JPH06267332A - マイクロ波用誘電体セラミックス - Google Patents

マイクロ波用誘電体セラミックス

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JPH06267332A
JPH06267332A JP5089039A JP8903993A JPH06267332A JP H06267332 A JPH06267332 A JP H06267332A JP 5089039 A JP5089039 A JP 5089039A JP 8903993 A JP8903993 A JP 8903993A JP H06267332 A JPH06267332 A JP H06267332A
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Hiroyo Katou
博代 加藤
Toru Arai
徹 荒井
Toyosaku Sato
豊作 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 比誘電率(εr )が大きく、共振周波数の温
度係数(τf )が、0ppm/℃付近となるようにした
組成比率でも、無負荷Q(QU )が非常に大きい値を有
するマイクロ波用誘電体セラミックスを提供する。 【構成】 酸化バリウム(BaO)、酸化コバルト(C
oO)、酸化ニオブ(Nb2 5 )よりなる主成分の組
成式が、 (BaO)x ・(CoO)y ・(Nb2 5 z で表され、x,y,zがそれぞれモル%で、59.5≦
x≦61.8モル%、19.1≦y≦20.6モル%、
19.1≦z≦20.1モル%の範囲にあり、前記主成
分1モルに対して、副成分として、0.1モル以下(但
し、0モルを含まず)の二酸化チタン(TiO2 )及び
0.005モル以下(但し、0モルを含まず)の二酸化
マンガン(MnO2 )を添加して成るマイクロ波用誘電
体セラミックス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロ波用誘電体セ
ラミックスに関し、特に、大きな比誘電率(εr )を持
ち、無負荷Q(QU )が非常に大きく、かつ組成を変化
させることにより、共振周波数の温度係数(τf )を0
ppm/℃を中心にして、その付近の正又は負の任意の
値に変化させることができるマイクロ波用誘電体セラミ
ックスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、マイクロ波用誘電体共振器や誘電
体フィルタが、自動車電話、衛星放送の受信機に数多く
用いられている。このような用途に用いられる誘電体材
料は、比誘電率(εr )及び無負荷Q(QU )が大き
く、かつ、組成を変えることにより、共振周波数の温度
係数(τf )が0ppm/℃を中心にして、その付近の
正又は負の任意の値に設定できるものが望まれている。
従来このような誘電体セラミックスとしては、BaO−
TiO2 系、ZrO2 −SnO−TiO2 系等があっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の誘電体セラミックスでは、共振周波数の温度係
数(τf )が、0ppm/℃付近の値を示すものでは、
比誘電率(εr )に関しては満足できる値であるもの
の、無負荷Q(QU )は十分大きいとはいえなかった。
そのために、これらの材料を使用したデバイスを組み込
んだ装置は、送受信においてロスが大きくなる等の不都
合を有し、十分満足できる特性を有しているとは言えな
かった。
【0004】本発明は、これらを改善するために成され
たものであり、比誘電率(εr )が大きく、共振周波数
の温度係数(τf )が、0ppm/℃付近になるように
した組成比率でも、無負荷Q(QU )が非常に大きい値
を有するマイクロ波用誘電体セラミックスを提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のマイクロ波用誘電体セラミックスは、酸化
バリウム(BaO)、酸化コバルト(CoO)、酸化ニ
オブ(Nb2 5 )よりなる主成分の組成式が、 (BaO)x ・(CoO)y ・(Nb2 5 z で表され、x,y,zがそれぞれモル%で、59.5≦
x≦61.8モル%、19.1≦y≦20.6モル%、
19.1≦z≦20.1モル%の範囲にあり、 (1)前記主成分1モルに対して、副成分として、0.
003モル以下(但し、0モルを含まず)の二酸化マン
ガン(MnO2 )を添加してなることを特徴とする。
【0006】(2)前記主成分1モルに対して、副成分
として、0.1モル以下(但し、0モルを含まず)の二
酸化チタン(TiO2 )を添加してなることを特徴とす
る。 (3)前記主成分1モルに対して、副成分として、0.
