JPH0628611A - 磁気ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

磁気ヘッドおよびその製造方法

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JPH0628611A
JPH0628611A JP3157793A JP3157793A JPH0628611A JP H0628611 A JPH0628611 A JP H0628611A JP 3157793 A JP3157793 A JP 3157793A JP 3157793 A JP3157793 A JP 3157793A JP H0628611 A JPH0628611 A JP H0628611A
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Teizo Tamura
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Nobuyuki Sugishita
信行 杉下
Yoshihiro Shiroishi
芳博 城石
Takeshi Kimura
剛 木村
Kiminari Shinagawa
公成 品川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】磁気コアを構成するフェライトの磁気異方性を
巧みに利用することにより、磁気記録再生特性の特にす
ぐれた磁気ヘッドを提供すること。 【構成】作動ギャップ33を介して相対峙する2個の高
透磁率磁性体32を有し、高透磁率磁性体は作動ギャッ
プ近傍でその幅を狭めるごとく切欠き部を有し、高透磁
率磁性体の少なくとも一方が単結晶Mn−Znフェライ
トからなり、少なくとも1個の単結晶Mn−Znフェラ
イトの{110}面を主磁路形成面とほぼ平行にすると
ともに{110}面内に存在する<100>方向と作動
ギャップの形成面とのなす角θが、5゜〜40゜もしく
は80゜〜120゜になるように構成され、且つ切欠き
部にガラス34を溶融付着して再生出力を向上せしめた
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録装置用磁気ヘッ
ド(以後、磁気ヘッドと記す)に関し、さらに詳細には
磁気記録媒体対向面において2個の高透磁率磁性体が作
動ギャップを介して対峙し、少なくともその一方が単結
晶フェライトからなる磁気コアを有する磁気ヘッドおよ
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録技術の高度化、とくに磁気記録
の高密度化に対する要請は今日きわめて強いものであ
る。この要請に応じるためには、磁気記録媒体の高保磁
力化、高磁束密度化、低雑音化とともに、磁気ヘッドの
記録特性、再生感度の大幅な改良が大きな課題となって
いる。
【0003】本発明は、上記課題を解決すべく、鋭意研
究を重ねた結果到達したものであり、従来の同種磁気ヘ
ッドに比し、格段と記録再生特性にすぐれた磁気ヘッド
を提供するものである。
【0004】現在、多く使用されている磁気ヘッドは、
たとえば、図1に示すごとく、高透磁率磁性材料よりな
るブロック11および11´を、コイル捲装用窓10が
構成されるように作動ギャップ12を介して接合してな
る磁気コアに、コイル13,13´を捲装して構成され
ている。とくに上記磁気コアを形成する高透磁率磁性材
料として、単結晶フェライトを用いると、高周波特性に
すぐれ、かつ、耐摩耗性にすぐれた磁気ヘッドが得られ
ることは、一般によく知られている。上記した単結晶フ
ェライトとしては、通常、立方晶系のMn−Znフェラ
イトが用いられ、これは、その構成元素組成により、<
100>軸方向または<111>軸方向が磁化容易軸で
ある磁気異方性を示す。
【0005】ところで、上記した結晶軸方向を、磁気ヘ
ッドの磁気コアの中でどのように配置すべきかについて
は未検討の部分が多く、未だ確たる指導理念が存在しな
い。
【0006】磁気ヘッドの性能が磁気コア内部の磁気抵
抗分布の仕方に依存することは当然である。しかしなが
ら、フェライトの面加工、とくに磁気ヘッドの特性を強
く支配する作動ギャップ近傍の加工による磁気特性の変
