JPH06264055A - カロテノイド系色素の安定化方法、カロテノイド系色素の安定化組成物、及び当該方法により安定化されたカロテノイド系色素を含有する飼料 - Google Patents

カロテノイド系色素の安定化方法、カロテノイド系色素の安定化組成物、及び当該方法により安定化されたカロテノイド系色素を含有する飼料

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JPH06264055A
JPH06264055A JP5056103A JP5610393A JPH06264055A JP H06264055 A JPH06264055 A JP H06264055A JP 5056103 A JP5056103 A JP 5056103A JP 5610393 A JP5610393 A JP 5610393A JP H06264055 A JPH06264055 A JP H06264055A
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carotenoid
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 食品、医薬品、飼料分野において、着色料又
は医薬原料として有用なカロテノイド系色素の安定化方
法、当該方法により製造された安定化組成物、及び当該
方法により安定化されたカロテノイド系色素を含有する
飼料の提供。 【構成】 2つ以上のカルボキシル基を有する有機酸、
グリシン、アスコルビン酸、若しくはこれらの塩のうち
1種又は2種以上を、好ましくは水の存在下でカロテノ
イド系色素若しくはカロテノイド系色素の含有物に添加
して、当該水処理の後に乾燥することを特徴とする、カ
ロテノイド系色素の安定化方法、カロテノイド系色素の
安定化組成物、並びに当該方法により安定化されたカロ
テノイド系色素を含有する飼料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品、医薬品、飼料分
野において、着色料又は医薬原料として有用なカロテノ
イド系色素の安定化方法、当該方法により製造された安
定化組成物、及び当該方法により安定化されたカロテノ
イド系色素を含有する飼料に関する。
【0002】
【従来の技術】カロテノイド系色素は動植物界に広く分
布する黄色乃至赤色の色素であり、ニンジン、トマト、
キノコ等の植物類;エビ、カニ、タイ、サケ、マス類等
の魚類;藻類、酵母、細菌等の微生物類に広く分布して
いる。カロテノイド系色素は、食品の着色料や医薬原料
として用いられる。さらに、ビタミンAの前駆体とし
て、若しくは抗酸化剤としても用いられている。また、
アスタキサンチン、ゼアキサンチン、ドラデキサンチ
ン、カンタキサンチン、クリプトキサンチン若しくはそ
のエステル等は魚類の色揚げに用いられている。この
他、カロテノイド系色素を含有するパプリカ色素、クチ
ナシ色素等は鶏卵の色揚げ用にも用いられている。
【0003】以上のようにカロテノイド系色素は、種々
の用途を有する有用な色素である。しかしながら、カロ
テノイド系色素は一般に、熱、光、酸素等により容易に
分解され保存時の安定性が悪いという欠点を同時に有す
ることが知られている。かかるカロチノイド系色素が有
する欠点を克服するために種々の手段が現在まで試みら
れている。
【0004】先ず特開昭63-145367 号公報に、カロテノ
イド系色素の安定性を向上させることを目的として、ル
チン等のフラボノイド類、ヒマワリ抽出物、フィチン酸
等の植物抽出物、トコフェロール、アスコルビン酸、ク
エン酸等を添加し得ることが開示されている。しかしな
がら、これらの安定化剤のうちビタミン類、フラボノイ
ド類、植物抽出物は概して高価であり、現実的にはカロ
テノイド系色素の安定剤として採用するのは困難であ
