JPH0631397A - 一方向性電磁鋼板用薄鋳片の製造方法 - Google Patents

一方向性電磁鋼板用薄鋳片の製造方法

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JPH0631397A
JPH0631397A JP4194321A JP19432192A JPH0631397A JP H0631397 A JPH0631397 A JP H0631397A JP 4194321 A JP4194321 A JP 4194321A JP 19432192 A JP19432192 A JP 19432192A JP H0631397 A JPH0631397 A JP H0631397A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱延を省略して、高い磁束密度を有する一方
向性電磁鋼板を得ることができる急冷凝固法による一方
向性電磁鋼板用薄鋳片の製造方法を提供する。 【構成】 (1)双ロール式連続鋳造において、重量で
Si:2.5〜6.5%、Mn:0.02〜0.15
%、S:0.001〜0.05%を基本成分として含有
する溶鋼を、連続的に供給して急冷凝固させ、0.3〜
6.0mmの厚みの薄鋳片を連続鋳造するに際し、双ロー
ルの湯溜まり部をアルゴンガス雰囲気にすることを特徴
とする、一方向性電磁鋼板用薄鋳片の製造方法。(2)
酸可溶性Al:0.01〜0.04%、N:0.003
〜0.015%を含有する特許請求の範囲第1項記載の
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2.5〜6.5%のS
iを含む0.3〜6.0mm厚の一方向性電磁鋼板用薄鋳
片の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一方向性電磁鋼板はトランス等の電気機
器の鉄心材料として利用されており、磁気特性として励
磁特性と鉄損特性が良好でなくてはならない。しかも近
年、特にエネルギーロスの少ない低鉄損素材への市場要
求が強まっている。
【0003】しかし、従来の製造方法では、熱延、冷
延、焼鈍等の複雑な工程処理が必要なため、製造コスト
が非常に高いという問題がある。そこで最近、電磁鋼の
溶鋼を急冷凝固法で直接薄帯にする技術が開発された。
この方法によれば、溶鋼から直接成品または半成品がで
きるので、製造コストを大幅に下げることが可能であ
る。
【0004】この急冷凝固法で薄鋳片を得て、それを出
発素材とする一方向性電磁鋼板を製造する方法は、たと
えば特開昭63−11619号公報がある。ここでは、
Si:2.5〜6.5%等を含有する溶湯を供給して双
ロール方式により急冷凝固し、0.7〜2.0mm厚の鋳
片を得ることが提供されている。しかし、鋳造時の雰囲
気については何も言及されておらず、通常の大気中で実
施されていると考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、本発明者らの
知見によると、この一方向性電磁鋼板用鋳片から製造さ
れる成品は、磁束密度が低く、その原因は鋳造組織の制
御に問題点があると考えた。本発明は、このような問題
を解消しようとするものであって、鋳造時の雰囲気に着
眼し、凝固時の鋳造組織を制御することにより{11
0}〈001〉方位の集積度が高く、磁束密度が良好な
一方向性電磁鋼板を得るための薄鋳片製造方法を提供す
ることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を
達成すべく検討を重ねた結果、完成したものであって、
その要旨とするところは、双ロール式連続鋳造におい
て、重量でSi:2.5〜6.5%、Mn:0.02〜
0.15%、S:0.001〜0.05%を基本成分と
して含有する溶鋼を、連続的に供給して急冷凝固させ、
0.3〜3.0mmの厚みの薄鋳片を連続鋳造するに際
し、双ロールの湯溜まり部をアルゴンガス雰囲気にする
ことにあり、これにより、従来よりも高い磁束密度を得
ることができる。
【0007】
【作用】以下に本発明を詳細に説明する。一方向性電磁
鋼板は一般に、その製造工程の最終焼鈍中に二次再結晶
を充分に起こさせ、所謂ゴス集合組織を得ることにより
製造できる。このゴス集合組織を得るためには、一次再
