JPH062793B2 - 低軟化点光学的異方性ピッチの製造方法 - Google Patents
低軟化点光学的異方性ピッチの製造方法Info
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- JPH062793B2 JPH062793B2 JP21807885A JP21807885A JPH062793B2 JP H062793 B2 JPH062793 B2 JP H062793B2 JP 21807885 A JP21807885 A JP 21807885A JP 21807885 A JP21807885 A JP 21807885A JP H062793 B2 JPH062793 B2 JP H062793B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、高強度・高弾性率炭素繊維(高性能炭素繊
維)およびその他の炭素材の製造原料として優れた性能
を有する光学的異方性ピッチの製造方法に関する。
維)およびその他の炭素材の製造原料として優れた性能
を有する光学的異方性ピッチの製造方法に関する。
更に詳しくは、キシレンがメチレン基を介して四個以上
結合した、キシレン四量体以上の留分から成る化合物を
出発原料とすることを特徴とする、低軟化点の、均質で
かつ分子配向性の優れた光学的異方性ピッチの製造方法
に関するものである。
結合した、キシレン四量体以上の留分から成る化合物を
出発原料とすることを特徴とする、低軟化点の、均質で
かつ分子配向性の優れた光学的異方性ピッチの製造方法
に関するものである。
(従来の技術) はじめに、本明細書では、ピッチの「光学的異方性」と
は、常温近くで固化したピッチ塊の断面を研磨し、反射
型偏光顕微鏡で直交ニコル下で観察したときに光揮が認
められる部分をいう。
は、常温近くで固化したピッチ塊の断面を研磨し、反射
型偏光顕微鏡で直交ニコル下で観察したときに光揮が認
められる部分をいう。
なお、光学的異方性の割合は、面積%で示す。「トルエ
ン不溶分」、「キノリン不溶分」とは、JIS−K−2
425に規定された方法によって決定される。
ン不溶分」、「キノリン不溶分」とは、JIS−K−2
425に規定された方法によって決定される。
「軟化点」とは、ホットステージ型顕微鏡で、窒素雰囲
気中でピッチ粉末を10℃/分で昇温し、ピッチ粉末が
変形しはじめる温度をいう。
気中でピッチ粉末を10℃/分で昇温し、ピッチ粉末が
変形しはじめる温度をいう。
ところで、一般に、炭素繊維は、工業的にはレーヨン、
PAN、ピッチを主な原料として作られている。
PAN、ピッチを主な原料として作られている。
しかしながら、PANを原料とした場合、原料が高価で
あり、炭化収率も低いという欠点がある。
あり、炭化収率も低いという欠点がある。
この点、ピッチは、価格が安く、経済的に魅力がある。
しかし、ピッチの中でも、等方性ピッチから製造された
低コスト炭素繊維は、分子配向性が悪いため、強度が低
く、高性能品は得られていない。
低コスト炭素繊維は、分子配向性が悪いため、強度が低
く、高性能品は得られていない。
これと対照的に、メソフェーズピッチと呼ばれる光学的
異方性ピッチから製造された炭素繊維は、高度の分子配
向性を有しており、強度と弾性率が高く、優れた機械的
特性を示す。
異方性ピッチから製造された炭素繊維は、高度の分子配
向性を有しており、強度と弾性率が高く、優れた機械的
特性を示す。
そして、石油の接触分解残油、ナフサタールピッチある
いはコールタールピッチからメソフェーズピッチを作る
研究が広く進められている。
いはコールタールピッチからメソフェーズピッチを作る
研究が広く進められている。
確かに、これらを原料としたメソフェーズピッチを紡糸
すると、縮合多環芳香族を中心とする分子が繊維軸方向
に配列して、高性能炭素繊維が得られることが多くの実
験で確かめられている。
すると、縮合多環芳香族を中心とする分子が繊維軸方向
に配列して、高性能炭素繊維が得られることが多くの実
験で確かめられている。
