JPH06264003A - アルミニウム材料の表面に防カビ性及び親水性を付与する表面処理 - Google Patents
アルミニウム材料の表面に防カビ性及び親水性を付与する表面処理Info
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- JPH06264003A JPH06264003A JP5055593A JP5055593A JPH06264003A JP H06264003 A JPH06264003 A JP H06264003A JP 5055593 A JP5055593 A JP 5055593A JP 5055593 A JP5055593 A JP 5055593A JP H06264003 A JPH06264003 A JP H06264003A
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- surface treatment
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 金属材料の表面に防カビ性に優れた親水性を
付与する塗膜を形成するため、有害な6価クロムを含ま
ない表面処理剤を提供する。 【構成】 この親水性金属表面処理剤は、水溶性樹脂−
シリカ源の基本組成に、防カビ成分としてパラヒドロキ
シ安息香酸ブチルを添加している。パラヒドロキシ安息
香酸ブチルの添加量は、0.1〜1.0重量%の範囲が
好ましい。親水性塗膜は、アルミニウム材料の表面を脱
脂し乾燥させた後、親水性金属表面処理剤を塗布し、加
熱乾燥することにより形成される。 【効果】 金属材料の表面に形成された塗膜は、防カビ
性,親水性,耐食性,密着性,耐久性等に優れ、熱交換
能を上げる狭間隙でフィンを組み立てるときの親水性表
面皮膜として有効である。
付与する塗膜を形成するため、有害な6価クロムを含ま
ない表面処理剤を提供する。 【構成】 この親水性金属表面処理剤は、水溶性樹脂−
シリカ源の基本組成に、防カビ成分としてパラヒドロキ
シ安息香酸ブチルを添加している。パラヒドロキシ安息
香酸ブチルの添加量は、0.1〜1.0重量%の範囲が
好ましい。親水性塗膜は、アルミニウム材料の表面を脱
脂し乾燥させた後、親水性金属表面処理剤を塗布し、加
熱乾燥することにより形成される。 【効果】 金属材料の表面に形成された塗膜は、防カビ
性,親水性,耐食性,密着性,耐久性等に優れ、熱交換
能を上げる狭間隙でフィンを組み立てるときの親水性表
面皮膜として有効である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属材料の表面に防カ
ビ性及び親水性を付与する表面処理剤、この表面処理剤
を使用した表面処理方法及び親水性が付与された熱交換
器用フィン等のアルミニウム製品に関する。
ビ性及び親水性を付与する表面処理剤、この表面処理剤
を使用した表面処理方法及び親水性が付与された熱交換
器用フィン等のアルミニウム製品に関する。
【0002】
【従来の技術】金属材料は、用途に応じて水に対して濡
れ性の良好な表面をもつことが要求されることがある。
たとえば、アルミニウム又はアルミニウム合金(以下、
これをアルミニウム材料で総称する)等を熱交換器のフ
ィン等として使用する場合、フィン表面で大気との間に
熱交換が行われるが、冷房時に大気中の水分がフィン裏
面に凝縮する。熱交換能力を大きくするためフィン間隙
を狭めた熱交換器にあっては、凝縮した水分が球状とな
ってフィン間にブリッジを形成する。その結果、フィン
間の通風抵抗が増加し、熱交換能力の低下,騒音の発
生,エネルギー消費効率の低下等の欠陥が発生する。フ
ィン間に発生する凝縮水のブリッジは、フィン表面の親
水性を高めることによって防止することができる。親水
性の高い表面に付着した水分は、球状に凝集することな
く、表面全域に広がり蒸発する。
れ性の良好な表面をもつことが要求されることがある。
たとえば、アルミニウム又はアルミニウム合金(以下、
これをアルミニウム材料で総称する)等を熱交換器のフ
ィン等として使用する場合、フィン表面で大気との間に
熱交換が行われるが、冷房時に大気中の水分がフィン裏
面に凝縮する。熱交換能力を大きくするためフィン間隙
を狭めた熱交換器にあっては、凝縮した水分が球状とな
ってフィン間にブリッジを形成する。その結果、フィン
間の通風抵抗が増加し、熱交換能力の低下,騒音の発
生,エネルギー消費効率の低下等の欠陥が発生する。フ
ィン間に発生する凝縮水のブリッジは、フィン表面の親
水性を高めることによって防止することができる。親水
性の高い表面に付着した水分は、球状に凝集することな
く、表面全域に広がり蒸発する。
【0003】熱交換器以外にも、湿潤雰囲気に配置され
た金属部材の表面に雰囲気中の水分が結露することを防
止する場合,光沢表面が要求される金属部材の曇り止め
をする場合,水に対する濡れ性を向上することによって
金属表面から蒸発する水の量を高める場合等でも、金属
表面に親水性を付与する表面処理が必要とされる。アル
ミニウム材料の表面に親水性を付与する方法として、た
とえばべーマイト化処理,リン酸クロメート処理,親水
性塗料の塗布等が知られている。本出願人等は、クロム
化合物,アクリル酸ポリマー,シリカ及びフッ酸を配合
することによって、親水性を高めると共に耐久性も向上
した表面処理剤を特公昭61−40305号公報で紹介
した。この表面処理剤は、シリカ粉末の添加によって親
水性を向上させ、6価クロムの添加によって耐食性を向
上させている。また、全クロムに対する6価クロムの比
率を規制することにより、皮膜からクロムの溶出を防止
している。
た金属部材の表面に雰囲気中の水分が結露することを防
止する場合,光沢表面が要求される金属部材の曇り止め
をする場合,水に対する濡れ性を向上することによって
金属表面から蒸発する水の量を高める場合等でも、金属
表面に親水性を付与する表面処理が必要とされる。アル
ミニウム材料の表面に親水性を付与する方法として、た
とえばべーマイト化処理,リン酸クロメート処理,親水
性塗料の塗布等が知られている。本出願人等は、クロム
化合物,アクリル酸ポリマー,シリカ及びフッ酸を配合