結晶粒の成長粗大化を抑制し、{110}〈001〉方
位の再結晶粒のみを或る温度範囲で選択的に成長させ
る。すなわち、二次再結晶させるような素地を作ってや
ることが必要である。これに対して、特開昭63−11
619号の急冷凝固法では{100}〈0vw〉柱状晶
の鋳造組織の存在が避けられないという問題がある。こ
の{100}〈0vw〉は、圧延、再結晶しても{10
0}〈0vw〉に近い方位の結晶になることが、良く知
られている。従って、柱状晶が多く存在すると、二次再
結晶不良部分が増加するため、成品の磁気特性が劣化
し、高い磁束密度が得られない。
【0008】そこで、成品の磁束密度を向上させるため
には、薄鋳片での柱状晶の鋳造組織をできるだけ少なく
して、等軸晶の鋳造組織にする必要がある。本発明者ら
は、この急冷凝固時の凝固組織形態を改善するため、湯
溜まり部の雰囲気を変えて、凝固速度をさらに高める方
向にもっていかなければならないと考えた。
【0009】一般に、双ロール急冷凝固法では、図1で
双ロールの湯溜まり部を模式的に示すように、ロール1
/溶鋼2間にガス膜層3が存在し、溶鋼2表面からロー
ル1側への伝熱抵抗として、ロール本体1以外にガス膜
層3も含めた総括伝熱抵抗を考慮する必要がある。この
時のガス膜は数μmのオーダーの厚さと考えられる。普
通、双ロール急冷凝固法でのロール1と溶鋼2の接触時
間は0.1秒オーダーであり、この短時間に凝固シェル
を形成させる必要があり、ガス膜層3による総括伝熱抵
抗への影響は非常に大きいものと思われる。そこで、本
発明者らは、双ロールの湯溜まり部での雰囲気ガス4の
巻き込みに着目した。
【0010】そこで、従来の大気に変えて、種々のガス
を使用し、鋳造組織形態について検討を実施した。その
結果、湯溜まり部をアルゴンガス雰囲気にすると、図2
(a)に示すように等軸粒鋳造組織を持った薄鋳片が得
られ、さらに集合組織もランダム方位に改善されること
により、磁束密度が向上することを見出した。これに対
し、窒素ガス雰囲気では、凝固組織形態は方向性をもっ
た柱状晶(図2(b))となり易い。
【0011】この理由としては、アルゴンガスは熱伝導
度が比較的よく、冷却速度を高める方向にあることが考
えられる。すなわち、アルゴンガスは、窒素ガスと熱伝
導度が略同等であるが、窒素ガスの場合は溶鋼の表面で
微量の吸窒が行われるため、見かけの熱伝導度が小さく
なり、その結果として、窒素ガスと比較するとアルゴン
ガスの熱伝導度が大きくなることが考えられる。
【0012】以上のように、本発明者らは、双ロールの
湯溜まり部の雰囲気ガスの巻き込みに着目して、種々の
ガスを検討した結果、湯溜まり部をアルゴンガス雰囲気
にすると、等軸粒鋳造組織とランダム集合組織を持った
薄鋳片が得られ、磁束密度が向上することを見出した。
【0013】次に本発明において、鋼成分および製造条
件を前記のように限定した理由を、詳細に説明する。こ
の鋼成分の限定理由は下記の通りである。
【0014】Siは鉄損を良くするために下限を2.5
%とするが、多すぎると冷間圧延の際に割れ易く加工が
困難となるので上限を6.5%とする。MnはMnSを
形成するために必要な元素で、下限0.02%は、これ
未満であればMnSの絶対量が不足し、上限0.15%
は、これを超えるとMnSの適当な分散状態が得られな
いので上記範囲に限定した。SはMnS,(Mn・F
e)Sを形成するために必要な元素で、下限0.001
%は、これ未満では、MnS,(Mn・Fe)Sの絶対
量が不足し、上限0.05%は、これを超えると仕上げ
高温焼鈍で脱硫が困難となるので上記範囲に限定した。
【0015】さらに、硫化物に加えてAlNを利用する
場合は、酸可溶性AlとNを添加する。酸可溶性Alは
AlNを形成するために必要な元素で、下限0.01%
は、これ未満ではAlNの絶対量が不足し、上限0.0
4%は、これを超えるとAlNの適正な分散状態が得ら
れないので限定した。NはAlNを形成するために必要
な元素で、下限0.03%は、これ未満ではAlNの絶
対量が不足し、また上限0.015%は、これを超える
と二次再結晶が不安定となると共に、ブリスターが発生
しやすくなるので上記範囲に限定した。
【0016】その他、Cu,Sn,Sbはインヒビター
を強くする目的で1.0%以下において少なくとも1種
添加しても良い。また、Cについては、0.03〜0.
