JPH06304781A - Ti基材料表面への肉盛溶接用複合ワイヤ - Google Patents
Ti基材料表面への肉盛溶接用複合ワイヤInfo
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- JPH06304781A JPH06304781A JP5099894A JP9989493A JPH06304781A JP H06304781 A JPH06304781 A JP H06304781A JP 5099894 A JP5099894 A JP 5099894A JP 9989493 A JP9989493 A JP 9989493A JP H06304781 A JPH06304781 A JP H06304781A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 複合ワイヤを用いることで溶加材を安定して
供給でき、溶接欠陥が発生せず、Ti基材との接合性の
高い耐摩耗性、耐熱性に優れた肉盛層が安定して得られ
る、安価なTi基材料表面への肉盛溶接用複合ワイヤの
提供。 【構成】 Ti基材料からなる外皮材の中空部に鉄粉
末、鉄線材もしくは鉄合金粉末、鉄合金線材を充填して
なることを特徴とするTi基材料表面への肉盛溶接用複
合ワイヤであって、ワイヤ全重量に対してFe:10〜
50重量%、さらにCr:10%以下、Ni:5%以
下、Mo:2%以下、Nb:1%以下、Al:6%以
下、V:4%以下、Mn:1%以下、Si:1%以下
で、かつCr+Ni+Mo+Nb+Al+V+Mn+S
i量が15%以下であることを特徴とするTi基材料表
面への肉盛溶接用複合ワイヤ。
供給でき、溶接欠陥が発生せず、Ti基材との接合性の
高い耐摩耗性、耐熱性に優れた肉盛層が安定して得られ
る、安価なTi基材料表面への肉盛溶接用複合ワイヤの
提供。 【構成】 Ti基材料からなる外皮材の中空部に鉄粉
末、鉄線材もしくは鉄合金粉末、鉄合金線材を充填して
なることを特徴とするTi基材料表面への肉盛溶接用複
合ワイヤであって、ワイヤ全重量に対してFe:10〜
50重量%、さらにCr:10%以下、Ni:5%以
下、Mo:2%以下、Nb:1%以下、Al:6%以
下、V:4%以下、Mn:1%以下、Si:1%以下
で、かつCr+Ni+Mo+Nb+Al+V+Mn+S
i量が15%以下であることを特徴とするTi基材料表
面への肉盛溶接用複合ワイヤ。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はTi基材料の表面に耐摩
耗、耐熱層が安定してかつ経済的に得られる肉盛溶接用
複合ワイヤに関するものである。
耗、耐熱層が安定してかつ経済的に得られる肉盛溶接用
複合ワイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】TiまたはTi合金は鉄鋼材料に比較し
て、軽量(鉄の約60%)で耐熱性、耐食性が優れてい
ることから自動車部品の吸気・排気バルブをはじめ広い
分野で使用され、検討されている。しかし、Ti合金は
一般に鉄鋼材料に比べ、耐摩耗性の面で劣っており、T
i合金素材そのままでは、鉄鋼材料の代替材料として適
用できる部位、部品は限られている。また、既にTi、
Ti合金が使用されている場合でも、近年、使用環境が
過酷になるにつれ、さらに耐久性の向上が求められてい
る。
て、軽量(鉄の約60%)で耐熱性、耐食性が優れてい
ることから自動車部品の吸気・排気バルブをはじめ広い
分野で使用され、検討されている。しかし、Ti合金は
一般に鉄鋼材料に比べ、耐摩耗性の面で劣っており、T
i合金素材そのままでは、鉄鋼材料の代替材料として適
用できる部位、部品は限られている。また、既にTi、
