JPH06294462A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機

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JPH06294462A
JPH06294462A JP5076719A JP7671993A JPH06294462A JP H06294462 A JPH06294462 A JP H06294462A JP 5076719 A JP5076719 A JP 5076719A JP 7671993 A JP7671993 A JP 7671993A JP H06294462 A JPH06294462 A JP H06294462A
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hydraulic
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disk
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敏彦 大住
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秀寿 延本
Osamu Sado
修 佐渡
Seiji Terauchi
政治 寺内
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Abstract

(57)【要約】 【目的】複雑な装置や面倒な調整を必要とすることな
く、発進クラッチの油圧を適正な値に制御することがで
きるクラッチを備えるトロイダル型無段変速機を提供す
る。 【構成】入力ディスク43f,43rの回転力を出力デ
ィスク44f,44rに伝達するパワーローラ45a〜
45dと、パワーローラ45a〜45dを傾転させるた
めにパワーローラ45a〜45dを出力ディスク44
f,44rの回転軸と略直交する方向に移動させる油圧
機構79a〜79d,80a〜80dと、出力ディスク
44f,44r側に接続された発進クラッチ150とを
備え、油圧機構79a〜79d,80a〜80dが2つ
の油圧室の差圧PH −PL を用いてパワーローラを移動
させる駆動力を発生される様になされたトロイダル型無
段変速機Cにおいて、発進クラッチ150のクラッチ圧
を制御する制御バルブ160の制御圧を、2つの油圧室
の差圧PH −PL を用いて調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、出力側にクラッチが設
けられ、このクラッチのクラッチ圧を、パワーローラを
駆動するための油圧機構から発生する圧力を利用して制
御する様にしたトロイダル型無段変速機に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、ベルト型の無段変速機に比して、
耐久性が高く、大トルクを伝達することが可能であるこ
とから、トロイダル型の無段変速機が注目されている。
トロイダル型の無段変速機では、入力側のコーンディス
クと出力側のコーンディスクの間に配置されたパワーロ
ーラを首振り運動させることにより、入力ディスクと出
力ディスクとの変速比を変化させる様になされている。
この様なトロイダル型の無段変速機は、しばしば油圧を
利用したトルクコンバータと組み合わされるのである
が、伝達効率を上昇させるために、トルクコンバータの
代わりに発進クラッチを使用することが考えられる。
【0003】発進クラッチは、特開昭62−25155
9号公報の前進或は後進用のクラッチに相当するもの
で、流体継手を介することなくエンジンからの回転出力
を車輪に接続する状態と、切り離す状態とを切り換える
様になされている。この様な発進クラッチにおいては、
クラッチをスムーズに接続して車両を滑らかに発進させ
るためには、半クラッチ状態を経由して完全接続を行わ
なければならない。そのためには、発進クラッチの押し
付け圧であるクラッチ油圧は図11に示す様な時間波形
となる必要がある。すなわち、クラッチ油圧は、油圧が
ゼロの状態から半クラッチ状態となる棚圧を経由して、
完全接続に必要な圧力まで上昇する様に変化しなければ
ならない。また、半クラッチ状態での棚圧は、図12に
示す様に入力トルクが大きい程高く設定する必要があ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この様な棚圧を発生さ
せるために、従来では、図13に示す様にクラッチ圧制
御バルブを用い、その制御圧をリニアソレノイドバルブ
等の電子制御油圧バルブにより制御する様になされてい
た。しかしながら、この様な方法では、部品点数が増加
してコストが上昇すると共に、制御系が複雑化するとい
う問題点があった。また、発進時のエンジントルクの立
ち上がり時期とクラッチ圧の立ち上がり時期のタイミン
グを合わせる等のチューニングが必要となり、調整が複
雑化すると言う問題点もあった。
【0005】従って、本発明は上述した課題に鑑みてな
されたものであり、その目的とするところは、複雑な装
置や面倒な調整を必要とすることなく、発進クラッチの
油圧を適正な値に制御することができるクラッチを備え
るトロイダル型無段変速機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決し、目
的を達成するために、本発明のトロイダル型無段変速機
は、動力が入力されるコーン形の入力ディスクと、該入
力ディスクと同軸上に配置され、外部に動力を出力する
コーン形の出力ディスクと、前記入力ディスクと前記出
