JPH06295473A - 情報記録媒体キャリア - Google Patents

情報記録媒体キャリア

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JPH06295473A
JPH06295473A JP5107335A JP10733593A JPH06295473A JP H06295473 A JPH06295473 A JP H06295473A JP 5107335 A JP5107335 A JP 5107335A JP 10733593 A JP10733593 A JP 10733593A JP H06295473 A JPH06295473 A JP H06295473A
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Teiji Obara
禎二 小原
Hidenori Yukishige
秀則 幸重
Yoshio Natsuume
伊男 夏梅
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Nippon Zeon Co Ltd
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  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 ハードディスク等の情報記録媒体、アルミニ
ウム製等の情報記録媒体基板、または洗浄した基板等の
情報記録媒体製造中間体と接触する部分の表面が、6−
メチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,
5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレンの開環
重合体水素添加物等の熱可塑性ノルボルネン系樹脂から
成るように情報記録媒体キャリアを製造する。 【効果】 寸法精密性に優れ、60℃に加温した20重
量%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して20分間超音波
洗浄する等の強アルカリによる洗浄処理にも、変形、変
質せず、さらに、強アルカリの付着や吸着が少なく、強
アルカリを純水等でのすすぎ処理により容易に除去でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、情報記録媒体キャリア
に関し、さらに詳しくはハードディスク、光磁気ディス
ク等の情報記録媒体、その基板、またはその製造中間体
の製造工程、流通、運搬等に用いられ、強アルカリによ
る脱脂洗浄処理にも耐え得る情報記録媒体キャリアに関
する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータ、ワードプロセッサ等にお
いて情報の読み込み、書き込みに用いられる情報記録媒
体は、アルミニウム、樹脂、ガラス等の基板の表面に磁
気記録層や光記録層等の記録層を積層したものである。
基板に記録層を積層するには、一般にスパッタリング法
が用いられる。この際、基板表面に微量の塩類、脂質等
が付着していると記録層と基板の密着性に問題が生じ、
記録層の欠陥による記録情報の欠落、誤り等の原因とな
る。そのため、積層の前処理として、フロンによる脱脂
洗浄が行われるのが一般的であった。しかし、最近の環
境問題によりフロンの使用制限が社会問題化し、フロン
に代えて、強アルカリによる脱脂洗浄が検討されてい
る。この強アルカリによる脱脂洗浄は、通常、60℃程
度に加熱された20重量%程度の水酸化ナトリウム水溶
液に浸漬し20分程度超音波洗浄することにより行われ
る。
【0003】一方、情報記録媒体基板は、通常、キャリ
アと呼ばれるカセットに一定枚数毎に収納されて流通
し、そのまま各工程間、各処理間を移動する。各処理に
おいて、情報記録媒体基板は、枝葉処理、すなわち、一
枚一枚別々に処理されることもあるが、通常、効率をよ
くするため、バッチ処理、すなわち、まとめて処理され
ることが多い。例えば、記録層のスパッタリング処理は
バッチ処理が不可能なため枝葉処理が行われ、スパッタ
リング処理後のエージング処理、洗浄処理はバッチ処理
で行われることが多い。バッチ処理を行う場合は、キャ
リアに収納されたまま処理される。
【0004】したがって、キャリアは、自動化された情
