JPH06299272A - 複合水素吸蔵金属部材及びその製造方法 - Google Patents

複合水素吸蔵金属部材及びその製造方法

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JPH06299272A JP5252778A JP25277893A JPH06299272A JP H06299272 A JPH06299272 A JP H06299272A JP 5252778 A JP5252778 A JP 5252778A JP 25277893 A JP25277893 A JP 25277893A JP H06299272 A JPH06299272 A JP H06299272A
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Tsutomu Shimizu
勉 清水
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Abstract

(57)【要約】 【目的】水素吸蔵合金の活性化処理の温度及び水素の吸
蔵・放出温度を下げる。 【構成】水素を吸蔵・放出する水素吸蔵金属材の表面
に、当該金属の水素化物と水素ガスとの中間のポテンシ
ャルエネルギーを有し上記水素吸蔵金属材内部と外部と
の間で水素を移動させる金属を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複合水素吸蔵金属部材及
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】近年、重油、ガソリン等の化石燃料の使用
による大気汚染及び地球温暖化が環境問題として大きく
取り上げられるようになってきており、化石燃料に代わ
るクリーンなエネルギー源として水素が注目を集めてい
る。そして最近、水素を貯蔵しておくことができる水素
吸蔵合金が特に関心を持たれている。
【0003】この水素吸蔵合金は、金属の水素化、解離
の現象を応用して、水素の貯蔵、運搬及びエネルギー変
換を行なうものであるが、この様な水素吸蔵合金におい
てはその水素貯蔵量が大きいことが望ましい。これに対
して、Mg水素吸蔵合金は、7.6重量%の水素を吸蔵
することができ、水素貯蔵能が高い合金として知られて
いる。
【0004】Mg系の水素吸蔵合金部材の一例は、特開
昭63−72849号公報に記載されている。このもの
は、Mg−Ni系合金粉末表面に所定量のNi超微粒子
を付着させたものであり、Niの触媒作用によって水素
の吸蔵・放出速度を高めている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記Mg水素
吸蔵合金の場合、純水素中で400℃程度に加熱する初
期活性化(表面のH2 O、CO、CO2 などの吸着ガス
を除去し水素の吸蔵・放出を容易にするため、加熱脱
気、水素印加のサイクルを繰返す処理)を行なわなけれ
ば使用することができず、しかも、温度を300℃程度
まで上げなければ水素の吸蔵・放出はできない。
【0006】このように初期活性化および水素の吸蔵・
放出に高温が必要であることは、水素吸蔵合金を収納す
る貯蔵タンクにきわめて高い高温剛性が要求されること
を意味し、貯蔵タンクの重量増加につながる。
【0007】従って、このような高温で水素を吸蔵・放
出する水素吸蔵合金にあっては、その使用場所も限定さ
れることになる。すなわち、これを例えば水素エンジン
自動車の燃料供給源として使用する場合、上記貯蔵タン
クの重量および水素吸蔵合金自身の重量により、自動車
の車体全体の重量が増加し、燃料消費率を悪化させる原
因となる。また、自動車の場合は上記水素を吸蔵・放出
させるための高温の熱源を確保することが難しく、さら
に、一般車両においては、高温の熱源を使用すること自
体が好ましいことではない。
【0008】すなわち、本発明の課題は、水素吸蔵合金
の初期活性化処理の温度及び水素の吸蔵・放出温度を下
げること、併せてその耐被毒性及び耐久性の向上を図る
ことにある。そして、本発明は、そのために、非晶質の
技術を応用したもの、拡散接合の技術を応用したものを
含め各種の好適な手段を提供するものである。また、本
発明の別の課題は、そのような非晶質の技術を応用した
水素吸蔵合金部材を得るに適した製造方法を提供するこ
と、さらには、上記拡散接合を簡易に行ない得る製造方
法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段及びその作用】本発明は、
水素吸蔵合金の特性の向上を図るという課題に対して、
基本的には水素吸蔵金属による母材の表面に水素の吸蔵
・放出に必要なエネルギーを低下させる物質を結合させ
て、その課題解決を図るものである。
【0010】また、製造方法に関しては、上記母材に非
晶質(アモルファス)の表面材を接合する際の温度を考
慮することにより、あるいは非晶質の表面材を上記母材
に接合させるために高エネルギービームを用いることに
より、あるいはまた、上記母材に前処理として水素化処
理を行なうことにより、所期の複合水素吸蔵金属部材を
