JPH0627428B2 - 浮彫模様の形成方法 - Google Patents

浮彫模様の形成方法

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JPH0627428B2
JPH0627428B2 JP60085612A JP8561285A JPH0627428B2 JP H0627428 B2 JPH0627428 B2 JP H0627428B2 JP 60085612 A JP60085612 A JP 60085612A JP 8561285 A JP8561285 A JP 8561285A JP H0627428 B2 JPH0627428 B2 JP H0627428B2
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雅史 狩野
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、モルタル層表面に凹凸状の浮彫模様を形成す
る方法に関するものである。
〔産業上の利用分野〕
浮彫模様を有する材料は、建築関係の外装及び内装用を
はじめとして、その他さまざまな分野において幅広く利
用されている。
〔従来の技術〕
従来、モルタル層表面へ浮彫模様を形成する方法の代表
的なものとしては、(1)こて、へらによる方法、(2)ロー
ラーによる方法、(3)吹付による方法、(4)エンボツシン
グによる方法、(5)ブラストによる方法等が知られてい
る。
しかして、(1)の方法は、しつくい壁の仕上げ工法とし
て発展してきたものであり、細かな浮彫模様を形成する
ことは非常に難しく、熟練を要するものであった。
また、(2)の方法はパターンローラーを押印していくこ
とにより凹凸を形成させるものであるため、単純な繰返
し模様の形成には適した方法であるが、複雑、微細な模
様の形成には適さないものであった。
さらに、(3)の方法は、吹付ガンによりランダムな凹凸
模様を形成するには適した方法であるが、任意の例えば
図柄、文字等の特定な模様を形成することが出来ないと
いう欠点を有するものであった。
また、(4)の方法は、一応工場における大量生産に適し
た方法であるが、個々の製品にそれぞれ異なった模様を
付すには不適当な方法であった。
(5)の方法はモルタル層上を部分的にマスクし、マスク
されてない個所をブラスト処理することにより削り、凹
凸状の浮彫模様を形成するものである。しかし、この方
法は、ブラスト処理の際に、粉塵及び騒音等が発生する
ために作業環境の悪化をまねき、さらには作業場の周囲
への悪影響も大きく、また、作業時間も長く、危険をも
伴う等の欠点を有するものであった。
さらに、コンクリートパネルにモルタルを塗布する際、
モルタルとコンクリートの密着性を向上させる目的で、
コンクリート表面を凹凸状にする手段として、次のよう
な方法が知られている。すなわち、型枠にあらかじめ部
分的にセメント硬化遅延剤を塗布し、次いでコンクリー
トを型枠内に流し込み、養生し、次いで洗い出しを行な
う凹凸状のコンクリートパネルを製造する方法である。
しかし、この方法には型枠を必要とし、しかも任意の基
材に適用できるものではなかった。さらに、得られた凹
凸は、シャープな(輪郭のはっきりした)、かつ彫りの
深い凹凸模様ではなかった。それ故、この方法は、美観
を目的とした浮彫模様の形成手段としては不適当なもの
であった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明者らは、以上の如き浮彫模様の分野における現状
に鑑み、任意の基材上に、鮮明でランダム模様でない任
意の凹凸状の浮彫模様を、熟練を要することなく簡単に
形成する方法につき鋭意検討の結果、本発明に到ったも
のである。
〔問題点を解決するための手段〕
すなわち本発明は、 (i)基材上にモルタル層を形成する工程、 (ii)セメント硬化遅延効果を有する水溶性シートであっ
て、その表面に液体不透過性皮膜を模様状に施したもの
を、液体不透過性皮膜側をモルタル層側にしてモルタル
層にのせ、セメント硬化遅延剤をモルタル層に含浸させ
る工程、 (iii)モルタル層を養生する工程、 (iv)モルタル層の養生後、セメント硬化遅延剤が含浸し
た個所のモルタル層を洗浄除去する工程、 の諸工程からなる、深い凹凸を有する浮彫模様の形成方