Ti合金が使用されている場合でも、近年、使用環境が
過酷になるにつれ、さらに耐久性の向上が求められてい
る。
【0003】その対策として、Ti合金そのものの改良
の外に、表面に耐摩耗層を形成する方法が行われてい
る。例えば、PVD、CVDにより薄い硬質皮膜層を形
成する方法や溶射により比較的厚い硬質皮膜層を形成す
る方法がある。しかし、これらの方法で形成される皮膜
は非常に硬いが基材との密着力が弱く、使用中に剥離、
脱落のおそれがあり信頼性に乏しい。さらに、PVD、
CVDは皮膜形成速度が遅く、厚膜の形成は困難であ
る。溶射の場合は騒音、光線の発生など環境面でも問題
があり、また、基材との密着力が低く使用中に剥離する
等の問題がある。
の外に、表面に耐摩耗層を形成する方法が行われてい
る。例えば、PVD、CVDにより薄い硬質皮膜層を形
成する方法や溶射により比較的厚い硬質皮膜層を形成す
る方法がある。しかし、これらの方法で形成される皮膜
は非常に硬いが基材との密着力が弱く、使用中に剥離、
脱落のおそれがあり信頼性に乏しい。さらに、PVD、
CVDは皮膜形成速度が遅く、厚膜の形成は困難であ
る。溶射の場合は騒音、光線の発生など環境面でも問題
があり、また、基材との密着力が低く使用中に剥離する
等の問題がある。
【0004】一方で、レーザ、アークなどの高密度エネ
ルギー源を用いて基材表面とともに合金化金属を溶融さ
せ硬質合金層を形成する方法が開示されている。かかる
素材の硬化肉盛溶接方法として、特開昭61−2357
号公報に記載されているように、チタン基材料からなる
エンジンバルブのフェース面に、チタンと金属炭化物と
からなる混合粉末を用いて、プラズマアーク溶接法によ
り肉盛する方法が提案されている。また特開平1−26
2077号公報では、肉盛材料に金属粉を用いた交流プ
ラズマアーク肉盛溶接法が提案されている。しかしなが
ら、これらの方法は、粉体を安定してアーク中に供給す
るために、通常、流動性の良いガスアトマイズ粉、プラ
ズマ回転電極法粉等を用いている。しかし、ガスアトマ
イズ粉およびプラズマ回転電極法粉の形状は球形で流動
性は良く、また、表面の清浄度も良好であるが高価であ
る。
ルギー源を用いて基材表面とともに合金化金属を溶融さ
せ硬質合金層を形成する方法が開示されている。かかる
素材の硬化肉盛溶接方法として、特開昭61−2357
号公報に記載されているように、チタン基材料からなる
エンジンバルブのフェース面に、チタンと金属炭化物と
からなる混合粉末を用いて、プラズマアーク溶接法によ
り肉盛する方法が提案されている。また特開平1−26
2077号公報では、肉盛材料に金属粉を用いた交流プ
ラズマアーク肉盛溶接法が提案されている。しかしなが
ら、これらの方法は、粉体を安定してアーク中に供給す
るために、通常、流動性の良いガスアトマイズ粉、プラ
ズマ回転電極法粉等を用いている。しかし、ガスアトマ
イズ粉およびプラズマ回転電極法粉の形状は球形で流動
性は良く、また、表面の清浄度も良好であるが高価であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
合金化処理の問題点を解決すべくなされたもので、その
目的とするところは、複合ワイヤを用いることで溶加材
を安定して送給できピット、ブローホールなどの溶接欠
陥が発生せず、Ti基材との接合性の高い耐摩耗性、耐
熱性に優れた肉盛層が安定して得られる、安価なTi基
材料表面への肉盛溶接用複合ワイヤを提供することにあ
る。
合金化処理の問題点を解決すべくなされたもので、その
目的とするところは、複合ワイヤを用いることで溶加材
を安定して送給できピット、ブローホールなどの溶接欠
陥が発生せず、Ti基材との接合性の高い耐摩耗性、耐
熱性に優れた肉盛層が安定して得られる、安価なTi基
