JPH06256771A - スズ含有液体防汚剤を注入する炭化水素の熱分解方法 - Google Patents

スズ含有液体防汚剤を注入する炭化水素の熱分解方法

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JPH06256771A
JPH06256771A JP6000565A JP56594A JPH06256771A JP H06256771 A JPH06256771 A JP H06256771A JP 6000565 A JP6000565 A JP 6000565A JP 56594 A JP56594 A JP 56594A JP H06256771 A JPH06256771 A JP H06256771A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、スズ含有防汚剤を、炭化水素の熱
分解前または熱分解中に、炭化水素熱分解反応器に注入
し、金属製反応器壁へのコークスの付着及び一酸化炭素
の生成を軽減する新規な方法に係わる。 【構成】 防汚剤組成物を反応管を通して気体流の流れ
と共に導入し、しかも防汚剤組成物を、気体流の流れに
対し実質的に平行に位置する、少なくとも反応管の直径
に等しい距離だけその反応管の中心部に延びている管状
注入針の末端に位置するノズルを通して反応管に注入す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スズ含有防汚剤を熱分
解(ピロリシス)反応器に注入し、軽炭化水素の熱分解
中の望ましくないコークスと一酸化炭素との生成を軽減
する、炭化水素の熱分解方法に関する。特に、本発明は
(エチレンを生成させるための)エタンの熱分解反応器
へのスズ含有防汚剤の注入に係わる。
【0002】
【従来の技術】軽炭化水素の熱分解(ピロリシス)反応
器の金属製の壁でのコークスの生成を減少させるための
スズ含有防汚剤が数多く知られており、米国特許第4,
404,087号、第4,507,196号、第4,5
45,893号、第4,551,227号、第4,55
2,643号、第4,666,583号、第4,68
7,567号、第4,692,234号及び第5,01
5,358号に記載されている。これら、スズ含有防汚
剤(溶解しているスズ化合物か、または溶解しているス
ズと他の化合物との混合物)は、炭化水素含有原料中に
注入することができ、(炭化水素含有原料が分解反応器
の中に導入される前に)熱分解反応器の内部金属壁を前
処理(被覆)するために使用することができ、またはそ
の両方に使用できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、スズ含有防
汚剤を、炭化水素の熱分解前または熱分解中に、炭化水
素熱分解反応器に注入し、金属製反応器壁へのコークス
の付着及び一酸化炭素の生成を軽減する新規な方法に係
わる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の態様によ
ると、スズ含有液体防汚剤組成物を金属製の壁を持つ熱
分解(ピロリシス)反応管中へ気体流の導入と共に注入
する方法における改良は、液体防汚剤組成物を気体流の
流れに対し実質的に平行に位置する、少なくとも反応管
の直径に等しい距離だけその反応管の中心部に延びてい
る注入針のノズルを通して反応管に注入することからな
る。好ましくは、気体流は分子当たり2〜12の炭素原
子を含有する少なくとも一の飽和炭化水素からなる原料
流である。更に好ましくは、反応管内部の条件は少なく
とも一の飽和炭化水素(より好ましくはアルカン)を少
なくとも一の不飽和炭化水素(より好ましくはアルケ
ン)に熱分解するものである。
【0005】本発明の第二の態様によると、スズ含有液
体防汚剤組成物を金属製の壁を持つ熱分解反応管中へ注
入する方法における改良は、(1)気体流を反応管を通
