JPH06306650A - 糸錆防止顔料組成物 - Google Patents

糸錆防止顔料組成物

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JPH06306650A
JPH06306650A JP5114088A JP11408893A JPH06306650A JP H06306650 A JPH06306650 A JP H06306650A JP 5114088 A JP5114088 A JP 5114088A JP 11408893 A JP11408893 A JP 11408893A JP H06306650 A JPH06306650 A JP H06306650A
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acetate
pigment composition
thread
rust
rust preventive
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JP5114088A
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English (en)
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Masaaki Okuda
雅朗 奥田
Naotaka Funada
尚孝 船田
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Tayca Corp
Original Assignee
Tayca Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 無公害で、かつアルミニウム系素材の糸錆発
生に対しても優れた防錆力を発揮する糸錆防止顔料組成
物を提供する。 【構成】 酢酸塩とリン酸塩と酸化亜鉛との重量比10
〜90:70〜5:40〜5の混合物で糸錆防止顔料組
成物を構成する。また、酢酸塩とモリブデン酸塩との重
量比20〜80:80〜20の混合物で糸錆防止顔料組
成物を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、糸錆防止顔料組成物に
関する。さらに詳しくは、本発明は、無公害で、しか
も、特にアルミニウム系素材の糸錆に対して優れた防錆
力を発揮する糸錆防止顔料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、アルミニウム系素材の糸錆防止顔
料としては、ストロンチウムクロメートが最も多く使用
されていた(たとえば、特公昭59−8372号公報、
「表面処理技術」,Vol.29,No.8,197
8,pp388−396、など)。
【0003】しかし、ストロンチウムクロメートは、防
錆力は優れているものの、有害金属であるクロム(6価
クロム)を含有しているため、人の健康をそこなうおそ
れがあるなど、安全性に問題があった。
【0004】これに対し、無公害防錆顔料として、リン
酸塩系顔料(たとえば、リン酸亜鉛、リン酸カルシウム
など)、ホウ酸塩系顔料(たとえば、メタホウ酸カルシ
ウム、メタホウ酸マグネシウムなど)、モリブデン酸塩
系顔料(たとえば、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸カ
ルシウム、モリブデン酸マグネシウム、モリブデン酸ニ
ッケル、モリブデン酸コバルト、モリブデン酸ストロン
チウムなど)などが、従来から知られている。
【0005】しかし、これらの無公害防錆顔料は、スト
ロンチウムクロメートに比べて、アルミニウム系素材に
対する防錆力が低く、アルミニウム系素材の防錆顔料と
しては充分な作用を発揮し得ない。
【0006】通常、アルミニウム表面は薄い酸化アルミ
