JPH06260876A - 弾性表面波フィルタ - Google Patents

弾性表面波フィルタ

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JPH06260876A
JPH06260876A JP4805593A JP4805593A JPH06260876A JP H06260876 A JPH06260876 A JP H06260876A JP 4805593 A JP4805593 A JP 4805593A JP 4805593 A JP4805593 A JP 4805593A JP H06260876 A JPH06260876 A JP H06260876A
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acoustic wave
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勉 永塚
Shiyuuzou Wakou
修三 和高
Koichiro Misu
幸一郎 三須
Tomonori Kimura
友則 木村
Koji Murai
康治 村井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 挿入損失が小さく帯域外減衰量が大きい弾性
表面波フィルタを得る。 【構成】 弾性表面波共振器を複数個電気的に接続する
とともに、上記弾性表面波共振器として1端子対共振器
と2端子対共振器を共に用いた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、移動体通信装置の高
周波回路などに用いられる弾性表面波フィルタに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】図18は、例えば文献「電子情報通信学
会技術研究報告(超音波)」、US92−52、pp.
9−16に示された、従来のこの種の弾性表面波フィル
タの構成を示したものである。図18において、4a、
4bは1端子対弾性表面波共振器、6は入力端子、7は
出力端子である。図において、直列腕に挿入した1端子
対弾性表面波共振器4aと並列腕に挿入した1端子対弾
性表面波共振器4bを、入力端子6と出力端子7の間
に、複数個梯子型に接続している。図18における1端
子対弾性表面波共振器4a、4bの一般的な構成を図1
9に示す。図19において、1は圧電体基板、2はすだ
れ状電極、3は反射器である。圧電体基板1上にすだれ
状電極2と2つの反射器3を配置して1端子対弾性表面
波共振器4を構成している。
【0003】次に、動作について説明する。図19の端
子間に電気信号を印加すると、すだれ状電極2から弾性
表面波が励振される。すだれ状電極2の両側に設けられ
た反射器3は、弾性表面波を反射する。このため、励振
された弾性表面波は、両側の反射器3の間で多重反射を
起こし、共振が生じる。
【0004】図20は、図19に示した1端子対弾性表
面波共振器4のインピーダンス特性を示したものであ
る。図中、縦軸はインピーダンスの虚数部を示してい
る。インピーダンスは共振周波数frで零となり、反共
振周波数faで無限大となる。また、共振周波数frと
反共振周波数faとの間ではインピーダンスは誘導性と
なり、それ以外の周波数ではインピーダンスは容量性と
なる。
【0005】図18では、直列腕の1端子対弾性表面波
共振器4aの共振周波数frと並列腕の1端子対弾性表
面波共振器4bの反共振周波数faとを一致させてい
る。この周波数をf0とすれば、周波数f0付近では、
直列腕の1端子対弾性表面波共振器4aのインピーダン
スは小さく、並列腕の1端子対弾性表面波共振器4bの
インピーダンスは大きいため、入力端子6へ入力した電
気信号は、ほとんど減衰せずに出力端子7から出力し、
通過電力が大きくなる。逆に、f0から離れた周波数で
は、直列腕の1端子対弾性表面波共振器4aのインピー
ダンスが大きく、並列腕の1端子対弾性表面波共振器4
bのインピーダンスは小さくなっていくため、入力端子
6へ入力した電気信号は、ほとんど出力端子7から出力
されず、通過電力が小さくなる。したがって、f0近傍
を通過帯域とし、それ以外の周波数を減衰帯域とするパ
ンドパスフィルタとして動作する。
【0006】図21に、図18に示した弾性表面波フィ
ルタの通過特性を示す。直列腕の1端子対弾性表面波共
振器4aの反共振周波数と並列腕の1端子対弾性表面波
共振器4bの共振周波数に対応して、それぞれ通過帯域
の高域側と低域側に減衰極が生じる。しかしながら、減
衰極より離れた周波数では、再び通過電力が大きくな
る。これは、直列腕の1端子対弾性表面波共振器4aと
並列腕の1端子対弾性表面波共振器4bがともに容量性
のインピーダンスとなり、入力端子6へ入力した電気信
号の一部が、出力端子7に出力してしまうためである。
このため、通過帯域から離れた周波数において、十分な
帯域外減衰量を得にくい欠点がある。
【0007】また、実際には、反射器3はどんな周波数
の弾性表面波も反射するわけではなく、反射が生じる周
波数帯域は限られている。図22は、反射器3の反射効
率の周波数特性を示したものである。ストップバンドと
呼ばれる帯域では、反射器3に入射した弾性表面波はほ
とんど完全に反射するが、それ以外の帯域では反射効率
が著しく低下する。反射器3のストップバンドの幅は、
反射器3を形成している金属膜の厚さなどによって変え
ることができ、一般には金属膜を厚くするほど大きくで
きる。しかし、金属膜を厚くするほどバルク変換損など
が増え、反射効率が全体に低下してしまう。このため、
反射器3のストップバンドの幅には限界がある。
【0008】反射器3の反射効率が小さいと弾性表面波
が反射されず、1端子対弾性表面波共振器4に入力した
電力に損失が生じる。したがって、弾性表面波フィルタ
を構成した際、通過帯域の損失が大きくなってしまう。
しかも、直列腕の1端子対弾性表面波共振器4aの反射
器3のストップバンドと、並列腕の1端子対弾性表面波
共振器4bの反射器3のストップバンドとは、一般に帯
域がずれているので、両者が重なる周波数範囲以外では
電力の損失が生じ、フィルタの損失が大きくなる。この
ため、直列腕と並列腕の反射器3のストップバンドが重
なっている幅によって、弾性表面波フィルタの通過帯域
幅が制限されてしまう。
【0009】さらに、図18において、1端子対弾性表
面波共振器4a、4bの間の接続は、実際には、金属の
ワイヤで結線されたり、圧電体基板1上に金属膜からな
る線路を形成して接続されたりする。このため、入力端
子6と出力端子7の間で、ワイヤや線路の長さが長くな