る。さらに、アスコルビン酸やクエン酸をカロテノイド
系色素又はカロテノイド系色素の含有物にそのまま添加
してもその効果は小さく、カロテノイド系色素の安定化
剤として採用するには問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決すべき課
題は、比較的安価な原料を用い、かつ高度にカロテノイ
ド系色素を安定化するカロテノイド系色素の安定化方
法、並びに当該安定化方法により得られた安定化カロテ
ノイド系色素を含有する飼料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討した
結果、安定化剤として一般の有機酸等を用いることがで
きること、さらにかかる有機酸を安定化剤として用いた
安定化処理に際して、水を介在させて乾燥処理を施すこ
とにより上記課題を解決し得る方法が提供され得ること
を見出した。
【0007】すなわち、本発明は以下の事項をその要旨
とするものである。 (1) 2つ以上のカルボキシル基を有する有機酸、グリシ
ン、アスコルビン酸、若しくはこれらの塩のうち1種又
は2種以上をカロテノイド系色素若しくはカロテノイド
系色素の含有物に添加することを特徴とする、カロテノ
イド系色素の安定化方法。
【0008】(2) 2つ以上のカルボキシル基を有する有
機酸、グリシン、アスコルビン酸、若しくはこれらの塩
のうち1種又は2種以上を、水の存在下でカロテノイド
系色素若しくはカロテノイド系色素の含有物に添加し
て、当該水処理の後に乾燥することを特徴とする、カロ
テノイド系色素の安定化方法。 (3) カロテノイド系色素の含有物が、カロテノイド系色
素を含有する細胞、又は当該細胞をアルカリ処理して得
られるものである前記(1)又は(2)に記載されたカロテノ
イド系色素の安定化方法。
【0009】(4) カロテノイド系色素を含有する細胞
が、アスタキサンチンを含有する酵母である前記(3)記
載のカロテノイド系色素の安定化方法。 (5) 2つ以上のカルボキシル基を有する有機酸、グリシ
ン、アスコルビン酸、若しくはこれらの塩のうち1種又
は2種以上、並びにカロテノイド系色素若しくはカロテ
ノイド系色素の含有物を含む組成物。
【0010】(6) カロテノイド系色素がアスタキサンチ
ン、アスタキサンチンと脂肪酸とのエステル、若しくは
アスタキサンチンと蛋白質との複合体である、前記(5)
記載の組成物。 (7) 前記(5)若しくは(6)に記載された組成物を含む飼
料。 (8) カロテノイド系色素がアスタキサンチン、アスタキ
サンチンと脂肪酸とのエステル、又はアスタキサンチン
と蛋白質との複合体である、前記(7)記載の飼料。
【0011】以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明はカロテノイド系色素の安定化剤として、2つ以
上のカルボキシル基を有する有機酸,グリシン,若しく
はアスコルビン酸を用いることを特徴とする。かかる2
つ以上のカルボキシル基を有する有機酸としては、例え
ばクエン酸,リンゴ酸,マロン酸,コハク酸,酒石酸,
フマル酸,マレイン酸,グルタミン酸,アスパラギン酸
等を挙げることができる。これらの2つ以上のカルボキ
シル基を有する有機酸の中で、リンゴ酸は、またグリシ
ンは、その安定化剤としての効果が高く、かつ安価であ
るという点で特に好ましい。
【0012】なお、2つ以上のカルボキシル基を有する
有機酸,グリシン,若しくはアスコルビン酸をを水の存
在下でカロテノイド系色素若しくはカロテノイド系色素
の含有物に添加して、当該水処理の後に乾燥する場合、
2つ以上のカルボキシル基を有する有機酸としては、例
えばクエン酸,リンゴ酸,マロン酸,コハク酸,酒石
酸,フマル酸,マレイン酸,グルタミン酸,アスパラギ
ン酸等を挙げることができる。これらの2つ以上のカル
ボキシル基を有する有機酸のなかで、クエン酸,リンゴ
