JPH06287883A - 透き入れ用模様網及びそれを使用して製造した透き入れ紙 - Google Patents

透き入れ用模様網及びそれを使用して製造した透き入れ紙

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JPH06287883A JP14359492A JP14359492A JPH06287883A JP H06287883 A JPH06287883 A JP H06287883A JP 14359492 A JP14359492 A JP 14359492A JP 14359492 A JP14359492 A JP 14359492A JP H06287883 A JPH06287883 A JP H06287883A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 円網抄紙機の抄紙網、円網シリンダーの上
網、長網抄紙機のダンディロールの上網等に好適に利用
できる透き入れ用模様網及びそれを使用して製造した透
き入れ紙に関する。 【構成】 抄紙網1の表面に糸2で模様等3を形成する
ことを特徴とした透き入れ用模様網。また、この透き入
れ用模様網を使用して製造したことを特徴とする透き入
れ紙。必要に応じ、該模様,マーク,文字の表面を耐久
性のある樹脂で処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透き入れ用模様網及び
それを使用して製造した透き入れ紙に関するものであ
る。より詳しくは、円網抄紙機の抄紙網、円網シリンダ
ーの上網、長網抄紙機のダンディロールの上網等に好適
に利用できる透き入れ用模様網及びそれを使用して製造
した透き入れ紙に関する。
【0002】
【従来の技術】紙に紙層の厚薄により模様,マーク,文
字(以下、模様等と言う)を形成した透き入れ紙は、周
知のように偽造防止を目的とした証券用紙や、意匠的な
効果を目的とした意匠紙に利用されている。抄紙機械に
よる透き入れ紙の製造方法は、円網抄紙機の円網シリン
ダーや、長網抄紙機のダンデイロールに透き入れ用模様
網を取り付けて抄紙する方法が代表的である。これらは
いずれも、紙の厚さ方向の繊維量が模様部分と非模様部
分でで異なり、光線の透過量の差異により透き入れ模様
を発現させている。これら透き入れ用模様網の製造方法
としては、 (1)金簀や竹簀を円網シリンダーやダンデイロールの
上網に巻き付ける方法 (2)上網に針金、金属、樹脂、紙等で作った模様等を
金属細線で取り付けたり、 ハンダ付けしたり、接
着剤で貼り付ける方法 (3)上網に塗料や樹脂で模様等を描き、網目を塞ぐ方
法 (4)抄紙網自体に直接凹凸模様等をつける方法 等がよく知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこれら従
来の方法では、模様等の製作上の制約から限られた形状
の透き入れ用模様網しか出来ない状態にある。上記した
(1)の方法はレード模様紙を得る方法として著名な方
法であるが、特定の太さの簀を一定の間隔で編んで作る
ため、等間隔で直線的な模様を作ることは容易である反
面、簀目の太さを任意に変化させたり、曲線的な模様を
得たい場合は不向きである。また、(2)の方法は、模
様等の作製や取り付け,貼り付け作業に高度の熟練と膨
大な時間を必要とし、抄紙網として必要な文字の高さや
線の太さが制約されたり、形が限定されてしまい、表現
手段としては単一的となる欠点がある。また、(3)の
方法は、莫大な手間と時間や高度の熟練を要し、またベ
ースとなる抄紙網に目開きがあるために塗料や樹脂が網
の間隙に流れ込み、繊細な模様や細かい線等が表現出来
ない欠点がある。また塗料を盛り上げて、模様等の高さ
に変化をつけることも困難である。また、(4)の方法
は、予め木板に所定の模様等を彫刻により施し、それに
金属製の抄紙網を重ねて、模様等の凹凸を木槌等で叩き
出すことにより行われるが、高度の熟練が必要で、抄紙
網の目開きの程度、表現できる線の細さに限界があり、
表現できる模様等が限定されてしまう欠点がある。
【0004】本発明はこれら従来の方法の欠点を解決す
ることを課題とする。具体的には、多種多様な模様等の
表現が可能な透き入れ用模様網を容易に得ること、及び
この透き入れ用模様網を使用して透き入れ紙を製造する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、抄紙網の表面
に模様,マーク,文字を糸で形成したことを特徴とする
透き入れ用模様網、及びこの透き入れ用模様網を使用し
て製造したことを特徴とする透き入れ紙である。
【0006】本発明で使用する抄紙網は、従来製紙業界
で使用してきたブロンズやステンレス製等の金属抄紙網
あるいはポリアミド,ポリエステル,ポリプロピレン,
ポリフッ化ビニリデン製等のプラスチック製の平織,ロ
ング・クリンプ織,モノプレン織,トリップル織,サテ