10%が望ましい。下限0.03%は、これ未満であれ
ば二次再結晶が不安定となり、上限0.10%は、これ
より多くなると脱炭所要時間が長くなり、経済的に不利
となるからである。
【0017】次に、この溶鋼を双ロール法等により急冷
凝固し、0.3〜6.0mm厚の薄鋳片を製造するが、最
終板厚0.05〜0.40mmの製品を想定したとき、良
好な二次再結晶を得るためには0.3mm未満では冷延圧
下率が不足であり、6.0mm超では冷延圧下率は過剰と
なる。本発明では、等軸晶鋳造組織でかつランダム集合
組織とするため、鋳造雰囲気ガスをアルゴンガスに限定
した。なお凝固する時の溶鋼の過冷却度は、10℃以下
が望ましい。さらに凝固完了後は、インヒビターの成
長、凝集粗大化や結晶粒の成長を抑えるため、600℃
までの温度域を10℃/秒以上で急冷するのが好まし
い。ここで、600℃以下ではインヒビターが析出しな
いため、600℃以上の温度域に限定した。また、下限
10℃/秒は、これ以下ではインヒビターが成長、凝集
粗大化し、結晶粒が成長粗大化するからである。さら
に、鋳片の靭性を得るために、若干の圧下を薄鋳片に加
えてやる方法もある。ここで、インヒビターとして窒化
物も必要とする場合は、AlN等の析出のために950
〜1200℃で30秒〜30分の中間焼鈍を行うことが
望ましい。
【0018】次に、1回ないし、中間焼鈍を含む2回以
上の冷間圧延を施す。このときの最終冷延圧下率は高い
ゴス集積度をもつ製品を得るため、圧下率60〜90%
が必要となる。この後は、湿潤水素雰囲気中で脱炭焼鈍
を行い、さらにMgO等の焼鈍分離剤を塗布して、二次
再結晶と純化のため1100℃以上の仕上げ焼鈍を行う
ことで、磁気特性が良好な一方向性電磁鋼板が製造され
る。次に本発明の実施例を挙げて説明する。
【0019】
【実施例】
〔実施例1〕表1に示す成分組成を含む溶鋼を、双ロー
ル急冷凝固法により、2.4mm厚の薄鋳片にした。鋳造
条件は、ロール径が300mmφ、ロール周速度が440
mm/秒、溶鋼のロール接触時間は約0.3秒であった。
湯溜まり部での溶鋼温度は1495℃であった。鋳造雰
囲気は、表2に示すように、Ar,N2 の2水準にし
た。鋳造直後は、双ロール直下から気水冷却を実施し
た。1400℃から600℃までの二次冷却速度は、い
ずれも100℃/秒である。このときの、鋳造雰囲気が
ArとN2 での鋳造組織を図2に示す。鋳造雰囲気がA
rで等軸晶(図2(a))、N2 では柱状晶(図2
(b))になっていた。ついで、得られた鋳片を酸洗し
た後、冷間圧延を行い0.8mm厚にした。次に湿潤水素
中で焼鈍し、再度、冷間圧延を施し0.30mm厚にし
た。さらに、湿潤水素中で脱炭焼鈍しMgO粉を塗布し
た後、1200℃に10時間、水素ガス雰囲気中で高温
焼鈍を行った。表2に、得られた製品の磁気特性を示
す。製品の磁性は、鋳造雰囲気が、Arで他の鋳造雰囲
気よりも高い磁束密度のものが得られた。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】〔実施例2〕表3に示す成分組成を含む溶
鋼を、双ロール急冷凝固法により、2.3mm厚の薄鋳片
にした。鋳造条件は、ロール径が300mmφ、ロール周
速度が450mm/秒、溶鋼のロール接触時間は約0.3
秒であった。湯溜まり部での溶鋼温度は1495℃であ
った。鋳造雰囲気は、表4に示すように、Ar,N2
2水準にした。鋳造直後は、双ロール直下から気水冷却
を実施した。1400℃から600℃までの二次冷却速
度は、いずれも100℃/秒である。ついで、得られた
鋳片を1120℃で5分間焼鈍を行い、さらに酸洗した
後、冷間圧延を行い0.30mm厚にした。次に湿潤水素
中で脱炭焼鈍し、MgO粉を塗装布した後、1200℃