材料表面への肉盛溶接用複合ワイヤを提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の、本発明にかかわるTi基材料表面への肉盛材料とし
ての構成は、Ti製外皮材の中空部に鉄系粉末または鉄
系線材を充填した複合ワイヤにおいて、複合ワイヤ全重
量に対して、Fe量が10〜50%であることを要旨と
するものである。
の、本発明にかかわるTi基材料表面への肉盛材料とし
ての構成は、Ti製外皮材の中空部に鉄系粉末または鉄
系線材を充填した複合ワイヤにおいて、複合ワイヤ全重
量に対して、Fe量が10〜50%であることを要旨と
するものである。
【0007】また、前記鉄系粉末または鉄系線材に加え
て、複合ワイヤ全重量に対して、Cr:10%以下、N
i:5%以下、Mo:2%以下、Nb:1%以下、A
l:6%以下、V:4%以下、Mn:1%以下、Si:
1%以下で、かつCr+Ni+Mo+Nb+Al+V+
Mn+Si量が15%以下となるように添加調整されて
いることを特徴とするTi基材料表面への肉盛溶接用複
合ワイヤを要旨とするものである。
て、複合ワイヤ全重量に対して、Cr:10%以下、N
i:5%以下、Mo:2%以下、Nb:1%以下、A
l:6%以下、V:4%以下、Mn:1%以下、Si:
1%以下で、かつCr+Ni+Mo+Nb+Al+V+
Mn+Si量が15%以下となるように添加調整されて
いることを特徴とするTi基材料表面への肉盛溶接用複
合ワイヤを要旨とするものである。
【0008】なお、本発明の複合ワイヤに用いる肉盛溶
接手段は、簡便な溶接法であるガスシールドアーク(T
IG溶接)、プラズマを溶融熱源としたものである。
接手段は、簡便な溶接法であるガスシールドアーク(T
IG溶接)、プラズマを溶融熱源としたものである。
【0009】
【作用】本発明複合ワイヤにおける外皮材のTi材料と
して、伸線性が良好な純Ti材が好適であるが、Ti合
金材料も使用できる。充填用材料としては、鉄、ステン
レス鋼材料が用いられるが、ステンレス鋼材料として
は、代表的な18Cr−8Ni鋼、22Cr−12Ni
鋼、25Cr−20Ni鋼、18Cr−12Ni−2.
5Mo鋼、18Cr−9Ni−Nb鋼、13Cr鋼、1
8Cr鋼などが挙げられる。
して、伸線性が良好な純Ti材が好適であるが、Ti合
金材料も使用できる。充填用材料としては、鉄、ステン
レス鋼材料が用いられるが、ステンレス鋼材料として
は、代表的な18Cr−8Ni鋼、22Cr−12Ni
鋼、25Cr−20Ni鋼、18Cr−12Ni−2.
5Mo鋼、18Cr−9Ni−Nb鋼、13Cr鋼、1
8Cr鋼などが挙げられる。
【0010】本発明によれば、不活性ガスでシールドさ
れたTi基材料母材と非消耗電極との間に発生させたア
ーク中に、Ti製外皮材の中空部に鉄系粉末、鉄系線
材、ステンレス鋼粉末もしくはステンレス鋼線材を充填
した複合ワイヤを肉盛溶接材料として送給することによ
り、Ti基材料表面にFe、Cr、Ni、Mo、Nb、
Al、V、Mn、Siを含んだTi合金肉盛層を形成で
きる。この場合に得られる肉盛層の硬さは、耐摩耗性の
面からビッカース硬さHv400以上が必要であり、H
v400未満では耐摩耗性の向上が期待できない。
れたTi基材料母材と非消耗電極との間に発生させたア
ーク中に、Ti製外皮材の中空部に鉄系粉末、鉄系線
材、ステンレス鋼粉末もしくはステンレス鋼線材を充填
した複合ワイヤを肉盛溶接材料として送給することによ
り、Ti基材料表面にFe、Cr、Ni、Mo、Nb、
Al、V、Mn、Siを含んだTi合金肉盛層を形成で
きる。この場合に得られる肉盛層の硬さは、耐摩耗性の
面からビッカース硬さHv400以上が必要であり、H
v400未満では耐摩耗性の向上が期待できない。
【0011】即ち、Ti−Fe系複合ワイヤによって得