ニウムの被膜で覆われており、この酸化アルミニウム被
膜が防錆効果を発揮しているが、何らかの外的要因によ
ってこの酸化アルミニウム被膜が破損すると、その破損
部から糸錆と呼ばれる糸状の錆が発生し、アルミニウム
の腐食が進行する。
【0007】このアルミニウムの腐食の進行を抑制する
には、ストロンチウムクロメートのようにアルミニウム
を強制的に酸化して酸化アルミニウムとする機能を持つ
ものが最も効果的であるが、上記無公害防錆顔料にはそ
のような作用がなく、単独ではほとんど防錆効果が認め
られない。
【0008】すなわち、アルミニウム系素材の腐食機構
は、鉄系素材とは異なり、糸錆と呼ばれる糸状の錆が発
生して塗料の密着性を低下させるので、鉄系素材に対し
ては使用可能な無公害防錆顔料も、アルミニウム系素材
の糸錆発生に対しては充分な防錆力を発揮し得ない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
アルミニウム系素材に対する防錆顔料は、防錆力が優れ
ているものは有害であって安全性に問題があり、無公害
のものは防錆力が充分でないという問題があった。
【0010】したがって、本発明は、無公害で、かつア
ルミニウム系素材に対しても優れた防錆力を発揮する糸
錆防止顔料組成物を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、酢酸塩とリ
ン酸塩と酸化亜鉛との混合物で糸錆防止顔料組成物を構
成するか、酢酸塩とモリブデン酸塩との混合物で糸錆
防止顔料組成物を構成することによって、上記目的を達
成したものである。
【0012】上記構成の本発明が生まれるに至った経
過、ならびに本発明の糸錆防止顔料組成物を構成する各
成分、その役割、使用量などについて詳しく説明する
と、以下の通りである。
【0013】従来から、淡水または低濃度塩類中でのア
ルミニウム系素材に対する有機系腐食抑制剤としては、
たとえば、「防食技術便覧」(腐食防食協会編、198
6年、日刊工業新聞社発行)に紹介されているように、
多数の化合物が知られているが、本発明者らは、それら
のなかから、人体に対する安全性が高く、原料として比
較的安価な酢酸塩に着目し、それらの糸錆防止効果を調
べた。
【0014】すなわち、本発明者らは、酢酸カルシウ
ム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、酢酸アルミニウム、
酢酸ストロンチウム、酢酸銀、酢酸鉄、酢酸ビスマスな
どの酢酸塩について、それらの糸錆防止効果を検討し、
それらがいずれも糸錆防止作用を有しており、特に酢酸
カルシウムと酢酸マグネシウムの糸錆防止効果が優れて
いることを見出した。
【0015】しかし、これらの酢酸塩は、水に対する溶
解度が非常に高く、塗料化して塗膜を形成したときに塗
膜中から溶出して、塗膜物性の低下や、塗膜ふくれの発
生、貯蔵安定性の低下などを引き起こし、実用上、それ
らだけでは、糸錆防止顔料として使用することができな
かった。
【0016】そこで、本発明者らは、これらの酢酸塩の
有する問題点を解消するため、酢酸塩の特性を低下させ
ない範囲内で他の化合物を併用することを検討し、本発
明を完成したのである。
【0017】すなわち、本発明者らは、第1の組み合わ
せとして、酢酸塩に対してリン酸塩と酸化亜鉛を併用
し、酢酸塩の有する問題点を解消するとともに、それら
の併用に基づく相乗効果によって、防錆力を向上させる
ことができることを見出した。
【0018】上記のリン酸塩としては、たとえば、ピロ
リン酸アルミニウム、ピロリン酸カルシウム、ピロリン
酸錫、ピロリン酸セリウム、ピロリン酸銅、ピロリン酸
鉄、ピロリン酸チタン、ピロリン酸マグネシウム、ピロ
リン酸マンガンなどのようなピロリン酸塩、トリポリリ
ン酸アルミニウム、トリポリリン酸鉄などのようなトリ
ポリリン酸塩、メタリン酸アルミニウム、メタリン酸
鉄、メタリン酸カルシウム、メタリン酸錫、メタリン酸