酸,及びマロン酸は、またアスコルビン酸は、そのカロ
テノイド系色素の安定化効果が高いという点で特に好ま
しい。
【0013】また、本発明において安定化されるべきカ
ロテノイド系色素は、天然物であると合成品であるとを
問わない。例えば、α−カロテン,β−カロテン,γ−
カロテン,アスタキサンチン,カンタキサンチン,ゼア
キサンチン,リコペン,クリプトキサンチン,クロシ
ン,ロドキサンチン等を挙げることが可能であり、これ
らの色素を単独又は組み合わさせて用いることも可能で
ある。また当該カロテノイド系色素と脂肪酸等とのエス
テル、例えばオレイン酸,リノール酸,パルミチン酸,
ミリスチン酸等とのモノエステル若しくはジエステル;
並びにこれらと蛋白質等との複合体、例えばカロテノプ
ロテイン等を用いることができる。これらカロテノイド
系色素等の中で、カロテノイド系色素と脂肪酸とのエス
テルやカロテノイド系色素の単独体は、自然界から容易
にとりだし得るという点において好ましい。なお本発明
においては、カロテノイド系色素として、下記のカロテ
ノイド系色素を含有する細胞若しくは油からの溶媒等に
よる抽出物や酸,アルカリ,酵素等で当該細胞を破砕処
理したものをも包含される。また本発明において安定化
剤として用いられる、前記有機酸の塩としては、ナトリ
ウム,カリウム等のアルカリ金属塩;カルシウム,マグ
ネシウム等のアルカリ土類金属塩が挙げられる。なお、
グリシン,グルタミン酸,及びアスパラギン酸について
は、上記のアルカリ金属塩とアルカリ土類金属塩以外に
塩酸塩,硫酸塩,若しくは有機酸塩であってもよい。
【0014】上記有機酸、グリシン,グルタミン酸,ア
スパラギン酸,及びこれらの塩からなる群から選ばれる
1種又は2種以上の安定剤の添加量は、カロテノイド系
色素若しくはカロテノイド系色素含有物に対して 0.3重
量%以上、好ましくは、アスコルビン酸を除く有機酸に
ついては、安定化すべきカロテノイド系色素若しくはカ
ロテノイド系色素含有物の乾燥物に対して3重量%以上
を、アスコルビン酸については、安定化すべきカロテノ
イド系色素若しくはカロテノイド系色素含有物に対して
0.5重量%を添加する。一般にカロテノイド系色素は水
不溶性であり、上記の有機酸等の安定化剤は水可溶性で
あるため、カロテノイド系色素への当該安定化剤の添加
は、固体状のカロテノイド系色素若しくはカロテノイド
系色素含有物に、固体状若しくは水に溶解した状態の上
記安定化剤を混合添加することによって行われる。な
お、カロテノイド系色素若しくはカロテノイド系色素含
有物の水懸濁液に水溶液状若しくは固体状の上記安定剤
を混合, 溶解し乾燥させることにより、上記安定化剤の
カロテノイド系色素の安定化効果をさらに一層向上させ
ることができる。故に当該添加形態を採るのが特に好ま
しい。なお、かかる混合形態を採る場合には、必要によ
り混合に際し、攪拌下でカロテノイド系色素若しくはカ
ロテノイド系色素含有物と上記安定化剤を混合して均一
化することもできる。
【0015】次に本発明の飼料について説明する。本発
明の飼料は前記の安定化されたカロテノイド系色素等、
又はカロテノイド系色素等と上記安定化剤を含んでなる
飼料である。本発明の飼料におけるカロテノイド系色素
とカロテノイド系色素含有物並びに安定化剤は、前述の
本発明の安定化方法と安定化されたカロテノイド系色素
等の説明において示したものと同じである。また、本発
明飼料において当該カロテノイド系色素及びその含有物
は単独に又は組み合わせて、さらに当該安定化剤も単独
に又は組み合わせて用いられる。
【0016】本発明飼料は、上述の安定化したカロテノ
イド含有物をそのまま飼料として用いてもよいが、これ
を他の飼料原料に添加してなる飼料であってもよい。す
なわち、本発明の飼料中には、魚類やニワトリの飼料に
通常添加する他の飼料原料が含まれていてもよい。ここ