ン織等の抄紙網がいずれも使用できる。
【0007】本発明で使用する糸としては、JIS L
0104に規定する単糸,引きそろえ糸,もろより糸,
双糸,多本もろより糸,三子糸,4本もろより糸,ケー
ブル糸等がいずれも使用できる。また、材質としては
綿,絹,麻,羊毛等の天然繊維、再生セルロース系,ポ
リノジック系,ポリビニルアルコール系,ポリ塩化ビニ
リデン系,ポリ塩化ビニル系,ポリアクリロニトリル
系,アクリル系,ポリアミド系,ポリエステル系,ポリ
エチレン系,ポリプロピレン系,ポリウレタン系等の化
学繊維やガラス繊維、カーボン繊維等のいずれも使用で
きる。
【0008】抄紙網の表面に糸で模様等を形成するに
は、縫い針に1本以上の糸を通して手工芸的な手縫いに
より模様等を、周知のフラットステッチ,ループステッ
チ,チェーンステッチ,ノッテッドステッチ,デタッチ
ドステッチ,コンポサイトステッチ等の技法を使って形
成する方法や、ミシンや刺繍機を使用して機械的に形成
する手段をいずれも採用できる。この際模様等をコンピ
ューターグラフィックスによる方法で画像化し、そのデ
ータを自動刺繍機に取り込み抄紙網に刺繍を施す方法で
透き入れ用模様網を作製することもできる。機械的に模
様等を形成する場合は、針の破損を防止するために材質
が金属より柔らかいプラスチック製の抄紙網が好適に使
用できる。金属製の抄紙網の場合は模様を形成する糸は
必ず網目の間に通されているのに対して、プラスチック
製の抄紙網の場合は網自身に針を突き通すことが可能と
なるので、繊細な模様の形成が可能となるという他の利
点もある。抄紙網に形成された模様等と、透き入れ紙に
形成された模様等との図柄が完全に同調しない場合があ
る。これは抄紙機の種類や抄紙条件により、図柄が多少
の伸縮を起こすためである。この場合は、抄紙網に形成
する模様等を予め修正することを適宜行う。図1は本発
明の透き入れ用模様網の一例の正面図であり、プラスチ
ック製抄紙網1に糸2により花柄模様3を形成した状態
を示している。図2はその一部を拡大した正面図であ
る。図3は手縫いにより模様を形成した透き入れ用模様
網の一例の一部拡大正面図と断面図であり、糸2は、抄
紙網の異なった網目間に通されて模様を形成している。
図4は刺繍機で模様を形成した透き入れ用模様網の一例
の一部拡大正面図と断面図であり、糸2は、抄紙網の網
目間に通され、下糸4にからみ合わされ反転して再び表
面に出て、他の網目間に通され、これを繰り返すことで
模様が形成されている様子を示している。
【0009】糸の種類によっては、形成された模様等が
物理的、化学的な耐久性に乏しく、水による変形や、長
期間の使用による糸のほつれや切断が問題となる場合が
ある。これを防止するために形成した模様等の表面を耐
久性のある樹脂で処理することも適宜行われる。また、
抄紙網裏面の糸にも樹脂処理することもできる。樹脂処
理は、スチレン−ブタジエンラテックス,メチルメタク
リレート−ブタジエン共重合ラテックス,アクリロニト
リル−ブタジエン共重合ラテックス等のラテックス類、
ポリアクリル酸エステルエマルジョン,ポリ酢酸ビニル
エマルジョン等のエマルジョン類、あるいはポリエステ
ル,ポリアクリル酸エステル,ポリウレタン,ポリ塩化
ビニル,ポリ塩化ビニリデン,硝酸セルロース,エポキ
シ,メラミン,シリコン等の樹脂溶液を使用して、模様
等の表面全面あるいは部分的に1回以上塗布若しくは含
浸する方法で行う。この際樹脂に安定剤,硬化剤,撥水
剤,着色剤,耐水化剤,填料等を適宜混合することもで
きる。樹脂処理することの利点は耐久性の改善の他に、
模様等の表面を緻密で滑らかに出来るので抄紙時に製紙
用繊維の糸への食い込みを防止し、長時間抄紙に伴う網
の目詰まりの改善や、樹脂を模様等の表面に盛り上げる
ことに起因する透き入れ模様の鮮明化が可能となること
があげられる。図5は図4の模様網の模様を形成する糸
2と下糸4の表面を、樹脂5により部分的に塗布加工し
た例の一部拡大正面図と断面図を示している。
【0010】次に本発明の透き入れ用模様網を使用し
て、透き入れ紙を製造する方法を述べる。本発明ではま
ず、針葉樹や広葉樹を原料としたクラフトパルプ,サル
ファイトパルプ等の化学パルプ、機械パルプ、サーモメ
カニカルパルプ、竹,ワラ等を原料とした非木材パル
プ、麻,楮,三椏,雁皮等を原料とした靭皮繊維、合成
パルプ、ビニロン,ナイロン,ポリエステル等の合成繊
維等の単独または数種類を混合し、これに乾燥紙力増強
剤、湿潤紙力増強剤、サイズ剤、歩留り向上剤、濾水性
向上剤、消泡剤、染料、着色顔料、蛍光剤、定着剤等を
必要に応じて添加し、通常フリーネス550〜350m
1 C.S.F.の紙料を調成する。透き入れ用模様網
は円網抄紙機のシリンダーに直接又は上網として取り付
けるか、長網抄紙機のダンディロールに取り付けてから
常法に従って透き入れ模様紙を抄造する。または本出願
人が特願平3−168752号で提案したように、円網
抄紙機の円網シリンダーと、円網シリンダーの外部に設