力ディスクの相対向するコーン面間に配設され、前記入
力ディスクのコーン面と前記出力ディスクのコーン面の
双方に接触しながら回転することにより前記入力ディス
クの回転力を前記出力ディスクに伝達するパワーローラ
と、該パワーローラを傾転させて前記入力ディスクと前
記出力ディスクの変速比を変化させるために前記パワー
ローラを前記出力ディスクの回転軸と略直交する方向に
移動させる油圧機構と、前記出力ディスク側に接続され
た発進クラッチとを備え、前記油圧機構が該油圧機構に
備えられた2つの油圧室の差圧を用いて前記パワーロー
ラを移動させる駆動力を発生される様になされたトロイ
ダル型無段変速機において、前記発進クラッチのクラッ
チ圧を制御する制御バルブの制御圧を、前記2つの油圧
室の差圧を用いて調整することを特徴としている。
【0007】
【作用】以上の様に、この発明に係わるトロイダル型無
段変速機は構成されているので、以下の様に作用する。
すなわち、パワーローラには、入力ディスクの回転力を
出力ディスクに伝達するときの反力として、これらのデ
ィスクの接線方向にパワーローラを移動させようとする
力が作用する。この力は伝達トルクに比例する。そのた
め、パワーローラを移動駆動させる油圧機構の2つの油
圧室には、この反力とバランスする力を発生させるため
の差圧が生じ、この差圧が伝達トルクに比例することに
なる。従って、この差圧を用いてクラッチ圧を制御する
制御バルブの制御圧を調整すれば、従来の様な複雑なリ
ニアソレノイドバルブ等を使用することなく、もともと
必要なパワーローラ駆動用の油圧機構を利用して、伝達
トルクに比例したクラッチの制御圧を得ることができ
る。
【0008】
【実施例】以下、本発明の好適な一実施例について、添
付図面を参照して詳細に説明する。図1は一実施例のト
ロイダル型無段変速機の構成を示す断面図である。図1
において、トロイダル型無段変速機Cは、この変速機C
が搭載される車両の車体前後方向に延出する変速機出力
軸5を取り囲む様にして前側(図中左側)に配置された
第1トロイダル型変速機構7と、後側に配置された第2
トロイダル型変速機構8とを備えている。そして、第1
及び第2トロイダル型変速機構7,8の中間に配設され
たインプットカム48から入力されたエンジン回転力
が、これら第1及び第2トロイダル型変速機構7,8を
介して減速または増速され、変速機出力軸5から出力さ
れる。このようにトロイダル型の変速機構を2つに分割
することにより、1つのトロイダル型変速機構に全ての
伝達トルクを受け持たせる場合に比較して、トルク容量
を大きく取りながら変速機を小型化することができる。
【0009】ここで、第1及び第2トロイダル型変速機
構7,8は、前後に対称となる様に配置されているが、
両者の構成と機能は基本的に同一であるので、対応する
部材には同一符号を付し、原則として第1トロイダル型
変速機構7の各部材には添え字fを付し、第2トロイダ
ル型変速機構8の各部材には添え字rを付す。ただし、
ローラ等、各トロイダル型変速機構7,8に2つずつ配
設されている部材については、添え字f,rのみでは区
別できないので、第1トロイダル型変速機構7の左右に
配置された各部材に添え字a,bを付し、第2トロイダ
ル型変速機構8の左右に配置された各部材に夫々添え字
c,dを付す。従って、以下では、ある部材についてな
された説明は、原則として、番号が同一で添え字のみ異
なる他の部材にも当てはまる。
【0010】第1トロイダル型変速機構7には、変速機
出力軸5の回りに遊嵌された第1入力ディスク43f
と、変速機出力軸5に固定された第1出力ディスク44
fと、第1入力ディスク43fのトルクを第1出力ディ
スク44fに伝達する第1及び第2パワーローラ45
a,45bが設けられている。そして、第1入力ディス
ク43fは、被駆動ギヤ42が外周に形成されたインプ
ットカム48と、第1カムローラ49fを介して係合
し、第1入力ディスク43fへの入力トルクが大きいと
き程、第1入力ディスク43fが第1及び第2パワーロ
ーラ45a,45bに強く押し付けられる様になされて
いる。この押し付け力が第1入力ディスク43f及び第
1出力ディスク44fと第1及び第2パワーローラ45
a,45bとの間に摩擦力を発生させ、第1入力ディス
ク43fの回転力が、第1及び第2ローラ45a,45
bを介して第1出力ディスク44fに伝達される。
【0011】第1及び第2パワーローラ45a,45b
は、夫々、軸線Y回りに回転できる様になっており、そ
の周面を第1入力ディスク43fのコーン状の湾曲面と
第1出力ディスク44fのコーン状の湾曲面とに当接さ
せている。このため、第1入力ディスク43fの回転ト
ルクが、第1及び第2パワーローラ45a,45bを介
して第1出力ディスク44fに伝達される。ここで第1
入力ディスク43fから第1出力ディスク44fへの回
転力の伝達における変速比(トルク比)は、第1及び第
2パワーローラ45a,45bと当接している位置にお
ける第1入力ディスク43fの半径R1 と第1出力ディ
スク44fの半径R2 の比R2 /R1 によって決定され
る。
【0012】そして、第1及び第2ローラ45a,45
bと両ディスク43f,44fとの当接位置は、第1及
び第2ローラ45a,45bの図中紙面に平行な面内の
傾転角によって決まる様になっており、後述する油圧機
構によってこの傾転角を変えることにより、変速比を所
定の範囲内で任意に設定できる様になっている。次に、
トロイダル型変速機Cの構成をより具体的に説明する。
【0013】図1に示す様に第1トロイダル型変速機構
7においては、第1出力ディスク244fが変速機出力
軸5にスプライン嵌合されている。更に第1出力ディス