られる肉盛層の硬さは、複合ワイヤ全重量におけるFe
量が10%未満ではHv400未満となり、耐摩耗性の
向上が期待できない。一方、Fe量が50%を超えると
FeとTiとの間に硬く脆弱な金属間化合物を生成する
ため、肉盛層に割れが発生する。従って、Ti−Fe系
複合ワイヤにおけるFe量は、複合ワイヤ全重量に対し
て10〜50%の範囲内とする必要がある。
られる肉盛層の硬さは、複合ワイヤ全重量におけるFe
量が10%未満ではHv400未満となり、耐摩耗性の
向上が期待できない。一方、Fe量が50%を超えると
FeとTiとの間に硬く脆弱な金属間化合物を生成する
ため、肉盛層に割れが発生する。従って、Ti−Fe系
複合ワイヤにおけるFe量は、複合ワイヤ全重量に対し
て10〜50%の範囲内とする必要がある。
【0012】さら、上記Fe量範囲の鉄系粉末または鉄
系線材に加えて、Cr:10%以下、Ni:5%以下、
Mo:2%以下、Nb:1%以下、Al:6%以下、
V:4%以下、Mn:1%以下、Si:1%以下で、か
つCr+Ni+Mo+Nb+Al+V+Mn+Si量が
15%以下となるように添加することにより、肉盛層の
耐割れ性を劣化させることなく硬化特性を改善したり、
耐熱性、耐高温酸化特性および耐食性を向上させるのに
有効であることが判明した。この場合、Cr+Ni+M
o+Nb+Al+V+Mn+Si量が15%を超えると
耐割れ性を劣化させる傾向がみられ、硬さが高くなりす
ぎることから、Cr+Ni+Mo+Nb+Al+V+M
n+Si量を15%以下にする必要がある。
系線材に加えて、Cr:10%以下、Ni:5%以下、
Mo:2%以下、Nb:1%以下、Al:6%以下、
V:4%以下、Mn:1%以下、Si:1%以下で、か
つCr+Ni+Mo+Nb+Al+V+Mn+Si量が
15%以下となるように添加することにより、肉盛層の
耐割れ性を劣化させることなく硬化特性を改善したり、
耐熱性、耐高温酸化特性および耐食性を向上させるのに
有効であることが判明した。この場合、Cr+Ni+M
o+Nb+Al+V+Mn+Si量が15%を超えると
耐割れ性を劣化させる傾向がみられ、硬さが高くなりす
ぎることから、Cr+Ni+Mo+Nb+Al+V+M
n+Si量を15%以下にする必要がある。
【0013】Fe:Feはβ相を安定化するとともに固
溶強化元素として、またはTiFe相の析出により肉盛
層の硬さを高める。Fe量が10%未満では、硬さの向
上は十分でなく、50%を超えると肉盛層の硬さは、H
v600以上と高くなるが割れが発生するため、Fe量
は10〜50%の範囲にする必要がある。 Cr:Crはβ相を安定化するとともに固溶強化元素と
して、またはTiCr 2 相の析出により肉盛層の硬さを
高めるとともに耐熱性を向上する。Cr量が10%を超
えると肉盛層の硬さは、Hv600以上と高くなるが割
れが発生するため、Cr量は10%以下にする必要があ
る。
溶強化元素として、またはTiFe相の析出により肉盛
層の硬さを高める。Fe量が10%未満では、硬さの向
上は十分でなく、50%を超えると肉盛層の硬さは、H
v600以上と高くなるが割れが発生するため、Fe量
は10〜50%の範囲にする必要がある。 Cr:Crはβ相を安定化するとともに固溶強化元素と
して、またはTiCr 2 相の析出により肉盛層の硬さを
高めるとともに耐熱性を向上する。Cr量が10%を超
えると肉盛層の硬さは、Hv600以上と高くなるが割
れが発生するため、Cr量は10%以下にする必要があ
る。
【0014】Ni:Niはβ相を安定化するとともに固
溶強化元素として、またはTi2 Ni、TiNi相の析
出により肉盛層の硬さを高めるとともに、靱性を高める
働きがある。Ni量が5%を超えると肉盛層に脆弱なT
iNi相が多量に析出し、割れが発生するため、Ni量