することによって、親水性を高めると共に耐久性も向上
した表面処理剤を特公昭61−40305号公報で紹介
した。この表面処理剤は、シリカ粉末の添加によって親
水性を向上させ、6価クロムの添加によって耐食性を向
上させている。また、全クロムに対する6価クロムの比
率を規制することにより、皮膜からクロムの溶出を防止
している。
【0004】特公昭61−40305号公報の表面処理
剤を使用するとき、親水性及び耐久性に優れた皮膜を金
属表面に形成することができる。しかも、長期間にわた
り、6価クロム等の有害金属が溶出することがない。し
かし、この表面処理剤は、有害物質である6価クロムを
一成分としていることに問題があり、6価クロムに変わ
る無害で且つ6価クロムと同等の架橋作用を呈する成分
を開発することが望まれる。
剤を使用するとき、親水性及び耐久性に優れた皮膜を金
属表面に形成することができる。しかも、長期間にわた
り、6価クロム等の有害金属が溶出することがない。し
かし、この表面処理剤は、有害物質である6価クロムを
一成分としていることに問題があり、6価クロムに変わ
る無害で且つ6価クロムと同等の架橋作用を呈する成分
を開発することが望まれる。
【0005】6価クロムを含まない親水性表面処理剤と
して、たとえば特開平2−103133号公報では、ジ
ルコニウム化合物,チタン化合物,ケイ素化合物等を使
用している。しかし、6価クロムに匹敵する架橋作用が
奏されず、形成された皮膜の耐久性が劣る。また、金属
表面に対する密着性にも問題があり、塗布方法に工夫を
要する。この点に関し、本発明者等は、バナジウム化合
物を6価クロムに変わる架橋剤として使用するとき、密
着性に優れた親水性皮膜が形成されることを見い出し、
特願平4−283887号として出願した。
して、たとえば特開平2−103133号公報では、ジ
ルコニウム化合物,チタン化合物,ケイ素化合物等を使
用している。しかし、6価クロムに匹敵する架橋作用が
奏されず、形成された皮膜の耐久性が劣る。また、金属
表面に対する密着性にも問題があり、塗布方法に工夫を
要する。この点に関し、本発明者等は、バナジウム化合
物を6価クロムに変わる架橋剤として使用するとき、密
着性に優れた親水性皮膜が形成されることを見い出し、
特願平4−283887号として出願した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、フィン等の
熱交換器部材であるAl表面にカビが発生すると、冷房
運転開始時に特有の不快な臭気が発散する。カビの発生
は、高い親水性が得られるアルカリケイ酸塩系の塗料で
表面処理されたAl表面に顕著にみられる現象である。
この点から、表面処理によって親水性が付与されたAl
表面においてカビ発生を抑制することが要求される。防
カビ性をフィンに付与する手段としては、防カビ剤を添
加した親水性プレコートをフィンに施す方法が採用され
ている(特開平1−240688号公報,特開平4−3
39869号公報,特開平4−76394号公報等参
照)。親水性プレコートは、親水性及び耐食性を向上さ
せ、カビ,細菌等の繁殖を抑制する作用を呈する。
熱交換器部材であるAl表面にカビが発生すると、冷房
運転開始時に特有の不快な臭気が発散する。カビの発生
は、高い親水性が得られるアルカリケイ酸塩系の塗料で
表面処理されたAl表面に顕著にみられる現象である。
この点から、表面処理によって親水性が付与されたAl
表面においてカビ発生を抑制することが要求される。防
カビ性をフィンに付与する手段としては、防カビ剤を添
加した親水性プレコートをフィンに施す方法が採用され
ている(特開平1−240688号公報,特開平4−3
39869号公報,特開平4−76394号公報等参
照)。親水性プレコートは、親水性及び耐食性を向上さ
せ、カビ,細菌等の繁殖を抑制する作用を呈する。
【0007】しかし、市販されている防カビ剤や工業用
防カビ剤は、高価なものが多く、安価な親水性プレコー
トのコストを上昇される原因として敬遠されがちであ
る。しかも、人体や環境に対する安全性や塗料との相溶
性等の点で未解決の問題が多い。更に、従来の防カビ剤
は、塗料中で増殖し易いクモノスカビに対しては繁殖抑
制作用を呈さない。本発明は、このような問題を解消す
べく案出されたものであり、防カビ性を付与する有効成
分としてパラヒドロキシ安息香酸ブチルを使用すること
により、耐食性,耐久性,施工性等を損なうことなく防
カビ性を改善し、環境に対して無害な親水性皮膜を金属
表面に形成することを目的とする。
防カビ剤は、高価なものが多く、安価な親水性プレコー
トのコストを上昇される原因として敬遠されがちであ
る。しかも、人体や環境に対する安全性や塗料との相溶
性等の点で未解決の問題が多い。更に、従来の防カビ剤
は、塗料中で増殖し易いクモノスカビに対しては繁殖抑
制作用を呈さない。本発明は、このような問題を解消す
べく案出されたものであり、防カビ性を付与する有効成
分としてパラヒドロキシ安息香酸ブチルを使用すること
により、耐食性,耐久性,施工性等を損なうことなく防
カビ性を改善し、環境に対して無害な親水性皮膜を金属
表面に形成することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の防カビ用親水性
金属表面処理剤は、その目的を達成するため、皮膜形成
成分として水溶性樹脂,親水性付与成分としてシリカ源
及び防カビ性付与成分としてパラヒドロキシ安息香酸ブ
チルを含むことを特徴とする。代表的な水溶性樹脂とし
ては、水溶性又は水分散性のポリアクリル酸又はそのエ
ステル等のアクリル酸ポリマーが使用される。たとえ
ば、アクリル酸,アクリル酸メチル,アクリル酸エチ
ル,アクリル酸イソプロピル,アクリル酸n−ブチル,
アクリル酸2−エチル,メタクリル酸,メタクリル酸メ
チル,メタクリル酸エチル,メタクリル酸イソプロピ
ル,メタクリル酸n−ブチル,メタクリル酸イソブチ
ル,マレイン酸,イタコン酸等がある。
金属表面処理剤は、その目的を達成するため、皮膜形成
成分として水溶性樹脂,親水性付与成分としてシリカ源
及び防カビ性付与成分としてパラヒドロキシ安息香酸ブ
