JPH06321826A - 1,1,1−トリフルオロアルカン−2,3−ジオールおよびその製造方法 - Google Patents

1,1,1−トリフルオロアルカン−2,3−ジオールおよびその製造方法

Info

Publication number
JPH06321826A
JPH06321826A JP13245293A JP13245293A JPH06321826A JP H06321826 A JPH06321826 A JP H06321826A JP 13245293 A JP13245293 A JP 13245293A JP 13245293 A JP13245293 A JP 13245293A JP H06321826 A JPH06321826 A JP H06321826A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
diol
formula
expressed
spectrum
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13245293A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshio Kubota
俊夫 久保田
Norihisa Iijima
典久 飯島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toagosei Co Ltd filed Critical Toagosei Co Ltd
Priority to JP13245293A priority Critical patent/JPH06321826A/ja
Publication of JPH06321826A publication Critical patent/JPH06321826A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 反強誘電性液晶の中間原料あるいはビルディ
ングブロック剤等として有用な新規化合物およびその製
造方法を提供する。 【構成】 新規化合物1,1,1−トリフルオロアルカ
ン−2,3−ジオールならびに、1−ヒドロキシ−2,
2,2−トリフルオロエチルアルキルケトンを金属水素
化物を用いて有機溶媒中で還元することにより前記新規
化合物を製造する方法。 【効果】 この新規化合物は、反強誘電性液晶の中間原
料あるいはビルディングブロック剤等として有用であ
り、高純度、高収率で製造し得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば反強誘電性液晶
等の電子デバイスの中間原料として、あるいは医薬、農
薬に用いられる化合物に種々の官能基を導入できるビル
ディングブロック剤等として有用である、新規な含フッ
素化合物の提供とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】反強誘電性液晶等の電子材料の中間原料
として有用な(R)−1−トリフルオロメチル基を有す
るアルキルアルコールは知られている。しかしながら、
1位にトリフルオロメチル基を有するアルカン−2,3
−ジオールは知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、反強誘
電性液晶等電子材料の中間原料として期待され、また医
薬、農薬に用いられる化合物に種々の官能基を導入でき
るビルディングブロック剤等として有用である新規な
1,1,1−トリフルオロアルカン−2,3−ジオール
を発明し、該化合物をジアステレオ選択的に、高純度
で、高効率に製造する方法を見出し、本発明を完成し
た。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、新規化合物で
ある、式(1)で示される1,1,1−トリフルオロア
ルカン−2,3−ジオール(以下、本発明化合物とい
う)に関するものである。
【0005】
【化3】
【0006】また本発明は、上記各化合物を効率的に製
造する方法、すなわち、式(2)で示される1−ヒドロ
キシ−2,2,2−トリフルオロエチルアルキルケトン
(以下、原料化合物という)を、金属水素化物を用いて
有機溶媒中で還元することにより、該化合物を製造する
方法に関するものである。
【0007】
【化4】
【0008】〔本発明化合物:1,1,1−トリフルオ
ロアルカン−2,3−ジオール〕本発明化合物は、上記
式(1)で示される通りであり、式中Rで表わされるア
ルキル基は、炭素数3〜10の直鎖状アルキル基、すな
