JPH06320206A - フランジを有する形鋼の圧延法およびその装置 - Google Patents

フランジを有する形鋼の圧延法およびその装置

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JPH06320206A
JPH06320206A JP5109598A JP10959893A JPH06320206A JP H06320206 A JPH06320206 A JP H06320206A JP 5109598 A JP5109598 A JP 5109598A JP 10959893 A JP10959893 A JP 10959893A JP H06320206 A JPH06320206 A JP H06320206A
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JP
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rolling
flange
roll
horizontal
lubricant
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JP5109598A
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Shinya Hayashi
慎也 林
Taneharu Nishino
胤治 西野
Yosuke Miura
洋介 三浦
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 H形鋼等のフランジを有する形鋼をユニバー
サル圧延するに際して、製品の表面性状と高寸法精度を
維持したまま、最も摩耗が激しいユニバーサル水平ロー
ルの長寿命化を実現する。 【構成】 H形鋼等のユニバーサル圧延に際し、ユニバ
ーサルミル水平ロール側面内の被圧延材フランジとの接
触領域の、フランジ先端側の約1/2〜1/5の範囲を
転写ローラを介して高粘度潤滑剤で局部集中潤滑し、残
りの領域を無潤滑のままとして安定した圧延状態を維持
しつつ、竪ロール軸心を水平ロール軸心に対して出側に
移動することによってコーナーR部の焼付きを防止して
圧延する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はユニバーサル圧延機によ
りH形鋼やI形鋼、溝形鋼等のフランジを有する形鋼を
圧延する方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にH形鋼やI形鋼等のフランジを有
する形鋼は、図7に示すように左右竪ロール2,3およ
び上下水平ロール4,5の軸心が同一鉛直面上にあるユ
ニバーサル圧延機を用いて圧延造形されている。ここ
で、圧延操業上の問題点は、図8に示すように、圧延に
伴って水平ロール側面41,51のうち、フランジ先端
側から約1/2の領域(以下、単に「フランジ先端接触
領域」と称する)411,511の摩耗量が、残りの領
域のそれのほぼ10倍程度も大きく、ロール原単位およ
びフランジ厚み精度の律則条件となっていることであ
る。また、コーナーR部412,512では焼付きが発
生し、製品の表面性状に悪影響を及ぼし、後工程での製
品表面疵の手直し加工や、ロール焼付き手入れのための
圧延中断をせざるを得ないことがある。
【0003】次に、水平ロール側面の摩耗パターンが図
8のようになる理由を図9のユニバーサル圧延機による
H形鋼圧延の概略図を用いて説明する。図9(a)の平
面図および(b)の側面図において、1Aは被圧延材の