チルを含むことを特徴とする。代表的な水溶性樹脂とし
ては、水溶性又は水分散性のポリアクリル酸又はそのエ
ステル等のアクリル酸ポリマーが使用される。たとえ
ば、アクリル酸,アクリル酸メチル,アクリル酸エチ
ル,アクリル酸イソプロピル,アクリル酸n−ブチル,
アクリル酸2−エチル,メタクリル酸,メタクリル酸メ
チル,メタクリル酸エチル,メタクリル酸イソプロピ
ル,メタクリル酸n−ブチル,メタクリル酸イソブチ
ル,マレイン酸,イタコン酸等がある。
【0009】アクリル酸ポリマーは、バナジウム化合物
等の架橋剤と架橋反応を起こし、水に対して不溶性にな
る。そのため、架橋剤を併用するとき、水溶性のアクリ
ル酸ポリマーでは、平均分子量10,000〜300,
000をもつものが望ましい。水分散型エマルジョンタ
イプのアクリル酸ポリマーでは、分子量に関する制約は
特にない。アクリル酸ポリマーの配合量は、ポリマー前
駆体が固形分として1〜50g/lの範囲になるように
設定することが好ましい。皮膜に親水性を付与するシリ
カ源は、シリカ粉末及び/又はケイ酸塩の状態で使用さ
れる。シリカには、たとえば無水シリカ,コロイダルシ
リカ,ヒュームドシリカ,アモルファスシリカ等があ
る。ケイ酸塩には、珪酸ナトリウム,珪酸カリウム,ケ
イ酸のアルカリ土類金属塩,ケイ酸アルミニウム等があ
る。シリカ源は、粉末として添加する場合、一次粒子及
び二次粒子共に50%以上が1μm以下の微粒として使
用することが好ましい。
等の架橋剤と架橋反応を起こし、水に対して不溶性にな
る。そのため、架橋剤を併用するとき、水溶性のアクリ
ル酸ポリマーでは、平均分子量10,000〜300,
000をもつものが望ましい。水分散型エマルジョンタ
イプのアクリル酸ポリマーでは、分子量に関する制約は
特にない。アクリル酸ポリマーの配合量は、ポリマー前
駆体が固形分として1〜50g/lの範囲になるように
設定することが好ましい。皮膜に親水性を付与するシリ
カ源は、シリカ粉末及び/又はケイ酸塩の状態で使用さ
れる。シリカには、たとえば無水シリカ,コロイダルシ
リカ,ヒュームドシリカ,アモルファスシリカ等があ
る。ケイ酸塩には、珪酸ナトリウム,珪酸カリウム,ケ
イ酸のアルカリ土類金属塩,ケイ酸アルミニウム等があ
る。シリカ源は、粉末として添加する場合、一次粒子及
び二次粒子共に50%以上が1μm以下の微粒として使
用することが好ましい。
【0010】シリカ源は、SiO2 換算で1g/lより
少ないと親水性の改善が不十分である。逆に50g/l
を超える含有量では、形成された皮膜が硬くなり、後続
する成形工程等で金型の摩耗を促進させる原因となる。
パラヒドロキシ安息香酸ブチルは、次の構造式をもち、
親水性皮膜の防カビ性を向上させる。パラヒドロキシ安
息香酸ブチルの添加量は、所与の防カビ能を得る上で
0.1〜1重量%の範囲に設定することが好ましい。パ
ラヒドロキシ安息香酸ブチルの添加量が0.1重量%未
満であると、防カビ効果が薄く、特に焼付け工程によっ
て抗菌作用が劣化する。パラヒドロキシ安息香酸ブチル
による防カビ作用の向上は、1重量%で飽和する。ま
た、1重量%を超える多量のパラヒドロキシ安息香酸ブ
チルを含有させると、表面処理剤のコストが上昇するば
かりでなく、塗料に対する溶解性も低下する。
少ないと親水性の改善が不十分である。逆に50g/l
を超える含有量では、形成された皮膜が硬くなり、後続
する成形工程等で金型の摩耗を促進させる原因となる。
パラヒドロキシ安息香酸ブチルは、次の構造式をもち、
親水性皮膜の防カビ性を向上させる。パラヒドロキシ安
息香酸ブチルの添加量は、所与の防カビ能を得る上で
0.1〜1重量%の範囲に設定することが好ましい。パ
ラヒドロキシ安息香酸ブチルの添加量が0.1重量%未
満であると、防カビ効果が薄く、特に焼付け工程によっ
て抗菌作用が劣化する。パラヒドロキシ安息香酸ブチル
による防カビ作用の向上は、1重量%で飽和する。ま
た、1重量%を超える多量のパラヒドロキシ安息香酸ブ
チルを含有させると、表面処理剤のコストが上昇するば
かりでなく、塗料に対する溶解性も低下する。
【化1】
【0011】本発明で使用する親水性金属表面処理剤
は、この他にバナジウム化合物,炭酸アルカリ,界面活
性剤及びフッ酸の1種又は2種以上を補助成分として含
むことができる。バナジウム化合物は、ポリアクリル酸
と架橋反応し、防食作用を呈する密着性に優れた皮膜を
金属表面に形成する成分である。使用可能なバナジウム
化合物には、代表的なものにバナジン酸アンモニウム及
び五酸化バナジウムがある。また、金属バナジウムを硝
酸,フッ酸,フッ化水素酸等の酸液に溶解し、過剰の酸
を揮散させたものや、オキシ塩化バナジル,塩化バナジ
ル,バナジン酸カリウム,バナジン酸ナトリウム等を使
用することもできる。
は、この他にバナジウム化合物,炭酸アルカリ,界面活
性剤及びフッ酸の1種又は2種以上を補助成分として含
むことができる。バナジウム化合物は、ポリアクリル酸
と架橋反応し、防食作用を呈する密着性に優れた皮膜を
金属表面に形成する成分である。使用可能なバナジウム
化合物には、代表的なものにバナジン酸アンモニウム及
び五酸化バナジウムがある。また、金属バナジウムを硝
酸,フッ酸,フッ化水素酸等の酸液に溶解し、過剰の酸
を揮散させたものや、オキシ塩化バナジル,塩化バナジ
ル,バナジン酸カリウム,バナジン酸ナトリウム等を使
用することもできる。
【0012】バナジウム化合物を添加するとき、V換算
で1〜10g/lの範囲に含有量を設定することが望ま
しい。バナジウム化合物の含有量が1g/lより少ない
と架橋反応が十分に進行せず、形成された皮膜の耐食性
が劣る。バナジウム化合物の添加作用は、10g/l程
度で飽和し、それ以上添加しても増量に見合った効果が
得られない。アクリル酸ポリマーの固形分(樹脂部)が
1g/lより少ないと耐食性に寄与する皮膜が十分に形
成されず、逆に50g/lを超える添加量では皮膜の親
水性が低下する。
で1〜10g/lの範囲に含有量を設定することが望ま
しい。バナジウム化合物の含有量が1g/lより少ない
と架橋反応が十分に進行せず、形成された皮膜の耐食性
が劣る。バナジウム化合物の添加作用は、10g/l程
度で飽和し、それ以上添加しても増量に見合った効果が