報記録媒体製造装置の規格にあった形状であり、枝葉処
理をする際の基板または製造中間体の出し入れが自動化
された装置で自在に可能であること、出し入れ時に基板
に異物の付着したりキズが生じないこと、洗浄処理後の
乾燥処理に耐えることが要求される。そのため、キャリ
アは寸法の精密性が必要である上、乾燥処理に耐え得る
耐熱性を有することが求められる。また、キャリアの傷
や汚れの付着等が確認しやすいように、キャリアは透明
であることが好ましい。
【0005】キャリアの材質としては、ポリカーボネー
ト(PC)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエー
テルエーテルケトン(PEEK)等が用いられてきた。
PEIやPEEKは、耐熱性に優れ、エージング処理に
適し、フロンによる脱脂洗浄にも耐えるが、透明性が不
十分であり、汚れの付着等が視認しにくい。それに対
し、PCは、使用に耐え得る耐熱性とフロン洗浄に対す
る耐性を有し、透明性に優れ、さらに精密成形性にもの
優れている。現在、PC製のキャリアが一般的である。
しかし、PC製のキャリアをアルカリ洗浄すると、表面
に吸着しやすく、除去し難い。そのため、すすぎとして
水洗浄処理を繰り返す必要があり、製造効率が悪い。ま
た、キャリアは一般に使い捨てではなく、反復使用され
るが、繰り返しアルカリ洗浄に用いることにより樹脂の
劣化が生じやすいという問題があった。
【0006】近時、熱可塑性ノルボルネン系樹脂は、射
出成形が可能であり量産に適し、耐熱性、耐湿性、耐薬
品性、透明性等に優れた樹脂として注目されている。し
かし、有機溶剤等に対する耐薬品性に優れていることは
知られていたが、情報記録媒体製造に用いられるような
強アルカリ等にどの程度の耐性があるか、また、熱可塑
性ノルボルネン系樹脂成形品を強アルカリで洗浄した
後、水で洗浄することによりどの程度除去できるかは知
られていなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、鋭意研
究の結果、熱可塑性ノルボルネン系樹脂が、寸法精密性
に優れ、情報記録媒体製造工程で用いられる強アルカリ
に耐性を有し、さらに、表面に付着したアルカリが水洗
浄で容易に除去でき、情報記録媒体キャリアの材料とし
て優れていることを見い出し、本発明を完成するに到っ
た。
【0008】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、情報記録媒体、その基板、またはその製造中間体と
接触する表面が熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなる情
報記録媒体キャリアが提供される。
【0009】(熱可塑性ノルボルネン系樹脂)本発明で
用いられる熱可塑性ノルボルネン系樹脂は、特開平3−
14882号公報、特開平3−122137号公報、特
開平4−63807号公報等で公知の樹脂であり、具体
的には、ノルボルネン系単量体の開環重合体水素添加
物、ノルボルネン系単量体の付加型重合体、ノルボルネ
ン系単量体とオレフィンの付加型重合体、これらの重合
体や重合体水素添加物の変性物等が挙げられる。
【0010】ノルボルネン系単量体も、上記公報や特開
平2−227424号公報、特開平2−276842号
公報等で公知の単量体であって、例えば、ノルボルネ
ン、そのアルキル、アルキリデン、芳香族置換誘導体お
よびこれら置換または非置換のオレフィンのハロゲン、
水酸基、エステル基、アルコキシ基、シアノ基、アミド
基、イミド基、シリル基等の極性基置換体、例えば、2
−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5,
5−ジメチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノ
ルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−エチ
リデン−2−ノルボルネン、5−メトキシカルボニル−
2−ノルボルネン、5−シアノ−2−ノルボルネン、5
−メチル−5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネ
ン、5−フェニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−
