JPH0631346B2 - 鉄浴式石炭ガス化炉の長時間運転法 - Google Patents

鉄浴式石炭ガス化炉の長時間運転法

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JPH0631346B2
JPH0631346B2 JP28059587A JP28059587A JPH0631346B2 JP H0631346 B2 JPH0631346 B2 JP H0631346B2 JP 28059587 A JP28059587 A JP 28059587A JP 28059587 A JP28059587 A JP 28059587A JP H0631346 B2 JPH0631346 B2 JP H0631346B2
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健朗 佐藤
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は溶鉄を用いた石炭のガス化方法に関する。
(従来の技術) 溶融スラグ浴あるいは溶鉄中に石炭を吹き込みガス化す
る方法は1950年代にOtto Rummelが初めて試みて以来、
各国で開発が行われてきた。その経過は文献(徳田、エ
ネルギー資源、4(1983)、p.455)に記されてい
る。鉄浴式石炭ガス化装置を長時間運転する場合、溶鉄
中に存在する鉄や炭素以外の元素(特にS)がカーボン
効率((生成ガス中C/インプット石炭中C)×100と
定義)に影響することは上記の文献などにも記載されて
おり注目されていた事がわかる。しかしながら石炭中P
の影響についてはSほどの関心が示されていなかった。
鉄浴式石炭ガス化操業に及ぼすPの影響については住友
金属、vol 34,No.3,425pにおいて、ガス化反応に
は殆ど影響しないことが記述されている。
(発明が解決しようとする問題点) 鉄浴式石炭ガス化の場合、石炭中カーボンの大部分は一
旦溶鉄中に溶解し、酸素は石炭中カーボンと反応してCO
を発生する。石炭中カーボンが溶鉄中に溶解するために
は、溶鉄中にもともと存在するC濃度が飽和に達してい
ないことが必要である。第1図に示すように、例えばFe
−C2元系鉄浴において1450℃で運転する場合、溶鉄中の
C飽和濃度は5.0%となる。この炭素飽和溶鉄中へ石炭
と酸素を吹き込んだ場合、酸素と直接反応する石炭を除
き石炭中カーボンは溶鉄中に溶解することが出来ず、煤
を発生して系外へ逸出し、カーボン効率は低くなる。こ
の状況では効率の高いガス化は期待できない。したがっ
て、溶鉄中のカーボン濃度は例えば2〜3%と飽和濃度
より低めで運転するのが通例となっている。
この時、C濃度の他に溶鉄中のS,PなどC溶解度に影
響する元素の濃度を考慮しなければならない。石炭中の
Sは炭種にもよるが0.2〜1.5重量%含まれており、ガス
化プロセスによっては多量の有害硫黄化合物を発生させ
るのでプロセスの優劣を評価する上で重要なポイントと
なる。鉄浴式石炭ガス化の場合、炉内で相当な脱硫がお
こなわれ、石炭からの硫黄は溶鉄中より発生する鉄ヒュ
ームと結合したりスラグ中のCaO等の成分と結合するの
で、溶鉄中へのS蓄積も防止できる。それに比べて、石
炭中のPは表1に示されるように、炭種により異なるも
ののSに比べれば著しく微量である。従ってこれまでは
鉄浴中へのPの蓄積についてはほとんど考慮が払われて
いなかった。
本発明者は鉄浴式石炭ガス化について研究する中で、長
時間の操業を続けると鉄浴中にかなりの量のPが蓄積
し、それに対応して前記文献の記載とは異なりカーボン
効率が低下することを知見した。すなわち、実際に第2
図に示す鉄浴式石炭ガス化炉において溶鉄量5ton、溶
鉄温度1400〜1450℃、石炭吹き込み量1.5〜3.0 t/hr
でほぼ連続的に石炭、酸素吹き込み操業を行ったとこ
ろ、第3図上方に示す如く溶鉄中Pは時間経過と共に増
加した。また同時にカーボン効率の変化をP濃度に対し
てプロットすると、Pが高濃度の時はカーボン効率が低
くなった。即ち第3図下に示すように、P濃度が0.1%
を越す段階よりカーボン効率の悪化傾向が現れ始め、0.