しかし、上記のメソフェーズピッチは、縮合多環芳香族
同志の相互作用が大きいため、粘度が高く、このため、
軟化点が高くなるという欠点がある。
同志の相互作用が大きいため、粘度が高く、このため、
軟化点が高くなるという欠点がある。
一般に、ピッチの紡糸温度は、軟化点より40〜100
゜C高いとされており、軟化点が高いと長時間安定して紡
糸することが困難となる。
゜C高いとされており、軟化点が高いと長時間安定して紡
糸することが困難となる。
このため、軟化点を下げて紡糸性を改善するための研究
が種々行なわれている。
が種々行なわれている。
しかし、従来の石油系ピッチやコールタールピッチは、
組成が様々で複雑な混合物である接触分解残油、ナフサ
タールあるいはコールタールを出発原料とし、これを加
熱処理して縮合多環芳香族構造を発達させたピッチであ
り、その分子量は連続的に広く分布している。
組成が様々で複雑な混合物である接触分解残油、ナフサ
タールあるいはコールタールを出発原料とし、これを加
熱処理して縮合多環芳香族構造を発達させたピッチであ
り、その分子量は連続的に広く分布している。
このため、従来の出発原料によるピッチでは、化学構造
まで制御することが難しく、極端に軟化点を下げること
は困難であった。
まで制御することが難しく、極端に軟化点を下げること
は困難であった。
従来、光学的異方性の発達したメソフェーズピッチは、
300゜C以下の温度で紡糸することは困難であり、多く
は340〜380゜Cの高温で紡糸されていた。
300゜C以下の温度で紡糸することは困難であり、多く
は340〜380゜Cの高温で紡糸されていた。
このため、紡糸時に熱分解および熱縮合反応が起こりや
すく、ガスや高分子量物質が生成しがちであり、長時間
安定な紡糸が困難であった。
すく、ガスや高分子量物質が生成しがちであり、長時間
安定な紡糸が困難であった。
この欠点を改良するための試みとしては、例えば、メソ
フェーズピッチを部分的に水素化してその積層状態を適
度に弱め、等方性のピッチとして紡糸する方法(特公昭
59−30192号)、紡糸時には等方性であるが、炭
化時には光学的異方性に転換する、特異なプリメソフェ
ーズピッチを用いる方法(特開昭58−18421号)
などがある。
フェーズピッチを部分的に水素化してその積層状態を適
度に弱め、等方性のピッチとして紡糸する方法(特公昭
59−30192号)、紡糸時には等方性であるが、炭
化時には光学的異方性に転換する、特異なプリメソフェ
ーズピッチを用いる方法(特開昭58−18421号)
などがある。
しかし、これらは、いずれも分子配向性の弱い等方性の
段階で紡糸するために、繊維中の分子配向性が光学的異
方性のものより劣る。
段階で紡糸するために、繊維中の分子配向性が光学的異
方性のものより劣る。
また、縮合多環芳香族が積層した粘度の高いピッチを水
素化することは、工業的に有利ではない。
素化することは、工業的に有利ではない。
更に、従来技術の出発原料とするコールタール、ナフサ
タール、あるいは石油留分の接触分解残油中には、フリ
ーカーボンや触媒粉などの灰分となる無機質が含まれて
いる。
タール、あるいは石油留分の接触分解残油中には、フリ
ーカーボンや触媒粉などの灰分となる無機質が含まれて
いる。
これらの物質は、ピッチを紡糸する際の障害となるばか
りでなく、これらの微粒子が繊維中に含まれると、炭素
繊維に欠陥を生じ、強度を弱める原因となる。
りでなく、これらの微粒子が繊維中に含まれると、炭素
繊維に欠陥を生じ、強度を弱める原因となる。
このため、これらの除去法が様々に工夫されているが、
サブミクロン粒子まで取り除くことは困難であり、強度
および弾性率が上がらない原因となっている。
サブミクロン粒子まで取り除くことは困難であり、強度
および弾性率が上がらない原因となっている。
(発明が解決しようとする問題点) 高性能炭素繊維を得るためには、曳糸状態で繊維軸方向
に沿って分子が配向していることが肝要である。このた
め、ピッチは、光学的異方性の高いことが望ましい。
に沿って分子が配向していることが肝要である。このた