得ることができるようにするものである。以下、上記課
題の解決手段を具体的に説明する。
【0011】−第1の手段(請求項1に係る発明)− 本手段は、水素を吸蔵・放出する水素吸蔵金属材の表面
に、当該金属の水素化物と水素ガスとの中間のポテンシ
ャルエネルギーを有し、上記水素吸蔵金属材内部と外部
との間で水素を移動させる表面材が結合されていること
を特徴とする複合水素吸蔵金属部材である。
【0012】すなわち、水素吸蔵合金内と外部との間で
の水素の移動はポテンシャルエネルギーの高さに影響さ
れる。図1の(a)は、水素吸蔵金属に水素が吸蔵され
て形成された金属水素化物のポテンシャルエネルギーと
水素ガスのポテンシャルエネルギーとの関係を示す。水
素吸蔵金属に水素が吸蔵されて形成された金属水素化物
内部の水素が表面へ移動(放出)するためには、放出の
ための活性化エネルギーEA に相当する若しくはそれ以
上のエネルギーが必要である。しかし、例えばMg水素
化物は他の水素吸蔵合金に比較し表面の酸化物の影響等
で活性化エネルギーが高い。従って、金属水素化物の温
度を相当高く上げて水素に高いエネルギーを供給しなけ
ればならない。
【0013】これに対して、本手段の場合、水素吸蔵金
属材の表面に、当該金属の水素化物と水素ガスとの中間
のポテンシャルエネルギーを有し上記水素吸蔵金属材内
部と外部との間で水素を移動させる表面材が結合されて
いるから、複合水素吸蔵金属部材のポテンシャルエネル
ギー状態は図1の(b)のようになる。その結果、上記
水素吸蔵金属材から表面材への水素の移動に必要な活性
化エネルギーEA1が低くなり、水素に供給されるエネル
ギーが低い場合でも、つまりは低温でも水素は当該移動
を行なうことができる。また、上記表面材から外部への
水素の移動に必要な活性化エネルギーも低いものになる
から、当該移動は低温で生ずる。よって、上記水素吸蔵
金属材から外部への水素の放出が低温で生ずるようにな
るものである。
【0014】また、上述の如く、上記水素吸蔵金属材の
表面材は、当該金属材よりも酸素との親和力が弱いた
め、酸素等の不純物との結合を生じ難い。よって、活性
化処理温度が高くなくとも表面の酸化物等を当該金属内
部へ拡散させ金属と水素との反応を起こさせることがで
きるようになる。このことは、当該複合水素吸蔵金属部
材の水素の吸蔵が低温で生ずることをも意味する。
【0015】本手段にかかる複合水素吸蔵金属部材の製
造にあたっては、例えば、水素吸蔵金属材粒子と表面材
用金属粒子とを非酸化性雰囲気で混合し、両者を接触さ
せ加熱することで、まず水素吸蔵金属粒子表面の酸化物
層を分解させ、その後に金属結合(焼結)させるという
方法を採用することが好適である。このようにすれば、
上記酸化物がなくなることで当該結合が強固になるとと
もに、上記活性化エネルギーを低下させる上で有利にな
る。もちろん、真空蒸着法など他のメタライジング法、
あるいは他のメカニカルアロイング等を採用することも
できる。
【0016】−第2の手段(請求項2に係る発明)− 本手段は、上記第1の手段を発展させてなるものであっ
て、上記水素吸蔵金属材がMg系金属によって形成され
ている点に特徴がある。
【0017】Mg系の金属水素化物MgH2 は水素吸蔵
能が優れているものの、高温(1気圧下では289℃以
上)でないと水素を放出しないことで知られているが、
本手段の場合、中間ポテンシャルエネルギーの表面材の
存在によって低温での水素の吸蔵・放出が可能になる。
【0018】もちろん、他のMg系金属水素化物、例え
ばMg2 NiH4 、Mg2 CuH4においても同様の作
用効果が得られる。
【0019】−第3の手段(請求項3に係る発明)− 本手段は、上記第2の手段を発展させてなるものであっ
て、上記Mg系水素吸蔵金属材が遷移金属を含有する多
元系水素吸蔵合金であり、この場合においても、表面材
の存在によって低温での水素の吸蔵・放出が可能となる
点に特徴がある。
【0020】上記遷移金属としては、種々のものを採用
することができるが、Ni、Cu等が好適である。
【0021】しかして、本手段の場合、Mg系水素吸蔵
金属は、遷移金属が固溶していることによって内部のエ
ネルギー状態が不安定になり、図2に示すようにそのM
g系水素化物のポテンシャルエネルギーが増加する。こ
のことは、Mg系水素化物から外部への水素の移動に必
要な活性化エネルギーEA2が相対的に低下することを意
味し、このため、より低温での水素の吸蔵・放出が可能
になる。
【0022】−第4の手段(請求項4に係る発明)− 本手段は、上記第1乃至第3の各手段を発展させてなる
ものであって、上記表面材が、母材の水素吸蔵金属より
も低温で水素を吸蔵・放出する低温型の水素吸蔵金属に
よって形成されている点に特徴がある。
【0023】低温型の水素吸蔵金属は、その水素化物の
ポテンシャルエネルギーが本体の水素吸蔵金属粒子より
も高いから、上記表面材として好適である。また、上記
第1乃至第3の手段において表面材に水素を吸蔵させる
ことは必要ではないが、本手段のように表面材として水
素吸蔵金属を用いると、多量の水素を吸蔵させるという
点で有利になる。