は5%以下にする必要がある。 Mo:Moはβ相の全率固溶体を形成し固溶強化元素と
して肉盛層の硬さおよび耐熱性を高めるとともに耐食性
を高める。Mo量が2%を超えてもそれほど肉盛層の硬
さの向上に寄与せずコスト高となるため、Mo量は2%
以下とした。
溶強化元素として、またはTi2 Ni、TiNi相の析
出により肉盛層の硬さを高めるとともに、靱性を高める
働きがある。Ni量が5%を超えると肉盛層に脆弱なT
iNi相が多量に析出し、割れが発生するため、Ni量
は5%以下にする必要がある。 Mo:Moはβ相の全率固溶体を形成し固溶強化元素と
して肉盛層の硬さおよび耐熱性を高めるとともに耐食性
を高める。Mo量が2%を超えてもそれほど肉盛層の硬
さの向上に寄与せずコスト高となるため、Mo量は2%
以下とした。
【0015】Mn:Mnはβ相を安定化するとともに、
α相およびβ相の固溶強化元素として、また、TiMn
相の析出により肉盛層の硬さを高める働きがある。Mn
量が1%を超えると肉盛層に脆弱なTiMn相が多量に
析出し、割れが発生するため、Mn量は1%以下にする
必要がある。 Al:Alはα相を安定化するとともに、固溶強化元素
として肉盛層の硬さを高めるとともに、耐高温酸化特性
を高める働きがある。Al量が6%を超えると、加工性
を劣化させるため、Al量は6%以下とした。
α相およびβ相の固溶強化元素として、また、TiMn
相の析出により肉盛層の硬さを高める働きがある。Mn
量が1%を超えると肉盛層に脆弱なTiMn相が多量に
析出し、割れが発生するため、Mn量は1%以下にする
必要がある。 Al:Alはα相を安定化するとともに、固溶強化元素
として肉盛層の硬さを高めるとともに、耐高温酸化特性
を高める働きがある。Al量が6%を超えると、加工性
を劣化させるため、Al量は6%以下とした。
【0016】V:Vはβ相を安定化するとともに固溶強
化元素として肉盛層の硬さを高める。V量が4%を超え
てもそれほど肉盛層の硬さの向上に寄与せず、コスト高
となるため、V量は4%以下とした。 Si:Siはβ相を安定化するとともに固溶強化元素と
して、Ti5 Si3 、TiSi相の析出により肉盛層の
硬さを高める。Si量が1%を超えてもそれほど肉盛層
の硬さの向上に寄与しないため、Si量は1%以下とし
た。
化元素として肉盛層の硬さを高める。V量が4%を超え
てもそれほど肉盛層の硬さの向上に寄与せず、コスト高
となるため、V量は4%以下とした。 Si:Siはβ相を安定化するとともに固溶強化元素と
して、Ti5 Si3 、TiSi相の析出により肉盛層の
硬さを高める。Si量が1%を超えてもそれほど肉盛層
の硬さの向上に寄与しないため、Si量は1%以下とし
た。
【0017】Nb:Nbはβ相の全率固溶体を形成し固
溶強化元素として肉盛層の硬さを高める。Nb量が1%
を超えてもそれほど肉盛層の硬さの向上に寄与せず、コ
スト高となるため、Nb量は1%以下とした。 本発明によるTi材料からなる外皮材の中空部に鉄系粉
末または鉄系線材を充填した複合ワイヤを製造するに
は、例えば、Ti製フープ材もしくはTi合金製フープ
材をパイプ状に成形加工する途中の段階で、上記鉄を主
成分とする鉄系粉末または鉄系線材を適正範囲の充填率
に調整した後、連続的に伸線加工する方法によれば良
い。図1は、Ti材料からなる外皮材の中空部に鉄系粉
末または鉄系線材を充填した複合ワイヤの横断面および
縦断面を示す。
溶強化元素として肉盛層の硬さを高める。Nb量が1%
を超えてもそれほど肉盛層の硬さの向上に寄与せず、コ
スト高となるため、Nb量は1%以下とした。 本発明によるTi材料からなる外皮材の中空部に鉄系粉
末または鉄系線材を充填した複合ワイヤを製造するに
は、例えば、Ti製フープ材もしくはTi合金製フープ