セリウム、メタリン酸マンガン、メタリン酸モリブデ
ン、メタリン酸銀などのようなメタリン酸塩、オルトリ
ン酸アルミニウム、オルトリン酸亜鉛、オルトリン酸カ
ルシウムなどのようなオルトリン酸塩、さらには層状リ
ン酸セリウム、層状リン酸チタン、層状リン酸ジルコニ
ウム、層状リン酸錫などのようなリン酸塩系層状化合物
などがあげられるが、特にトリポリリン酸アルミニウム
やオルトリン酸アルミニウム、リン酸塩系層状化合物な
どが好ましい。また、上記リン酸塩系層状化合物のなか
では、特に層状リン酸セリウム、層状リン酸ジルコニウ
ム、層状リン酸チタンなどが好ましい。
【0019】また、酸化亜鉛としては、特に制限はな
く、試薬用、工業用のいずれも使用することができる。
【0020】上記のように、酢酸塩にリン酸塩と酸化亜
鉛を併用することにより、酢酸塩の有する問題点を解消
できるとともに、防錆力を向上できるのは、次のような
理由によるものと考えられる。
【0021】酢酸塩から過剰の酢酸イオンが溶出した場
合、塗膜にふくれが生じやすいが、その際に酸化亜鉛を
併用していると、溶出イオン量に対して酸化亜鉛が大過
剰に存在するために、溶出イオンが固定され、塗膜のふ
くれを防止することができるようになり、また、リン酸
塩から溶出したリン酸イオンがアルミニウムイオンを固
定して、酢酸塩の有する糸錆発生防止力を補強し、防錆
力を向上させるものと考えられる。
【0022】この酢酸塩とリン酸塩と酸化亜鉛との混合
物からなる糸錆防止顔料組成物において、各成分の混合
比率は重量比で10〜90:70〜5:40〜5である
ことが必要とされる。
【0023】すなわち、酢酸塩の比率が上記10〜90
の範囲より少なくなると、リン酸塩および酸化亜鉛の作
用が主体となってしまい、アルミニウム系素材の糸錆発
生を防止する効果が低下し、逆に酢酸塩の比率が上記範
囲より多くなると、酸化亜鉛などの減少により、塗膜中
の可溶成分が増加し、塗膜物性の低下やふくれの発生な
どが促進されて、防錆力が低下するようになる。
【0024】また、リン酸塩の比率が上記70〜5の範
囲より多くなると、それに伴う酢酸塩の減少によって、
アルミニウム系素材の糸錆発生を防止する効果が低下
し、逆にリン酸塩の比率が上記範囲より少なくなると、
リン酸イオンに基づくアルミニウムイオンの固定作用が
減少することによって、防錆力が低下する。
【0025】そして、酸化亜鉛の比率が上記40〜5の
範囲より多くなると、それに伴う酢酸塩の減少によっ
て、アルミニウム系素材の糸錆発生を防止する効果が低
下し、逆に酸化亜鉛の比率が上記範囲より少なくなる
と、酢酸塩などの増加により、塗膜中の可溶成分が増加
し、塗膜物性の低下やふくれの発生などが促進されて、
防錆力が低下する。
【0026】上記酢酸塩とリン酸塩と酸化亜鉛との混合
は、乾式混合、湿式混合のいずれによっても行うことが
できる。
【0027】本発明において、混合物とは、単なる混合
物だけでなく、上記のように湿式混合法で湿式反応させ
たもの(必ずしも明確な反応が生じているわけではない
が、一部もとの成分と異なるところがみられる程度に反
応したもの)の場合も含んでいる。
【0028】つぎに、第2の組み合わせとして、本発明
者らは、酢酸塩とモリブデン酸塩との併用系を検討し、
この場合も、酢酸塩の有する問題点を解消するととも
に、防錆力を向上させることができることを見出した。
【0029】この酢酸塩とモリブデン酸塩との混合物か
らなる糸錆防止顔料組成物においても、その酢酸塩とし
ては、前記の糸錆防止顔料組成物に関して例示したもの
が好適に使用される。
【0030】そして、モリブデン酸塩としては、たとえ
ば、モリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸カリウ
ム、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸リチウム、
