JPH0629434B2 - メソフェ−ズピッチの製造方法 - Google Patents

メソフェ−ズピッチの製造方法

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JPH0629434B2
JPH0629434B2 JP62159112A JP15911287A JPH0629434B2 JP H0629434 B2 JPH0629434 B2 JP H0629434B2 JP 62159112 A JP62159112 A JP 62159112A JP 15911287 A JP15911287 A JP 15911287A JP H0629434 B2 JPH0629434 B2 JP H0629434B2
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史洋 三好
英孝 杉辺
護 神下
健 長沢
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Nitto Boseki Co Ltd
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Nitto Boseki Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、光学的異方性繊維状組織(流れ構造)を有す
るメソフェーズピッチを簡単かつ有効に製造する方法に
関するものであり、かかるピッチは高品位ニードルコー
クスあるいは高性能炭素繊維等の特殊炭素材料の製造原
料として利用することができる。
(従来の技術) 従来、代表的なメソフェーズピッチの製造方法(特公昭
59−3567号公報)は等方性ピッチを熱処理してメソフェ
ーズを発生させる方法である。しかし、この方法で得ら
れるメソフェーズ発生量はキノリン不溶分量にほぼ一致
し、高キノリン不溶分含有メソフェーズピッチとなる。
ピッチの熱処理過程で発生するかかるキノリン不溶分は
それ自身不融、不溶の重縮合化合物であることから、メ
ソフェーズピッチ中のキノリン不溶分の増加はメソフェ
ーズピッチの粘度あるいは溶融温度を増加させる結果、
特にメソフェーズピッチを高性能炭素繊維の原料料とし
て用いる場合、メソフェーズピッチの紡糸性の劣化およ
び溶融温度の上昇による熱安定性の低下要因となる。
一方、かかる問題点を回避するためにキノリン不溶分含
有量の低いメソフェーズピッチの調製法も工夫され、例
えば特公昭55−58287号および同62−1990号各公報に記
載されているように、適切な原料ピッチを選択し、熱処
理後メソフェーズ化に有効な成分を多く含むピッチを特
定の有機溶媒で抽出し、更に熱処理して25重量%以下の
キノリン不溶分含有メソフェーズピッチが形成されてい
る。その他、ピッチを熱処理して得た部分液晶化ピッチ
から液晶部を抽出あるいは相分離する方法(英国特許公
開明細書第2005298号、特公昭61−31159号)、キノリン
不溶分含有メソフェーズピッチを調製後、水添改質して
可溶化する方法(特公昭58−18421号)あるいはメソフ
ェーズ前駆体を水添改質する方法(特公昭57−100186
号)等により熱溶融性あるいは溶解性の高いメソフェー
ズピッチが調製されている。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、上述の従来法はいずれもその処理が簡便
とはいえず、有効な製造方法とはいえないのが実情であ
る。
すなわち、前記特公昭55−58287号および同62−1990号
各公報記載の方法はピッチの熱処理を二段階で行う必要
があり、またその他の上記従来法は総じて、生成物であ
るメソフェーズピッチの後処理を必要とする煩雑さがあ
り、いずれも改善の余地があるからである。従って、よ
り有効でかつ簡便な可溶性メソフェーズピッチの製造技
術の確立が望まれている。
そこで本発明の目的は、光学的異方性流れ組織を有する
低キノリン不溶分含有メソフェーズピッチを簡便かつ有
効に製造する方法、すなわち生成物である当該メソフェ
ーズピッチの後処理の必要性がなく、かつ一回の熱処理
で完結できる製造方法を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、低キノリン不溶分含有メソフェーズピッ
チの製造に伴う前述の従来技術の問題点を解決するため
に、1)出発原料ピッチの改質、2)メソフェーズ化に
有効な成の調製、3)熱処理方法およびその条件の最適