に、飼料に通常添加する飼料原料としては、いわし,さ
んま, さば, いか等の魚肉;魚粉,骨肉粉,大豆粕,コ
ーングルテンミール,酵母,小麦粉,米ぬか,ビタミン
類等の混合物があげられる。
【0017】カロテノイド系色素の当該他の飼料原料へ
の添加方法としては、上記の本発明方法で安定化したカ
ロテノイド系色素若しくはカロテノイド系色素含有物の
乾燥物を、他の飼料原料に添加混合したものでもよい
が、カロテノイド系色素若しくはカロテノイド系色素含
有物に上記安定化剤を水の存在下で添加したものを乾燥
せずに、そのまま飼料原料に添加したものでもよい。ま
た飼料は水を含んだ湿潤状のものでもよく、これを乾燥
したものであってもかまわない。
【0018】本発明飼料の製造方法としては、好ましく
はカロテノイド系色素の水懸濁液に好ましくは水溶液状
の上記安定化剤を添加するか、又は固体状の当該安定化
剤をカロテノイド系色素の水懸濁液に添加後攪拌溶解し
て加えることができる。ここで具体的にカロテノイド系
色素としてアスタキサンチンを含む細胞を用いる本発明
飼料の製造法を以下に示す。
【0019】アスタキサンチンを含む細胞、例えばファ
フィア・ロドチーマ酵母細胞は常法により、ブドウ糖、
麦芽糖、蔗糖、糖蜜等の炭素源、酵母エキス、麦芽エキ
ス、ペプトン、硫安等の有機および無機窒素源、その他
微量栄養源を含有する培地(pH4〜6)において、21
〜25℃で好気的条件下、2〜8日間で培養することがで
きる。
【0020】次に当該細胞を培養した後、この培養物に
アルカリ溶液を加えるか、又は遠心分離等により培養液
と分離した細胞をアルカリ溶液中に浸漬させるか、当該
分離細胞にアルカリ溶液を噴霧することによって、細胞
のアルカリ処理を行う。ここで用いられるアルカリ溶液
としては、例えば水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,
水酸化カルシウム,水酸化マグネシウム,炭酸ナトリウ
ム,炭酸水素ナトリウム等のアルカリ溶液;ホウ酸−炭
酸ナトリウム,塩化アンモニウム−アンモニア,グリシ
ン−水酸化ナトリウム,重炭酸ナトリウム−炭酸ナトリ
ウム,ホウ砂−炭酸ナトリウム,ホウ砂−水酸化ナトリ
ウム,塩酸−炭酸ナトリウム,燐酸水素二ナトリウム−
水酸化ナトリウム等の緩衝液を挙げることができる。か
かるアルカリ溶液はpHを10以上に調整して用いられる。
【0021】上記のアルカリ処理をした細胞にその乾燥
物に対して 0.3重量%の上記安定化剤を加え、混合攪拌
してpHを7以下に下げることにより、カロテノイド系色
素を安定化した飼料を製造することができる。またアル
カリ処理した酵母細胞をpH7以下に中和後、上記の方法
により、上記安定化剤を加えることによってもカロテノ
イド系色素が安定化された飼料を製造することができ
る。これらの安定化した飼料はそのまま飼料として用い
てもよいが、他の飼料原料と混合して用いてもよい。
【0022】本発明飼料は、好ましくは水酸化ナトリウ
ム又は塩酸等でpHを好適な保存条件である5以下に調整
し、懸濁液のまま、又は真空乾燥,凍結乾燥,スプレー
乾燥等により粉体として使用することができる。これら
の安定化した飼料はそのまま飼料として用いてもよい
が、さらに他の飼料原料と混合して用いてもよい。また
本発明飼料は、そのままマダイ,サケ,マス等の魚類又
はニワトリの飼料としてもよいが、湿潤させあるいは乾
燥させて、配合飼料用配合物と混合して、配合飼料とす
ることができる。かかる配合物としては、一般に用いら
れる養殖魚用配合飼料用配合物、例えば魚粉,肉骨粉,
大豆油粕,コーングルテンミール,トルラ酵母,小麦
粉,米糠,油粕,ビタミン等を挙げることができる。ま
た、本発明飼料と配合物を混合して粉状,液状,ペレッ
ト状又はマッシュ状に形成して配合飼料とすることがで
きる。配合飼料中、本発明飼料は0.03〜30重量%の割合