ると、これらの抵抗成分が増加し弾性表面波フィルタの
損失が全体的に大きくなってしまう。
【0010】次に、従来の弾性表面波フィルタの他の構
成について述べる。図23は、例えば文献「1990年
電子情報通信学会秋季全国大会」、SA−10−3に示
された、従来のこの種の弾性表面波フィルタの他の構成
を示したものである。図23において、1は圧電体基
板、2はすだれ状電極、3は反射器、5は2端子対弾性
表面波共振器、6は入力端子、7は出力端子である。図
23において、圧電体基板1上に2つのすだれ状電極2
と、その両側に反射器3を配置することにより、2端子
対弾性表面波共振器5を構成している。また、2端子対
弾性表面波共振器5の2つのすだれ状電極2のうち一方
を入力端子6に、他方を出力端子7に接続している。
【0011】次に、動作について説明する。入力端子6
に電気信号を入力すると、一方のすだれ状電極2から弾
性表面波が励振される。弾性表面波は反射器3で反射さ
れるため、2つの反射器3の間で多重反射し、特定の周
波数において共振する。共振した弾性表面波の一部は他
方のすだれ状電極2で再び電気信号に変換され出力端子
7から出力する。図24は、図23に示した2端子対弾
性表面波共振器5の共振周波数における振幅分布を示し
たものである。図中に実線で示す対称モードと、破線で
示す反対称モードとが生じ、これら2つモードの共振周
波数は若干異なっている。この共振周波数の差を所要の
値にすれば、バンドパス特性を有する2重モードフィル
タが得られる。
【0012】図25に、図23に示した弾性表面波フィ
ルタの通過特性を示す。通過帯域から離れた周波数で
は、すだれ状電極2から弾性表面波があまり励振されな
いため、図21に比べて大きい減衰量が得られる。しか
し、通過帯域の近傍で、通過帯域よりやや高域側に減衰
量が小さい部分が生じている。これは、通過帯域よりや
や高い周波数でも、すだれ状電極2中での弾性表面波の
多重反射が生じてしまい、この共振がスプリアスとなる
ためである。スプリアスのレベルを低減するため、2端
子対弾性表面波共振器5を多数縦続接続して段数を増や
す事が考えられるが、同時に通過帯域の挿入損失も増加
してしまう。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
弾性表面波フィルタでは、1端子対弾性表面波共振器4
のみを用いて構成していたり、2端子対弾性表面波共振
器5のみを用いて構成しているため、通過帯域から離れ
た周波数や通過帯域の近傍において、帯域外減衰量が小
さくなる問題がある。さらに、帯域外減衰量を大きくす
るために段数を増やすと、挿入損失が大きくなるなどの
欠点が生じる。さらに、1端子対弾性表面波共振器4を
梯子形に接続して構成した場合では、反射器3のストッ
プバンドの制限により、挿入損失が大きくなったり、通
過帯域幅が狭くなるなどの欠点が生じる。この発明は、
上述した問題点を解決するためになされたもので、損失
が小さく帯域外減衰量が大きい弾性表面波フィルタを得
ることを目的とする。また、損失が小さく通過帯域幅の
広い弾性表面波フィルタを得ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る弾
性表面波フィルタは、弾性表面波共振器を複数個電気的
に接続し、上記弾性表面波共振器に1端子対弾性表面波
共振器と2端子対弾性表面波共振器を共に用いたことを
特徴とするものである。
【0015】請求項2の発明に係る弾性表面波フィルタ
は、弾性表面波共振器を複数個電気的に接続し、上記弾
性表面波共振器に1端子対弾性表面波共振器と2端子対
弾性表面波共振器を共に用い、かつ、上記1端子対弾性
表面波共振器と上記2端子対弾性表面波共振器とを、入
力端子と出力端子に対して対称に接続したことを特徴と
するものである。
【0016】請求項3の発明に係る弾性表面波フィルタ
は、弾性表面波共振器を複数個電気的に接続し、上記弾
性表面波共振器に1端子対弾性表面波共振器と2端子対
弾性表面波共振器を共に用い、かつ上記2端子対弾性表
面波共振器は3個以上のすだれ状電極を有することを特
徴とするものである。
【0017】請求項4の発明に係る弾性表面波フィルタ
は、1端子対弾性表面波共振器と、弾性表面波を励振す
るすだれ状電極とを梯子形に接続したことを特徴とする
ものである。
【0018】請求項5の発明に係る弾性表面波フィルタ
は、1端子対弾性表面波共振器と、弾性表面波を励振す
るすだれ状電極とを梯子形に接続し、上記すだれ状電極
の一部をキャパシタに置き換えたことを特徴とするもの
である。
【0019】請求項6の発明に係る弾性表面波フィルタ
は、直列腕の構成要素および並列腕の構成要素として1
端子対弾性表面波共振器を用い、上記直列腕の1端子対
弾性表面波共振器と上記並列腕の1端子対弾性表面波共
振器とを梯子形に接続し、上記1端子対弾性表面波共振
器のうち少なくとも1つは、すだれ状電極と反射器とを
有し、かつ、上記すだれ状電極の電極指配列周期と上記
反射器の格子配列周期が異なることを特徴とするもので
ある。
【0020】請求項7の発明に係る弾性表面波フィルタ
は、直列腕の構成要素および並列腕の構成要素として、
すだれ状電極と反射器とを有する1端子対弾性表面波共
振器を用い、上記直列腕の1端子対弾性表面波共振器と
上記並列腕の1端子対弾性表面波共振器とを梯子形に接
続し、上記直列腕の1端子対弾性表面波共振器の、上記
直列腕のすだれ状電極の電極指配列周期および上記反射
器の格子配列周期をそれぞれLis、Lrsとし、上記
並列腕の1端子対弾性表面波共振器の、上記すだれ状電
極の電極指配列周期および上記反射器の格子配列周期を
それぞれLip、Lrpとしたとき、Lis/Lrs
< Lip/Lrpとしたことを特徴とするものであ
る。
【0021】請求項8の発明に係る弾性表面波フィルタ
は、直列腕の構成要素および並列腕の構成要素として1
端子対弾性表面波共振器を用い、上記直列腕の1端子対
弾性表面波共振器と上記並列腕の1端子対弾性表面波共
振器とを梯子形に接続し、上記直列腕の1端子対弾性表
面波共振器のうち少なくとも1つは、他の上記直列腕の
1端子対弾性表面波共振器と、共振周波数が異なること
を特徴とするものである。
【0022】請求項9の発明に係る弾性表面波フィルタ
は、直列腕の構成要素および並列腕の構成要素として1
端子対弾性表面波共振器を用い、上記直列腕の1端子対
弾性表面波共振器と上記並列腕の1端子対弾性表面波共
振器とを梯子形に接続し、上記並列腕の1端子対弾性表
面波共振器のうち少なくとも1つは、他の上記並列腕の
1端子対弾性表面波共振器と、反共振周波数が異なるこ
とを特徴とするものである。