め、ピッチは、光学的異方性の高いことが望ましい。
また、繊維の強度を高くするためには、配向した分子の
構造が繊維軸方向に長いほうが有利である。
構造が繊維軸方向に長いほうが有利である。
更に、ピッチの軟化点は低い方が望ましい。軟化点が低
いと、紡糸が容易となり、かつ長時間安定して紡糸でき
る。
いと、紡糸が容易となり、かつ長時間安定して紡糸でき
る。
但し、軟化点が低くなりすぎると、紡糸ノズルから出た
繊維同志が融着するようになるため使用できない。
繊維同志が融着するようになるため使用できない。
本発明は、従来のピッチ原料とは全く異なり、化学合成
の手段により調整された、限定された化学構造をもつ化
合物を出発原料として、従来のメソフェーズピッチより
はるかに低い温度で容易にかつ安定して紡糸できる、低
軟化点の、均質でかつ分子配向性の優れた光学的異方性
ピッチの製造方法を提供することを目的とする。
の手段により調整された、限定された化学構造をもつ化
合物を出発原料として、従来のメソフェーズピッチより
はるかに低い温度で容易にかつ安定して紡糸できる、低
軟化点の、均質でかつ分子配向性の優れた光学的異方性
ピッチの製造方法を提供することを目的とする。
(問題点を解決するための手段) (1)出発原料 本発明の低軟化点光学的異方性ピッチの製造方法は、今
まで殆ど利用されていなかった、化学構造の限定された
化合物を出発原料とする。
まで殆ど利用されていなかった、化学構造の限定された
化合物を出発原料とする。
この化合物は、キシレンがメチレン基を介して四個以上
結合した形の、キシレン四量体以上の留分から成る化合
物である。
結合した形の、キシレン四量体以上の留分から成る化合
物である。
キシレンが二個および/または三個結合した形の化合物
から得られる光学的異方性ピッチは、収率が低く、製造
装置が大きくなり、また、エネルギー的にも不経済であ
る。
から得られる光学的異方性ピッチは、収率が低く、製造
装置が大きくなり、また、エネルギー的にも不経済であ
る。
この化合物は、その調整方法がいかなる方法であって
も、上記の化学構造であれば本発明の出発原料として使
用できる。
も、上記の化学構造であれば本発明の出発原料として使
用できる。
この化合物は、例えば、キシレンとホルムアルデヒドを
原料として、プロトン酸を触媒として重合した重合物か
ら得ることができる。
原料として、プロトン酸を触媒として重合した重合物か
ら得ることができる。
また、キシレンとキシレンホルマリン樹脂を原料とし
て、プロトン酸を触媒として脱水縮合して得ることがで
きる。
て、プロトン酸を触媒として脱水縮合して得ることがで
きる。
また、キシレンとキシレンホルマリン樹脂を原料とし
て、パラトルエンスルホン酸を触媒として反応させた後
減圧蒸留して得ることができる。
て、パラトルエンスルホン酸を触媒として反応させた後
減圧蒸留して得ることができる。
また、キシレンに酸触媒下でジメチルスチレンを付加さ
せることによっても得ることができる。
せることによっても得ることができる。
上記の原料は、いずれも石油化学原料または石油化学製
品である。
品である。
そして、前述の灰分微粒子を含有するコールタール、ナ
フサタール、あるいは接触分解残油と異なり、フリーカ
ーボンや触媒粉などの無機質を本質的に全く含んでいな
いため、極めて優れた原料である。
フサタール、あるいは接触分解残油と異なり、フリーカ
ーボンや触媒粉などの無機質を本質的に全く含んでいな
いため、極めて優れた原料である。
更に、上記の原料は、高度に精製されており、硫黄分な
どの異種元素は殆ど含まれていない。
どの異種元素は殆ど含まれていない。
なお、出発原料を重合あるいは縮合反応によって調整す
る場合は、出発原料(キシレン四量体以上の留分)中の
酸素含有量を5重量%以下、好ましくは2重量%以下に
する必要がある。
る場合は、出発原料(キシレン四量体以上の留分)中の
酸素含有量を5重量%以下、好ましくは2重量%以下に
する必要がある。
酸素含有量の多いものは、加熱処理の際に分解されやす
く、ピッチの収率が低くなる。また、ピッチの軟化点が