で配合される。
【0023】
【実施例】以下に実施例等を挙げ、本発明をより具体的
に説明する。 〔実施例1〕ニンジンを破砕し水に懸濁させた。これに
乾燥物換算で8重量%のリンゴ酸ナトリウム,マロン酸
ナトリウム,グリシン,ヒマワリ抽出物又はトコフェロ
ールを加え、各検体を真空乾燥により乾燥させた。各検
体を褐色瓶に入れ、70℃の温度で1週間放置した後、ガ
ラスビーズを用いて破砕しアセトンでカロテノイド系色
素を抽出した。抽出液中のカロテノイド系色素を480nm
で吸光光度法により測定した。添加物なしの場合のコン
トロールのカロテノイド残存量を 100%として各検体中
のカロテノイドの相対値を第1表に示した。また合成ア
スタキサンチン(カロフィルピンク;ホフマンロッシュ
製)を40℃の温湯で懸濁液とし、7.5mg/g になるよう
分配し、乾燥物対比で8重量%のリンゴ酸ナトリウム,
マロン酸ナトリウム,グリシン,ヒマワリ抽出物又はト
コフェロールを加え、各検体を真空乾燥より乾燥させ
た。当該検体をニンジン懸濁液と同様の方法で処理し、
カロテノイド系色素を測定した。添加物なしの場合のコ
ントロールのカロテノイド残存量を 100%とした場合の
各検体中のカロテノイド量を第1表に示した。
【0024】
【表1】
【0025】〔実施例2〕ファフィア・ロドチーマ(IF
O 10129 )を酵母エキス 0.3%、ポリペプトン0.5%お
よび蔗糖 3.0%からなる液体培地(pH5.0 )100ml に接
種し通気下23℃で5日間培養した後、培養菌体を遠心分
離法により集菌した。当該菌体の乾燥重量対比で15重量
%のリンゴ酸ナトリウム又は3重量%のアスコルビン酸
ナトリウムを添加(コントロールは無添加)した後スプ
レー乾燥した。得られた組成物を市販のマダイ用飼料に
対し10重量%の割合で添加し、これを瓶に入れて40℃で
2ヶ月放置した後、アセトンにてカロテノイド類を抽出
し、総カロテノイド量を480nm における吸光光度法によ
り、またアスタキサンチン量を高速液体クロマトグラフ
ィーにて測定した。コントロールにおける残存量を 100
%とした場合の相対値として結果を第2表に示した。
【0026】
【表2】
【0027】〔実施例3〕ファフィア・ロドチーマ(IF
O 10129 )を酵母エキス 0.3%、ポリペプトン0.5%お
よび蔗糖 3.0%からなる液体培地(pH 5.0)100ml に接
種し、通気下23℃で5日間培養した。培養菌体を遠心分
離法により集菌後凍結乾燥した。この菌体に対して15重
量%の乳鉢上で十分破砕した固体状のリンゴ酸を加えて
混合攪拌して組成物1aを得た。なお、かかる組成物1
aにおけるカロテノイド系色素の残存率については、参
考例における当該残存率と共に、後記試験例1に記載す
る。 〔実施例4〜10〕リンゴ酸の代わりにマロン酸,リンゴ
酸ナトリウム,マロン酸ナトリウム,グリシン,コハク
酸ナトリウム,フマル酸カリウム又はマレイン酸ナトリ
ウムを用いる以外は実施例3と同様にして組成物2a
(実施例4)、1aa(実施例5)、2aa(実施例
6)、3a(実施例7)、4aa(実施例8)、8aa
(実施例9)、又は9aa(実施例10)を得た。なお、
上記組成物におけるカロテノイド系色素の残存率につい
ては、参考例における当該残存率と共に、後記試験例1
に記載する。 〔実施例11〕ファフィア酵母(IFO 10129 )を実施例3
と同様の方法により培養し、培養終了後酵母を集菌し、
当該酵母の10%水懸濁液を作製した。当該懸濁液に菌体
の乾物対比で15重量%の溶液状のリンゴ酸を加え、20分
間放置した後、水酸化ナトリウムおよび硫酸でpH5に調
整した。当該溶液を凍結乾燥して組成物1bを得た。な
お、かかる組成物1bにおけるカロテノイド系色素の残
存率については、参考例における当該残存率と共に、後
記試験例1に記載する。 〔実施例12〜21〕リンゴ酸の代わりにリンゴ酸ナトリウ