化の状況等に関する詳細な情報を得ることは困難であ
り、如何なる加工条件のもとで、結晶方位を如何に配置
すれば如何なる磁気抵抗分布が実現するかを予測するこ
とが極めて困難である。さらに、それが予測可能である
としても、特に、作動ギャップ部で磁気異方性軸をどの
ように配置すれば記録・再生特性が最も良好になるかを
算定することは、現在の高性能コンピュータを用いて
も、なお、極めて困難である。磁気コアにおける結晶軸
の望まいし配置がどのようなものか極めて不明確である
ことの主たる原因は、この点に存在するものと言える。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、磁気
コアを構成するフェライトの磁気異方性を巧みに利用す
ることにより、磁気記録再生特性の特にすぐれた磁気ヘ
ッドを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明による磁気ヘッドは、作動ギャップを介して
相対峙する2個の高透磁率磁性体を有し、該高透磁率磁
性体は該行動ギャップ近傍でその幅を狭めるごとく切欠
部を有し、該高透磁率磁性体の少なくとも一方が単結晶
Mn−Znフェライトからなり、少なくとも1個の該単
結晶Mn−Znフェライトの{110}面を主磁路形成
面とほぼ平行にするとともに該{110}面内に存在す
る<100>方向と該行動ギャップの形成面となす角θ
(θは、該作動ギャップ形成面上で記録媒体対向面へ向
かうベクトルを仮定し、該ベクトルの終端が該ベクトル
の始端を中心として、該ギャップ形成面から該高透磁率
磁性体内部に向かって該主磁路形成面上で回転すると
き、該ベクトルの掃く回転角を正ととる)が5゜〜40
゜もしくは80゜〜120゜になるように構成され、且
つ該単結晶Mn−Znフェライトに引張応力を印加する
ため少なくとも該作動ギャップの側面近傍の該切欠き部
の高透磁率磁性体面にガラスを溶融付着せしめて再生出
力を向上してなるものである。
【0009】
【作用】前記単結晶Mn−Znフェライトは−2×10
4〜1×104erg/ccの結晶磁気異方性定数を有す
るものであり、さらに望ましくは−1.5×104〜8×
103erg/ccの結晶磁気異方性定数を有するもので
ある。本発明による磁気ヘッドは、少なくとも作動ギャ
ップ部近傍のフェライト面(磁気記録媒体対向面および
作動ギャップ作成面を除く)に上記収縮率がフェライト
より低いガラスを溶融付着させることにより、作動ギャ
ップ近傍のフェライト内に引張応力を発生せしめ、この
引張応力の存在によりフェライトの磁気異方性を制御
し、この制御された磁気異方性を利用して記録再生特性
を高めるものである。しかし、フエライトの結晶磁気異
方性定数が上記範囲外であると、引張応力が存在しても
望ましい磁気異方性を得ることができず、本発明の効果
を期待できない。
【0010】なお、フェライト面に張力を加えることに
よってその面内に一軸磁気異方性を誘起するには、その
面を{110}面に平行なものとしなければならない。
圧縮応力を加える場合には他の面でも一軸異方性が誘起
されるが、この応力が溶融付着されたガラスによって加
えられる場合はガラスに引張応力が作用することになり
ガラスの割れを生じ易く実用的でない、また、ガラスを
溶融付着するフェライト面は主としてはほぼ主磁路形成
面であるから、結局、フェライト面に張力を加えること
によりその面内に一軸磁気異方性を誘起するには主磁路
形成面を{110}面とほぼ平行にすることが必要であ
る。本発明の磁気ヘッドにおいて単結晶Mn−Znフェ
ライトの{110}面を主磁路形成面とほぼ平行にする
のは、上記の理由による。
【0011】また、上記の作動ギャップ側面近傍とは、
主としてほぼ主磁路形成面と平行な側面であって、磁気
記録媒体対向面と作動ギャップ形成面との交線と該側面
の交点を中心としてほぼ半径dの領域乃至ほぼ半径10
dの領域を指すものとする。但しdは作動ギャップ形成
面の深さであって、図3に示してある。作動ギャップ形
成面からのこの極度の範囲にある側面にガラスを溶融付
着すれば、磁気ヘッドの性能が十分向上するようにフェ
ライトの磁気異方性を制御することができる。また、こ
の作動ギャップ側面近傍は磁気ヘッドにおける周知の磁
