JPH0632593B2 - Pwmインバータによる誘導電動機の制御方法 - Google Patents

Pwmインバータによる誘導電動機の制御方法

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JPH0632593B2
JPH0632593B2 JP62040628A JP4062887A JPH0632593B2 JP H0632593 B2 JPH0632593 B2 JP H0632593B2 JP 62040628 A JP62040628 A JP 62040628A JP 4062887 A JP4062887 A JP 4062887A JP H0632593 B2 JPH0632593 B2 JP H0632593B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高速デジタル制御される可変電圧可変周波数
(VVVF)インバータによる、誘導電動機のトルク、
磁束制御方法に関するもので、誘導電動機の磁束および
トルクの瞬時制御において、トルクの比較手段として3
値ヒステリシスコンパレータを用い、負荷の条件や運転
状態に応じてヒステリシスコンパレータの動作点を可変
制御して誘導電動機を最適運転しようとするもので、従
来方式の欠点となっていた低速,重負荷運転時の改善が
可能な、インバータの出力電圧決定方法に関するもので
ある。
〔従来の技術〕
本発明にかかる誘導電動機のトルク,磁束制御方式の基
本動作は、電気学会論文誌Bの106巻1号第9ページの
「瞬時すべり周波数制御に基づく誘導電動機の新高速ト
ルク制御法」なる論文に記載されている。
この論文は、電動機入力電圧を検出し、これを御所回路
内で積分したものを電動機磁束としている。この磁束の
ベクトルの長さが与えられた磁束指令に追従し、且つそ
の先端が円軌跡を画くようなインバータ出力電圧を決定
する。また、電動機の発生トルクを前記磁束と電動機1
次電流のベクトル積として演算し、その大きさが与えら
れたトルク指令に追従するようなインバータ出力電圧を
決定する。
以上のようにして、磁束およびトルクの瞬時値が所定の
誤差範囲内に保持されるように制御され、インバータの
出力電圧は高速度で時々刻々更新され、磁束およびトル
クの瞬時制御が行われる。
第1図は、上記論文に記載された制御方式に、本出願人
が先に特願昭61-99228号(特開昭62-260593号)により
提案したPWMインバータの出力電圧検出方式を採用し
たトルク制御系のブロック図であり、直流電圧源1より
正母線1aおよび負母線1bを経て、3相PWMインバータ
3を介して3相誘導電動機6に給電する。制御回路7は
指令および検出された電流,電圧信号を処理し、PWM
インバータ3のスイッチング素子の通電信号を発生す
る。
PWMインバータ3はトランジスタとダイオードをそれ
ぞれ逆並列接続してなる6個のアームから構成されてい
るが、図のように3個の切換スイッチSu,Sv,Swとして表
すことができる。
PWMインバータ3の各出力端子から電流検出器5u,5v,
5wを経て3相誘導電動機6に給電すると共に、直流側正
負母線間に電圧検出器2が接続され、これから検出器と
後述するスイッチ状態変数から各相電流および各相電圧
が検出できるようになっている。
3相かご形誘導電動機の1次端子電圧および電流をそれ
ぞれ とし、2次電流を とすると、電圧方程式は ただし、記号 は直軸,横軸すなわちd,q2軸交換された量のベクト
ル表示であり、例えば はd軸成分をv1d,q軸成分をv1qとすると で示され、 も同様に定義される。なお、式左辺のはd,q両軸
成分とも0の場合を表し、かご形回転子の場合2次電圧
はこのようにとなる。
式における定数は R1;1次巻線抵抗 L11;1次インダクタンス R2;2次巻線抵抗 L22;2次インダクタンス M;相互インダクタンス mは回転角速度,pは微分演算子,jはベクトル積を
表す。