モリブデン酸バリウム、リンモリブデン酸、モリブデン
酸亜鉛、モリブデン酸カルシウム、モリブデン酸マグネ
シウムなどがあげられるが、特にモリブデン酸カルシウ
ム、モリブデン酸マグネシウムなどが好ましい。
【0031】上記モリブデン酸塩は、市販品を用いても
よいが、たとえば、モリブデン酸イオンと、該モリブデ
ン酸イオンと塩を構成する金属イオンとを、モル比(M
o/Me Me:Ca,Zn,Mgなど)が1/3〜3
/1になるように配合した溶液のpHを調節することに
よって生成した沈殿を、水洗、脱水、乾燥、粉砕して得
られる物質を使用してもよい。
【0032】酢酸塩にモリブデン酸塩を併用することに
より、なぜ、酢酸塩の有する問題点が解消され、防錆力
が向上するかは、現在のところ必ずしも明らかではない
が、これらの併用により予測を越えた相乗効果が発現す
る。
【0033】この酢酸塩とモリブデン酸塩との混合物か
らなる糸錆防止顔料組成物において、酢酸塩とモリブデ
ン酸塩との混合比率としては、重量比で20〜80:8
0〜20であることが必要とされる。
【0034】すなわち、酢酸塩の割合が上記範囲より少
なくなると、アルミニウム系素材の糸錆発生を防止する
効果が低下し、また酢酸塩の割合が上記範囲より多くな
ると、それに伴うモリブデン酸塩の減少によって、モリ
ブデン酸イオンと酢酸イオンとの相乗効果が充分に発揮
されなくなる。
【0035】本発明の糸錆防止顔料組成物は、いずれの
態様のものも、特にアルミニウム系素材の糸錆発生に対
して優れた防錆力を発揮するが、その用途はアルミニウ
ム系素材に対するだけでなく、たとえば、軟鋼板や表面
処理軟鋼板、亜鉛めっきした軟鋼板、マグネシウム板、
クロムめっきしたニッケル板など、アルミニウム系素材
以外の各種素材の糸錆の発生防止に使用することができ
る。
【0036】なお、本発明において、アルミニウム系素
材とは、純粋なアルミニウム素材だけではなく、その成
形性や溶接性を向上させるために、他の金属が添加され
た系をも含み、具体的には、たとえばAl−Cu系、A
l−Mg−Si系、Al−Mg−Zn系などのアルミニ
ウム合金系の素材も含まれる。
【0037】そして、本発明の糸錆防止顔料組成物は、
その塗料化にあたって、塗料系としては、従来からの溶
剤系塗料に対してはもちろんのこと、最近の環境問題と
の関連で注目されている水系塗料(水溶性樹脂系、ディ
スパージョン系、エマルジョン系など)や、粉体塗料に
対しても適用可能である。
【0038】本発明の糸錆防止顔料組成物の塗料化にあ
たり、塗料用樹脂としては特に制限されることなく各種
のものを用いることができ、たとえば、ボイル油、油性
ワニス、フェノール樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、
ウレタン樹脂、ビニル樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹
脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂などの各種塗料用
合成樹脂、塩化ゴム、環化ゴムなどのゴム誘導体、その
他繊維素誘導体などを、単独でまたは併用して使用する
ことができる。
【0039】また、本発明の糸錆防止顔料組成物を塗料
用樹脂に分散させる場合、各成分をあらかじめ混合する
ことなく、それらを別々に樹脂中に添加して、樹脂中で
それらが混ざりあうようにしてもよい。
【0040】
【実施例】つぎに、実施例をあげて本発明をさらに具体
的に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例に限定
されるものではない。なお、以後において、配合量など
各種の量はいずれも重量基準によるものである。
【0041】実施例1〜6 表1に記載の配合成分を表1に記載の配合比率(重量比
率)で乾式混合して、糸錆防止顔料組成物を得た。
【0042】
【表1】