材をパイプ状に成形加工する途中の段階で、上記鉄を主
成分とする鉄系粉末または鉄系線材を適正範囲の充填率
に調整した後、連続的に伸線加工する方法によれば良
い。図1は、Ti材料からなる外皮材の中空部に鉄系粉
末または鉄系線材を充填した複合ワイヤの横断面および
縦断面を示す。
【0018】
【実施例】本発明の効果を確認するため、Ti−6Al
−4V板(10t ×50×150mm)の表面に、表1
に示す成分組成のTi材料の外皮材の中空部に鉄基材料
の線材もしくは粉末を充填した複合ワイヤ(ワイヤ径:
1.2mm)を用い、簡便なアーク溶接法である非消耗
式ガスシールドアーク溶接法のTIG溶接による、ビー
ドオンプレート溶接試験を実施した。その溶接条件を表
2に示す。上記の肉盛溶接試験により得られた肉盛層に
ついて、肉盛層の硬さ、肉盛層内部の割れ、ビード表面
割れ等を調査した。肉盛層の硬さの調査は、溶接部断面
試験片において、図2に示すようにビード表面より1m
m下の位置におけるAB間を0.5mmピッチで10点
測定した結果(ビッカース硬さ)の平均値を示した。肉
盛層内部の割れは溶接部断面を光学顕微鏡(×100)
にて調査し、ビード表面の割れについては目視により割
れの有無を調査した。また、ブローホール等の溶接欠陥
の検出および評価は、放射線透過写真の等級方法(JI
S Z 3107−1973)に準じて行った。
−4V板(10t ×50×150mm)の表面に、表1
に示す成分組成のTi材料の外皮材の中空部に鉄基材料
の線材もしくは粉末を充填した複合ワイヤ(ワイヤ径:
1.2mm)を用い、簡便なアーク溶接法である非消耗
式ガスシールドアーク溶接法のTIG溶接による、ビー
ドオンプレート溶接試験を実施した。その溶接条件を表
2に示す。上記の肉盛溶接試験により得られた肉盛層に
ついて、肉盛層の硬さ、肉盛層内部の割れ、ビード表面
割れ等を調査した。肉盛層の硬さの調査は、溶接部断面
試験片において、図2に示すようにビード表面より1m
m下の位置におけるAB間を0.5mmピッチで10点
測定した結果(ビッカース硬さ)の平均値を示した。肉
盛層内部の割れは溶接部断面を光学顕微鏡(×100)
にて調査し、ビード表面の割れについては目視により割
れの有無を調査した。また、ブローホール等の溶接欠陥
の検出および評価は、放射線透過写真の等級方法(JI
S Z 3107−1973)に準じて行った。
【0019】表3においてNo.1〜No.10は本発
明の要件を全て満たす本発明例であり、TIG溶接法に
よって肉盛溶接を行ったものである。本発明のTi−F
e系複合ワイヤは基材表面への肉盛層は、十分な硬さを
有するとともに肉盛層内部の微小割れ、ビード表面の割
れは皆無であり、またブローホール等の溶接欠陥も実用
上問題とならない範囲であった。
明の要件を全て満たす本発明例であり、TIG溶接法に
よって肉盛溶接を行ったものである。本発明のTi−F
e系複合ワイヤは基材表面への肉盛層は、十分な硬さを
有するとともに肉盛層内部の微小割れ、ビード表面の割
れは皆無であり、またブローホール等の溶接欠陥も実用
上問題とならない範囲であった。
【0020】これに対しNo.11〜15は本発明範囲
をはずれており、いずれも肉盛層の特性において満足な
結果が得られなかった。No.11、13はFe量が1
0%未満の例で十分な肉盛層の硬さが得られなかった。
なお、肉盛層内部および表面の割れはなかった。No.
12はFe量が50%超えた例で十分な肉盛層の硬さが
得られているが、肉盛層内部および表面のいずれにも割
れが認められた。
をはずれており、いずれも肉盛層の特性において満足な
結果が得られなかった。No.11、13はFe量が1
0%未満の例で十分な肉盛層の硬さが得られなかった。
なお、肉盛層内部および表面の割れはなかった。No.