ク44fは、変速機出力軸5に嵌合されたリング状の位
置決め部材46によって位置決めされた状態で、第1ベ
アリング47fを介して変速機ケース22によって回転
自在に支持されている。なお、第2トロイダル型変速機
構8の第2出力ディスク44rは、変速機出力軸5の外
周に一体的に形成された拡径部5gと変速機ケース22
との間に設けられ変速機出力軸5を回転自在に支持する
第2ベアリング47rによって位置決めされている。
【0014】第1出力ディスク44fと第2出力ディス
ク44rとの間には、第1及び第2入力ディスク43
f,43rが互いに背面が対向する様にして近接配置さ
れており、両入力ディスク43f,43rとの間に、夫
々第1及び第2カムローラ49f,49rが介設されて
いる。ここで、第1及び第2カムローラ49f,49r
は、インプットカム48と第1及び第2入力ディスク4
3f,43rが相対回転したときに、第1及び第2入力
ディスク43f,43rを、夫々第1及び第2出力ディ
スク44f,44r側に押し付ける押圧力を発生させる
機能を有していて、第1及び第2入力ディスク43f,
43rへの入力トルクが大きいとき程、第1及び第2カ
ムローラ49f,49rによる第1及び第2入力ディス
ク43f,43rに対する押圧力が増加する様になされ
ている。
【0015】第1及び第2入力ディスク43f,43r
間には、変速機出力軸5に遊嵌され、且つ両端を夫々第
1及び第2入力ディスク43f,43rの背面に当接さ
せた状態で、第1及び第2入力ディスク43f,43r
とスプライン嵌合された係合部材50が配置されてい
る。そして、この係合部材50と第2入力ディスク43
rとの間に皿バネ51が介設され、この皿バネ51によ
って第1入力ディスク43fと第2入力ディスク43r
とが互いに離間する方向に予圧される様になされてい
る。この皿バネ51は、第2入力ディスク43rの背面
に当接してこれを第2出力ディスク44r側に付勢する
一方、その付勢反力によって、係合部材50を介して、
第1入力ディスク43fを第1出力ディスク44f側に
付勢し、第1入力ディスク43fと第1出力ディスク4
4fとの間、及び第2入力ディスク43rと第2出力デ
ィスク44rとの間に所定の予圧を付与する様になされ
ている。
【0016】なお、変速機出力軸5には、発進クラッチ
150が接続されている。次に、第1〜第4パワーロー
ラ45a〜45dを夫々傾転させるための油圧機構につ
いて図1乃至図4を参照して説明する。第1トロイダル
型変速機構7には、第1及び第2パワーローラ45a,
45bを夫々回転自在に支持する第1及び第2トラニオ
ン59a,59bが設けられている。そして、第1及び
第2トラニオン59a,59bによって、夫々、第1及
び第2偏心軸60a,60bを介して、第1及び第2パ
ワーローラ45a,45bが回転自在に支持されてい
る。また、第1及び第2トラニオン59a,59bに
は、夫々、これらを下方(変速機出力軸5と直交する方
向)に延長する様にして伸長する第1及び第2軸部材6
1a,61bが取り付けられている。
【0017】第1及び第2パワーローラ45a,45b
よりはやや上方において、変速機ケース22には上側連
結部材62が取り付けられている。他方、第1及び第2
パワーローラ45a,45bより下方において、変速機
ケース22に固定された仕切り壁部53には下側連結部
材63が取り付けられている。そして、上側連結部材6
2に形成された第1及び第2軸穴65a,65bによっ
て、夫々、第1及び第2トラニオン59a,59bの上
端部が、第1及び第2上側球面ブッシュ64a,64b
を介して回動自在に支持されている。他方、下側連結部
材63に形成された第1及び第2軸穴67a,67bに
よって、夫々第1及び第2トラニオン59a,59bの
下端部が、第1及び第2下側球面ブッシュ66a,66
bを介して回動自在に支持されている。
【0018】また、第1及び第2軸部材61a,61b
の下部は、仕切壁部53の下面に取り付けられたアッパ
ハウジング55の開口部55gを貫通して、アッパハウ
ジング55の下面に取り付けられたロアハウジング56
の凹部56gによって、第1及び第2支持ベアリング5
4a,54bを介して回転自在に支持されている。仕切
壁部53内には、夫々第1及び第2トラニオン59a,
59bを作動させるために、第1及び第2油圧シリンダ
76a,76bが設けられ、これらの第1及び第2油圧
シリンダ76a,76bは、夫々、仕切壁具53の一部
をなす隔壁部53gによって上下に仕切られている。そ
して、第1及び第2油圧シリンダ76a,76bの上反
部には夫々第1及び第2上側ピストン77a,77bが
嵌入され、下反部には第1,第2下側ピストン78a,
78bが嵌入されている。このため、第1及び第2上側
ピストン77a,77bと隔壁部53gとによって夫々
第1及び第2上側油圧室79a,79bが画成され、他
方第1及び第2下側ピストン78a,78bと隔壁部5
3gとによって夫々第1及び第2下側油圧室80a,8
0bが画成されている。
【0019】ここで、第1及び第2上側油圧室79a,
79bに油圧がかけられたときには、第1及び第2上側
ピストン77a,77bによって、第1及び第2トラニ
オン59a,59bが上向きに変位させられ、他方第1
及び第2下側油圧室80a,80bに油圧がかけられた
ときには、第1及び第2下側ピストン78a,78bに
よって、第1及び第2トラニオン59a,59bが下向
きに変位させられる様になっている。そして、このよう
に第1及び第2トラニオン59a,59bが上下方向に
変位すると、これに伴って変位量に応じて第1及び第2