気コア切欠部側面に対応するものである。
【0012】本発明による磁気ヘッドは、作動ギャップ
を介して相対峙する2個の高透磁率磁性体を有するもの
であり、その少なくとも1個は単結晶Mn−Znフェラ
イトからなるものであるが、前述のように単結晶Mn−
Znフェライトは磁気コア材料としてすぐれたものであ
るから、通常は2個の高透磁率磁性体のいずれもが単結
晶Mn−Znフェライトからなることが、より望まし
い。同様に、本発明による磁気ヘッドは、前記単結晶M
n−Znフェライトの少なくとも1個が前記結晶方位の
条件を満足していなければならないが、2個の単結晶M
n−Znフェライトのいずれもがかかる結晶方位条件を
満足すればより好ましいことになる。
【0013】作動ギャップ側面近傍に溶融付着するガラ
スは通常、周知のように、この部分に設けられた磁気コ
アの切欠部に充填される。なお、本来、この切欠部はト
ラック幅を小ならしめる目的で設けられたものである。
【0014】前記角θが5゜〜40゜もしくは80゜〜
120゜の範囲にあると、本発明による磁気ヘッドの記
録再生特性は従来よりもすぐれたものとなるが、前記角
θが10゜〜35゜もしくは85゜〜115゜であれば
さらにすぐれた記録再生特性が得られ、前記角θが約2
5゜もしくは約100゜の場合にもっとも良好な結果が
得られる。角θが5゜〜40゜もしくは80゜〜120
゜の範囲外にある場合は、従来と同等またはそれ以下の
記録再生特性しか得られない。
【0015】前記ガラスの収縮率が使用する単結晶Mn
−Znフェライトより低ければ従来よりすぐれた記録再
生特性を期待できるが、ガラスの収縮率が該フェライト
と同等あるいはそれ以上になればこれを期待できなくな
る。なお、前記ガラスの収縮率と前記フェライトの収縮
率との差が1.3×10-6以上であると作動ギャップ近
傍にクラックの生じる場合があり、磁気ヘッド製造にお
ける歩留りの低下が予想される。したがって、ガラスの
収縮率はフェライトの収縮率より低く、且つ両者の差は
1.3×10-6未満であることがより好ましい。また、
前記ガラスは収縮率が所定の範囲内にあり且つ周知のそ
の他の設計条件を満足する限り、如何なる組成のもので
もよい。
【0016】本発明は前記従来技術の状況に鑑み、各種
組成の単結晶Mn−Znフェライトを用い且つ各種結晶
軸配向を有する磁気ヘッドを多数試作し、該試作磁気ヘ
ッドの記録再生特性と作動ギャップ近傍におけるフェラ
イトの結晶軸配列状況との関係を検討した結果得られ
た、本発明の発明者等による新規なる発見に基づいて構
成されたものであり、特に磁気コアの作動ギャップ部近
傍のフェライト内に引張応力が働くようにして、作動ギ
ャップ部近傍における磁気異方性の磁化容易軸の分布を
単純化するとともに、作動ギャップの両側における該磁
化容易軸の配向角を最適化することにより記録再生特性
のとくにすぐれた磁気ヘッドを提供しようとするもので
ある。
【0017】磁気ヘッドの性能が、とくに、作動ギャッ
プ部近傍の磁気特性に強く支配されることは既に述べた
通りである。例えば、最近の家庭用ビデオテープレコー
ダにおける磁気ヘッドにおける如く、トラック幅を極端
に狭くし且つ機械的強度を保持するとともに、磁気コア
の全磁気抵抗を小ならしめるために作動ギャップ近傍以
外はコア幅を可能な限り厚くした形を有する図2に示す
如き磁気ヘッドにおいては、磁気ヘッドの性能が作動ギ
ャップ部近傍の磁気特性に強く支配される傾向はますま
す強くなる。したがって、該作動ギャップ部近傍におけ
る磁化容易軸の方向、したがって単結晶フェライトの結
晶軸の配向状況によって磁気ヘッドの特性は大きく変化
する筈である。なお、図2において20はコイル捲装用
窓、21および21´はフェライトブロック、22は作
動ギャップ、23および23´はコイル、24は充填ガ
ラスである。
【0018】ところで、通常、磁気ヘッドに用いられて
いる単結晶Mn−Znフェライトは、平均磁歪定数が小
さいとは言え、λ100およびλ111で表わされる<100
>方向および<111>方向の磁歪係数は、正負は異な
るが、いずれも3〜10×10-6のオーダである。通常
の加工法、すなわち、外周スライサ、ダイサ、ワイヤソ
ー等によって加工したフェライト面には、数百nm〜数
μmの深さの加工変質層が形成され、これによって、フ