ム,マロン酸,グリシン,コハク酸,酒石酸,グルタミ
ン酸,アスパラギン酸,フマル酸,マレイン酸又はクエ
ン酸を用いる以外は実施例11と同様にして、各組成物1
ba(実施例12),2b(実施例13),3b(実施例1
4),4b(実施例15),5b(実施例16),6b(実
施例17),7b(実施例18),8b(実施例19),9b
(実施例20),31b(実施例21)を得た。なお、上記組
成物におけるカロテノイド系色素の残存率については、
参考例における当該残存率と共に、後記試験例1に記載
する。 〔実施例22〜26〕リンゴ酸の添加量を菌体に対して1
%,3%,6%,12%又は36%に代える以外は実施例11
と同様の方法にして各組成物10b(実施例22) ,11b
(実施例23),12b(実施例24),13b(実施例25),
14b(実施例26)を得た。上記の組成物におけるカロテ
ノイド系色素の残存率については、参考例と共に、試験
例2に記載する。 〔実施例27〕ファフィア酵母(IFO 10129 )を酵母エキ
ス 0.3%、ポリペプトン 0.5%および蔗糖 3.0%からな
る液体培地 100mlに接種し通気下でpH5.0 、23℃の条件
下5日間培養した後、菌体を遠心分離法により集菌し懸
濁液を得た。当該菌体の乾物重量対比で15重量%のリン
ゴ酸ナトリウムを加え、10時間放置した後凍結乾燥し、
組成物15cを得た。かかる組成物15c におけるカロテノ
イド系色素の残存率については、参考例における当該残
存率と共に、試験例3に記載する。 〔実施例28〜33〕リンゴ酸ナトリウムの添加量を菌体に
対して2%,4%,5%,10%,20%又は36%に代える
以外は実施例27と同様の方法にして各組成物16c(実施
例28),17c(実施例29),18c(実施例30),19c
(実施例31),20c(実施例32) ,21c(実施例33)を
得た。上記組成物におけるカロテノイド系色素の残存率
については、参考例における当該残存率と共に、試験例
3に記載する。 〔実施例34〜37〕リンゴ酸の代わりに各1%,3%,5
%又は8%のアスコルビン酸ナトリウムを用いる以外は
実施例11と同様の方法にして、各組成物33ba(実施例
34),34ba(実施例35),35ba(実施例36)又は36
ba(実施例37)を得た。上記組成物におけるカロテノ
イド系色素の残存率については、後記試験例4に記載す
る。 〔実施例38〕リンゴ酸の代わりに菌体乾物対比で10重量
%のクエン酸と3重量%のアスコルビン酸の2種の酸を
混合して用いる以外は実施例11と同様にして組成物37b
を得た。かかる組成物37bにおけるカロテノイド系色素
の残存率については、参考例における当該残存率と共
に、後記試験例1に記載する。 〔実施例39〕15重量%のリンゴ酸の代わりに3重量%の
アスコルビン酸を用いる以外は実施例3の方法と同様に
して組成物32aを得た。なお、かかる組成物32aにおけ
るカロテノイド系色素の残存率については参考例におけ
る当該残存率と共に後記試験例1に記載する。 〔実施例40〕15重量%のリンゴ酸の代わりに3重量%の
アスコルビン酸を用いる以外は実施例11の方法と同様に
して組成物32bを得た。なお、かかる組成物32bにおけ
るカロテノイド系色素の残存率については、参考例にお
ける当該残存率と共に、後記試験例1に記載する。 〔実施例41〕サケの身をホモジナイザーで粉砕し水懸濁
液とした。当該懸濁液に対し乾物対比3重量%のアスコ
ルビン酸ナトリウム(コントロールは無添加)を溶解添
加し、10分間浸漬した後真空乾燥した。当該試料を瓶に
入れ、70℃で1週間放置した後、アセトンにてカロテノ
イド類を抽出し、総カロテノイド量を480nm における吸
光光度法により、またアスタキサンチン量を高速液体ク
ロマトグラフィにて測定した。結果を第3表に示した。
【0028】
【表3】