置された回転ロール間に透き入れ用模様網を駆動できる
ように張架し抄紙すること、また長網抄紙機のダンディ
ロ−ルと回転ロール間に該透き入れ用模様網を駆動でき
るように張架し抄紙すること等により行う。本発明の透
き入れ紙は通常、坪量40〜200g/m2(乾燥重
量)で抄紙され、必要に応じ抄紙途中でサイズプレス装
置等でサイズ剤や紙力増強剤を塗工することや、スーパ
ーキャレンダー等で表面を平滑化処理される。なお、当
然のことながら本発明の透き入れ用模様網は、手漉き紙
の製造にも利用出来ることは言うまでもない。
【0011】
【実施例】以下実施例を示す。重量はいずれも乾燥重量
を示す。 実施例1 円網抄紙機の円網シリンダーに取り付ける60メッシュ
/インチ平織の幅1200mmのポリエステル製のプラ
スチック抄紙網に、ポリエステル単糸(マルチフィラメ
ント糸:JIS L2511の品種番号20,繊度10
0D,合糸数2×3)を使用して刺繍機械により、図1
に示したようなバラの花柄模様を全面に形成した。模様
の大きさは最長部分で縦70mm、横100mmで、模
様間隔を20mm開けて同一模様を抄紙網全面に繰り返
し形成した。このときの模様の高さは0.3mmで花柄
の線の太さは細い部分を0.5mmとし太い部分を2m
mとした。この模様網を円網シリンダーにとりつけ、下
記紙料配合で常法に従い坪量100g/m2の透き入れ
模様紙を抄造した。 紙料配合 パルプ NBKP・・・・・・150Kg LBKP・・・・・・390Kg (フリーネス:420ml C.S.F.) 薬品 ロジンサイズ剤(商品名「SPN−700」、
荒川林産化学(株)製)・・・・7.2Kg 澱粉(商品名「アミコール」、日澱化学(株)製)・・
・・・・3Kg 定着剤(硫酸バンド)・・30Kg 染料 (いずれもBAYER(株)製造) LEVACELL FAST YELLOW GFN
(L)・・・・・対パルプ0.02% LEVACELL FAST BLACK G・・・・
・対パルプ0.002% その結果、階調性豊な繊細で複雑な意匠効果のあるバラ
の花柄模様の透き入れ紙が得られた。
【0012】実施例2 65メッシュ/インチのブロンズ製の幅1200mmの
平織金属抄紙網に木綿糸(JIS L2101の綿普通
縫糸:原糸番手20S,合糸数3)で、直径30mmの
円の中にTの文字を形成したマーク(マークの幅は1.
5mm)を手縫いによりマーク間隔50mmで全面に形
成した。マーク表面に、エポキシ樹脂(商品名「アラル
ダイト106」CIBA−GEIGY(株)製)を数回
塗布し、マークの高さ0.9mmの模様網を作製した。
これをダンデイーロール上網に取り付けて長網抄紙機
で、実施例1の染料を除いた紙料処方で、常法に従い坪
量90g/m2の透き入れ紙を抄造した。得られた透き
入れ紙は偽造防止用紙として優れた性能を有していた。
【0013】
【発明の効果】以上説明したように本発明の透き入れ用
模様網及び透き入れ紙は製造され、下記のような顕著な
利点がある。 1)従来法と比較して、はるかに簡便な方法で透き入れ
用模様網及び透き入れ紙を製造できる。 2)従来法と比較して、はるかに多種多様な透き入れ紙
の製造が可能となった。これは、使用する糸が金属細線
と比較して柔軟性に富み、微妙で微細な図柄の表現も可
能となったことによる。 3)本発明の透き入れ用模様網は、模様等が糸により形
成されているので、従来の模様網と比較して、模様等を
簡単に切削削除できるので、抄紙網の繰り返し使用が可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の透き入れ用模様網の一例の正面図であ
る。
【図2】図1の一部拡大図である。
【図3】図3は手縫いにより模様を形成した透き入れ用
模様網の一例の一部拡大正面図と断面図である。
【図4】図4は刺繍機で模様を形成した透き入れ用模様
網の一例の一部拡大正面図と断面図である。
【図5】図4の模様網の模様の表面を、樹脂5により塗
布加工した例の一部拡大正面図と断面図である。
【符号の説明】
1 抄紙網 2 糸 3 花柄模様 4 下糸 5 樹脂

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抄紙網の表面に模様,マーク,文字を糸
    で形成したことを特徴とする透き入れ用模様網。
  2. 【請求項2】 糸で形成された模様,マーク,文字が刺
    繍機械を用いて形成されたことを特徴とする請求項1記
    載の透き入れ用模様網。
  3. 【請求項3】 抄紙網の表面に糸で模様,マーク,文字
    を形成し、該模様,マーク,文字の表面を耐久性のある
    樹脂で処理したことを特徴とする透き入れ用模様網。
  4. 【請求項4】 請求項1,3に記載の透き入れ用模様網
    を使用して製造したことを特徴とする透き入れ紙。
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