ェライト内部には、引張応力が発生することが知られて
いる。ただし、真にどの程度の応力が発生するかに関す
る詳細なデータは得られていない。さらに、磁気ヘッド
の記録媒体対向面は、通常、研摩テープまたはラップに
よって研摩され、かつまた、上記記録媒体対向面は、磁
気テープ装置においては勿論のこと、磁気ヘッド浮上型
磁気ディスク装置においても、記録媒体との接触をまぬ
かれず、これらによる加工効果も無視できない。しだっ
て、用いるフェライトの結晶磁気異方性の大きさにも依
存するが、通常、単結晶Mn−Znフェライトで構成さ
れた磁気ヘッドの作動状態における上記作動ギャップ部
近傍の磁気異方性軸の分布が、真に如何なる状態にある
かは憶測の域を越えるものである。
【0019】実際、上記加工法により、{110}面を
広い面とする単結晶Mn−Znフェライト(Fe2O3;
54モル%、MnO;27モル%、ZnO;19モル%
なる組成で、1.17×10-5deg-1の膨張係数を有す
る)円板を作製し、その面内における透磁率を測定した
結果、該透磁率は180゜対称性の著るしい異方性を示
し、さらに該透磁率最大の方向は測定周波数によって変
化することが分った。
【0020】すなわち、低周波側では、上記{110}
面内における<110>方向で透磁率が最大、これと垂
直な方向、すなわち<100>方向で最小となるのに対
して、高周波側ではこの関係が逆転する。このことは、
上記フェライト円板には、上記{110}面内で見る場
合、その面内の<110>方向に磁化容易軸が誘起され
ていることを示す。ところで、上記フェライト円板の素
材の結晶磁気異方性定数K1は正で2〜4×103erg
/cc程度であり、加工効果がなければ、上記<110
>方向と垂直の<100>方向が磁化容易軸となってい
るべきものである。また、上記フェライト円板で観測さ
れた透磁率の最大、最小の比は、たとえば3〜5MHz
の周波数領域で2〜5の値を示し、かくのごとき素材を
用いて、上記したごとき加工法により図2に示すごとき
磁気ヘッドを作製すれば、当然、作動ギャップ部におけ
る結晶軸の方向の配向の仕方によって、その記録再生特
性は著しく変化するはずである。かくのごとき知見に基
づき、上記単結晶Mn−Znフェライトと同組成の単結
晶フェライトブロックを用い、図3ならびに表1に示す
ごとき磁気コアを作製し、これにコイルを捲装してなる
磁気ヘッドの記録再生特性を測定した。すなわち表1に
示すごとき諸元を有する磁気コアの主磁路形成面32,
32´を{110}面となし、該主磁路形成面内に含ま
れ<100>方向と、作動ギャップ形成面33とのなす
角θを種々に変化させた磁気コアを用いた磁気ヘッドの
記録再生特性を比較評価した。
【0021】
【表1】
【0022】図3において、34は充填ガラス、36,
36´はフェライトブロック、35はコイル捲装用窓で
ある。なお、これら磁気ヘッドの製造に当っては、作動
ギャップ部を保護する目的で該作動ギャップの両側にガ
ラス34を埋込んだが、この充填ガラス34は前記組成
の単結晶Mn−Znフェライトと同程度の収縮率を有す
る約1.05×10-5deg-1の熱膨張係数を有するガラ
スとし、フェライトと充填ガラスの収縮率の差による応
力がフェライト内部に発生しないようにした。充填ガラ
ス34の調合法は後述の実施例で説明する。このように
して製造された磁気ヘッドの記録再生特性の評価結果を
図4に示す。図4は主磁路形成面32,32´と平行に
存在する{110}面内に存在する<100>方向と作
動ギャップ形成面33とのなす角すなわち図3における
θ(度)と磁気ヘッドのヘッド出力(相対出力を示し任
意単位である)との関係を示すグラフである。この場合
の測定は、記録波長1.4μm、周波数4MHzで行な
われた。
【0023】図4から明らかなように、θが60゜付近
で若干特性が低下するが、その以外のθではヘッド出力
はあまりθに依存しない。このことは、何らかの理由
で、作動ギャップ部近傍のフェライトの持つべき磁気異
方性が平均化されていることを意味する。
【0024】上記試作ヘッドの製造プロセスは、結晶方
位のとり方を除いては、一般に通常に行なわれているプ
ロセスによったものであり、フェライトと同程度の収縮
率の充填ガラス34を用いることも極めて常識的なもの