して流し、同時にスズ含有液体防汚剤組成物を注入針の
ノズルを通して反応管に約1000゜F〜約1300゜
F(538℃〜704℃)、好ましくは約1200゜F
〜約1300゜F(649℃〜704℃)の温度で注入
し、そして(2)反応管内部の温度を、防汚剤組成物の
注入と反応管を通した気体流の流れを維持しながら、段
階(1)での作業温度から約1400〜1800゜F
(760〜982℃)、好ましくは約1450゜F〜約
1550゜F(788〜843℃)に上昇させることで
ある。
【0006】好ましくは、気体流は分子当たり2〜12
の炭素原子を含有する少なくとも一の飽和炭化水素から
なる原料流である。本質的に、少なくとも一の飽和炭化
水素の熱分解が段階(1)では起きず、少なくとも一の
飽和炭化水素(より好ましくはアルカン)の少なくとも
一の不飽和炭化水素(より好ましくはアルケン)への熱
分解が段階(2)で起きる。また、好ましくは、本発明
の第二の態様は、(前記の)本発明の第一の態様の防汚
剤注入法に一致して実施される。
【0007】第二の態様の他の好ましい特徴は、段階
(1)の後、段階(2)の前の以下の付加的な段階から
なる。 (1A)液体防汚剤組成物の注入と気体流の流れとを中
断し、(1B)約1000゜F〜約1300゜F(53
8℃〜704℃)の温度で少なくとも約60分(好まし
くは約1〜5時間)反応管中に(一般に約1〜5000
Lb/時(0.45〜2250kg/時)の割合で、反応管
の容積に応じて)水蒸気を導入し、(1C)水蒸気の流
れを中断し、そして(1D)液体防汚剤組成物の注入と
気体流の流れとを再開する。
【0008】本明細書において用いられている「コーク
ス」という語は、熱分解(ピロリシス)条件下で炭化水
素含有原料気体に露出されている間に金属製の壁に付着
する、いかなる純度、形態を持つ炭素のことである。
「コークス」のある部分は水蒸気が存在すると一酸化炭
素に変換される。本明細書において用いられている「金
属壁」または「金属製の壁」という語は、熱分解条件下
で炭化水素が部分的にコークスに、そして(水蒸気が存
在すると)一酸化炭素に変換される、金属材料で作られ
る壁のことである。金属材料は鉄、ニッケル、銅、クロ
ム、モリブデン、マンガンなどを含有することができ
る。そのような金属材料の例には、インコネル(Incone
l )600、インコロイ(Incoloy )800、HK−4
0ステンレス鋼、304SSステンレス鋼(これらは全
て米国特許4,404,087号明細書第5カラムに記
載されている)などの合金である。一般に、これら金属
合金中の鉄の含有量は約98重量%以下、好ましくは約
8重量%〜約95重量%Feである。本明細書において
用いられている「反応器」及び「反応管」という語は、
熱分解条件下で炭化水素に露出され、主反応室(熱分解
管)、反応室、熱交換器などへ、つながる、またはそれ
らからの導管を囲む熱分解反応システムの金属製の壁の
部分のことである。
【0009】本明細書において用いられている「熱分
解」または「ピロリシス」という語は、熱分解条件下で
気体状の飽和炭化水素(即ち直鎖アルカン類、分枝アル
カン類、及びシクロアルカン類)が、少なくとも部分的
に脱水素化されて対応するオレフィン類(特にアルケン
類とシクロアルケン類)になることを意味する。原料炭
化水素は分子当たり炭素数2から約12(好ましくは2
〜8)を含むことができ、そして、それらにはエタン、
プロパン、ブタン類、ペンタン類、ヘキサン類、ヘプタ
ン類、オクタン類、ノナン類、デカン類、シクロペンタ
ン、シクロヘキサン類、メチルシクロペンタン類、シク
ロヘプタン、ジメチルシクロペンタン類、エチルシクロ
ペンタン、メチルシクロヘキサン類、シクロオクタン
類、トリメチルシクロペンタン類、メチルエチルシクロ
ペンタン類、ジメチルシクロヘキサン類、エチルシクロ
ヘキサン、メチルシクロヘプタン、ジメチルシクロヘプ