【0023】請求項10の発明に係る弾性表面波フィル
タは、直列腕の構成要素および並列腕の構成要素として
1端子対弾性表面波共振器を用い、上記直列腕の1端子
対弾性表面波共振器と上記並列腕の1端子対弾性表面波
共振器とを梯子形に接続し、上記直列腕の1端子対弾性
表面波共振器を複数個有し、上記複数個の直列腕の1端
子対弾性表面波共振器のうち少なくとも2つを隣接して
配置したことを特徴とするものである。
【0024】請求項11の発明に係る弾性表面波フィル
タは、直列腕の構成要素および並列腕の構成要素として
1端子対弾性表面波共振器を用い、上記直列腕の1端子
対弾性表面波共振器と上記並列腕の1端子対弾性表面波
共振器とを梯子形に接続し、かつ、インダクタを接続し
たことを特徴とするものである。
【0025】
【作用】請求項1の発明によれば、1端子対弾性表面波
共振器と2端子対弾性表面波共振器を共に用いて弾性表
面波フィルタを構成したので、2端子対弾性表面波共振
器のスプリアスを1端子対弾性表面波共振器の減衰極で
打ち消すことができ、低損失で帯域外減衰量の大きい弾
性表面波フィルタが得られる。
【0026】請求項2の発明によれば、1端子対弾性表
面波共振器と上記2端子対弾性表面波共振器とを、入力
端子と出力端子に対して対称に接続したので、入力端子
と出力端子のインピーダンスを等しくすることができ、
外部回路との整合がとりやすく、低損失な弾性表面波フ
ィルタが得られる。
【0027】請求項3の発明によれば、3個以上のすだ
れ状電極を有する2端子対弾性表面波共振器を用いたの
で、通過帯域の広い弾性表面波フィルタが得られる。
【0028】請求項4および請求項5の発明によれば、
1端子対弾性表面波共振器と、弾性表面波を励振するす
だれ状電極とを梯子形に接続したので、帯域外の特定の
周波数で入力信号を弾性表面波に変換でき、この周波数
で帯域外減衰量の大きい弾性表面波フィルタが得られ
る。
【0029】請求項6の発明によれば、1端子対弾性表
面波共振器を梯子形に接続した弾性表面波フィルタの、
上記1端子対弾性表面波共振器のすだれ状電極の電極指
配列周期と反射器の格子配列周期を異ならせたので、反
射器のストップバンドを有効に利用でき、挿入損失が小
さく通過帯域の広い弾性表面波フィルタが得られる。
【0030】請求項7の発明によれば、直列腕と並列腕
の1端子対弾性表面波共振器にそれぞれの、すだれ状電
極の電極指配列周期と反射器の格子配列周期を所定の関
係が満たされるようにしたので、反射器のストップバン
ドをさらに有効に利用でき、通過帯域のさらに広い弾性
表面波フィルタが得られる。
【0031】請求項8の発明によれば、直列腕の1端子
対弾性表面波共振器のうち少なくとも1の共振周波数を
他と異ならせたので、所要の帯域内通過特性を有する弾
性表面波フィルタが得られる。
【0032】請求項9の発明によれば、並列腕の1端子
対弾性表面波共振器のうち少なくとも1つの反共振周波
数を他と異ならせたので、所要の帯域内通過特性を有す
る弾性表面波フィルタが得られる。
【0033】請求項10の発明によれば、複数個の直列
腕の1端子対弾性表面波共振器を隣接して配置したの
で、入出力端子間の線路等を短くでき、挿入損失の小さ
い弾性表面波フィルタが得られる。
【0034】請求項11の発明によれば、1端子対弾性
表面波共振器を梯子形に接続し、さらに、インダクタを
接続したので、通過帯域幅が広く、帯域外減衰量の大き
い弾性表面波フィルタが得られる。
【0035】
【実施例】実施例1 この発明の一実施例の構成を図1を参照しながら説明す
る。図1は、この発明の実施例1を示す構成図である。
図1において、1は圧電体基板、2はすだれ状電極、3
は反射器、4は1端子対弾性表面波共振器、5は2端子
対弾性表面波共振器、6は入力端子、7は出力端子であ
る。図において、圧電体基板1上に、1つのすだれ状電
極2からなる1端子対弾性表面共振器4と、2つのすだ
れ状電極2からなる2端子対弾性表面波共振器5とを配
置し、上記1端子対弾性表面波共振器4と、上記2端子
対弾性表面波共振器5とを電気的に接続している。
【0036】次に、動作について説明する。図1におけ
る1端子対弾性表面波共振器4は、図18に用いている
ものと同様に、図20に示したようなインピーダンス特
性を有している。すなわち、共振周波数frでインピー
ダンスは零となり、反共振周波数faでインピーダンス
は無限大となる。したがって1端子対弾性表面波共振器
4を図2のように直列に接続して2端子対回路とすれ
ば、入力端子6に入力した電気信号は、共振周波数fr
ではすべて出力端子7に通過し、反共振周波数faでは
全く通過せず減衰極が生じる。したがって、図3(a)
のような通過特性を示す。
【0037】一方、図1における2端子対弾性表面波共
振器5は、図23と同様に、図3(b)に示すような通
過特性となり、通過帯域の高域側近傍fsにスプリアス
が生じる。
【0038】しかし、図1においては、上記1端子対弾
性表面波共振器4と、上記2端子対弾性表面波共振器5
とを縦続接続した構成となっている。さらに、図1で
は、図3(a)の減衰極faと、図3(b)のスプリア
スが生じる周波数fsが、ほぼ等しくなるように、上記
1端子対弾性表面波共振器4と、上記2端子対弾性表面
波共振器5を構成している。したがって、全体の通過特
性は、図3(c)に示すようになり、上記2端子対弾性
表面波共振器5のスプリアスが、上記1端子対弾性表面
波共振器4の減衰極によって打ち消され、帯域外減衰量
を大きくできる。
【0039】さらにこのとき、2端子対弾性表面波共振
器5の通過帯域と、1端子対弾性表面波共振器4の共振
周波数frとはほぼ等しくできるので、2端子対弾性表
面波共振器5単体の挿入損失に対して、1端子対弾性表
面波共振器4を接続したことによる挿入損失の増加は小
さい。したがって、2端子対弾性表面波共振器5を多段
に接続した場合に比べ、挿入損失を小さくできる。以上
のように、この発明の実施例1によれば、低損失で帯域
外減衰量の大きい弾性表面波フィルタが得られる。
【0040】実施例2 図4は、この発明の実施例2を示す構成図である。図4
において、1から7は図1と同様のものである。図にお
いて、圧電体基板1上に、2端子対弾性表面波共振器5
を配置し、その両側に1端子対弾性表面波共振器4を1
つずつ配置し、上記2つの1端子対弾性表面波共振器4
と上記2端子対弾性表面波共振器5とを、入力端子6と
出力端子7に対して対称となるように電気的に接続して
いる。
【0041】次に、動作について説明する。図4におけ
る1端子対弾性表面波共振器4と2端子対弾性表面波共
振器5の動作は、それぞれ、実施例1の場合と同様であ
る。しかし、図4では、図1と異なり、1端子対弾性表