【0043】表1に記載の配合成分としては、下記由来
のものを使用した。
【0044】酢酸カルシウム:林純薬工業社製 試薬 酢酸マグネシウム:林純薬工業社製 試薬 トリポリリン酸アルミニウム:テイカ社製トリポリリン
酸二水素アルミニウム(I型) AlH2 3 10・2
2 O オルトリン酸アルミニウム:テイカ社製 AlPO4 酸化亜鉛:三井金属社製
【0045】実施例7〜12 表2に記載の配合成分を表2に記載の配合比率(重量比
率)で乾式混合して、糸錆防止顔料組成物を得た。
【0046】
【表2】
【0047】表2に記載の配合成分としては、下記由来
のものを使用した。
【0048】層状リン酸セリウム:特開平3−1502
14号公報に記載の方法に従って製造した Ce(HP
4 2 ・1.33H2 O 層状リン酸チタン:特開平3−150214号公報に記
載の方法に従って製造した Ti(HPO4 2 ・H2
O 層状リン酸ジルコニウム:特開平3−150214号公
報に記載の方法に従って製造した Zr(HPO4 2
・H2
【0049】実施例13〜17 表3に記載の配合成分を表3に記載の配合比率(重量比
率)で乾式混合して、糸錆防止顔料組成物を得た。
【0050】
【表3】
【0051】表3に記載の配合成分としては、下記由来
のものを使用した。
【0052】モリブデン酸カルシウム:Sherwin
−Williams社製モリホワイト212(商品名) モリブデン酸マグネシウム:下記の製造例1で製造し
た。
【0053】製造例1 5リットルビーカーに室温でイオン交換水2リットルを
入れ、その中にモリブデン酸ナトリウム二水塩242g
と塩化マグネシウム六水塩203g(原子比Mo/Mg
=1/1)を投入し、撹拌して溶解させた。
【0054】上記水溶液に8N−水酸化ナトリウム17
0mlを約20分かけて滴下し、溶液のpHを9.7と
した。得られたスラリーを1時間撹拌熟成したのち、濾
過した。
【0055】濾過後の脱水ケーキをイオン交換水1.5
リットルに再分散させ、室温で1時間撹拌した後、ナト
リウムなどの水溶性成分を除去するために濾過した。上
記の操作を濾液中のナトリウム濃度が20ppm以下と
なるまで繰り返し行なった。
【0056】最終的に得られた脱水ケーキ約140gを
600℃に設定した電気炉で1時間焼成した。得られた
焼成物を44μmパスが99.9%以上となるように粉
砕分級することによって、モリブデン酸マグネシウムを
得た。
【0057】比較例1〜3 表4に記載の配合成分を表4に記載の配合比率(重量比
率)で乾式混合して、顔料組成物とした。
【0058】
【表4】
【0059】つぎに、上記実施例1〜17の糸錆防止顔
料組成物および比較例1〜3の顔料組成物を用いて、そ
れぞれ常乾型エポキシ樹脂系防錆塗料を調製し、塗膜形
成後、糸錆発生試験を行い、その糸錆発生防止効果を調
べた。その結果を試験例1において示す。
【0060】また、比較対照のため、防錆顔料として、
酢酸カルシウム、モリブデン酸マグネシウム、ストロン
チウムクロメートを用いて、それぞれ常乾型エポキシ樹
脂系防錆塗料を調製し、同様の試験を行った。その結果
も試験例1において示す。
【0061】さらに、実施例1〜17の糸錆防止顔料組
成物および比較例1〜3の顔料組成物を用いて、それぞ
れ焼付型エポキシ樹脂系防錆塗料を調製し、塗膜形成
後、糸錆発生試験を行い、その糸錆発生防止効果を調べ
た。その結果を試験例2において示す。
【0062】また、この試験例2においても、比較対照
のため、防錆顔料として、酢酸カルシウム、モリブデン
酸マグネシウム、ストロンチウムクロメートを用いて、
それぞれ焼付型エポキシ樹脂系防錆塗料を調製し、同様
の試験を行った。その結果も試験例2において示す。
【0063】試験例1 表5に示す配合の常乾型エポキシ樹脂系防錆塗料を調製
し、塗膜形成後、糸錆試験を行い、その糸錆発生防止効
果を調べた。
【0064】1−1 防錆塗料の調製 表5に示す配合で23種類の常乾型エポキシ樹脂系防錆