圧延前の断面形状、1Bは被圧延材の圧延後の断面形状
である。矢印X方向に走行する被圧延材1Aのフランジ
1Dは、水平ロール4(5)の側面と竪ロール2,3に
よって、図9(b)の斜線部の領域SF1−EF1−E
F2−SF2の接触領域(以下、単に「接触領域」と称
する)内で圧延されて、フランジ厚さがtF1からtF
2となる。被圧延材1Aのウェブ1Cはこの間に水平ロ
ール4と5によってSWからEWの間で圧延されて、ウ
ェブ厚さはtW1からtW2となる。この場合、ウェブ
の圧延については通常の板圧延に近く、被圧延材ウェブ
面の速度と水平ロール周速度はほぼ等しいため、ロール
面と被圧延材ウェブ面間の相対滑りは小さい。したがっ
て、図8に示すように水平ロールのウェブ面との接触領
域42,52については比較的ロール摩耗量も小さい。
しかしながら、フランジの圧延については通常の板圧延
とは状況が全く異なる。
【0004】図10(a)はH400×400サイズの
H形鋼のユニバーサル圧延を例に、接触領域内全域で被
圧延材フランジ内面と水平ロール側面が滑っていると仮
定した場合に、接触領域内の各点における水平ロール側
面に対する被圧延材の相対速度(以下、単に「相対速
度」と称する)の分布を矢印の大きさと方向で示してい
る。図10(a)からわかるように、接触領域における
相対速度はその大きさと方向が各点で異なり、特にフラ
ンジ先端部が接触する位置SF2〜EF2間および入口
コーナー部SF1付近では非常に大きな相対速度になっ
ている。
【0005】なお、図10(a)において破線で示した
曲線ABは相対速度の水平方向(図9のX方向)成分が
0となる点を結んで得られた曲線であり、中立線と呼ば
れる。ちなみに、相対速度の垂直成分と水平成分のいず
れもが0になる(すなわち、水平ロール側面速度と被圧
延材速度が一致する)のは、中立線上のB点のみであ
る。接触領域内では、水平ロール側面と被圧延材フラン
ジ内面はこのような相対速度をもって互いに摩擦し合っ
ているため、水平ロール側面の被圧延材フランジ内面と
の滑り距離は、これを接触領域内の軌跡に沿って積分す
れば得られ、ロール側面上の点が接触領域を一回通過す
る際の滑り距離は図10(b)の破線のようになる。す
なわち、被圧延材フランジ先端付近が接触する部分の滑
り距離が最も大きいことがわかる。実際は、この滑り距
離の影響に接触圧力分布、温度分布等による影響が加わ
って、図8で示した水平ロール側面摩耗パターンが現れ
る。
【0006】さらに、実圧延における摩耗パターンを支
配する要因として固着領域の存在がある。すなわち、被
圧延材フランジ面と水平ロール側面の間の摩擦係数があ
る程度高ければ、接触圧力分布と被圧延材温度分布の関
係から、図10(a)の中立線近傍の斜線で示した領域
では被圧延材フランジの剪断降伏応力がロール面から受
ける摩擦応力よりも低く、かつ相対滑り速度が小さいの
で、被圧延材がロールと同調して変形することから、実
際は滑っておらず固着状態にある。そのため、被圧延材
の圧延状態が全体として安定し、固着領域を通過するロ
ール面の受ける滑り距離は図10(b)の実線のよう
に、破線で示した接触領域全面が滑り状態と仮定した場
合の滑り距離(以下、単に「見掛け滑り距離」と称す
る)より小さくなるため、ほぼフランジ片幅中央部から
コーナー部近傍にかけてのロール摩耗量は見掛け滑り距
離に基づく摩耗量に比べて小さくなり、図8で示したフ
ランジ先端付近の局部摩耗が現われる。さらに先端部、
約1/5の領域は入側材料のフランジ先端が前段階のエ
ッジング圧延でバルジングし局部的に厚肉化しているた
め、当該部分の板厚減量の増大に伴い局部摩耗が特に急
峻となる。
【0007】一方、水平ロールのコーナーR部412,