タン類、エチルシクロヘプタン、トリメチルシクロヘプ
タン類、メチルエチルシクロヘプタン類などがある。原
料炭化水素として用いるのに好ましい炭化水素はエタ
ン、プロパン及びブタン(n−ブタン及び/もしくはイ
ソブタン)であり、それらは熱分解により相当するアル
ケン類になる(エチレン、プロピレン、1−ブテン、2
−ブテン及びイソブチレン)。一般に原料気体は水蒸気
も(希釈剤として)、好ましくは水蒸気:炭化水素モル
比(=体積比)約0.1:1〜約1.5:1、より好ま
しくは約0.25:1〜約0.75:1の割合で含んで
いる。原料気体中の炭化水素の含有量は一般に約40〜
約90体積%である。
【0010】適当な炭化水素熱分解装置及び条件ならば
いかなるものでも使用することができる。一般に熱分解
反応器は内径約1〜6インチ(2.54〜15.24c
m)で、全長約25〜500フィート(7.62〜15
2.4m )の金属製の管である。熱分解管は真っ直ぐで
も、曲がっていても、輪になっていても良い。適切な熱
分解条件は当業者に広く知られている。最適な熱分解条
件は当業者によって容易に決定され、しかも原料炭化水
素(類)、望ましいプロセス循環時間(processcycle t
ime:即ち、熱分解プロセスのサイクルが始まってから
反応器の酸化的脱カーボンのために中断するまでの時
間)、原料炭化水素(類)の流速(反応器中の滞留時
間)、反応器と導管及び熱交換器の容積、及び望ましい
生成物などに応じて変わる。水蒸気存在下の軽炭化水素
(エタン、プロパン、n−ブタン、イソブタンなど)の
好ましい熱分解では、一般に分解反応器中の温度は約1
350℃〜約1800℃であり、(反応器出口の)圧は
一般に約2〜40psig(13790〜275800Pa)
であり、炭化水素/水蒸気原料の分解反応器での滞留時
間は一般に約0.1〜1.5秒である。一般に、分解反
応器に導入する前に炭化水素/水蒸気原料は予熱されて
おり(好ましくは約1000〜1200゜F(538〜
649℃))、それは外部の炉(複数でも良い)によっ
て分解温度まで加熱されている。
【0011】本発明の方法では適当であればいかなるス
ズ化合物でも防汚剤として用いることができる。無機ス
ズ化合物及び有機スズ化合物、そしていかなる二種また
はそれ以上のスズ化合物の混合物はスズソース(源)と
して適している。本明細書において用いられている「防
汚剤」という語は、防汚性物質が(金属壁に付着する)
コークスの形成、(おそらく水蒸気と生成したコークス
との反応:H2O + C =CO + H2 により生成する)一酸化
炭素の生成、または炭化水素(類)原料の熱分解中のコ
ークスと一酸化炭素との両方の形成を低減させるのに効
果がある、ものを意味する。
【0012】使用される無機スズ化合物の例には、酸化
スズ(II)、酸化スズ(IV)のような酸化スズ;硫化ス
ズ(II)、硫化スズ(IV)のような硫化スズ;硫酸スズ
(II)、硫酸スズ(IV)のような硫酸スズ;メタスズ
酸、チオスズ酸のようなスズ酸;弗化スズ(II)、塩化
スズ(II)、臭化スズ(II)、ヨウ化スズ(II)、弗化
スズ(IV)、塩化スズ(IV)、臭化スズ(IV)、ヨウ化
スズ(IV)のようなハロゲン化スズ;燐酸スズ(II)、
燐酸スズ(IV)のような燐酸スズ;スズ酸塩化物(I
I)、スズ酸塩化物(IV)のようなスズ酸塩化物などが
ある。特に水(または他の適切な液体)のコロイド懸濁
液の形態の二酸化スズが、特に適した無機スズ防汚剤で
ある。
【0013】使用される有機スズ化合物の例には、蟻酸
スズ、酢酸スズ、酪酸スズ、オクタン酸スズ(特に2−
エチルヘキサン酸スズ)、デカン酸スズ、安息香酸ス
ズ、シクロヘキサン酸スズのようなカルボン酸スズ;チ
オ酢酸スズ、ジチオ酢酸スズのようなチオカルボン酸ス
ズ;ビス(イソオクチルメルカプト酢酸)ジブチルス
ズ、ビス(ブチルメルカプト酢酸)ジプロピルスズのよ