1モル以下(但し、0モルを含まず)の二酸化チタン
(TiO2 )及び0.005モル以下(但し、0モルを
含まず)の二酸化マンガン(MnO2 )を添加して成る
ことを特徴とする。
【0007】
【作用】本発明によれば、主成分を前述の組成式で表さ
れる組成とし、 (1)前記主成分1モルに対して、副成分としてMnO
2 を単独添加し、その添加量を変えることにより、共振
周波数の温度係数(τf )を、0ppm/℃を中心とし
て、その付近の正又は負の任意の値に変化させることが
できるとともに、無負荷Q(QU )特性の向上を図るこ
とができる。
【0008】更に、副成分の種類が少なく、製造及び、
管理が容易である。MnO2 は、セラミックスの焼結助
材としても使用され、好適である。 (2)前記主成分1モルに対して、副成分としてTiO
2 を単独添加し、その添加量を変えることにより、共振
周波数の温度係数(τf )を、0ppm/℃を中心とし
て、その付近の正又は負の任意の値に変化させることが
できるとともに、無負荷Q(QU )特性の向上を図るこ
とができる。
【0009】更に、副成分の種類が少なく、製造及び、
管理が容易である。 (3)前記主成分1モルに対して、副成分として、0.
1モル以下(但し、0モルを含まず)の二酸化チタン
(TiO2 )、及び0.005モル以下(但し、0モル
を含まず)の二酸化マンガン(MnO2 )を添加した誘
電体セラミックスとすることにより、比誘電率(εr
が大きく、共振周波数の温度係数(τf )が、0ppm
/℃付近となるようにした組成比率でも、無負荷Q(Q
U )が非常に大きい値を有するマイクロ波用誘電体セラ
ミックスとすることができる。
【0010】特に、副成分として、TiO2 とMnO2
の同時添加により、MnO2 を単独添加したときより、
MnO2 の添加範囲が大きくなる。これは、TiO2
MnO2 の相互作用により、無負荷Q(QU )の低下が
抑えられるためである。また、TiO2 とMnO2 を同
時に添加することにより、各々単独添加する場合に比し
て、より温度係数(τf )の制御が容易になる。
【0011】そして、τf ≒0ppm/℃における無負
荷Q(QU )の値を最も大きくすることができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例について順次に説明す
る。次に、本発明の第1実施例について詳細に説明す
る。出発原料には、化学的に高純度の炭酸バリウム(B
aCO3 )、酸化コバルト(CoO)、酸化ニオブ(N
2 5 )、炭酸マンガン(MnCO3 )を使用し、下
記に示す表1の、試料No.1〜No.16の組成に成
るように正確に秤量した。引き続きプラスチック製のポ
ットミルとジルコニアボールを用い、純水と共に20時
間湿式混合した。
【0013】この混合物を脱水し、乾燥した後、マグネ
シア容器を用いて、空気中で1200℃の温度で3時間
仮焼した。この仮焼物を上記混合工程と同様な方法にて
湿式粉砕し、その後、脱水し、乾燥し、微粒子の粉体を
得た。この粉体にバインダーを添加して十分に粉体と混
合し造粒粉とした。この造粒粉を金型と油圧プレスを用
いて、成形圧力1〜3t/cm2 で、直径20mm、高
さ12mmの円板状の成形体を作製した。このようにし
て得られた成形体をマグネシア製の容器に入れて、13
50〜1500℃の温度で5時間空気中で焼成して誘電
体セラミックスを得た。この誘電体セラミックスを所定
の周波数になるように研磨した後、誘電特性を下記の方
法で測定した。
【0014】この誘電体セラミックスの比誘電率
(εr )及び無負荷Q(QU )は、ハッキ・コールマン
法により測定した。また、共振周波数の温度係数
(τf )は、20℃における共振周波数f(20)を基
準として、−40℃と+80℃の温度における、それぞ
れの共振周波数f(−40),f(80)と温度差ΔT
〔ここでは、ΔT=(+80℃)−(−40℃)=12