面波共振器4を2つ用いているため、図3(a)におけ
る減衰極の効果が大きくなり、帯域外減衰量をより大き
くできる。
【0042】さらに、図4においては、弾性表面波フィ
ルタの構成が、入力端子6と出力端子7に対して対称な
構成となっている。したがって、入力端子6からみた入
力インピーダンスと出力端子7からみた入力インピーダ
ンスが、互いに等しくなっている。弾性表面波フィルタ
の入力端子6と出力端子7のそれぞれに接続される外部
回路のインピーダンスは、通常同一であるから、図4の
構成では外部回路とのインピーダンス整合が容易にな
る。したがって、フィルタの不整合損失や、外部整合回
路による損失が少なくなり、低損失な弾性表面波フィル
タが得られる。
【0043】実施例3 図5は、この発明の実施例3を示す構成図である。図5
において、1から7は図1と同様のものである。図にお
いて、圧電体基板1上に、2端子対弾性表面波共振器5
を配置し、その両側に1端子対弾性表面波共振器4を2
つ配置し、上記2つの1端子対弾性表面波共振器4と上
記2端子対弾性表面波共振器5とを電気的に接続してい
る。さらに、2端子対弾性表面波共振器5として、すだ
れ状電極2を3個用いた、いわゆる3電極形を用いてい
る。
【0044】次に、動作について説明する。図5におけ
る1端子対弾性表面波共振器4と2端子対弾性表面波共
振器5の動作は、それぞれ、実施例1、実施例2の場合
と同様である。しかし、図5では、2端子対弾性表面波
共振器5のすだれ状電極2が3個あり、中央のすだれ状
電極2を入力側とし、両端のすだれ状電極2を接続して
出力側としている。図6は、図5における2端子対弾性
表面波共振器5の共振周波数における振幅分布を示した
ものである。図中に実線で示す0次対称モードと、破線
で示す2次対称モードとが生じ、図24に示した反対称
モードは励振されない。このときも図23の場合と同
様、0次対称モードと2次対称モードの共振周波数の差
を所要の値にすれば、バンドパス特性を有する2重モー
ドフィルタが得られる。
【0045】しかも、図6の0次対称モードと2次対称
モードの共振周波数の差は、図24の対称モードと反対
称モードの共振周波数の差よりも大きくできるので、図
5における3電極形の2端子対弾性表面波共振器5の方
が、図23における2電極形の2端子対弾性表面波共振
器5よりも通過帯域を広くできる。したがって、実施例
3では、実施例1よりもさらに通過帯域の広い弾性表面
波フィルタが得られる効果がある。
【0046】以上の実施例1から3においては、1端子
対弾性表面波共振器4と2端子対弾性表面波共振器5と
を同一の圧電体基板1上に配置した場合を示したが、本
発明はこれに限らず、1端子対弾性表面波共振器4と2
端子対弾性表面波共振器5とを別々の圧電体基板1上に
配置してもよく、このとき異なる種類の圧電体基板1を
用いてもよい。また、1端子対弾性表面波共振器4の数
や2端子対弾性表面波共振器5の数は、以上の実施例に
示したものとは限らない。一般に、1端子対弾性表面波
共振器4や2端子対弾性表面波共振器5を多数縦続接続
すれば、接続する数を増やすと帯域外減衰量は大きくな
り、挿入損失は増加する。したがって、帯域外減衰量や
挿入損失の所要値に応じて、接続数を任意に選択してよ
い。
【0047】さらに、以上の実施例1から3において
は、1端子対弾性表面波共振器4や2端子対弾性表面波
共振器5として反射器3を有するものを用いているが、
これに限らず、反射器3を有さずすだれ状電極2自体の
共振のみを利用した弾性表面波共振器を用いてもよい。
【0048】実施例4 図7は、この発明の実施例4を示す構成図である。図7
において、1は圧電体基板、2はすだれ状電極、3は反
射器、4は1端子対弾性表面波共振器、6は入力端子、
7は出力端子である。図において、圧電体基板1上に、
1端子対弾性表面波共振器4と、すだれ状電極2を配置
し、これらを電気的に接続し、逆L形回路を構成してい
る。
【0049】次に、動作について説明する。図8は、こ
の発明の実施例4の動作を説明するための図であり、8
はキャパシタである。図8において、入力端子6と出力
端子7との間に、1端子対弾性表面波共振器4を直列
に、キャパシタ8を並列に、それぞれ挿入している。1
端子対弾性表面波共振器4は、前述したように、図20
のようなインピーダンス特性を有しているので、共振周
波数frと反共振周波数faとの間で誘導性インピーダ
ンスとなる。このとき、キャパシタ8は容量性のインピ
ーダンスであるので、図8の回路は、伝送回路理論で良
く知られている定K形フィルタと同様の低損失なバンド
パスフィルタが得られる。ただし、1端子対弾性表面波
共振器4の反共振周波数faでは、減衰極が生じるの
で、通過特性は図9の実線に示すように通過帯域の高域
側に減衰極を有する特性となる。
【0050】図7では、図8のキャパシタ8を、すだれ
状電極2で置き換えた構成となっている。すだれ状電極
2のインピーダンスは、弾性表面波を励振する周波数以
外の周波数では、キャパシタ8と同様の容量性の特性を
示す。したがって、図7に示す弾性表面波フィルタは、
すだれ状電極2が弾性表面波を励振する周波数以外の周
波数では、図8に示したフィルタと同様の特性を示す。
したがって、通過帯域特性も図8と同様に低損失にでき
る。しかし、すだれ状電極2が弾性表面波を励振する周
波数では、すだれ状電極2に入力した電気信号は弾性表
面波に変換され、電力の損失が生じる。したがって、図
9の破線に示すように、すだれ状電極2が弾性表面波を
励振する周波数fiで、入力信号の電力が損失を受け、
出力信号の電力が小さくなる。したがって、周波数fi
で通過特性の減衰量が大きくすることができる。このと
き、弾性表面波が励振される周波数fiは、すだれ状電
極2の電極指配列周期を変えることにより自由に変える
ことができるから、帯域外の任意の周波数で減衰量を大
きくすることができる。
【0051】実施例5 図10は、この発明の実施例5を示す構成図である。図
10において、1から7は図7と同様のものである。図
において、圧電体基板1上に、2つの1端子対弾性表面
波共振器4と、すだれ状電極2を配置し、これらを電気
的に接続し、T形回路を構成している。
【0052】次に、動作について説明する。図10の構
成は、図7に示した弾性表面波フィルタを2個、出力端
子7どうしで接続し、中央にできる2個並列に並んだす
だれ状電極2を1つにまとめたものである。したがっ
て、図7と同様のバンドパスフィルタとして動作する。
しかも、図7よりもフィルタの段数が増える分、帯域外
減衰量を大きくでき、急峻なフィルタ特性が得られる。
この場合も、すだれ状電極2から弾性表面波が励振され