うなビス(ヒドロカービルメルカプトアルキル酸)ジヒ
ドロカービルスズ;スズ−O−エチルジチオカーボネー
トのようなスズチオカーボネート;スズプロピルカーボ
ネートのようなスズカーボネート;テトラプロピルス
ズ、テトラブチルスズ、テトラヘキシルスズ、テトラオ
クチルスズ、テトラドデシルスズ及びテトラフェニルス
ズのようなテトラヒドロカービルスズ;ジプロピルスズ
オキシド、ジブチルスズオキシド、ブチルスズ酸、ジオ
クチルスズオキシド及びジフェニルスズオキシドのよう
なジヒドロカービルスズオキシド;ビス(ドデシルメル
カプチド)スズのようなビス(ヒドロカービルメルカプ
チド);スズフェノキシド及びスズチオフェノキシドの
ような石炭酸またはチオ石炭酸のスズ塩;スズジエチル
カーバメートのようなスズカーバメート;スズプロピル
チオカーバメート及びスズジエチルジチオカーバメート
のようなスズチオカーバメート;亜リン酸ジフェニルス
ズのような亜リン酸スズ;ジプロピル燐酸スズのような
燐酸スズ;スズ−O,O−ジプロピルチオフォスファー
ト、スズ−O,O−ジプロピルジチオフォスファートの
ようなスズチオフォスファート;ジブチルスズビス
(O,O−ジプロピルジチオフォスファート)のような
ジヒドロカービルスズビス(O,O−ジヒドロカービル
チオフォスファート)などがある。(熱により二酸化ス
ズに転化される)有機スズ化合物が本発明の好ましい防
汚剤である。本発明において最も好ましいものはテトラ
−n−ブチルスズである。
【0014】一般にスズ含有防汚剤は適当な溶媒に溶解
(またはコロイド懸濁)している。適当であれば防汚剤
溶液(コロイド溶液/懸濁液でも良い)を調整するのに
いかなる溶媒でも用いることができる。適当な溶媒は水
(特に無機スズ化合物用);アルコール類、ケトン類及
びエステル類のような酸素含有有機溶剤;及び(特に有
機スズ化合物用として)液体の脂肪族、脂環式または芳
香族炭化水素またはそれらの混合物であり、好ましくは
ヘプタンである。「コロイド懸濁液」及び「コロイド溶
液」という語は同義語であり、本明細書中において交換
して用いることができる。本明細書中で用いられている
これらの語は、約10〜約2000オングストローム
(即ち、約1〜200×10-9m )の粒径の粒子(特に
SnO2 )のの懸濁液のことをいう。
【0015】適当であれば、防汚剤溶液(またはコロイ
ド懸濁液)中のスズ化合物(類)はいかなる濃度でも本
発明に使用できる。一般に、スズ化合物(類)の濃度は
少なくとも約0.01mol/L であるが、約1.5mol/L
(またはそれ以上、特定のスズ化合物の特定の溶媒への
溶解度、および冶金学的及び経済的考慮により限られ
る)ということはないであろう。本発明における溶液
(またはコロイド懸濁液)中のスズ化合物(類)の好ま
しい濃度は約0.02mol/L 〜約1.0mol/L である。
【0016】本発明の方法において防汚剤として少なく
とも一の溶解スズ化合物のみの使用が好ましいとして
も、溶解スズ化合物(類)と、防汚剤として効果的なア
ンチモン、ゲルマニウム、クロム、アルミニウム、リ
ン、銅、ガリウム、インジウム、ケイ素及びチタンのよ
うな他の化合物の少なくとも一との溶解混合物を用いる
ことは本発明の範囲の内に含まれる。そして、上記の化
合物は前に引用した米国特許に開示されている。(少な
くとも一のスズ化合物に加えて使用できる)これら追加
の防汚剤化合物類の中では、ケイ素、アルミニウム及び
チタンの化合物類が本発明において好ましい(なぜなら
それらが最も環境に優しいからである)。
【0017】本発明において特に好ましい追加の防汚剤
化合物には、一般に水性コロイド懸濁液中で二酸化スズ
と組み合わせて使用されるAl,Si及びTiの酸化
物;有機溶媒中に溶解して有機スズ化合物(類)と組み
合わせて使用される(アルミニウムイソプロポキシドや
チタン−n−ブトキシドのような)Al及びTiのアル
