JPH06271394A - レーザ蒸着装置用ターゲット及びこれを用いた酸化物超電導体の製造方法 - Google Patents

レーザ蒸着装置用ターゲット及びこれを用いた酸化物超電導体の製造方法

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JPH06271394A
JPH06271394A JP5060190A JP6019093A JPH06271394A JP H06271394 A JPH06271394 A JP H06271394A JP 5060190 A JP5060190 A JP 5060190A JP 6019093 A JP6019093 A JP 6019093A JP H06271394 A JPH06271394 A JP H06271394A
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laser
vapor deposition
oxide superconductor
film
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JP5060190A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Iijima
康裕 飯島
Kazunori Onabe
和憲 尾鍋
Naohiro Futaki
直洋 二木
Nobuyuki Sadakata
伸行 定方
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Chodendo Hatsuden Kanren Kiki Zairyo Gijutsu Kenkyu Kumiai
Original Assignee
Chodendo Hatsuden Kanren Kiki Zairyo Gijutsu Kenkyu Kumiai
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基材表面の広い範囲にわたり膜質や膜厚の安
定した酸化物超電導体の膜を形成することができるター
ゲット及び酸化物超電導体の製造方法を提供。 【構成】 レーザ蒸着装置に使用されるターゲット1、
11がレーザー照射面12をその底面に対して傾斜した
形状に形成されてなることを特徴とし、さらにこのター
ゲット1、11を自転させつつ、傾斜したレーザ照射面
にレーザ光を照射してブルームの歳差運動をさせながら
酸化物超電導体層を形成することを特徴とする。 【効果】 品質の安定した大きな面積の膜を得ることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超電導マグネット、超
電導電力輸送、医療用機器、超電エネルギーの貯蔵、ジ
ョセフソン素子などの超電導素子などとして用いられる
酸化物超電導体製造用のレーザ蒸着装置に関し、特にそ
のターゲットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、超電導状態から常電導状態に遷移
する臨界温度(Tc)が液体窒素以上の高い値を示す酸
化物超電導体が種々発見されつつある。この種の酸化物
系超電導体は、液体ヘリウムで冷却する必要のあった従
来の合金系あるいは金属間化合物系の超電導体に比較し
て格段に有利な冷却条件で使用できることから、実用上
極めて有望な超電導材料として種々の研究と開発がなさ
れている。
【0003】なお、このような酸化物超電導体における
臨界温度や臨界電流密度(Jc)は、製造方法、製造条
件などの種々のファクターにより極めて大きく変動する
ことが知られている。そして現在のところでは、スパッ
タリング法、レーザ蒸着法、CVD法などの薄膜形成手
段により形成された超電導体が比較的良好な超電導特性
を示す可能性があるとされ、またこれらの薄膜形成手段
のうちでもレーザ蒸着法は、蒸着速度が速い、蒸着時の
制御が容易、製造設備を簡略化できるなどの利点があ
り、また比較的良好な特性を有する超電導体を成膜でき
ることから注目されている。
【0004】図5は、このようなレーザ蒸着法による超
電導体の製造に用いられるレーザ蒸着装置の一例を示す
ものであって、この装置10は、酸化物超電導体を含む
ターゲット1と、このターゲット1表面に照射するレー
ザ光2の光源3と、この光源3から照射されたレーザ光
2を集光してターゲット1表面に照射するためのレンズ
4(集光手段)と、ターゲット1近傍に配設された成膜
用基材5と、前記基材5を適温に加熱する加熱ヒータを
備えた基台5aとから構成されている。ターゲット1及
び基板5は、真空雰囲気中あるいは酸化雰囲気に調製可
能な蒸着処理室6内に配置されている。よって、前記蒸
着処理室6は、排気孔8を介して真空処理ポンプ9に接
続されている。また、蒸着処理室6の一部にはターゲッ
ト1表面に照射するレーザ光2を透過させる入射窓7が
設けられている。
【0005】このレーザ蒸着装置による酸化物超電導体
の製造では、蒸着処理室6内にターゲット1と基材5と
をそれぞれ配置し、光源3から高出力レーザ光2を出射
し、レンズ4で集光して蒸着処理室6内のターゲット1
に照射することにより、ターゲット1の表面から微粒子
が蒸発飛散し、ターゲット1近傍に設けられた基材5の
表面にこの微粒子が蒸発堆積して基材5表面に酸化物超
電導膜が形成される。
【0006】そして、前述のように粒子が堆積された基
材5は基台5a中に備えてられている加熱ヒータにより
加熱されているので、堆積された膜は、堆積と同時に熱
処理される。従って、熱処理後に基材上に酸化物超電導