に10時間、水素ガス雰囲気中で脱炭焼鈍を行った。得
られた製品の磁性は、表4に示すように、鋳造雰囲気が
Arで、他の鋳造雰囲気よりも磁束密度が高く、鉄損が
良好なものが得られた。
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】〔実施例3〕表5に示す成分組成を含む溶
鋼を、双ロール急冷凝固法により、2.0mm厚の薄鋳片
にした。鋳造条件は、ロール径が300mmφ、ロール周
速度が550mm/秒、溶鋼のロール接触時間は約0.3
秒であった。湯溜まり部での溶鋼温度は1495℃であ
った。鋳造雰囲気はHeである。鋳造後の二次冷却条件
は、双ロール直下から気水冷却を実施した。二次冷却速
度は600℃まで145℃/秒をとった。
【0026】ついで、得られた鋳片を1120℃で5分
間焼鈍を行い、さらに酸洗した後、冷間圧延を行い0.
23mm厚にした。次に湿潤水素中で脱炭焼鈍し、MgO
粉を塗装布した後、1200℃に10時間、水素ガス雰
囲気中で高温焼鈍を行った。得られた製品の磁性は、磁
束密度はB8 =1.92(T)、鉄損W17/50 =0.8
7(kg/W)で、良好な磁気特性が得られた。
【0027】
【表5】
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、急冷凝固法により得ら
れた珪素鋼薄鋳片を素材とし、熱延を省略して、高い磁
束密度を有する一方向性電磁鋼板を、安価かつ省エネル
ギーに製造することができるので、産業上の貢献すると
ころが極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】双ロールの湯溜まり部での、ロール表面におけ
るガス膜層の模式図である。
【図2】薄鋳片の1/4厚での鋳造金属組織写真であっ
て、(a)は鋳造雰囲気をArガスとしたもの、(b)
はN2 ガスとしたものである。
【符号の説明】
1 ロール 2 溶鋼 3 ガス膜層 4 鋳造雰囲気ガス

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 双ロール式連続鋳造において、重量でS
    i:2.5〜6.5%、Mn:0.02〜0.15%、
    S:0.001〜0.05%を基本成分として含有する
    溶鋼を、連続的に供給して急冷凝固させ、0.3〜6.
    0mmの厚みの薄鋳片を連続鋳造するに際し、双ロールの
    湯溜まり部をアルゴンガス雰囲気にすることを特徴とす
    る一方向性電磁鋼板薄鋳片の製造方法。
  2. 【請求項2】 酸可溶性Al:0.01〜0.04%、
    N:0.003〜0.015%を含有することを特徴と
    する請求項1記載の一方向性電磁鋼板用薄鋳片の製造方
    法。
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US7736444B1 (en) 2006-04-19 2010-06-15 Silicon Steel Technology, Inc. Method and system for manufacturing electrical silicon steel

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US7736444B1 (en) 2006-04-19 2010-06-15 Silicon Steel Technology, Inc. Method and system for manufacturing electrical silicon steel

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