高くなり、本発明の目的には使用できない。
く、ピッチの収率が低くなる。また、ピッチの軟化点が
高くなり、本発明の目的には使用できない。
(2)製造方法 上記出発原料を、不活性雰囲気中で、環流下または加圧
下で温度380〜460゜C、時間0.5〜10時間の条
件下で反応させた後、不活性ガスを吹き込むかまたは減
圧蒸留して、軽質分を除去しながらメソフェーズピッチ
化すると、本発明の目的とする、低軟化点の、均質でか
つ分子配向性の優れた光学的異方性ピッチを製造するこ
とができる。
下で温度380〜460゜C、時間0.5〜10時間の条
件下で反応させた後、不活性ガスを吹き込むかまたは減
圧蒸留して、軽質分を除去しながらメソフェーズピッチ
化すると、本発明の目的とする、低軟化点の、均質でか
つ分子配向性の優れた光学的異方性ピッチを製造するこ
とができる。
あるいは、はじめから軽質分を除去しながら加熱処理し
てメソフェーズピッチ化することにより、本発明の目的
とする光学的異方性ピッチを得ることもできる。
てメソフェーズピッチ化することにより、本発明の目的
とする光学的異方性ピッチを得ることもできる。
(3)ピッチの性状 高性能炭素繊維およびその他の炭素材を得るためには、
原料ピッチの光学的異方性は85%以上、好ましくは9
5%以上であることが必要である。
原料ピッチの光学的異方性は85%以上、好ましくは9
5%以上であることが必要である。
しかし、一般に、光学的異方性が高いほど軟化点が高く
なる。
なる。
本発明によって得られる光学的異方性ピッチの驚くべき
特徴は、光学的異方性が100%でも、軟化点が200
〜250゜Cであるということである。
特徴は、光学的異方性が100%でも、軟化点が200
〜250゜Cであるということである。
そして、更に必要があれば、軟化点250℃以上のピッ
チも調整することができる。
チも調整することができる。
また、光学的異方性が発達した状態で、かつ軟化点が低
くなるためには、炭化の進み具合の指標となるH/C(水
素と炭素の原子比)値が0.60〜0.75、特に0.
65〜0.70が好ましい。この点は、従来のメソフェ
ーズピッチのH/C値が0.5〜0.6であるのに比し
て、著しく異なっている。
くなるためには、炭化の進み具合の指標となるH/C(水
素と炭素の原子比)値が0.60〜0.75、特に0.
65〜0.70が好ましい。この点は、従来のメソフェ
ーズピッチのH/C値が0.5〜0.6であるのに比し
て、著しく異なっている。
また、更に驚くべきことは、本発明によって得られるピ
ッチは、トルエン不溶分が少なく、いってみればトルエ
ン可溶性の光学的異方性ピッチである。
ッチは、トルエン不溶分が少なく、いってみればトルエ
ン可溶性の光学的異方性ピッチである。
トルエン不溶分の量は、出発原料の分子量あるいは加熱
処理条件によって調節できる。
処理条件によって調節できる。
低い軟化点で光学的異方性を高くするためには、トルエ
ン不溶分は50重量%以下、好ましくは20〜40重量
%である。また、キノリン不溶分は10重量%以下、好
ましくは3重量%以下である。
ン不溶分は50重量%以下、好ましくは20〜40重量
%である。また、キノリン不溶分は10重量%以下、好
ましくは3重量%以下である。
(作用) 本発明で使用する出発原料(キシレンがメチレン基を介
して四個以上結合した形のキシレン四量体以上の留分)
を加熱処理すると、アルキル側鎖を介して隣接したベン
ゼン環同志が環化し、いわゆるカタ型の縮合環構造が比
較的多くできやすい。
して四個以上結合した形のキシレン四量体以上の留分)
を加熱処理すると、アルキル側鎖を介して隣接したベン
ゼン環同志が環化し、いわゆるカタ型の縮合環構造が比
較的多くできやすい。
しかも、環化されないアルキル置換基は、加熱処理の段
階でもある程度保持される。
階でもある程度保持される。
このため、光学的異方性が高いにもかかわらず、従来技
術が使用する出発原料よりも、縮合多環芳香族同志の相
互作用が緩やかになり、軟化点の低下、溶剤可溶という
作用をもたらす。。