る周波数を変えることにより帯域外の任意の周波数で減
衰量をさらに大きくすることができる。
【0053】実施例6 図11は、この発明の実施例6を示す構成図である。図
11において、1から7は図7と同様のものである。図
において、圧電体基板1上に、1端子対弾性表面波共振
器4と、すだれ状電極2を配置し、これらを電気的に接
続し、逆L形回路を構成している。しかし、図11で
は、図7と異なり、入力端子6と出力端子7との間に、
すだれ状電極2を直列に、1端子対弾性表面波共振器4
を並列に、それぞれ挿入している。
【0054】図11も、図7と同様にバンドパスフィル
タとして動作する。この場合は、1端子対弾性表面波共
振器4の共振周波数frで減衰極が生じるので、通過特
性は通過帯域の低域側に減衰極を有する特性となる。し
かし、図11も図7と同様にすだれ状電極2から弾性表
面波が励振される周波数を変えることにより、帯域外の
任意の周波数で減衰量をさらに大きくすることができる
ことはいうまでもない。
【0055】実施例7 図12は、この発明の実施例7を示す構成図である。図
12において、1から7は図7と同様のものである。図
において、圧電体基板1上に、2つのすだれ状電極2
と、1端子対弾性表面波共振器4を配置し、これらを電
気的に接続し、T形回路を構成している。
【0056】図12の構成は、図11に示した弾性表面
波フィルタを2個、出力端子どうしで接続し、中央にで
きる2個並列に並んだ1端子対弾性表面波共振器を1つ
にまとめたものである。したがって、図11と同様のバ
ンドパスフィルタとして動作し、図11よりも急峻なフ
ィルタ特性が得られる。この場合も、すだれ状電極2か
ら弾性表面波が励振される周波数を変えることにより帯
域外の任意の周波数で減衰量をさらに大きくすることが
できる。さらに、上下2つのすだれ状電極2について、
弾性表面波が励振される周波数を、それぞれ異ならせる
ことにより、異なる2つの帯域で減衰量を大きくするこ
とができる効果がある。
【0057】以上の実施例4から7においては、弾性表
面波フィルタの回路構成を、逆L形やT形としたものに
ついて示したが、本発明はこれに限らず、π形の回路構
成としてもよく、より段数を増やしてもよい。さらに、
すだれ状電極2の変わりに、キャパシタ8を一部残して
いても構わない。また、多数のすだれ状電極2がある場
合、これらから弾性表面波が励振される周波数は、個別
に変えてもよいし、同一のものがあってもよい。
【0058】また、以上の実施例4から7においては、
1端子対弾性表面波共振器4とすだれ状電極2とを同一
の圧電体基板1上に配置した場合を示したが、本発明は
これに限らず、1端子対弾性表面波共振器4とすだれ状
電極2とを別々の圧電体基板1上に配置してもよく、こ
のとき異なる種類の圧電体基板1を用いてもよい。
【0059】実施例8 図13は、この発明の実施例8を示す構成図である。図
13において、1は圧電体基板、2はすだれ状電極、3
は反射器、4a、4bは1端子対弾性表面波共振器、6
は入力端子、7は出力端子である。図において、圧電体
基板1上に、1端子対弾性表面波共振器4を複数個配置
し、これらを電気的に接続して梯子形回路を構成してい
る。また、直列腕の1端子対弾性表面波共振器4aにお
いて、すだれ状電極2の電極指配列周期(以下、すだれ
状電極2のピッチという)Lisと、反射器3の格子配
列周期(以下、反射器3のピッチという)Lrsとを異
ならせ、Lis<Lrsとしている。
【0060】次に、動作について説明する。図13にお
いて、直列腕の1端子対弾性表面波共振器4aの共振周
波数frと並列腕の1端子対弾性表面波共振器4bの反
共振周波数faとをほぼ一致させ、バンドパスフィルタ
として動作させている。これは、図18に示した従来の
弾性表面波フィルタと同様である。したがって、直列腕
の1端子対弾性表面波共振器4aの共振周波数frは、
フィルタの中心周波数となる。
【0061】図14は、図19に示したものと同様の1
端子対弾性表面波共振器4において、反射器3のピッチ
Lrを一定としたまま、すだれ状電極2のピッチLiの
みを変化させたときの、共振周波数frと反共振周波数
faの変化を等価回路モデルを用いて計算したものであ
る。横軸はLi/Lrとしているので、Li/Lrが1
のとき、すだれ状電極2と反射器3のピッチが等しくな
る。すだれ状電極2のピッチLiを変えても、すだれ状
電極2と反射器3の間の距離は一定としている。図か
ら、すだれ状電極2のピッチLiを変えたとき、共振周
波数frと反共振周波数faがともに変化し、共振周波
数frと反共振周波数faとの周波数差は余り変化しな
いことが分かった。
【0062】図14中点線で示しているのは、反射器3
のストップバンドの下限周波数および上限周波数であ
る。すだれ状電極2と反射器3のピッチが等しいとき、
共振周波数frは、反射器3のストップバンドの下限周
波数にほぼ等しくなっている。したがって、共振周波数
frより少しでも低い周波数では、反射器3のストップ
バンドから外れてしまうため、反射器3の反射効率が小
さくなる。
【0063】図13では、直列腕の1端子対弾性表面波
共振器4aにおいて、すだれ状電極2のピッチLis
と、反射器3のピッチLrsとを異ならせ、Lis<L
rsとしている。このため、図14から分かるように、
共振周波数frは反射器3のストップバンドの下限周波
数よりも高くなる。このとき、共振周波数frより少し
低い周波数でもストップバンドに含まれるので、大きい
反射効率が得られる。
【0064】前にも述べたように、直列腕の1端子対弾
性表面波共振器4aの共振周波数frは、フィルタの中
心周波数となっている。よって、すだれ状電極2と反射
器3のピッチを図13のように変えることにより、フィ
ルタの中心周波数より低い周波数での反射器3の反射効
率低下による損失を小さくでき、通過帯域でのフィルタ
の挿入損失を小さくできる。また直列腕と並列腕の反射
器3のストップバンドが重なり合う周波数幅を広くでき
るので、フィルタの通過帯域をより広帯域にできる。
【0065】実施例9 図15は、この発明の実施例9を示す構成図である。図
15において、1から4および6、7は、図13と同様
のものである。図において、圧電体基板1上に、1端子
対弾性表面波共振器4を複数個配置し、これらを電気的
に接続して梯子形回路を構成している。また、図に示す
ように、直列腕の1端子対弾性表面波共振器4aのすだ
れ状電極2および反射器3のピッチを、それぞれLi
s、Lrsとし、並列腕の1端子対弾性表面波共振器4
bのすだれ状電極2および反射器3のピッチを、それぞ
れLip、Lrpとしたとき、Lis/Lrs<1と