【0024】上記低温型の水素吸蔵金属としては、Zr
FeCr、ZrNiCr、ZrNiMnの他、Ti系等
も採用することができる。
【0025】−第5の手段(請求項5に係る発明)− 本手段は、上記第4の手段を発展させてなるものであっ
て、上記表面材が上記水素吸蔵金属材に拡散接合してい
る点に特徴がある。
【0026】この場合、表面材としての低温型の水素吸
蔵金属を構成する元素の一部が本体の水素吸蔵金属材内
に拡散し化合物もしくは固溶体を形成することになる。
そして、当該化合物の濃度ないしは固溶体における溶質
の濃度は表面から内部に向かって漸次低くなる。従っ
て、図3に示すように本体の水素吸蔵金属材はその表面
から内部に向かってポテンシャルエネルギーが徐々に減
少したものになり、かつ各々のステップでの乗り越える
べき活性化エネルギーは小さい。このため、本体の水素
吸蔵金属材と表面の低温型水素吸蔵金属との間での水素
の移動が容易になり、低温で水素の吸蔵・放出が可能と
なる。
【0027】−第6の手段(請求項6に係る発明)− 本手段は、上記第1乃至第5の各手段を発展させてなる
ものであって、上記表面材の少なくとも一部が非平衡状
態にある点に特徴がある。この場合、表面材の全てが非
平衡状態にあってもよいことはもちろんである。
【0028】すなわち、表面材の全てが結晶体である
と、水素の入り込むエネルギーレベル(サイト)は限定
される。従って、本体の水素吸蔵金属内から移動してき
た多様なエネルギーを持つ水素はたとえ放出に必要な活
性化エネルギーを得ても、表面材においてエネルギー的
に安定な状態になれないため、結果的には該表面材に移
動する確率は低くなる。
【0029】これに対して、本手段の如き表面材は、少
なくともその一部が非平衡状態にあるため、図4に示す
ように多様なエネルギーレベルの水素のサイトを有す
る。よって、放出に必要な活性化エネルギーの山を飛び
越えた多様なエネルギーレベルを持つ水素原子は、表面
材への移動が容易になり、吸蔵・放出が円滑に行なわれ
る。
【0030】−第7の手段(請求項7に係る発明)− 本手段は、上記第6の手段を発展させてなるものであっ
て、上記表面材がアモルファス金属である点に特徴あ
る。
【0031】すなわち、金属における熱力学的な非平衡
状態の代表的態様はアモルファスであり、このアモルフ
ァス金属は、長距離秩序性を有する結晶体と違って短距
離秩序性だけを有することから、系として最低エネルギ
ー状態にはなく準安定状態にあり、多様なエネルギーレ
ベルを有する一方、一般には過大なエネルギーが作用し
ない限りは(例えば再結晶温度以上に加熱されたりしな
ければ)平衡状態へは移行しない。従って、本手段の場
合、表面材がアモルファス金属であることにより、多様
なエネルギーレベルを利用した水素の円滑な吸蔵・放出
を図ることができるとともに、吸蔵・放出特性も安定な
ものになる。
【0032】上記アモルファス金属としては、例えばZ
rNi、ZrNiCrの化学式で示されるものが好適で
あるが、他の同様の性質を有するアモルファス金属、例
えば、Ti−Ni系、Zr−Pd系、Zr−Cu系、T
i−Cu系などであってもよい。
【0033】−第8の手段(請求項8に係る発明)− 本手段は、上記第2又は第3の手段を発展させてなるも
のであって、上記水素吸蔵金属材及び表面材のうちの少
なくとも一方がMgよりも酸素との親和力が大きい元素
を有する点に特徴がある。
【0034】すなわち、Mg系水素吸蔵金属材における
水素吸蔵・放出の活性化エネルギーが高いのは、Mgと
酸素との親和力が高くその表面で比較的安定なMg酸化
物を生成し易いためである。そして、このようなMg酸
化物の存在は当該Mg系水素吸蔵金属材と表面材との拡
散接合を困難にする。これに対して、本手段の場合、上
記水素吸蔵金属材及び表面材のうちの少なくとも一方が
Mgよりも酸素との親和力が大きい元素を有するため、
上記Mg酸化物の生成が抑制されることになり、上記活
性化エネルギーの低減に有利になるとともに、拡散処理
時間を短縮することができ、またMg系水素吸蔵金属材
と表面材との結合も強固なものになる。
【0035】上記元素としては、Yが好適であるが、他
の同様の性質を有する元素、例えば、La、Ce、ミッ
シュメタル等を用いることもできる。
【0036】−第9の手段(請求項9に係る発明)− 本手段は、上記第6の手段ないしは第7の手段にかかる
複合水素吸蔵金属部材を製造する方法であって、水素を
吸蔵・放出する水素吸蔵金属粒子と、当該金属の水素化
物と水素ガスとの中間のポテンシャルエネルギーを有し
且つ少なくとも一部が非平衡状態にある非平衡金属粒子
とを混合する工程と、上記水素吸蔵金属粒子と非平衡金
属粒子とを該非平衡金属粒子の結晶化温度以下の温度で
接合する工程とを順に行なうことを特徴とする。
【0037】すなわち、非平衡物質は、一定温度以上に
加熱すると結晶化状態に変態するから、水素吸蔵金属粒
子と非平衡金属粒子とを結晶化温度以下で接合すること
で、得られる複合水素吸蔵金属部材に非平衡相を残すも
のである。
【0038】−第10の手段(請求項10に係る発明)
− 本手段は、上記第6の手段ないしは第7の手段にかかる