15%を越すとカーボン効率の悪化が明瞭となることがわ
かる。従って、ガス化を効率的に行うためにはP濃度を
0.10%以下にコントロールする必要があることがわかっ
た。
第3図にはP濃度と同時に溶鉄中S濃度も記している
が、これは運転開始時に上昇したものの(始めの溶鉄中
のS濃度が低かった事による)あとは0.2〜0.4%の範囲
に入っている。これは前述の理由により、Sは系外に出
て行くため入出のバランスが取れていることによる。
Pの挙動の点で、この鉄浴式石炭ガス化と類似のプロセ
スとして製銑用溶鉱炉がある。溶鉱炉より出銑される溶
鉄はC=5%、温度=1500℃前後であり、鉄浴式石炭ガ
ス化とかなり近い組成、温度となっている。したがって
原料に含まれるPは同一理由によりほとんど全てが溶鉄
中に入り、高炉ガスやスラグには移行しないとされてい
る。その結果生産される溶鉄中のP濃度は鉱石、石炭な
ど原料で決まり、0.1%程度となる。
しかしながら溶鉱炉と鉄浴式石炭ガス化とが大きく違う
点は、溶鉱炉においては溶鉄は適宜出銑されるのに対
し、鉄浴式石炭ガス化では鉄を生産するのが目的ではな
いので、溶鉄が置換されないことである。溶鉄中でPを
除去するためには、溶鉄中に酸素や酸素化合物を投入し
てPを酸化し、スラグ中のCaOなどと反応させ、例えば
4CaO・Pのような化合物として溶鉄より除去し
なければならない。しかるに溶鉄中にはCが当然存在
し、Pと同様に酸素と反応し、COを生成する。したがっ
てガス化操業上C濃度を一定に保つ条件下ではP濃度を
低下させることはできない。このため石炭中のPは溶鉄
中に次第に蓄積されて濃度を高めるのである。このよう
にPとSとは石炭の溶鉄への溶解に影響する点では同一
であるが、溶鉄中での蓄積の面では挙動が異なってい
る。
したがって原料石炭中のPはたとえ微量であっても炉内
に蓄積され、脱燐しないで連続運転した場合数日後には
1%程度の溶鉄中P濃度となる可能性があり、そ石炭中
カーボンの溶解を妨げ、ガス化効率を悪化させることに
なるものと推測される。
本発明の目的は、鉄浴式石炭ガス化方法において長時間
連続操業を行ってもガス化効率が低下しない方法を提供
することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明の要旨は、鉄浴式石炭ガス化方法において、溶鉄
中の燐濃度を検出し、この検出値が0.10%を越えていた
ら石炭の吹き込みを一旦中止し、溶鉄を炉内に保持した
まま溶鉄中に酸化剤とスラグ塩基度を高める造さい剤と
を吹き込んで脱燐を行い、次いで溶鉄を炉内に保持した
ままスラグを排出し、その後石炭の吹き込みを再開始す
ることを特徴とする鉄浴式石炭ガス化炉の長時間運転法
である。
(作 用) 鉄浴式石炭ガス化操業において、時間経過と共に溶鉄中
Pが濃化してカーボン効率の低下した状態を初期の状態
に復帰させる方法としてまず次の2案が考えられた。
長時間運転した後の溶鉄を系外へ出し、新たに低Pの
溶鉄を炉内へ装入するか、炉内で低Pの溶鉄を製造する
ことによりガス化運転を再開する。
長時間運転した後の溶鉄を系外へ出し、炉外において
脱燐作業を行ってから炉内へ戻し運転を再開する。
しかし、の方法はそれぞれ低P溶鉄の製造装置(溶鉱
炉、電気炉)を必要としたり、ガス化炉内でスクラップ
や型銑を溶解させる作業を必要とする。の方法ではガ
ス化炉本体とは別に溶鉄脱P装置を必要とする。したが
って、の方法ではガス化炉本体以外に高価複雑な装
置を必要とし、プロセスの競争力を著しく弱めることは
さけられない。
そこで本発明者は溶鉄を炉内に保持したまま脱燐を行う
ことにした。即ち、鉄浴式石炭ガス化炉内にPの濃縮し
た溶鉄を持したまま石炭吹き込みを一時中止し、Pを酸
化するための酸素または鉄鉱石、ミルスケール類、およ
び酸化されたPを固定するCaO、アルカリ金属酸化物な
どの塩基性物質を浴中に吹き込み脱燐作業をおこなう。
この時の吹き込み方法として、石炭と酸素を吹き込むノ
ズルを使用してもよく、専用のノズルを使用してもよ
い。この作業によって生成したPを含むスラグを、炉を
傾動する等により炉口より排出するか専用のスラグ排出
口より除去する。この作業により溶鉄中のP濃度が充分
に低下したことを確認の上、再び石炭と酸素吹き込みに
よるガス化操業を再開する。
鉄浴式石炭ガス化法において長時間のガス化操業を行う
とガス化効率が低下するが、これは溶鉄中のPの蓄積に
起因するので、溶鉄中のP濃度を検出して、この値がガ
ス化効率の低下に影響しはじめる0.10%を越えていたら
脱燐を行うことにより、ガス化効率の低下を防止するこ
とができる。
溶鉄中のPを除去する物質として、Pの酸化剤とそれを