法に関するものである。
本発明の方法においては、前記未硬化のモルタル層上に
密着したシートの液体不透過性皮膜の模様に応じ、セメ
ント硬化遅延剤がモルタル層に含浸する。したがって、
硬化遅延剤が含浸した個所は、硬化が遅延し、養生後で
あっても洗浄により容易に除去できる。それ故本発明の
方法は、シートの液体不透過性皮膜の模様に応じてシャ
ープな形状で、深い凹凸を有する浮彫模様を、モルタル
層表面に形成できるという特長を有するものである。
また、本発明においは、モルタル層の厚さ及びセメント
硬化遅延剤の含浸及びモルタル層の除去の程度を適当に
コントロールすることにより、浅い凹凸を有するものは
勿論のこと、深い凹凸を有するものまで、所望の深さの
凹凸を有する浮彫模様が自由に形成できるという特長を
有する。さらに本発明の方法は、浮彫模様がモルタル層
からなるものであるため、非常に安価にしかも耐久性に
優れた深い凹凸を有する浮彫模様を形成することができ
るという特長を有する。
以下、本発明の凹凸を有する浮彫模様の形成方法につ
き、さらに具体的に説明する。
まず本発明において使用する基材としては、公知のモル
タルを密着できるあらゆる基材が適用できる。例えば、
鉄、アルミニウム、ステンレス等の金属、ガラス、タイ
ル、陶磁器、コンクリート、レンガ、石材、木材、プラ
スチックあるいはこれらの積層体等を挙げることができ
る。その表面は必ずしも平面である必要はなく、例えば
曲面であってもよい。これら基材には、必要に応じて粗
面にしたり、着色したり、プライマーを施したり等の下
地処理を施すこともできる。
本発明においては、第一工程として、前記のような基材
上にモルタルを、コテ、ヘラ、スプレー等の通常用いら
れる手段により塗布し、モルタル層を形成する。該モル
タル層の厚さは、特に制限はない。しかし凹凸の彫りの
深さに応じ、実用上約1〜20mmにすることが好まし
い。
本発明で使用するモルタルは、従来から一般に使用され
ているものがそのまま適用出来る。すなわちセメント、
砂等の骨材及び水からなるものであり、必要に応じさら
に着色顔料、体質顔料、繊維性物質あるいは硬化促進
剤、硬化遅延剤、増粘剤、減水剤、消泡剤などの各種添
加剤等を配合したものである。またアクリル樹脂系エマ
ルジョン、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン、エポキシ樹
脂系エマルジョン、スチレンブタジェン樹脂系エマルジ
ョン等を配合した、いわゆる樹脂モルタルも本発明にお
いて使用出来る。
本発明においてはモルタル層は、同一色のモルタルを使
用する以外に、色の異なるモルタルを複数回塗り重ねる
こともできる。このように色の異なる複数のモルタル層
を形成することにより、後述する洗浄除去工程におい
て、モルタル層を洗浄除去する際の各場所の除去程度、
すなわち凹部の深さを加減することにより、深さに応じ
て多色の変化のある凹凸浮彫模様を形成することが可能
となる。
このようにして形成したモルタル層が未硬化の間に、好
ましくはモルタル層表面の遊離水が若干存在するか、あ
るいはモルタル層表面を指で軽く押したときに水がニジ
ミ出す程度の状態の間に、セメント硬化遅延効果を有す
る水溶性シートであって、その表面に液体不透過性皮膜
を模様状に施したものを、液体不透過性皮膜側をモルタ
ル層側にしてモルタル層にのせて密着させる。
本発明において使用するセメント硬化遅延効果を有する
水溶性シートであって、その表面に液体不透過性皮膜を
模様状に施したものとは、例えばポリビニルアルコー
ル、ポリ(メタ)アクリル酸またはその塩、ハイドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、ゼラチン、セルロース
誘導体、でんぷん、ポリマルトトリオース、アラビアガ
ム、タマリンドガム、キサンタンガム、アルギン酸ソー
ダ、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン等の水
溶性樹脂溶液にセメント硬化遅延剤、さらに必要に応じ
可塑剤、着色剤、充填剤あるいは増粘剤、界面活性剤、
消泡剤等の各種添加剤を配合したものをシート成形した
水可溶性樹脂シートであって、塗料、樹脂溶液等の液体
不透過性皮膜を形成する材料をシルクスクリーン等の手
段により模様状に塗布もしくは含浸させたものである。