わち、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル
基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル
基、n−ノニル基およびn−デシル基である。
【0009】上記化合物の中でも製造の容易性から有用
である化合物は、Rが炭素数4〜8の直鎖状アルキル基
である化合物であり、具体的に示すと1,1,1−トリ
フルオロヘプタン−2,3−ジオール、1,1,1−ト
リフルオロオクタン−2,3−ジオール、1,1,1−
トリフルオロノナン−2,3−ジオール、1,1,1−
トリフルオロデカン−2,3−ジオール、および1,
1,1−トリフルオロウンデカン−2,3−ジオールで
ある。
【0010】〔原料化合物:1−ヒドロキシ−2,2,
2−トリフルオロエチルアルキルケトン〕本発明化合物
の原料化合物は、前述の式(2)で示される1−ヒドロ
キシ−2,2,2−トリフルオロエチルアルキルケトン
である。
【0011】この原料化合物は新規化合物であり、既に
出願済である。上記化合物を具体的に説明すると、式中
Rで表わされる直鎖状アルキル基は、式(1)に対応
し、好適な化合物の具体例としては、1−ヒドロキシ−
2,2,2−トリフルオロエチルブチルケトン、1−ヒ
ドロキシ−2,2,2−トリフルオロエチルペンチルケ
トン、1−ヒドロキシ−2,2,2−トリフルオロエチ
ルヘキシルケトン、1−ヒドロキシ−2,2,2−トリ
フルオロエチルヘプチルケトンおよび1−ヒドロキシ−
2,2,2−トリフルオロエチルオクチルケトンが挙げ
られる。
【0012】〔原料化合物の製造方法〕原料化合物の製
造方法について具体的に説明すると、例えば2−ヒドロ
キシ−3,3,3−トリフルオロプロピオニトリルと、
式(3)で示されるグリニャール試薬(以下、グリニャ
ール試薬という)とを反応させ(第一段反応)、次いで
該反応生成物を鉱酸で加水分解する(第2段反応)。 RMgBr (3) (ただし、式中Rは炭素数3〜10の直鎖状アルキル基
であり、式(2)のRに対応する。)
【0013】第一段反応を具体的に説明すると、例え
ば、反応温度−5℃〜5℃にて、グリニャール試薬を溶
解したジエチルエーテル等のエーテル溶液に、2−ヒド
ロキシ−3,3,3−トリフルオロプロピオニトリルを
滴下し、滴下終了後、2時間程度攪拌して反応を充分完
結させ、付加生成物を生成させる。
【0014】上記反応における2−ヒドロキシ−3,
3,3−トリフルオロプロピオニトリルとグリニャール
試薬の供給割合は、2−ヒドロキシ−3,3,3−トリ
フルオロプロピオニトリル1モルに対して、グリニャー
ル試薬2〜3モルが好ましい。また2−ヒドロキシ−
3,3,3−トリフルオロプロピオニトリルの滴下は、
1モルを100分〜250分程度かけて行なうのが好ま
しい。
【0015】次に、第二段反応について説明すると、第
一段反応で得られた付加生成物を、塩酸等の鉱酸で加水
分解することにより、原料化合物を製造する。鉱酸は、
2−ヒドロキシ−3,3,3−トリフルオロプロピオニ
トリル1モルに対して、3〜4グラム当量が好ましく、
鉱酸の濃度は1〜5Nが好ましい。加水分解反応は、先
に得られた付加生成物を含有する反応液に、鉱酸の水溶
液を滴下して行っても、また鉱酸の水溶液に付加生成物
を含有する反応液を滴下して行ってもよい。
【0016】上記加水分解反応は出来るだけ穏やかな温
度で行うが好ましく、常温が特に好適である。鉱酸の滴
下後、更に常温付近で20分〜60分程度攪拌放置する
ことにより反応を完結させる。次いでエーテル抽出等の
操作により、反応液から目的生成物を分離し、無水硫酸
マグネシウムを加えて、水分を除去した後、溶媒を減圧
で留去し、残ったシロップ状物質をカラムクロマトグラ
フィー等により精製し、原料化合物である無色透明で液
状の1−ヒドロキシ−2,2,2−トリフルオロエチル
アルキルケトンを取得することが出来る。
【0017】〔本発明化合物:1,1,1−トリフルオ
ロアルカン−2,3−ジオールの製造方法〕本発明化合
物は式(4)に示す反応によって製造され得る。
【0018】
【化5】
【0019】式(4)における反応を説明すると、原料
化合物である1−ヒドロキシ−2,2,2−トリフルオ
ロエチルアルキルケトンのカルボニル炭素への水素陰イ
オンのジアステレオ面区別した攻撃を経由してアルコキ
シドが生成し、これを酸処理することにより、本発明化
合物が製造される。
【0020】本発明化合物は、式(4)に示した通り、
anti−1,1,1−トリフルオロアルカン−2,3
−ジオール(以下、anti体という)と、syn−
1,1,1−トリフルオロアルカン−2,3−ジオール