化を図ることを基本思想に鋭意検討した結果、ある所定
の処理および条件の下で、光学的異方性相が90%以上で
かつキノリン不溶分が30重量%以下であるメソフェーズ
ピッチを従来の製造技術よりも有効かつ簡便に得られる
ことを見い出し本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、1)コールタールピッチをその水添
深度(ピッチ1分子あたり、水添反応によって増加した
水素原子数)が0.3以上となるように水添改質し、 2)得られた水素化処理ピッチをベンゼン不溶分を40重
量%以上でキノリン不溶分を1.0重量%以下、好ましく
はベンゼン不溶分を60重量%以上でキノリン不溶分をト
レースに調製してメソフェーズ化に有効な成分を多く含
むピッチとし、 3)得られた調製ピッチを510℃以下の温度で不活性ガ
ス気流下、常圧もしくは減圧下で熱処理することによ
り、光学的異方性相が90以上でかつキノリン不溶分が30
重量%以下であるメソフェーズピッチを後処理工程の必
要性なく製造することを特徴とするものである。
また本発明においては、記メソフェーズ化に有効な成分
を多く含むピッチを熱処理する際、より好ましくは沸点
150〜450℃の芳香族性タール油を共存させることによっ
て熱処理条件を更に厳密に制御して、ピッチの熱覆歴の
均一化および光学的異方性相の展開を図り、目標とする
低キノリン不溶分含有メソフェーズピッチをより容易に
製造せんとするものである。
(作 用) 本発明において行うコールタールピッチの水素化処理は
従来公知の石油系、石炭系重質油の水添改質に採用され
る種々の方法、例えば水素供与性溶媒を用いる方法、接
触水添法等のいずれの手段を用いても良く、次式、 水添深度=(Hwt%×12×Co/Cwt%)−Ho によって定義されるピッチの水添深度、すなわちピッチ
1分子当り水添処理によって増加した水素原子数が0.3
以上であれば良い。このことは、原料ピッチを含め水添
深度が0.3未満の水素化処理ピッチを本発明の手順に従
って調製し、熱処理しても、キノリン不溶分30重量%以
下の光学的異方性流れ組織を有するメソフェーズピッチ
を形成できないことになる。
次に、本発明における水添深度が0.3以上の水素化処理
コールタールピッチから、ベンゼン不溶分40重量%以
上、好ましくは60重量%以上でかつキノリン不溶分1重
量%以下、好ましくはトレースの組成を有するメソフェ
ーズ化に有効な成分を多く含むピッチを調製する方法は
特に限定されるものではないが、例えば、 i)前記水素化処理コールタールピッチから、溶剤分別
により軽質分を除去する、 ii)前記水素化処理コールタールピッチから、蒸留によ
り軽質を除除去する、 iii)前記水素化処理コールタールピッチに同水素化処
理コールタールピッチのベンゼン不溶分に富んだ成分を
添加する、 iv)i)〜iii)のうち2つ以上を組み合わせる、等の
方法によって調製することができる。
尚、i)の溶剤分別とは、必ずしも溶剤可溶分と不溶分
とを完全に分離する必要はなく、適量の溶剤を使用して
水素化処理コールタールピッチ中の溶剤可溶成分の一部
を除去する方法も含むものとする。
本発明におけるメソフェーズ化に有効な成分を多く含む
ピッチとは、具体的には前述の如くベンゼン不溶分を少
なくとも40重量%以上、好ましくは60重量%以上でかつ
キノリン不溶分を1.0重量%以下、好ましくはトレー
スに調製したピッチのことであるが、これは次の知見に
基づき求められたものである。
第1図に示す如く光学的異方性相の展開量がメソフェー
ズピッチ中のベンゼン不溶分量(BI)と相関性を有
し、約60重量%以上において光学的異方性相の展開量が
急激に増加し、ベンゼン不溶分が90重量%以上では光学
的異方性相が95〜100%の全面光学的異方性流れ組織を
形成することを見い出した。従って、原料ピッチ中のベ
ンゼン不溶分量の初期値が大きいほど光学的異方性相の
展開には優利であるが、ピッチの熱処理過程では熱重縮
合反応と軽質分の留出が同時に生起し、ベンゼン不溶分
量の増大が図れるため、原料ピッチ中の初期ベンゼン不
溶分量を90重量%以上に上げる必要はなく、実際的には
第2図より明らかな如く40重量%以上、より好ましくは
60重量%以上に調製すれば良いことが判明した。更に
は、熱処理過程において発生するキノリン不溶分(Q
I)は光学的異方性相の展開量と相関性がなく、かつ原
料ピッチ中のベンゼン不溶分量の初期値が大きくなるほ
ど、低下することを見い出した(第3図)。
かかる知見に基づき上記方法によって改質調製したメソ