なお、シートを形成するために使用する前記水溶性樹脂
がそれ自身セメント硬化遅延効果を有するでんぷんやポ
リマルトトリオースなどの多糖類等である場合には、セ
メント硬化遅延剤を必ずしも配合する必要はない。
本発明においてセメント硬化遅延剤としては、従来から
一般に使用されているものがそのまま使用可能である。
具体的には、例えばリン酸二水素ナトリウム、リン酸水
素二ナトリウム、リン酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウ
ム、糖類、酢酸カルシウム、オキシカルボン酸塩、リグ
ニンスルフォン酸塩、アルコールあるいは市販品として
リタール(日曹マタービルダース社製商品名)、ヴィン
ソル80R(山宗化学社製商品名)、エアコール(マノ
ール社製商品名)、KW−100(花王石鹸社製商品
名)等が代表的なものとしてあげられる。なお、固体の
ものについては、水溶液として使用する。
また、特に着色剤を配合したセメント硬化遅延剤を使用
することにより、セメント硬化遅延剤を含浸せしめた洗
浄除去すべきモルタル層の個所が着色によって判別でき
るために、後述する洗浄除去工程において便利である。
本発明においては、液体不透過性皮膜を施したシート自
身がセメント硬化遅延効果を有するものを使用するため
に、作業現場においてセメント硬化遅延剤溶液を塗布す
る方式に比較して作業能率を向上させることができる。
本発明においては、モルタル層上にセメント硬化遅延効
果を有する水溶性シートであって、その表面に液体不透
過性皮膜を施したシートをのせると、水により樹脂が溶
解し液体不透過性皮膜の下層になった部分以外のモルタ
ル層にセメント硬化遅延剤が含浸することから、水の存
在は必須である。従って前述の通りモルタル層は遊離水
が存在している状態であることが望ましいが、場合によ
り前記シートをのせる前にモルタル層表面に水を散布し
たり、あるいは前記シートをのせた後シート表面に水を
散布することもできる。
本発明においてはセメント硬化遅延剤をモルタル層に含
浸させた後、もしくは含浸させながら、モルタル層を一
定時間養生させる。養生方法としては、通常モルタルの
養生方法として知られている自然養生法、水蒸気養生
法、加圧養生法等が採用出来る。
養生のための時間は、後述する洗浄除去工程において、
セメント硬化遅延剤が含浸していない個所のモルタル層
は除去されない程度に硬化し、かつセメント硬化遅延剤
が含浸した個所のモルタル層は未硬化であるかもしくは
比較的容易に除去できる程度に半硬化するに要する時間
とする。具体的には、例えば自然養生法の場合、常温
(20℃)で8〜50時間とすることが好ましい。
尚、セメント硬化遅延剤をモルタル層に含浸せしめた後
に残った前記シート(主に液体不透過性皮膜の部分)
は、含浸終了後、適宜除去することができる。例えば、
モルタル層の養生前、養生中あるいは養生後のいずれの
ときであることができ、後に記載するモルタル層の洗浄
除去と同時であることもできる。
本発明においてはモルタル層を養生させた後、水あるい
は水と乳化剤等からなる洗浄液を用い、かつ回転ブラシ
で擦る方法、あるいは該洗浄液を高圧噴射する方法等の
手段により、セメント硬化遅延剤が含浸した個所のモル
タル層を洗浄除去する。
かくて深い凹凸を有する浮彫模様を形成したモルタル層
が得られる。本発明に於いてはさらに必要に応じ、色彩
を付与したり、光沢度を調整したり、さらに耐候性、耐
水性、耐薬品性等を付与するために、全面もしくは凹部
(又は凸部)に別の着色塗膜を施したり、全面にクリヤ
ーもしくはカラークリヤー等の塗膜を施したり、あるい
は研摩することもできる。
〔発明の効果〕
以上、記載したように本発明の方法により、任意の深さ
の、深い凹凸を有する、浮彫模様を、簡単に、かつ安価
に得ることが可能である。またシートに形成された模様
を色々と変化させることにより、所望の凹凸模様を簡単
にうることができるという特長を有する。
また、本発明の方法により得られた凹凸模様を形成した
モルタル層を有するものは、建材、装飾品等に利用で
き、工場あるいは現場においても製造できる特長を有し
ている。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
なお、実施例中「部」、「%」は重量基準である。
実施例1 周囲に木製枠をもうけた石綿スレート板(900×18