複合水素吸蔵金属部材を製造する方法であって、水素を
吸蔵・放出する水素吸蔵金属材の表面に、当該金属の水
素化物と水素ガスとの中間のポテンシャルエネルギーを
有し且つ少なくとも一部が非平衡状態にある表面材を形
成するための金属材料を供給し、該金属材料にその上か
ら高エネルギービームを照射することによって該金属材
料の各部位を局部的に加熱溶融し、急冷させることによ
り、上記水素吸蔵金属材の表面に接合した表面材を形成
することを特徴とする。
【0039】すなわち、非平衡状態の表面材と水素吸蔵
金属材とを接合する際には、圧接ないしは圧粉による場
合でも両者の界面温度の上昇を招き易いが、非平衡物質
は一定温度以上になる結晶化するから、かかる方法は上
記表面材の結晶化を防止する上で不利である。これに対
して、当該手段においては、高エネルギービームの照射
によって金属材料を一旦溶融させ、そして、急冷させる
から、つまり、急冷によって当該金属材料を非平衡状態
にさせながら、上記水素吸蔵金属材の表面に接合させる
から、上述の接合の際の表面材の結晶化の問題がない。
しかも、表面材用金属材料の溶融部位は、母材(水素吸
蔵金属材)に熱を奪われて急冷されるから非平衡状態な
り易い。
【0040】本手段の場合、板状の水素吸蔵金属材の上
にフィルム状の表面材用金属材料を載せ、高エネルギー
ビームを利用して溶融・急冷を行なった後、得られた板
材を粉砕することによって、複合水素吸蔵金属粒子とす
るとことができる。また、このような複合水素吸蔵金属
粒子は、水素吸蔵金属粒子に粉末状の表面材用金属材料
を供給し、高エネルギービームを利用した溶融・急冷を
行なうことによっても得ることができる。
【0041】また、本手段においては、上記表面材用金
属材料の急冷を促すために、上記水素吸蔵金属材をCu
板等の熱伝導性の良い冷却板の上に載せ、該冷却板へ熱
を逃がすことが好適な手段となる。
【0042】また、上記表面材用の金属材料に高エネル
ギービームを照射した際に、該金属材料と共に上記水素
吸蔵金属材の表面を若干溶融させることは好適な手段と
なる。
【0043】すなわち、このように水素吸蔵金属材の表
面を溶融させるようにすれば、該水素吸蔵金属材と表面
材との接合が強固なものになるとともに、該表面材から
水素吸蔵金属材にわたって組成が連続的に変化したもの
が得られ、それは先に述べた第5の手段に係る表面材が
水素吸蔵金属材に拡散接合した複合水素吸蔵金属部材と
同様の作用を奏するようになる。
【0044】−第11の手段(請求項11に係る発明)
− 本手段は、Mg系水素吸蔵金属材に水素化処理を施すこ
とによって当該金属の水素化物を生成した後、該水素化
物と水素ガスとの中間のポテンシャルエネルギーを有す
る表面材を該Mg系水素吸蔵金属材に拡散接合させるこ
とを特徴とする複合水素吸蔵合金部材の製造方法であ
る。
【0045】すなわち、先に第8の手段の項で説明した
ように、Mg系水素吸蔵金属材と表面材との拡散接合に
は、Mg酸化物の存在が障害となり、そのために上述の
如き酸素との親和力が大きい元素が必要になるのである
が、本手段はかかる元素を必要とせずに当該拡散接合を
容易にする、若しくはその量を減らすことができる。そ
の理由は次の通りである。
【0046】上記Mg系水素吸蔵金属材は水素化処理に
よって表面に当該金属の水素化物を生成することになる
が、該水素化物は酸化され難いため、当該処理後に大気
に触れてもMg系水素吸蔵金属材の表面には酸化皮膜が
生成され難く、生成されても薄い。よって、表面材をM
g系水素吸蔵金属材に拡散接合させるにあたって上述の
如き酸素との親和力が大きい元素を減らし、あるいは不
要にすることができ、あるいは拡散処理条件を緩和させ
て当該Mg系複合水素吸蔵金属部材の製造を簡易なもの
にすることができる。
【0047】ここに、Mg系水素吸蔵金属材に当該金属
の水素化物を生成させるための上記水素化処理にあたっ
ては、例えば300〜400℃、20〜30気圧で水素
ガスを印加するようにすればよい。
【0048】
【発明の効果】従って、上記第1の手段(請求項1に係
る発明)によれば、水素吸蔵金属材の表面に、当該金属
の水素化物と水素ガスとの中間のポテンシャルエネルギ
ーを有し上記水素吸蔵金属材内部と外部との間で水素を
移動させる表面材が結合されているから、水素の移動に
必要な活性化エネルギーの低下が図れ、水素の吸蔵・放
出を低温で行なわせることが可能になるとともに、初期
活性化処理を低温で行なうことができるようになる。
【0049】第2の手段(請求項2に係る発明)によれ
ば、上記水素吸蔵金属材がMg系金属によって形成され
ているから、水素吸蔵能が高いMg系水素化物を低温で
作動させることができるようになる。
【0050】第3の手段(請求項3に係る発明)によれ
ば、上記Mg系水素吸蔵金属材が遷移金属を含有する多
元系水素吸蔵合金であるから、Mg系水素化物のポテン
シャルエネルギーを高めて、より低温で水素を吸蔵・放
出させることができる。
【0051】第4の手段(請求項4に係る発明)によれ
ば、上記表面材が、本体の水素吸蔵金属材よりも低温で
水素を吸蔵・放出する低温型の水素吸蔵金属によって形