(以下、syn体という)とのジアステレオマー混合物
であり、anti体およびsyn体は、その各々を光学
異性体分離用カラムを有するガスクロマトグラフィーで
分析すると、各々2つのピークを示すことから、それぞ
れがエナンチオマーであることを確認済みである。
【0021】本発明において、金属水素化物は、カルボ
ニル基を還元する化合物であれば特に限定されることな
く使用出来、例えば水素化アルミニウムリチウム、水素
化トリメトキシアルミニウムリチウム、水素化ジイソブ
チルアルミニウムおよび水素化ホウ素ナトリウム等が挙
げられる。
【0022】これらの金属水素化物は、原料化合物のカ
ルボニル基をジアステレオ面区別還元して、anti体
とsyn体との生成比率に最も大きな影響を及ぼすと考
えられる。従って、金属水素化物は、目的に応じて適宜
選択すればよい。すなわち、特定の金属水素化物を用い
る事により、anti体を選択的に優位に生成させるこ
とが出来る。
【0023】例えば、anti体に富んだ本発明化合物
を得るのに好適な金属水素化物としては、水素化アルミ
ニウムリチウム、水素化トリメトキシアルミニウムリチ
ウム、水素化ジイソブチルアルミニウムおよび水素化ホ
ウ素ナトリウム等が挙げられ、更に好適には水素化アル
ミニウムリチウムおよび水素化ジイソブチルアルミニウ
ムであり、その中でも水素化アルミニウムリチウムが最
適である。
【0024】原料化合物と金属水素化物の反応系への供
給割合は、原料化合物1モルに対して、金属水素化物を
2〜2.4グラム当量(金属水素原子換算、以下同じ)
が好ましく、特に好ましくは2.05〜2.15グラム
当量である。金属水素化物の量が2グラム当量未満では
収率の低下を招く恐れがあり、2.4グラム当量を越え
ると、後処理工程が煩雑になる。
【0025】原料化合物と金属水素化物の好適な混合方
法は、金属水素化物の種類によって異なり、例えば水素
化アルミニウムリチウムの場合は、これを含有した有機
溶媒の懸濁液中に、原料化合物を含有した有機溶媒溶液
を滴下するのが好適であり、また水素化ジイソブチルア
ルミニウムの場合は、原料化合物を含有した有機溶媒溶
液中に、水素化ジイソブチルアルミニウムを含有した有
機溶媒溶液を滴下するのが好適である。いずれの場合も
液の滴下時間は30分程度が好ましく、あまり早い滴下
時間では、急激に水素が発生して突沸や発火の危険が生
じる可能性があり、あまりに遅い滴下時間では経済的と
は言えない。
【0026】本発明における有機溶媒としては、n−ヘ
キサン、ジエチルエーテル、トルエンおよびTHF等が
好ましい。本発明化合物におけるanti体とsyn体
の生成比率は、有機溶媒の種類によっても影響を受ける
ため、金属水素化物の種類に対応させて有機溶媒の種類
を適宜選択することが望ましい。
【0027】例えば、anti体に富んだ本発明化合物
を得るのに好適な有機溶媒の一例はジエチルエーテルで
あり、これとanti体の生成を優先させる水素化アル
ミニウムリチウム等の金属水素化物を用いることによっ
て、生成する本発明化合物のanti体を効果的に増加
させることが出来る。
【0028】有機溶媒の使用割合は、原料化合物1モル
を基準として、1.0〜2.0リットルが好ましく、特
に好ましくは1.3〜1.7リットルである。
【0029】例えば原料化合物1モルと、金属水素化物
として水素化アルミニウムリチウムを前述した特に好適
な量である2.05〜2.15グラム当量用いた場合、
上記した有機溶媒の好適な量のうちの1リットル程度を
用い、残りの量を原料化合物に対して用いるのが好適で
ある。あまり有機溶媒が少ないと金属水素化物を分散さ
せるに不充分となり、反応の制御が困難となる恐れがあ
り、2リットルを超えると経済的とは言えない。
【0030】原料と金属水素化物との反応温度は−10
〜10℃が好ましい。−10℃未満では経済的とはいえ
ず、10℃を超えると突沸が起こりやすい。滴下完了
後、室温に昇温して、6時間程度攪拌放置することによ
り反応を完結させる。6時間未満では反応が完結しない
場合がある。
【0031】次いで、得られた生成物を酸処理すること
により、ジアステレオマー混合物である本発明化合物を
生成させる。
【0032】酸としては鉱酸が適しており、具体的には
塩酸、硫酸、硝酸等が挙げられる。例えば、塩酸を用い
た場合は、原料化合物1モルを基準として、1規定塩酸
1〜2リットルを10分程度かけて滴下し、30分程度
攪拌する。1規定塩酸1リットル未満では目的物を分離
する際、抽出が困難となり易く、2リットルを超えると
抽出回数を増やさなければならず経済的とはいえない。
酸の濃度は1N程度とするのが良く、これより高いと副