術が使用する出発原料よりも、縮合多環芳香族同志の相
互作用が緩やかになり、軟化点の低下、溶剤可溶という
作用をもたらす。。
従って、本発明によって製造されたピッチを原料とする
と、高強度・高弾性率の高性能炭素繊維やその他の炭素
材を得ることができる。
と、高強度・高弾性率の高性能炭素繊維やその他の炭素
材を得ることができる。
(実施例) 次に、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。
本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1 攪拌羽根および還流冷却器を備えたフラスコに、キシレ
ン550g、パラホルムアルデヒド100g、83%硫
酸200gを仕込み、反応温度110℃で5時間反応さ
せた。
ン550g、パラホルムアルデヒド100g、83%硫
酸200gを仕込み、反応温度110℃で5時間反応さ
せた。
反応終了後、トルエン500gで希釈した後、トルエン
と反応液の混合物を純水で水層が中性になるまで洗浄し
た。
と反応液の混合物を純水で水層が中性になるまで洗浄し
た。
その後、減圧蒸留(120℃/10mmHg)で未反応物を
除去し、重合物を300g得た。
除去し、重合物を300g得た。
その後、更に減圧蒸留(240℃/1mmHg)し、留出油
190gと釜残として重質物110gを得た。
190gと釜残として重質物110gを得た。
この重質物を元素分析、GPCおよび質量分析による分
子量分布の測定の結果、キシレンがメチレン基を介して
四個以上結合した留分が主体であることを確認した。
子量分布の測定の結果、キシレンがメチレン基を介して
四個以上結合した留分が主体であることを確認した。
この重質物60gを窒素を用いた不活性雰囲気中で、4
20℃で還流させながら7時間反応させた後、減圧蒸留
(400℃/10mmHg)で軽質分を除去しながらメソフ
ェーズピッチ化を行ない、ピッチ25.8gを得た。
20℃で還流させながら7時間反応させた後、減圧蒸留
(400℃/10mmHg)で軽質分を除去しながらメソフ
ェーズピッチ化を行ない、ピッチ25.8gを得た。
このピッチの性状は、光学的異方性100%、軟化点2
25℃、H/C値0.670、トルエン不溶分38.2重
量%、キノリン不溶分2.8重量%であった。
25℃、H/C値0.670、トルエン不溶分38.2重
量%、キノリン不溶分2.8重量%であった。
このピッチを、紡糸温度270℃で、ノズル孔0.5mm
φの紡糸ノズルを用いて溶融紡糸したところ、ピッチ繊
維直径15μmにおいて糸切れなく円滑に紡糸できた。
φの紡糸ノズルを用いて溶融紡糸したところ、ピッチ繊
維直径15μmにおいて糸切れなく円滑に紡糸できた。
このピッチ繊維(原糸)を空気雰囲気中で徐々に温度を
上げながら最終的に300℃で不融化した後、不活性ガ
ス雰囲気中で1000℃まで炭化燃成した。
上げながら最終的に300℃で不融化した後、不活性ガ
ス雰囲気中で1000℃まで炭化燃成した。
得られた炭素繊維の引張り強度は18.3Ton/cm2、弾
性率1660Ton/cm2であった。
性率1660Ton/cm2であった。
実施例2および実施例3 実施例1と同様な方法で、出発原料の調整条件およびピ
ッチ化条件を変えて行なった。
ッチ化条件を変えて行なった。
以上、実施例1〜実施例3について、 表1に出発原料の調整条件と性状を示す。
表3にピッチの製造条件と性状を示す。
表4に炭素繊維性状を示す。
実施例4 攪拌羽根および還流冷却器を備えたフラスコに、キシレ
ン100g、市販のキシレンホルマリン樹脂(商品名ニ
カノールL、酸素含有量8.8重量%)100g、パラ
トルエンスルホン酸20gを仕込み、反応温度120℃
で5時間反応させた。
ン100g、市販のキシレンホルマリン樹脂(商品名ニ
カノールL、酸素含有量8.8重量%)100g、パラ
トルエンスルホン酸20gを仕込み、反応温度120℃
で5時間反応させた。
反応終了後、トルエン300gで希釈した後、トルエン
と反応液の混合物を純水で水層が中性になるまで洗浄し