得られない。アクリル酸ポリマーの固形分(樹脂部)が
1g/lより少ないと耐食性に寄与する皮膜が十分に形
成されず、逆に50g/lを超える添加量では皮膜の親
水性が低下する。
【0013】この系の親水性金属表面処理剤にpH調整
剤として水溶性炭酸塩を添加するとき、溶液の安定性が
改善され、形成された皮膜の親水性も向上する。水溶性
炭酸塩としては、炭酸水素カリウム,炭酸水素ナトリウ
ム,炭酸水素アンモニウム,セスキ炭酸ナトリウム等が
使用される。特に、シリカ源としてコロイダルシリカを
用いる場合、良好な親水性を得るためにpH7〜11に
なるような添加量で水溶性炭酸塩を添加することが好ま
しい。また、皮膜が形成された後で、更に水溶性炭酸塩
を塗布・乾燥させるとき、皮膜の親水性が一層向上す
る。なお、この場合、水溶性炭酸塩に代えて、界面活性
剤を使用することもできる。形成された塗膜の初期親水
性を向上させるため、適宜の界面活性剤を配合すること
もできる。界面活性剤としては、アルキルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム,アルキルジフェニルエーテルジスル
ホン酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤やフッ素系
界面活性剤が使用される。
剤として水溶性炭酸塩を添加するとき、溶液の安定性が
改善され、形成された皮膜の親水性も向上する。水溶性
炭酸塩としては、炭酸水素カリウム,炭酸水素ナトリウ
ム,炭酸水素アンモニウム,セスキ炭酸ナトリウム等が
使用される。特に、シリカ源としてコロイダルシリカを
用いる場合、良好な親水性を得るためにpH7〜11に
なるような添加量で水溶性炭酸塩を添加することが好ま
しい。また、皮膜が形成された後で、更に水溶性炭酸塩
を塗布・乾燥させるとき、皮膜の親水性が一層向上す
る。なお、この場合、水溶性炭酸塩に代えて、界面活性
剤を使用することもできる。形成された塗膜の初期親水
性を向上させるため、適宜の界面活性剤を配合すること
もできる。界面活性剤としては、アルキルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム,アルキルジフェニルエーテルジスル
ホン酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤やフッ素系
界面活性剤が使用される。
【0014】助剤として含まれるフッ酸又は可溶性フッ
酸塩は、基材表面をエッチングすることによって皮膜の
密着性を向上させると共に、基材金属とバナジウム化合
物との反応生成物を主体とする皮膜に良好な耐食性を付
与する作用を呈する。その詳細なメカニズムは不明であ
るが、フッ酸又は可溶性フッ酸塩がバナジウム化合物と
協動的に基材金属に作用すると共に、シリカ粒子に軽度
の溶解作用を与えアクリル酸ポリマー中にシリカ粒子を
微細に分散させ、緻密で耐久性及び耐食性に優れた親水
性皮膜を形成するものと推察される。使用可能な可溶性
フッ酸塩としては、フッ化ケイ素,フッ化硼素,フッ化
チタニウム,フッ化ジルコニウム,フッ化亜鉛等があ
る。フッ化物に由来するF- イオンが0.1g/l未満
であると、アルミ表面のエッチング量が不足し密着性の
向上がみられず、逆に5g/lを超えると金属表面がエ
ッチング過多になりやすい。
酸塩は、基材表面をエッチングすることによって皮膜の
密着性を向上させると共に、基材金属とバナジウム化合
物との反応生成物を主体とする皮膜に良好な耐食性を付
与する作用を呈する。その詳細なメカニズムは不明であ
るが、フッ酸又は可溶性フッ酸塩がバナジウム化合物と
協動的に基材金属に作用すると共に、シリカ粒子に軽度
の溶解作用を与えアクリル酸ポリマー中にシリカ粒子を
微細に分散させ、緻密で耐久性及び耐食性に優れた親水
性皮膜を形成するものと推察される。使用可能な可溶性
フッ酸塩としては、フッ化ケイ素,フッ化硼素,フッ化
チタニウム,フッ化ジルコニウム,フッ化亜鉛等があ
る。フッ化物に由来するF- イオンが0.1g/l未満
であると、アルミ表面のエッチング量が不足し密着性の
向上がみられず、逆に5g/lを超えると金属表面がエ
ッチング過多になりやすい。
【0015】本発明の親水性金属表面処理剤は、更に耐
食性を付与する増粘剤としてセルロースを含むことがで
きる。たとえば、カルボキシメチルセルロースのナトリ
ウム塩,カリウム塩,アンモニウム塩,ヒドロキシエチ
ルセルロース等の増粘剤を必要に応じて適量添加し、塗
布形態に適した粘度に表面処理剤を調整する。これらの
各成分を水,脱イオン水,純水等に添加し、表面処理剤
を調製する。また、必要に応じてカルボキシメチルセル
ロースナトリウム(CMC)等の増粘剤を添加し、塗布
形態に適した粘度に表面処理剤を調整する。金属表面に
対する塗布量は、好ましくは乾燥後に付着量250mg
/m2 以上の塗膜が形成される量に設定される。塗布手
段としては、ロール塗り,ハケ塗り,浸漬法,スプレー
等が採用される。
食性を付与する増粘剤としてセルロースを含むことがで
きる。たとえば、カルボキシメチルセルロースのナトリ
ウム塩,カリウム塩,アンモニウム塩,ヒドロキシエチ
ルセルロース等の増粘剤を必要に応じて適量添加し、塗
布形態に適した粘度に表面処理剤を調整する。これらの
各成分を水,脱イオン水,純水等に添加し、表面処理剤
を調製する。また、必要に応じてカルボキシメチルセル
ロースナトリウム(CMC)等の増粘剤を添加し、塗布
形態に適した粘度に表面処理剤を調整する。金属表面に
対する塗布量は、好ましくは乾燥後に付着量250mg
/m2 以上の塗膜が形成される量に設定される。塗布手
段としては、ロール塗り,ハケ塗り,浸漬法,スプレー
等が採用される。
【0016】親水性金属表面処理剤が塗布された金属表
面は、温度50〜260℃,好ましくは180〜250
℃の温度に20秒〜30分保持することにより乾燥す
る。パラヒドロキシ安息香酸ブチルの熱分解を避ける上
では、室温での風乾が好ましい。風乾は、パラヒドロキ
シ安息香酸ブチルの添加量が少ない場合に特に有効であ
る。しかし、風乾では金属表面が完全に乾燥するまでに