コラートや(テトラエチルオルトシリケートのような)
オルトシリケートがある。防汚剤溶液やコロイド懸濁液
中の各追加の防汚剤化合物の濃度は、一般に少なくとも
約0.04mol/L 、好ましくは約0.3〜0.6mol/L
である。少なくとも一のスズ化合物と少なくとも一の他
の防汚剤化合物とを組み合わせて使用するときには、そ
の組み合わせたものにおける各防汚剤の重量百分率は適
したものならばいかなるものでも使用できる。一般にこ
の様な防汚剤の組み合わせは少なくとも約30mol %の
スズ化合物(類)を含有している。好ましくは、この防
汚剤は(溶媒を除いた)防汚剤の重量をもとにして、約
30〜100重量%のスズ化合物(類)と約0〜70重
量%の追加の防汚剤化合物(類)を含有する。
【0018】防汚剤溶液または(好ましくはヘプタン中
のテトラブチルスズ0.04〜1.0モル溶液の)コロ
イド懸濁液、及び水蒸気で希釈された炭化水素原料気体
中への防汚剤の注入量は、一般に水蒸気で希釈された炭
化水素原料気体中のスズの濃度が少なくとも約0.5pp
mvスズ(即ち、原料気体体積百万部に対し少なくとも約
0.5Sn重量部)となるように選ばれる。好ましく
は、原料気体中のスズの濃度は約1〜約200ppmvスズ
である。より好ましくは、原料気体中のスズの濃度は約
5〜100ppmvスズである。追加の防汚剤化合物が気体
原料中に注入されるときには、防汚剤の濃度と注入速度
とは一般に、気体原料中の各追加の防汚剤要素(好まし
くはSi、Al、Tiまたはそれらの混合物)が少なく
とも約0.2ppm 、好ましくは約1〜100ppm の濃度
となるように選ばれる。
【0019】
【実施例】
例1 スズ含有防汚剤溶液またはコロイド懸濁液をノズルを通
して管状熱分解反応器に注入する好ましい態様を図1に
示す。予熱された炭化水素/水蒸気原料気体流2を熱分
解管4(内径:約4インチ:101.6mm)に導入す
る。追加の希釈用水蒸気を導管6を通して加える。防汚
剤溶液8をオープンバルブ10、フィルター12、導管
13、管接続部14、ブロックバルブ(ボールバルブ)
15、チェックバルブ16、可動注入針17(内径約
0.18インチ:4.572mm)及び注入ノズル18
(開口部半径約0.025インチ:0.635mm)へポ
ンプで送り、水蒸気で希釈された炭化水素気体流へ入れ
る。形成された霧状の防汚剤噴霧20は、分解管中の炭
化水素/水蒸気気体流と同じ流れの向きである。針状ノ
ズル18は反応管の直径の約1〜3倍の長さで反応管中
へ延長される。
【0020】もし、防汚剤の注入を止めようとするとき
には、ノズルが詰まらないように、先に閉じているバル
ブ22を開け、バルブ10を閉じて、(N2 やHeのよ
うな)不活性パージガス24をフィルター26、バルブ
22、フィルター12、導管13、管接続部14、バル
ブ15及び16、注入針17、及び注入ノズル18へポ
ンプで送り分解管中に入れる。全ての予防努力にもかか
わらず、注入ノズルが詰まったら、防汚剤液体及び/ま
たは不活性パージガスの流れが止められた後に、注入針
17を管28の中に引き込めることができる。針がゲー
トバルブ30を越して引き込められたときに、このバル
ブを速やかに閉じる。バルブ15及び16が閉じられた
後、針を管28から引き込み、管接続部14で導管13
との接続をはずす。清浄な注入針を14で接続し、バル
ブ30を開けた後、管28の中を移動させ反応管4へ入
れる。他の適切なバルブを開けた後、防汚剤(またはパ
ージガス)を再びポンプで注入針に通して反応器へ入れ
ることができる。ポンプ、測定及び制御装置など慣用の
装置は図1で示していない。
【0021】上記の注入針をより詳細に図2に示す。注
入ノズル102は、ステンレス鋼でできた内径1/4イ
ンチ(6.35mm)の注入管104の端に位置してい
る。ノズル102を持つ管104は内径約1インチ(2
5.4mm)、長さ約2〜3インチ(50.8〜76.2
