株という)を用いた。まず、YPG寒天培地(酵
母エキス0.5%、ポリペプトン1.0%、グルコース
2.0%、リン酸二水素カリウム0.5%、硫酸マグネ
シウム7水和物0.2%、寒天2.0%、pH5.5)
で30℃、24時間培養したKGY株の菌体を9.0×
106 細胞/mlになるように0.1Mリン酸緩衝液
(pH8.0)3mlに懸濁し、0.1mlのEMSを
加え30℃、40分間変異処理を行った。次いで、6%
のチオ硫酸ナトリウムでEMSを中和後、菌体を水洗
し、適宜希釈してYPG寒天培地上に塗布した。30
℃、24時間培養後、出現したコロニーをレプリカ法に
より別の2枚のYPG寒天培地に移して、15℃と30
℃で2日間培養し、30℃ではKGY株と同等に生育す
るが、15℃では、KGY株よりも生育が抑制されてい
る株を低温感受性株として分離した。
【0010】さらに、分離した菌株をYPG寒天培地で
数代継代培養することにより、低温感受性が安定してい
る株を選択した。そして、YPG液体培地における30
℃と15℃の生育及び糖密培地(糖密(糖換算)2.5
%、硫酸アンモニウム0.4%、リン酸二水素アンモニ
ウム0.2%、酵母エキス0.5%、pH5.5)にお
ける30℃の生育、さらには糖蜜培地培養菌体を用いた
生地膨張力試験の結果から総合的に判断して本発明に使
用する変異株サッカロマイセス セレビシエ K−56
株(以下、単にK−56株という)を取得した。
【0011】K−56株について各種温度における生育
及び生地膨張力をKGY株と比較した結果を表2に示
す。生育試験は、0℃、5℃、10℃、15℃、30℃
におけるYPG寒天培地上での菌体の生育状態を肉眼に
より観察して行った。生地膨張力試験は、糖蜜培地培養
菌体を用いて調製したパン生地20gを100mlのメ
スシリンダーに入れ、各種温度での初発体積に対する所
定時間経過後の体積の比を求めることにより行った。な
お、使用したパン生地は、表1に示す配合に基づき、1
5℃で、3分間ミキシング(ピンミキサー(松下電器産
業製)を使用)して調製した。
【0012】
【0013】
【0014】この結果から明らかなように、K−56株
は生育、生地膨張力ともにKGY株と比較すると常温で
は同等であったが、0〜15℃の低温域では著しく抑制
されていた。表2中の生育欄の「+」は菌の生育が観察
されたものを、「−」は生育が観察されなかったものを
示す。また、「+」の数により生育の程度を示す。
【0015】なお、本発明のおける加熱処理とは、焼成
加熱、スチーム加熱、マイクロ波によるレンジ加熱の他
油浴によるフライ加熱を含むものとする。
【0016】
【実施例】以下に本発明を具現化した実施例につき説明
する。 〔実施例1〕前記糖蜜培地で培養したK−56株を用い
て表4に示す配合及び混捏条件にしたがってパン生地を
調製し、フロアタイム(20℃、60分)をとり、生地
を分割・成形した後、3℃と8℃の2種の温度で冷蔵保
存した。そして、10時間後に常温に戻した後、ホイロ
発酵し、焼成して製パンした。焼成されたパンの比容積
及び特性について試験した結果を表5に示す。なお、パ
ンの比容積については、菜種置換法で測定したパンの容
積(単位:ml)をパンの重量(単位:g)で割った値
を示し、外観、内相、風味及び食感については、パネラ
ー5名による5点評価法の平均値を示した。また、対照
としてKGY株についても同様にパン生地を調製し、パ
ンを焼成して、試験を行った結果を表5に併せて示す。
【0017】
【0018】表5 2種の保存温度の冷蔵パン生地を焼
成して得たパンの品質試験の結果
【表5】
【0019】表5から明らかなように、K−56株用い
て調製したパン生地を焼成したパンは、生地の保存温度
が3℃の場合には、KGY株を用いたパンの品質と同等
である一方、8℃の場合には、KGY株によるパンの品
質と比較して、明らかに優れていた。すなわち、K−5
6株はいずれの項目についてもKGY株の評価点数を上
回っていた。また、KGY株においては、8℃保存のパ
ン生地によるパンは3℃保存のものに比べてその品質が
著しく低下(0.8〜1.6点減、平均1.0)してい
るが、K−56株については、8℃保存のパン生地でも
3℃保存のものに比べてわずかな低下(0.2〜1.0
減、平均0.4)が観察されるのみで、5℃の保存温度
の上昇がほとんど品質に影響を与えないことが明らかで
ある。さらに、パンの比容積についてもK−56株では
3℃と8℃間でほぼ同等だが、KGY株でははっきりと
した差が確認されている。この結果からK−56株を用
いて調製されたパン生地によれば、8℃での冷蔵保存中
に発酵が抑制されていたために、低温過発酵による異種
の風味や内相の劣化が発生せず、優れた品質のパンを得
られることが確認された。
【0020】〔実施例2〕この実施例2は、パン生地の
冷凍保存中に一時的に温度が上昇した場合の例である。
K−56株及び対照としてKGY株の前記糖蜜培地培養
菌体を用いて表1の生地膨張力試験と同様の配合及び工
程で調製したパン生地を35gづつ分割し、丸めて多数
個の生地玉を作った。そして、各生地玉を以下に示す3
区分に分けて冷凍・解凍を行って試料を調製後、炭酸ガ
スの発生量をファーモグラフ(アトー社製)により測定
し、発酵力を比較した結果を表6に示す。なお、冷凍温
度は−20℃、解凍は0℃で17時間かけて行った。ま
た、炭酸ガスの発生条件は、30℃、3時間とした。
【0021】〔非冷凍区の試料〕 調製直後の生地玉 〔冷凍区の試料〕 生地玉を調製後、7日間冷凍保存したもの 生地玉を調製後、14日間冷凍保存したもの 〔冷凍・昇温区の試料〕 生地玉を調製後、冷凍し、7日間保存中、4日目に一