長時間を要し、作業性の低下が否めない。また、ライン
中における自然乾燥を採用すると、乾燥機自体が不要に
なるものの、長い乾燥ゾーンが必要になる。この点で、
乾燥温度を50℃以上にすることが好ましい。180〜
250℃の温度範囲で乾燥温度を高く設定すると、短時
間で乾燥を完了させることができる。たとえば、乾燥温
度が180℃以上の高温では、20〜60秒の短い乾燥
時間でよい。しかし、260℃を超える乾燥温度では、
高温化に見合った効果が得られず、パラヒドロキシ安息
香酸ブチルの分解を促し、却って基体金属の材料強度を
低下させる等の悪影響が生じる。
面は、温度50〜260℃,好ましくは180〜250
℃の温度に20秒〜30分保持することにより乾燥す
る。パラヒドロキシ安息香酸ブチルの熱分解を避ける上
では、室温での風乾が好ましい。風乾は、パラヒドロキ
シ安息香酸ブチルの添加量が少ない場合に特に有効であ
る。しかし、風乾では金属表面が完全に乾燥するまでに
長時間を要し、作業性の低下が否めない。また、ライン
中における自然乾燥を採用すると、乾燥機自体が不要に
なるものの、長い乾燥ゾーンが必要になる。この点で、
乾燥温度を50℃以上にすることが好ましい。180〜
250℃の温度範囲で乾燥温度を高く設定すると、短時
間で乾燥を完了させることができる。たとえば、乾燥温
度が180℃以上の高温では、20〜60秒の短い乾燥
時間でよい。しかし、260℃を超える乾燥温度では、
高温化に見合った効果が得られず、パラヒドロキシ安息
香酸ブチルの分解を促し、却って基体金属の材料強度を
低下させる等の悪影響が生じる。
【0017】乾燥が不十分な場合、金属表面に塗布され
た親水性金属表面処理剤の皮膜化が不十分且つ不均一に
なる。その結果、所望の性能が発揮されない皮膜が形成
される。そこで、乾燥温度にもよるが、20秒以上の乾
燥処理を金属表面に施す。しかし、30分を超える乾燥
時間では作業効率の低下を招くため、温度を高めに設定
し、乾燥時間の短縮化を図る。乾燥後の金属表面に、親
水性塗膜が形成される。親水性塗膜の付着量は、親水
性,耐食性,耐久性等について所与の特性を得る上から
250mg/m2 以上であることが好ましい。付着量が
250mg/m2 未満であると、金属表面に十分な親水
性が付与されない。また、形成された親水性塗膜が島状
になり易く、金属表面に対する密着性も低下する。形成
された親水性塗膜に更に水溶性炭酸塩,界面活性剤等を
塗布し、乾燥させても良い。この後処理によって、塗膜
の親水性が更に向上する。
た親水性金属表面処理剤の皮膜化が不十分且つ不均一に
なる。その結果、所望の性能が発揮されない皮膜が形成
される。そこで、乾燥温度にもよるが、20秒以上の乾
燥処理を金属表面に施す。しかし、30分を超える乾燥
時間では作業効率の低下を招くため、温度を高めに設定
し、乾燥時間の短縮化を図る。乾燥後の金属表面に、親
水性塗膜が形成される。親水性塗膜の付着量は、親水
性,耐食性,耐久性等について所与の特性を得る上から
250mg/m2 以上であることが好ましい。付着量が
250mg/m2 未満であると、金属表面に十分な親水
性が付与されない。また、形成された親水性塗膜が島状
になり易く、金属表面に対する密着性も低下する。形成
された親水性塗膜に更に水溶性炭酸塩,界面活性剤等を
塗布し、乾燥させても良い。この後処理によって、塗膜
の親水性が更に向上する。
【0018】
【作用】本発明の親水性金属表面処理剤に含まれるパラ
ヒドロキシ安息香酸ブチルは、Al表面に形成される親
水性皮膜として要求される物性を満足するように、食品
添加物として許容されている各種防カビ剤の中から選び
出したものであり、人体や環境に悪影響を与えることは
ない。パラヒドロキシ安息香酸ブチルは、ヒドロキシ安
息香酸エチルやヒドロキシ安息香酸プロピルに比較して
も、後述する実施例で具体的に示すように溶解性,親水
性等を阻害することなく、良好な防カビ性を呈する。し
かも、パラヒドロキシ安息香酸ブチルは、従来の防カビ
剤によっては抑制することができなかったクモノスカビ
に対しても有効に作用する。そのため、カビ発生による
表面劣化,臭気発生や親水性低下を招くことなく、耐久
性に優れた親水性金属表面を維持することが可能とな
る。
ヒドロキシ安息香酸ブチルは、Al表面に形成される親
水性皮膜として要求される物性を満足するように、食品
添加物として許容されている各種防カビ剤の中から選び
出したものであり、人体や環境に悪影響を与えることは
ない。パラヒドロキシ安息香酸ブチルは、ヒドロキシ安
息香酸エチルやヒドロキシ安息香酸プロピルに比較して
も、後述する実施例で具体的に示すように溶解性,親水
性等を阻害することなく、良好な防カビ性を呈する。し
かも、パラヒドロキシ安息香酸ブチルは、従来の防カビ
剤によっては抑制することができなかったクモノスカビ
に対しても有効に作用する。そのため、カビ発生による
表面劣化,臭気発生や親水性低下を招くことなく、耐久
性に優れた親水性金属表面を維持することが可能とな
る。
【0019】
実施例1:親水性皮膜形成用溶液として、ポリアクリル
酸0.5重量%,水ガラス2.5重量%,カルボキシメ
チルセルロース0.15重量%,バナジン酸アンモニウ
ム0.1重量%,フッ化水素酸0.04重量%及び残部
水を基本組成とする塗料A、及びポリアクリル酸0.3
0重量%,コロイダルシリカ4重量%,カルボキシメチ
ルセルロース0.15重量%,バナジン酸アンモニウム
0.1重量%及び残部水を基本組成とする塗料Bを用意
した。これら塗料A及びBに、各種の防カビ剤を0.1
重量%添加した。
酸0.5重量%,水ガラス2.5重量%,カルボキシメ
チルセルロース0.15重量%,バナジン酸アンモニウ
ム0.1重量%,フッ化水素酸0.04重量%及び残部
水を基本組成とする塗料A、及びポリアクリル酸0.3
0重量%,コロイダルシリカ4重量%,カルボキシメチ
ルセルロース0.15重量%,バナジン酸アンモニウム
0.1重量%及び残部水を基本組成とする塗料Bを用意
した。これら塗料A及びBに、各種の防カビ剤を0.1
重量%添加した。
【0020】調製された親水性皮膜形成用溶液を厚み
0.10mmのアルミニウム合金箔AA3102に塗布