mm)のスチール製の管106を通して望ましい位置に導
かれる。(104の周りの)グラファイトパッキング1
08は、反応管へ防汚剤を注入している間の反応気体の
いかなる後流(漏出)を防ぐ。図2に示す他の注入シス
テムの機械部品は:1インチ(25.4mm)フルポート
ゲートバルブ110、環112、径違い継ぎ手114、
1/2インチ(12.7mm)ユニオン116、環11
8、径違い軸受け筒120、1/4インチ(6.35m
m)ナット122、チェックバルブ124、ブロックバ
ルブ(ボールバルブ)126、及び管接続部128であ
る。注入ノズルが詰まり、(掃除するため、または交換
するために)注入針を引き込めるときには、液体防汚剤
(または不活性ガス)の流れを(上記のように)止め、
管接続部128を遮断し、径違い軸受け筒120とナッ
ト122を緩め、注入ノズル102を持つ注入管104
をゲートバルブ110を通して引き戻し、ゲートバルブ
110を閉じ、ユニオン116を径違い継ぎ手114か
ら外すと、管104は径違い継ぎ手114で外れる。ノ
ズル102と外した管104を完全に引き抜き、掃除ま
たは新しいノズルに交換し再び管106に挿入し、オー
プンゲートバルブ110を通して反応器に押し込む。バ
ルブ接続部128に付いている径違い軸受け筒120と
ナット122を締め、防汚剤の注入を再開する。
【0022】好ましい商業的操業では、液体防汚剤組成
物は0.04モルのテトラブチルスズのヘプタン溶液で
ある;原料炭化水素は本質的に、希釈剤として水蒸気を
含むエタンである;(防汚剤が噴霧される)原料気体の
水蒸気:エタンのモル比は約0.45:1〜約0.5
5:1である;原料気体の流量は約6,500〜7,5
00Lb/時(2,948〜3,402kg/時)である;
分解管中の炭化水素/水蒸気混合物の滞留時間は約0.
1〜0.8秒(本発明では好ましくは:0.6〜0.8
秒)である;分解管の長さは約340〜360フィート
(104〜110m )である。分解管中の温度プロファ
イルは以下の通りである:前(入口)部で約1250゜
F(677℃)、中間部で約1450゜F(788℃)
及び後(出口)部で1550゜F(843℃)。好まし
くはノズル18の穴の直径は、18での霧状防汚剤噴霧
の出口速度約100〜200ft/秒(30.5〜61m
/秒)を与えるように約0.025インチ(0.635
mm)である。
【0023】多くの商業的分解管における原料ガスの滞
留時間が現在約0.6〜0.8秒であるにもかかわら
ず、(本明細書には記載されていない)実験室的予備試
験の結果によると、(熱分解中のCOの形成の軽減に関
する)スズ含有防汚剤の有為な効果は、より短い原料滞
留時間(約0.1秒)でさえ特に優れたものであること
が示された。
【0024】例2 本例はスズ防汚剤溶液の注入が完了した後、原料炭化水
素の熱分解が起きる前の、炭化水素熱分解管の内部金属
壁の水蒸気処理の効果について詳説する。
【0025】内径0.18インチ(4.572mm)長さ
2フィート(0.61m )のインコロイ800(Incolo
y 800)ステンレス鋼製の分解管のパイロットプラ
ントを約1125゜F(607℃)に加熱した。0.0
4モルのテトラ−n−ブチルスズのヘプタン溶液を約
1.7時間、約100cc/時の量で分解管に内径0.0
25インチ(0.635mm)のノズルを通して注入し
た。防汚剤の全用量は熱分解管内部表面積ft2 ・時間当
たり約3.8ミリモルのテトラブチルスズであった。
【0026】一の試験では、温度を約1250゜F(6
77℃)に上昇させ、2時間約4.5Lb/時(2.04
kg/時)の量で防汚剤被覆分解管に水蒸気を導入した。
水蒸気のみ導入を止め、水蒸気/エタン原料気体(水蒸
気/エタンのモル比:約0.5:1;1000゜F(5
38℃)に予熱)を約2時間、1000cc/分(標準温
度/圧力で測定)の原料の量で、1680゜F(916