成されているから、該低温型水素吸蔵金属の水素化物の
ポテンシャルエネルギーが高いことを利用して低温での
水素の吸蔵・放出を行なわせることができるとともに、
多量の水素を吸蔵させる上で有利になる。
【0052】第5の手段(請求項5に係る発明)によれ
ば、上記表面材が水素吸蔵金属材に拡散接合しているか
ら、上記水素吸蔵金属材のポテンシャルエネルギーを表
面から内部に向かって徐々に減少させ且つ各々のステッ
プでの乗り越えるべき活性化エネルギーは小さくするこ
とができ、本体の水素吸蔵金属材と表面材との間での水
素の移動を容易にして、低温で水素の吸蔵・放出を円滑
に行なわせることができる。
【0053】第6の手段(請求項6に係る発明)によれ
ば、上記表面材の少なくとも一部が非平衡状態にあるか
ら、多様なエネルギーレベルの水素のサイトを得ること
ができ、水素吸蔵金属材から表面材への移動が容易にな
って、水素の吸蔵・放出を円滑に行なわせることができ
る。
【0054】第7の手段(請求項7に係る発明)によれ
ば、上記表面材がアモルファス金属であるから、安定で
且つ多様なエネルギーレベルを得て水素の円滑な吸蔵・
放出を図ることができる。
【0055】第8の手段(請求項8に係る発明)によれ
ば、上記水素吸蔵金属材及び表面材のうちの少なくとも
一方がMgよりも酸素との親和力が大きい元素を有する
から、複合水素吸蔵金属部材の耐被毒性を向上させ耐久
性を高めることができる。その結果、作業時の処理時間
を短縮させることができる。
【0056】第9の手段(請求項9に係る発明)によれ
ば、水素吸蔵金属粒子と非平衡金属粒子とを混合し、該
非平衡金属粒子の結晶化温度以下の温度で接合するよう
にしたから、表面に非平衡相を有する複合水素吸蔵金属
部材を得ることができる。
【0057】第10の手段(請求項10に係る発明)に
よれば、水素吸蔵金属材の表面に表面材用の金属材料を
供給し、該金属材料の上から高エネルギービームを照射
することによって該金属材料を局部的に加熱溶融し、急
冷させるようにしたから、表面材の結晶化を招くことな
く、少なくとも一部が非平衡状態にあり且つ上記水素吸
蔵金属材の表面に接合した表面材を簡単に形成すること
ができる。
【0058】第11の手段(請求項11に係る発明)に
よれば、Mg系水素吸蔵金属材に水素化処理を施すこと
によって当該金属の水素化物を生成した後、表面材を当
該Mg系水素吸蔵金属材に拡散接合させるようにしたか
ら、当該処理後に大気に触れてもMg系水素吸蔵金属材
の表面には酸化皮膜が生成され難く、生成されても薄い
ものとなり、酸素との親和力が大きい元素の量を減ら
し、あるいは零にしても、あるいは拡散処理条件を緩和
させても、上記表面材をMg系水素吸蔵金属材に拡散接
合させることができ、Mg系の複合水素吸蔵金属部材の
製造を簡易なものにし、また、製造コストを下げること
ができる。
【0059】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0060】(実施例1)水素吸蔵金属としてのMg水
素吸蔵金属粉末と、表面材としてのラーベス相を有する
ZrFe1.4 Cr0.6 (以下、ZrFeCrと記す)水
素吸蔵金属粉末とを、後者の量を40wt%として非酸
化性雰囲気(Arガス中)で混合し、5ton/cm2
の圧力で圧粉成形した。得られた圧粉成形体に対して非
酸化性雰囲気中で、2〜3気圧で700℃×0.5hr
の加熱処理を行ない、しかる後に粉砕を行ったところM
g水素吸蔵金属粉末にZrFeCrが分散されたMg系
の複合水素吸蔵金属部材が得られた。
【0061】このようにして得られた複合水素吸蔵金属
部材に以下の様な条件で活性化処理を施した。
【0062】 上記加熱脱気→水素ガス印加の処理サイクルは1〜2回
繰り返した。
【0063】上記の活性化処理を施した後の水素吸蔵・
放出特性を100℃の温度で測定した。そのPCT線図
を図5に示す。同図から明らかなように、100℃とい
う低い温度でありながら、比較的低い水素平衡圧で水素
の吸蔵・放出が行なわれることがわかる。
【0064】図5の吸蔵曲線において、そのプラトー領
域は平坦性がよい。これは水素がZrFeCrに吸蔵さ
れた後、Mg水素吸蔵金属内に吸蔵されていることによ
るものと考えられる。また、放出曲線において、ZrF
eCrに吸蔵されていた水素は完全に放出されている
が、Mg水素吸蔵金属に水素が吸蔵されて形成された金
属水素化物中の水素はまだ残っていると認められる(図
中(ア)の量に相当)。
【0065】なお比較例としてMg水素吸蔵金属粉末単
体の吸蔵特性の調査を試みたが、上記の活性化条件では
活性化ができなかった。
【0066】(実施例2)水素吸蔵金属として、Mgに
遷移金属としてのNiを0.03重量%添加、溶解させ
た水素吸蔵金属粉末(以下Mg(Ni)水素吸蔵金属粉
末という)と、表面材としての同様のZrFeCr水素
吸蔵金属粉末(40wt%)とを用いて、実施例1と同
様の条件でMg系の複合水素吸蔵金属部材の製造及び活
性化処理を行なった。
【0067】このようにして得られた複合水素吸蔵金属
部材の水素吸蔵・放出特性を100℃の温度で測定し