パワーローラ45a,45bが傾転し、第1トロイダル
型変速機構7の変速比が変わる様になっている。また、
これに伴って第1及び第2トラニオン59a,59bが
その軸線回りに回動する様になっている。
【0020】なお、第1〜第4上側油圧室79a〜79
d及び第1〜第4下側油圧室80a〜80dへの油圧の
供給を制御することによって変速比を制御する変速比制
御装置、及びこの変速比制御装置による具体的な変速動
作は、後で詳しく説明する。また、油圧機構故障時等に
おいて、第1及び第2トラニオン59a,59bの回動
の同期をバックアップするために、両トラニオン59
a,59b(59c,59d)には、連動ワイヤ57,
58が巻き掛けられている。
【0021】上側連結部材62には、第1軸穴65aと
第2軸穴65bの中間部に第1上側位置決め穴68fが
形成され、第3軸穴65cと第4軸穴65dの中間部に
第2上側位置決め穴68rが形成されている。そして、
第1上側位置決め穴68fに、変速機ケース22と一体
形成された第1支持部69fが挿通されている。なお、
第1支持部69fには第1ローラ潤滑部材70fが、第
1取付部材71を用いて取り付けられている。また、第
2上側位置決め穴69rには、第2支持部69rに取り
付けられた上側球面軸受け75rが挿通されている。な
お、第2支持部69rには第2ローラ潤滑部材70r
が、第2取付部材71rを用いて取り付けられている。
このように、上側連結部材62は、第1支持部69fと
上側球面軸受け75rとによって、変速機ケース22に
対して固定ないしは位置決めされている。
【0022】下側連結部材63には、第1軸穴67aと
第2軸穴67bの中間部に第1下側位置決め穴72fが
形成され、第3軸穴67cと第4軸穴67dの中間部に
第2下側位置決め穴72rが形成されている。そして、
第1及び第2下側位置決め穴72f,72rには夫々、
仕切り壁53の上面に第1及び第2取り付けボルト74
f,74rを用いて固定された第1及び第2下側球面軸
受け73f,73rが挿通されている。このように、下
側連結部材63は、第1及び第2下側球面軸受け73
f,73rによって、仕切り壁部53(変速機ケース
側)に対して固定乃至位置決めされている。
【0023】以下、第1〜第4上側油圧室79a〜79
d及び第1〜第4下側油圧室80a〜80dへの油圧の
供給を制御することによって速度比を制御する変速比制
御装置について説明する。この変速比制御装置におい
て、第1〜第4上側油圧室79a〜79d及び第1〜第
4下側油圧室80a〜80dへは、運転状態に応じて変
速比制御弁Vから、後で説明する油圧回路を介して油圧
が供給される様になっている。この変速比制御弁Vは、
後で詳しく説明する様に、バルブボディ82内にスリー
ブ83が嵌入され、さらにスリーブ83内にスプール8
4が嵌入された所謂三層弁であって、作動機構としてス
プリング85、回転部材86、ピン部材87等を備えて
いて、コントロールユニット(図示せず)からの信号に
従って動作するステッピングモータ88によって駆動乃
至制御され、運転状態に応じて元圧受入ポートP1 に受
け入れられた油圧(ライン圧)をシフトアップ用制御ポ
ートP2 またはシフトダウン用制御ポートP3 を介し
て、所定の油圧室79a〜79d,81a〜80dに油
圧を供給する様になっている。なお、変速比制御弁Vに
はフィードバック手段90が設けられている。
【0024】図3〜図5に示す様に、変速比制御弁Vに
おいては、ロアハウジング56の一部がバルブボディ8
2とされていて、このバルブボディ82内に、バルブボ
ディ軸線方向に往復移動できる様になったスリーブ83
が嵌入され、さらにスリーブ83内に、バルブボディ軸
線方向に往復移動できる様になったスプール84が嵌入
されている。ここで、スリーブ83には、常時元圧受入
ポートP1 と連通するメインポート83iと、常時シフ
トアップ用制御ポートP2 と連通する第1ポート83j
と、常時シフトダウン用制御ポートP3 と連通する第2
ポート83kとが形成されている。また、スプール84
には、常時メインポート83iと連通する環状のグルー
ブ84iと、グルーブ84iの左右に夫々隣接する第1
及び第2ランド84j,84kが形成されている。ここ
で、変速動作(シフトアップまたはシフトダウンが行わ
れていない時には、第1及び第2ランド部84j,84
kは、夫々第1及び第2ポート83j,83kの内側開
口部を閉じる様になっている(図5はこの状態を示して
いる)。
【0025】変速機ケース22の下端部に取り付けられ
たオイルパン36の側壁部には、ステッピングモータ8
8が取り付けられ、このステッピングモータ88の回転
軸88iには回転部材86が固定・連結されている。そ
して、回転部材86の先端部付近には雄ネジ部86iが
形成され、この雄ネジ部86iに雌ネジ付カラー92が
螺合されている。この雌ネジ付カラー92にはピン部材
87が固定されていて、このピン部材87の両端部は、
バルブボディ82に形成された上下一対の溝部82iに
よって係止され、雌ネジ付カラー92はバルブボディ軸
線方向に移動することになる。また、ピン部材87によ
って、雌ネジ付カラー92とスリーブ83とがバルブボ
ディ軸線方向に連動する様になっている。
【0026】スリーブ83内において、雌ネジ付きカラ
ー92とスプール84との間には、両者に、互いにバル
ブボディ軸線方向に離間させる方向の付勢力を付与する
スプリング85が配設されている。すなわち、スプリン
グ85によって、雌ネジ付カラー92は常時ステッピン
グモータ方向(図5では左向き)に付勢されることにな
る。なお、以下では、特にことわらないかぎり、便宜