体の膜が形成された超電導導体が得られる。なお、熱処
理が充分でない時は、蒸着処理後に別個に熱処理を行な
い、生成された酸化物超電導体の膜の結晶構造を整える
ようにしても良い。また、前述のようにターゲット11
から叩き出された粒子は、充分に活性化された状態であ
るので、基板17上に緻密に堆積する。そして、堆積さ
れた膜は、熱処理されるので、緻密で結晶構造の整った
優れた超電導特性を発揮する酸化物超電導体の膜が得ら
れる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
装置により酸化物超電導体を製造する場合、ターゲット
1の1箇所にレーザ光2を集光照射して、その部分から
粒子を叩き出すので、叩き出された粒子は、ターゲット
1から放射状に広がりつつ拡散して基材5に接近し、基
材5の表面に衝突して堆積する。従って、基材5表面に
おいて、ターゲット1から遠い部分と近い部分で堆積す
る粒子数に差が生じ、基材5上に形成される膜の質や厚
さに不均一性を引き起こす問題があった。そして、この
ように膜質と膜厚が不均一になると超電導特性の優れた
膜を基材5上の狭い範囲にしか形成できない問題があっ
た。
【0008】そしてまた、上記装置10においては、基
材5上に酸化物超電導体を形成する場合、ターゲット1
表面のレーザ光2を照射した部分から構成粒子を叩き出
して蒸着を行なっている間に、ターゲット1表面のレー
ザ光照射部分が順次えぐり取られて消耗し、その結果、
放出されるターゲット粒子と、基材上に蒸着される膜の
膜質や膜厚が成膜中に経時変化を起こすといった問題を
有していた。
【0009】そして、上記装置10におけるレーザ光2
の光源としては、炭酸ガスレーザ、YGAレーザ、エキ
シマレーザ、ガラスレーザ等の高出力レーザ光源が用い
られていたが、前記炭酸ガスレーザ、YGAレーザ、エ
キシマレーザ、ガラスレーザ等のレーザ光の光径は、そ
の電極等のレーザ発生手段の形状により決定され、例え
ば、エキシマレーザでは、出射されるレーザ光の断面形
状が1cm×4cm程度の横長の長方形状である。そし
て、従来法では、このような光を集光用レンズを用いて
最終的に1/10程度の光径(1mm×4mm程度)ま
で集光してターゲットに照射していた。しかし、このよ
うに点対象でない横長の断面形状の光を用いると、ター
ゲットに光を当てた時に蒸発する粒子の量が、光の上下
方向、左右方向に対し、それぞれ異なってしまうため
に、形成される超電導膜も不均一になってしまうという
問題があった。
【0010】本発明は、上記事情を鑑みてなされたもの
で、基材表面の広い範囲にわたり膜質や膜厚の安定した
酸化物超電導体の膜を形成することができるレーザ蒸着
装置用ターゲット及びこれを用いた酸化物超電導体の製
造方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のレーザ
蒸着装置用ターゲットは、上記課題を解決するために、
酸化物超電導体あるいはその原料を含むターゲットと、
該ターゲット表面に照射するレーザ光の光源と、該光源
とから出射されたレーザ光を集光して該ターゲット表面
に照射する集光手段と、該ターゲット近傍に配設された
成膜用基材と、ターゲットの自転手段とが設けられたレ
ーザ蒸着装置に使用されるターゲットが、レーザー照射
面をその底面に対して傾斜した形状に形成されてなるこ
とを特徴としたものである。
【0012】請求項2に記載の酸化物超電導体の製造方
法は、上記課題を解決するために、酸化物超電導体ある
いはその原料を含むターゲットの表面にレーザ光を照射
して飛散した微粒子を基材表面に当て、該基材表面に酸
化物超電導膜を形成するレーザ蒸着法による酸化物超電
導体の製造方法において、前記ターゲットのレーザ照射
面を、その底面に対して傾斜した形状としたターゲット
を用い、前記ターゲットを自転させつつ、前記傾斜した
レーザ照射面にレーザ光を照射してブルームの歳差運動
をさせながら酸化物超電導体層を形成することを特徴と
したものである。
【0013】請求項3に記載のレーザ蒸着装置用ターゲ
ットは、上記課題を解決するために、酸化物超電導体あ
るいはその原料を含むターゲットと、該ターゲット表面
に照射するレーザ光の光源と、該光源とから出射された
レーザ光を集光して該ターゲット表面に照射する集光手
段と、該ターゲット近傍に配設された成膜用基材と、タ
ーゲットの自転手段とが設けられたレーザ蒸着装置に使
用されるターゲットが、レーザ照射面をその底面に対し
て傾斜した形状に形成されてなり、かつ前記ターゲット
は円盤状の基板の一方の面の円周沿いに複数取り付けら
れたセットターゲットからなることを特徴としたもので
ある。
【0014】請求項4に記載の酸化物超電導体の製造方
法は、上記課題を解決するために、酸化物超電導体ある
いはその原料を含むターゲットの表面にレーザ光を照射
して飛散した微粒子を基材表面に当て、該基材表面に酸
化物超電導膜を形成するレーザ蒸着法による酸化物超電
導体の製造方法において、前記レーザ照射面を、その底
面に対して傾斜した形状としたターゲットを用い、前記
ターゲットを円盤状基板の一方の面の円周沿いに複数取
り付けてセットターゲットとし、これを所定の時間毎に
周方向へ所定の角度だけ回転するとともに、前記個々の
ターゲットを自転させつつ、前記自転中のターゲットに
レーザ光を照射してブルームの歳差運動をさせながら酸
化物超電導体層を形成することを特徴としたものであ
る。
【0015】
【作用】この発明における請求項1または請求項2にお
いては、レーザ蒸着法により基板上に酸化物超電導膜を
形成するに際して使用するレーザ蒸着装置のターゲット
が、レーザ照射面をその底面に対して傾斜した形状に形
