JPH0631466B2 - 耐フレーキング性電気亜鉛めっき鋼板 - Google Patents

耐フレーキング性電気亜鉛めっき鋼板

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JPH0631466B2
JPH0631466B2 JP62302578A JP30257887A JPH0631466B2 JP H0631466 B2 JPH0631466 B2 JP H0631466B2 JP 62302578 A JP62302578 A JP 62302578A JP 30257887 A JP30257887 A JP 30257887A JP H0631466 B2 JPH0631466 B2 JP H0631466B2
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誠治 坂東
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、亜鉛電解浴中のFeイオン濃度およびNiイオン
濃度を規制、あるいはデキストリンを添加する等の手段
により得られる、めっき皮膜の(002)面の配向性が低
く、プレス加工時の耐フレーキング性にすぐれた電気亜
鉛めっき鋼板に関するものである。
(従来の技術) 近年、防錆用電気めっき鋼板の用途が多岐にわたり、多
方面で使用されるようになってきた。特に亜鉛系電気め
っき鋼板は、安価であるばかりでなく、耐食寿命の大幅
な向上がみられるため自動車車体への適用が拡大しつつ
ある。
ところで、自動車用の電気めっき鋼板はプレス成形され
たパネル状製品として使用され、人目に触れるいわゆる
外板となるものが多いため、塗装仕上りがきれいでなけ
ればならないことから、表面粗度の小さいものが要求さ
れている。表面粗度は一般に1.5μr.m.s.以下のものが
用いられている。
また自動車用など電気めっき鋼板の用途では多くの場
合、プレス成形が行われるため、そのプレス加工に際し
ても圧延により得られた平滑な表面状態を損なわずに加
工することが特に重視される。しかし、実際にはポンチ
面あるいは素材面に付着した異物粒子、めっき皮膜の付
着物あるいはポンチ面の傷などによってプレス後表面に
微小な圧痕を生じ、いわゆるフレーキングを発生するこ
とが多い。
かかるフレーキング発生は、耐食性とともに、外観の美
麗さが特に重視される電気めっき鋼板としては問題であ
る。この対策としてプレス型の研磨、プレス型および素
材の洗浄、工場内の防塵、プレス油の清浄化など種々の
方策が実施されているが、フレーキングの発生機構に関
連する要因が多岐にわたっているため、この欠陥を減少
させることは極めて困難である。フレーキングの発生が
多いとプレス型の表面手入れを頻繁に行なわなければな
らず、多くの時間と労力を必要とする。
さらに、目付量が80g/m以上の電気亜鉛めっきにつ
いては、その優れた耐穴あき性から主に米国において自
動車の防錆用鋼板として多量に用いられているが、プレ
ス加工時のフレーキング発生は、目付量が多いほど発生
しやすい傾向にあるため、せっかくの特性が十分活用さ
れないでいる。
耐食性、耐フレーキング性と両者の特性をともに満足す
るめっき鋼板が求められている。
従来からかかる問題に対しては、表面粗度を規制したり
(特開昭57-85989号、同57-165000号公報参照)、めっ
き浴中SnあるいはSr化合物を添加するなどして(特開昭
61-69998号、同55-131192号公報参照)対応している。
しかし母材の制約を受けたり、また耐食性がかえって劣
るなどの問題点があった。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明の目的は、十分な耐食性を備えているとともに、
プレス加工時の耐フレーキング性にすぐれた電気亜鉛め
っき鋼板、特にめっき付着量が20g/m以上の電気亜
鉛めっき鋼板を提供することである。
(問題点を解決するための手段) そこで、本発明者らは、かかる目的を達成すべくプレス
加工時のフレーキング現象の解明にとりくみ、その予備
的実験の知見にもとずき、めっき皮膜それ自体の改善を
試みた。その結果、めっき皮膜の結晶構造を適宜手段で
コントロールして、(002)面の配向性を1以下に抑える