し、風乾した。このとき、乾燥後の親水性皮膜の付着量
が250mg/m2 となるように塗布量を調整した。親
水性皮膜の親水性は、皮膜形成後のAl面に水滴10μ
lを載せ、1分後の水滴の直径を測定することによって
調査した。直径8mm以上の範囲に水滴が広がるもの
は、従来の親水性金属表面に比較して濡れ性、すなわち
親水性が良好なものである。
0.10mmのアルミニウム合金箔AA3102に塗布
し、風乾した。このとき、乾燥後の親水性皮膜の付着量
が250mg/m2 となるように塗布量を調整した。親
水性皮膜の親水性は、皮膜形成後のAl面に水滴10μ
lを載せ、1分後の水滴の直径を測定することによって
調査した。直径8mm以上の範囲に水滴が広がるもの
は、従来の親水性金属表面に比較して濡れ性、すなわち
親水性が良好なものである。
【0021】防カビ性は、次のように調査した。各種防
カビ剤添加溶液から形成された親水性皮膜を表面に有す
るAl板試験片の上にカビ懸濁液を散布し、30℃に3
0日間静置しカビを培養した。そして、試験片表面にお
けるカビの発育状況を観察し、カビの発育が全くみられ
ないものを0,試験片表面に対する面積率で10以下の
カビが発育しているものを1,カビ発育面積が10〜2
0%の範囲にあるものを2,カビ発育面積が30〜60
%の範囲にあるものを3,カビ発育状況が面積率60%
から試験片全面に至ったものを4として5段階評価し
た。これらの試験結果を、表1に示す。なお、表1にお
ける溶解性は、各種防カビ剤0.1重量%を水溶液に添
加したときに完全に溶解したものを○,懸濁物が検出さ
れたものを×として評価した。
カビ剤添加溶液から形成された親水性皮膜を表面に有す
るAl板試験片の上にカビ懸濁液を散布し、30℃に3
0日間静置しカビを培養した。そして、試験片表面にお
けるカビの発育状況を観察し、カビの発育が全くみられ
ないものを0,試験片表面に対する面積率で10以下の
カビが発育しているものを1,カビ発育面積が10〜2
0%の範囲にあるものを2,カビ発育面積が30〜60
%の範囲にあるものを3,カビ発育状況が面積率60%
から試験片全面に至ったものを4として5段階評価し
た。これらの試験結果を、表1に示す。なお、表1にお
ける溶解性は、各種防カビ剤0.1重量%を水溶液に添
加したときに完全に溶解したものを○,懸濁物が検出さ
れたものを×として評価した。
【0022】表1から明らかなように、パラヒドロキシ
安息香酸ブチルは、他の防カビ剤に比較して親水性の実
質的な低下を来すことなく、優れた防カビ性をもつ皮膜
形成に有効であることが判る。また、塗料A及び塗料B
の試験結果の比較によって明らかなように、塗料の成分
系が多少変わっても防カビ能が維持される。これに対
し、塗料Aの成分系において防カビ性に有効な2(4チ
アゾイル)ベンズイミダゾール及び2メルカプトベンゾ
チアゾールは、形成した皮膜の親水性を大幅に低下さ
せ、塗料Bの成分系においては防カビ性も有効に発揮さ
れていない。逆に、p−クロロ−m−クレゾールは、塗
料Aの成分系における防カビ能が劣っている。それ以外
の防カビ剤を添加したものでは、親水性に大きな低下は
見られないものの、十分な防カビ性が得られなかった。
安息香酸ブチルは、他の防カビ剤に比較して親水性の実
質的な低下を来すことなく、優れた防カビ性をもつ皮膜
形成に有効であることが判る。また、塗料A及び塗料B
の試験結果の比較によって明らかなように、塗料の成分
系が多少変わっても防カビ能が維持される。これに対
し、塗料Aの成分系において防カビ性に有効な2(4チ
アゾイル)ベンズイミダゾール及び2メルカプトベンゾ
チアゾールは、形成した皮膜の親水性を大幅に低下さ
せ、塗料Bの成分系においては防カビ性も有効に発揮さ
れていない。逆に、p−クロロ−m−クレゾールは、塗
料Aの成分系における防カビ能が劣っている。それ以外
の防カビ剤を添加したものでは、親水性に大きな低下は
見られないものの、十分な防カビ性が得られなかった。
【表1】
【0023】実施例2:ポリアクリル酸0.5重量%,
水ガラス2.5重量%,カルボキシメチルセルロース
0.15重量%,バナジン酸アンモニウム0.1重量%
及びフッ化水素酸0.04重量%を水に溶解した溶液
に、表2に示す添加量でパラヒドロキシ安息香酸ブチル
を添加した。各溶液をAl表面に乾燥塗膜換算付着量2
50mg/m2 の割合で塗布し、240℃に1分間加熱
する乾燥を施した。親水性皮膜が形成された試験片を、
JIS Z2371に準拠した塩水噴霧試験(SST)
に供した。すなわち、35℃に保持された5%濃度の食
塩水を、21日間継続して試験片表面に噴霧した。
水ガラス2.5重量%,カルボキシメチルセルロース
0.15重量%,バナジン酸アンモニウム0.1重量%
及びフッ化水素酸0.04重量%を水に溶解した溶液
に、表2に示す添加量でパラヒドロキシ安息香酸ブチル
を添加した。各溶液をAl表面に乾燥塗膜換算付着量2
50mg/m2 の割合で塗布し、240℃に1分間加熱
する乾燥を施した。親水性皮膜が形成された試験片を、
JIS Z2371に準拠した塩水噴霧試験(SST)
に供した。すなわち、35℃に保持された5%濃度の食
塩水を、21日間継続して試験片表面に噴霧した。
【0024】塩水噴霧試験後の試験片表面を観察し、親
水性皮膜の密着状況を調査した。その結果、何れの試験
片も、形成直後と実質的に変わらない優れた密着性の親
水性皮膜をもっていた。また、試験片表面の観察結果に
基づいて耐食性を判定したところ、何れの試験片も塩水
噴霧前と同じ初期光沢をもつ優れた耐食性を呈してい
た。耐食性は、湿潤試験によっても調査した。湿潤試験
では、親水性皮膜が形成された試験片を温度50℃及び
相対湿度98%の恒温恒湿槽に入れ、21日間放置した
後、同様に試験片の表面状態から耐食性を判定した。こ
れらの試験結果から、パラヒドロキシ安息香酸ブチルを
添加した溶液を使用しても、耐食性及び密着性において
何ら遜色のない親水性皮膜が形成されることが確認され
た。
水性皮膜の密着状況を調査した。その結果、何れの試験
片も、形成直後と実質的に変わらない優れた密着性の親
水性皮膜をもっていた。また、試験片表面の観察結果に
基づいて耐食性を判定したところ、何れの試験片も塩水