上、この方向(図5中の左方向)を単に「左」といい、
これと逆方向(図5中の右方向)を単に「右」と言うこ
とにする。従って、雌ネジ付カラー92と連動するスリ
ーブ83も常時左向きに付勢されることになる。なお、
スプリング85によって、スプール84が常時右向きに
付勢されるのは勿論である。
【0027】ここで、ステッピングモータ88の回転に
伴って回転部材86が回転すると、ピン部材87によっ
て回転を規制された雌ネジ付カラー92がバルブボディ
軸線方向に移動させられ、これに伴ってスリーブ83が
バルブボディ軸線方向に移動して、メインポート83i
を、グルーブ84iを介して、第1ポート83jまたは
第2ポート83kと連通させ、元圧受入ポートP1 内の
作動油(油圧)をシフトアップ用制御ポートP2 または
シフトダウン用制御ポートP3 に出力する様になってい
る。なお、ここで作動油とは所定の油圧を伴った作動油
のことであり、以下でも同様である。
【0028】具体的には、例えば、シフトアップ時に
は、ステッピングモータ88がパルスに応じた回転角で
順回転し、これに伴ってスリーブ83が右向きに移動
し、このときメインポート83iがグルーブ84iを介
して第1ポート83jと連通し、元圧受入ポートP1 の
作動油がシフトアップ用制御ポートP2 から出力され
る。この場合、シフトダウン用制御ポートP3 の作動油
はドレン通路99にリリースされる。
【0029】他方、シフトダウン時には、ステッピング
モータ88がパルスに応じた回転角で逆回転し、これに
伴ってスリーブ83が左向きに移動し、メインポート8
3iがグルーブ84iを介して第2ポート83kと連通
し、元圧受入ポートP1 の作動油(油圧)がシフトダウ
ン用制御ポートP3 から出力される。この場合、シフト
アップ用制御ポートP2 の作動油はドレン通路99にリ
リースされる。
【0030】かかるシフトダウン時においては、スリー
ブ83がスプリング85によって常時左向きに付勢され
ている関係上、この付勢力によってステッピングモータ
88のトルク負荷が軽減されて駆動限界速度が高くなり
(脱調が生じにくくなり)、スリーブ83が迅速に左向
きに移動するので、変速応答性が高められる。なお、シ
フトアップ時には、スプリング85の付勢力がステッピ
ングモータ88のトルク負荷を増加させ、従ってステッ
ピングモータ88の駆動限界速度が低下して、若干変速
応答性が低下することになるが、シフトアップ時には、
それほど応答性が必要とされないので、なんら不具合は
生じない。
【0031】スプール84の右端部と第1軸部材61a
の下端部との間には、フィードバック手段90が設けら
れている。このフィードバック手段90には、第1軸部
材61aに固定され、この第1軸部材61aと一体回転
するプリセスカム100が設けられ、このプリセスカム
100には傾斜面100iが形成されている。また、ア
ッパハウジング55の所定の位置に設けられた回転軸1
01に、第1アーム102iと第2アーム102jとが
取り付けられている。ここで、第1アーム102iの先
端部はプリセスカム100の傾斜面100iと係合し、
第2アーム102jの先端部は、スプール84の右端部
に形成されたスリット84mと係合している。
【0032】このフィードバック手段90の基本的な機
能は、一般に用いられている普通のフィードバック手段
と同様であるので、詳しい説明は省略するが、概ね次の
様なプロセスで、各ローラ45a〜45dの傾転角(変
速比)を目標傾転角(目標変速比)に保持する様になっ
ている。すなわち、変速時において、ステッピングモー
タ88が目標傾転角(目標変速比)に対応する角度だけ
回転すると、スリーブ83がこの回転角に対応する分だ
けバルブボディ軸線方向に移動して、所定の油圧室79
a〜79d,80a〜80dに油圧が供給され、各ロー
ラ45a〜45dが目標傾転角まで傾転する。他方、こ
のようにローラ45a〜45dが傾転すると、これに対
応して各トラニオン59a〜59dと各軸部材61a〜
61dが回動し、これに伴ってプリセスカム100が回
動する。このとき、プリセスカム100によって第1ア
ーム102iを介して回転軸101が回転させられ、さ
らにこの回転軸101によって、第2アーム102jを
介してスプール84が、スリーブ83の上記移動方向と
同一方向に移動させられ、ローラ45a〜45dの傾転
角が目標傾転角に達した時点で、スプール84の移動量
が丁度スリーブ83の移動量と等しくなり、ここでメイ
ンポート83iと、第1ポート83jまたは第2ポート
83kとの連通が遮断され、油圧室79a〜79d,8
0a〜80dへの油圧の供給が停止され、傾転角の変化
が停止して、傾転角が目標傾転角に保持される。
【0033】ただし、かかるフィードバック動作が行わ
れるときに、第2アーム102jの先端部がスプール8
4から離間する方向(すなわち右向き)に変位する場合
には、前記のスプリング85によって、スプール84が
第2アーム102jの変位に追従させられる。以下、油
圧供給源から変速比制御弁Vに作動油(油圧)を供給
し、且つ変速比制御弁Vから各油圧室79a〜79d,
80a〜80dに作動油を供給する油圧回路について説
明する。
【0034】図6に示す様に、かかる油圧回路において
は、オイルパン36内の作動油が、オイルポンプ17か
ら吐出された後、ライン圧制御部122で所定の圧力
(元圧)に調整された後、元圧供給通路123を介し
て、変速比制御弁Vの元圧受入ポートP1 に供給される
様になっている。シフトアップ用制御ポートP2 から出
力された作動油は共通シフトアップ油路130に流入
し、この後、第1〜第4分岐シフトアップ油路130a
〜130dを介して、夫々、第1下側油圧室80aと、