ことによって、プレス加工時の耐フレーキング性に優れ
た電気亜鉛めっき鋼板が得られることを見い出し、本発
明を完成した。
よって、本発明の要旨は、好ましくはめっき付着量が20
g/m以上の電気亜鉛めっき鋼板を得るに際し、例え
ば硫酸亜鉛系めっき浴中のFeイオン濃度を1000ppm以
下、Niイオン濃度を130ppm以下に規制し、あるいはFeイ
オン濃度を2000ppm以下、Pbイオン濃度を10ppm以下に制
限するとともにデキストリンを添加することによって、
電気亜鉛めっきを行い、亜鉛皮膜の(002)面の配向指数
を1以下に押えて成る、プレス加工時のフレーキングを
発生し難くした耐フレーキング性電気亜鉛めっき鋼板で
ある。
ここに、配向指数とは、めっき鋼板および標準試料とし
て亜鉛粉末のX線回折を行い、その各々のピーク高さよ
り次式で求めた。
本発明は、その性質上電気めっき鋼板一般にかかるもの
であり、そのいずれにおいても同様の作用効果が期待で
きるのであるが、特に実用上の見地から電気亜鉛めっき
鋼板のみに制限するのである。
(作用) 以下、本発明について実験例をもとに詳細に説明する。
前述のように、本発明者らは、目付量20g/m以上の
電気亜鉛めっき鋼板についてプレス加工時のフレーキン
グ発生原因を検討した結果、第1図、第2図に示すよう
に、フレーキング性をシミュレートしたドロービードテ
ストおよび皮膜硬度測定から、めっき皮膜中の(002)面
の配向指数が高い場合にフレーキングが起こりやすいこ
とを知った。
第1図および第2図は、それぞれ前述の(002)面配向指
数に対しドロービード平均荷重とめっき皮膜硬質とをプ
ロットして得たグラフである。(002)面の配向指数はF
e、Niおよびデキストリンの濃度によって変えた。めっ
き目付量100g/m、めっき浴組成Znイオン61g/
、硫酸ナトリウム75g/、溶温50℃、pH1.6であっ
た。
ドロービード平均荷重は、第3図に断面で示すように中
心部に凹凸面1、2をそれぞれ有する雄雌型3、4の間
に試片5を挟んで、両方向から押し付け、両型と試片5
とを密着させながら試片5を図中黒矢印方向に引き抜
き、このときの引張り圧力をもって表わす。この平均荷
重が小さいことは、変形が容易でフレーキングが発生し
ないことを意味する。なお、型の寸法その他は後述の実
施例参照。
次に、被めっき鋼板に脱脂、酸洗等の通常の表面清浄
化、前処理を施した後、以下のような電解浴組成中で電
気めっきを行った。
亜鉛イオン 61g/ 硫酸ナトリウム 75g/ あるいは硫酸アンモニウム 55g/ pH 1.6、浴温 50℃ このような電解浴中において、電流密度80A/dm2で目付
量100g/mの電気めっきを行った場合、浴中不純物
イオンとしてFeイオン濃度およびNiイオン濃度とめっき
皮膜の(002)面の配向指数の関係は第4図、第5図に示
すようになる。
また第6図に示すようにFeイオン濃度が1450ppm、Pbイ
オン濃度が10ppmの上記と同様の電解浴において、デキ
ストリン添加量が増加するに従い(002)面の配向指数は
低くなる。
すでに第1図、第2図に関連させて示したようにプレス
加工時の耐フレーキング性に優れた亜鉛めっき鋼板を得
るには、めっき皮膜の(002)面の配向指数を1以下にす
ることが必要である。そして、めっき皮膜の(002)面の
配向指数を1以下にするには、第3図、第4図より、浴
中Feイオン濃度を1000ppm以下、Niイオン濃度を130ppm
以下にすることが必要であることが分かる。
また第5図より、Feイオンをある程度許容する場合、Pb
イオン濃度を制限するとともに、デキストリンを5〜20
ppm添加することが必要であることが分かる。
なお、デキストリンはデンプン〔(C6H10O5)n〕を酸また
はアミラーゼで加水分解するときの反応の中間過程で得
られる種々の程度の分解生成物の混合物である。
ここで、同様のめっき浴を使って電流密度、めっき付着
量と(002)面の配向指数との関連を調べた。結果はそれ
ぞれ第7図および第8図にグラフにまとめて示す。
電流密度については、第7図に示すように電流密度の増
加に伴い(002)面の配向指数が増加する傾向にあるの
で、例えば110A/dm2以下というように電流密度は抑えた
方が好ましい。
目付量について、第8図に示すように目付量の増加に伴
い(002)面の配向指数が増加する傾向にあるが、本発明