た。
と反応液の混合物を純水で水層が中性になるまで洗浄し
た。
その後、減圧蒸留(240℃/1mmHg)し、釜残として
重質物を140g得た。
重質物を140g得た。
この重質物を元素分析、GPCおよび質量分析による分
子量分布の測定の結果、キシレンがメチレン基を介して
四個以上結合した留分であることを確認した。
子量分布の測定の結果、キシレンがメチレン基を介して
四個以上結合した留分であることを確認した。
この留分の酸素含有量は、0.4重量%であった。
この重質物60gを窒素を用いた不活性雰囲気中で、4
00℃で還流させながら8時間反応させた後、窒素の導
入管を液中に入れ、400cc/分の窒素を流しながら4
00℃で軽質分を除去して、ピッチ24.0gを得た。
00℃で還流させながら8時間反応させた後、窒素の導
入管を液中に入れ、400cc/分の窒素を流しながら4
00℃で軽質分を除去して、ピッチ24.0gを得た。
このピッチの性状は、光学的異方性90%、軟化点23
5℃、H/C値0.668、トルエン不溶分39.2重量
%、キノリン不溶分9.0重量%であった。
5℃、H/C値0.668、トルエン不溶分39.2重量
%、キノリン不溶分9.0重量%であった。
このピッチを、ノズル孔0.5mmφの紡糸ノズルを用い
て290℃で溶融紡糸したところ、ピッチ繊維直径13
μmで糸切れなく紡糸できた。
て290℃で溶融紡糸したところ、ピッチ繊維直径13
μmで糸切れなく紡糸できた。
このピッチ繊維を空気雰囲気中で徐々に温度を上げなが
ら最終的に300℃で不融化した後、不活性ガス雰囲気
中で1000℃まで炭化焼成した。
ら最終的に300℃で不融化した後、不活性ガス雰囲気
中で1000℃まで炭化焼成した。
得られた炭素繊維の引張り強度は17.8Ton/cm2、弾
性率1650Ton/cm2であった。
性率1650Ton/cm2であった。
表2に出発原料の調整条件と性状を示す。
表3にピッチの製造条件と性状を示す。
表4に炭素繊維性状を示す。
実施例5 実施例4と同様な方法で、出発原料の調整条件およびピ
ッチ化条件を変えて行なった。
ッチ化条件を変えて行なった。
表2に出発原料の調整条件と性状を示す。
表3にピッチの製造条件と性状を示す。
比較例1 市販のキシレンホルマリン樹脂(商品名ニカノールL)
を出発原料として使用した。
を出発原料として使用した。
なお、この樹脂の酸素含有量を分析したところ、8.8
重量%であった。
重量%であった。
この樹脂100gを、実施例1と同様に、窒素を用いた
不活性雰囲気中で、400℃で還流させながら7時間反
応させた後、減圧蒸留(400℃/10mmHg)で軽質分
を除去しながらメソフェーズピッチ化を行なったとこ
ろ、ピッチの収率は2.0gに過ぎなかった。
不活性雰囲気中で、400℃で還流させながら7時間反
応させた後、減圧蒸留(400℃/10mmHg)で軽質分
を除去しながらメソフェーズピッチ化を行なったとこ
ろ、ピッチの収率は2.0gに過ぎなかった。
このピッチの性状は、光学的異方性90%、軟化点30
0℃、トルエン不溶分66.0重量%、キノリン不溶分
35.0重量%であった。
0℃、トルエン不溶分66.0重量%、キノリン不溶分
35.0重量%であった。
紡糸性は、不良であった。
表3にピッチの製造条件と性状を示す。
比較例2 実施例1で得られたキシレンの二、三量体留分500g
をとり、実施例1と同様に、窒素を用いた不活性雰囲気
中で、400℃で還流させながら12時間反応させた
後、減圧蒸留(400℃/10mmHg)で軽質分を除去し
ながらメソフェーズピッチ化を行なったところ、ピッチ
の収率は10.0gに過ぎなかった。
をとり、実施例1と同様に、窒素を用いた不活性雰囲気
中で、400℃で還流させながら12時間反応させた
後、減圧蒸留(400℃/10mmHg)で軽質分を除去し
ながらメソフェーズピッチ化を行なったところ、ピッチ
の収率は10.0gに過ぎなかった。
表3にピッチの性状を示す。
比較例3 流動接触分解残油の400℃以上の重質油を原料とし
て、実施例1と同様な条件でピッチを製造した。