512における焼付きの主要因は、フランジとウェブ間
でのメタルの移動により材料とロールの相対的な滑りや
接触圧力が局所的に大きくなることにある。加えて、温
度が他の部位と比べて高いことも焼付きが発生しやすい
要因と考えられる。
【0008】上述のロール局部摩耗に対処するため、本
願出願人は例えば特公昭53−39174号公報のロー
ル表面に固形黒鉛を一定圧力で押圧塗布する手段を提供
したが、固形黒鉛の取替えに手間がかかること、押圧力
を均等に保持することが困難なため均一な潤滑効果が得
られない等の難点があった。そこでこれに替わる手段と
して流体潤滑剤の供給方式が周知であり、図11はその
一般的な構成例である。同図は、上下左右対称の位置に
ノズルを配置し、水平ロール側面41,51の被圧延材
フランジ先端接触領域411,511またはコーナーR
部412,512を中心に潤滑剤を供給し、接触領域で
の被圧延材フランジ内面と水平ロール側面間の摩擦係数
を低下せしめ、摩耗量を低減するとともにコーナーR部
の焼付きを防止する構成を示している。
【0009】ところが、対称な潤滑状態にすべく、上下
水平ロール側面4ケ所の接触領域の摩擦係数を等しく保
ちつつ、潤滑剤を供給することは極めて難しい。それは
以下の理由による。すなわち、摩耗低減対象部位、例え
ば図11に示す被圧延材フランジ先端接触領域411,
511に潤滑剤を噴射した場合、重力のために上ロール
の411に噴射された潤滑剤についてはコーナーR部4
12の方向に滴り落ち、下ロールの511に噴射された
潤滑剤についてはロール軸中心C5の方向に滴り落ち
る。このため、潤滑剤を上下対称位置411と511に
等量噴射したとしても、上ロール4の411に噴射した
潤滑剤は上ロール側面41の全体に、下ロール5の51
1に噴射した潤滑剤は鉛直下方に流れるため、下ロール
に対しては噴射部分511のみに有効に働くことにな
り、上ロールの方が相対的に潤滑状態が良好になる。ま
た、上ロールに噴射した潤滑剤が下ロールに滴るため、
下ロールの潤滑状態の予測が不可能になり、その制御も
しにくくなる。さらに、ロールには被圧延材の顕熱、加
工熱等によるヒートクラックを防止するためにロール冷
却水が常時噴射されており、これによる潤滑剤の流出に
より、潤滑状態はなお一層複雑かつ非対称になる。この
結果、接触領域が全面潤滑状態になりロール面と被圧延
材間の摩擦力が低下して図10(a)の固着領域全域が
消滅し圧延接触領域の全面が滑り領域になるか、あるい
は潤滑状態が上下水平ロール側面4ケ所で非対称になる
ため、圧延が不安定となる。すなわち被圧延材の噛み込
み不良、スリップや出方不良およびこれに起因する寸法
形状劣化を招くことになる。
【0010】このため、形鋼ロールの耐用度向上や被圧
延材の表面肌向上、焼付き防止を図るべく潤滑圧延の適
用の試みはなされつつも、圧延不安定により止むなく圧
延中に潤滑を中止する事態が多々あり、本格的な採用は
困難な状況であった。特に、高粘度複合潤滑剤は、摩耗
量低減、焼付き防止等適用効果は大きいが、摩擦係数が
一般に小さく全面潤滑では通材不良を発生しやすい。ま
た従来、潤滑油の供給法として汎用されているノズル噴
射方式は、噴射潤滑油が拡散して局部集中潤滑が困難な
ばかりでなく、ノズルの目詰まりを起こし非対称潤滑に
よる圧延トラブルを惹起し易く、形鋼圧延への適用は至
難な状況であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明はH形鋼やI形
鋼等のフランジを有する形鋼のユニバーサル圧延に際し
て、局部集中潤滑により圧延の安定性を確保しつつ水平
ロールフランジ先端部の摺動摩耗を低減するとともに、