し、かつ、Lip/Lrp>1となるようにしている。
このとき、Lis/Lrs <Lip/Lrpが成り立
っている。
【0066】実施例9の動作は、実施例8と同様であ
る。しかし、実施例9では、並列腕の1端子対弾性表面
波共振器4bにおいても、すだれ状電極2のピッチLi
pと反射器3のピッチLrpとを異ならせ、Lip/L
rp>1としている。このとき、図14から分かるよう
に、ピッチが等しい場合に比べ、反共振周波数faを反
射器3のストップバンドの中心周波数に、より近付ける
ことができる。したがって、反共振周波数faより高い
周波数で、反射器3のストップバンドに含まれる周波数
幅がより広くなる。
【0067】並列腕の1端子対弾性表面波共振器4bの
反共振周波数faも、フィルタの中心周波数となってい
るので、図15では、フィルタの中心周波数より高い周
波数で反射器3の反射効率が低下しない周波数幅を広げ
ることができ、直列腕と並列腕の反射器3のストップバ
ンドが重なり合う周波数幅をより広くできるので、フィ
ルタの通過帯域を図13以上に広帯域にできる。
【0068】なお、図15では、直列腕の1端子対弾性
表面波共振器4aが2個あり、これらの交差幅を互いに
異ならせている。このように1端子対弾性表面波共振器
4の交差幅は、それぞれ変化してもよい。同様に、直列
腕の1端子対弾性表面波共振器4aが3個以上ある場合
にも、それぞれの交差幅を変化してよく、変化のしかた
は種々考えられる。これは、並列腕の1端子対弾性表面
波共振器4bに関しても同様である。
【0069】このとき、直列腕の1端子対弾性表面波共
振器4aや並列腕の1端子対弾性表面波共振器4bの交
差幅を変化させ、交差幅を所要の値にすることにより、
フィルタの帯域通過特性を、伝送回路理論で知られてい
る振幅平坦特性、振幅波状特性(チェビシェフ特性)、
遅延平坦特性などの種々の特性に近似することができ、
任意の特性を得ることができる。
【0070】さらに、図15では明示していないが、複
数の直列腕の1端子対弾性表面波共振器4aの共振周波
数frを全く等しくする必要はなく、それぞれ変えても
よい。これは、前述したように、すだれ状電極2のピッ
チLiや、反射器3のピッチLr、さらにこれらの比L
i/Lrなどを変化することにより容易に実現できる。
また、並列腕の1端子対弾性表面波共振器4bの反共振
周波数faに関しても、それらをそれぞれ変えてもよ
い。この場合にも、共振周波数frや反共振周波数fa
を所要の値にすることにより、フィルタの帯域通過特性
を種々の特性に近似することができる。
【0071】実施例10 図16は、この発明の実施例10を示す構成図である。
図16において、1から4および6、7は、図13と同
様のものである。図13と同様に、圧電体基板1上に、
1端子対弾性表面波共振器4を複数個配置し、これらを
電気的に接続して梯子形回路を構成している。また、図
13では、5個の1端子対弾性表面波共振器4のうち、
直列腕の1端子対弾性表面波共振器4aが3個あり、こ
れら直列腕の1端子対弾性表面波共振器4a3つを隣接
して配置している。
【0072】実施例10の動作も、実施例8および実施
例9と同様である。しかし、実施例10では、直列腕の
1端子対弾性表面波共振器4aを3つ隣接して配置する
ことにより、同数の直列腕の1端子対弾性表面波共振器
4aおよび並列腕の1端子対弾性表面波共振器4bを互
い違いに配置した場合に比べ、入力端子6と出力端子7
の間の距離を短くできる。したがって、直列腕の1端子
対弾性表面波共振器4aどうしを接続するワイヤあるい
は線路の長さを短くでき、これらの抵抗成分の影響を少
なくできるため、挿入損失の小さい弾性表面波フィルタ
が得られる。
【0073】このとき、逆に、並列腕の1端子対弾性表
面波共振器4bを接続するワイヤあるいは線路の長さは
長くなり、抵抗成分が増えてしまう。しかし、フィルタ
の通過域ではもともと並列腕のインピーダンスがほぼ無
限大と大きくなっているので、抵抗成分が増えても、フ
ィルタの挿入損失はほとんど変わらず、低損失の特性が
得られる。
【0074】以上の実施例8から10においては、1端
子対弾性表面波共振器4を同一の圧電体基板1上に配置
した場合を示したが、本発明はこれに限らず、1端子対
弾性表面波共振器4とすだれ状電極2とを別々の圧電体
基板1上に配置してもよく、このとき異なる種類の圧電
体基板1を用いてもよい。また、1端子対弾性表面波共
振器4a、4bの数は、以上の実施例に示したものとは
限らず、帯域外減衰量や挿入損失の所要値に応じて任意
に選択してよい。
【0075】実施例11 図17は、この発明の実施例11を示す構成図である。
図17において、4a、4b、6、7は、図18や図1
3などと同様のものであり、9はインダクタである。図
13と同様に、直列腕の1端子対弾性表面波共振器4a
と並列腕の1端子対弾性表面波共振器4bを、入力端子
6と出力端子7の間に、複数個梯子形に接続している。
しかし、図17では図13と異なり、インダクタ9を1
端子対弾性表面波共振器4に対して直列あるいは並列に
接続している。さらにインダクタ9を、複数個の1端子
対弾性表面波共振器4にまたがって接続している。
【0076】実施例11の動作も、実施例8から実施例
10と同様であり、低損失なバンドパスフィルタとして
動作する。しかし、実施例11では、インダクタ9を1
端子対弾性表面波共振器4に対して、例えば、直列に接
続している。このとき、1端子対弾性表面波共振器4と
インダクタ9とを合わせたインピーダンス特性を考える
と、図20に示した1端子対弾性表面波共振器4単独の
インピーダンスに対して、インダクタ9を接続した分イ
ンピーダンスの虚部が全体に大きくなる。よって、反共
振周波数faは変わらないが共振周波数frが低くな
り、frとfaとの周波数差が大きくなる。また、イン
ダクタ9を並列に接続した場合には、インダクタ9を接
続した分インピーダンスの逆数の虚部が全体に小さくな
る。このときは、共振周波数frは変わらないが反共振
周波数faが高くなり、やはり、frとfaとの周波数
差が大きくなる。
【0077】このように、インダクタ9を接続すること
により、1端子対弾性表面波共振器4の共振周波数fr
と反共振周波数faとの周波数差を、見掛上大きくでき
る。したがって、図21に示したフィルタの通過特性に
おいて、2つの減衰極の周波数間隔を広くすることがで
き、通過帯域幅の広い弾性表面波フィルタが得られる。
【0078】さらに、実施例11では、インダクタ9を
複数個の1端子対弾性表面波共振器4にまたがって接続
している。すでに述べたように、フィルタの通過帯域か
ら離れた周波数では、1端子対弾性表面波共振器4は容
量性のインピーダンス特性を示す。よって、誘導性のイ