5−メチル−2−ノルボルネン等;ノルボルネンに一つ
以上のシクロペンタジエンが付加した単量体、その上記
と同様の誘導体や置換体、例えば、1,4:5,8−ジ
メタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−2,3
−シクロペンタジエノナフタレン、6−メチル−1,
4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,
8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,4:5,1
0:6,9−トリメタノ−1,2,3,4,4a,5,
5a,6,9,9a,10,10a−ドデカヒドロ−
2,3−シクロペンタジエノアントラセン等; シクロ
ペンタジエンの多量体である多環構造の単量体、その上
記と同様の誘導体や置換体、例えば、ジシクロペンタジ
エン、2,3−ジヒドロジシクロペンタジエン等; シ
クロペンタジエンとテトラヒドロインデン等との付加
物、その上記と同様の誘導体や置換体、例えば、1,4
−メタノ−1,4,4a,4b,5,8,8a,9a−
オクタヒドロフルオレン、5,8−メタノ−1,2,
3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ−2,3−
シクロペンタジエノナフタレン等; 等が挙げられる。
【0011】ノルボルネン系単量体の重合は公知の方法
でよく、必要に応じて、他の共重合可能な単量体と共重
合したり、水素添加することにより熱可塑性飽和ノルボ
ルネン系樹脂である熱可塑性ノルボルネン系重合体水素
添加物とすることができる。また、重合体や重合体水素
添加物を特開平3−95235号等で公知の方法によ
り、α,β−不飽和カルボン酸および/またはその誘導
体、スチレン系炭化水素、オレフィン系不飽和結合およ
び加水分解可能な基を持つ有機ケイ素化合物、不飽和エ
ポキシ単量体を用いて変性させてもよい。
【0012】分子量はトルエン溶媒によるGPC(ゲル
・パーミエーション・クロマトグラフィ)分析により測
定した数平均分子量で1〜20万、重量平均分子量で2
〜60万が適当であり、好ましくは数平均分子量で2〜
10万、重量平均分子量で3〜30万であり、この範囲
よりも分子量が小さい場合には十分な強度が得られな
い、割れやすい等の不都合があり、この範囲よりも分子
量が大きいと、成形時の流動性が悪くなり成形しにく
い、樹脂の合成時に再現性よくかつ生産性よく合成しに
くいという不都合が生じる。
【0013】また、耐光劣化性や耐候劣化性、各種薬品
からの分解や着色等の劣化を受けにくいという点からは
オレフィン性不飽和結合を多く含まないことが好まし
く、そのために重合後の構造単位のなかに1つ以上の炭
素−炭素不飽和結合が存在する場合には水素添加するこ
とが好ましく、その場合、通常、水素添加率は90%以
上、好ましくは95%以上、より好ましくは99%以上
にする。
【0014】熱可塑性ノルボルネン系樹脂は、単量体の
選定、分子量、変性反応等によりその特性が変化する。
キャリア用の成形材料としては、18.6kgf/cm
2の荷重での撓み温度が、通常60℃以上、好ましくは
90℃以上、より好ましくは110℃以上のものであ
る。そのためには、ガラス転移温度(以下、Tgとい
う)は、通常80℃以上、好ましくは110℃以上、よ
り好ましくは130℃以上であることが必要である。上
記の分子量の範囲であれば、Tgを80℃以上にするた
めには、ホモポリマー水素添加物の場合は、一般に、シ
クロペンタジエンの多量体、その誘導体や置換体、シク
ロペンタジエンとテトラヒドロインデン等との付加物、
その誘導体や置換体等、三環体以上の単量体を用い、共
重合または共重合体水素添加物の場合には一般に、四環
体以上の単量体由来の構造単位を50%以上、より好ま
しくは70%以上、特に好ましくは90%以上含むよう
に重合するか、重合後に変性してそれと類似の構造にす
ればよい。ただし、射出成形の熱効率のためには、Tg
が200℃以下のものが好ましい。
【0015】熱可塑性ノルボルネン系樹脂の比重は単量
体の種類等で若干は変化するが、概ね0.95〜1.1
である。
【0016】熱可塑性ノルボルネン系樹脂の吸水性は単
量体の種類等によって変わるが、極性基を有するノルボ
ルネン系単量体のホモポリマー水素添加物の場合で0.