反応が生じる場合があり、低濃度であると後の抽出工程
での非効率化につながる。
【0033】上記酸処理温度は、0℃〜10℃が好まし
い。0℃未満では経済的とは言えず、10℃を超えると
突沸の恐れがある。
【0034】酸処理後、室温に昇温し、反応生成液にエ
ーテル等の抽出溶剤を加えて目的生成物を抽出し、抽出
液を一般的には減圧濃縮して、ジアステレオマー混合物
である本発明化合物を取得する。
【0035】〔本発明化合物におけるanti体および
syn体の生成比率〕上記のようにして得られた本発明
化合物からは、光学異性体分離用カラムを有するガスク
ロマトグラフィーによって、第1ピークおよび第2ピー
ク(面積比1:1)で構成される第1フラクションとし
てsyn体が検出され、また、第3ピークおよび第4ピ
ーク(面積比1:1)で構成される第2フラクションと
してanti体が検出される。またこれらのピークの面
積比から、anti体およびsyn体の生成比率を確認
することが出来る。
【0036】本発明の製造方法によれば、金属水素化物
の種類にもよるが、anti体/syn体=56〜88
/44〜12(面積比)である本発明化合物が得られ
る。
【0037】〔本発明化合物であるジステレオマー混合
物からの、anti体またはsyn体の分離取得〕本発
明化合物を、ジアステレオマー混合物に採用されている
通常の分離手段、例えばシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー、蒸留等によって分離することにより、anti
体およびsyn体に分離することが出来る。
【0038】分離手段としてシリカゲルカラムクロマト
グラフィーを用いた場合を例示すると、本発明化合物を
通常の条件でシリカゲルカラムクロマトグラフィーにか
け、第1フラクションおよび第2フラクションに各々分
取し、溶媒を留去することにより、第1フラクションよ
りsyn体を、また第2フラクションよりanti体を
取得することが出来る。
【0039】
【実施例】以下、参考例、実施例および同定例に基づい
て本発明を具体的に説明する。
【0040】(参考例) 〔原料化合物:1−ヒドロキシ−2,2,2−トリフル
オロエチルヘキシルケトンの製造〕還流冷却器、温度
計、攪拌機、ロートを備えた四ツ口丸底フラスコに、n
−ヘキシルマグネシウム=ブロミド39.7g(210
ミリモル)のエーテル溶液84mlを入れ、0℃に冷却し
た。この溶液を攪拌しながら、2−ヒドロキシ−3,
3,3−トリフルオロプロピオニトリル12.5g(1
00ミリモル)を、滴下ロートから20分間かけて滴下
し、滴下完了後、更に2時間攪拌した。反応温度は0℃
に保った。次いで、攪拌しながら室温まで昇温し、3N
の塩酸125mlを室温で20分間かけて滴下し、滴下完
了後、10分間攪拌した。
【0041】得られた反応液をエーテル抽出し、抽出液
に無水硫酸マグネシュウムを加え、水分を除去し、ろ液
からエーテルを減圧留去して、残ったシロップ状物質を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(商品名:イナー
トシルPREP−ODS 分取、ガードカラム2点セッ
トNo.5020−35112 ジーエルサイエンス
(株)製:内径10mm×高さ250mm,充填剤:純
度99.9%の10μmシリカゲルにオクタデシル基を
化学結合したもの,溶離液:n−ヘキサン/イソプロピ
ルアルコール=90/10,流速2ml/min,試料
供給量1g,検出254nm)で精製し、無色透明な液
状の生成物19.1g(90ミリモル 収率90%)を
得た。
【0042】この生成物の核磁気共鳴スペクトル( 1
NMRスペクトルおよび19FNMRスペクトル)、赤外
線吸収スペクトル(IR吸収スペクトル)および質量ス
ペクトル(MSスぺクトル)を測定した結果は次の通り
であり、1−ヒドロキシ−2,2,2−トリフルオロエ
チルヘキシルケトンであることが確認された。また、 1
H核磁気共鳴スペクトル図および赤外線吸収吸収スペク
トル図を、それぞれ図1および図2に示す。1 HNMRスペクトル(CDCl3 ):0.7 〜2.0ppm(11H,
m):2.5 〜2.95ppm( 2H,m):3.7 〜4.75ppm( 1H,br)19 FNMRスペクトル( from ext. CF 3 COOH ):-2.1
7 ppm ( q,J=6.8Hz) IR吸収スペクトル(neat): 3,510cm-1(OH): 1,73
0cm-1(CO) MSスペクトル: m/z 212(M+
【0043】(実施例1) 〔本発明化合物:1,1,1−トリフルオロノナン−
2,3−ジオールの製造〕 (還元剤:水素化アルミニウムリチウム)〕 還流冷却器、温度計、攪拌機、ロートを備えた四つ口丸