て、実施例1と同様な条件でピッチを製造した。
このピッチの性状は、光学的異方性90%、軟化点28
0℃、H/C値0.58であった。
0℃、H/C値0.58であった。
このピッチを、ノズル孔0.5mmφの紡糸ノズルを用い
て350℃で溶融紡糸したところ、ピッチ繊維直径13
μmで糸切れなく紡糸できた。
て350℃で溶融紡糸したところ、ピッチ繊維直径13
μmで糸切れなく紡糸できた。
このピッチ繊維を空気雰囲気中で徐々に温度を上げなが
ら最終的に300℃で不融化した後、不活性ガス雰囲気
中で1000℃まで炭化焼成した。
ら最終的に300℃で不融化した後、不活性ガス雰囲気
中で1000℃まで炭化焼成した。
得られた炭素繊維の引張り強度は16.3Ton/cm2、弾
性率1370Ton/cm2であった。
性率1370Ton/cm2であった。
表4に炭素繊維性状を示す。
(発明の効果) 本発明の光学的異方性ピッチの製造方法は、従来殆ど利
用されていなかった、化学構造の限定された化合物を出
発原料とするところに特徴がある。
用されていなかった、化学構造の限定された化合物を出
発原料とするところに特徴がある。
そして、従来のメソフェーズピッチよりはるかに低い温
度で紡糸できる、全く新しいタイプの光学的異方性ピッ
チの製造方法である。
度で紡糸できる、全く新しいタイプの光学的異方性ピッ
チの製造方法である。
本発明によって製造されたピッチは、光学的異方性が高
度に発達している。
度に発達している。
このため、このピッチを用いて製造された炭素繊維その
他の炭素材は、繊維などの黒鉛構造の発達が進み易く、
高い弾性率が得られる。
他の炭素材は、繊維などの黒鉛構造の発達が進み易く、
高い弾性率が得られる。
また、従来のメソフェーズピッチのように繊維の欠陥の
原因となる灰分などの不純物が少ないため、高い繊維強
度が得られる。
原因となる灰分などの不純物が少ないため、高い繊維強
度が得られる。
そして、光学的異方性100%でも、軟化点が200〜
250℃であるため、紡糸は、250〜300℃とい
う、従来技術では困難であった低い温度で可能である。
250℃であるため、紡糸は、250〜300℃とい
う、従来技術では困難であった低い温度で可能である。
しかも、ピッチの変質もなく相分離も起こらず、紡糸時
の糸切れなどの障害も少ないため、長時間安定して紡糸
することができる。
の糸切れなどの障害も少ないため、長時間安定して紡糸
することができる。
更に、本発明によって製造されたピッチを従来のメソフ
ェーズピッチに混ぜることにより、光学的異方性含有量
を減ずることなく、軟化点を下げて紡糸性を改善するこ
ともできる。
ェーズピッチに混ぜることにより、光学的異方性含有量
を減ずることなく、軟化点を下げて紡糸性を改善するこ
ともできる。
Claims (7)
- 【請求項1】次の一般式で表されるキシレン四量体以上
の留分から成る化合物を出発原料として、該出発原料を
不活性雰囲気中で還流下または加圧下で温度380〜4
60゜C、時間0.5〜10時間の条件下で反応させた
後、不活性ガスを吹き込むかまたは減圧蒸留して、軽質
分を除去しながらメソフェーズピッチ化する、低軟化点
光学的異方性ピッチの製造方法。 (ただし、m≧3 Rは水素またはメチル基。) - 【請求項2】次の一般式で表されるキシレン四量体以上
の留分から成る化合物を出発原料として、該出発原料を
還流させずまたは加圧せず温度380〜460゜C、時間
0.5〜10時間の条件下で加熱処理して、軽質分を除
去しながらメソフェーズピッチ化する、低軟化点光学的
異方性ピッチの製造方法。 (ただし、m≧3 Rは水素またはメチル基。) - 【請求項3】キシレンとホルムアルデヒドを原料とし
て、プロトン酸を触媒として重合して得たキシレン四量
体以上の留分から成る化合物を出発原料とする、特許請
求の範囲第1項または第2項記載の低軟化点光学的異方
性ピッチの製造方法。 - 【請求項4】キシレンとキシレンホルマリン樹脂を原料
として、プロトン酸を触媒として脱水縮合して得たキシ
レン四量体以上の留分から成る化合物を出発原料とす