フェーズ化に有効な成分を多く含むピッチを熱処理する
場合、光学的異方性相の量を90%以上に保ちつつ、キノ
リン不溶分の発生量を30重量%以下の範囲に制御するた
めには反応温度、反応圧力、昇温速度等の熱処理条件を
厳密に制御することが肝要であり、具体的には前記ピッ
チに510℃以下の温度で不活性ガスを吹き込み、常圧も
しくは減圧下で短時間熱処理することが不可欠である。
また本発明においては、より好ましくは熱処理時に上述
のメソフェーズ化に有効な成分を多含むピッチに常圧沸
点150〜450℃の芳香族性タール油を添加して熱処理する
が、これはピッチ中のベンゼン不溶分量が増加するとピ
ッチの熱溶融性が低下し、熱処理過程でのピッチの熱覆
歴の不均一化および液晶分子の配向性の低下が起こり、
均一な光学的異方性流れ組織の形成が阻外されるので、
これを回避するためである。すなわち、常圧沸点150〜4
50℃の芳香族性タール油の添加は、ピッチ中のベンゼン
不溶分を熱処理過程で均一に溶解させる役割を有するこ
とに基づくものである。この結果、かかる芳香族性ター
ル油の添加は、本発明におけるメソフェーズ化に有効な
成分を多く含むピッチのように高いベンゼン不溶分含有
ピッチでも第4図に示すように均一に昇温加熱すること
を可能ならしめ、かつ光学的異方性流れ組織の発生を阻
外することなく光学的異方性相を90%以上でかつキノリ
ン不溶分を30重量%以下のメソフェーズピッチを抽出あ
るいは相分離等の後処理工程なしに一段階の熱処理工程
でより簡便に得ることを可能ならしめるものである。
(実施例) 次に本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1 水添深度が1.9の水素化処理ピッチ(ベンゼン不溶分
量:7.1重量%、キノリン不溶分量:トレース)に、同
ピッチのベンゼン不溶分を更に添加して均一に混合し、
ベンゼン不溶分を75重量%、キノリン不溶分をトレース
に調製した。次いでこの調製ピッチ20gと常圧沸点150〜
400℃の芳香族性タール油20gとを均一に混合し、しかる
後、N気流下常圧にて室温から455℃まで2℃/分
の速度で昇温した後急冷して、光学的異方性流れ組織が
100%でかつキノリン不溶分を15重量%含有するメソフ
ェーズピッチを得た。
実施例2 水添深度が0.4の水素化処理ピッチ(ベンゼン不溶量:
9.5重量%、キノリン不溶分量:トレース)100gとベン
ゼン2とを室温で均一に混合した後、濾過、乾燥して
得た濃縮ピッチ(ベンゼン不溶60重量%含有)を再度ベ
ンゼン2と混合し、濾過、乾燥してベンゼン不溶分を
80重量%、キノリン不溶分を0.5重量%以下に調製し
た。次いでこの調製ピッチ20gをN気流下常圧にて室
温から450℃まで2℃/分の速度で昇温した後急冷し
て、光学的異方性流れ組織が100%でかつキノリン不溶
分を26重量%含有すするメソフェーズピッチを得た。
実施例3 水添深度が5.1の水素化処理ピッチ(ベンゼン不溶分
量:4.8重量%、キノリン不溶分量:トレース)を300
℃、4mmHgの減圧下で蒸留して軽質分を減少させた濃縮
ピッチに、更に同水素化処理ピッチ中のベンゼン不溶分
を添加して均一に混合し、ベンゼン不溶分を80重量%、
キノリン不溶分をトレースに調製した。次いで、この調
製ピッチ20gと常圧沸点150〜400℃の芳香族性タール油
20gとを均一に混合し、しかる後N気流下常圧にて室
温から450℃まで2℃/分の速度で昇温した後急冷し
て、光学的異方性流れ組織が100%でかつキノリン不溶
分を6.5重量%含有するメソフェーズピッチを得た。
実施例4 実施例3において調製したピッチと芳香族性タール油と
の混合物40gを室温から440℃まで2℃/分の速度で昇温
した後急冷して、光学的異方性流れ組織が92%でかつキ
ノリン不溶分がトレースのメソフェーズピッチを得た。
実施例5 水添深度が5.1の水素化処理ピッチ(ベンゼン不溶分
量:4.8重量%、キノリン不溶分量:トレース)100gに
アセトン4を加え、アセトン還流下1時間放置した
後、濾過、乾燥して得た濃縮ピッチ(ベンゼン不溶分含
有量40重量%)に、更に同水素化処理ピッチ中のトルエ
ン不溶分を添加して、ベンゼン不溶分を60重量%、キノ
リン不溶分をトレースに調製した。次いで、この調製ピ
ッチ20gと常圧沸点150〜450℃の芳香族性タール油20gと
を均一に混合した後、N気流下、10mmHgの減圧下で室
温から450℃まで2℃/分の速度で昇温した後冷して、
光学的異方性流れ組織が100%でかつキノリン不溶分を1
1重量%含有するメソフェーズピッチを得た。