第2上側油圧室79bと、第3下側油圧室80cと、第
4上側油圧室79dとに供給される様になっている。他
方、シフトダウン用制御ポートP3 から出力された作動
油は共通シフトダウン油路131に流入し、この後、第
1〜第4分岐シフトダウン油路131a〜131dを介
して、夫々、第1上側油圧室79aと、第2下側油圧室
80bと、第3上側油圧室79cと、第4下側油圧室8
0dとに供給される様になっている。
【0035】かかる変速比制御装置において、シフトダ
ウン時には、スリーブ83が図6中では右向きに移動
し、元圧受入ポートP1 の作動油がシフトダウン用制御
ポートP3 から出力され、この作動油が、第1上側油圧
室79aと、第2下側油圧室80bと、第3上側油圧室
79cと、第4下側油圧室80dとに供給される。な
お、図6中の変速比制御弁Vは、図3,図5中の変速比
制御弁Vとは、左右の位置関係が逆に示されている。
【0036】このとき、第1及び第3トラニオン59
a,59cが上向きに変位し、第2及び第4トラニオン
59b,59dが下向きに変位し、かかるトラニオン5
9a〜59dの変位によって、第1〜第4ローラ45a
〜45dが減速側に変化する。このとき各トラニオン5
9a〜59dに従って、各軸部材61a〜61dが回動
するが、第1軸部材61aの回動に伴って、プリセスカ
ム100が、傾斜面100iと当接している第1アーム
102iと、回転軸101と、第2アーム102jとを
介して、スプール84を、元圧受入ポートP1 とシフト
ダウン用制御ポートP3 の連通を遮断するまで右向きに
移動させる。この様にして、傾転角が目標傾転角に保持
される。
【0037】ここにおいて、スリーブ83が右向きに移
動する際には、スプリング85によってスリーブ83が
右向きに付勢されるので、ステッピングモータ88のト
ルク負荷が軽減され、変速応答性が高められるのは、前
述した通りである。他方、シフトアップ時には、スリー
ブ83が図6中では左向きに移動し、元圧受入ポートP
1 の作動油がシフトアップ用制御ポートP2 から出力さ
れ、この作動油が、第1下側油圧室80aと、第2上側
油圧室79bと、第3下側油圧室80cと、第4上側油
圧室79dとに供給される。
【0038】このとき、第1及び第3トラニオン59
a,59cが下向きに変位し、第2及び第4トラニオン
59b,59dが上向きに変位し、かかるトラニオン5
9a〜59dの変位によって、第1〜第4ローラ45a
〜45dが増速側(オーバードライブ側)に変化する。
このとき各トラニオン59a〜59d(各軸部材61a
〜61d)が回動し、第1軸部材61aの回動に伴っ
て、プリセスカム100が、傾斜面100iと当接して
いる第1アーム102iと、回転軸101と、第2アー
ム102jとが作動させられるが、この場合は上記のシ
フトダウンの場合とは違って、第2アーム102jの先
端部がスプール84から離間する方向(図6では左向
き)に変位する。このためスプリング85の付勢力によ
って、スプール84が図6中では左向きに移動させら
れ、元圧受入ポートP1 とシフトアップ用制御ポートP
2 の連通を遮断するまで左向きに移動させられる。この
様にして、傾転角が目標傾転角に保持される。次に、本
実施例の特徴的な部分である油圧クラッチ150の棚圧
を制御するための棚圧制御油圧系の構成について説明す
る。
【0039】既に、従来技術の欄で説明した様に、発進
クラッチにおいては、クラッチをスムーズに接続して車
両を滑らかに発進させるためには、半クラッチ状態を経
由して完全接続を行わなければならない。そのために
は、発進クラッチの押し付け圧であるクラッチ油圧は図
11に示す様な時間波形となる必要がある。すなわち、
クラッチ油圧は、油圧がゼロの状態から半クラッチ状態
となる棚圧を経由して、完全接続に必要な圧力まで上昇
する様に変化しなければならない。また、半クラッチ状
態での棚圧は、図12に示す様に入力トルクが大きい程
高く設定する必要がある。
【0040】この様な棚圧を発生させるための制御油圧
系を示したものが図7である。図7においては、クラッ
チの棚圧制御の原理を説明するために、第1〜第4パワ
ーローラ45a〜45d、第1〜第4上側油圧室79a
〜79d、及び第1〜第4下側油圧室80a〜80dを
模式化して示してあり、以下の説明では、便宜上パワー
ローラ45a〜45dを上側に移動させようとする力を
発生させる油圧室、すなわち第1〜第4上側油圧室79
a〜79dに生ずる油圧をPH で表し、パワーローラ4
5a〜45dを下側に移動させようとする力を発生させ
る油圧室、すなわち第1〜第4下側油圧室80a〜80
dに生ずる油圧をPL で表すものとする。また、入力デ
ィスク43f,43r、パワーローラ45a〜45d及
び出力ディスク44f,44rは図中矢印A,B,Cで
示した方向に回転するものとする。
【0041】上記の様に模式的に表されたトロイダル型
無段変速機Cにおいては、第1〜第4パワーローラ45
a〜45dには、伝達トルクの反力として、白矢印で示
した方向に伝達トルクに比例した力Fが作用する。その
ため、三層弁V(変速比制御弁V)のシフトアップ制御
用ポートP2 とシフトダウン用制御ポートP3 のうちの
一方から出力される作動油の圧力PH とシフトアップ用
制御ポートP2 とシフトダウン用制御ポートP3 のうち
の他方から出力される作動油の圧力PL には、パワーロ
ーラ45a〜45dに働く力Fとバランスして、パワー
ローラ45a〜45dを所定の位置に保持する力を生じ
させるだけの差圧δP=(PH −PL )が常に生じてい
ることになる。力Fは伝達トルクに比例しているので差