【0029】〔実施例42〕ファフィア・ロドチーマ(IF
O 10129 )を酵母エキス 0.3%、ポリペプトン0.5%お
よび蔗糖 3.0%からなる液体培地(pH5.0 )100ml に接
種し、通気下23℃で5日間培養した後、培養菌体を遠心
分離法により集菌後凍結乾燥した。得られた菌体を0.2N
水酸化ナトリウム中に60分浸したアルカリ処理した後、
硫酸でpHを5に調整した群とアルカリ処理を行わないア
ルカリ無処理群に酵母を分けた後、酵母の乾物対比で3
重量%の溶液状のアスコルビン酸ナトリウムを加えてス
プレー乾燥した。得られた試料を瓶に入れ、70℃で2週
間放置した後、アセトンにてカロテノイド類を抽出し、
総カロテノイド量を480nm における吸光光度法により、
またアスタキサンチン量を高速液体クロマトグラフィに
て測定した。結果を第4表に示した。なお、結果はアル
カリ無処理でアスコルビン酸無添加のコントロールに対
する相対値で示した。
【0030】
【表4】
【0031】〔参考例1〕リンゴ酸の代わりに酢酸ナト
リウムを用いる以外は実施例3と同様にして組成物Aa
aを得た。 〔参考例2〕リンゴ酸の代わりに酢酸を用いる以外は実
施例11と同様にして組成物Abを得た。 〔参考例3〕リンゴ酸を加えない以外は実施例3と同様
にして組成物Caを得た。 〔参考例4〕リンゴ酸を加えない以外は実施例11と同様
にして組成物Cbを得た。 〔参考例5〕リンゴ酸の代わりに硫酸ナトリウムを用い
る以外は実施例3と同様にして組成物Daaを得た。 〔参考例6〕リンゴ酸の代わりにフタル酸カリウムを用
いる以外は実施例3と同様にして組成物Eaaを得た。 〔参考例7〕リンゴ酸ナトリウムを加えない以外は実施
例27と同様にして組成物Ccを得た。 〔試験例1〕上記の実施例3〜10および実施例39のカロ
テノイド系色素含有酵母細胞と固体状の安定化剤を混合
して得た組成物、実施例11〜21、実施例38および実施例
40のカロテノイド系色素含有酵母細胞の水懸濁液に安定
化剤を添加し混合溶解して後これを乾燥して得た組成
物、並びに参考例1〜6で得られた各種組成物、各1g
を褐色瓶に入れ、70℃の温度で1週間保存した。各組成
物200mg にアセトン2mlとガラスビーズ2gを加えて振
盪し破砕した後、アセトン48mlを加えカロテノイド系色
素を抽出し、総カロテノイド量を480nm の可視部の吸収
強度から吸光光度法で測定した。参考例3および4で得
られる当該安定化剤なしの場合の組成物Ca(固体混合
組成物のコントロール)およびCb(水存在下で混合
後、乾燥して得る組成物のコントロール)のカロテノイ
ド系色素の残存量を 100%として、各種組成物中のカロ
テノイド系色素の残存量をコントロールに対する相対値
で示した。結果を第5表に示す。
【0032】
【表5】
【0033】第5表によれば各実施例組成物におけるカ
ロテノイド系色素の残存率はコントロールよりも高く、
本発明における安定化剤がカロテノイド系色素を安定化
させていることが示された。またいずれの場合も、カロ
テノイド系色素含有酵母の水懸濁液に安定化剤を溶解添
加後乾燥して作製した組成物の方が、酵母菌体に安定化
剤を固体状態で混合して得た組成物よりカロテノイド系
色素の残存率がかなり高かった。またアスコルビン酸と
他の有機酸との間には併用効果が認められた。 〔試験例2〕前記実施例22〜26で得られた各種濃度のリ
ンゴ酸含有組成物各1g を褐色瓶に入れ、70℃の温度で
1週間保存した。各組成物 100mgにアセトン2ml、ガラ
スビーズ2g を加え振盪して破砕した後、アセトン48ml
を加えカロテノイド系色素を抽出し、総カロテノイド量
を480nm の可視部吸収強度から吸光光度計で測定し、更
に高速液体クロマトグラフィにてアスタキサンチンを分
離定量した。参考例4で得られる添加物なしの場合の組
成物Cb(コントロール)のカロテノイド系色素又はア