底フラスコに、水素化アルミニウムリチウム1.9g
(50ミリモル)とジエチルエーテル100mlを入れ
氷水バス中に挿入した。滴下ロートに参考例で得た1−
ヒドロキシ−2,2,2−トリフルオロエチルヘキシル
ケトン21.2g(100ミリモル)とジエチルエーテ
ル50mlを入れた攪拌しながら30分間で滴下した。
滴下完了後、攪拌しながら室温迄昇温し、室温で6時間
攪拌放置した。
【0044】次いで、反応液を再度0℃に冷却し、攪拌
しながら、1規定塩酸150mlを10分間掛けて滴下
し、0℃で攪拌しながら30分間保持した。次いで攪拌
しながら、室温迄昇温した後、反応液にジエチルエーテ
ルを加えて目的生成物を抽出し、抽出液を無水硫酸マグ
ネシウムを加えて脱水後、減圧濃縮し、無色透明な液状
の目的生成物21.0g(98ミリモル、収率98%)
を得た。
【0045】この生成物の核磁気共鳴スペクトル( 1
NMRスペクトルおよび19FNMRスペクトル)、赤外
線吸スペクトル(1R吸収スペクトル)および質量スペ
クトル(MSスペクトル)を測定した結果は次の通りで
あり、1,1,1−トリフルオロノナン−2,3−ジオ
ールであることが確認された。また、 1HNMRスペク
トル図および1R吸収スペクトル図を、それぞれ図3お
よび図4に示す。1 HNMRスペクトル(CDCl3 ):0.65〜2.16ppm(13H,
m):2.90〜3.60ppm( 2H,m):3.60〜4.24ppm( 2H,m )19 FNMRスペクトル(ジエチルエーテル, from ext.
CF 3 COOH ):-1.85ppm (d ,6.7Hz ):-0.40ppm (d
,6.7Hz ) IR吸収スペクトル(neat):3,400 cm-1(OH) MSスペクトル: m/z 214 (M+
【0046】上記化合物を下記条件で光学異性体分離用
カラムを有するガスクロマトグラフィーで検出した。 カラム:商品名シクロデックスβ236M(クロムパッ
ク社製) 内径0.25mmφ、長さ25m シリカキャピラリーカラム カラム温度:80℃×10分保持した後、昇温速度4℃
/minで、200℃まで昇温。 キャリヤーガス:ヘリウム :流速 ガス流量70ml/min、スプリット比10
0/1 検出 :FID
【0047】そのガスクロマトグラフィーのチャートは
図5の通りであり、図5の解析結果は次の通りであり、
第1フラクション(第1ピークおよび第2ピーク)並び
に第2フラクション(第3ピークおよび第4ピーク)の
保持時間に間隔が有るところから、実施例1で得た生成
物が1,1,1−トリフルオロノナン−2,3−ジオー
ルのジアステレオマー混合体物であることが判明した。
また、後記の同定例1より、実施例1で得た生成物のs
yn体/anti体の割合は12/88(面積比)であ
ることが判明した。
【0048】第1フラクション(syn−1,1,1−
トリフルオロノナン−2,3−ジオール*1) ・面積比 :12% ・保持時間:第1ピーク 36.8分 第2ピーク 37.0分 第2フラクション(anti−1,1,1−トリフルオ
ロノナン−2,3−ジオール*1) ・面積比 :88% ・保持時間:第3ピーク 38.5分 第4ピーク 38.7分 (*1 同定例1により確認)
【0049】(同定例1)〔実施例1におけるanti
−1,1,1−トリフルオロノナン−2,3−ジオール
またはsyn−1,1,1−トリフルオロノナン−2,
3−ジオールの同定〕 実施例1で得た生成物を、参考例と同様に溶離液n−ヘ
キサンのシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけ、
第1フラクションおよび第2フラクションを各々分取
し、溶媒を留去して第1フラクション〔収得量2.3g
(10.9ミリモル) 収得収率10.9%〕および第
2フラクション〔収得量17.1g(80ミリモル)収
得収率80%)を得た。
【0050】次いで、還流冷却器、温度計、攪拌機、ロ
ートを備えた四つ口丸底フラスコに、上記生成物を各々
5ミリモルと、2,2−ジメトキシプロパン5mgおよ
びパラトルエンスルホン酸0.1gを加えて、液温度9
0℃で5時間還流し、アセタール交換反応を行い、反応
終了後、各反応生成物を溶離液n−ヘキサンのシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーを用いて分取し、82℃で
蒸留し、留分を濃縮し、いずれも無色透明で液状の生成
物を得た。
【0051】これらの生成物の 1HNMRスペクトル、
19FNMRスペクトル、1RスペクトルおよびMSスペ
クトルを測定した結果はいずれも次の通りであり、2,