3%以下、極性基を含まないノルボルネン系単量体のホ
モポリマーで0.1%以下、所望により0.01%以下
の吸水率を持った樹脂の合成が可能である。極性基を含
まない単量体を重合した樹脂は疎水性が高く、水の接触
角で50°以上、好ましくは80°以上が可能で水を良
く弾くため水キレがよく、この点でキャリアの成形材料
に適している。
【0017】また、熱可塑性ノルボルネン系樹脂の成形
収縮率は通常0.7〜0.9%、線膨張係数は6〜8×
10-5/℃の範囲にあり、さらに透明性を必要としない
場合には下記のようにフィラーや繊維等を含有させるこ
とにより、成形収縮率を0.2%程度、線膨張係数を2
×10ー5/℃程度にまで下げることも可能であり、この
点からも、温度変化をともなう工程に用いるキャリアの
成形材料として適している。
【0018】さらに、熱可塑性ノルボルネン系樹脂は、
その重合、水素添加等の処理に由来する有機の不純物を
含有していても、成形後に水やアルコール等の有機溶媒
等で洗浄して、表面の有機物を除去すれば、以後、有機
物は80℃の温水中で1日当りの有機物抽出量が有機炭
素量(TOC)で、500μg/m2以下しか溶出せ
ず、溶出量は実際上、問題とならず、接触した物に有機
物を付着させたり、接触した液に微量の有機物を溶出す
ることは実質的にない。
【0019】熱可塑性ノルボルネン系樹脂には、所望に
より、フェノール系やリン系等の老化防止剤; フェノ
ール系等の熱劣化防止剤; ベンゾフェノン系やヒンダ
ードアミン系等の紫外線安定剤; 脂肪族アルコールの
エステル、多価アルコールの部分エステル及び部分エー
テル等の助剤; ペンタエリスリトールモノステアレー
ト等の多価アルコールの脂肪酸エステル等の帯電防止
剤; 等の各種添加剤を添加してもよい。また、本発明
の目的を損なわない範囲で、ポリブタジエン、ポリイソ
プレン、SBS、SIS、SEBS等のゴム、ポリスチ
レン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリカーボネート、
ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリイミ
ド、ポリスルホン等他の樹脂等を混合して用いることも
できる。さらに、透明性を必要としない情報記録媒体キ
ャリアに用いる場合は、色分けによる識別や耐熱性や強
度等を改良することを目的として、各種のタルクやチタ
ン華等の鉱物系やその他のフィラー、繊維、有機系また
は無機系の顔料等を用いることもできる。
【0020】(情報記録媒体キャリア)本発明におい
て、情報記録媒体は板状のものであり、基板上にアルミ
ニウム、金等の金属反射膜; Tb−Fe−Co系合金
等の光磁気記録層; γ−Fe23、CrO2等の磁気
記録層; 等の記録層を積層して成る。一般には、厚さ
0.5〜2.0mm程度、直径は1.5インチ、2イン
チ、2.5インチ、3インチ、3.5インチ、4イン
チ、5インチ、6インチ、8インチなどの円形である
が、カード型の長方形のもの等の円形以外のものもあ
る。
【0021】情報記録媒体は、基板がアルミニウム製、
ガラス製、樹脂製などのものがあるが、情報記録媒体の
代表例であるハードディスクにおいては、一般に基板と
して使用されているものは、軽量性、物理的強度などの
バランスのとれたアルミニウム製のものである。
【0022】基板上に記録層を積層する方法としては、
塗布法、スパッタリング法、真空蒸着法などがあり、特
に限定されないが、一般にスパッタリング法が用いられ
る。必要に応じて、記録層と基板の密着性を改良するよ
うに基板表面を改質処理したり、記録層と基板の間に両
者に密着しやすい物質の層を形成したり、記録層を多層
構造にしたり、記録層上に保護層を積層したりしてもよ
い。なお、本発明においては、洗浄処理した基板、表面
改質処理をした基板、基板上に記録層と基板の両方に密
着しやすい物質の層を形成したもの、多層構造の記録層
の内の一部を積層した基板、保護層を積層する前の基板
などのように、基板に処理をしたものであって、情報記
録媒体として完成していないものを製造中間体という。
【0023】本発明の情報記録媒体キャリアは、このよ
うな情報記録媒体、情報記録媒体基板、または情報記録
媒体製造中間体(以下、基板等という)と接触する表面
が熱可塑性ノルボルネン系樹脂から成り、基板等が互い
に接触することなく保持、出し入れ可能であり、キャリ