局所集中潤滑のために無潤滑圧延状態となるコーナーR
部のメタルの移動を軽減し、局部集中圧力を低減するこ
とで焼付きの発生を抑制する方法およびその装置を提供
するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、 フランジを有する形鋼をユニバーサル圧延するに際
し、ユニバーサル圧延機水平ロール側面内の被圧延材フ
ランジとの接触領域のフランジ先端側から少なくともほ
ぼ1/5の範囲もしくはほぼ1/2以内の周面を高粘度
潤滑剤で部分潤滑し残りの領域を無潤滑のまま圧延する
とともに、前記ユニバーサル圧延機の竪ロール軸心をウ
ェブとフランジの同時圧下領域が存在する範囲内で水平
ロール軸心に対して出側に移動させて圧延することを特
徴とするフランジを有する形鋼の圧延法、および フランジを有する形鋼のユニバーサル圧延機におい
て、水平ロール側面の部分潤滑装置を備え、かつ、前記
ユニバーサル圧延機の竪ロール軸心を水平ロール軸心に
対して出側へ移動可能に設けたことを特徴とする圧延装
置にある。
【0013】
【作用および実施例】本発明は、潤滑圧延効果の高い高
粘度潤滑剤を摩耗の激しい部分にのみ集中塗布すること
により、圧延の安定性を確保しつつ、水平ロールフラン
ジ先端部の局部摩耗を低減するとともに、竪ロール軸心
の圧延出側への移動によりコーナーR部のメタルの移動
を軽減し、かつ、局部集中圧力を低減させる相乗効果に
よってコーナーR部の焼付きの発生を抑制するものであ
る。
【0014】本発明者らは、実圧延の詳細な調査とラボ
実験および剛塑性有限要素法に基づく圧延シミュレーシ
ョン(以下、単に「FEM解析」と称する)により解明
した。以下図面を参照して、本発明の作用および実施例
をさらに詳細に説明する。
【0015】図8に示す水平ロール側面摩耗パターン
は、図10(b)の実線で示す、中立線付近の固着領域
に着目したロール面の相対滑り距離によって説明するこ
とができ、摩耗低減には滑り距離の大きくなるフランジ
先端接触領域のフランジ先端側の約1/2〜1/5を潤
滑すればよいことは明らかである。ここで、潤滑領域を
「フランジ先端側から少なくともほぼ1/5の範囲もし
くはほぼ1/2以内の周面」と限定した理由は以下のと
おりである。
【0016】図8に示した水平ロール側面摩耗パターン
から明らかなように、片フランジの幅方向中央部近傍か
らフランジ先端にかけて摩耗量が急激に大きくなってい
る。特に、先端部約1/5近傍は単に相対滑り距離が大
きいばかりでなく入側材料の局部的厚肉や低温のため集
中的に激しく摩耗する。一般にこの摩耗の激しい領域は
フランジ先端側の約1/2〜1/5である。約1/2以
上潤滑面を広げると通材不良や形状寸法不良等の圧延ト
ラブルを頻発する。約1/5以下に潤滑面を絞ると摩耗
低減の成果が得られない。したがって、圧延の安定性、
圧延サイズ固有の圧延特性および潤滑剤コストを含めた
潤滑圧延適用成果を総合的に勘案し、フランジ先端側の
少なくとも約1/5、最大で約1/2の範囲内で部分潤
滑圧延を行うのが効果的である。
【0017】しかし、潤滑をフランジ先端側の約1/2
〜1/5に限定してしまうと、鋼種やパススケジュール
によってはコーナーR部の焼付きや摩耗が激しくなり問
題となる場合がある。それを防止する手段として、本発
明者らは竪ロール軸心を水平ロール軸心に対して圧延出
側に移動する圧延法を着想し、FEM解析によってその
効果を定量的に評価、認識することができた。
【0018】計算は、幾何学的な竪ロールとフランジの
接触長lfに対する竪ロール軸心移動量dの比d/lf
で圧延出側に0(通常のユニバーサル圧延状態),0.