2−ジメチル−4−n−ヘキシル−5−トリフルオロメ
チル−1,3−ジオキソランであることが確認された。
また、 1HNMRスペクトル図および1Rスペクトル図
を、それぞれ第6図および第7図に示す。
【0052】1HNMRスペクトル(CDCl3 ):0.8 〜
2.0 ppm(13H,m):2.8 〜4.3 ppm(2H,m )19 FNMRスペクトル( from ext. CF 3 COOH ):-0.2
7ppm (d ,6.7 Hz),:-3.5ppm (d ,6.7 Hz ), IR吸収スペクトル(neat): 2,940cm-1(CH): 1,08
5cm-1(COC ) MSスペクトル: m/z 254 (M+
【0053】また、上記の各2,2−ジメチル−4−n
−ヘキシル−5−トリフルオロメチル−1,3−ジオキ
ソランの270MHzの 1HNMRスペクトルを求めた
結果は表1の通りであり、第1フラクションから誘導さ
れた生成物は、式(5)に示すtrans−2,2−ジ
メチル−4−n−ヘキシル−5−トリフルオロメチル−
1,3−ジオキソランであり、同じく第2フラクション
から誘導された生成物は、式(6)に示すcis−2,
2−ジメチル−4−n−ヘキシル−5−トリフルオロメ
チル−1,3−ジオキソランであることが確認された。
【0054】
【表1】
【0055】
【化6】
【0056】
【化7】
【0057】従って、実施例1の生成物をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーにかけて分取した第1フラクシ
ョンはsyn−1,1,1−トリフルオロノナン−2,
3−ジオールであることが、また第2フラクションはa
nti−1,1,1−トリフルオロノナン−2,3−ジ
オールであることがそれぞれ確認された。
【0058】(実施例2) 〔本発明化合物:1,1,1−トリフルオロノナン−
2,3−ジオールの製造〕 (還元剤:水素化ジイソブチルアルミニウム)〕 還流冷却器、温度計、攪拌機、ロートを備えた四つ口丸
底フラスコに、参考例2で得た1−ヒドロキシ−2,
2,2−トリフルオロエチルヘキシルケトン21.2g
(100ミリモル)とジエチルエーテル100mlを入
れ、滴下ロートに水素化ジイソブチルアルミニウム2
9.8g(210ミリモル)のn−ヘキサン溶液(1モ
ル/リットル)を入れた以外は、実施例1と同様にして
反応を行い、無色透明な液状の生成物20.8g(97
ミリモル、収率97%)を得た。
【0059】この生成物の核磁気共鳴スペクトル( 1
NMRスペクトルおよび19FNMRスペクトル)、赤外
線吸スペクトル(1R吸収スペクトル)および質量スペ
クトル(MSスペクトル)を測定した結果は実施例1と
同様であり、1,1,1−トリフルオロノナン−2,3
−ジオールであることが確認された。
【0060】上記化合物を、実施例1と同様にして光学
異性体分離用カラムを有するガスクロマトグラフィーに
掛けた。そのガスクロマトグラフィーのチャートは図8
の通りであり、第1フラクション(第1ピークおよび第
2ピーク)並びに第2フラクション(第3ピークおよび
第4ピーク)の保持時間に間隔が有るところから、実施
例2で得た生成物が1,1,1−トリフルオロノナン−
2,3−ジオールのジアステレオマー混合体物であるこ
とが判明した。
【0061】また、後記の同定例2より、上記第1フラ
クションはsyn−1,1,1−トリフルオロノナン−
2,3−ジオールであることが、また第2フラクション
はanti−1,1,1−トリフルオロノナン−2,3
−ジオールであることがそれぞれ確認され、syn体/
anti体の割合は44/56(面積比)であることが
判明した。
【0062】第1フラクション(syn−1,1,1−
トリフルオロノナン−2,3−ジオール*2) ・面積比 :44% ・保持時間:第1ピーク 36.8分 第2ピーク 37.0分 第2フラクション(anti−1,1,1−トリフルオ
ロノナン−2,3−ジオール*2) ・面積比 :56% ・保持時間:第3ピーク 38.5分 第4ピーク 38.7分 (*2 同定例2により確認)
【0063】(同定例2)〔実施例2におけるanti
−1,1,1−トリフルオロノナン−2,3−ジオール
またはsyn−1,1,1−トリフルオロノナン−2,
3−ジオールの同定〕 実施例2で得た生成物を用いた以外は同定例1と同様に
して、第1フラクション〔収得量8.6g(40ミリモ
ル) 収得収率40%〕および第2フラクション〔収得
量10.9g(50.9ミリモル)収得収率50.9
%)を得た。
【0064】次いで、同定例1と同様アセタール交換反
応を行い、いずれも無色透明で液状の生成物を得た。こ