塗料(プライマー組成物)を調製した。
【0065】
【表5】
【0066】※1 糸錆防止顔料の種類 1:実施例1の糸錆防止顔料組成物 2:実施例2の糸錆防止顔料組成物 3:実施例3の糸錆防止顔料組成物 4:実施例4の糸錆防止顔料組成物 5:実施例5の糸錆防止顔料組成物 6:実施例6の糸錆防止顔料組成物 7:実施例7の糸錆防止顔料組成物 8:実施例8の糸錆防止顔料組成物 9:実施例9の糸錆防止顔料組成物 10:実施例10の糸錆防止顔料組成物 11:実施例11の糸錆防止顔料組成物 12:実施例12の糸錆防止顔料組成物 13:実施例13の糸錆防止顔料組成物 14:実施例14の糸錆防止顔料組成物 15:実施例15の糸錆防止顔料組成物 16:実施例16の糸錆防止顔料組成物 17:実施例17の糸錆防止顔料組成物 18:比較例1の糸錆防止顔料組成物 19:比較例2の糸錆防止顔料組成物 20:比較例3の糸錆防止顔料組成物 21:酢酸カルシウム 22:モリブデン酸マグネシウム 23:ストロンチウムクロメート ※2 商品名、油化シェルエポキシ社製のエポキシ樹脂
をキシレン−イソプロパノール混合溶液に溶解させた固
形分70%の樹脂液 ※3 商品名、ジェネラルミル社製の固形分60%のポ
リアミド樹脂液 ※4 キシレン/ブタノール/ブチルセロソルブ/メチ
ルエチルケトン=6/2/1/1(重量比)の混合溶剤
【0067】1−2 塗装および塗装条件 上記23種類の常乾型エポキシ樹脂系防錆塗料をそれぞ
れ下記の塗装条件で被塗板上に塗装し、室温で1週間乾
燥して塗膜を形成した。
【0068】塗 装: バーコーター塗装 被塗板: 研磨したアルミニウム板 6063S (日本テストパネル工業社製) 膜 厚: 20±1μm
【0069】1−3 糸錆発生試験 上記のように被塗板上に塗膜を形成することによって作
製した試験板に、被塗板に達するカットを入れ、機内温
度を35℃に保った塩水噴霧試験機内で、5%塩化ナト
リウム水溶液を1kg/cm2 で24時間塗膜に噴霧
し、その後、40℃−85%に保った恒温恒湿機内に入
れ、経時的にカット部からの糸錆の発生および進行の状
態を4週間にわたって観察し、最終結果を評価した。
【0070】1−4 試験結果 上記糸錆発生試験の結果を表6および表7に糸錆防止顔
料の種類ごとに示す。
【0071】表6は上記実施例1〜17の糸錆発生防止
効果を示し、表7は比較例1〜3ならびに防錆顔料とし
て、酢酸カルシウム、モリブデン酸マグネシウム、スト
ロンチウムクロメートを用いた場合の糸錆発生防止効果
を示している。
【0072】防錆効果は試験板の糸錆発生防止効果で評
価するが、それらの評価基準は以下の通りである。な
お、下記評価基準からも明らかなように、糸錆発生防止
効果は評価値が高いほど効果が優れている。
【0073】糸錆発生防止効果の評価基準 5: 糸錆発生長さ 2mm未満 4: 糸錆発生長さ 2mm以上〜4mm未満 3: 糸錆発生長さ 4mm以上〜6mm未満 2: 糸錆発生長さ 6mm以上〜10mm未満 1: 糸錆発生長さ 10mm以上
【0074】
【表6】
【0075】
【表7】
【0076】表6および表7に示すように、実施例1〜
17の糸錆防止顔料組成物は、糸錆発生防止効果の評価
値が高く、クロム系顔料であるストロンチウムクロメー
トに比べても、防錆効果が優れていた。
【0077】試験例2 表8に示す配合の焼付型エポキシ樹脂系防錆塗料を調製
し、塗膜形成後、糸錆発生試験を行い、その糸錆発生防
止効果を調べた。
【0078】2−1 防錆塗料の調製 表8に示す配合で23種類の焼付型エポキシ樹脂系防錆
塗料(プライマー組成物)を調製した。
【0079】
【表8】
【0080】※5 糸錆防止顔料の種類 − 試験例1
の場合と同じ ※6 商品名、油化シェルエポキシ社製のエポキシ樹脂
をキシレン−セロソルブアセテート混合溶液に溶解させ
た固形分50%の樹脂液 ※7 商品名、大日本インキ社製の固形分62%のブチ