アに収納したまま、洗浄処理や乾燥処理が可能なように
なっている。一般には、基板等の同士が平行な形で、互
いに接触することなく収納でき、基板に平行な方向に一
枚づつ接触することなく出し入れが可能になっている。
このような構造としては、一般に、収納された状態で、
基板等と空間が交互に層状に何層も積み重ねられた構造
となり、基板等が取り出し方向以外には動かないように
枠組みされている。枠組みには溝や突起等を設けること
により、基板等同士の間に空間を設けている。さらに、
洗浄処理や乾燥処理が効率的に、またできるだけ均一に
できるように、一般に、基板等の取り出し方向以外の方
向からも、基板等の間の空間に液体や空気が流入できる
ように口を開けている。具体的な一例としては、図1、
図2、図3にそれぞれ正面図、側面図、上面図を示す構
造のキャリアを挙げることができる。
【0024】(キャリアの成形方法)キャリアは複雑な
形状をしており、例えば、金属部品を組み立てて製造し
たものに熱可塑性ノルボルネン系樹脂をコートして、キ
ャリアを成形すればよい。熱可塑性ノルボルネン系樹脂
からのみ成るものを製造する方法としては、一般的に削
り出し加工か射出成形法しかないが、どちらの方法でも
よい。量産性の点からは、熱可塑性ノルボルネン系樹脂
のみからなるものを射出成形する方法が好ましい。
【0025】射出成形する方法としては、ごく一般的な
射出成形機が使用可能で、成形時の樹脂の温度として
は、概ね200〜350℃程度が適当であり、その他の
条件は一般のポリスチレン等の熱可塑性樹脂と同様の設
定で成形できる。PC樹脂等で必要な予備乾燥やホッパ
ードライヤは用いても良いが、特に必要ない。
【0026】(キャリアの使用方法)情報記録媒体を製
造するには、通常の場合、少なくとも、キャリアへの基
板の挿入、アルカリ脱脂洗浄処理、水洗浄によるすすぎ
処理、乾燥処理、キャリアからの製造中間体の取り出
し、記録膜の形成、キャリアへの基板の挿入、エージン
グ処理の各段階の処理が必要である。
【0027】本発明のキャリアは、寸法精密性に優れた
熱可塑性ノルボルネン系樹脂から成り、形状を正確に成
形することにより、キャリアへの基板の挿入、キャリア
からの製造中間体の取り出しについては、機械による自
動化された処理でも問題なく処理できる。また、このキ
ャリアは熱可塑性ノルボルネン系樹脂製であることによ
り、撓み温度、Tgが高く、耐熱性に優れ、乾燥処理、
エージング処理等の加熱処理においても、Tg未満、好
ましくはTg−10℃未満、より好ましくはTg−20
℃未満程度の環境で変形することなく使用できる。
【0028】脱脂洗浄処理は、一般に、50〜70℃
で、15〜25重量%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し
て5〜30分間超音波洗浄して行われる。熱可塑性ノル
ボルネン系樹脂は強アルカリに対しても耐性を有し、脱
脂洗浄処理においても本発明のキャリアは変形、変質、
劣化等を起こしにくい。また、同様に、フロンやフロン
代替品などによる洗浄処理によっても、本発明のキャリ
アは変形、変質、劣化等を起こしにくい。また、これら
の洗浄処理後に洗浄液からキャリアを取り出す際に、キ
ャリアは、水キレ、水弾きに優れており、洗浄液の除去
が容易である。特に、すすぎ処理として一般的な純水を
用いる超音波洗浄により、効率的に洗浄液が除去でき
る。通常、すすぎ処理は1〜4回程度行う。回数が多い
と除去効率には優れるが、製造効率が劣る。
【0029】
【実施例】以下に参考例、実施例、及び比較例を挙げて
本発明をさらに具体的に説明する。なお、超音波洗浄で
の超音波処理は超音波洗浄機(UT−104、シャープ
製)を用いて39kHz、100Wの条件で行った。
【0030】参考例1 6−メチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4
a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレンの
開環重合体に水素添加反応して得られた樹脂(数平均分
子量28,000、水添率ほぼ100%、Tg140
℃)の100重量部に対して0.2重量部のフェノール
系老化防止剤ペンタエリスリチル−テトラキス(3−
(3,5−ジ−ターシャリーブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート)を0.2重量部添加し、二軸