た。そのPCT線図を図6に示す。本例の場合も、低温
且つ比較的低い水素平衡圧で水素の吸蔵・放出が行なわ
れている。
【0068】同図の吸蔵曲線において、プラトー域は平
坦性よく、これはZrFeCrへの水素吸蔵の後、Mg
(Ni)への吸蔵が起こっているものと考えられる。一
方、放出曲線においては、ZrFeCrの水素は完全に
放出され、Mg(Ni)の水素も実施例1のものに比べ
て多量に放出されている。水素の残量は、図中(イ)に
相当する。
【0069】従って、MgへのNiの添加が先に説明し
た図2の効果を生み、100℃という低温であっても、
当該複合水素吸蔵金属部材における水素の吸蔵・放出が
効率良く行なわれることがわかる。なお、Mg(Ni)
水素吸蔵金属部分では吸蔵曲線と放出曲線にまだヒステ
リシスを持つ。
【0070】比較例としてMg(Ni)水素吸蔵金属粉
末単体の吸蔵特性の調査を試みたが、上記の活性化条件
では活性化が出来なかった。
【0071】(実施例3)実施例1と同様に、Mg水素
吸蔵金属粉末と40wt%のラーベス相を有するZrN
iCrの水素吸蔵金属粉末との混合、圧粉、加熱処理を
行なった後に、500〜600℃×20hrの拡散処理
を行なってから、粉砕を行なうことにより、Mg系の複
合水素吸蔵金属部材を得た。
【0072】このようにして得られた複合水素吸蔵金属
部材に、実施例1と同様な方法で活性化処理を施した
後、その水素吸蔵・放出特性を100℃の温度で測定し
た。そのPCT線図を図7に示す。この図の吸蔵曲線に
おいて、そのプラトー領域は平坦性が悪くなっている。
これはZrNiCrへの水素吸蔵の後、Mg水素吸蔵金
属部への水素の吸蔵が起こっていると考えられる。放出
曲線において、ZrNiCrの領域では水素は完全に放
出され、また水素放出に関しては、実施例1および2に
比較し、Mg水素吸蔵金属の領域でのヒステリシスが減
少し、水素の放出残量は少ない(図中(ウ)に相当)。
【0073】これは、上記拡散処理によって先に説明し
た図3に示す効果が得られ、水素の放出がより円滑に行
なわれるようになった結果と認められる。
【0074】(実施例4)ZrNiCrの化学式で示さ
れるアモルファスの水素吸蔵金属粉末をガスアトマイズ
により作成した。これとMg水素吸蔵金属粉末とを、前
者の量を40wt%として、実施例1と同様の混合、圧
粉を行なった後、非酸化性雰囲気中において2〜3気圧
で400〜500℃×20hrの加熱処理を行なってか
ら粉砕することにより、Mg水素吸蔵金属粉末に上記Z
rNiCrが分散されたMg系の複合水素吸蔵金属部材
を得た。
【0075】このようにして得られた複合水素吸蔵金属
部材に、実施例1と同様な方法で活性化処理を施した
後、その水素吸蔵・放出特性を100℃の温度で測定し
た。そのPCT線図を図8に示す。この図の吸蔵曲線に
おいて、プラトー領域は平坦性が悪くなり、明確なプラ
トー領域を示さなかった。これは、非平衡ZrNiCr
が多様なエネルギーレベルを有するためと考えられる
(図4参照)。また、放出曲線から、Mg水素吸蔵金属
部での水素放出残量はほとんどなく、略完全に放出され
ることがわかった。これは、非平衡ZrNiCrが多様
なエネルギーレベルを有し、Mg水素吸蔵金属部から表
面材としてのZrNiCrへの水素の移動が容易になっ
たためと認められる。
【0076】(実施例5)ZrNiCrを主成分とし3
wt%のYを有するアモルファス水素吸蔵金属粉末をガ
スアトマイズにより作成した。これとMg水素吸蔵金属
粉末とを、前者の量を40wt%として実施例1と同様
の混合、圧粉を行ない、さらに非酸化性雰囲気中におい
て2〜3気圧で400〜500℃×5hr熱処理を行な
うことにより、Mg水素吸蔵金属粉末にZrNiCrが
分散されたMg系の複合水素吸蔵金属部材を得た。
【0077】このようにして得られた複合水素吸蔵金属
部材に、実施例1と同様な方法で活性化処理を施した
後、水素吸蔵・放出特性を100℃の温度で測定した。
そのPCT線図を図9に示す。実施例4に比較し熱処理
時間が短いにも拘らず、吸蔵・放出曲線は略一致してい
る。
【0078】これは、Mgよりも酸素との親和力が大き
い上記Yの添加によって、Mg水素吸蔵金属粉末表面の
酸化物の分解が促進され、水素放出に必要な活性化エネ
ルギーが低下したためと認められる。
【0079】(実施例6)本例及び次の実施例7は高エ
ネルギービームを用いてMg系の複合水素吸蔵合金部材
を得る例である。
【0080】図10に示すように、Mg系水素吸蔵合金
板1の上に融体超急冷法によって得た厚さ50μm、幅
10mmのZr−Ni合金薄帯2を載せ、これに、Ar
不活性雰囲気中にて出力500Wの炭酸ガスレーザービ
ーム3を速度10m/secで移動させながら上記Zr
−Ni合金薄帯2の上から照射していった。
【0081】これにより、上記Zr−Ni合金薄帯2に
おける当該ビーム照射部位が溶融するとともに、該照射
部位直下の上記Mg系水素吸蔵合金板1の表面が若干溶
融し上記ビーム3の通過に伴って当該溶融部が105 〜
106 ℃/secの速度で急冷されて、上記Mg系水素
吸蔵合金板1に金属接合された非晶質(アモルファス)