0℃〕とから、下記の式(1)に従い求めた。なお、こ
れらの測定における共振周波数は約5GHzであった。
【0015】 τf ={f(80)−f(−40)}/{f(20)×120} …式(1) 試料No.1〜No.16に示された各組成の誘電特性
の測定結果を次の表1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】なお、表1において、※印を付けた、試料
No.1,No.7,No.12,No.16は、本発
明の範囲外の比較例であり、それ以外の試料No.が本
発明の実施例の範囲のものである。主成分の組成に関し
て、表1に示す結果によれば、BaOは59.5モル%
より少なくなると、試料No.1及びNo.16に示す
ように、無負荷Q(QU )が小さくなり、61.8モル
%を越えると、試料No.7に示すように、やはり無負
荷Q(QU )が小さくなり、不適当である。
【0018】また、CoOは、19.1モル%より少な
くなると、試料No.7に示すように、無負荷Q
(QU )が小さくなり、20.6モル%を越えると、試
料No.1及びNo16に示すように、やはり無負荷Q
(QU )が小さくなり、不適当である。更に、Nb2
5 は、19.1モル%より少なくなると、試料No.7
に示すように、無負荷Q(QU )が小さくなり、20.
1モル%を越えると、試料No.1に示すように、やは
り無負荷Q(QU )が小さくなり不適当である。
【0019】したがって、BaOは59.5〜61.8
モル%の範囲、CoOは19.1〜20.6モル%の範
囲、Nb2 5 は19.1〜20.1モル%の範囲がそ
れぞれ好適な範囲である。また、主成分1モルに対する
副成分としてのMnO2 の添加量については、その添加
量を増していくと、試料No.4及びNo.8〜12に
示しているように、MnO2 は、比誘電率(εr )は増
加傾向を示し、しかも十分大きな値を示す。また、共振
周波数の温度係数(τf )は、MnO2 の添加量0.0
001モル(試料No.4)での−8.0ppm/℃か
ら、0.005モル(試料No.12)での25.3p
pm/℃へと、プラスの勾配を持って大きくなる。ま
た、無負荷Q(QU )は、MnO2 の添加量0.000
1モル(試料No.4)での16,000から0.00
3モル(試料No.11)での9,500へと小さくな
り、MnO2 添加量が0.005モル(試料No.1
2)になると、QU は3,200と急激に小さくなり、
本発明の目的に合わなくなる。
【0020】したがって、MnO2 の添加量は0.00
3モルまでが適切である。以上の表1から明らかなよう
に、本発明の(BaO)x ・(CoO)y ・(Nb2
5 Z +MnO2 誘電体セラミックスは、x=60モル
%、y=20モル%、z=20モル%の付近、特にBa
Oがやや過剰のx=60.7モル%、y=19.6モル
%、z=19.6モル%にMnO2 を0.0001モル
添加した組成において、最も大きな無負荷Q(QU )を
得ることができ、また、MnO2 の添加量を変えること
により、共振周波数の温度係数(τf )を、0ppm/
℃を中心として、その付近の正又は負の任意の値に変化
させることができる。
【0021】更に、MnO2 は、セラミックスの焼結助
材としても使用される特徴がある。なお、上記した表1
においては、副成分としてのMnO2 の単独添加におい
て、共振周波数の温度係数(τf )が−2.7(ppm
/℃)、無負荷Q(QU )が12,800を示す試料N
o.9が実施上好適である。次に、本発明の第2実施例
について詳細に説明する。
【0022】この実施例では、上記した第1実施例にお
ける副成分としてのMnO2 の単独添加に代えて、Ti
2 を単独で添加する。出発原料には、化学的に高純度
の炭酸バリウム(BaCO3 )、酸化コバルト(Co
O)、酸化ニオブ(Nb2 5 )、二酸化チタン(Ti
2 )を使用し、表2に示したような組成に成るように