圧δPも伝達トルクに比例することとなり、この差圧を
クラッチ圧制御バルブに入力することにより、クラッチ
の棚圧を伝達トルクに比例した値に制御することができ
るわけである。
【0042】次に、図7に示した制御油圧系の構成につ
いて説明する。図7において、オイルパン36内の作動
油は、オイルポンプ152から吐出された後、減圧バル
ブ(レデユーシングバルブ)154に入力され所定のレ
デユーシング圧に減圧される。レデユーシング圧に減圧
された作動油はリニアソレノイドバルブ156に入力さ
れ、リニアソレノイドバルブ156では、ソレノイドの
デユーティ比を変化させることにより調圧バルブ(レギ
ュレータバルブ)158を駆動制御するためのパイロッ
ト圧を生成する。一方、調圧バルブ158には、オイル
ポンプ152から出力された作動油が直接入力されてお
り、この作動油がリニアソレノイドバルブ156からの
パイロット圧により調圧され、調圧バルブ158からラ
イン圧として出力される。所定のライン圧に調圧された
作動油は、三層弁V(変速比制御弁V)に入力され、既
に説明した通りの制御により三層弁Vのシフトアップ用
制御ポートP2 またはシフトダウン用制御ポートP3 か
ら圧力PH ,PL として出力される。これらの油圧PH
,PL の差圧δP=(PH −PL )がパワーローラ4
5a〜45dを上下動させる圧力として働く。
【0043】一方、圧力PH ,PL を有する作動油は、
クラッチ圧制御バルブ160に入力される。また、クラ
ッチ圧制御バルブ160にはライン圧が入力されてお
り、このライン圧がクラッチ圧制御バルブ160によ
り、圧力PH ,PL の差圧δP=(PH −PL )に比例
した圧力に調圧され、発進クラッチ150に入力され
る。これにより、発進クラッチ150の棚圧が、差圧δ
Pに比例した圧力、すなわちトロイダル型無断変速機C
の伝達トルクに比例した圧力に制御される。
【0044】次に、図8,図9は、クラッチ圧制御バル
ブ160の具体的な構成を示す側断面図である。図8,
図9において、クラッチ圧制御バルブ160は、このク
ラッチ圧制御バルブ160の本体を構成するバルブボデ
ィ162内に、バルブボディ162の軸線方向に往復移
動できる様にスプール164が嵌入されて構成されてい
る。そして、スプール164は、弱い力の圧縮バネ16
6により常時図中右方向に付勢されている。図8は、ス
プール164がバルブボディ162の右端に移動した状
態を示しており、図9はスプール164がバルブボディ
162の左端に移動した状態を示している。ここで、バ
ルブボディ162には、ライン圧(元圧)を受け入れる
ためのライン圧受入ポートP4 と、三層弁Vからの圧力
PH の作動油を受け入れるための第1作動圧受入ポート
P5 と、三層弁Vからの圧力PLの作動油を受け入れる
ための第2作動圧受入ポートP6 とライン圧を発進クラ
ッチ150に導くためのクラッチ圧制御ポートP7 と、
クラッチ圧制御ポートP7からフィードバック圧(F/
B圧)を還流するためのフィードバックポートP8と、
トロイダル型無段変速機Cにトルクがかかっていないと
きにクラッチ圧をリリースするドレンポートP9 とを備
えている。
【0045】また、スプール164には、図8に示した
様にスプール164がバルブボディ162の図中右端に
移動したときにライン圧受入ポートP4 を閉鎖する第1
ランド部164aと、図9に示した様にスプール164
がバルブボディ162の図中左端に移動したときにドレ
ンポートP9 を閉鎖する第2ランド部164bとが形成
されている。また、第1ランド部164aと第2ランド
部164bの間には、ライン圧受入ポートP4 から進入
した作動油をクラッチ圧制御ポートP7 に導入するため
の環状のグルーブ164cが形成されている。
【0046】なお、第1作動圧受入ポートP5 と第2作
動圧受入ポートP6 とフィードバックポートP8 には、
オリフィス167,168,170が夫々取り付けられ
ており、作動油の油圧の高周波成分をカットして、DC
成分のみをバルブボディ162内に導入する様になされ
ている。次に上記の様に構成されたクラッチ圧制御バル
ブの動作について説明する。まず、運転者が、車両を発
進させるためにアクセルペダルを踏むと、エンジントル
ク、すなわちトロイダル型無段変速機Cの入力トルクが
上昇する。すると、パワーローラ45a〜45dを支え
て保持する制御油圧PH ,PL が変化する。図7に示し
た状態では、パワーローラ45a〜45dを図中下方に
下げる方向への力Fが作用するので、この力Fを支える
ためには制御油圧PH の方がPL よりも高くなる必要が
ある。制御油圧PH が油圧PL よりも高くなると、クラ
ッチ圧制御バルブ160においては、図8の様にスプー
ル164がバルブボディ162の右端に位置する状態か
ら、油圧PH に押されてスプール164が図中左方向に
移動し、ライン圧受入ポートP4 がしだいに開かれるこ
ととなる。スプール164の油圧PH とPL を夫々受け
る部分の受け面積は互いに同一とされているので、ライ
ン圧受入ポートP4 の開き量は制御油圧PH ,PL の差
圧δP=(PH −PL)の大きさに比例することとな
り、ライン圧受入ポートP4 からグルーブ164c内に
流入した作動油は、差圧δPに比例した圧力に調整され
てクラッチ圧制御ポートP7 から発進クラッチ150へ
と導入される。このとき、フィードバックポートP8 か
らは、オリフィス168を通して、クラッチ圧がバルブ
ボディ162内に還流されるので、オリフィス168に
より高周波成分が取り除かれた油圧がスプール164の
背圧となり、スプール164の動作が安定化され、ライ