によるFeおよびNiイオン濃度を規制することにより、目
付量の増加に伴う(002)面の配向指数の増加の割合は少
なくなりプレス加工時の耐フレーキング性に優れた電気
めっき鋼板を得ることができる。
なお、硫酸ナトリウムと硫酸アンモニウムの違いによる
差異は特に認められなかった。
上記のように本発明により、電解浴中のNiおよびFeの混
入量等、さらに好ましくは、電気めっき時の電流密度、
目付量を各々規制することによって、めっき皮膜の(00
2)面の配向指数が低く、プレス加工時の耐フレーキング
性に優れた電気亜鉛めっき鋼板を製造することができ
る。
以下、本発明の実施例を示す。
(実施例) 0.8mm板厚の冷延鋼板を用い、オルトケイ酸ソーダ溶液
による脱脂、硫酸酸洗を行った後、亜鉛イオン61g/
、硫酸ナトリウム75g/あるいは硫酸アンモニウム
55g/からなる電解浴組成を用い、第1表に示すよう
に本発明の重要因子である電解浴中のFe、Niイオンの不
純物濃度を変化させて、製造した亜鉛めっき鋼板の性能
について評価を行った。なお、評価方法は以下のとおり
である。
めっき皮膜の配向指数 めっき鋼板および標準試料としての亜鉛粉末について以
下の方法でX線回折を行い、測定角度2θ=10〜60゜の
各結晶方位に相当するピーク高さの測定により行った。
また、(002)面の配向性は前述の式(I)によって定義し
た。
なお、X線回折条件は第2表に示す。
第2表 Moターゲット フィルター:Zrフィルター 加速電圧:40KV Scanスピード:2°/min 加速電流:20mA ドロービードテスト 第3図に示すようにビードを用いてサンプルを引き抜
き、その時の平均荷重の値でプレス加工時のフレーキン
グ性を評価した。つまり荷重が高い程フレーキングが起
こりやすい。
・サンプル形状 30mm×300mm ・引抜き速度 500mm/min ・押え圧 30kg/cm2 めっき皮膜硬度(マイクロビッカース) ・荷重 10g ・7点測定後、最大、最小を除いた5点の平均めっき皮
膜硬度が低いほど、フレーキングは起こりやすい。
(発明の効果) 以上の如く、本発明にかかる電気亜鉛めっき鋼板は、め
っき皮膜の(002)面の配向指数が低く、母材の制約を受
けず、かつ簡便にプレス加工時の耐フレーキング性を向
上させることが可能である。
しかも、めっき皮膜の(002)面の配向指数を1以下に制
限するといっても、具体的にはめっき浴の清浄化によっ
て達成されるのであって、全く新規な設備を必要とする
ことがないことからも実用上の効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は、予備試験の結果を示すグラフ; 第3図は、ドロービード試験の要領を示す説明図; 第4図ないし第6図は、めっき浴組成とめっき皮膜の(0
02)面の配向指数との関係を示すグラフ;および 第7図および第8図は、それぞれ電流密度およびめっき
付着量と(002)面の配向指数との関係を示すグラフであ
る。 1:凹面、2:凸面、3:雄型 4:雌型、5:試片

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】めっき付着量が20g/m以上の電気亜鉛
    めっき鋼板において、めっき皮膜の(002)面の配向指数
    を1以下とした耐フレーキング性電気亜鉛めっき鋼板。
  2. 【請求項2】電解浴組成中のFeイオン濃度を1000ppm以
    下、Niイオン濃度を130ppm以下に制限して電気亜鉛めっ
    きを行って得た、特許請求の範囲第1項記載の電気亜鉛
    めっき鋼板。
  3. 【請求項3】電解浴組成中のFeイオン濃度を2000ppm以
    下、Pbイオン濃度を10ppm以下に制限する一方、デキス
    トリンを5〜20ppm添加して電気亜鉛めっきを行って得
    た、特許請求の範囲第1項記載の電気亜鉛めっき鋼板。
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JP5867178B2 (ja) * 2012-03-07 2016-02-24 Jfeスチール株式会社 電気亜鉛めっき鋼板の製造方法
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