である。したがって、従来技術によって製造された単結
晶フェライト磁気ヘッドにおいては、単結晶フェライト
のもつべき磁気異方性が十分に利用されていないことに
なる。
【0025】本発明の発明者等は、かくて、作動ギャッ
プ近傍にわざわざ内部応力を発生させることにより、該
作動ギャップ近傍における磁気異方性が明確に現れるよ
うにし、さらに該磁気異方性の軸の配向の仕方を最適化
することにより磁気異方性の効果を十分に利用して磁気
ヘッドの記録再生特性を向上させるという基本思想を得
るに到ったのである。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。
【0027】上記基本思想に基づき、充填ガラス34を
種々の熱膨張係数を有するものとする(すなわち種々の
収縮率を有するものとする)こと以外は前記試作ヘッド
と同じ磁気ヘッドを作り、主磁路形成面32,32´と
平行に存在する{110}面内に存在する<100>方
向と作動ギャップ形成面33とのなす角すなわち図3に
おけるθと該磁気ヘッドの記録再生出力との関係を求め
た。用いた充填ガラスの熱膨張係数α(常温から350
℃までの平均)は74×10-7deg-1(−1.3×10
-6),80×10-7deg-1(−1.3×10-6),87×
10-7deg-1(−0.7×10-6),96×10-7deg
-1(−0.4×10-6),101×10-7deg-1(−0.
2×10-6),105×10-7deg-1(0)であり、固
着温度はいずれも約450℃である。括弧内は充填ガラ
スの収縮率から前記フェライトの収縮率を差引いた値β
である。
【0028】充填ガラス34は、ZnO;27%,Na
2O;8%,BaO;8%,SiO2;16%,Al
2O3;4%,B2O3;37%なる組成を有し且つαが7
4×10-7deg-1、βが−1.3×10-6のガラスと、
ZnO;29%,Na2O;3%、K2O;8%,Ba
O;14%,CaO;4%,SrO;4%,SiO2;
9%,B2O3;23%,TiO2;5%,Li2Oならび
に不純物;1%なる組成を有し且つαが107×10-7
deg-1、βが0.1×10-6のガラスとを前記のαおよ
びβの値になるような割合で混合したものである。なお
前記ガラス組成は重量%で示したものである。
【0029】測定結果を図5および図6に示す。図5は
ヘッド出力(相対出力を示し任意単位である)とθ
(度)との関係を示したグラフであり、51はαが87
×10-7deg-1(βが−0.7×10-6)のガラスを使
用した場合、52はαが105×10-7deg-1(βが
0)のガラスを使用した場合の曲線である。図6はθが
25゜の場合のヘッド出力(相対出力を示し、任意単位
である)とαおよびβとの関係を示すグラフである。図
5、図6に示した記録再生特性は、記録波長1.4μ
m、周波数4MHzに対するものである。
【0030】本実施例におけるαの選択は、充填ガラス
溶着時の温度変化にともなって生じる、作動ギャップ部
側面近傍と充填ガラスとの界面における応力が、フェラ
イト側に対して引張りとなるごとくして、該側面近傍の
フェライトの加工変質層による応力をさらに助長するこ
とにより、作動ギャップ部側面近傍内における磁気異方
性を強調するように行なった。
【0031】本実施例による磁気ヘッド記録再生特性の
θ依存性は、予期に反し、極めて明確な4回対称性を示
す。また、さらに重要なのは、このように作動ギャップ
部近傍の磁気異方性を強調し、且つθを適当な範囲とす
ることによって、従来技術では得ることのできなかった
極めて良好な特性の磁気ヘッドが得られとるということ
である。図5に示した記録再生特性は、記録波長1.4
μm、周波数4MHzに対するものであるが、このよう
なθ依存性は記録波長範囲1〜20μm、周波数範囲
0.3〜6MHzにおいても認められ、ヘッド出力の最
高値と最低値との比が多少変化する以外は図5とほぼ同
様のものとなる。また、保磁力が300〜17000e
の各種記録媒体を用いた場合、いずれも同様の特性が得
られた。
【0032】図5から明らかなように、θが5゜〜40
゜もしくは80゜〜120゜である場合に良好な記録再
生特性が得られるが、さらに好ましいθが約10゜〜3