噴霧前と同じ初期光沢をもつ優れた耐食性を呈してい
た。耐食性は、湿潤試験によっても調査した。湿潤試験
では、親水性皮膜が形成された試験片を温度50℃及び
相対湿度98%の恒温恒湿槽に入れ、21日間放置した
後、同様に試験片の表面状態から耐食性を判定した。こ
れらの試験結果から、パラヒドロキシ安息香酸ブチルを
添加した溶液を使用しても、耐食性及び密着性において
何ら遜色のない親水性皮膜が形成されることが確認され
た。
【0025】更に、JIS Z2911に準拠した試験
法及び実施例1と同じ試験法により、防カビ性を調査し
た。前者の試験法においては、寒天培地(栄養素)の中
央に載せ、その上にカビの懸濁液を散布し、7日間30
℃で培養した後、実施例1と同様にカビの発育状況を5
段階評価した。JIS Z2911に準拠した試験法に
より得られた結果を防カビ性1とし、実施例1と同じ試
験法により得られた結果を防カビ性2として表2に示
す。なお、表2においては、実施例1と同じ試験方法で
測定した初期親水性を併せ示した。
法及び実施例1と同じ試験法により、防カビ性を調査し
た。前者の試験法においては、寒天培地(栄養素)の中
央に載せ、その上にカビの懸濁液を散布し、7日間30
℃で培養した後、実施例1と同様にカビの発育状況を5
段階評価した。JIS Z2911に準拠した試験法に
より得られた結果を防カビ性1とし、実施例1と同じ試
験法により得られた結果を防カビ性2として表2に示
す。なお、表2においては、実施例1と同じ試験方法で
測定した初期親水性を併せ示した。
【表2】
【0026】表2から明らかなように、0.1〜1.0
重量%のパラヒドロキシ安息香酸ブチルを添加した溶液
から形成された親水性皮膜は、初期親水性が実質的に低
下することなく或いは若干低下するものの、十分に優れ
た防カビ性を呈することが判る。この点、パラヒドロキ
シ安息香酸ブチルの添加量が少ない試験番号15では、
無添加の試験番号14に比較して初期親水性の低下はな
いものの、防カビ性に目立った改善が行われていない。
他方、多量のパラヒドロキシ安息香酸ブチルを添加した
試験番号19では、優れた防カビ性が得られるものの、
親水性の低下傾向が顕著となる。
重量%のパラヒドロキシ安息香酸ブチルを添加した溶液
から形成された親水性皮膜は、初期親水性が実質的に低
下することなく或いは若干低下するものの、十分に優れ
た防カビ性を呈することが判る。この点、パラヒドロキ
シ安息香酸ブチルの添加量が少ない試験番号15では、
無添加の試験番号14に比較して初期親水性の低下はな
いものの、防カビ性に目立った改善が行われていない。
他方、多量のパラヒドロキシ安息香酸ブチルを添加した
試験番号19では、優れた防カビ性が得られるものの、
親水性の低下傾向が顕著となる。
【0027】実施例3:ポリアクリル酸0.3重量%,
コロイダルシリカ0.8重量%,カルボキシメチルセル
ロース0.15重量%,バナジン酸アンモニウム0.1
重量%及び炭酸カリウム0.5重量%を水に溶解した溶
液に、各種濃度でパラヒドロキシ安息香酸ブチルを添加
し、実施例2と同様に耐食性及び皮膜密着性を調査し
た。この場合も、パラヒドロキシ安息香酸ブチルの添加
によって耐食性及び皮膜密着性が低下しないことが確認
された。また、同様にして防カビ性及び初期親水性を調
査した結果を表3に示す。表3から明らかなように、
0.1〜1.0重量%のパラヒドロキシ安息香酸ブチル
を添加した溶液から形成された親水性皮膜は、初期親水
性が実質的に低下することなく或いは若干低下するもの
の、十分に優れた防カビ性を呈することが判る。
コロイダルシリカ0.8重量%,カルボキシメチルセル
ロース0.15重量%,バナジン酸アンモニウム0.1
重量%及び炭酸カリウム0.5重量%を水に溶解した溶
液に、各種濃度でパラヒドロキシ安息香酸ブチルを添加
し、実施例2と同様に耐食性及び皮膜密着性を調査し
た。この場合も、パラヒドロキシ安息香酸ブチルの添加
によって耐食性及び皮膜密着性が低下しないことが確認
された。また、同様にして防カビ性及び初期親水性を調
査した結果を表3に示す。表3から明らかなように、
0.1〜1.0重量%のパラヒドロキシ安息香酸ブチル
を添加した溶液から形成された親水性皮膜は、初期親水
性が実質的に低下することなく或いは若干低下するもの
の、十分に優れた防カビ性を呈することが判る。
【表3】
【0028】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、防カビ剤としてパラヒドロキシ安息香酸ブチルを配
合することにより、親水性,耐食性,皮膜密着性等の低
下を来すことなく、防カビ性に優れた親水性皮膜をAl
等の金属表面に形成することができる。使用される親水
性金属表面処理剤は、6価クロム等の有害金属を含んで
いないため、環境に悪影響を及ぼすことがない。また、
親水性が付与された金属材料を、たとえば熱交換器のフ
ィン等として使用するとき、凝縮した水分がフィン表面
で球状に溜ることによって通風抵抗を増加させることや
カビ発生を起因とする不快な臭気の発生がなく、熱交換
能力を初期の高い状態に維持することが可能となる。ま
た、親水性金属表面処理剤で処理された金属材料は、そ
の優れた表面性状,親水性,耐久性等を活かし、フィン
以外のたとえば水回り構造材としても使用される。
は、防カビ剤としてパラヒドロキシ安息香酸ブチルを配
合することにより、親水性,耐食性,皮膜密着性等の低
下を来すことなく、防カビ性に優れた親水性皮膜をAl
等の金属表面に形成することができる。使用される親水
性金属表面処理剤は、6価クロム等の有害金属を含んで
いないため、環境に悪影響を及ぼすことがない。また、
親水性が付与された金属材料を、たとえば熱交換器のフ
ィン等として使用するとき、凝縮した水分がフィン表面
で球状に溜ることによって通風抵抗を増加させることや
カビ発生を起因とする不快な臭気の発生がなく、熱交換
能力を初期の高い状態に維持することが可能となる。ま
た、親水性金属表面処理剤で処理された金属材料は、そ
の優れた表面性状,親水性,耐久性等を活かし、フィン
以外のたとえば水回り構造材としても使用される。