成されてなることを特徴とするもので、これを自転させ
つつ前記ターゲットにレーザ光を照射すると、前記ター
ゲットは、その自転運動とともに、上下に首振り運動を
しつつ回転することとなる。従って、前記のような自転
運動及び首振り運動中のターゲットにレーザ光が照射さ
れると、前記レーザ光は、ターゲット表面の一点に集中
照射されることなく、均一的に照射されるため、ターゲ
ットより叩き出される粒子の流れは、基材表面の広い範
囲に振り分けられつつ堆積することとなる。よって、基
材上には厚さと質の均一化した酸化物超電導体の膜が生
成する。そしてまた、ターゲットから叩き出された粒子
が基材上の広い範囲に堆積することにより、膜厚が均一
で膜質の整った大面積の酸化物超電導体の膜を生成する
ことが可能である。
【0016】さらにまた、上述したように本発明のター
ゲットへのレーザ光照射は、その照射範囲が一点に集中
しないため、これに起因してレーザ光の焦点距離が変化
するなどの不都合が解消される。従って、このレーザ光
のエネルギー密度は、ターゲット上では常に変化するこ
となく、ほぼ一定に保持されるため、基材上に原料を蒸
着する蒸着操作中において、常時一様な濃度の原料ガス
雰囲気とすることができる。更に、レーザ蒸着法により
成膜するため、成膜時間が短くなるとともに緻密な酸化
物超電導体の膜が生成する。
【0017】そしてまた、上記のように自転運動及び首
振り運動中のターゲットに、レーザ光照射を行なった場
合、前記レーザ光にエキシマレーザ等のような、その断
面形状が横長の長方形状等のものを使用しても、前記タ
ーゲットのレーザ光照射面におけるレーザ光の照射面形
状は、正方形あるいは円形等の対象形状等に変形される
ため、光の上下方向、左右方向の蒸発粒子量が均一化さ
れて、均質な酸化物超電導膜を形成することが可能とな
る。
【0018】さらに、請求項3または請求項4において
は、上述したような請求項1または請求項2におけるタ
ーゲットを、円盤状基板の一方の面の周方向に複数個設
けたセットターゲットを用いたところに特徴があるもの
であって、このセットターゲットが設置されたレーザ蒸
着装置は、セットターゲットの円盤状基板を所定の時間
毎に周方向へ所定の角度だけ回転させつつ、かつ前記円
盤状基板表面に設けられた各ターゲットを自転させなが
ら、レーザ光を照射することにより、前記ターゲットよ
りターゲット粒子を叩き出して、これを基材上に成膜
し、酸化物超電導膜を得るものである。
【0019】よって、前記ターゲットの自転運動及び首
振り運動中におけるレーザ照射による基板上の成膜効果
は、上記請求項1及び請求項2と同様の効果を奏するも
のであって、前記ターゲットより叩き出された粒子が基
材上の広い範囲に堆積し、基材の広い範囲に均一に膜厚
・膜質の酸化物超電導膜を形成することができるもので
ある。さらに、本請求項3または請求項4においては、
前記セットターゲットの回転により、1つのターゲット
使用後、これを新たなターゲットに入れ替えることによ
り、ターゲットのレーザ光照射面に照射されるエネルギ
ー密度を一定に保つことができ、これにより安定したタ
ーゲット粒子の放出を長時間維持でき、安定した成膜が
可能である。よって、品質の安定した大きな面積の膜を
得ることができる。また、レーザ蒸着法であるので、成
膜時間が短くなるとともに、緻密な酸化物超電導体を得
ることができる。
【0020】
【実施例】以下に本発明における実施例のレーザ蒸着装
置用ターゲットについて以下に説明する。図1は、本発
明におけるレーザ蒸着装置に使用されるターゲットの一
例を示すもので、図中符号11のターゲットは、円柱状
の側面14と、これを挟むレーザ照射面12が、前記レ
ーザ照射面12と対向する底面13に対して、所定の傾
斜角度αを有する構成からなっている。なお、上記実施
例1におけるターゲットの形状は、単に一例にすぎず、
上記構成からなるものに限らず、前記レーザ照射面12
が底面に対し一定の傾斜角度αを有するもの、あるいは
一定の曲率を有する曲面でも良いのは勿論である。
【0021】そして、上記構成からなるターゲット11
を用いたレーザ蒸着装置の構成例1について、図面を参
照しつつ以下に説明する。 (構成例1)図2に本構成例のレーザ蒸着装置15を示
し、図中符号16は処理容器であって、この処理容器1
6の内部の蒸着処理室16aには、基材17とターゲッ
ト18が設置されている。処理容器16は、排気孔16
bを介して、真空排気装置19に接続されて内部を真空
排気できるようになっている。
【0022】蒸着処理室16aの底部には基台20が設
けられ、この基台20の上面に基材17が水平がに設置
されるとともに、基材17の斜め上方側に、支持板18
によって支持されたターゲット11が傾斜状態で設けら
れている。前記基台20は、加熱ヒータを内蔵したもの
で、基材17を所望の温度に加熱できるようになってい
る。そして、前記ターゲット11は、形成しようとする
酸化物超電導体の膜と同等または近似した組成、あるい
は成膜中に逃避しやすい成分を多く含有させた複合酸化
物の焼結体、または、酸化物超電導体のバルクなどから
形成されている。現在知られている臨界温度の高い酸化
物超電導体として具体的には、Y−Ba−Cu−O系、
Bi−Sr−Ca−Cu−O系などがあるので、ターゲ
ット3としてこれらの系のものなどを用いることができ
る。なお、酸化物超電導体を構成する元素の中で蒸気圧
が高く、蒸着の際に飛散しやすい元素もあるので、この
ような元素を含むターゲット11を使用する場合は、蒸
気圧の高い元素を目的とする所定の割合よりも多く含む
ターゲットを用いれば良い。
【0023】そして、前記ターゲット11が取り付けら