のZr−Ni表面層4が得られた。この非晶質表面層4
は上記ビーム3の1回の移動で幅200μm程度形成さ
れた。そこで、上記ビーム3を上記薄帯2上で約100
μm間隔で移動させ当該薄帯2の全体が非晶質表面層4
になるようにした。
【0082】そうして、上記Mg系水素吸蔵合金板1に
非晶質表面層4が形成されたものを粉砕することによ
り、非晶質表面層4を有する粒径が数mm以下のMg系
の複合水素吸蔵金属部材を得た。そして、このMg系の
複合水素吸蔵金属部材に実施例1と同様の条件で初期活
性化処理を施し100℃の温度で水素の吸蔵・放出特性
を調べた。得られたPCT線図を図11に示す。
【0083】同図の吸蔵曲線はプラトー域の平坦性がよ
い。また、放出曲線をみるとMg系水素吸蔵合金部分の
水素放出残量が少ないことがわかる。これは、上記Zr
−Niの非晶質表面層4による効果と認められる。
【0084】(実施例7)本例も高エネルギービームを
用いてMg系の複合水素吸蔵合金部材を得る例である
が、平均粒径5mmのMg粗粒とZr−Ni合金粉末を
用いている点が実施例6と相違する。
【0085】すなわち、図12に示すように、上記Mg
粗粒5を冷却板上に敷き詰め、Ar不活性雰囲気中にお
いて、Mg粗粒5の上にZr−Ni合金粉末6を供給し
ながらこれに追従させて該供給部に出力500Wの炭酸
ガスレーザービーム3を照射していった。Zr−Ni合
金粉末6の供給移動速度及びビーム3の移動速度は10
m/secである。
【0086】これにより、上記Zr−Ni合金粉末6が
溶融するとともに、その下の上記Mg粗粒5の表面が若
干溶融し上記ビーム3の通過に伴って当該溶融部が10
5 〜106 ℃/secの速度で急冷されて、上記Mg粗
粒5に金属接合されたZr−Ni非晶質表面層7が得ら
れた。この非晶質表面層7は上記ビーム3の1回の移動
で幅200μm程度形成された。そこで上記冷却板を水
平に加振しながらZr−Ni合金粉末6の供給及びビー
ム3の照射を行なうことにより、Mg粗粒1の表面の全
域にわたって非晶質表面層7形成されるようにした。
【0087】このようにして得られたMg系の複合水素
吸蔵金属部材に実施例1と同様の条件で初期活性化処理
を施し100℃の温度で水素の吸蔵・放出特性を調べた
ところ、実施例6と略同じ特性を示した。
【0088】(実施例8)本例は、母材(Mg系水素吸
蔵金属材)に前処理を施すことによって酸素との親和力
が高い元素の該母材への添加を不要にした例であり、そ
の製造工程は図13に示されている。以下、当該製造方
法を工程順に説明する。
【0089】−前処理(水素化)− Mg水素吸蔵金属粉末に、水素ガス圧力30気圧で、温
度350℃の加熱処理を12hr行なうことにより、当
該水素化処理を行なった。これにより、Mg水素化物の
粉末が得られた。
【0090】−混合・圧粉− 上記Mg水素化物粉末とラーベス相を有するZrNiC
r(表面材)とを、後者の割合を40wt%として非酸
化性雰囲気(Arガス中)で混合し、5ton/cm2
の圧力で圧粉成形した。
【0091】−加熱処理− 得られた圧粉成形体に対して非酸化性雰囲気中で、2〜
3気圧で700℃×0.5hrの加熱処理を行ない、し
かる後に粉砕を行った。
【0092】−拡散熱処理− 得られた粉末を500〜600℃×20hr加熱するこ
とにより、当該拡散処理を行なった。
【0093】−初期活性化処理− 得られたMg系の複合水素吸蔵金属部材(粉末)に以下
の条件で初期活性化処理を施した。
【0094】 上記加熱脱気→水素ガス印加の処理サイクルは1〜2回
繰り返した。
【0095】−水素吸蔵・放出特性について− 上記初期活性化処理を施したMg系の複合水素吸蔵金属
部材の水素吸蔵・放出特性を100℃の温度で測定し
た。そのPCT線図を図14に示す。また、図15は比
較例のPCT線図を示す。この比較例は、Mg水素吸蔵
金属粉末に上記前処理を施さない点と、表面材としてラ
ーベス相を有するZrNiCrにYを3wt%添加混合
したものを用いる点とを除き、他は実施例8と同じ条件
で上記混合・圧粉、加熱処理、拡散熱処理、及び初期活
性化処理を行なったものである。
【0096】図14(実施例8)と図15(比較例)と
を比べると、各々のPCT線図に差異はほとんど認めら
れない。このことから、Mg水素吸蔵金属粉末に前処理
として上記水素化処理を行なって当該金属の水素化物を
生成することが、Mg水素吸蔵金属粉末の表面の酸化皮
膜の生成防止に有効であること、従ってYのような酸素
との親和力が大きい元素を不要にすることができること
がわかる。
【0097】なお、本発明は、その主旨を逸脱しない範
囲で上記実施例を修正または変形することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】水素吸蔵金属粉末への表面材の接合前後のポテ
ンシャルエネルギー状態を示す図
【図2】水素吸蔵金属粉末に遷移金属を添加した複合水
素吸蔵金属部材のポテンシャルエネルギー状態を示す図
【図3】拡散処理を行なった複合水素吸蔵金属部材のポ
テンシャルエネルギー状態を示す図
【図4】表面材にアモルファス金属を用いた複合水素吸