ンピーダンスを有するインダクタ9を接続することによ
り、帯域外での通過信号を互いに打ち消すことができ、
通過特性に減衰極を作ることができる。したがって、帯
域外減衰量の大きい弾性表面波フィルタが得られる。
【0079】実施例11において、インダクタ9は図1
7に示した全てのものを用いる必要はなく、少なくとも
1つのインダクタ9を接続することによって、本発明の
効果が得られる。インダクタ9の構造はどのようなもの
でもよく、例えば、1端子対弾性表面波共振器4と同一
の圧電体基板1上に形成してもよいし、金属ワイヤなど
で構成してもよい。1端子対弾性表面波共振器4をパッ
ケージに封入する場合には、インダクタ9を同一パッケ
ージに収めてもよいし、インダクタ9を外部に設けて接
続してもよい。さらに、インダクタ9の接続方法は図1
7に示したものに限らず、種々の方法を用いることがで
きる。
【0080】以上の実施例1から11において、圧電体
基板1の材料は単結晶でも他の基板に圧電薄膜を形成し
たものでもよく、弾性表面波を励振するものであれば何
を用いても構わない。また、弾性表面波はレイリー波と
は限らず、いわゆる擬似弾性表面波などの表面波を利用
しても差し支えない。さらに、以上の実施例において、
回路素子として用いている1端子対弾性表面波共振器4
やすだれ状電極2の代わりに、同一または異なる2つ以
上の1端子対弾性表面波共振器4やすだれ状電極2を直
列あるいは並列に接続したものを用いてもよく、この場
合にも本発明の効果が得られる。
【0081】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、1端子対弾性
表面波共振器と2端子対弾性表面波共振器を共に用いて
弾性表面波フィルタを構成したので、2端子対弾性表面
波共振器のスプリアスを1端子対弾性表面波共振器の減
衰極で打ち消すことができ、低損失で帯域外減衰量の大
きい弾性表面波フィルタが得られる効果がある。
【0082】請求項2の発明によれば、1端子対弾性表
面波共振器と上記2端子対弾性表面波共振器とを、入力
端子と出力端子に対して対称に接続したので、入力端子
と出力端子のインピーダンスを等しくすることができ、
外部回路との整合がとりやすく、低損失な弾性表面波フ
ィルタが得られる効果がある。
【0083】請求項3の発明によれば、3個以上のすだ
れ状電極を有する2端子対弾性表面波共振器を用いたの
で、通過帯域の広い弾性表面波フィルタが得られる効果
がある。
【0084】請求項4および請求項5の発明によれば、
1端子対弾性表面波共振器と、弾性表面波を励振するす
だれ状電極とを梯子形に接続したので、帯域外の特定の
周波数で入力信号を弾性表面波に変換でき、この周波数
で帯域外減衰量の大きい弾性表面波フィルタが得られる
効果がある。
【0085】請求項6の発明によれば、1端子対弾性表
面波共振器を梯子形に接続した弾性表面波フィルタの、
上記1端子対弾性表面波共振器のすだれ状電極の電極指
配列周期と反射器の格子配列周期を異ならせたので、反
射器のストップバンドを有効に利用でき、挿入損失が小
さく通過帯域の広い弾性表面波フィルタが得られる効果
がある。
【0086】請求項7の発明によれば、直列腕と並列腕
の1端子対弾性表面波共振器にそれぞれの、すだれ状電
極の電極指配列周期と反射器の格子配列周期を所定の関
係が満たされるようにしたので、反射器のストップバン
ドをさらに有効に利用でき、通過帯域のさらに広い弾性
表面波フィルタが得られる効果がある。
【0087】請求項8の発明によれば、直列腕の1端子
対弾性表面波共振器のうち少なくとも1つの共振周波数
を他と異ならせたので、所要の帯域内通過特性を有する
弾性表面波フィルタが得られる。
【0088】請求項9の発明によれば、並列腕の1端子
対弾性表面波共振器のうち少なくとも1つの反共振周波
数を他と異ならせたので、所要の帯域内通過特性を有す
る弾性表面波フィルタが得られる。
【0089】請求項10の発明によれば、複数個の直列
腕の1端子対弾性表面波共振器を隣接して配置したの
で、入出力端子間の線路等を短くでき、挿入損失の小さ
い弾性表面波フィルタが得られる効果がある。
【0090】請求項11の発明によれば、1端子対弾性
表面波共振器を梯子形に接続し、さらに、インダクタを
接続したので、通過帯域幅が広く、帯域外減衰量の大き
い弾性表面波フィルタが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1を示す構成図である。
【図2】この発明の実施例1の動作を説明するための図
である。
【図3】この発明の実施例1の動作を説明するための図
である。
【図4】この発明の実施例2を示す構成図である。
【図5】この発明の実施例3を示す構成図である。
【図6】この発明の実施例3の動作を説明するための図
である。
【図7】この発明の実施例4を示す構成図である。
【図8】この発明の実施例4の動作を説明するための図
である。
【図9】この発明の実施例4の動作を説明するための図
である。
【図10】この発明の実施例5を示す構成図である。
【図11】この発明の実施例6を示す構成図である。
【図12】この発明の実施例7を示す構成図である。
【図13】この発明の実施例8を示す構成図である。
【図14】この発明の実施例8の動作を説明するための
図である。
【図15】この発明の実施例9を示す構成図である。
【図16】この発明の実施例10を示す構成図である。
【図17】この発明の実施例11を示す構成図である。
【図18】従来の弾性表面波フィルタを示す構成図であ
る。
【図19】従来の弾性表面波フィルタの動作を説明する
ための図である。
【図20】従来の弾性表面波フィルタの動作を説明する
ための図である。
【図21】従来の弾性表面波フィルタの動作を説明する
ための図である。
【図22】従来の弾性表面波フィルタの動作を説明する
ための図である。
【図23】従来の弾性表面波フィルタを示す構成図であ
る。
【図24】従来の弾性表面波フィルタの動作を説明する
ための図である。
【図25】従来の弾性表面波フィルタの動作を説明する
ための図である。
【符号の説明】
1 圧電体基板 2 すだれ状電極 3 反射器 4 1端子対弾性表面波共振器 5 2端子対弾性表面波共振器 6 入力端子 7 出力端子 8 キャパシタ 9 インダクタ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項5
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】図18は、例えば文献「電子情報通信学
会技術研究報告(超音波)」、US92−52、pp.