℃)の温度で防汚剤水蒸気処理された分解管に導入し
た。熱分解生成物気体を冷却し、ガスクロマトグラフィ
ー法により分析した。この試験中に発生した一酸化炭素
の量は、管の内部表面m2当たり1.5モル/時COであ
った。
【0027】別の試験では、上記の水蒸気処理を施さな
かったが、他の全ての操作段階/条件は本質的に上記の
試験と同じであった。結果:発生した一酸化炭素の量
は、管の内部表面m2当たり7.1モル/時COであっ
た。
【0028】上記の比較試験結果は、(a)(溶解した
テトラブチルスズを用いる)防汚剤処理はCOの発生を
低減させるのに優れた効果があり、(b)防汚剤処理後
炭化水素の熱分解前の水蒸気処理は、(一酸化炭素の形
成の低減に関し)防汚剤の効果を増進することを明確に
示す。
【0029】例3 本例では(水蒸気:エタンモル比0.5:1の)水蒸気
/エタン原料気体を分解管に導入する前に、約1000
〜1300゜F(538〜704℃)の比較的低温での
スズ含有防汚剤溶液を注入し、操作温度を約1450〜
1550゜F(788〜843℃)に上げるときの有為
な効果を詳説する。全ての試験を本質的に例2で述べた
ものと同じ分解管のパイロットプラント中で行った。
【0030】一の試験操業では、0.04モルのテトラ
ブチルスズのヘキサン溶液を約1500゜F(816
℃)、約150分、原料気体中のスズ濃度が42ppmvS
nとなる量でエタンの熱分解管に注入した。このプラン
ト試験における発生したCOの量は管の内部表面m2当た
り4.7モル/時COであった。
【0031】別の試験では、このテトラブチルスズ溶液
を始めの温度1250゜F(677℃)で、熱分解管を
流れるエタン/水蒸気原料気体流に注入した。そして、
約150分以上かけて温度を約1500゜F(816
℃)に徐々に上げた。防汚剤の供給量は操作中の原料気
体中のSnのレベルが約50ppmvSnとなる量であっ
た。このプラント試験でのCOの発生量は管の内部表面
m2当たりたった0.8モル/時COであり、従ってこの
温度「勾配」法の有為な効果が示される。
【0032】(本明細書には記載されていない)実験室
的予備試験によると、温度を約1500゜F(816
℃)(またはそれ以上)である熱分解に効果のある温度
に上げる前に、防汚剤溶液をより一層低い温度(殆ど有
意な分解が起きない温度1050゜F(566℃))で
注入すると、CO発生の一層の削減が達成された。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱分解反応管を流れる炭化水素/水蒸気気体混
合物中にスズ含有防汚剤溶液を注入する好ましい態様
【図2】炭化水素/水蒸気気体混合物の流れのなかで注
入針を引き込むための好ましい態様
【符号の説明】
D 直径 2 炭化水素/水蒸気原料気体流 4 熱分解管 6 水蒸気添加管 8 防汚剤溶液 10 オープンバルブ 12 フィルター 13 導管 14 管接続部 15 ブロックバルブ(ボールバルブ) 16 チェックバルブ 17 注入針 18 注入ノズル 20 防汚剤噴霧 22 バルブ 24 パージガス 26 フィルター 28 管 30 ゲートバルブ 102 注入ノズル 104 注入管 106 管 108 グラファイトパッキング 110 フルポートゲートバルブ 112 環 114 径違い継ぎ手 116 ユニオン 118 環 120 径違い軸受け筒 122 ナット 124 チェックバルブ 126 ブロックバルブ(ボールバルブ) 128 バルブ接続部
フロントページの続き (72)発明者 ラリー エルバート リード アメリカ合衆国オクラホマ州バートルスビ ル,エスイー イースト ドライブ 1732

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 防汚剤組成物を反応管を通して気体流の
    流れと共に導入し、しかも防汚剤組成物を、気体流の流