固定するスラグ塩基度を高める造さい剤の2つが要求さ
れる。酸化剤はPを酸化し、スラグ塩基度を高める造さ
い剤は酸化されたPをスラグに固定するもので、脱P反
応は例えば次の式で示される。
4CaO(s)+2P+50=4CaO・P(s) (sは固体の状態を示す) この際、スラグ中のCaO%あるいは塩基度(CaO/SiO2
は高い程脱P上有利であるが、コストやスラグの流動性
などの点も考慮して1.5〜3.0前後が望ましい。脱Pとス
ラグ塩基度の関係については次の式がある。
log{(%P)/[%P]}=22350/T +0.08(%CaO)+2.5log(%FeO)−16.0 (G.W.Healy JISI(1970)7,p664あるいは鉄と
鋼(1983)69,p1832) この式において鉄浴式石炭ガス化の運転条件、例えばス
ラグ中CaO%=45,T=1723K,スラグ中FeO%=2とす
れば、スラグと溶鉄中のP濃度比(%P)/[%P]は
20.9となる。ここで溶鉄中P濃度=0.05%とすればスラ
グ中P濃度(%P)は1%程度となり、充分運転可能な
範囲である。
この脱P運転中にかなりの脱S反応も進行するが、これ
は鉄浴式石炭ガス化の目的上好ましい反応であって、な
んらさしつかえない。
(実施例) 第2図に示したガス化炉においてカーボン効率悪化が見
られたので、鉄浴中のP濃度を分析するとともに石炭と
酸素吹き込みを一端中止し、別置きフィードホッパーよ
りCaOと鉄鉱石を気流搬送し、底吹きノズルからCaO 10
kg/min、鉄鉱石10kg/minの速度で溶鉄量5tonの炉内
溶鉄中に10分間吹き込んだ。この脱P作業の後、炉体
を傾動してスラグの排出作業を行った。溶鉄中P濃度は
処理前の0.22%より0.04%まで低下したので炉を直立し
て再びガス化操業に入った。操業再開後の溶鉄中P濃度
と処理前後のカーボン効率については、P濃度が0.1%
を越す段階よりカーボン効率の悪化傾向が現れはじめ、
0.15%超では明瞭となった。
なお脱P処理中に溶鉄中Cも酸化されて濃度が低下する
ので、ガス化操業に復帰した直後は石炭/酸素比率をや
や多目にして溶鉄中C濃度を増加させる必要がある。
この実施例は底吹ノズルの例であるが、上吹きランスよ
り酸化剤等を投入してもよい。あるいは炉の上部にホッ
パーを設て酸化剤等を炉内に投入してノズルからのガス
で浴をかくはんしても効果はほとんど変わらない。また
炉内のスラグは石炭中の無機物を造さい剤とが溶融して
生じたもので、その量は次第に増加するので、脱P作業
に入る直前に排さい作業を行い、炉内スラグを減らして
おくことは酸化剤等のコストを低下させるために有効で
ある。
(発明の効果) 本発明の方法は、低P、低Sの溶鉄を定期的にガス化炉
へ供給したり、長時間運転後の高P、高S溶鉄を処理す
るコストを不要にし、最小のコストで溶銑脱Pを行い、
鉄浴式石炭ガス化炉の長時間連続運転を可能にする。
【図面の簡単な説明】
第1図は鉄中カーボン溶解度と温度との関係を示す図、 第2図は鉄浴式石炭ガス化炉の例を示す図、 第3図は石炭ガス化運転中の溶鉄中P、S濃度、および
カーボン効率の変化を示す図である。 1……ガス化炉本体、2……溶融スラグ、3……溶鉄、
4……底吹ノズル、5……スラグ溜り、6……生成ガ
ス、7……炉体切り離し装置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉄浴式石炭ガス化操業において、溶鉄中の
    燐濃度を検出し、この検出値が0.10%を越えていたら石
    炭の吹き込みを一旦中止し、溶鉄を炉内に保持したまま
    溶鉄中に酸化剤とスラグ塩基度を高める造さい剤とを吹
    き込んで脱燐を行い、次いで溶鉄を炉内に保持したまま
    スラグを排出し、その後石炭の吹き込みを再開すること
    を特徴とする鉄浴式石炭ガス化炉の長時間運転法。
JP28059587A 1987-11-06 1987-11-06 鉄浴式石炭ガス化炉の長時間運転法 Expired - Lifetime JPH0631346B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0993833A (ja) * 1995-09-20 1997-04-04 Nec Corp 無停電電源装置

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JPH01123894A (ja) 1989-05-16

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