一方、磁束の定義として、1次磁束 は 式の第1行を展開して 式を代入し、整理すると 両辺を積分すると すなわち、電動機1次磁束 は式の積分演算により求められる。
各切換スイッチSu,Sv,Swは、正母線1a側に倒れる場合と
負母線1b側に倒れる場合とがあり、中間位置をとること
はない。前者を状態1,後者を状態0とするとインバー
タの出力状態は次に示すスイッチ状態変数表ですべてを
表すことができる。
ここに、kは切換スイッチ状態を示す番号で、この8通
りしか存在しない。また、 はd,q2軸成分で表したスイッチ状態変数で、実際の
d,q軸電圧v1d,v1qは、これに直流電圧源1の電圧V
と を乗じ と表せる。
先のスイッチ状態変数表を図示したのが第2図であり、
v1の横の括弧内は切換スイッチSu,Sv,Swの状態を示して
おり、kが増加するに従って時計方向に60°ずつステッ
プする電圧ベクトルを表している。
なお、k=0およびk=7は零ベクトルと呼ばれるもの
で、図では原点と一致する。k=0およびk=7はそれ
ぞれインバータの出力を決定する第1図の切換スイッチ
Su,Sv,Swがすべて正母線1a側に倒れるか、または負母線
1b側に倒れるかの違いはあるが、誘導電動機6の線間電
圧はいずれも0となり、3相短絡モードである。また、
u,v,w相の基準軸は後述する式により、それぞ
れ、k=1,k=3,k=5の方向に対応する。
瞬時トルクTは式の1次磁束 と1次電流 のベクトル積として式により求められる。
ここで、φ1d,φ1qおよびi1d,i1qはそれぞれ1次磁束 および1次電流 をd,q2軸に分解したときの各成分である。
制御回路7内のブロック701および703bは切換スイッチS
u,Sv,Swの状態と電圧検出器2で検出した直流電圧源1
の電圧Vとから1次端子電圧▲1▼を算出するブロッ
クであり、スイッチ状態変数表と式とから算出され
る。
ブロック702は電流検出器5u,5v,5wにより検出された3
相電流iu,iv,iwを、次式によりd,q2軸成分に変換す
るブロックである。
この1次電流 に、ブロック703aにおいて1次巻線抵抗R1を乗じ、ブロ
ック704において1次端子電圧 から1次巻線抵抗R1と1次電流 の積を減算する。
ブロック705は式に従って磁束を積分演算するブロッ
クであり、1次磁束 のd,q両軸成分φ1d,φ1qが求められる。
ブロック710では、第3図の磁束状態図に示すように、
1次磁束 ベクトルのd軸を基準とする時計方向の回転角θが、境
界線として30°,90°,150°,210°,270°,330°の
60°毎に仕切られるどの領域に属しているかによって、
制御フラグfθを次のように発生する。
−30°≦θ<30°;fθ=I 30°≦θ<90°;fθ=II 90°≦θ<150°;fθ=III 150°≦θ<210°;fθ=IV 210°≦θ<270°;fθ=V 270°≦θ<330°;fθ=VI ブロック706は磁束ベクトル長φ1を次式により算出す
るブロックである。
第4図は第1比較手段であるヒステリシスコンパレータ
の状態制御図で、磁束ベクトル長φ1が磁束指令値▲φ
* 1▼に対し、誤差限界Δφを用いて となるように制御するための制御フラグfφを発生す
る。すなわち、磁束ベクトル長φ1が増加して上限であ
る に達すると減磁を指令する制御フラグfφ=−1を発生
し、また磁束ベクトル長φ1が減少して下限である に達すると増磁を指令する制御フラグfφ=1を発生す
る。
かくして、磁束ベクトル長φ1は第4図に示される矢印
の方向にリミットサイクルを描くようにして制御される
ことになるが、実際には、ブロック706で式により算
出された磁束ベクトル長φ1がブロック708において磁
束指令値▲φ* 1▼から減算され、ブロック711において
第4図の状態制御図に従い制御フラグfφ=1,−1を
発生する。
第4図に示した磁束のリミットサイクルは、第3図に関
していえば、1次磁束 のベクトルの先端が常に図示された円環部分に存在する