比較例1 水添深度が1.9の水素化処理ピッチ(ベンゼン不溶分
量:7.1重量%、キノリン不溶分量:トレース)100
gとアセトン2とを室温で均一に混合した後、濾過、
乾燥して得た濃縮ピッチ(ベンゼン不溶分33重量%含
有)20gと常圧沸点150〜400℃の芳香族性タール油20g
とを均一に混合した。次いで、この混合物N気流下、
常圧にて室温から510℃まで2℃/分の速度で昇温した
後急冷して、光学的異方性流れ組織が97.7%のメソフェ
ーズピッチを得たが、キノリン不溶分は55.7重量%であ
った。
比較例2 水添深度が5.1の水素化処理ピッチ(ベンゼン不溶分
量:4.8重量%、キノリン不溶分量:トレース)100
gとアセトン2とを室温で均一に混合した後、濾過、
乾燥して得た濃縮ピッチ(ベンゼン不溶分37重量%含
有)20gと常圧沸点150〜400℃の芳香族性タール油20g
とを均一に混合した。次いで、この混合物をN気流
下、常圧にて室温から510℃まで2℃/分の速度で昇温
した後急冷して、光学的異方性流れ組織が100%のメソ
フェーズピッチを得たが、キノリン不溶分は35重量%で
あった。
比較例3 水添深度が5.1の水素化処理ピッチ(ベンゼン不溶分
量:4.8重量%、キノリン不溶分量:トレース)20g
をN気流下、4mmHgの減圧下で2℃/分の昇温速度
で室温から480℃まで昇温した後急冷して、光学的異方
性流れ組織が100%のメソフェーズピッチを得たが、キ
ノリン不溶分は40.5重量%であった。
(発明の効果) 以上説明してきたように本発明のメソフェーズピッチの
製造方法においては、従来の製造技術よりもより有効で
かつ簡便に可溶性でQIが30重量%以下のメソフェーズ
ピッチを製造することができ、すなわち成物であるメソ
フェーズピッチの抽出あるいは相分離などの後処理工程
の必要性がなく、かつ1回の熱処理により、光学的異方
性流れ組織が90%以上でキノリン不溶分を30重量%以下
しか含有しないメソフェーズピッチを製造することがで
き、産業上の有用性がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はメソフェーズピッチのベンゼン不溶分量(B
I)と光学的異方性分率との関係を示すグラフ、 第2図は原料ピッチのベンゼン不溶分量(BI)と光学
的異方性相分率との関係を示すグラフ、 第3図は原料ピッチのベンゼン不溶分量(BI)と100
%光学的異方性メソフェーズピッチのキノリン不溶分量
(QI)との関係を示すグラフ、 第4図はメソフェーズ化に有効な成分を多く含むピツチ
の時間と温度との関係に基づく昇温曲線を示すグラフで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10C 3/04 F 6958−4H 3/10 6958−4H // D01F 9/145 7199−3B (72)発明者 杉辺 英孝 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (72)発明者 神下 護 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (72)発明者 長沢 健 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (72)発明者 庄野 弘晃 福島県福島市伏拝字沼の上2−532

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光学的異方性相を90%以上含有し、かつキ
    ノリン不溶分分が30重量%以下であるメソフェーズピッ
    チの製造方法において、 水添深度が0.3以上の水素化処理コールタールピッチか
    らベンゼン不溶分40重量%以上でかつキノリン不溶分1
    重量%以下の組成を有するピッチを調製し、次いでこの
    調製ピッチに510℃以下の温度で不活性ガスを吹き込
    み、常圧もしくは減圧下で短時間熱処理することを特徴
    とするメソフェーズピッチの製造方法。
  2. 【請求項2】前記調製ピッチを熱処理する際、沸点150
    〜450℃の芳香族性タール油を共存させる特許請求の範
    囲第1記載の製造方法。
JP62159112A 1987-06-26 1987-06-26 メソフェ−ズピッチの製造方法 Expired - Lifetime JPH0629434B2 (ja)

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