る、特許請求の範囲第1項または第2項記載の低軟化点
光学的異方性ピッチの製造方法。 - 【請求項5】キシレンとキシレンホルマリン樹脂を原料
として、パラトルエンスルホン酸を触媒として反応させ
た後減圧蒸留して得たキシレン四量体以上の留分から成
る化合物を出発原料とする、特許請求の範囲第1項また
は第2項記載の低軟化点光学的異方性ピッチの製造方
法。 - 【請求項6】キシレン四量体以上の留分から成る化合物
の酸素含有量が5重量%以下である、特許請求の範囲第
3項、第4項または第5項記載の低軟化点光学的異方性
ピッチの製造方法。 - 【請求項7】キシレン四量体以上の留分から成る化合物
の酸素含有量が2重量%以下である、特許請求の範囲第
3項、第4項または第5項記載の低軟化点光学的異方性
ピッチの製造方法。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21807885A JPH062793B2 (ja) | 1985-10-02 | 1985-10-02 | 低軟化点光学的異方性ピッチの製造方法 |
| EP86105234A EP0200965B1 (en) | 1985-04-18 | 1986-04-16 | Pitch for production of carbon fibers |
| DE8686105234T DE3677407D1 (de) | 1985-04-18 | 1986-04-16 | Pech fuer die herstellung von kohlenstoffasern. |
| US06/853,579 US4670129A (en) | 1985-04-18 | 1986-04-18 | Pitch for production of carbon fibers |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21807885A JPH062793B2 (ja) | 1985-10-02 | 1985-10-02 | 低軟化点光学的異方性ピッチの製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6279214A JPS6279214A (ja) | 1987-04-11 |
| JPH062793B2 true JPH062793B2 (ja) | 1994-01-12 |
Family
ID=16714292
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP21807885A Expired - Lifetime JPH062793B2 (ja) | 1985-04-18 | 1985-10-02 | 低軟化点光学的異方性ピッチの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH062793B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103923287B (zh) * | 2014-05-13 | 2016-06-29 | 山东圣泉新材料股份有限公司 | 一种制备二甲苯甲醛树脂的方法 |
| CN117136217A (zh) * | 2021-03-29 | 2023-11-28 | 埃克森美孚技术与工程公司 | 来自芳族原料的各向同性沥青组合物、其制备方法及其用途 |
| CN117280015A (zh) * | 2021-03-29 | 2023-12-22 | 埃克森美孚化学专利公司 | 来自芳族原料的中间相沥青组合物、其制备方法及其用途 |
-
1985
- 1985-10-02 JP JP21807885A patent/JPH062793B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6279214A (ja) | 1987-04-11 |
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