00×10mm)表面に、白セメント100部、シリカ粉
50部及び水50部からなるモルタルにて3mm厚の平滑
なモルタル層を形成した(コテを使用した)。
また、ポリビニルアルコール91部、リン酸三ナトリウ
ム8部、フタロシアニンブルー1部及び水500部から
なる溶液を用いて調製した20μのフィルム上に塗料
〔「ビルディック」(大日本塗料社製商品名)〕をシル
クスクリーン印刷し、液体不透過性皮膜を模様状に施し
たシートを作成した。
該シートを表面に遊離水を若干残す状態の上記モルタル
層にのせて密接させ、次いで該モルタル層を温度20
℃、相対温度75%の雰囲気中で1日養生させた。
次いで、水を注ぎ(30/分)ながら5分/m2の割合
で、回転(250rpm)するナイロン糸(径0.6mmを束ね
た円型ブラシ(φ100mm)で擦り、セメント硬化遅延
剤を含浸させた個所のモルタル層を除去した。
得られた表面には、シルクスクリーン印刷した模様に対
応した、平均深さ約1.7mmのシャープな模様状凹凸が形
成された。
このようにして得られたモルタル層表面には、きわめて
浮彫り感のある、浮彫模様が得られた。
実施例2 石綿スレート表面にポルトランドセメント100部、シ
リカ粉200部、減水剤1部、及び水75部からなるモ
ルタルにて5mm厚の平滑なモルタル層を形成した(コテ
を使用した)。
また、でんぷん64部、アラビアガム20部、ロジン系
硬化遅延剤〔「ヴィンソル80R」(山宗化学社製商品
名)〕10部、グリセリン5部、フタロシアニンブルー
1部及び水500部からなる溶液を用いて調製した30
μのフィルム上に、塗料「ビルディック」をシルクスク
リーン印刷し、液体不透過性皮膜を模様状に施したシー
トを作成した。
該シートを前記モルタル層にのせ、次いで以下実施例1
と同様にして養生及びモルタル層の洗浄除去を行い、平
均深さ約1.8mmのシルクスクリーン印刷した模様に対応
した模様状凹凸を形成した。このようにして得られたモ
ルタル層表面には実施例1と同様、浮彫り感のある浮彫
模様が得られた。
実施例3 石綿スレート板表面に白セメント100部、シリカ粉2
00部、チタン白10部、減水剤1部及び水75部から
なる白色モルタルにて3mm厚の平滑なモルタル層を形成
し(コテを使用した)、1時間放置後、さらに白セメン
ト100部、バライト50部、ナフトールレッド2部、
メチルセルロース系増粘剤0.2部、塩化カルシウム0.5部
及び水50部からなる赤色モルタルを2mm厚に塗り重
ね、平滑な複層モルタル層を形成した。また、ポリマル
トトリオース80部、スズ系硬化遅延剤〔「KW−10
0」(花王石鹸社製商品名)〕20部、フタロシアニン
ブルー1部及び水500部からなる溶液を用いて調製し
た30μのフィルム上に塗料「ビルディック」をシルク
スクリーン印刷し、液体不透過性皮膜を模様状に施した
シートを作成した。
該シートを前記モルタル層にのせ、次いで以下実施例1
と同様にして養生及びモルタル層の洗浄除去を行い、平
均深さ2.8mmのシルクスクリーン印刷した模様に対応し
た模様状凹凸を形成した。
このようにして得られたモルタル表面は凹部が白色、凸
色が赤色の、きわめて浮彫り感のある浮彫模様が得られ
た。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(i)基材上にモルタル層を形成する工程、 (ii)セメント硬化遅延効果を有する水溶性シートであっ
    て、その表面に液体不透過性皮膜を模様状に施したもの
    を、液体不透過性皮膜側をモルタル層側にしてモルタル
    層にのせ、セメント硬化遅延剤をモルタル層に含浸させ
    る工程、 (iii)モルタル層を養生する工程、 (iv)モルタル層の養生後、セメント硬化遅延剤が含浸し
    た個所のモルタル層を洗浄除去する工程、 の諸工程からなる、深い凹凸を有する浮彫模様の形成方
    法。
  2. 【請求項2】モルタル層が色の異なる複数のモルタル層
    から構成されていることを特徴とする、特許請求の範囲
    第1項記載の浮彫模様の形成方法。
JP60085612A 1985-04-22 1985-04-22 浮彫模様の形成方法 Expired - Lifetime JPH0627428B2 (ja)

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