ように制御されていることに対応する。
第4図による制御フラグfφと第3図で説明した制御フ
ラグfθとが組み合わされて、例えばfφ=1,fθ=
Iの制御フラグが立っているとすると、領域が−30°≦
θ<30°における増磁モードを意味するから、1次磁束 ベクトルに積分されるべき1次電圧 ベクトルは円の外向き成分を持つたものとなり、第2図
および第3図からk=1,2,6のいずれかのみが選ば
れる可能性がある。
ブロック707はブロック702,705の両出力のベクトル積
を式により演算し、瞬時トルクTを算出するブロック
であり、ブロック709においてトルク指令T*から瞬時
トルクTを減算し、トルク指令T*と式により求めら
れた瞬時トルクTとの差が所定の誤差限界以内に押えら
れるように、ブロック712において第5図の状態制御図
に従って制御フラグfrを発生する。
第5図は第2比較手段である3値ヒステリシスコンパレ
ータの状態制御図で、電動機力行時はトルク偏差T*−
Tが上限値ΔT1(ΔT1>0)に達すると、加速モードの
制御フラグfr=1を発生する。電動機が加速されてトル
ク偏差が下限値−ΔT2(ΔT2>0)に達すると、零ベク
トルモードの制御フラグfr=0を発生し、トルクが漸減
して再びトルク偏差が増加して上限値ΔT1に達すると加
速モードに移り、第5図の上半部のヒステリシスループ
を矢印方向に周回するリミットサイクルを描く。
これを時間領域にて表すと第6図のトルク波形図に示す
ごとく瞬時トルクTは変動し、トルク指令T*を挾んで
上,下の偏差分ΔT1+ΔT2の帯域内を往復する。
次に、電動機が回生制動を行っている時は第5図の下半
部のヒステリシスループを描くことになり、トルク偏差
が負の下限値−ΔT1(ΔT1>0)に達すると減速モード
の制御フラグfr=−1を発生する。以下、力行時と同様
に矢印の方向のリミットサイクルを繰り返えす。かくし
て、ブロック712は制御フラグfr=1,0,−1のいず
れかを出力する。
ブロック713はブロック710,711,712から出力される3
個の制御フラグfθ,fφ,frの各組み合わせに最も適
したインバータ出力電圧を決定するブロックであり、第
3図で説明した1次磁束 のベクトル長と回転方向をこれら3個の制御フラグf
θ,fφ,frが制御する。
例えば前述のごとく制御フラグfφ=1,fθ=Iの場
合には、電圧ベクトルをスイッチ状態変数表のkに従っ
て で表すとすると、電圧ベクトルとして選ばれる可能性が
あるのはk=1,2,6のいずれかであるが、このとき
制御フラグfr=1ならば、時計方向に回転する成分を持
つベクトルk=2すなわち出力電圧ベクトル が選ばれる。もし fr=−1のときは fr=0のときはゼロベクトルで、 または が選ばれる。
次に示すスイッチングテーブルは、3個の制御フラグf
φ,fθ,frのすべての組み合わせについて出力電圧ベ
クトルの番号kの値を示したもので、毎演算サイクル毎
にブロック713においてこのスイッチングテーブルを参
照することにより、インバータ3へスイッチング信号を
送り、磁束およびトルクの瞬時制御が行われる。
〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、トルク瞬時値の比較手段に従来のような
ヒステリシスコンパレータを用いる方法を高速デジタル
制御に適用した場合、ヒステリシスコンパレータの動作
量であるトルク瞬時値の偏差分ΔT1+ΔT2を一定とする
と、低速重負荷時あるいはインピーダンスの小さい電動
機の運転時に、トルク瞬時値の変化が急峻となって単位
時間当りのスイッチング回数が増加し、PWMインバー
タの効率が低下する欠点が生じる。
以下、その原因を説明する。従来方式では3相誘導電動
機の状態とは全く無関係に、第2比較手段である瞬時ト
ルクTの比較のために3値ヒステリシスコンパレータの
動作点を一定としていた。
しかるに、低速重負荷時や低インピーダンス電動機駆動
時には、デジタル制御系の演算サイクルタイム内での電