ン圧受入ポートP4 の開き量が正確に制御される。差圧
δPは、既に説明した様に、トロイダル型無段変速機C
の入力トルクに比例するので、結果として発進クラッチ
150に導入される作動油の圧力は入力トルクに比例し
た値となり、発進クラッチの棚圧が入力トルクの大きさ
に比例した値に設定されることとなる。
【0047】なお、差圧δPの値は図10に示す様に入
力トルクが同じでも、変速比が変化するとそれに応じて
変化し、高いトルクが必要となされるロー側(減速側)
では高くなり、トルクがあまり必要とされないオーバー
ドライブ側(増速側)では低くなる。従って、本実施例
の様に構成することにより、入力トルクの大きさに応じ
たクラッチ圧が得られるのみでなく、変速比にも応じた
クラッチ圧が得られることとなる。特に本実施例では、
トロイダル型無段変速機Cの出力側に発進クラッチ15
0が設けられているので、まず変速機Cで変速された変
速比に応じてその後段の発進クラッチ150のクラッチ
棚圧が制御されるので、矛盾無く入力トルクと変速比の
双方に応じたクラッチ棚圧が得られることとなる。
【0048】なお、本発明はその主旨を逸脱しない範囲
で、上記実施例を修正または変形したものに適用可能で
ある。例えば、上記の実施例においては、流体継手を介
さない発進クラッチに適用する例を説明したが、本発明
はこれに限定されることなく、流体継手を介した特開昭
62−251559号公報の様な形式のものにおける前
進或は後進用のクラッチの制御にも適用することが可能
である。
【0049】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明のトロイダル
型無段変速機によれば、以下の様な効果が得られる。す
なわち、パワーローラには、入力ディスクの回転力を出
力ディスクに伝達するときの反力として、これらのディ
スクの接線方向にパワーローラを移動させようとする力
が作用する。この力は伝達トルクに比例する。そのた
め、パワーローラを移動駆動させる油圧機構の2つの油
圧室には、この反力とバランスする力を発生させるため
の差圧が生じ、この差圧が伝達トルクに比例することに
なる。従って、この差圧を用いてクラッチ圧を制御する
制御バルブの制御圧を調整すれば、従来の様な複雑なリ
ニアソレノイドバルブ等を使用することなく、もともと
必要なパワーローラ駆動用の油圧機構を利用して、伝達
トルクに比例したクラッチの制御圧を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例のトロイダル型無段変速機の構成を示
す断面図である。
【図2】図1に示すトロイダル型無段変速機の側断面図
である。
【図3】図2に示すトロイダル型無段変速機のA−A断
面図である。
【図4】図2に示すトロイダル型無段変速機のB−B断
面図である。
【図5】スリーブを備えた三層構造の変速比制御弁の側
断面図である。
【図6】一実施例のトロイダル型無段変速機の油圧機構
の油圧回路を示す図である。
【図7】発進クラッチの棚圧を発生させるための制御油
圧系を示した図である。
【図8】クラッチ圧制御バルブの具体的な構成を示す側
断面図である。
【図9】クラッチ圧制御バルブの具体的な構成を示す側
断面図である。
【図10】パワーローラを駆動する油圧機構の差圧と入
力トルクの関係を示した図である。
【図11】車両を発進させる時のクラッチ圧と時間の関
係を示した図である。
【図12】クラッチの棚圧と入力トルクの関係を示した
図である。
【図13】従来のクラッチの棚圧の制御機構を示した図
である。
【符号の説明】
C トロイダル型無段変速機 V 変速比制御弁 P1 元圧受入ポート P2 シフトアップ用制御ポート P3 シフトダウン用制御ポート 17 オイルポンプ 82 バルブボディ 83 スリーブ 84 スプール 85 スプリング 88 ステッピングモータ 90 フィードバック手段 150 発進クラッチ 162 バルブボディ 164 スプール 166 圧縮バネ 167,168,170 オリフィス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺内 政治 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動力が入力されるコーン形の入力ディス
    クと、該入力ディスクと同軸上に配置され、外部に動力
    を出力するコーン形の出力ディスクと、前記入力ディス
    クと前記出力ディスクの相対向するコーン面間に配設さ
    れ、前記入力ディスクのコーン面と前記出力ディスクの
    コーン面の双方に接触しながら回転することにより前記
    入力ディスクの回転力を前記出力ディスクに伝達するパ
    ワーローラと、該パワーローラを傾転させて前記入力デ
    ィスクと前記出力ディスクの変速比を変化させるために
    前記パワーローラを前記出力ディスクの回転軸と略直交
    する方向に移動させる油圧機構と、前記出力ディスク側
    に接続された発進クラッチとを備え、前記油圧機構が該
    油圧機構に備えられた2つの油圧室の差圧を用いて前記
    パワーローラを移動させる駆動力を発生される様になさ
    れたトロイダル型無段変速機において、 前記発進クラッチのクラッチ圧を制御する制御バルブの
    制御圧を、前記2つの油圧室の差圧を用いて調整するこ
    とを特徴とするトロイダル型無段変速機。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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