19,0.33,0.47移動した場合についてそれぞ
れ行った。図5はフランジとウェブの接合部の節点がフ
ランジ側からウェブ側へ移動した距離δのウェブ高さH
に対する比δ/Hの変化を、水平ロール軸心位置より圧
延方向の距離zをlfで無次元化したz/lfに対して
示している。図中にはフランジ外側面の竪ロール接触開
始位置、竪ロール軸心位置をそれぞれ矢印で示してい
る。竪ロールを圧延出側に移動するにつれてフランジ側
からウェブ側へのメタルの移動量は減少しており、竪ロ
ール軸心を比d/lf=0.47だけ移動した場合には
移動しない場合の約6割にまで減少している。
【0019】また、図6にはコーナーR部の圧延圧力の
ロールバイト内における圧延方向の分布を図中の最大圧
力を1として示す。コーナーR部の圧延圧力も竪ロール
軸心の圧延出側への移動に伴い顕著に減少している。こ
の場合も最大値が6割程度まで減少している。これは竪
ロール軸心の出側への移動によってフランジ側からウェ
ブ側へのメタルの移動が減少したことと関連が大きく、
あわせてコーナーR部の接触長も短くなっている。した
がって、竪ロール軸心の出側への移動量を大きくするほ
どコーナーR部の焼付きに大きく影響を及ぼすメタルの
移動や接触圧力の減少の効果が大きく得られ、フランジ
先端側の部分潤滑によるコーナーR部の無潤滑圧延状態
の弊害も抑制できる。また、滑りや接触圧力の減少によ
ってコーナーR部の摩耗量も低減できる効果がある。な
お、こうした作用は、コーナーR部の焼付きや摩耗が激
しい鋼種、特にステンレスH形鋼等には一層効果が大き
い。
【0020】次に、ユニバーサル圧延機の竪ロール軸心
を水平ロール軸心に対してウェブとフランジの同時圧下
領域が存在する範囲内で圧延出側に移動して圧延する理
由について説明する。
【0021】図4(a),(b)はその圧延方法につい
て竪ロールと被圧延材フランジ外面の接触領域と、水平
ロールと被圧延材ウェブ面の接触領域との位置関係を示
した側面図である。(a)は通常のユニバーサル圧延状
態で竪ロール軸心位置3aと水平ロール軸心位置4aが
圧延方向に対して同一鉛直面上にある場合について表し
ている。(b)は(a)の状態から竪ロール軸心位置3
aを圧延出側にdだけ移動した場合を示している。一般
に、H形鋼のユニバーサル圧延ではフランジ厚がウェブ
厚より大きく、フランジ圧延の非対称性から竪ロールと
フランジ外面の接触領域の長さlfが水平ロールとウェ
ブ面の接触領域の長さlwより大きい。
【0022】ここで、フランジとウェブの圧延状態の関
係から被圧延材とロールの接触領域をI,II, III,IV
に分割して説明する。Iをウェブが水平ロールによって
圧下される前のフランジ単独圧下領域、IIをウェブとフ
ランジの同時圧下領域、 IIIをフランジが竪ロールによ
って圧下される前のウェブ単独圧下領域、IVをウェブ圧
下後のフランジ単独圧下領域とする。(a)の状態では
I,IIの領域のみ存在し、 III,IVの領域は存在しな
い。これに対して竪ロール軸心を圧延出側に移動するに
つれてIの領域が減少し、IVの領域が拡大していく。さ
らに竪ロール軸心を出側に移動するとIの領域が消滅
し、(b)のようにII, III,IVの領域が存在する。こ
の場合、上述のようにコーナーR部のメタルの移動や接
触圧力の減少による焼付きや摩耗の抑制の効果だけでは
なく、ウェブが先に水平ロールによって上下方向に挟持