流変化が大きくなる。その結果、式による瞬時トルク
Tの変動も大きくなり、力行運転時の最大瞬時トルクT
とトルク指令T*とのトルク偏差T*−TがΔT2を超え
るのみならず、更に−ΔT1を超えてしまうことがある。
すなわち、正常な力行運転の場合には、第6図に示した
ごとく、瞬時トルクTが増大してトルク偏差T*−Tが
−ΔT2を超えると、零ベクトルモードとなって誘導電動
機の入力端子が短絡された状態となり、トルクが漸減す
ることになるが、前記のごとく−ΔT1をも超えてしまう
と、第5図の回生制動領域となって3値ヒステリシスコ
ンパレータは減速モードの制御フラグfr=−1を発生
し、第7図のトルク波形図に実線で示したごとく、瞬時
トルクTは急速に減少する。
瞬時トルクが減少しトルク偏差T*−Tが+ΔT2を超え
ると始めて零ベクトルモードとなり、磁束の自然減耗の
ためトルクが漸減する状態になるが、やがてトルク偏差
T*−Tが+ΔT1を超えると加速モードに移り、瞬時ト
ルクTは再び急激に増大し、前記の経過をたどることに
なる。
減速モード時の瞬時トルクの減少が更に激しい場合に
は、トルクの制御フラグfrは+1と−1とを交互に繰り
返えすことになる。このため、3相誘導電動機の線間に
は正,負の電圧が交互に印加されることになり、線間電
圧が上昇するばかりでなく、デジタル制御の場合は、そ
の遅れの影響により1演算サイクル毎にスイッチングす
るのでインバータのスイッチング周波数も急上昇してし
まい、PWMインバータの効率が低下するという欠点が
あったのである。
〔問題点を解決するための手段〕
以上説明したごとく、このような問題を生じる原因は、
第2比較手段である瞬時トルクTの比較のための3値ヒ
ステリシスコンパレータが、誘導電動機のすべての運転
状態において、その動作量を固定値とされていることに
ある。
そこで、本発明にかかるPWMインバータによる誘導電
動機の制御方法においては、トルク増減信号発生手段で
ある第2比較手段の許容誤差を可変制御するようにした
ものであって、誘導電動機の運転状態に応じて、第2比
較手段としての3値ヒステリシスコンパレータの動作点
を変更するようにしたものである。
〔作用〕
本発明にかかるPWMインバータによる誘導電動機の制
御方法においては、前記のようにトルク増減信号を発生
する3値ヒステリシスコンパレータの動作点を可変制御
できるようにしておき、低速重負荷時にはその動作点を
拡げることにより、3値ヒステリシスコンパレータの応
答をゆるやかなものとし、力行運転中は不必要に減速モ
ードとならないものとなる。
第8図は本発明にかかるPWMインバータによる誘導電
動機の制御方法に使用する3値ヒステリシスコンパレー
タの状態制御図である。定常運転時には第5図に示した
従来の3値ヒステリシスコンパレータと同様に、瞬時ト
ルクTのトルク指令T*に対するトルク偏差T*−Tが
±ΔT1を超えた場合それぞれ制御フラグ±1を破線で示
したように発生するが、低速重負荷時にはその動作点を
変更するように構成されている。
すなわち、力行運転中における低速重負荷時には下半部
のヒステリシスループ、すなわち回生制御側の負の下限
値−ΔT1(ΔT1>0)の絶対値を大きくして、実線で示
すごとく−ΔTs(ΔTs>0)で動作するように変更す
る。
逆に、回生運転中における低速重負荷時には上部のヒス
テリシスループ、すなわち力行運転側の上限値ΔT1(Δ
T1>0)の絶対値を大きくして、実線で示すごとくΔTs
(ΔTs>0)で動作するように変更する。
このような3値ヒステリシスコンパレータを使用するこ
とにより、力行運転中に回生側のヒステリシスループに
飛び込む頻度をきわめて小さくし、同様に回生運転中に
力行側のヒステリシスループに飛び込む頻度をきわめて
小さくすることができるので、スイッチング周波数の激
増を避け、PWMインバータの極端な効率低下を防止す
ることができる。
第7図に、力行運転中で低速重負荷時に、3値ヒステリ