正確に秤量した。引き続きプラスチック製のポットミル
とジルコニアボールを用い、純水とともに20時間湿式
混合した。
【0023】この混合物を脱水し、乾燥した後、マグネ
シア容器を用いて空気中で1200℃の温度で3時間仮
焼した。この仮焼物を上記混合工程と同様の方法にて湿
式粉砕した後、脱水、乾燥し、微粒子の粉体を得た。こ
の粉体にバインダーを添加して十分に粉体と混合し造粒
粉とした。この造粒粉を金型と油圧プレスを用いて、成
形圧力1〜3t/cm2 で、直径20mm、高さ12m
mの円板状の成形体を作製した。このようにして得られ
た成形体をマグネシア製の容器に入れて、1350〜1
500℃の温度で5時間空気中で焼成して誘電体セラミ
ックスを得た。この誘電体セラミックスを所定の周波数
になるように研磨した後、誘電特性を下記の方法で測定
した。
【0024】誘電体セラミックスの比誘電率(εr )及
び無負荷Q(QU )は、ハッキ・コールマン法により測
定した。また、共振周波数の温度係数(τf )は、20
℃における共振周波数f(20)を基準として、−40
℃と+80℃の温度におけるそれぞれの共振周波数f
(−40),f(80)と、温度差ΔT(ここでは、−
40℃と+80℃でΔT=120)とから前記式(1)
に従い求めた。なお、これらの測定における共振周波数
は約5GHzであった。
【0025】各組成の誘電特性の測定結果を次の表2に
示す。
【0026】
【表2】
【0027】なお、表2において、※印を付けた、試料
No.1,No.7,No.12,No.15は、この
発明の範囲外の比較例であり、それ以外の試料No.が
本発明の実施例の範囲のものである。主成分の組成に関
して、表2に示す結果によれば、BaOは59.5モル
%以下になると、試料No.1及びNo.15のよう
に、無負荷Q(QU )が小さくなり、61.8モル%を
超えると、試料No.7のように、やはり無負荷Q(Q
U )が小さくなり不適当である。
【0028】また、CoOは、19.1モル%以下にな
ると、試料No.7のように、無負荷Q(QU )が小さ
くなり、20.6モル%を超えると、試料No.1及び
No.15のように、やはり無負荷Q(QU )が小さく
なり不適当である。更に、Nb2 5 は、19.1モル
%以下になると、試料No.7のように、無負荷Q(Q
U )が小さくなり、20.1モル%を超えると、試料N
o.1のように、やはり無負荷Q(QU )が小さくなり
不適当である。
【0029】したがって、BaOは59.5〜61.8
モル%の範囲、CoOは19.1〜20.6モル%の範
囲、Nb2 5 は19.1〜20.1モル%の範囲がそ
れぞれ好適な範囲である。また、主成分1モルに対する
副成分としてのTiO2 の添加量については、その添加
量を増していくと、試料No.8〜12に示すように、
比誘電率(εr )は増加傾向を示し、しかも十分大きな
値を示す。また、共振周波数の温度係数(τf )は、T
iO2 添加量0.005モル(試料No.8)での−
8.1ppm/℃から、0.5モル(試料No.12)
での58.3ppm/℃へとプラスの勾配を持って大き
くなる。更に、無負荷Q(QU )はTiO2 添加量0.
005モル(試料No.8)での14,000から0.
10モル(試料No.11)での8,900へと小さく
なり、TiO2 添加量が0.5モル(試料No.12)
になると、無負荷Q(QU )は2,900と急激に小さ
くなり、0.1モルを越えると本発明の目的に合わなく
なる。
【0030】したがって、TiO2 の添加量は0.1モ
ルまでが適切である。以上の表2から明らかなように、
本発明の(BaO)x ・(CoO)y ・(Nb2 5
z に、TiO2 を添加した誘電体セラミックスは、x=
60モル%、y=20モル%、z=20モル%の付近、
特にBaOがやや過剰のx=61.4モル%、y=1
9.3モル%、z=19.3モル%にTiO2 を、0.