混練機(東芝機械製、TEM−35)を用いて、240
℃で溶融押し出し方によりペレットとした。
【0031】参考例2 参考例1で得たペレットを下記の条件で射出成形して、
厚さ3mmの50mm×50mmの試験片を得た。 成形機: 型締め圧 350トン(東芝機械株式会社I
S−350FB−19A) 樹脂温: 280℃ 金型温度:100℃(固定側)、100℃(可動側)
【0032】この試験片の比重1.01、18.6kg
f/cm2の荷重撓み温度120℃、成形収縮率0.7
%、線膨張係数7.0×10-5/℃、吸水性0.007
%、水の接触角89°、波長400〜700nmの範囲
で光線透過率は90%以上であった。
【0033】この試験片を、60℃に加温した20重量
%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して20分間超音波洗
浄する洗浄処理後、30℃、1lの純水中に浸漬するす
すぎ処理を2回行った。その後、試験片の外観を観察し
たが、処理前との変化は認められなかった。
【0034】実施例1 参考例1で得たペレットを参考例2と同じ条件で射出成
形して、図1、図2、図3にそれぞれ正面図、側面図、
上面図を示す2.5インチ・ディスク用キャリアを得
た。
【0035】このキャリアに、アルミニウム製の2.5
インチ・ディスク基板を収納して、温度70℃に30分
間放置したが、異常なかった。
【0036】実施例2 実施例1で成形したキャリアを60℃に加温した20重
量%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して20分間超音波
洗浄する洗浄処理後、30℃、5lの純水中に浸漬する
すすぎ処理を2回行った。その後、キャリアを40℃の
オーブン中に2時間放置し、乾燥した。
【0037】乾燥したキャリアを60℃、5lの純水中
に浸漬して20分間超音波洗浄した後、この純水を25
℃に冷ましたところ、pHは6.6であった。
【0038】さらに、洗浄処理、すすぎ処理2回、乾燥
処理を10回繰り返したが、外観上の変化は認められ
ず、その後、20分間の純水超音波洗浄を行ったのと同
じ装置で、60℃、5lの純水に超音波洗浄と同じ条件
で20分間超音波処理し、この純水を25℃に冷ました
ところ、pHは6.6であった。
【0039】同じ装置で、60℃、5lの純水に超音波
洗浄と同じ条件で20分間超音波処理し、この純水を2
5℃に冷ましたところ、pHは6.5であった。このこ
とから、本発明のキャリアへの水酸化ナトリウムの付
着、吸着は認められないことがわかった。
【0040】比較例1 参考例1で得たペレットの代わりにポリカーボネート樹
脂(AD5503、帝人化成製)を用いる以外は、実施
例1と同様に同型のキャリアを得た。実施例2と同様に
キャリアを洗浄処理し、2回すすぎ処理し、乾燥した。
乾燥したキャリアを実施例2と同じ装置で60℃、5l
の純水中に浸漬して20分間超音波洗浄した後、この純
水を25℃に冷ましたところ、pHは8.1であった。
【0041】さらに、洗浄処理、すすぎ処理2回、乾燥
処理を10回繰り返したところ、キャリア表面は白く濁
り、不透明になった。
【0042】
【発明の効果】寸法精密性に優れ、耐強アルカリ洗浄性
に優れ、さらに、強アルカリの付着、吸着が少なく、除
去しやすい情報記録媒体キャリアが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の情報記録媒体の具体的1例であり、
本発明の実施例で用いたキャリアの正面図である。
【図2】 本発明の情報記録媒体の具体的1例であり、
本発明の実施例で用いたキャリアの側面図である。
【図3】 本発明の情報記録媒体の具体的1例であり、
本発明の実施例で用いたキャリアの上面図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 情報記録媒体、その基板、またはその製
    造中間体と接触する表面が熱可塑性ノルボルネン系樹脂
    からなる情報記録媒体キャリア。
  2. 【請求項2】 熱可塑性ノルボルネン系樹脂が数平均分
    子量10,000〜200,000のものである請求項
    1記載の情報記録媒体キャリア。
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