シスコンパレータの動作点が変更された場合の、瞬時ト
ルクTの減少状態を破線で示す。
力行運転中に加速モードの制御フラグfr=+1により瞬
時トルクTが増加し、トルク偏差T*−Tが+ΔT1を超
えても+ΔTsを超えない場合には、零ベクトルモードの
制御フラグfr=0を出力するため、瞬時トルクTは破線
に示すごとく自然減耗して漸減する状態となる。
回生運転中はトルク指令値T*が負の値となるので、第
7図に示した力行運転中と原線を中心とした対称形で表
される図形となることは明らかである。
低速重負荷時に3値ヒステリシスコンパレータの動作点
をあまり大きく変更し、例えばΔTs≒∞のごとくする
と、トルク偏差T*−Tがいくら大きくなっても零ベク
トルモードのfr=0しか出力しなくなるため、安定に時
間がかかり過ぎて好ましくない。
3値ヒステリシスコンパレータの拡大後の許容誤差ΔTs
の大きさは、1次磁束 ベクトルの位相の変化率とトルク指令T*の関数とし
て与えてやれば、1次磁束▲1▼ベクトルの回転周波
数,すなわちインバータの駆動周波数とトルクの両者に
よって制御できる。
例えば、許容誤差ΔTsと1次磁束 ベクトルの位相の変化率およびトルク指令T*との関
係式を ΔTs=f(,T*)…… で表すものとし、位相変化率が所定値を超えたらに
関する増分は0とし、所定値を下まわる低速のときはΔ
Tsが大となるようにする。また、トルク指令値T*に対
してはトルク指令T*の絶対値が大きくなるに従って、
ΔTsが大きくなるようにすればよい。
ここで、位相変化率は誘導電動機の回転速度の推定値
であると考えてよく、従って位相変化率を演算する代
りに誘導電動機の回転速度を検出して帰還信号とし、こ
の速度帰還信号を速度推定信号としての位相変化率の
代りに用いてもよい。
一方、上記の関係式式では、許容誤差ΔTsの絶対値は
第8図に示した正常力行運転時の上限値ΔT1,正常回生
運転時の負の下限値が−ΔT1が最小値となるようにす
る。
以上のように、3値ヒステリシスコンパレータのリミッ
トサイクルを可変とすることにより、瞬時トルクTのト
ルク指令T*に対する偏差の許容値を可変とすることが
可能となり、低速重負荷時のように演算サイクル中の電
流変動が大きく増大する運転条件では、トルクの制御フ
ラグfrを選択するための3値ヒステリシスコンパレータ
の応答を緩やかにし、制御フラグfrが+1と−1を交互
に繰り返えすことを防ぐことができる。
〔実施例〕
トルクの制御フラグfrを選択するための3値ヒステリシ
スコンパレータの、瞬時トルク指令Tとトルク指令T*
とのトルク偏差T*−Tの制御可能な許容誤差ΔTsと、
1次磁束 ベクトルの位相変化率およびトルク指令T*との関係
式である式 ΔTs=f(,T*) は、種々のものが考えられるが、以下実施例について説
明する。なお、前記のとおり、位相変化率の代りに速
度帰還信号を用いて同じであるが、以下、位相変化率
を用いた場合の実施例について説明する。
トルク偏差T*−Tの可変の許容誤差ΔTsを、1次磁束 ベクトルの位相変化率の函数である(k1)と、トル
ク指令T*の函数である(k2)および通常運転時の許
容誤差ΔT1から、次式のように定義する。
ΔTs=ΔT1(1+(k1)×(k2))…… 式中の(k1)×(k2)の項が許容誤差ΔTsを可変
制御するための信号となる。
第9図はと(k1)との関係を示すグラフであり、1
次磁束 ベクトルの位相変化率に従って 0≦(k1)≦1 の範囲で函数(k1)は変化する。ここで1は定格速
度とする。すなわち函数(k1)は速度に対する関数で
あり、低速では(k1)の値が1に漸近してトルク偏差
の許容誤差ΔTsは大きい値をとることになり、定格速度
以上になると(k1)は0となって、許容誤差ΔTsは最
小、すなわちΔT1となる。
この函数(k1)を数値計算により得ようとすれば、定
格速度1以内の変速範囲では1から位相変化率の定
格速度1による除算値を減じた値で、他の速度範囲で
は0とする。この値を第1の可変制御信号と称すること