005モル添加した組成において最も大きな無負荷Q
(QU )を得ることができ、また、TiO2 の添加量を
変えることにより、共振周波数の温度係数(τf )を、
0ppm/℃を中心として、その付近の正又は負の任意
の値に変化させることができる。
【0031】本発明は、以上のように、主成分を前述の
組成式で表される組成とし、主成分1モルに対して、副
成分として0.1モル以下(但し、0モルを含まず)の
二酸化チタン(TiO2 )を添加した誘電体セラミック
スとすることによって、比誘電率(εr )が大きく、共
振周波数の温度係数(τf )が、0ppm/℃付近とな
るようにした組成比率でも、無負荷Q(QU )が非常に
大きい値を有するマイクロ波用誘電体セラミックスとす
ることができる。
【0032】なお、上記した表2においては、副成分と
してのTiO2 の単独添加において、共振周波数の温度
係数(τf )が2.8(ppm/℃)、無負荷Q
(QU )12,800を示す試料No.10が実施上好
適である。次に、本発明の第3実施例について詳細に説
明する。この実施例では、上記した第1実施例における
副成分としてのMnO2 の単独添加や、第2実施例にお
ける副成分としてのTiO2 の単独添加に代えて、副成
分としてMnO2 とTiO2 の同時添加を行う。
【0033】出発原料には、化学的に高純度の炭酸バリ
ウム(BaCO3 )、酸化コバルト(CoO)、酸化ニ
オブ(Nb2 5 )、二酸化チタン(TiO2 )、炭酸
マンガン(MnCO3 )を使用し、下記に示す表3の試
料No.1〜No.15の組成に成るように正確に秤量
した。引き続きプラスチック製のポットミルとジルコニ
アボールを用い、純水と共に20時間湿式混合した。
【0034】この混合物を脱水し、乾燥した後、マグネ
シア容器を用いて、空気中で1200℃の温度で3時間
仮焼した。この仮焼物を上記混合工程と同様の方法にて
湿式粉砕し、その後、脱水し、乾燥し、微粒子の粉体を
得た。この粉体にバインダーを添加して十分に粉体と混
合し造粒粉とした。この造粒粉を金型と油圧プレスを用
いて、成形圧力1〜3t/cm2 で、直径20mm、高
さ12mmの円板状の成形体を作製した。このようにし
て得られた成形体をマグネシア製の容器に入れて、13
50〜1550℃の温度で5時間空気中で焼成して誘電
体セラミックスを得た。この誘電体セラミックスを所定
の周波数になるように研磨した後、誘電特性を下記の方
法で測定した。
【0035】この誘電体セラミックスの比誘電率
(εr )及び無負荷Q(QU )は、ハッキ・コールマン
法により測定した。また、共振周波数の温度係数
(τf )は、20℃における共振周波数f(20)を基
準として、−40℃と+80℃の温度における、それぞ
れの共振周波数f(−40),f(80)と、温度差Δ
T〔ここでは、ΔT=(+80℃)−(−40℃)=1
20℃〕とから、前記の式(1)に従い求めた。なお、
これらの測定における共振周波数は、約5GHzであっ
た。
【0036】試料No.1〜No.15に示された各組
成の誘電特性の測定結果を次の表3に示す。
【0037】
【表3】
【0038】なお、表3において、※印を付けた、試料
No.1,No.7,No.12,No.15は、本発
明の範囲外の比較例であり、それ以外の試料No.が本
発明の実施例の範囲のものである。主成分の組成に関し
て、表3に示す結果によれば、BaOは59.5モル%
より少なくなると、試料No.1及びNo.15に示す
ように、無負荷Q(QU )が小さくなり、61.8モル
%を越えると、試料No.7に示すように、やはり無負
荷Q(QU )が小さくなり、不適当である。
【0039】また、CoOは、19.1モル%より少な
くなると、試料No.7に示すように、無負荷Q
(QU )が小さくなり、20.6モル%を越えると、試
料No.1及びNo15に示すように、やはり無負荷Q
(QU )が小さくなり、不適当である。更に、Nb2
5 は、19.1モル%より少なくなると、試料No.7
に示すように、無負荷Q(QU )が小さくなり、20.