れた支持板18は、前記処理容器16外に設けられたタ
ーゲット自転駆動装置Zにより自転自在に支持され、前
記支持板18に取り付けられたターゲット11がとも
に、一定の速度で、または間欠的に自転運動するような
構成になっている。
【0024】一方、処理容器16の側方には、レーザ発
光装置21と集光レンズ22とが設けられ、レーザ発光
装置21が発生させたレーザ光23を処理容器16の側
壁に設けられた透明窓24を介して、ターゲット11に
集光照射できるようになっている。レーザ発光装置21
は、ターゲット11のレーザ照射面12から構成粒子を
叩き出すことができるものであれば、YAGレーザ、C
2レーザ、エキシマレーザなどのいずれのものでも使
用することができる。
【0025】そして、図2に示す構成例1のレーザ蒸着
装置15を用いて、酸化物超電導体を製造する方法を以
下に説明する。基台20とターゲット11を蒸着処理室
16a内に図2に示すようにセットしたならば、蒸着処
理室16aを真空排気する。ここで必要に応じて蒸着処
理室16aに酸素ガスを導入して蒸着処理室16aを酸
素雰囲気としても良い。また、基台20の加熱ヒータを
作動させて基材17を所望の温度に加熱する。
【0026】次に、レーザ発光装置21から発生させた
レーザ光23を集光レンズ22と透明窓24を介して蒸
着処理室16a内に導き、所定の速度で自転運動してい
る前記ターゲット11の表面に集光照射する。この際
に、集光レンズ22の位置調製を行なってターゲット1
1の表面にレーザ光23の焦点を合わせる。レーザ光2
3が照射されたターゲット11は、その自転運動とレー
ザ光23の照射により、自転運動をしつつ上下に首振り
運動を開始する。そして、前記のような運動を開始した
ターゲット11に、さらにレーザ光23が照射されるこ
とにより、その表面部分がえぐり取られるか蒸発されて
構成粒子が叩き出され、その粒子は図1の鎖線で示すよ
うに放射状に広がりつつ飛散して、基材17の表面に堆
積する。
【0027】よって、上記のように自転運動及び首振り
運動を行なっているターゲット11表面に、レーザ光が
照射され続けることにより、ターゲット11のレーザ照
射面12から叩き出された粒子の広がりは、従来より広
い範囲に広がりつつ、基材17の表面に達する。よっ
て、前記粒子が、その広がりを拡大しつつ、基材17上
に成膜されると、基材17の表面の広い範囲に粒子を均
一に堆積させることができ、基材17上に厚さと質の均
一な堆積層を形成することができる。また、自転運動と
首振り運動中のターゲット11に照射されるレーザ光2
3は、前記ターゲット11のレーザ照射面の一点に集中
することなく、均一的に照射されるので、長時間に及ぶ
レーザ光照射を行なっても、ターゲット11の一点のみ
が過剰に抉り取られ、これに起因してレーザ光23の焦
点距離が変化するなどの不都合が解消される。従って、
このレーザ光23のエネルギー密度は、ターゲット11
上では常に変化することなく、ほぼ一定に保持されるた
め、基板上に原料を蒸着する蒸着操作中において、常時
一様な濃度の原料ガス雰囲気とすることができる。な
お、ターゲット11の自転運動は、連続的であっても間
欠的であっても差し支えなく、ターゲット11を自転さ
せる際の自転速度は、ターゲット11からの発生粒子を
基材17の表面全部に、均一に到達できるようにするこ
とが必要である。
【0028】そして、前述のように粒子が堆積された基
材17は加熱されているので、堆積された膜は、堆積と
同時に熱処理されることとなる。従って、熱処理後に基
材上に酸化物超電導体の膜が形成された超電導導体が得
られる。なお、熱処理が充分でない時は、蒸着処理後に
別個に熱処理を行ない、生成された酸化物超電導体の膜
の結晶構造を整えるようにしても良い。さらにまた、タ
ーゲット11から叩き出された粒子は、充分に活性化さ
れた状態であるので、基材17上に緻密に堆積する。そ
して、堆積された膜は、熱処理され、緻密で結晶構造の
整った優れた超電導特性を発揮する酸化物超電導体の膜
が得られる。
【0029】ところで、図2の2点鎖線に示すように基
台20の左右に送り出しローラ25と巻取りローラ26
を設け、送り出しローラ25から送り出したテープ状の
基材を基台20に送り、巻取ローラ26で巻取つつ、レ
ーザ蒸着を行なうようにするならば、長尺の基材上に酸
化物超電導体の膜を有する超電導導体を製造することが
できる。また、前記長尺状の超電導体を製造する場合、
前述と同様にターゲット11を自転させつつ蒸着するこ
とで長尺の基材の全長全面にわたり特性の良好な酸化物
超電導体の膜を形成することができる。つまり、上述し
たような自転運動及び首振り運動中のターゲット11に
レーザ光23を照射し続けることにより、幅の広いテー
プ状の基材においても、その表面全部に均一な厚さと組
成の酸化物超電導体の膜を生成することが可能である。
なお、前記ターゲット11の自転方向は、図2に示す矢
印a方向に限らず、その逆であっても上記効果に影響を
及ぼすことはない。
【0030】そこで、上記構成例1の装置を用いて作製
した酸化物超電導体の製造例1について、以下に説明す
る。 (製造例1)図2に示す構成の蒸着装置15を用い、基
材17としてYSZ中間相層をつけたハステロイC27
6製の縦1000mm、横20mm、厚さ0.1mmの
基材を用いるとともに、ターゲット11としてY1Ba2
Cu37-Xなる組成の酸化物超電導体からなるターゲッ
トを用いた。そして、前記ターゲット11の形状は、図
1に示すように、円筒状の側面14と、これを挟むレー
ザ照射面12が、これと対向する底面13に対して20
度の傾斜角度を有するものを使用した。また、蒸着処理