されるためウェブの付替が起こりにくくなり、ウェブ中
心偏りが抑制される効果がある。しかし、竪ロール軸心
をさらに出側に大きく移動して、ウェブとフランジの同
時圧下領域IIが消滅し、ウェブとフランジがそれぞれ単
独に圧延されるようになると圧延は安定せず、ウェブの
座屈が生じたり、上下左右の形状のばらつきが大きくな
る。
【0023】すなわち、形状を損なうことなくコーナー
R部の焼付きを抑制できる竪ロール軸心の移動量dは、
ウェブとフランジの同時圧下領域が存在する下記(1)
式で示す範囲とする必要がある。 0<d<|lf−lw| ……………………(1) 但し、d :竪ロール軸心の移動量 lf:フランジ圧延の非対称性から竪ロールとフランジ
外面の接触領域の長さ lw:水平ロールとウェブ面の接触領域の長さ
【0024】次に、本発明法を実施するための代表的な
装置例について図面により説明する。図1(a),
(b),(c)は本発明における各々使用状態を示す正
面と側面および平面略図であり、図8における水平ロー
ルの最大摩耗部位411,511の摩耗量を低減し、か
つコーナーR部412,512の焼付き、摩耗を低減す
べく、フランジ先端近傍を潤滑しつつ竪ロールを圧延出
側に移動し圧延している状態を示している。図において
上下水平ロール4,5と左右竪ロール2,3によりH形
鋼1が圧延されており、各ロールはそれぞれ矢印の方向
に回転している。また仮想線で示す竪ロールの軸心位置
3aは水平ロール軸心位置4aに対してdだけ出側に移
動している。
【0025】6はフランジ先端側の水平ロール局部摩耗
部を集中潤滑するための潤滑装置であり、高粘度の例え
ばグリース系複合潤滑剤を適当な圧力のもとに供給する
潤滑剤供給部15と潤滑剤貯蔵部16を有し、転写ロー
ラ7にて高粘度の潤滑剤を水平ロール側面20に幅lの
範囲で円周状に塗布する。lは、フランジ接触幅の約1
/2〜1/5とする。転写ローラ7は、軸受を介して軸
13で潤滑剤貯蔵槽8に回動自在に装着されている。潤
滑剤貯蔵槽8は、ホルダー9にロールの半径方向の位置
調整可能に摺動自在に止ピン14と長孔12を介して保
定されている。ホルダー9は固定板11を介して圧延機
に固定されている。転写ローラ7は潤滑剤貯蔵槽8を介
してスプリング等の押圧機構10により所定圧力で水平
ロール側面に押圧される構造となっている。本発明にお
いて潤滑剤供給機構とは、前記の潤滑剤供給部15、潤
滑剤貯蔵部16および潤滑剤貯蔵槽8とを含めて総称し
たものである。
【0026】潤滑装置6は、図1(a)の如く上下水平
ロールの左右4ケ所に設置する。鋼材が図1の方向Xに
圧延される場合、まず、接触領域内の最大摩耗部の領域
を潤滑すべく、潤滑剤供給用転写ローラ7により、水平
ロール側面20に幅lの範囲で円周状に高粘度固体複合
潤滑剤が塗布される。ここで、回動自在な転写ローラ7
は、水平ロール4,5を介して摩擦駆動され、その回転
により潤滑剤貯蔵槽8内の高粘度潤滑剤が転写ローラ7
に付着し、次いで水平ロールの最大摩耗部位411,5
11との接触、押圧により高粘度潤滑剤がロール面へ転
写される。さらに、転写により潤滑剤が除去された転写
ローラ7の表面は、水平ロールとの当接面からの回転力
を受けて潤滑剤貯蔵槽8の潤滑剤貯蔵部16に進入し、
高粘度潤滑剤が再び付着する構造になっている。転写ロ
ーラ7と潤滑剤貯蔵槽8の出側での最小間隙mは、所要
潤滑剤膜厚により決まるもので、通常は0.1mm〜0.