5゜もしくは85゜〜115゜であり、θが約25゜も
しくは100゜の場合にもっとも良好な結果が得られ
る。なお、上記のもっとも良好な結果が得られるθが2
5゜付近の磁気ヘッドおよびθが100゜近付の磁気ヘ
ッドは、Qの値に関しては対称的なものとなる。すなわ
ち、1〜6MHAzの周波数範囲において、Qはθが2
5゜付近で最大の値となり、θが100近付で最小にな
る。
【0033】また、本実施例における磁気ヘッドのう
ち、αが74×10-7deg-1(βは1.3×10-6)の
充填ガラスを用いた磁気ヘッドは作動ギャップ近傍にク
ラックの生じたものであり、これよりもβが低い場合は
磁気ヘッド製造の歩留りが低下することになる。
【0034】本実施例における磁気ヘッドの作動ギャッ
プ部側面(充填ガラス34とフェライトブロック36,
36´との界面)中央に発生していると推定される引張
応力σはたかだか2〜3Kg/mm2であり、通常用い
られるMn−Znフェライトの磁歪定数λ100およびλ
111はそれぞれ、−5×10-6〜−10×10-6および
3×10-6〜7×10-6である。このような磁歪定数を
有する単結晶フェライトの{110}面に前記2〜3K
g/mm2の引張応力を加えることにより、該{11
0}面内の<100>方向を磁気容易軸とするには、該
単結晶フェライトの結晶磁気異方性定数K1がある範囲
の値でなければならない。また、原理的には、K1の正
負によって異なることになる。すなわち、K1>0の場
合は、K1<3|λ111σ|なるK1の範囲で、K1<0の
場合は、|K1|<3|(λ100−λ111)σ|なるK1の
範囲で上記効果が特待されることになる。上記したλ
100,λ11 1およびσの値を用いると、上記効果が期待さ
れるK1の値の範囲は−2×10-4erg/cc〜1×1
04erg/ccとなる。このK1の値の範囲は、通常の
フェライトにおいては小さいと言われている異方性定数
K2の存在を無視したものである。K2の存在ならびに安
全を考慮に入れると、K1のより好ましい範囲は−1.5
×104erg/cc〜8×103erg/ccとなる。M
n−ZnフェライトのK1は、例えばFe2O3が50モ
ル%付近の組成の場合には、Fe2O3量の増加により増
加する傾向を示す。
【0035】なお、図6から明らかなように、βの値が
負であれば本発明の効果が認められるが、−0.2×1
0-6以下であればさらに好ましい結果が得られる。また
前述のように、βの値が−1.3×10-6以上であれば
クラックの発生が認められず良好な結果が得られる。し
たがって、さらに好ましいβの値の範囲は−0.2×1
0-6〜−1.3×10-6である。
【0036】図4、図5および図6に示される測定結果
は、Fe2O3;54モル%、MnO;27モル%、Zn
O;19モル%なる組成を有する単結晶Mn−Znフェ
ライトを用いた磁気ヘッドについて得られたものである
が、表2に示す各種組成の単結晶Mn−Znフェライト
を用いて上記と同様の実験を行ったところ、いずれの組
成のフェライトの場合でも上記のθならびにβの範囲
で、従来技術で得ることのできた最高性能以上の記録再
生特性を有する磁気ヘッドを得ることができた。なお、
K1の値が−1.5×104〜2×103erg/ccで実
験されているが、−1.5×104erg/ccの場合は
8×103erg/ccの場合とほぼ同等の内部応力印加
効果を有するから、表2に示す組成のフェライトによる
実験で、K1が−1.5×104〜8×103erg/cc
の範囲において良好な結果を期待できることが分かった
と言える。
【0037】
【表2】
【0038】また、以上述べた磁気ヘッドの特性は、い
ずれも図3における巻線窓35のしぼり角φ、作動ギャ
ップ部しぼり長とlを表1に示すものに限定した磁気ヘ
ッドについて得られたものであるが、表3に示すように
φを60゜〜30゜、lを50〜500μmの範囲で種
々変化させた磁気ヘッドについて実験したところ、上記
と同様のθ依存性を有するヘッド出力特性が得られた。
【0039】
【表3】
【0040】さらに、以上述べた測定に用いた磁気ヘッ
ドは図3に示されるように、巻線窓35の形状を左右非
対称としたものであるが、これを図7に示すように対称
とした磁気ヘッドについて得られた測定結果も前述と同