室16aの内部を200mmTorrに排気し、基板1
7を700℃に加熱しつつレーザ蒸着を行なった。ター
ゲット照射用のレーザ光23には、波長)193nmの
エキシマレーザを用いた。また、成膜時、ターゲット1
1を図2に示す矢印a方向に、自転速度1S/回で自転
させつつ成膜処理を行なった。
【0031】以上の処理によって基材17上に厚さ2μ
mの酸化物超電導体の膜を形成した酸化物超電導体を得
ることができた。そして、得られた酸化物超電導体につ
いて、臨界温度を測定するとともに、液体窒素で冷却し
て臨界電流密度を測定した。 臨界温度 90K 臨界電流密度 200000A/cm2 (77
K、0T) 以上のように、本発明における上記実施例の装置15を
用い、本発明方法を用いることにより、優れた臨界温度
と臨界電流密度を示す酸化物超電導体を得ることができ
た。
【0032】さらに、上述した図1に示す形状のターゲ
ット11を、円盤状基板の円周に複数個設けた図4に示
すようなセットターゲット33を取り付けた構成例2の
レーザ蒸着装置30について、図面を参照しつつ以下に
説明する。 (構成例2)構成例2におけるレーザ蒸着装置30は、
ターゲット11を図4に示すように、円盤状の基板38
の円周に複数個取り付けたセットターゲット33として
用いたところに特徴があるものである。
【0033】図3は、本構成例2のレーザ蒸着装置30
を示すもので、前記レーザ蒸着装置30は、このセット
ターゲット33以外の構成は、上記構成例1と同様な構
成であり、蒸着処理室16a内には、上記セットターゲ
ット33とレーザ発光装置21が設けられ、前記蒸着処
理室16aには排気孔16bを介して接続された真空排
気装置19が設置されている。
【0034】そして、本構成例2で用いたセットターゲ
ット33は、図3に示すように、基板17の斜め上方に
天井部を貫通して設置され、このセットターゲット33
の円盤状基板39上には、その円周に沿って10枚のタ
ーゲット11・・・が、自転基板39を介して自転自在
に取り付けられている。そして、前記10枚のターゲッ
ト11・・・のうちの1枚が、上記基材17上に対向す
るようになっている。なお、前記ターゲット11の形状
は、上記構成例1で用いたターゲット11と同様のもの
である。
【0035】また、上記セットターゲット33の形成物
質についても、上記実施例と同様に、基材17上に形成
しようとする酸化物超電導膜と同一のまたは近似した組
成、あるいは成膜中に逃避し易い成分を多く含有された
複合酸化物の焼結体、または酸化物超電導体のバルクな
どから形成されており、例えば、臨界温度の高い、Y−
Ba−Cu−O系、Bi−Sr−Ca−Cu−O系、T
l−Ba−Ca−Cu−O系などの系のものをターゲッ
トとして用いることができる。
【0036】そして、上記セットターゲット33は、蒸
着処理室16a外に配されている円盤状基板公転駆動モ
ータ42によって、前記セットターゲット33の円盤状
基板38が回転されるようになっている。そしてまた、
前記円盤状基板38上に設けられた各ターゲット11・
・・を自転させるターゲット自転駆動モータ43は、前
記円盤状基板公転駆動モータ42と同様に、蒸着処理室
16a外に設置されている。
【0037】そこで、上記セットターゲット33の円盤
状回転駆動モータ42及びターゲット自転駆動モータ4
3による上記円盤状基板38の回転及びターゲット11
の自転機構について、以下に説明する。上記ターゲット
公転駆動モータ42は図4に示すように、回転軸にギア
Aが固定され、このギアAは、主軸44の一端に取り付
けられ、これを回転軸とするギアBと噛合している。ま
た、このギアBが取り付けられている主軸44の他端に
は、同軸で円盤状基板38が取り付けられている。従っ
て、この円盤状基板公転駆動モータ42の回転力は、ギ
アA及びBを介して主軸44に伝達され、蒸着処理室1
6a内に配されている円盤状基板38を回転させるよう
になっている。
【0038】なお、円盤状基板公転駆動モータ42は、
メインスイッチを入れると、円盤状基板38が、その上
面に取り付けられた自転基板39・・・及びターゲット
11・・・とともに36度回転し、その直後にサブスイ
ッチが自動的に切れて回転が止まり、回転停止後所定時
間経過すると、再度サブスイッチが入って上記と同様の
動作を繰り返すようになっている。また、上記ギアBに
は、10個のストッパピン穴45が穿通され、円盤状基
板公転駆動モータ42停止時、ギアB近傍に設置されて
いるストッパピン46が、上記10個のストッパピン穴
45の内の1個に挿入されて、ギアBの回転軸である主
軸44の回転を固定し、これにより円盤状基板38の回
転遊びをなくすようになっている。
【0039】また、ターゲット自転駆動モータ43の回
転軸47にはギアCが固定され、このギアCは、回転軸
48の一端に取り付けられているギアDに噛合し、また
このギアDと同軸で回転軸48の他端に取り付けられ、
蒸着処理室16a内に配されているギアEは、ギアFと
噛合し、さらにこのギアFは、隣接する軸状ギアGの一
端と噛合している。上記軸状ギアGの他端はギアHと噛
合し、さらにこのギアHは回転軸49の一端に取り付け
られているギアIと噛合している。また、上記回転軸4
9の他端には、円盤状基板38上に配置されている自転
基板39・・・を介してターゲット11・・・が取り付
けられている。従って、このターゲット自転駆動モータ
43の回転力は、ギアC→ギアD→ギアE→ギアF→軸
状ギアG→ギアH→ギアI→自転基板39・・・の順で
伝達され、自転基板39・・・を介してターゲット11
・・・を自転させるようになっている。なお、ターゲッ