1モル%を越えると、試料No.1に示すように、やは
り無負荷Q(QU )が小さくなり不適当である。
【0040】したがって、BaOは59.5〜61.8
モル%の範囲、CoOは19.1〜20.6モル%の範
囲、Nb2 5 は19.1〜20.1モル%の範囲がそ
れぞれ好適な範囲である。また、主成分1モルに対する
副成分としてのTiO2 ,MnO2 の添加量について表
3に示しているが、まず、TiO2 については、その添
加量を増していくと、試料No.8〜12に示すよう
に、比誘電率(εr )は、増加傾向を示し、しかも十分
大きな値を示し、また、共振周波数の温度係数(τf
は、Ti添加量0.005モル(試料No.8)での−
8.5ppm/℃から0.5モル(試料No.12)で
の62.0ppm/℃へとプラスの勾配を持って大きく
なる。
【0041】また、無負荷Q(QU )は、Ti添加量
0.005モル(試料No.8)での16,000から
0.1モル(試料No.11)での8500、0.5モ
ル(試料No.12)での3000へと急激に小さくな
り、添加量が0.1モルを越えると本発明の目的に合わ
なくなる。このように、TiO2 の添加量は0.1モル
までが適切である。
【0042】また、MnO2 については、その添加量を
増していくと、試料No.1〜7に示すように、比誘電
率(εr )は、MnO2 添加量0.002モル(試料N
o.3)で32.6と、試料No.1〜7中での最大値
を示した後、小さくなり、特に、0.005モルを越え
ると、試料No.7に示すように、27.0と低下して
しまう。また、無負荷Q(QU )は、MnO2 添加量
0.004モル(試料No.5)で14,000と試料
No.1〜7中での最大値を示した後、小さくなり、特
に0.005モルを越えると、試料No.7に示すよう
に、2400と急激に小さくなり、また、共振周波数の
温度係数(τf )も、0.005モルを越えると、試料
No.7に示すように、56ppm/℃と急激に大きく
なり、本発明の目的に合わなくなる。
【0043】したがって、MnO2 の添加量は0.00
5モルまでが適切である。上記の表3から明らかなよう
に、本発明の(BaO)x ・(CoO)y ・(Nb2
5 z +TiO2 +MnO2 誘電体セラミックスは、x
=60モル%、y=20モル%、z=20モル%の付
近、特に、BaOがやや過剰のx=61.4モル%、y
=19.3モル%、z=19.3モル%とした組成の
(BaO)x ・(CoO)y ・(Nb2 5 z を主成
分とし、この主成分1モルに対して、副成分として、T
iO2 を0.005モル、MnO2 を0.002モル添
加した組成において、最も大きな無負荷Q(QU )を得
ることができ、またTiO2 及びMnO2 の添加量を変
えることにより、共振周波数の温度係数(τf )を、0
ppm/℃を中心として、その付近の正又は負の任意の
値に変化させることができる。
【0044】特に、この実施例では、副成分としてTi
2 とMnO2 の同時添加により、MnO2 を単独添加
したときより、MnO2 の添加範囲が大きくなる。これ
は、TiO2 とMnO2 の相互作用により、無負荷Q
(QU )の低下が抑えられるためである。また、TiO
2 とMnO2 を同時添加すると、各々単独添加する場合
に比して、より温度係数(τf )の制御が容易になる。
【0045】そして、τf ≒0ppm/℃における無負
荷Q(QU )の値を最も大きくすることができる。な
お、上記した表3においては、副成分としてのTi
2 ,MnO2 の同時添加において、共振周波数の温度
係数(τf )が0.5(ppm/℃)、無負荷Q
(QU )14,000を示す試料No.5が実施上好適
である。
【0046】また、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能で
あり、それらを本発明の範囲から排除するものではな
い。
【0047】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、次に示すような効果を奏することができる。本
発明のマイクロ波用誘電体セラミックスは、マイクロ波
領域において、比誘電率(εr )及び無負荷Q(QU
が大きく、その組成を変えることにより、共振周波数の
温度係数(τf )を、0ppm/℃を中心として、その
付近の正又は負の任意の値に容易に変化させることがで