回昇温処理(5℃、3時間放置)を行ったもの 生地玉を調製後、冷凍し、14日間保存中、4日目と
11日目に計2回昇温処理(5℃、3時間放置)を行っ
たもの
【0022】
【0023】表6から明らかなように、冷凍区の試料で
は、いずれの保存日数においてもK−56株の方が発酵
力の低下が少ないことが確認された。一方、冷凍・昇温
区の試料について同じ保存日数の冷凍区試料と比較する
と、K−56株の7日間保存試料(1回昇温状態あり)
では約5%の低下、14日保存試料(2回昇温状態あ
り)では約20%の低下が観察された。これに対し、K
GY株においては、7日間保存試料では、約10%、1
4日間保存試料では約30%の低下が観察された。すな
わち、K−56株はKGY株に較べて、いずれの保存日
数においても約10%程度高い発酵力が確認された。し
たがって、KGY株に較べてK−56株の方が、冷凍中
の昇温に対しても影響を受けにくいことが明らかであ
る。
【0024】〔実施例3〕この実施例3は冷凍したパン
生地に適用した例である。K−56株及び対照としてK
GY株の前記糖蜜培地培養菌体を用いて、実施例1と同
様の配合及び工程(表4)により調製したパン生地を−
20℃で冷凍保存した。3週間後、0℃で17時間で解
凍し、実施例1と同様にホイロ発酵(30℃、75%R
H、60分)、焼成(200℃、40分)し、製パンを
行った。焼成したパンの比容積、特性を試験した結果を
表7に示す。なお、比容積及び特性の評価方法は実施例
1と同様である。
【0025】表7 冷凍パン生地を焼成したパンの品質
試験の結果
【表7】
【0026】表7の結果から明らかなように、冷凍パン
生地にK−56株を適用した場合に、焼成されたパンの
品質は、いずれの項目においてもKGY株の品質を上回
っていた。すなわち、パンの比容積において、KGY株
を上回り、パンの着色が非常に良好で内相の荒れが改善
されるとともに、パンの風味や食感についてもKGY株
より優れた評価となっている。
【0027】このように、冷凍耐性であるKGY株を利
用したパン生地と同様に冷凍耐性であって低温感受性菌
株のK−56株との間にかかる差異が生じたのは冷凍前
におけるミキシング工程及び解凍工程における酵母の活
性化等に起因するものであると考えられる。すなわち、
KGY株は0℃における17時間という長時間に及ぶ解
凍等により活性化し、死滅や冷凍障害、さらに低温発酵
が進行するが、K−56株では、解凍時間中においても
活性化せず、発酵もしない。このため、冷凍中における
両パン生地へダメージが同等であるとしても解凍中等に
おいて生ずる差異のために、焼成されたパンの品質にも
差異が生ずることになる。
【0028】以上の各実施例は、K−56株の良好な場
合を示したが、本発明に適用するパン酵母はこのK−5
6株に限るものではなく、冷凍耐性パン酵母に由来し、
低温において生育と発酵力とが欠如しているか、または
著しく抑制されている変異株を採用することができる。
【0029】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
低温域あるいは冷凍中の一時温度上昇時にもパン生地へ
種々のダメージを与えず、解凍後の発酵力も低下しな
い。したがって、経済的でかつ合理的なパン生地の保存
及びパンの製造が可能となっている。すなわち、本発明
のパン生地によれば、パン生地の調製から、冷蔵、冷
凍、解凍から発酵に至るまでのパンの製造工程全体を通
して、常にパン生地を調製直後の状態と同等の状態に維
持可能であるため、パンの製造工程管理を容易かつ経済
的に行うことができる。また、本発明のパン類の製法は
本発明のパン生地を用いているので、上質でかつ一定の
品質のパンを低コストでかつ合理的な生産工程で提供す
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高山 健一郎 名古屋市東区白壁五丁目三番地 敷島製パ ン株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パン用の原料と水とパン酵母が配合さ
    れ、混捏された製パン用のパン生地であって、前記パン
    酵母は冷凍耐性パン酵母に由来し、低温において生育と
    発酵力とが欠如しているかまたは著しく抑制されている
    変異株が用いられていることを特徴とするパン生地。
  2. 【請求項2】 変異株がサッカロマイセス セレビシエ
    K−56(生命工学研受託番号 FERM 第P−1
    3386号)であることを特徴とする請求項1に記載の
    パン生地。
  3. 【請求項3】 冷蔵または冷凍したパン生地を常温に戻
    した後、加熱処理して所定のパンとする方法において、
    前記パン生地として請求項1又は請求項2に記載のパン
    生地を用いることを特徴とするパン類の製法。
JP5054754A 1993-02-19 1993-02-19 パン生地及びパン類の製法 Pending JPH06245687A (ja)

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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61195637A (ja) * 1985-02-27 1986-08-29 鐘淵化学工業株式会社 パン類の製造法
JPH04234939A (ja) * 1991-01-09 1992-08-24 Ajinomoto Co Inc パン用冷凍生地及びパン製造法

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