様であった。図7において、70は巻線窓、71および
71´はフェライトブロック、72は作動ギャップ、7
3および73´はコイル、74は充填ガラスである。
【0041】また、本発明の磁気ヘッドにおいて、主磁
路形成面を上記のように真に{110}面で構成した場
合は勿論上記のようにすぐれた効果が得られるが、主磁
路形成面を{110}に対して±15゜程度傾けた磁気
ヘッドにおいても、前述とほぼ同等の特性が得られた。
【0042】また、上記実施例においては、作動ギャッ
プを介して対峙する磁性体を、いずれもMn−Zn単結
晶フェライトとなし、該単結晶の結晶軸をギャップ形成
面に関してほぼ対称になるように配置したが、これ迄の
説明からも明らかなように、該結晶軸の配向の仕方を非
対称としても、両結晶の<100>方向とキャップ形成
面とのなす角θを上記した範囲に限定することにより同
様の効果が期待できる。また、一方のフェライトのみに
ついて上記θの条件を満足させた場合や、該磁性体の一
方のみを単結晶Mn−Znフェライトにして且つθの条
件を満足させた場合にも本願発明の効果を期待できる。
【0043】
【発明の効果】以上のように、本願発明によれば、磁気
コアを、構成するフェライトの磁気異方性を巧みに利用
することができ、磁気記録再生特性の特にすぐれた磁気
ヘッドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術による磁気ヘッドの構造を示す斜視
図。
【図2】従来技術による磁気ヘッドの構造を示す斜視
図。
【図3】本発明の一実施例になる磁気ヘッドを示す正面
図ならびに平面図。
【図4】収縮率がフェライトと同程度のガラスを用いた
磁気ヘッドのθとヘッド出力との関係を示すグラフ。
【図5】フェライトとの収縮率の差βが−0.7×10
-6もしくは0のガラスを用いた磁気ヘッドのθとヘッド
出力の関係を示すグラフ。
【図6】θを25゜にした磁気ヘッドのβもしくはαと
ヘッド出力との関係を示すグラフ。
【図7】本発明の他の実施例になる磁気ヘッドを示す斜
視図。
【符号の説明】
32,32´…主磁路形成面、33…作動ギャップ形成
面、34…充填ガラス、35…コイル捲装用窓、36,
36´…フェライトブロック、51…βが−0.7×1
0-6の場合、52…βが0の場合、70…巻線窓、72
…作動ギャップ、74…充填ガラス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉下 信行 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 城石 芳博 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 木村 剛 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 品川 公成 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 熊坂 登行 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】作動ギャップを介して相対峙する2個の高
    透磁率磁性体を有し、該高透磁率磁性体は該作動ギャッ
    プ近傍でその幅を狭めるごとく切欠き部を有し、該高透
    磁率磁性体の少なくとも一方が単結晶Mn−Znフェラ
    イトからなり、少なくとも1個の該単結晶Mn−Znフ
    ェライトの{110}面を主磁路形成面とほぼ平行にす
    るとともに該{110}面内に存在する<100>方向
    と該作動ギャップの形成面とのなす角θ(θは、該作動
    ギャップ形成面上で記録媒体対向面へ向かうベクトルを
    仮定し、該ベクトルの終端が該ベクトルの始端を中心と
    して、該ギャップ形成面から該高透磁率磁性体内部に向
    かって該主磁路形成面上で回転するとき、該ベクトルの
    掃く回転角を正ととる)が、5゜〜40゜もしくは80
    ゜〜120゜になるように構成され、且つ上記切欠き部
    にガラスを溶融付着して再生出力を向上せしめたことを
    特徴とする磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】前記角θが10゜〜35゜もしくは85゜