れらの生成物の 1HNMRスペクトル、19FNMRスペ
クトル、1RスペクトルおよびMSスペクトルを測定し
た結果は同定例1と同じであり、2,2−ジメチル−4
−n−ヘキシル−5−トリフルオロメチル−1,3−ジ
オキソランであることが確認された。
【0065】また、上記各生成物、すなわち第1フラク
ションから誘導された生成物および第2フラクションか
ら誘導された生成物の270MHzの 1HNMRスペク
トルを求めた結果は、同定例1と同じであり、実施例2
の生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけ
て分取した第1フラクションから誘導された生成物はt
rans−2,2−ジメチル−4−n−ヘキシル−5−
トリフルオロメチル−1,3−ジオキソランであり、同
じく第2フラクションから誘導された生成物はcis−
2,2−ジメチル−4−n−ヘキシル−5−トリフルオ
ロメチル−1,3−ジオキソランであることが確認され
た。
【0066】従って、上記の結果より、実施例2の生成
物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけて分取
した第1フラクションはsyn−1,1,1−トリフル
オロノナン−2,3−ジオールであることが、また第2
フラクションはanti−1,1,1−トリフルオロノ
ナン−2,3−ジオールであることがそれぞれ確認され
た。
【0067】
【発明の効果】本発明は、例えば反強誘電性液晶等電子
デバイスの中間原料として期待され、また医薬、農薬に
用いられる化合物に種々の官能基を導入できるビルディ
ングブロック剤等として有用である新規な1,1,1−
トリフルオロアルカン−2,3−ジオールの提供であ
り、また、該化合物を高純度で高収率に製造することが
出来る製法を提供するものであり、更に本発明の製法で
は、anti体を選択的に優位に製造することも出来
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例で得た1−ヒドロキシ−2,2,2−ト
リフルオロエチルヘキシルケトンの 1H核磁気共鳴スペ
クトル図である。
【図2】参考例で得た1−ヒドロキシ−2,2,2−ト
リフルオロエチルヘキシルケトンの赤外線吸収スペクト
ル図である。
【図3】実施例1で得た1,1,1−トリフルオロノナ
ン−2,3−ジオールの 1H核磁気共鳴スペクトル図で
ある。
【図4】実施例1で得た1,1,1−トリフルオロノナ
ン−2,3−ジオールの赤外線吸収スペクトル図であ
る。
【図5】実施例1で得た1,1,1−トリフルオロノナ
ン−2,3−ジオールの光学異性体分離用カラムを有す
るガスクロマトグラフィーのチャートである。
【図6】同定例1で得た2,2−ジメチル−4−n−ヘ
キシル−5−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラ
ンの 1H核磁気共鳴スペクトル図である。
【図7】同定例1で得た2,2−ジメチル−4−n−ヘ
キシル−5−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラ
ンの赤外線吸収スペクトル図である。
【図8】実施例2で得た1,1,1−トリフルオロノナ
ン−2,3−ジオールの光学異性体分離用カラムを有す
るガスクロマトグラフィーのチャートである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1)で示される1,1,1−トリフ
    ルオロアルカン−2,3−ジオール。 【化1】
  2. 【請求項2】 式(2)で示される1−ヒドロキシ−
    2,2,2−トリフルオロエチルアルキルケトンを金属
    水素化物を用いて有機溶媒中で還元することを特徴とす
    る請求項1記載の1,1,1−トリフルオロアルカン−
    2,3−ジオールの製造方法。 【化2】
JP13245293A 1993-05-11 1993-05-11 1,1,1−トリフルオロアルカン−2,3−ジオールおよびその製造方法 Pending JPH06321826A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13245293A JPH06321826A (ja) 1993-05-11 1993-05-11 1,1,1−トリフルオロアルカン−2,3−ジオールおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13245293A JPH06321826A (ja) 1993-05-11 1993-05-11 1,1,1−トリフルオロアルカン−2,3−ジオールおよびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06321826A true JPH06321826A (ja) 1994-11-22