ル化尿素樹脂液 ※8 キシレン/セロソルブアセテート/メチルエチル
ケトン=1/1/1(重量比)の混合溶剤
【0081】2−2 塗装および塗装条件 上記23種類の焼付型エポキシ樹脂系防錆塗料をそれぞ
れ下記の塗装条件で被塗板上に塗装し、下記温度で焼き
付けて塗膜を形成した。
【0082】塗 装: バーコーター塗装 被塗板: 研磨したアルミニウム板 6063S (日本テストパネル工業社製) 膜 厚: 20±1μm 焼付け: 200℃−10分
【0083】2−3 糸錆発生試験 上記のように被塗板上に塗膜を形成することによって作
製した試験板に、被塗板に達するカットを入れ、試験例
1と同様に塩水噴霧を行なった後、40℃−85%に保
った恒温恒湿機内に入れ、経時的にカット部からの糸錆
の発生を3週間にわたって観察し、最終結果を評価し
た。
【0084】2−4 試験結果 上記糸錆発生試験の結果を表9および表10に糸錆防止
顔料の種類ごとに示す。
【0085】表9は上記実施例1〜17の糸錆発生防止
効果を示し、表10は比較例1〜3ならびに防錆顔料と
して、酢酸カルシウム、モリブデン酸マグネシウム、ス
トロンチウムクロメートを用いた場合の糸錆発生防止効
果を示している。糸錆発生防止効果の評価基準は試験例
1の場合と同様である。
【0086】
【表9】
【0087】
【表10】
【0088】表9および表10に示すように、実施例1
〜17の糸錆防止顔料組成物は、焼付型エポキシ樹脂系
防錆塗料にした場合にも、糸錆発生防止効果の評価値が
高く、防錆効果が優れていた。
【0089】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の糸錆防止
顔料組成物は、無公害で、かつアルミニウム系素材の糸
錆発生に対する防錆力が優れており、3週間以上にもわ
たる糸錆発生試験に耐え、防錆効果の持続性も優れてい
た。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酢酸塩とリン酸塩と酸化亜鉛との混合物
    からなり、各成分の混合比率が重量比で10〜90:7
    0〜5:40〜5である糸錆防止顔料組成物。
  2. 【請求項2】 酢酸塩とモリブデン酸塩との混合物から
    なり、その混合比率が重量比で20〜80:80〜20
    である糸錆防止顔料組成物。
  3. 【請求項3】 酢酸塩が酢酸カルシウムまたは酢酸マグ
    ネシウムである請求項1または2記載の糸錆防止顔料組
    成物。
  4. 【請求項4】 リン酸塩がトリポリリン酸アルミニウム
    またはオルトリン酸アルミニウムである請求項1記載の
    糸錆防止顔料組成物。
  5. 【請求項5】 リン酸塩が層間距離を有するリン酸塩系
    層状化合物である請求項1記載の糸錆防止顔料組成物。
  6. 【請求項6】 リン酸塩系層状化合物が層状リン酸セリ
    ウム、層状リン酸ジルコニウムまたは層状リン酸チタン
    である請求項5記載の糸錆防止顔料組成物。
  7. 【請求項7】 酢酸塩が酢酸カルシウムで、モリブデン
    酸塩がモリブデン酸カルシウムである請求項2記載の糸
    錆防止顔料組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100312404B1 (ko) * 1997-12-23 2001-12-12 이구택 수지 밀착성 및 내식성이 우수한 몰리포스페이트 피막제조방법
JP2013147594A (ja) * 2012-01-20 2013-08-01 Cci Corp 防錆塗料組成物
JP2017137499A (ja) * 2010-10-15 2017-08-10 ブンゲ アモルプヒク ソルトイオンス エルエルシー 耐食性を有するコーティング組成物

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