ト自転駆動モータ43は、一旦スイッチを入れれば、再
びスイッチを切るまで断続的に回転し続け、その回転速
度は、0〜10rpmの間で調節することができる。
【0040】そこで、以下に、上記構成例2のレーザ蒸
着装置30を用いた酸化物超電導体の製造方法について
説明する。まず、図3に示すレーザ蒸着装置30におけ
る基台20上に基材17を設置し、10枚の自転円盤3
9・・・上に、前記基板17上に形成しようとする酸化
物超電導膜と同一または近似した組成のターゲット11
を各1枚ずつ取り付ける。前記ターゲット11の形状
は、上記構成例1で用いた図1に示す形状のものと同様
のものを使用した。
【0041】次に、前記セットターゲット33が設置さ
れている蒸着処理室16a内を真空排気ポンプ19を作
動させて排気する。ここで、必要に応じて蒸着処理室1
6aに酸素を導入して蒸着処理室16aを酸素雰囲気と
しても良い。そして、基台20内に内蔵されているヒー
タを作動させて、上記基材17を蒸着最適温度に加熱す
る。
【0042】また、上記操作と同時に円盤状基板公転駆
動モータ42のメインスイッチと、ターゲット自転駆動
モータ43のスイッチを入れ、自転基板39・・・を所
定の回転速度で回転させるとともに、円盤状基板38を
所定の時間間隔で36度づつ回転させる。そして、レー
ザ発光装置21から発生させたレーザ光23を集光レン
ズ22と透明窓24を介して蒸着処理室16a内に導
き、所定の速度で自転運動している前記ターゲット11
の表面に集光照射する。この際に、集光レンズ22の位
置調製を行なってターゲット11のレーザ照射面12に
レーザ光23の焦点を合わせる。
【0043】レーザ光23が照射されたターゲット11
は、その自転運動とレーザ光23の照射により自転運動
をしつつ上下に首振り運動を開始する。そして、前記の
ような運動を開始したターゲット11に、レーザ光23
が照射されることにより、前記ターゲット11のレーザ
光照射面12がえぐり取られるか蒸発されて、構成粒子
が叩き出され、その粒子は図3の鎖線で示すように放射
状に広がりつつ飛散して基材17の表面に堆積する。
【0044】そして、前述のように粒子が堆積さた基材
17は加熱されているので、堆積された膜は、堆積と同
時に熱処理される。従って、熱処理後に基板上に酸化物
超電導体の膜が形成された超電導導体が得られる。な
お、熱処理が充分でない時は、蒸着処理後に別個に熱処
理を行ない、生成された酸化物超電導体の膜の結晶構造
を整えるようにしても良い。また、前述のようにターゲ
ット11から叩き出された粒子は、充分に活性化された
状態であるので、基材17上に緻密に堆積する。そし
て、堆積された膜は、熱処理されるので、緻密で結晶構
造の整った優れた超電導特性を発揮する酸化物超電導体
の膜が得られる。
【0045】ところで、図3には図示されていないが、
本構成例2のレーザ蒸着装置30にえいても、上記構成
例1と同様に、基台20の左右に送り出しローラと巻取
りローラを設け、送り出しローラから送り出したテープ
状の基材を基台20に送り、巻取ローラで巻取つつ、レ
ーザ蒸着を行なうようにするならば、長尺の基材上に酸
化物超電導体の膜を有する超電導導体を製造することが
できる。前記長尺状の超電導導体を製造する場合、前述
と同様にターゲット11を自転させつつ蒸着することで
長尺の基材の全長全面にわたり特性の良好な酸化物超電
導体の膜を形成することができる。また、ターゲット1
1を自転させつつレーザ光23を照射することにより、
前記ターゲット11は、その自転運動とともに上下方向
の首振り運動を行なうようになる。よって、上記のよう
な運動を行なっているターゲット11にレーザ光23を
照射し続けると、幅の広いテープ状の基材であっても表
面全部に均一な厚さと組成の酸化物超電導体の膜を生成
することができる。
【0046】以上のように、上記構成例2のレーザ蒸着
装置30のターゲット11は、自転運動及び首振り運動
を行なっているところに、レーザ光が照射され続けるの
で、レーザ照射部分が、ターゲット上の所定の範囲を順
次移動し、ターゲット上の所定の範囲内において一点集
中照射されることなく、ターゲット11に対して長時間
におよぶレーザ光23照射を行なってもターゲット11
の一点のみが過剰に抉り取られ、これに起因してレーザ
光の焦点距離が変化するなどの不都合が解消される。従
って、このレーザ光のエネルギー密度はターゲット11
上では常に変化することなくほぼ一定に保持されるた
め、基板上に原料を蒸着する蒸着操作中において、常時
一様な濃度の原料ガス雰囲気とすることができる。
【0047】また、前記ターゲット11の自転運動及び
首振り運動中のレーザ光23照射は、ターゲット11の
レーザ光照射面12の広い範囲にレーザ光を照射して、
その粒子を叩き出し、基材に堆積させることができるこ
とから、前記基材17上には広い範囲で厚さと質の均一
な膜を形成することが可能である。なお、ターゲット1
1の自転運動は、連続的なものに限らず、間欠的であっ
ても差し支えない。更にターゲット11を自転させる際
の自転速度は、ターゲット11からの発生粒子を基材1
7の表面全部に均一に到達できるようにすることが必要
である。
【0048】またさらに、前記ターゲット11・・・が
自転基板39・・・を介して取り付けられた円盤状基板
38を所定時間毎に36度回転させることにより、レー
ザ光照射領域に、順次新たなターゲット11が送入され
るので、例えば長尺の酸化物超電導体を製造するため
に、20時間〜30時間にも及ぶ長時間にわたるレーザ
蒸着操作を行なっても、基材17上には均一な組成で、
かつ均一な膜厚の酸化物超電導体の膜を蒸着することが
できる。