Family

ID=15081690

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13245293A Pending JPH06321826A (ja) 1993-05-11 1993-05-11 1,1,1−トリフルオロアルカン−2,3−ジオールおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06321826A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Brown et al. Chiral synthesis via organoboranes. 21. Allyl-and crotylboration of. alpha.-chiral aldehydes with diisopinocampheylboron as the chiral auxiliary
JP3450680B2 (ja) パラ−メンタン−3,8−ジオールの製造方法
JP6980648B2 (ja) 3−ヒドロキシ−3,6−ジメチルヘキサヒドロベンゾフラン−2−オンおよびその誘導体の製造
JP5603169B2 (ja) (e)−3−メチル−2−シクロペンタデセノンの製造方法
JP2003096006A (ja) 1,3−ブチレングリコールおよびその製造方法
JPH06321826A (ja) 1,1,1−トリフルオロアルカン−2,3−ジオールおよびその製造方法
Balmer et al. Larger scale preparation of optically-active allylic alcohols
JPH06234689A (ja) ジメトキシエタナールの工業的製造のための連続方法
EP0029603B1 (en) Process for preparing predominantly z-substituted allylic alcohols
US6414167B1 (en) Octafluorotricyclodecane derivatives and processes for producing same
EP0077635B1 (en) Substituted esters and alcohols
JPH06321827A (ja) 光学活性な1,1,1−トリフルオロアルカン−2,3−ジオールおよびその製造方法
JPH07228553A (ja) 2−ヒドロキシ−1−トリフルオロメチルアルキル=4−ベンジルオキシベンゾアートおよびその製造方法
Sonnet et al. Synthesis and configuration analysis of 9, 18-and 10, 18-dihydroxystearic acid methyl esters
JPH07228554A (ja) 光学活性な2−ヒドロキシアルキルベンゾアート誘導体のジアステレオマー混合物の製造方法
EP0029575B1 (en) 1-halo-4-decene compounds
JP4266408B2 (ja) 光学活性グリコールの製造方法
JP3287429B2 (ja) 光学活性な1−ヒドロキシ−2,2,2−トリフルオロエチルアルキルケトンおよびその製造方法
Yang et al. Kilogram-scale synthesis of bis (6-hydroxy-5, 5-dimethylhexyl) ether (ESP24232), a novel lipid lowering agent
JPH06329685A (ja) 光学活性な1−トリメチルシリルオキシ−2,2,2−トリフルオロエチルアルキルケトンおよびその製造方法
US6265616B1 (en) Manufacture of trifluorisopropylamine
CA1172644A (en) Process for the preparation of trans-3-formylbut-2- enenitrile
JPH07196565A (ja) 4−アルキル−2−フルオロシクロヘキサノールとその製造方法及びその光学分割方法
JPH06263773A (ja) 1−トリメチルシリルオキシ−2,2,2−トリフルオロエチルアルキルケトンおよびその製造方法
JPH08225484A (ja) 2,4−ジヒドロキシアセトフェノンの製造方法