フロントページの続き (72)発明者 望月 豊 静岡県庵原郡蒲原町蒲原1丁目34番1号 株式会社日軽技研内
Claims (10)
- 【請求項1】 皮膜形成成分として水溶性樹脂,親水性
付与成分としてシリカ源及び防カビ性付与成分としてパ
ラヒドロキシ安息香酸ブチルを含むことを特徴とする防
カビ用親水性金属表面処理剤。 - 【請求項2】 水溶性アクリル酸,水分散性アクリル
酸,それらのエステルから選ばれた1種又は2種以上の
ポリアクリル酸を水溶性樹脂として使用する請求項1記
載の防カビ用親水性金属表面処理剤。 - 【請求項3】 超微粒子状無水シリカ,コロイダルシリ
カ,アルカリ金属ケイ酸塩から選ばれた1種又は2種以
上をシリカ源として使用する請求項1又は2記載の防カ
ビ用親水性金属表面処理剤。 - 【請求項4】 パラヒドロキシ安息香酸ブチルの含有量
が0.1〜1重量%である請求項1〜3の何れかに記載
の防カビ用親水性金属表面処理剤。 - 【請求項5】 バナジウム化合物,炭酸アルカリ,界面
活性剤及びフッ酸の1種又は2種以上を補助成分として
含む請求項1〜4の何れかに記載の防カビ用親水性金属
表面処理剤。 - 【請求項6】 カルボキシメチルセルロースのナトリウ
ム塩,カリウム塩,アンモニウム塩,ヒドロキシエチル
セルロース等の増粘剤が添加された請求項1〜5の何れ
かに記載の防カビ用親水性金属表面処理剤。 - 【請求項7】 アルミニウム材料の表面を脱脂し乾燥さ
せた後、請求項1〜6の何れかに記載の防カビ用親水性
金属表面処理剤を塗布し、風乾又は加熱乾燥することを
特徴とするアルミニウム材料の表面処理方法。 - 【請求項8】 請求項7記載の方法でアルミニウム材料
を表面処理した後、更に水溶性炭酸塩を塗布し乾燥させ
るアルミニウム材料の表面処理方法。 - 【請求項9】 請求項7記載の方法でアルミニウム材料
を表面処理した後、更に界面活性剤を塗布し乾燥させる
アルミニウム材料の表面処理方法。 - 【請求項10】 請求項7〜9の何れかに記載の方法で
防カビ用親水性金属表面処理剤から形成された塗膜が付
着量250mg/m2 以上で形成されているアルミニウ
ム製品。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5055593A JPH06264003A (ja) | 1993-03-11 | 1993-03-11 | アルミニウム材料の表面に防カビ性及び親水性を付与する表面処理 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5055593A JPH06264003A (ja) | 1993-03-11 | 1993-03-11 | アルミニウム材料の表面に防カビ性及び親水性を付与する表面処理 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06264003A true JPH06264003A (ja) | 1994-09-20 |
Family
ID=12862267
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5055593A Pending JPH06264003A (ja) | 1993-03-11 | 1993-03-11 | アルミニウム材料の表面に防カビ性及び親水性を付与する表面処理 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06264003A (ja) |
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5756192A (en) * | 1996-01-16 | 1998-05-26 | Ford Motor Company | Multilayer coating for defrosting glass |
| JPH1121512A (ja) * | 1997-07-01 | 1999-01-26 | Asahi Denka Kogyo Kk | 親水性コーティング用樹脂組成物 |
| JP2000256579A (ja) * | 1999-03-08 | 2000-09-19 | Nippon Light Metal Co Ltd | 親水性塗料組成物及びその組成物からなる親水性皮膜 |
| US6177058B1 (en) * | 1996-03-07 | 2001-01-23 | Alliedsignal Inc. | Hydrogen fluoride compositions |
| JP2001172574A (ja) * | 1999-12-21 | 2001-06-26 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 塗装表面性に優れた水性塗料およびその塗装方法 |
| JP2006080473A (ja) * | 2004-08-10 | 2006-03-23 | Fujitsu Ltd | 回路基板及びこれに用いる密着層用処理液 |
| US11388822B2 (en) | 2020-08-28 | 2022-07-12 | Applied Materials, Inc. | Methods for improved polymer-copper adhesion |
| US20220389238A1 (en) * | 2019-09-27 | 2022-12-08 | Nitto Denko Corporation | Peelable coating film, coating-material set, and coating material for hydrophilic-coating-film formation |
-
1993
- 1993-03-11 JP JP5055593A patent/JPH06264003A/ja active Pending
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|---|---|---|---|---|
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