きる。
【0048】更に、共振周波数の温度係数(τf )を、
0ppm/℃付近となる組成とした場合でも、無負荷Q
(QU )が非常に大きい値を持っている。このため、マ
イクロ波用の誘電体共振器、誘電体フィルタの小型化、
低損失化が達成できる。前記主成分1モルに対して、副
成分としてMnO2 を単独添加し、その添加量を変える
ことにより、共振周波数の温度係数(τf )を、0pp
m/℃を中心として、その付近の正又は負の任意の値に
変化させることができるとともに、無負荷Q(QU )特
性の向上を図ることができる。
【0049】更に、副成分の種類が少なく、製造及び、
管理が容易である。また、MnO2 は、セラミックスの
焼結助材としても使用され、好適である。前記主成分1
モルに対して、副成分としてTiO2 を単独添加し、そ
の添加量を変えることにより、共振周波数の温度係数
(τf )を、0ppm/℃を中心として、その付近の正
又は負の任意の値に変化させることができるとともに、
無負荷Q(QU )特性の向上を図ることができる。
【0050】更に、副成分の種類が少なく、製造及び、
管理が容易である。副成分としてTiO2 とMnO2
同時添加する場合には、MnO2 を単独添加したときよ
り、MnO2 の添加範囲が大きくなる。これは、TiO
2 とMnO2 の相互作用により、無負荷Q(QU )の低
下が抑えられるためである。
【0051】また、TiO2 とMnO2 を同時添加する
と、各々単独添加する場合に比して、より共振周波数の
温度係数(τf )の制御が容易になる。そして、τf
0ppm/℃における無負荷Q(QU )の値を最も大き
くすることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 豊作 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気 工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化バリウム(BaO)、酸化コバルト
    (CoO)、酸化ニオブ(Nb2 5 )よりなる主成分
    の組成式が、 (BaO)x ・(CoO)y ・(Nb2 5 Z で表され、x、y、zがそれぞれモル%で、 59.5≦x≦61.8モル%、 19.1≦y≦20.6モル%、 19.1≦z≦20.1モル%の範囲にあり、 前記主成分1モルに対して、副成分として、0.003
    モル以下(但し、0モルを含まず)の二酸化マンガン
    (MnO2 )を添加してなることを特徴とするマイクロ
    波用誘電体セラミックス。
  2. 【請求項2】 酸化バリウム(BaO)、酸化コバルト
    (CoO)、酸化ニオブ(Nb2 5 )よりなる主成分
    の組成式が、 (BaO)x ・(CoO)y ・(Nb2 5 Z で表され、x、y、zがそれぞれモル%で、 59.5≦x≦61.8モル%、 19.1≦y≦20.6モル%、 19.1≦z≦20.1モル%の範囲にあり、 前記主成分1モルに対して、副成分として、0.1モル
    以下(但し、0モルを含まず)の二酸化チタン(TiO
    2 )を添加してなることを特徴とするマイクロ波用誘電
    体セラミックス。
  3. 【請求項3】 酸化バリウム(BaO)、酸化コバルト
    (CoO)、酸化ニオブ(Nb2 5 )よりなる主成分
    の組成式が、 (BaO)x ・(CoO)y ・(Nb2 5 z で表され、x,y,zがそれぞれモル%で、 59.5≦x≦61.8モル%、 19.1≦y≦20.6モル%、 19.1≦z≦20.1モル%の範囲にあり、 前記主成分1モルに対して、副成分として、0.1モル
    以下(但し、0モルを含まず)の二酸化チタン(TiO
    2 )及び0.005モル以下(但し、0モルを含まず)
    の二酸化マンガン(MnO2 )を添加して成ることを特
    徴とするマイクロ波用誘電体セラミックス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116924791A (zh) * 2023-07-25 2023-10-24 上海晶材新材料科技有限公司 一种微波介质陶瓷及其制备方法

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