9−16に示された、従来のこの種の弾性表面波フィル
タの構成を示したものである。図18において、4a、
4bは1端子対弾性表面波共振器、6は入力端子、7は
出力端子である。図において、直列腕に挿入した1端子
対弾性表面波共振器4aと並列腕に挿入した1端子対弾
性表面波共振器4bを、入力端子6と出力端子7の間
に、複数個梯子形に接続している。図18における1端
子対弾性表面波共振器4a、4bの一般的な構成を図1
9に示す。図19において、1は圧電体基板、2はすだ
れ状電極、3は反射器である。圧電体基板1上にすだれ
状電極2と2つの反射器3を配置して1端子対弾性表面
波共振器4を構成している。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】請求項5の発明に係る弾性表面波フィルタ
は、1端子対弾性表面波共振器と、弾性表面波を励振す
るすだれ状電極とを梯子形に接続した弾性表面波フィル
タの、上記すだれ状電極の一部をキャパシタに置き換え
たことを特徴とするものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 友則 鎌倉市大船五丁目1番1号 三菱電機株式 会社電子システム研究所内 (72)発明者 村井 康治 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社通信機製作所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾性表面波共振器を複数個電気的に接続
    してなる弾性表面波フィルタにおいて、上記弾性表面波
    共振器に1端子対弾性表面波共振器と2端子対弾性表面
    波共振器を共に用いたことを特徴とする弾性表面波フィ
    ルタ。
  2. 【請求項2】 弾性表面波共振器を複数個電気的に接続
    してなる弾性表面波フィルタにおいて、上記弾性表面波
    共振器に1端子対弾性表面波共振器と2端子対弾性表面
    波共振器を共に用い、かつ、上記1端子対弾性表面波共
    振器と上記2端子対弾性表面波共振器とを、入力端子と
    出力端子に対して対称に接続したことを特徴とする弾性
    表面波フィルタ。
  3. 【請求項3】 弾性表面波共振器を複数個電気的に接続
    してなる弾性表面波フィルタにおいて、上記弾性表面波
    共振器に1端子対弾性表面波共振器と2端子対弾性表面
    波共振器を共に用い、かつ上記2端子対弾性表面波共振
    器は3個以上のすだれ状電極を有することを特徴とする
    弾性表面波フィルタ。
  4. 【請求項4】 1端子対弾性表面波共振器と、弾性表面
    波を励振するすだれ状電極とを梯子形に接続したことを
    特徴とする弾性表面波フィルタ。
  5. 【請求項5】 1端子対弾性表面波共振器と、弾性表面
    波を励振するすだれ状電極とを梯子形に接続し、上記す
    だれ状電極の一部をキャパシタに置き換えたことを特徴
    とする弾性表面波フィルタ。
  6. 【請求項6】 直列腕の構成要素および並列腕の構成要
    素として1端子対弾性表面波共振器を用い、上記直列腕
    の1端子対弾性表面波共振器と上記並列腕の1端子対弾
    性表面波共振器とを梯子形に接続してなる弾性表面波フ
    ィルタにおいて、上記1端子対弾性表面波共振器のうち
    少なくとも1つは、すだれ状電極と反射器とを有し、か
    つ、上記すだれ状電極の電極指配列周期と上記反射器の
    格子配列周期が異なることを特徴とする弾性表面波フィ
    ルタ。
  7. 【請求項7】 直列腕の構成要素および並列腕の構成要
    素として、すだれ状電極と反射器とを有する1端子対弾
    性表面波共振器を用い、上記直列腕の1端子対弾性表面
    波共振器と上記並列腕の1端子対弾性表面波共振器とを
    梯子形に接続してなる弾性表面波フィルタにおいて、上
    記直列腕の1端子対弾性表面波共振器の、上記すだれ状
    電極の電極指配列周期および上記反射器の格子配列周期
    をそれぞれLis、Lrsとし、上記並列腕の1端子対
    弾性表面波共振器の、上記すだれ状電極の電極指配列周
    期および上記反射器の格子配列周期をそれぞれLip、
    Lrpとしたとき、Lis/Lrs < Lip/Lr
    pとしたことを特徴とする弾性表面波フィルタ。
  8. 【請求項8】 直列腕の構成要素および並列腕の構成要
    素として1端子対弾性表面波共振器を用い、上記直列腕
    の1端子対弾性表面波共振器と上記並列腕の1端子対弾
    性表面波共振器とを梯子形に接続してなる弾性表面波フ
    ィルタにおいて、上記直列腕の1端子対弾性表面波共振
    器のうち少なくとも1つは、他の上記直列腕の1端子対
    弾性表面波共振器と、共振周波数が異なることを特徴と
    する弾性表面波フィルタ。
  9. 【請求項9】 直列腕の構成要素および並列腕の構成要
    素として1端子対弾性表面波共振器を用い、上記直列腕
    の1端子対弾性表面波共振器と上記並列腕の1端子対弾
    性表面波共振器とを梯子形に接続してなる弾性表面波フ
    ィルタにおいて、上記並列腕の1端子対弾性表面波共振
    器のうち少なくとも1つは、他の上記並列腕の1端子対
    弾性表面波共振器と、反共振周波数が異なることを特徴
    とする弾性表面波フィルタ。
  10. 【請求項10】 直列腕の構成要素および並列腕の構成
    要素として1端子対弾性表面波共振器を用い、上記直列
    腕の1端子対弾性表面波共振器と上記並列腕の1端子対
    弾性表面波共振器とを梯子形に接続してなる弾性表面波
    フィルタにおいて、上記直列腕の1端子対弾性表面波共
    振器を複数個有し、上記複数個の直列腕の1端子対弾性
    表面波共振器のうち少なくとも2つを隣接して配置した
    ことを特徴とする弾性表面波フィルタ。
  11. 【請求項11】 直列腕の構成要素および並列腕の構成
    要素として1端子対弾性表面波共振器を用い、上記直列
    腕の1端子対弾性表面波共振器と上記並列腕の1端子対
    弾性表面波共振器とを梯子形に接続し、かつ、インダク
    タを接続したことを特徴とする弾性表面波フィルタ。
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