スタキサンチンの残存量を 100%としてコントロールに
対する相対値で示した。結果を第6表に示した。
【0034】
【表6】
【0035】〔試験例3〕実施例27〜33で得られた各種
リンゴ酸ナトリウム含有組成物各1g を褐色瓶に入れ、
70℃の温度で1週間保存した。各組成物200mg にアセト
ン2ml、ガラスビーズ2g を加え振盪し破砕した後、ア
セトン48mlを加えカロテノイド系色素を抽出し、総カロ
テノイド量を480nm の可視部吸収強度から吸光光度計で
測定した。
【0036】参考例7で得られる酸無添加の場合の組成
物Cc(コントロール)のカロテノイド系色素残存量を
100%として、各種組成物中のカロテノイド系色素の残
存量をコントロールに対する相対値で示した。結果を第
7表に示した。
【0037】
【表7】
【0038】〔試験例4〕各種リンゴ酸含有組成物の代
わりに前記実施例34〜37で得られた各種アスコルビン酸
ナトリウムを用いる以外は試験例2と同様の方法にし
て、試料中のカロテノイド系色素およびアスタキサンチ
ンの残存量をコントロールに対する相対値で示した。結
果を第8表に示した。
【0039】
【表8】
【0040】
【発明の効果】本発明により、食品、医薬品、飼料分野
において、着色料又は医薬原料として有用なカロテノイ
ド系色素の安定化方法、当該方法により製造された安定
化組成物、及び当該方法により安定化されたカロテノイ
ド系色素を含有する飼料が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三輪 端 静岡県磐田郡福田町塩新田浜野328 ケ イ・アイ化成株式会社研究室内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2つ以上のカルボキシル基を有する有機
    酸、グリシン、アスコルビン酸、若しくはこれらの塩の
    うち1種又は2種以上をカロテノイド系色素若しくはカ
    ロテノイド系色素の含有物に添加することを特徴とす
    る、カロテノイド系色素の安定化方法。
  2. 【請求項2】 2つ以上のカルボキシル基を有する有機
    酸、グリシン、アスコルビン酸、若しくはこれらの塩の
    うち1種又は2種以上を、水の存在下でカロテノイド系
    色素若しくはカロテノイド系色素の含有物に添加して、
    当該水処理の後に乾燥することを特徴とする、カロテノ
    イド系色素の安定化方法。
  3. 【請求項3】 カロテノイド系色素の含有物が、カロテ
    ノイド系色素を含有する細胞、又は当該細胞をアルカリ
    処理して得られるものである請求項1又は請求項2に記
    載されたカロテノイド系色素の安定化方法。
  4. 【請求項4】 カロテノイド系色素を含有する細胞が、
    アスタキサンチンを含有する酵母である請求項3記載の
    カロテノイド系色素の安定化方法。
  5. 【請求項5】 2つ以上のカルボキシル基を有する有機
    酸、グリシン、アスコルビン酸、若しくはこれらの塩の
    うち1種又は2種以上、並びにカロテノイド系色素若し
    くはカロテノイド系色素の含有物を含む組成物。
  6. 【請求項6】 カロテノイド系色素がアスタキサンチ
    ン、アスタキサンチンと脂肪酸とのエステル、若しくは
    アスタキサンチンと蛋白質との複合体である、請求項5
    記載の組成物。
  7. 【請求項7】 請求項5若しくは請求項6に記載された
    組成物を含む飼料。
  8. 【請求項8】 カロテノイド系色素がアスタキサンチ
    ン、アスタキサンチンと脂肪酸とのエステル、又はアス
    タキサンチンと蛋白質との複合体である、請求項7記載
    の飼料。
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