【0049】そこで、上述した構成例2のレーザ蒸着装
置30を用いて、酸化物超電導体を作製した製造例2に
ついて、以下に説明する。 (製造例2)まず、長さ2m、幅5mm、厚さ0.3m
mのハステロイ合金製の基材17上に、厚さ0.4μm
のイットリウム安定化ジルコニアの中間層を形成し、こ
れを基台20上に設置する。一方、円盤状基板38上に
は10枚の自転基板39・・・を取り付け、これを介し
てY1Ba2Cu37-Xの組成構成からなるターゲット1
1・・・を各1枚ずつ取り付けセットターゲット33形
成した。なお、前記ターゲット11・・・の形状は、上
記製造例1と同様に、図1に示す形状であって、レーザ
照射面12が、その底面13に対して45度の傾斜を有
するものを用いた。そして、前記セットターゲットが配
置された蒸着処理室16a内を真空排気ポンプ5により
200mmTorrとなるように排気して、基台20内
に内蔵されているヒータを作動させて上記基材17を7
00℃に加熱した。
【0050】また、同時に円盤状基板公転モータ42の
メインスイッチと、ターゲット自転モータ43のスイッ
チを入れ、円盤状基板38が30分毎に36度回転し、
自転基板39・・・を10rpmの速度で回転するよう
にした。上記操作により基材17上に、YBaCuO系
酸化物超電導層が形成された酸化物超電導体を作製し
た。また、得られた酸化物超電導体の酸化物超電導層
は、約1μmの膜厚で、また、X線回析によりその酸化
物超電導膜組成を調べてみたところ、その組成は均一で
あった。また、その酸化物超電導体の臨界温度は、90
K以上であり、臨界電流密度は200000A/cm2
(77K、0T)であった。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明における請
求項1または請求項2においては、レーザ蒸着法により
基板上に酸化物超電導膜を形成するに際して使用するレ
ーザ蒸着装置のターゲットが、レーザ照射面をその底面
に対して傾斜した形状に形成されてなることを特徴とす
るもので、これを自転させつつ前記ターゲットにレーザ
光を照射すると、前記ターゲットは、その自転運動とと
もに、上下に首振り運動をしつつ回転することとなる。
従って、前記のような自転運動及び首振り運動中のター
ゲットにレーザ光が照射されると、前記レーザ光は、タ
ーゲット表面の一点に集中照射されることなく、均一的
に照射されるため、ターゲットより叩き出される粒子の
流れは、基材表面の広い範囲に振り分けられつつ堆積す
ることとなる。よって、基材上には厚さと質の均一化し
た酸化物超電導体の膜が生成する。そしてまた、ターゲ
ットから叩き出された粒子が基材上の広い範囲に堆積す
ることにより、膜厚が均一で膜質の整った大面積の酸化
物超電導体の膜を生成することが可能である。
【0052】さらにまた、上述したように本発明のター
ゲットへのレーザ光照射は、その照射範囲が一点に集中
しないため、これに起因してレーザ光の焦点距離が変化
するなどの不都合が解消される。従って、このレーザ光
のエネルギー密度は、ターゲット上では常に変化するこ
となく、ほぼ一定に保持されるため、基材上に原料を蒸
着する蒸着操作中において、常時一様な濃度の原料ガス
雰囲気とすることができる。更に、レーザ蒸着法により
成膜するため、成膜時間が短くなるとともに緻密な酸化
物超電導体の膜が生成する。
【0053】そしてまた、上記のように自転運動及び首
振り運動中のターゲットに、レーザ光照射を行なった場
合、前記レーザ光にエキシマレーザ等のような、その断
面形状が横長の長方形状等のものを使用しても、前記タ
ーゲットのレーザ光照射面におけるレーザ光の照射面形
状は、正方形あるいは円形等の対象形状等に変形される
ため、光の上下方向、左右方向の蒸発粒子量が均一化さ
れて、均質な酸化物超電導膜を形成することが可能とな
る。
【0054】さらに、請求項3または請求項4において
は、上述したような請求項1または請求項2におけるタ
ーゲットを、円盤状基板の一方の面の周方向に複数個設
けたセットターゲットを用いたところに特徴があるもの
であって、このセットターゲットが設置されたレーザ蒸
着装置は、セットターゲットの円盤状基板を所定の時間
毎に周方向へ所定の角度だけ回転させつつ、かつ前記円
盤状基板表面に設けられた各ターゲットを自転させなが
ら、レーザ光を照射することにより、前記ターゲットよ
りターゲット粒子を叩き出して、これを基材上に成膜
し、酸化物超電導膜を得るものである。
【0055】よって、前記ターゲットの自転運動及び首
振り運動中におけるレーザ照射による基板上の成膜効果
は、上記請求項1及び請求項2と同様の効果を奏するも
のであって、前記ターゲットより叩き出された粒子が基
材上の広い範囲に堆積し、基材の広い範囲に均一に膜厚
・膜質の酸化物超電導膜を形成することができるもので
ある。さらに、本請求項3または請求項4においては、
前記セットターゲットの回転により、1つのターゲット
使用後、これを新たなターゲットに入れ替えることによ
り、ターゲットのレーザ光照射面に照射されるエネルギ
ー密度を一定に保つことができ、これにより安定したタ
ーゲット粒子の放出を長時間維持でき、安定した成膜が
可能である。よって、品質の安定した大きな面積の膜を
得ることができる。また、レーザ蒸着法であるので、成
膜時間が短くなるとともに、緻密な酸化物超電導体を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における実施例のレーザ蒸着装置用タ
ーゲットを示す概略構成図である。
【図2】 図1に示すターゲットを用いた構成例1のレ
ーザ蒸着装置を示す概略構成図である。