5mm程度に設定する。mが0.1mmより小さいと高粘度
複合潤滑剤中の固体添加物類により目詰まりを生じたり
油膜切れを起こし易い。一方、mが0.5mmより大きい
と一般に油漏れが増し潤滑剤の効率が低下する。
【0027】従来の低粘度の液体潤滑剤は、ロール面に
付着後重力、ロール冷却水等に加え、ロール回転に伴う
遠心力の影響により液膜となって、ロール側面を滴り、
潤滑の不要な領域に侵入することになり、このため圧延
が不安定となる。しかし、本発明装置では付着性が高く
ロール表面で拡散しにくい高粘度固体複合潤滑剤を用い
ており、しかも、転写ローラ7を被圧延材とロールとの
圧延接触領域へ物理的に可能な限り近接して配置してい
るので、従来のような問題は生じない。ここで、潤滑剤
として紫外線硬化タイプを適用すると、転写直後に紫外
線を照射することにより瞬時に硬化し、強固な付着性、
耐拡散性および耐摩擦性が得られるのでさらに効果的で
ある。
【0028】また、転写前に、高圧蒸気、高圧空気ある
いはゴム、フェルト等の水切板により水平ロール側面2
0の転写面を水切りすることも有効であり、事前に転写
面を清浄化するほど潤滑効果は大きくなる。
【0029】ここで、本発明装置における転写ローラ7
は図2(a)〜(f)のような各種の構造形式を採用で
きる。(a)は図1と同じく単ローラ型であり、転写式
潤滑剤供給装置の基本型である。(b)は双ローラ型で
転写ローラ7はバックアップロール22により支持され
押付器10にて水平ロールの最大摩耗部位411,51
1に押圧されており、基本型に比べて剛性が高く潤滑剤
の転写ローラ7への付着性が良い。(c)は転写ローラ
7を直列に複数配置とし、より丁寧な塗布が可能とな
る。(d)は2個の転写ローラ7を1個のバックアップ
ロール22で支持するもので、(b)と(c)の長所を
併せ持たせたものである。(e)は1個の転写ローラ7
を2個のバックアップロール22で支持するもので転写
ローラ7の保持剛性を高めている。(f)はバックアッ
プロール22の周囲に転写ローラ7を遊星配置したもの
で、径小の転写ローラ7の剛性と耐用性を高めたもので
ある。
【0030】ところで、図1の実施例は仕上ロールや連
続圧延ロール等の一方向圧延のみのロールへ適用する場
合であるが、往復パスを行うリバース圧延ロールへ適用
する場合は、潤滑装置6を上下水平ロール4,5の圧延
方向両側に設置する。但し、潤滑剤として極めて付着性
と耐用性が強く圧延後も図1の21のようにロールに残
留するものを使用する場合は、片側のみに設置しても充
分な効果が得られるので、この限りではない。ここで、
被圧延材が通材中のみ入側の潤滑剤供給部分15からの
潤滑剤供給を行い、通材していない間および出側は潤滑
剤の供給を停止するというオン・オフ制御をすれば潤滑
剤の使用量を節減できる。
【0031】一方、ユニバーサル圧延機の竪ロール軸心
の移動装置は、特開昭63−199001号公報にある
ように例えば図3のような装置を用いることができる。
図は左右に設けられている竪ロールのうち右側に位置す
るもののみ示している。図において竪ロール3は軸受2
3を介してロール支軸24に回転自在に軸支されてい
る。該軸受はロールチョック25の圧延方向と平行に設
けられた案内溝26によって滑動自在に嵌合している。
27は竪ロール移動ピストン軸であり、一端は前記ロー
ル支軸24を支持し、他の一端にはシリンダー28内を
往復運動するピストン27aが設けてある。29はピス
トンを駆動する油圧技管、30は油圧制御装置である。
【0032】リバース圧延においては、固定板11を水
平ロールのチョックに装着することにより、ロールの開
閉と連動して潤滑装置6が水平ロールとともに移動でき
るので、各パス毎に所定の水平ロール側面20の部位に
転写ローラ7が保持され確実な塗布が可能となる。ま
た、竪ロール軸心も水平ロールの回転方向の反転と連動
させて油圧制御装置30によってピストン27aを介し
て出側に移動させることで、常にコーナーR部のメタル
の移動と接触圧力を低減できる。この場合、竪ロール軸
心を圧延出側に移動しても潤滑装置には何ら影響はな
く、安定して同一部位に潤滑剤を塗布できる。なお、潤
滑装置6はロール半径方向およびロール周面と対向する
方向に位置調整可能としているので、被圧延材のサイズ
に応じて、最適な部位への転写が可能である。