    れに対し実質的に平行に位置する、少なくとも反応管の
    直径に等しい距離だけその反応管の中心部に延びている
    管状注入針の末端に位置するノズルを通して反応管に注
    入する、ことからなるスズ含有液体防汚剤組成物を金属
    壁の熱分解反応管に注入する炭化水素の熱分解方法。
  2. 【請求項2】 距離が反応管の直径の約1〜3倍である
    請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 気体流が分子当たりの炭素原子数2〜1
    2である飽和炭化水素の少なくとも一を含む請求項1ま
    たは2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 気体流が更に水蒸気を含む請求項3に記
    載の方法。
  5. 【請求項5】 反応管内部の条件が少なくとも一の飽和
    炭化水素を少なくとも一の不飽和炭化水素に熱分解する
    ものである請求項3または4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 少なくとも一の飽和炭化水素がエタン、
    プロパン、n−ブタンまたはイソブタンであり、そして
    少なくとも一の不飽和炭化水素がエチレン、プロピレ
    ン、1−ブテン、2−ブテンまたはイソブチレンである
    請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 少なくとも一の飽和炭化水素がエタン
    で、少なくとも一の不飽和炭化水素がエチレンで、防汚
    剤組成物がテトラ−n−ブチルスズ溶液である請求項6
    に記載の方法。
  8. 【請求項8】 (1)気体流を反応管を通して流し、同
    時に防汚剤組成物を管状注入針の末端に位置するノズル
    を通して反応管に約1000゜F〜約1300゜F、即
    ち約538℃〜約704℃の温度で注入し、そして (2)反応管内部の温度を、ノズルを通した防汚剤組成
    物の注入と反応管を通した気体流の流れを維持しなが
    ら、段階(1)での作業温度から約1400〜1800
    ゜F、即ち約760〜約982℃に上昇させる、ことか
    らなる前記請求項の何れか一つに記載の方法。
  9. 【請求項9】 段階(1)における温度が約1200〜
    1300゜F、即ち約649〜約704℃、段階(2)
    における温度が約1450〜1550゜F、即ち約78
    8〜約843℃である請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 本質的に少なくとも一の飽和炭化水素
    の熱分解が段階(1)では起きず、少なくとも一の飽和
    炭化水素の少なくとも一の不飽和炭化水素への熱分解が
    段階(2)で起きる請求項8に記載の方法。
  11. 【請求項11】 段階(1)及び(2)において水蒸気
    が存在する請求項8〜10の何れか一つに記載の方法。
  12. 【請求項12】 水蒸気が段階(1B)において1〜5
    時間、約1〜5000Lb/時、即ち約0.45〜225
    0kg/時の割合で流れる請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】 気体流の流れを維持しながら防汚剤組
    成物の注入を中断し;ゲートバルブを通して注入針を引
    き込み;ゲートバルブを閉じ;注入針を清掃するか、ま
    たはこの注入針を別のものに取り替え;開いたゲートバ
    ルブを通して清掃された、若しくは取り替えられた注入
    針を再挿入し;防汚剤を反応管に再注入することを更に
    含む請求項8〜12の何れか一つに記載の方法。
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