にする。
の(k1)をこの第1の可変制御信号とし、(k2)
を常に1として固定しておくことにより、定格速度以下
の低速運転時には許容誤差ΔTsを大きくすることができ
る。また、この第1の可変制御信号の代りに、所定の一
定値を第1の可変制御信号に加えたものを第3の可変制
御信号とし、これを(k1)として用いてもよい。
第10図はT*と(k2)との関係を示すグラフであり、
トルク指令T*に従って 0≦(k2)≦1 の範囲で函数(k2)は変化する。ここで▲T* 1▼は定
格トルクとする。すなわち函数(k2)はトルク指令T
*に比例してトルク指令T*が定格トルク▲T* 1▼に達
するまで大きくなり、それ以上のトルク指令T*では最
大値1となる。
トルク指令T*が0のとき関数(k2)は0であり、許
容誤差ΔTsは最小、すなわちΔT1となり、定格トルク▲
T* 1▼以上では一定の最大値をとることになる。
この関数(k2)を数値計算により得ようとすれば、定
格トルク▲T* 1▼以内のトルク範囲ではトルク指令T*
の定格トルク▲T* 1▼による除算値で、他のトルク範囲
では1とする。この値を第2の可変制御信号と称するこ
とに。
式の(k2)をこの第2の可変制御信号とし、
(k1)を常に1として固定しておくことにより、重負
荷時には許容誤差ΔTsを大きくすることができる。ま
た、この第2の可変制御信号の代りに、所定の一定値を
第2の可変制御信号に加えたものを第4の可変制御信号
とし、これを(k2)として用いてもよい。
更に、式の(k1)として前記第1または第3の可変
制御信号を用い、(k2)として前記第2または第3の
可変制御信号を用いることにより、低速重負荷時に許容
誤差ΔTsを大きくすることができる。
第11図は本発明にかかるPWMインバータによる誘導電
動機の制御方法における第2比較手段関連部分のブロッ
ク図で、全体のブロック図としては第1図のブロック図
に示した制御回路7のうち、ブロック712を本図のブロ
ック812に代えると共に、本図の太線で示した部分を追
加すればよい。
ブロック800はブロック705から出力される1次磁束 のd,q両軸成分φ1d,φ1qを受けて、1次磁束 ベクトルの位相変化率を演算するブロックであり、そ
の出力を受けたブロック801は第9図に示したグラフか
ら函数(k1)を算出する。
ブロック709に送られるトルク指令T*は同時にブロッ
ク802にも送られ、ブロック802は第10図に示したグラフ
から函数(k2)を算出する。
函数(k1),(k2)はブロック803に送られ、式
中の許容誤差ΔTsを可変制御するための信号である、
(k1)×(k2)が演算されてブロック804に送られ
る。ブロック804では式により許容誤差ΔTsが演算さ
れて、ブロック812へ送られる。
ブロック812には第8図で説明した3値ヒステリシスコ
ンパレータが内蔵されており、トルク指令T*の符号に
より正の時は下半部の,負のときは上半部の動作点ΔT1
を、ブロック804から送られたΔTsに変更する。
ブロック812はこのようにして動作点が変更された後、
ブロック702から送られるトルク偏差から判断して、ト
ルクの制御フラグfr=1,0,−1を送出する。
以上説明した実施例では、許容誤差ΔTsを可変制御する
ための信号として(k1)×(k2)を用いたが、函数
(k1),(k2)にそれぞれρ1,ρ2の重みを付
け、それらの平均値を許容誤差ΔTsを可変制御するため
の信号として用いると、更に誤差許容値可変制御方式の
適用範囲を拡大することが可能となる。
この場合の演算式は ΔTs=ΔT1{1+(k1ρ1+k2ρ2)/(ρ1+ρ
2}…… となり、ブロック803が単に(k1)×(k2)の乗算
を行うのに代えて(k1ρ1+k2ρ2)/(ρ1+ρ
2)を演算するようにすると共に、ブロック804の演算
式も上記式にすればよい。
〔発明の効果〕
誘導電動機の電圧および電流信号から磁束およびトルク
の瞬時値を演算し、磁束およびトルクを所定の許容誤差