【0033】なお、水平ロールの被圧延材ウェブ面との
接触領域42,52についても、同様の潤滑法が適用で
きるが、実操業では、当該領域のロール摩耗量は水平ロ
ール側面のそれに比べて問題になっていないので、不要
である。
【0034】
【発明の効果】本発明の潤滑圧延法によると、コーナー
R部の焼付きを無潤滑圧延状態においても防止でき、フ
ランジ先端部の局部集中潤滑が潤滑圧延の対称性を維持
しながら確実に安定して可能となるので、従来の潤滑剤
供給方式の欠点であった不安定な圧延状態が解消され、
製品の表面性状と寸法精度を高く保持かつミル調整のた
めの圧延休止時間を発生させることなく、最も摩耗の激
しくなるユニバーサル水平ロールの側面部の摩耗量を低
減することができ、ロールの長寿命化を実現することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置および潤滑圧延状況の説明図。
【図2】本発明の転写ローラの構成例を示す説明図。
【図3】本発明のユニバーサル圧延機の竪ロール軸心移
動装置の説明図。
【図4】竪ロール軸心を圧延出側に移動した場合のウェ
ブとフランジの接触領域を示す図。
【図5】フランジとウェブの接合部におけるフランジ側
からウェブ側へのメタルの移動を示す図。
【図6】ロールバイト内におけるコーナーR部の圧延圧
力分布を示す図。
【図7】H形鋼のユニバーサル圧延状況を示す図。
【図8】水平ロール摩耗パターンの説明図。
【図9】ユニバーサル圧延機によるH形鋼圧延の説明
図。
【図10】水平ロール側面接触領域におけるロール・被
圧延材間の相対速度分布と滑り距離を示す図。
【図11】水平ロール側面への従来潤滑剤供給パターン
を示す図。
【符号の説明】
1A 圧延前の被圧延材 1B 圧延後の被圧延材 2,3 ユニバーサル竪ロール 4,5 ユニバーサル水平ロール 6 潤滑装置 7 転写ローラ 8 潤滑剤貯蔵槽 9 ホルダー 10 押付器 11 固定板 12 長孔 13 軸 14 止ピン 15 潤滑剤供給部 16 潤滑剤貯蔵部 22 バックアップロール 23 軸受 24 ロール支軸 25 ロールチョック 26 案内溝 27 竪ロール移動ピストン軸 28 シリンダー 29 油圧技管 30 油圧制御装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フランジを有する形鋼をユニバーサル圧
    延するに際し、ユニバーサル圧延機水平ロール側面内の
    被圧延材フランジとの接触領域のフランジ先端側から少
    なくともほぼ1/5の範囲もしくはほぼ1/2以内の周
    面を高粘度潤滑剤で部分潤滑し残りの領域を無潤滑のま
    ま圧延するとともに、前記ユニバーサル圧延機の竪ロー
    ル軸心をウェブとフランジの同時圧下領域が存在する範
    囲内で水平ロール軸心に対して出側に移動させて圧延す
    ることを特徴とするフランジを有する形鋼の圧延法。
  2. 【請求項2】 フランジを有する形鋼のユニバーサル圧
    延機において、水平ロール側面の部分潤滑装置を備え、
    かつ、前記ユニバーサル圧延機の竪ロール軸心を水平ロ
    ール軸心に対して出側へ移動可能に設けたことを特徴と
    する圧延装置。
JP5109598A 1993-05-11 1993-05-11 フランジを有する形鋼の圧延法およびその装置 Withdrawn JPH06320206A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010247196A (ja) * 2009-04-17 2010-11-04 Nippon Steel Corp 形鋼の潤滑圧延方法および潤滑装置
JP2017209718A (ja) * 2016-05-27 2017-11-30 新日鐵住金株式会社 熱間圧延における潤滑油供給方法
PL445022A1 (pl) * 2023-05-26 2024-12-02 Politechnika Śląska Sposób umacniania wyrobów metalowych, zwłaszcza pasm blach lub prętów

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