【図3】 図1に示すターゲットを用いた構成例2のレ
ーザ蒸着装置を示す概略構成図である。
【図4】 図3に示すレーザ蒸着装置のセットターゲッ
トの駆動装置を示す要部拡大図である。
【図5】 従来のレーザ蒸着装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1、11、…ターゲット 2、…レーザ光 3、21…
レーザ発光装置 4、22…集光レンズ 5、17…基
材 6、16a…蒸着処理室 10、15、30…レー
ザ蒸着装置 12…レーザ光照射面 13…底面 14
…側面 16…処理容器 18、39…自転基板 20
…基台 38…円盤状基板 42…円盤状基板公転駆動
モータ 43…ターゲット自転駆動モータ 33…セッ
トターゲット α…傾斜角度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 14/28 9271−4K H01B 12/06 ZAA 7244−5G 13/00 565 D 7244−5G H01L 39/24 ZAA B 9276−4M (72)発明者 二木 直洋 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 定方 伸行 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式会 社フジクラ内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化物超電導体あるいはその原料を含む
    ターゲットと、該ターゲット表面に照射するレーザ光の
    光源と、該光源とから出射されたレーザ光を集光して該
    ターゲット表面に照射する集光手段と、該ターゲット近
    傍に配設された成膜用基材と、ターゲットの自転手段と
    が設けられたレーザ蒸着装置に使用されるターゲット
    が、レーザー照射面をその底面に対して傾斜した形状に
    形成されてなることを特徴としたレーザ蒸着装置用ター
    ゲット。
  2. 【請求項2】 酸化物超電導体あるいはその原料を含む
    ターゲットの表面にレーザ光を照射して飛散した微粒子
    を基材表面に当て、該基材表面に酸化物超電導膜を形成
    するレーザ蒸着法による酸化物超電導体の製造方法にお
    いて、 前記ターゲットのレーザ照射面を、その底面に対して傾
    斜した形状としたターゲットを用い、前記ターゲットを
    自転させつつ、前記傾斜したレーザ照射面にレーザ光を
    照射してブルームの歳差運動をさせながら酸化物超電導
    体層を形成することを特徴とした酸化物超電導体の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 酸化物超電導体あるいはその原料を含む
    ターゲットと、該ターゲット表面に照射するレーザ光の
    光源と、該光源とから出射されたレーザ光を集光して該
    ターゲット表面に照射する集光手段と、該ターゲット近
    傍に配設された成膜用基材と、ターゲットの自転手段と
    が設けられたレーザ蒸着装置に使用されるターゲット
    が、レーザ照射面をその底面に対して傾斜した形状に形
    成されてなり、かつ前記ターゲットは、円盤状の基板の
    一方の面の円周沿いに複数取り付けられたセットターゲ
    ットからなることを特徴としたレーザ蒸着装置用ターゲ
    ット。
  4. 【請求項4】 酸化物超電導体あるいはその原料を含む
    ターゲットの表面にレーザ光を照射して飛散した微粒子
    を基材表面に当て、該基材表面に酸化物超電導膜を形成
    するレーザ蒸着法による酸化物超電導体の製造方法にお
    いて、 前記レーザ照射面を、その底面に対して傾斜した形状と
    したターゲットを用い、前記ターゲットを円盤状基板の
    一方の面の円周沿いに複数取り付けてセットターゲット
    とし、これを所定の時間毎に周方向へ所定の角度だけ回
    転するとともに、前記個々のターゲットを自転させつ
    つ、前記自転中のターゲットにレーザ光を照射してブル
    ームの歳差運動をさせながら酸化物超電導体層を形成す
    ることを特徴とした酸化物超電導体の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1371746A4 (en) * 2001-02-08 2004-06-16 Sumitomo Electric Industries METHOD AND DEVICE FOR PRODUCING FILMS
WO2020089180A3 (de) * 2018-10-31 2020-06-25 MAX-PLANCK-Gesellschaft zur Förderung der Wissenschaften e.V. Beschichtungsvorrichtung, prozesskammer, sowie verfahren zum beschichten eines substrats und substrat beschichtet mit zumindest einer materialschicht

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CN113227443A (zh) * 2018-10-31 2021-08-06 马克斯·普朗克科学促进学会 涂覆设备、处理腔室和涂覆基板的方法以及用至少一个材料层涂覆的基板
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