    〜115゜になるように構成されていることを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項記載の磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】前記角θが約25゜もしくは約100゜に
    なるように構成されていることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項記載の磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】ガラス固着温度から室温まで温度を下げる
    場合の該ガラスの収縮率から該フェライトの収縮率を差
    引いた値が−0.2×10-6〜−1.3×10-6であるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項、第2項もしくは
    第3項記載の磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】前記単結晶Mn−Znフェライトの結晶磁
    気異方性定数K1が−2×104〜1×104erg/cc
    であることを特徴とする特許請求の範囲第1項、第2
    項、第3項もしくは第4項記載の磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】前記単結晶Mn−Znフェライトの結晶磁
    気異方性定数K1が−1.5×104〜8×103erg/
    ccであることを特徴とする特許請求の範囲第1項、第
    2項、第3項もしくは第4項記載の磁気ヘッド。
  7. 【請求項7】作動ギャップを介して相対峙する2個の高
    透磁率磁性体を有し、該高透磁率磁性体は該作動ギャッ
    プ近傍でその幅を狭めるごとく切欠き部を有し、該高透
    磁率磁性体の少なくとも一方が単結晶Mn−Znフェラ
    イトからなる磁気ヘッドの製造方法であって、少なくと
    も1個の該単結晶Mn−Znフェライトの{110}面
    を主磁路形成面とほぼ平行にするとともに該{110}
    面内に存在する<100>方向と該作動ギャップの形成
    面とのなす角θ(θは、該作動ギャップ形成面上で記録
    媒体対向面へ向かうベクトルを仮定し、該ベクトルの終
    端が該ベクトルの始端を中心として、該ギャップ形成面
    から該高透磁率磁性体内部に向かって該主磁路形成面上
    で回転するとき、該ベクトルの掃く回転角を正ととる)
    が、5゜〜40゜もしくは80゜〜120゜になるよう
    に構成し、上記切欠き部にガラスを溶融付着し、作動ギ
    ャップ近傍のフェライト内に引っ張り応力を発生するこ
    とにより、磁気異方性を制御して再生出力を向上するこ
    とを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS5212219A (en) * 1975-07-18 1977-01-29 Sony Corp Method of fusing ferrite by glass
JPS5267609A (en) * 1975-12-03 1977-06-04 Matsushita Electric Ind Co Ltd Method for preparation of magnetic hhad

Patent Citations (2)

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JPS5212219A (en) * 1975-07-18 1977-01-29 Sony Corp Method of fusing ferrite by glass
JPS5267609A (en) * 1975-12-03 1977-06-04 Matsushita Electric Ind Co Ltd Method for preparation of magnetic hhad

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