蔵金属部材のポテンシャルエネルギー状態を示す図
【図5】40wt%のZrFeCrを表面材として有す
る複合水素吸蔵金属部材のPCT線図
【図6】Niを固溶させたMg水素吸蔵金属を用いてな
る複合水素吸蔵金属部材のPCT線図
【図7】40wt%のラーベス相ZrNiCrを表面材
として有し且つ拡散処理が行なわれた複合水素吸蔵金属
部材のPCT線図
【図8】アモルファスのZrNiCrを表面材として有
する複合水素吸蔵金属部材のPCT線図
【図9】ZrNiCrに3wt%のYを含むアモルファ
ス金属を表面材として有する複合水素吸蔵金属部材のP
CT線図
【図10】実施例6の製造方法の態様を示す断面図
【図11】アモルファスのZr−Ni表面層を有する実
施例6の複合水素吸蔵金属部材のPCT線図
【図12】実施例7の製造方法の態様を示す断面図
【図13】実施例8の製造方法の工程図
【図14】Mg水素吸蔵金属粉末に前処理として水素化
処理を行なって水素化物を生成した実施例8のPCT線
図
【図15】上記前処理を行わず表面材にYを添加した比
較例のPCT線図
【符号の説明】
なし
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森下 強 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 小笠原 徹 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 清水 勉 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 藤井 博信 広島県広島市東区牛田早稲田3丁目11−21 −501 (72)発明者 折茂 慎一 広島県安芸郡海田町三迫3丁目6−5

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素を吸蔵・放出する水素吸蔵金属材の
    表面に、当該金属の水素化物と水素ガスとの中間のポテ
    ンシャルエネルギーを有し、上記水素吸蔵金属材内部と
    外部との間で水素を移動させる表面材が結合されている
    ことを特徴とする複合水素吸蔵金属部材。
  2. 【請求項2】 上記水素吸蔵金属材は、Mg系金属によ
    って形成されている請求項1に記載の複合水素吸蔵金属
    部材。
  3. 【請求項3】 上記Mg系水素吸蔵金属材は、遷移金属
    を含有する多元系水素吸蔵合金である請求項2に記載の
    複合水素吸蔵金属部材。
  4. 【請求項4】 上記表面材は、上記水素吸蔵金属材より
    も低温で水素を吸蔵・放出する水素吸蔵金属によって形
    成されている請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記
    載の複合水素吸蔵金属部材。
  5. 【請求項5】 上記表面材は、上記水素吸蔵金属材に拡
    散接合している請求項4に記載の複合水素吸蔵金属部
    材。
  6. 【請求項6】 上記表面材は、少なくともその一部が非
    平衡状態にある請求項1乃至請求項5のいずれか一つに
    記載の複合水素吸蔵金属部材。
  7. 【請求項7】 上記表面材は、アモルファス金属である
    請求項6に記載の複合水素吸蔵金属部材。
  8. 【請求項8】 上記水素吸蔵金属材及び表面材のうちの
    少なくとも一方はMgよりも酸素との親和力が大きい元
    素を有する請求項2又は請求項3に記載の複合水素吸蔵
    金属部材。
  9. 【請求項9】 水素を吸蔵・放出する水素吸蔵金属粒子
    と、当該金属の水素化物と水素ガスとの中間のポテンシ
    ャルエネルギーを有し且つ少なくとも一部が非平衡状態
    にある非平衡金属粒子とを混合する工程と、 上記水素吸蔵金属粒子と非平衡金属粒子とを該非平衡金
    属粒子の結晶化温度以下の温度で接合する工程とを順に
    行なうことを特徴とする複合水素吸蔵金属部材の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 水素を吸蔵・放出する水素吸蔵金属材
    の表面に、当該金属の水素化物と水素ガスとの中間のポ
    テンシャルエネルギーを有し且つ少なくとも一部が非平
    衡状態にある表面材を形成するための金属材料を供給
    し、該金属材料にその上から高エネルギービームを照射
    することによって該金属材料を局部的に加熱溶融し、急
    冷させることにより、上記水素吸蔵金属材の表面に接合
    した表面材を形成することを特徴とする複合水素吸蔵合
    金部材の製造方法。
  11. 【請求項11】 Mg系水素吸蔵金属材に水素化処理を
    施すことによって当該金属の水素化物を生成した後、該
    水素化物と水素ガスとの中間のポテンシャルエネルギー
    を有する表面材を該Mg系水素吸蔵金属材に拡散接合さ
    せることを特徴とする複合水素吸蔵合金部材の製造方
    法。
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