12はFe量が50%超えた例で十分な肉盛層の硬さが
得られているが、肉盛層内部および表面のいずれにも割
れが認められた。
【0021】No.14はFe量は適正範囲にあるが、
Cr+Ni+Mo+Nb+Al+V+Mn+Si量が1
5%の添加上限範囲を超えた場合で、十分な肉盛層の硬
さが得られているが、肉盛層内部および表面に割れが認
められた。No.15はFe量およびCr+Ni+Mo
+Nb+Al+V+Mn+Si量がいずれも添加上限範
囲を超えた場合で、十分な肉盛層の硬さが得られている
が、肉盛層内部および表面に割れが認められた。
Cr+Ni+Mo+Nb+Al+V+Mn+Si量が1
5%の添加上限範囲を超えた場合で、十分な肉盛層の硬
さが得られているが、肉盛層内部および表面に割れが認
められた。No.15はFe量およびCr+Ni+Mo
+Nb+Al+V+Mn+Si量がいずれも添加上限範
囲を超えた場合で、十分な肉盛層の硬さが得られている
が、肉盛層内部および表面に割れが認められた。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】
【発明の効果】本発明に従い、種々の外皮材および充填
材を組み合わせれば、種々の成分割合の溶加材が溶解工
程を経ずして容易に得られる。また、本発明のTi−F
e系複合ワイヤを用いれば割れが発生せず、Ti基材と
の接合性の高い耐摩耗性、耐熱性合金化層を安定して安
価に形成することができ、その工業的価値は大きい。
材を組み合わせれば、種々の成分割合の溶加材が溶解工
程を経ずして容易に得られる。また、本発明のTi−F
e系複合ワイヤを用いれば割れが発生せず、Ti基材と
の接合性の高い耐摩耗性、耐熱性合金化層を安定して安
価に形成することができ、その工業的価値は大きい。
【図1】(a)は本発明または比較例のTi−Fe系複
合ワイヤの横断面、(b)は該複合ワイヤの縦断面を示
す説明図である。
合ワイヤの横断面、(b)は該複合ワイヤの縦断面を示
す説明図である。
【図2】本発明または比較例のTi−Fe系複合ワイヤ
により得られた肉盛金属の硬さ測定方法を示す説明図で
ある。
により得られた肉盛金属の硬さ測定方法を示す説明図で
ある。
1 Ti基外皮 2 鉄基ワイヤ 3 Ti−Fe系複合ワイヤ 4 Ti−6Al−4V板 5 肉盛層 A、B 硬さ測定位置
Claims (2)
- 【請求項1】 Ti製外皮材の中空部に鉄系粉末または
鉄系線材を充填した複合ワイヤにおいて、複合ワイヤ全
重量に対して、Fe:10〜50重量%(以下、%と略
す)であることを特徴とするTi基材料表面への肉盛溶
接用複合ワイヤ。 - 【請求項2】 請求項1記載のワイヤにおいて、Feに
加えて、複合ワイヤ全重量に対して、Cr:10%以
下、Ni:5%以下、Mo:2%以下、Nb:1%以
下、Al:6%以下、V:4%以下、Mn:1%以下、
Si:1%以下で、かつ(1)式を満足することを特徴
とするTi基材料表面への肉盛溶接用複合ワイヤ。 Cr+Ni+Mo+Nb+Al+V+Mn+Si≦15% ・・・・(1)
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5099894A JPH06304781A (ja) | 1993-04-26 | 1993-04-26 | Ti基材料表面への肉盛溶接用複合ワイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5099894A JPH06304781A (ja) | 1993-04-26 | 1993-04-26 | Ti基材料表面への肉盛溶接用複合ワイヤ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06304781A true JPH06304781A (ja) | 1994-11-01 |
Family
ID=14259484
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5099894A Withdrawn JPH06304781A (ja) | 1993-04-26 | 1993-04-26 | Ti基材料表面への肉盛溶接用複合ワイヤ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06304781A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN113523643A (zh) * | 2021-09-17 | 2021-10-22 | 西安稀有金属材料研究院有限公司 | 增材制造TiAl合金用Ti/Al复合丝及其制备方法 |
| CN114393309A (zh) * | 2022-01-11 | 2022-04-26 | 西安理工大学 | 激光与电弧复合制备钛-钢梯度结构用焊接材料及方法 |
| CN118162802A (zh) * | 2024-04-26 | 2024-06-11 | 中国航发北京航空材料研究院 | 一种Ti-Mn-Fe-Ni-Co-Cr中熵合金钎料及其在钎焊连接的应用 |
-
1993
- 1993-04-26 JP JP5099894A patent/JPH06304781A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN113523643A (zh) * | 2021-09-17 | 2021-10-22 | 西安稀有金属材料研究院有限公司 | 增材制造TiAl合金用Ti/Al复合丝及其制备方法 |
| CN114393309A (zh) * | 2022-01-11 | 2022-04-26 | 西安理工大学 | 激光与电弧复合制备钛-钢梯度结构用焊接材料及方法 |
| CN114393309B (zh) * | 2022-01-11 | 2024-06-11 | 宝鸡巨成钛业股份有限公司 | 激光与电弧复合制备钛-钢梯度结构用焊接材料及方法 |
| CN118162802A (zh) * | 2024-04-26 | 2024-06-11 | 中国航发北京航空材料研究院 | 一种Ti-Mn-Fe-Ni-Co-Cr中熵合金钎料及其在钎焊连接的应用 |
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