内で指令値に追従するように、増磁,減磁および力行,
惰用,回生の状況を生じる6ステップの電圧ベクトルお
よび零ベクトルを選択する、インバータによる誘導電動
機の制御方法において、瞬時トルクTのトルク指令T*
に対するトルク偏差T*−Tの許容誤差を、速度および
トルク指令Tの状態によって可変制御することにより、
従来生じていた電流脈動が大きくなる低速,重負荷時の
3値ヒステリシスコンパレータの誤動作を抑制し、トル
ク脈動の増加やインバータ効率の低下や、スイッチング
周波数の上昇などの問題点が解決し、すべての運転条件
のもとで安定な運転が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図はトルク,磁束制御方式によるトルク制御系のブ
ロック図、第2図はスイッチ状態変数によるインバータ
の出力電圧ベクトル図、第3図は磁束状態図、第4図は
第1比較手段であるヒステリシスコンパレータの状態制
御図、第5図は従来の第2比較手段である3値ヒステリ
シスコンパレータの状態制御図、第6図および第7図は
トルク波形図、第8図は本発明にかかるPWMインバー
タによる誘導電動機の制御方法における第2比較手段で
ある3値ヒステリシスコンパレータの状態制御図、第9
図は一実施例のと(k1)の関係を示すグラフ、第10
図は一実施例のT*と(k2)の関係を示すグラフ、第
11は本発明にかかるPWMインバータによる誘導電動機
の制御方法における一実施例の第2比較手段関連部分の
ブロック図である。 1……直流電圧源、1a……正母線、1b……負母線、2…
…電圧検出器、3……PWMインバータ、5u,5v,5w……
電流検出器、6……誘導電動機、7……制御回路。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】静止座標系における電圧および電流ベクト
    ル成分信号から磁束ベクトルおよびトルクの瞬時値を演
    算し、該演算磁束の大きさとその指令値との誤差が所定
    の許容範囲を越えると磁束増加もしくは磁束減少を指令
    する第1制御フラグを発生する2値ヒステリシス・コン
    パレータ形の第1比較手段と、前記演算トルクとその指
    令値との誤差が所定の許容範囲を越える場合および所定
    の許容範囲内に収まつている場合に応じてトルク増加・
    減少もしくは現状保持を指令する第2制御フラグを発生
    する3値ヒステリシス・コンパレータ形の第2比較手段
    と、磁束ベクトル成分の大きさと符号から該磁束ベクト
    ルが現在円周を区分したどの円弧領域に存在するかを示
    す第3制御フラグを発生する磁束ベクトル位置検出手段
    と、予めこれら3個の制御フラグ値の全ての組み合わせ
    に応じてトルク応答を最適化する電圧ベクトルを発生す
    るインバータのスイッチング状態を記述したスイッチン
    グテーブルとを具え、時々刻々の制御フラグの状態に応
    じてインバータのスイッチング状態を直接指定し磁束ベ
    クトルが近似的円軌跡を描くように誘導電動機の磁束量
    と発生トルクを指令値に追従制御する可変電圧可変周波
    数インバータの制御方法において、定格速度以上では零
    で速度低下とともに増加し速度零で1となる第1の関数
    (k1)と、トルク零では零でトルク増加とともに増加
    し定格トルクで1となる第2の関数(k2)とを組み合
    わせた演算式を用いるとともに、力行運転時は前記第2
    比較手段の回生側のトルク許容範囲上限値をかつ回生運
    転時は第2比較手段の力行側のトルク許容範囲上限値
    を、前記演算式に応じて電動機が低速重負荷になるほど
    大きくなるように可変制御することを特徴とするPWM
    インバータによる誘導電動機の制御方法。
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